JPH1017765A - 高分子感温体およびそれを用いた感温素子 - Google Patents

高分子感温体およびそれを用いた感温素子

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JPH1017765A
JPH1017765A JP17201196A JP17201196A JPH1017765A JP H1017765 A JPH1017765 A JP H1017765A JP 17201196 A JP17201196 A JP 17201196A JP 17201196 A JP17201196 A JP 17201196A JP H1017765 A JPH1017765 A JP H1017765A
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JP
Japan
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iodide
polyamide
polymer
electric
iodine
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JP17201196A
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English (en)
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Tadataka Yamazaki
忠孝 山崎
Masahiko Ito
雅彦 伊藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電気採暖具等の可撓性の温度センサ
や感温ヒータに用いる感温体に関するもので、感温特性
および耐熱安定性に優れた高分子感温体および感温素子
を提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリアミドによう素化合物と酸化亜鉛と
を配合した組成物より構成され、温度検知性と優れた熱
通電安定性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気採暖具等の可
撓性の温度センサや感温ヒータに用いる高分子感温体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子感温体は、一般に1対の巻
き線電極間に配設され、可撓性線状の温度センサや感熱
ヒータとして用いられている。この高分子感温体として
は、ナイロン12や特開昭55−100693号公報に
開示されている変性ナイロン11(ATO−CHIMI
E社製、商品名「リルサンNナイロン」)等のポリアミ
ド組成物が用いられ、その静電容量や電気抵抗値あるい
はインピーダンス等の温度変化が利用され、温度センサ
の機能を果たしている。さらに特公昭60−48081
号公報では亜リン酸エステル熱劣化改良剤として添加し
たポリアミド組成物や特開昭64−30203号公報で
は銅不活性剤とフェノール系酸化防止剤を添加したイオ
ン伝導性感熱組成物の例が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ナイロン12は吸湿率
が低い点は優れているが、温度センサとしては湿度によ
る感温特性の変動が大きいため、実用に供し難い。また
特開昭55−100693号公報の変性ポリアミドにお
いては、インピーダンスの温度依存性が小さいため温度
検出感度が低く、耐熱安定性に劣る。このため耐湿性,
感温性の改善のため、特公平3−50401号公報に開
示されている様にフェノール系化合物のアルデヒド重縮
合体を配合した組成物が提案されている。しかしこれら
はいずれもインピーダンスの温度依存性が低く、また長
期間にわたる熱安定性が不十分である等の問題を有して
いた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためにポリアミドに、少なくともよう素もしくは
よう素化合物からなる添加剤すなわち、よう素供与体と
金属酸化物すなわち、よう素受要体とを配合したもので
ある。
【0005】上記発明によれば、よう素化合物がインピ
ーダンスの温度依存性を高め、金属酸化物が消失するよ
う素を補足し、長期間にわたる熱安定性を保つことがで
きる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリアミドに、少なく
ともよう素もしくはよう素化合物からなる添加剤と金属
酸化物とを配合したポリアミド組成物よりなるものであ
る。
【0007】そして、よう素より生じるよう素イオンお
よびよう素化合物のもつイオンキャリア性により著しく
インピーダンスの温度依存性を高める。さらに、よう素
イオンは金属酸化物と反応し、よう化金属化合物を生成
する。生成したよう化金属化合物はインピーダンスの温
度依存性を高めると共に、アミド基に金属錯体を形成
し、通電安定性を高め、熱的にも安定なものとなる。ま
た、よう素イオンの受容体として働き、金属電極表面の
よう化金属の生成を防止することができる。
【0008】また、よう素化合物が少なくとも、よう化
錫、よう化アンチモン、よう化銅、よう化ニッケル、よ
う化マンガン、よう化コバルト、よう化鉄、よう化鉛、
よう化チタン、よう化ナトリウム、よう化カリウムおよ
びこれらの水和物を含んでなる添加剤と金属酸化物とを
配合したポリアミド組成物よりなるものである。
【0009】そして、これらのよう素化合物はポリアミ
ドに対し、特によう素ドーピングが容易であり、インピ
ーダンスの温度依存性と、通電安定性の向上を顕著にも
たらすことができる。
【0010】さらに、金属酸化物が酸化マグネシウム、
酸化鉛、その他の遷移金属酸化物を含むポリアミド組成
物よりなるものである。
【0011】そして、これらの金属酸化物はよう素イオ
ンの受容体として働き、および、金属電極表面のよう化
金属の生成を防止作用が特に優れたものにすることがで
きる。
【0012】さらに、添加剤としてオキシ安息香酸エス
テル・ホルムアルデヒド重縮合体を含むポリアミド組成
物よりなるものである。
【0013】そして、オキシ安息香酸エステル・ホルム
アルデヒド重縮合体は耐湿性と可撓性を付与することが
できる。
【0014】さらに、ポリアミドが、ポリウンデカンア
ミド、ポリドデカンアミド、直鎖飽和炭化水素C10以上
を含むポリアミド及びその共重合体、ポリウンデカンア
ミドあるいはポリドデカンアミドのN−アルキル置換ア
ミド共重合体、ポリウンデカンアミドあるいはポリドデ
カンアミドのエーテルアミド共重合体、ダイマー酸含有
ポリアミドなどから選ばれた少なくとも1種を含むポリ
アミド組成物よりなるものである。
【0015】そして、これらのポリアミドはいずれも吸
水性が低いため、優れた耐湿性を付与することができる
ものである。
【0016】さらに、添加剤としてヒンダードフェノー
ルを含んでなるポリアミド組成物よりなるものである。
【0017】そして、ヒンダードフェノールは高温下に
おける機械強度安定性を付与することができる。
【0018】さらに、添加剤としてナフチルアミンを含
んでなるポリアミド組成物よりなるものである。
【0019】そして、ナフチルアミンは高温下における
機械強度安定性を付与することができる。
【0020】さらに、添加剤として亜リン酸エステル系
化合物を含んでなるポリアミド組成物よりなるものであ
る。
【0021】そして、亜リン酸エステル系化合物はヒン
ダードフェノールまたはナフチルアミンの添加と相乗し
て高温下における機械強度安定性を付与することができ
る。
【0022】さらに、添加剤としてヒドラジンまたはト
リアゾールなどの金属不活性剤を少なくとも1種をふく
むポリアミド組成物よりなるものである。
【0023】そして、上記金属不活性剤は電極材である
銅より生じる銅イオンによるポリアミド組成物の劣化を
防止し、また電極界面の酸化防止をする作用がある。
【0024】さらに、以上のポリアミド組成物すなわち
高分子感温体を一対の電極間に配設して構成された感温
素子である。
【0025】そして、上記感温素子は長期間にわたる通
電安定性と熱安定性を保つことができる。
【0026】さらに、前記感温素子の電極のうち、いず
れか一方および両極の材料が銅、アルミニウム、金、白
金、パラジュウム、銀、錫、半田、ニッケル、ステンレ
ス、チタン、インジュウムを用いて配設してなる感温素
子である。
【0027】そして、上記感温素子は長期間にわたる通
電安定性と熱安定性をさらに保つことができる。
【0028】さらに、前記素子の電極のうち、いずれか
一方および両極の材料の表面層が金、白金、パラジュウ
ム、銀、錫、半田、ニッケル、チタン、インジュウムを
含む内部層とは異なる他種金属からなる電極を用いて配
設してなる感温素子である。
【0029】そして、上記感温素子は長期間にわたる通
電安定性と熱安定性をより、低コストで作ることができ
る。
【0030】さらに、以上の感温素子を用いた電気採暖
具である。そして、前記電気採暖具は長寿命と高信頼度
を付与することができる。
【0031】さらに、上記記載の電気採暖具が電気カー
ペット、電気毛布、電気座布団、フロアーマット、電気
床暖房、壁面ヒータ、パネルヒータ、電気布団、電気足
温器、カーシートヒータなどを含む電気採暖具である。
【0032】そして、前記電気採暖具は特に、長寿命と
高信頼度を顕著に付与することができる。
【0033】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)本発明の実施例では、ポリアミドとして
は、吸湿性の少ないナイロン12を選んだ。ポリマーの
インピーダンスの温度依存性を高める導電付与剤とし
て、熱安定性のよう化金属化合物を用いた。よう素受容
体としては粒子径0.1〜0.5μmの酸化金属粉末を
用いた。試料はこれらを配合し、押し出し機より混練り
した後、加熱プレスで約70×70mm,厚さ1mmの
シートに成形し、その両面に銅電極部を設けて作成し
た。インピーダンスの温度依存性は、40〜80℃にお
けるサーミスタB定数で表した。また耐熱安定性は10
0℃における初期のインピーダンスと100℃で100
Vの半波通電を1000時間行った後の同一インピーダ
ンスが得られる温度との温度差(△TZ)で表した。な
お40〜80℃おけるサーミスタB定数は40℃におけ
るインピーダンスZ40および80℃におけるインピーダ
ンスZ80を測定した結果をもとに算出した。その結果を
(表1)に示す。
【0034】
【表1】
【0035】本発明の増感剤としては、よう化ニッケル
と酸化ニッケル、よう化コバルト−酸化コバルト、よう
化マンガン−酸化コバルト、よう化マンガン−二酸化マ
ンガン、よう化鉄またはよう化チタン−酸化亜鉛などに
みられる組合わせは、よう素化合物より生じるよう素イ
オンおよびよう素化合物のもつイオンキャリア性により
著しくインピーダンスの温度依存性を高める。さらに、
よう素イオンは金属酸化物と反応し、よう化金属化合物
を生成する。生成したよう化金属化合物はインピーダン
スの温度依存性を高めると共に、アミド基に金属錯体を
形成し、通電安定性を高め、熱的にも安定なものとな
る。また、よう素イオンの受容体として働き、金属電極
表面のよう化金属の生成を防止することができる。
【0036】(実施例2)本発明の実施例では、実施例
1と同様に行った。結果を(表2)に示す。
【0037】
【表2】
【0038】本発明の増感剤としては、よう化錫と酸化
錫、よう化アンチモンと酸化アンチモン、よう化ナトリ
ウムと酸化亜鉛、よう化カリウムと酸化マグネシウムを
示したが、その他に、よう化銅、よう化コバルト、よう
化鉛、よう化チタンなどのよう素化合物と酸化マグネシ
ウム、酸化鉛、酸化コバルトのような遷移金属化合物な
どにみられる組合わせは、よう素化合物より生じるよう
素イオンおよびよう素化合物のもつイオンキャリア性に
より著しくインピーダンスの温度依存性を高める。さら
に、よう素イオンは金属酸化物と反応し、よう化金属化
合物を生成する。生成したよう化金属化合物はインピー
ダンスの温度依存性を高めると共に、アミド基に金属錯
体を形成、通電安定性を高め、熱的にも安定なものとな
る。また、錫酸化物はよう素イオンの受容体として働
き、金属電極表面のよう化金属の生成を防止することが
できる。
【0039】(実施例3)本発明の実施例では、増感性
を有する吸湿の改良剤としてフェノール化合物のアルデ
ヒド重縮合体を添加した例であるが、ポリアミドと相溶
性の良いオキシ安息香酸オクチルエステル−ホルムアル
デヒド重縮合体を15重量部添加した例である。
【0040】12ナイロン100重量部、よう化亜鉛5
重量部、酸化鉛5重量部、オキシ安息香酸オクチルエス
テル−ホルムアルデヒド重縮合体を15重量部の配合物
はオキシ安息香酸オクチルエステル−ホルムアルデヒド
重縮合体を配合しない場合と比較して、温度45℃,湿
度95%,120時間の耐湿試験において7Kの耐湿性
が改善された。
【0041】(実施例4)本発明の実施例では、ポリア
ミドの種類をかえた実施例である。その結果を表3に示
す。温度45℃におけるインピーダンスZ45の初期値と
温度45℃,湿度95%,120時間の耐湿試験後のイ
ンピーダンスZ45の温度差△T45を測定した結果を(表
2)に示す。
【0042】ポリアミドが、ポリウンデカンアミド、ポ
リドデカンアミド、直鎖飽和炭化水素C10以上を含むポ
リアミド及びその共重合体、ポリウンデカンアミドある
いはポリドデカンアミドのN−アルキル置換アミド共重
合体、ポリウンデカンアミドあるいはポリドデカンアミ
ドのエーテルアミド共重合体、ダイマー酸含有ポリアミ
ドは、いずれもナイロン12と同じレベルの耐湿性とサ
ーミスタB定数を有することが分かる。
【0043】
【表3】
【0044】(実施例5)本発明の実施例では、抗酸化
剤および耐熱改質剤としてヒンダードフェノールとし
て、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]0.5重量部を添加した実施例である。
【0045】12ナイロン100重量部、酸化亜鉛5重
量部、酸化鉛5重量部、トリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]0.5重量部よりなる組成
を実施例1と同様に行い、120℃における機械強度が
無添加の場合500時間で50%の低下を示したが、本
実施例では2000時間以上保持できることが確認でき
た。
【0046】(実施例6)本発明の実施例では、耐熱機
械特性をさらに高めるためナフチルアミンとして、フェ
ニール−α−ナフチルアミン1重量部を添加した実施例
である。
【0047】12ナイロン100重量部、酸化亜鉛5重
量部、酸化鉛5重量部、フェニール−α−ナフチルアミ
ン1重量部よりなる組成を実施例1と同様に行い、12
0℃における機械強度が無添加の場合500時間で50
%の低下を示したが、本実施例では2000時間以上保
持できることが確認できた。
【0048】(実施例7)本発明の実施例では、耐熱性
をさらに高めるため亜リン酸エステルとして、テトラフ
ェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテト
ラホスファイト0.5重量部を添加した実施例である。
【0049】12ナイロン100重量部、酸化亜鉛5重
量部、酸化鉛5重量部、テトラフェニルテトラ(トリデ
シル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト0.5
重量部よりなる組成を実施例1と同様に行い、120℃
における機械強度が無添加の場合500時間で50%の
低下を示したが、本実施例では2000時間以上保持で
きることが確認できた。また、さらに、前記実施例に、
トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル
−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]0.5重量部をさらに添加した組成よりなる場合、
120℃で3000時間以上保持できることが確認でき
た。
【0050】(実施例8)本発明の実施例では、ヒドラ
ジンとして、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニル]ヒドラ
ジン0.5重量部を添加した実施例である。
【0051】12ナイロン100重量部、酸化亜鉛5重
量部、酸化鉛5重量部、トリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]0.5重量部、N,N’−
ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピニル]ヒドラジン0.5重量部をより
なる組成を実施例1と同様に行い、銅電極との通電安定
性を100℃における初期のインピーダンスと100℃
で100Vの半波通電を1000時間行った後のインピ
ーダンスとの温度差(△TZ)を測定した。N,N’−
ビス[3−(35−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピニル]ヒドラジン0.5重量部の無添加
の場合に比べて、△TZは6.5Kとなり約半減した。
さらに、20℃における機械強度も2000時間以上保
持できることが確認できた。
【0052】また、本発明の別の実施例では、トリアゾ
ールとして1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール
0.1重量部添加した実施例であるが、上記と同様に無
添加の場合に比べて、△TZは6.5Kとなり約半減し
た。このように、ヒドラジンおびトリアゾールの添加は
電極間の抵抗値の安定化に寄与する。
【0053】(実施例9)以下、本発明の実施例につい
て図面を用いて説明する。
【0054】図1は本発明の感温体を用いた温度検知ヒ
ータ線の一部破断側面図である。ここで、各構成要素に
ついて説明すると、1は1,500デニールのポリエス
テル芯糸,2は0.5%銀入銅電極線,3はナイロン感
温層,4は発熱・温度検知電極線5は耐熱ポリ塩化ビニ
ル外被である。比較のためにナイロン12のみで感温層
を形成した試作物に対して、サーミスタB定数は約3.
3倍の13,600(K)を示し,耐熱寿命試験として
行った100℃における連続100V半波通電に対して
これは4,000時間以上の耐久性を示した。
【0055】(実施例10)本実施例は実施例9の図1
で示す構成と基本構成は同じで電極線の種類のみを変え
た場合である。試験結果を(表4)に示す。
【0056】
【表4】
【0057】なお、感温体の組成は12ナイロン100
重量部、酸化亜鉛5重量部、酸化鉛5重量部、テトラフ
ェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテト
ラホスファイト0.5重量部、トリエチレングリコール
−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]0.5重量部をもち
い、インピーダンスの温度依存性は、40〜80℃にお
けるサーミスタB定数で表した。
【0058】また耐熱安定性は100℃における初期の
インピーダンスと100℃で100Vの半波通電を10
00時間行った後のインピーダンスとの温度差(△
Z)でした。なお40〜80℃におけるサーミスタB
定数は40℃におけるインピーダンスZ40および80℃
におけるインピーダンスZ80を測定した結果をもとに算
出した。
【0059】(実施例11)本発明の感温体を用いた温
度検知ヒータ線を用いれば、発熱体と温度検知ヒータ線
が同軸ケーブル状に構成されているので鋭敏な温度検知
が可能となり、耐熱性が高いことから長寿命で、安全な
人体とに接触する暖房器具を提供することができる。
【0060】(実施例12)本発明の感温体を用いた温
度検知ヒータ線を用いれば、発熱体と温度検知ヒータ線
が同軸ケーブル状に構成されているので鋭敏な温度検知
が可能となり、耐熱性が高いことから、従来発熱線と温
度検知線の2本の線で構成されていたいわゆる2線式で
ある電気カーペットをこれを1本にまとめて1線式に変
えることが可能となり、長寿命で、高信頼性の物を提供
することができる。
【0061】また、0.5%銀入銅電極線に約30μの
ニッケルメッキを施した電極線を用いた場合、8,00
0時間以上の耐久性を示した。
【0062】なお、本発明の増感剤としては、よう化
錫、よう化アンチモン、よう化銅、よう化ニッケル、よ
う化マンガン、よう化コバルト、よう化鉄、よう化鉛、
よう化カドミウム、よう化チタン、よう化ナトリウム、
よう化カリウム、ポリ[(2−オキソ−1−ピロリジニ
ル)エチレン]ヨードなどのよう素化合物およびこれら
の水和物を用いられ、サーミスタB定数の向上に寄与す
ることができる。
【0063】さらに、これら以外によう化パラジウム、
よう化銀、よう化ネオジウムなどよう素を含む化合物で
あれば良い。これらは、ポリアミドに対し、0.01〜
30重量部配合される。0.01重量部より少ないと増
感性および半波通電安定効果が低く,30重量部より多
いと組成物の物理的性質を著しく損なう。また、高温度
で長期間使用した場合に、よう素化合物より生じるよう
素イオンの受容体としては金属酸化物が用いられ、金属
電極表面のよう素金属の生成の防止に寄与している。さ
らに、金属酸化物はよう化金属を生成し通電安定性を向
上させる作用が働くという連環サイクルが機能するもの
と考えられる。従って、高分子感温体の熱安定性を向上
させ、温度センサ感熱ヒータとして耐熱安定性を著しく
増すことができる。これらは、ポリアミドに対し0.0
1〜30重量部配合される0.1重量部より少ないと効
果が低く、30重量部より多いと組成物の物理的性質を
著しく損なう。また、よう素ドナーはよう素有機化合物
であっても、よう化金属との組み合わせで増感性および
半波通電安定効果を発揮することは言うまでもない。さ
らにフェノール化合物のアルデヒド重縮合体を添加した
例では、ポリアミドと相溶性の良いフェノール系化合物
のアルデヒド重縮合体には、p−オキシ安息香酸オクチ
ルエステル−アルデヒド重縮合体およびp−オキシ安息
香酸イソステアリルエステル−ホルムアルデヒド重縮合
体が相溶性および耐湿性の点で優れているが、p−オキ
シ安息香酸アルキルエステル以外にp−ドデシルフェノ
ール,p−クロロフェノール,p−オキシ安息香酸ノニ
ルエステル等のアルデヒド重縮合体であってもよい。こ
れらは、ポリアミドに対し、5〜30重量部配合され
る。5重量部より少ないと効果が低く、30重量部より
多いと組成物の性質を著しく損なう。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、よう素化
合物と金属酸化物との併用配合は、サーミスタB定数の
向上と高温度においても、長期に亘る機械的強度と電気
特性を安定なものとして、多くの実用的な用途の信頼性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感温体を用いた温度検知ヒータ線の一部破断側
面図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/524 KLB C08K 5/524 KLB C08L 61/18 LNB C08L 61/18 LNB H05B 3/14 H05B 3/14 E

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドに、少なくともよう素もしく
    はよう素化合物からなる添加剤と金属酸化物とを配合し
    たポリアミド組成物よりなる高分子感温体。
  2. 【請求項2】 よう素化合物が少なくとも、よう化錫、
    よう化アンチモン、よう化銅、よう化ニッケル、よう化
    マンガン、よう化コバルト、よう化鉄、よう化鉛、よう
    化チタン、よう化ナトリウム、よう化カリウムおよびこ
    れらの水和物のうちの1つである請求項1記載の高分子
    感温体。
  3. 【請求項3】 金属酸化物が酸化マグネシウム、酸化
    鉛、その他の遷移金属酸化物の少なくとも1つである請
    求項1記載の高分子感温体。
  4. 【請求項4】 ポリアミド組成物がオキシ安息香酸エス
    テル・ホルムアルデヒド重縮合体の少なくとも1つであ
    る請求項1記載の高分子感温体。
  5. 【請求項5】 ポリアミドが、下記(a)〜(f)より
    なる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記
    載の高分子感温体。 (a)ポリウンデカンアミド (b)ポリドデカンアミド (c)直鎖飽和炭化水素C10以上を含むポリアミド及び
    その共重合体 (d)ポリウンデカンアミドあるいはポリドデカンアミ
    ドのN−アルキル置換アミド共重合体 (e)ポリウンデカンアミドあるいはポリドデカンアミ
    ドのエーテルアミド共重合体 (f)ダイマー酸含有ポリアミド
  6. 【請求項6】 ポリアミド組成物がヒンダードフェノー
    ルを含んでなる請求項1記載の高分子感温体。
  7. 【請求項7】 ポリアミド組成物がナフチルアミンを含
    んでなる請求項1記載の高分子感温体。
  8. 【請求項8】 ポリアミド組成物が亜リン酸エステル系
    化合物を含んでなる請求項1記載の高分子感温体。
  9. 【請求項9】 ポリアミド組成物がヒドラジンまたはト
    リアゾールなどの金属不活性剤を少なくとも1種を含む
    請求項1記載の高分子感温体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいづれか1項に
    記載の高分子感温体を一対の電極間に配設してなる感温
    素子。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の電極のうち少なくと
    も一方の電極の材料が銅、アルミニウム、金、白金、パ
    ラジュウム、銀、錫、半田、ニッケル、ステンレス、チ
    タン、インジュウムを用いて配設してなる感温素子。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の電極のうち、いずれ
    か一方および両極の材料の表面層が金、白金、パラジュ
    ウム、銀、錫、半田、ニッケル、チタン、インジュウム
    を含む内部層とは異なる他種金属からなる電極を用いて
    配設してなる感温素子。
  13. 【請求項13】 請求項10〜請求項12のいづれか1
    項に記載の感温素子を用いた電気採暖具。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の電気採暖具が電気
    カーペット、電気毛布、電気座布団、フロアーマット、
    電気床暖房、壁面ヒータ、パネルヒータ、電気布団、電
    気足温器、カーシートヒータなどを含む電気採暖具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002505363A (ja) * 1998-03-06 2002-02-19 ダイネオン エルエルシー 改善された安定性を有するポリマー加工添加剤
WO2022057210A1 (zh) * 2020-09-21 2022-03-24 金发科技股份有限公司 一种具有ntc效应的聚酰胺组合物及其制备方法

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