JPH1017636A - 難燃性熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱硬化性樹脂組成物

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JPH1017636A
JPH1017636A JP17373296A JP17373296A JPH1017636A JP H1017636 A JPH1017636 A JP H1017636A JP 17373296 A JP17373296 A JP 17373296A JP 17373296 A JP17373296 A JP 17373296A JP H1017636 A JPH1017636 A JP H1017636A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低環境負荷で難燃性の高い熱硬化性樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 X−R1 −X 式1(Xは式2の化合物
の官能基Yと反応できる官能基、R1 はフェニル基を含
有する結晶性官能基)で示される化合物と、式2のノボ
ラック類化合物とを必須成分とする熱硬化性樹脂組成物
であり、式2の化合物中の、官能基Y、および、官能基
Xと反応できる官能基R2 の合計の量が、官能基Xの量
に対して化学当量より過剰で、さらに硬化反応が起こり
得る範囲内となる式1と式2の化合物の配合比であるこ
とが好ましい。 【化1】】 (Yは式1の化合物の官能基Xと反応できる官能基、R
2 は官能基Xと反応できる官能基または、水素、または
炭素数1から5の炭化水素,nは0から20までの整
数)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低環境負荷で難燃性
の高い熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂は良好な絶縁性、耐熱性お
よび強度のため、電気絶縁材料や建材用として広く使用
されているが、一般的に難燃性が不十分であるため、こ
れらの用途では難燃剤が添加されている場合が多い。
【0003】難燃剤としては通常、臭素や塩素などのハ
ロゲンを含む化合物やリンを含む化合物が広く使用され
ている。しかし、前者の場合には、これらを含む樹脂製
品の火災時や廃棄後の焼却時には毒性の高いハロゲン系
ガスが発生し、また後者の場合は、これらを含む樹脂製
品の燃焼時には有害ガスは発生しにくいものの、廃棄さ
れ埋立て処分された際には有害なリン化合物が溶出しや
すく、いずれも環境負荷が大きいという問題がある。
【0004】これに対して水酸化アルミの水和物などの
低環境負荷の無機物の水和物も難燃効果があることが知
られているが、樹脂に大量に添加する必要があるため、
成形性や他の特性への悪影響から汎用的ではない。
【0005】そこで低環境負荷の難燃化として、熱硬化
樹脂組成物の架橋構造を検討して、樹脂自体の難燃性を
向上させることが考えられる。通常のプラスチックスの
燃焼は、プラスチックスが熱分解し、可燃性の分解物が
発生し、これに着火して進行すると考えられている(英
一太,プラスチックスの難燃化、1978年6月26
日発行、p39−41、日刊工業新聞社)。そして熱硬
化性樹脂の場合、構造中に芳香族類を含むものや、架橋
密度の大きいものほど加熱時の残存率(残炭率)が高く
て、耐熱分解性すなわち耐熱性が高いことが報告されて
いる(新保 正樹,エポキシ樹脂ハンドブック,198
7年12月25日、P368−369,日刊工業新聞
社)。
【0006】そこでこれまでは、難燃性を向上させよう
とする場合、このような耐熱性を向上させることが主要
な手段とされており、熱硬化させる主剤の樹脂と硬化剤
の組み合わせは芳香族を含むものを選択するとともに、
主剤の樹脂と硬化剤のそれぞれの反応性官能基を、化学
当量で、すなわち1:1の反応が起こるようにこれらを
過不足なく配合することによって、硬化物のガラス転移
温度を指標とする架橋密度を最大にするのが通例であっ
た。
【0007】しかしながら、芳香族類を用い、さらに主
剤の樹脂と硬化剤を当量配合して架橋密度を上げ耐熱性
を向上させても、難燃性は不十分である場合が多かっ
た。例えば、熱硬化性樹脂の中では、芳香族類で、かつ
ガラス転移温度が高く耐熱性が最も良好なものの一つで
あるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノール
ノボラック硬化剤の組み合わせ系でも難燃性は不十分で
あり、通常、難燃剤として臭素化合物が添加されている
(宮坂 啓象、プラスチックス事典,1992年3月1
日、P273,朝倉書店に記載)。
【0008】これは、樹脂の難燃性が、規定の評価方法
では、着火後の自己消火性(UL94による燃焼試験
法)や、燃焼させるために必要な酸素量(JIS−K−
7201による酸素指数法)によって評価されるため
に、樹脂の耐熱性だけでなく、グラファイトに代表され
る不燃構造の形成性などの他の要因も大きく影響するた
めと考えられる。
【0009】一方、熱硬化性樹脂組成物で、構造中に結
晶性のビフェニル基やナフタレン基を含むエポキシ樹脂
と、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂とを組み合
わせることはすでに検討されてきたが、これらの組み合
わせの効果としては、ICパッケージなどの成形体の耐
クラック性の向上等が知られているだけであり(特開昭
61−47725号公報、特開平3−12417号公
報)、これらの組成、特に架橋構造と難燃性の関係につ
いては知られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】熱硬化性樹脂の難燃性
を向上させるために従来より使用されているハロゲンや
リン系の難燃剤では、上記の様に環境負荷が大きいとい
う問題がある。
【0011】また、難燃剤を添加せずに樹脂自体の難燃
性を向上させようとした場合、従来では耐熱性(耐熱分
解性)を向上させることがその解決手段とされてきた
が、十分な効果が得られていない。
【0012】そこで、本発明では難燃性そのものを向上
させるような構造を持つ熱硬化性樹脂を提供することを
目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、式1で示される化合物と、式2で示され
るノボラック類化合物とを必須成分とする熱硬化性樹脂
組成物である。
【0014】
【化2】
【0015】ここで、式1で示される化合物のフェニル
基を含有する結晶性官能基R1 とは、フェニル基を含
み、お互いに規則性を持って配列して、配向しやすいこ
とを特徴とする、すなわち結晶性の高い官能基であり、
具体的には、ビフェニル、3,3′,5,5′−テトラ
メチルビフェニル、ナフタレン、2,2−ジフェニルプ
ロパン、ビフェニルエーテル、ジフェニルメタン、ジフ
ェニルスルフォン、ジアミノジフェニルメタンおよびこ
れらの類縁体であり、特に好ましくは、ビフェニル、ナ
フタレン、2,2−ジフェニルプロパン、ジフェニルメ
タンおよびこれらの類縁体が、難燃性の向上化のために
有効である。
【0016】式1の化合物の一部に、R1 が付加重合ま
た縮重合した重合物が混合していてもよいが、この場
合、これら重合物の重合度は5以下が好ましく、さらに
これらの重合物の割合は式1の化合物全体の60重量%
以下が好ましく、これらの数値を越えると難燃性向上化
が低減する場合がある。具体的な重合形態としては、化
合物1のXがエポキシ基であるものに、Xが水酸基であ
るものが付加して重合したもの等が挙げられる。
【0017】また、式1に示される化合物の官能基X
と、式2に示される化合物の官能基YおよびXと反応で
きる官能基R2 との組み合わせは、通常の成形条件の温
度や後硬化温度、すなわち室温から200℃程度で反応
できるものである。特に、XおよびYにおいて、どちら
か一方がエポキシ基を含む官能基であると、架橋反応速
度が適切なため、通常の成形条件で難燃性の高い架橋構
造を容易に形成できるので適している。
【0018】エポキシ基を含む官能基としては、グリシ
ジル、グリシドキシ、グリシジルアミン、脂環式エポキ
シなどが挙げられる。またエポキシ基を含む官能基と組
み合わせる官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボ
キシル基等が挙げられる。この中でも、Xがグリシドキ
シ基で、かつYとR2 が水酸基の組み合わせが、難燃性
だけでなく、混練や成形の容易性や、架橋反応後の硬化
体の耐湿性や電気特性などからも好ましい。
【0019】式2で示されるノボラック類の中の官能基
2 は、Xと反応できる官能基か、または炭素数1から
5までの炭化水素、または水素である。また式2のノボ
ラック類の構造で、Yが付加されていないフェニル基が
混在していてもよいが、その場合はYの無いフェニル基
の割合が全体のフェニル基の50重量%以下が難燃性の
点から好ましい。また式2中のnは1から20までが適
しており、これ以上であると混練時の粘度が高すぎて他
の材料との均一な混合や、成形性に支障をきたす場合が
ある。さらにこの範囲のnを持つノボラック類が混合さ
れていてもよい。
【0020】式1と式2の化合物の好ましい具体例とし
ては、式1の化合物が、3,3′,5,5′−テトラメ
チルビフェニル−4,4′−ジグリシジルエーテル、ビ
フェニル−4,4′−ジグリシジルエーテル、ナフタレ
ン−1,6−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA
のジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシ
ジルエーテルなどが挙げられる。これらは混合しても用
いることができる。これに対する式2の化合物は、Yが
水酸基であり、R2 が水酸基、水素、または炭化水素の
フェノールノボラック類であり、具体的には、フェノー
ルノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、カテコ
ールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、フェ
ノール−キシレンジオールノボラック、カテコール−キ
シレンジオールノボラックなどが挙げられる。この中で
は、特にカテコールノボラック樹脂を使用、またはこれ
を他と併用すると、樹脂組成物の硬化体のガラス転移温
度が他のノボラック類より向上するので、難燃性と耐熱
性のバランスを取る上では好ましい。
【0021】さらに、本組成物においては、式2の化合
物のノボラック類中の、官能基Y、および式1の化合物
の官能基Xと反応できる官能基R2 の合計量が、式1の
化合物の官能基Xに対して、化学当量より過剰になるよ
うに配合された場合のほうが、大幅に難燃性が向上す
る。具体的には式2の化合物の官能基Yおよび官能基R
2 の合計量が、式1の化合物の官能基Xの量に対して、
化学当量の1.1倍以上である場合に、特に難燃性には
有効である。
【0022】しかしながらYとR2 の合計量を過剰にし
すぎて、硬化反応が不十分になると、難燃性への悪影響
は少ないものの、離型性や硬化性などの成形性、耐熱
性、強度特性などの他の物性に悪影響があり、本来の熱
硬化性樹脂としての使用に支障をきたすので、YとR2
の合計量は硬化反応が起こり得る範囲内とする。例え
ば、式2の化合物として、過剰の上限としては、フェノ
ールノボラックの場合、化合物1のXに対してフェノー
ルノボラックの水酸基が化学当量の3.0倍以下が好ま
しく、またカテコールノボラックの場合は水酸基が3.
5倍以下が好ましい。これらを越えると、成型時に硬化
しにくくなり、その結果、成形性や硬化物の耐熱性、強
度等の物性に悪影響がある。
【0023】また、式1の化合物と式2の化合物の総量
は樹脂組成物中の樹脂成分の60重量%以上の添加が難
燃性の向上のためには好ましい。
【0024】本組成物において、必要に応じて添加され
る成分としては、シリカ粉、アルミナ粉、ガラス繊維な
どの無機充填材、トリフェニルフォスフィンなどリン化
合物や各種アミン化合物などの硬化促進剤、カルナバワ
ックスやステアリン酸塩などの離型剤、シランカップリ
ング剤などの無機充填材の表面処理剤、およびカーボン
などの着色剤、等が挙げられる。
【0025】これらの組成物は、必要に応じて各構成材
料をリボンブレンダーやヘンシェルミキサーなどで予備
混合後、加熱ロール、ニーダー、回分式混合機などを用
いて混合することで製造できる。そしてトランスファー
成形機や加熱プレス成型機によって所定の成形条件で加
熱して、架橋反応を起こし硬化させることで、高度な難
燃性を有する硬化成形体を得ることができる。
【0026】このように、本組成物では、式2の化合物
を式1の化合物より化学当量より過剰に配合すること
で、硬化物の架橋密度が下がり、耐熱性が低下した場合
のほうが難燃性が向上することから、明らかに耐熱性と
異なる要因で難燃性が大きく影響されており、これは本
組成物の硬化物に特有な難燃性の高い架橋構造の形成に
よるものと考える。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により説明する。
【0028】(実施例1〜9)本実施例では式1に示さ
れる化合物として、R1 が、3,3′,5,5′−テト
ラメチルビフェニルでXがグリシドキシである下記式3
の3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニル−4,
4′−ジグリシジルエーテル、及び、式1に示される化
合物として、R1 がビフェニルで、Xがグリシドキシで
ある下記式4のビフェニル−4,4′−ジグリシジルエ
ーテルの50重量%ずつの混合物(エポキシ当量17
0,軟化点104℃、以下エポキシ樹脂Aとする)を用
いた。
【0029】
【化3】
【0030】また、本実施例では、式2で示される化合
物として、R2 が水素であり、Yが水酸基である、下記
式5で示されるフェノールノボラック樹脂(水酸基当量
106、軟化点80℃、重量平均分子量1200、以下
フェノール樹脂Aとする)を用いた。
【0031】
【化4】
【0032】上記エポキシ樹脂Aとフェノール樹脂Aの
合計が31.0重量%、他の添加剤として、トリフェニ
ルフォスフィン0.5重量%、カルナバワックス0.5
重量%、シリカ粉(平均粒径25ミクロンの溶融シリ
カ)68.0重量%となるような配合比で、ヘンシェル
ミキサーで混合した後、加熱ロールで樹脂温度が100
〜110℃で5分間混練し、冷却プレスで冷却した後、
乳鉢で解砕し6メッシュの篩を通して成形材料を作成し
た。
【0033】ここでエポキシ樹脂Aとフェノール樹脂A
の組成物中の含有率(重量%)は、エポキシ樹脂Aのグ
リシドキシ基(官能基X)量とフェノール樹脂Aの水酸
基(官能基Y)量が、当量比で表1に示す割合(官能基
Xに対する官能基Yの当量比であり、y/xとする)と
した。
【0034】この成形材料を用いて、トランスファー成
型機で175℃で6分間の成形条件で成形した。この際
の成形性の指標として、金型からの離型性と成形体の硬
化性(硬さ)の結果を表1に示す。
【0035】この成形体をさらに175℃で6時間加熱
して後硬化させた後、所定の大きさに切断して試験片を
作成した。そして、この試験片の難燃性を酸素指数法
(JIS−K−7201)で評価し、さらに熱機械分析
(TMA)によってガラス転移温度を測定した(試料長
さ;10〜11mm、雰囲気;空気中、昇温速度;5℃
/分、荷重;2g、温度範囲;室温〜300℃)。これ
らの結果も表1に示す。
【0036】また特に酸素指数の結果を図1に示す。こ
こで、酸素指数が高いほど難燃性はよい。この結果から
わかるように、y/xが1.1以上で、樹脂が硬化しう
る範囲で、特に難燃性が向上する。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例10〜19)式1に示される化合
物として、実施例1〜9で使用したものと同じエポキシ
樹脂Aと、式2で示される化合物としてYが水酸基で、
2 も水酸基の下記式6のカテコールノボラック樹脂
(水酸基当量61,軟化点107℃、重量平均分子量9
90、以後フェノール樹脂Bとする)を、表2に示す割
合で、さらに実施例1〜9と同様な添加剤と一緒に、先
の実施例1〜9と同様に混合・混練し、成形して評価し
た。この際、組成物中のこれらの樹脂の合計の含有率、
および他の添加剤の含有率は実施例1〜9と同じであ
る。
【0039】ここで官能基Xのグリシドキシ基量に対す
る、官能基YおよびR2 の水酸基の合計量の当量比をy
/xとした。
【0040】
【化5】
【0041】これらの酸素指数とガラス転移温度の結果
を表2に示す。また特に酸素指数の結果を図2に示す。
この結果からわかるように、y/xが1.1以上で、硬
化しうる範囲で、特に難燃性が向上する。
【0042】
【表2】
【0043】(実施例20〜28)式1に示される化合
物として、R1 が2,2−ジフェニルプロパンであり、
Xがグリシドキシである、下記式7で示されるビスフェ
ノールAのジグリシジルエーテル、および式8で示され
る前記式7の2量体重合物から成り、これらの割合が重
量比で、87:13であるような混合物(エポキシ当量
189、粘度140ポイズ(室温)、以後エポキシ樹脂
Bとする)と、式2で示される化合物として前記フェノ
ール樹脂Aを、表3に示す割合で、さらに実施例1〜9
と同様な添加剤と一緒に、加熱ロールで100から11
0℃で5分間混練した後、実施例1〜9と同様に成形し
て評価した。この際、組成物中のこれらの樹脂の合計の
含有率、および他の添加剤の含有率は実施例1〜9と同
じである。
【0044】
【化6】
【0045】これらの酸素指数とガラス転移温度の結果
を表3に示す。また特に酸素指数の結果を図3に示す。
この結果からわかるように、エポキシ樹脂Bのグリシド
キシ基量に対する、フェノール樹脂Aの水酸基量の当量
比(y/x)が1.1以上で、樹脂が硬化しうる範囲
で、特に難燃性が向上する。
【0046】
【表3】
【0047】(実施例29〜37)式1で示される化合
物として、R1 がナフタレンであり、Xがグリシドキシ
である、下記式9で示されるナフタレン−1,6−ジグ
リシジルエーテル(エポキシ当量152、以後エポキシ
樹脂Cとする)と、式2で示される化合物としてフェノ
ール樹脂Aを、表4に示す割合で、さらに実施例1〜9
と同様な添加剤と一緒に、加熱ロールで100から11
0℃で5分間混練した後、実施例1〜9と同様に成形し
て評価した。この際、組成物中のこれらの樹脂の合計の
含有率、および他の添加剤の含有率は実施例1〜9と同
じである。
【0048】
【化7】
【0049】これらの酸素指数とガラス転移温度の結果
を表4に示す。また特に酸素指数の結果を図4に示す。
この結果からわかるように、エポキシ樹脂Cのグリシド
キシ基量に対するフェノール樹脂Aの水酸基量の当量比
(y/x)が1.1以上で、樹脂が硬化しうる範囲で、
特に難燃性が向上する。
【0050】
【表4】
【0051】(比較例1〜9)本発明の比較例として、
式1の化合物の比較として、式1の結晶性のR1 のかわ
りに非結晶性のクレゾールノボラックを用い、さらにこ
れに官能基Xとしてグリシドキシが付いた構造の、下記
式10で示されるオルソクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(エポキシ当量194,軟化点80℃、重量平均
分子量2900,以後エポキシ樹脂Dとする)と、式2
記載のノボラック類化合物として実施例で使用した式5
で示されるフェノール樹脂Aを用い、表5に示す割合
で、さらに実施例1〜9と同様な添加剤と一緒に、同様
に混合・混練し、成形して評価した。この際、組成物中
のこれらの樹脂の合計の含有率、および他の添加剤の含
有率は実施例1〜9と同じである。
【0052】
【化8】
【0053】これらの酸素指数とガラス転移温度の結果
を表5に示す。また特にこれらの酸素指数の結果を図5
に示す。これらの結果からわかるように、実施例の樹脂
組成物に比べて、ガラス転移温度は全体的に高いが、大
幅に難燃性が劣り、さらにエポキシ樹脂Dのグリシドキ
シ基量に対するフェノール樹脂Aの水酸基量の当量比
(y/x)の難燃性への影響は認められない。
【0054】
【表5】
【0055】以上、実施例1〜37で示したように、本
発明の式1の化合物の結晶性エポキシ樹脂類と式2のノ
ボラック類のフェノール樹脂類との組み合わせ系は、比
較例に示すガラス転移温度が高くて耐熱性が良好な、非
結晶性のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と
フェノール樹脂との組み合わせ系よりも、高い難燃性を
示すことがわかる。
【0056】さらに、式2のフェノ−ル樹脂類が、式1
のエポキシ樹脂類に対して化学当量より過剰に配合され
た場合、すなわち、グリシドキシ量に対する水酸基量の
当量比(y/x)が1.1以上で特に良好な難燃性を示
すことがわかる。ただし極端に過剰な場合、例えばフェ
ノールノボラックの場合、化学当量の3.0倍を、また
カテコールノボラックの場合、3.5倍を越えると、難
燃性には影響しないものの、離型性や硬化性で代表され
る成形性が低下し、さらにガラス転移温度も極端に低下
して耐熱性が低くなる。
【0057】
【発明の効果】本発明の効果は、従来の環境負荷の大き
な難燃剤を添加することなく、それ自体が高い難燃性を
有する熱硬化性樹脂樹脂組成物を提供することができる
ことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による成形物(実施例1〜9)の酸素指
数分析結果を示す図である。
【図2】本発明による成形物(実施例10〜19)の酸
素指数分析結果を示す図である。
【図3】本発明による成形物(実施例20〜28)の酸
素指数分析結果を示す図である。
【図4】本発明による成形物(実施例29〜37)の酸
素指数分析結果を示す図である。
【図5】比較例1〜9に記載の成形物の酸素指数分析結
果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/22 C08K 3/22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式X−R1 −X(式1)(Xは式2の
    化合物の官能基Yと反応できる官能基であり、R1 はフ
    ェニル基を含有する結晶性官能基)で示される化合物
    と、式2で示されるノボラック類化合物とを必須成分と
    することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 【化1】 (Yは式1の化合物の官能基Xと反応できる官能基であ
    り、R2 は式1の化合物の官能基Xと反応できる官能
    基、または炭素数1から3までの炭化水素、または水素
    であり、nは1から20までの整数)。
  2. 【請求項2】前記式1に記載の化合物中の前記フェニル
    基を含有するR1 が、ビフェニル、ナフタレン、ビフェ
    ニルエーテル、2,2−ジフェニルプロパン、ジフェニ
    ルメタンおよびこれらの類縁体のいずれかであることを
    特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記式1に記載の化合物の官能基X又は前
    記式2に記載の化合物の官能基Yの少なくともいずれか
    が、エポキシ基を含む官能基であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記式2に記載の化合物において、前記官
    能基Yおよび前記式1の官能基Xと反応できる官能基R
    2 の合計量が、前記式1に記載の化合物の官能基Xの量
    に対して、YとR2 がXと反応する化学当量よりも過剰
    で、硬化反応が起こり得るまでの範囲であるような前記
    式1と前記式2の化合物の配合比であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2又は請求項3記載の熱硬化性樹
    脂組成物。
JP17373296A 1996-07-03 1996-07-03 難燃性熱硬化性樹脂組成物 Pending JPH1017636A (ja)

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