JPH1017177A - 給紙装置 - Google Patents

給紙装置

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JPH1017177A
JPH1017177A JP8185455A JP18545596A JPH1017177A JP H1017177 A JPH1017177 A JP H1017177A JP 8185455 A JP8185455 A JP 8185455A JP 18545596 A JP18545596 A JP 18545596A JP H1017177 A JPH1017177 A JP H1017177A
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JP
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speed
roller
upstream
transport
paper
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JP8185455A
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Kazumasa Ishikawa
一正 石川
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は搬送方向に長い用紙をもジャムや破れ
等を発生させることなく、適切に搬送可能な給紙装置を
提供する。 【解決手段】速度制御部30は、下流側ローラB(転写
ローラ7)を回転させるとともに、上流側ローラA(レ
ジストローラ6)を搬送速度Vaで用紙2を搬送させ
る。速度制御部30は、タイマー31で時間を計測し
て、規定時間Tmaxが経過するまで上記の搬送状態を
継続する。規定時間Tmaxが経過すると、速度制御部
30は、上流側ローラAを搬送速度Vaから搬送速度v
aに減速させてt時間だけ搬送させる。速度制御部30
は、t時間経過後、再び上流側ローラAを搬送速度Va
に加速させて排紙されるまで搬送する。このように、上
流側ローラAの搬送速度を可変することによって、下流
側ローラBとの間の相対的な搬送速度が制御され、ルー
プの発生と解消とを交互に行って、ループや引っ張り力
が用紙11に生じないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給紙装置に関し、
詳細には、複数の搬送手段により用紙を搬送する給紙装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ装置、プリンタ、複写機な
どの電子写真プロセスを用いた画像出力装置において
は、用紙の搬送路に複数のローラが所定間隔毎に対向配
置され、各ローラを駆動させて用紙を搬送する給紙装置
を備えている。
【0003】このような給紙装置においては、一般に、
各ローラは、用紙の搬送速度に対してほぼ等速度で回転
されており、各ローラ間での用紙の搬送速度も等速度と
なるはずである。ところが、実際には、各ローラの径寸
法にバラツキがあるため、各ローラ間における用紙の搬
送速度が異なったものとなり、搬送中の用紙がローラ間
で引っ張られて破れたり、逆に、用紙が弛んでジャムが
発生するおそれがあった。
【0004】そこで、従来の給紙装置においては、各ロ
ーラ間の搬送路に用紙の搬送速度の違いによって用紙が
弛んだときのための余裕を持たせたり、ローラ間で用紙
が引っ張られたときの不具合を防止するために、下流側
の搬送力を上流側に比べて落とす等の工夫が加えられて
いる。
【0005】例えば、従来の画像形成装置(特開昭62
−161157号公報参照)においては、ローラ間で用
紙を一定にたわませた後、下流側のローラを速い周速に
切り換えてたわみ部分を解消しており、画像形成装置に
おけるシート給紙機構(特開昭62−130944号公
報、特開昭62−130945号公報参照)において
は、上流側の給紙ローラの搬送速度よりも下流側の搬送
ローラの搬送速度を大きくする速度差を設けて、搬送さ
れるシート(用紙)間隔を狭くしたままで、高速に用紙
を搬送するようにしている。また、用紙にたわみが残ら
ないようにする用紙搬送機構(特開昭62−51533
号公報参照)か提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の給紙装置にあっては、上述したように、各ロ
ーラ間に余裕を持たせたり、下流側の搬送力を上流側に
比べて落とすといった工夫を加えたとしても、用紙の搬
送方向の長さ(以下、用紙搬送長という)が長くなった
ときには、対応できなくなるという問題がある。
【0007】このため、従来の給紙装置においては、搬
送用の各ローラの径公差を非常に厳しくチェックするこ
とによって、上記問題を解決しようとしているが、高速
機や大型機のように各ローラが別々の駆動装置によって
駆動される給紙装置においては、仮に各ローラ間で径公
差が無かったとしても、各ローラの搬送速度を合わせる
のは非常に困難であるという問題がある。
【0008】そこで、このような問題に対処するため
に、各ローラ間の用紙のたわみ量をセンサなどで検知
し、その検知量によって各ローラの回転数を可変するこ
とが考えられる。しかし、検知手段(センサ)の信頼性
に問題があったり、あるいは、その検知結果に基づいて
ローラの回転数を可変制御する制御回路と、その制御回
路を動かすためのソフトがさらに必要になるなど、搬送
される用紙のたわみやジャムを確実に無くすことが難し
い上、コスト高になるという問題があった。
【0009】そこで、請求項1記載の発明は、搬送路に
配設された上流側の搬送手段の搬送速度を下流側の搬送
手段の搬送速度よりも所定速度だけ速くする上流側高速
制御を所定時間だけ行い、その後、上流側の搬送手段の
搬送速度を下流側の搬送手段の搬送速度よりも所定速度
だけ遅くする上流側低速制御を所定時間だけ行うことに
より、各搬送手段の寸法誤差や各駆動手段の駆動誤差を
ある程度許容しつつ、用紙のジャムや破れを防止して、
低コストで、かつ、用紙搬送の信頼性の高い給紙装置を
提供することを目的としている。
【0010】請求項2記載の発明は、上流側高速制御を
所定時間行い、その後、上流側低速制御を所定時間行う
速度制御を所定回数繰り返し行うことにより、さらに用
紙搬送長の長い用紙を適切に搬送することのできる安価
な給紙装置を提供することを目的としている。
【0011】請求項3記載の発明は、上流側の搬送手段
の搬送速度を下流側の搬送手段の搬送速度よりも所定速
度だけ速くする上流側高速制御を所定時間だけ行い、そ
の後、上流側の搬送手段の駆動を停止させる上流側停止
制御を所定時間だけ行うことにより、下流側の搬送手段
の変速動作を行うことなく、各搬送手段の寸法誤差や各
駆動手段の駆動誤差をある程度許容しつつ、用紙のジャ
ムや破れを防止して、より一層低コストで、かつ、信頼
性の高い給紙装置を提供することを目的としている。
【0012】請求項4記載の発明は、上流側高速制御を
所定時間行い、その後、上流側停止制御を所定時間行う
速度制御を所定回数繰り返し行うことにより、さらに用
紙搬送長の長い用紙を適切に搬送することのできる安価
な給紙装置を提供することを目的としている。
【0013】請求項5記載の発明は、上流側の搬送手段
を駆動する駆動手段と下流側の搬送手段を駆動する駆動
手段のうち少なくともいずれかをステッピングモータと
することにより、搬送手段の変速制御をより一層精度良
く、かつ、低コストで行うことのできる給紙装置を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の給
紙装置は、用紙を上流側から下流側に向かって搬送する
複数の搬送手段と、前記複数の搬送手段をそれぞれ独立
して駆動する駆動手段と、前記各駆動手段を制御して前
記複数の搬送手段の搬送速度をそれぞれ変速させる制御
手段と、所定時間を計時する計時手段と、を備え、前記
制御手段は、前記計時手段の計時結果に基づいて前記各
駆動手段を制御して、前記複数の搬送手段のうち、上流
側の前記搬送手段の搬送速度を下流側の前記搬送手段の
搬送速度よりも所定速度だけ速くする上流側高速制御を
所定時間だけ行い、その後、前記上流側の搬送手段の搬
送速度を前記下流側の搬送手段の搬送速度よりも所定速
度だけ遅くする上流側低速制御を所定時間だけ行うこと
により、上記目的を達成している。
【0015】ここで、搬送手段としては、用紙の搬送路
に対して用紙の表裏面方向から一対の回転駆動可能なロ
ーラを対向配置させ、この一対のローラを搬送路に沿っ
て所定間隔(搬送用紙長以下)で複数配置された搬送ロ
ーラの他、搬送路に沿って無限軌道の搬送用ベルトを複
数配置し、その搬送用ベルトを駆動プーリ等を使って搬
送方向に回転駆動させることによって用紙を搬送する搬
送ベルト、あるいはそれ以外の搬送手段であってもよ
い。
【0016】駆動手段は、上述した搬送手段を駆動させ
る動力源としてのモータや、その動力を伝達する動力伝
達機構等を含んでいる。そして、その動力伝達機構の中
には、動力を伝達したり切ったりするクラッチ機構、あ
るいは速度を変える変速機構等を含んでいる。このた
め、定速回転のモータを使って搬送手段を駆動する場合
は、変速機構によって用紙の搬送速度を調節することが
可能である。また、上記した変速機構を使わずに用紙搬
送速度を調節する場合には、例えば、駆動パルスの周波
数を変えて直接回転速度を調節するパルスモータなどを
使うようにしてもよい。
【0017】制御手段は、装置各部を制御するCPU
(Central Processing Unit )等で構成されており、上
記駆動手段を制御して上流側と下流側の搬送手段による
用紙の搬送速度が異なるように制御したり、一方を停止
することによって、搬送速度差を設ける。例えば、制御
手段は、後述する計時手段を用いて、所定時間毎に上流
側の搬送手段と下流側の搬送手段の搬送速度を変化させ
たり、一方の搬送手段を定期的に所定時間だけ停止させ
ることにより、相対的な搬送速度差を生じさせる。
【0018】計時手段は、例えば、水晶発振器や分周回
路等を備え、発振器で発生されて分周回路で分周された
基本クロックパルスをカウントして時間の経過を計測す
る。上記制御手段は、この計時手段の計時結果を参照し
て所定時間だけ搬送手段の速度制御を行い、また、停止
制御を行う。
【0019】上記構成によれば、搬送路に配設された上
流側の搬送手段の搬送速度を下流側の搬送手段の搬送速
度よりも所定速度だけ速くする上流側高速制御を所定時
間だけ行い、その後、上流側の搬送手段の搬送速度を下
流側の搬送手段の搬送速度よりも所定速度だけ遅くする
上流側低速制御を所定時間だけ行うので、搬送中の用紙
が一定量弛んでもその後引っ張られて、弛みが解消さ
れ、常に用紙が弛む方向や引っ張られる方向に偏ること
がなくなる。その結果、各搬送手段の寸法誤差や各駆動
手段の駆動誤差をある程度許容しつつ、用紙のジャムや
破れ等のない適正な用紙搬送を行なうことができ、給紙
装置を低コストで、かつ、用紙搬送の信頼性の高いもの
とすることができる。
【0020】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記制御手段は、前記上流側高速制御を所定時間
行い、その後、前記上流側低速制御を所定時間行う速度
制御を所定回数繰り返し行うものであってもよい。
【0021】上記構成によれば、上流側高速制御を所定
時間行い、その後、上流側低速制御を所定時間行う速度
制御を所定回数繰り返し行うので、用紙搬送長のさらに
長い用紙であってもジャムや破れ等のない適正な用紙搬
送を安価に行なうことができる。
【0022】請求項3記載の発明の給紙装置は、用紙を
上流側から下流側に向かって搬送する複数の搬送手段
と、前記複数の搬送手段をそれぞれ独立して駆動する駆
動手段と、前記各駆動手段を制御して前記複数の搬送手
段の搬送速度をそれぞれ変速させる制御手段と、所定時
間を計時する計時手段と、を備え、前記制御手段は、前
記計時手段の計時結果に基づいて前記各駆動手段を制御
して、前記複数の搬送手段のうち、上流側の前記搬送手
段の搬送速度を下流側の前記搬送手段の搬送速度よりも
所定速度だけ速くする上流側高速制御を所定時間だけ行
い、その後、前記上流側の搬送手段の駆動を停止させる
上流側停止制御を所定時間だけ行うことにより、上記目
的を達成している。
【0023】上記構成によれば、上流側の搬送手段の搬
送速度を下流側の搬送手段の搬送速度よりも所定速度だ
け速くする上流側高速制御を所定時間だけ行い、その
後、上流側の搬送手段の駆動を停止させる上流側停止制
御を所定時間だけ行うので、下流側の搬送手段の変速動
作を行うことなく、搬送中の紙が一定量弛んでも、その
後上流側搬送手段が停止している間に引っ張られて、弛
みが解消され、常に用紙が弛む方向や引っ張られる方向
に偏ることを防止することができ、各搬送手段の寸法誤
差や各駆動手段の駆動誤差をある程度許容しつつ、用紙
のジャムや破れ等のない適正な用紙搬送を行なうことが
できる。その結果、給紙装置をより一層低コストで、か
つ、用紙搬送の信頼性の高いものとすることができる。
【0024】この場合、例えば、請求項4に記載するよ
うに、前記制御手段は、前記上流側高速制御を所定時間
行い、その後、前記上流側停止制御を所定時間行う速度
制御を所定回数繰り返し行うものであってもよい。
【0025】上記構成によれば、上流側高速制御を所定
時間行い、その後、上流側停止制御を所定時間行う速度
制御を所定回数繰り返し行うので、下流側の搬送手段の
変速動作を行うことなく、さらに用紙搬送長の長い用紙
をジャムや破れ等のない適正な用紙搬送を安価に行なう
ことができる。
【0026】上記各場合において、例えば、請求項5に
記載するように、前記上流側の搬送手段を駆動する前記
駆動手段と前記下流側の搬送手段を駆動する前記駆動手
段のうち少なくともいずれかが、ステッピングモータで
あってもよい。
【0027】上記構成によれば、上流側の搬送手段を駆
動する駆動手段と下流側の搬送手段を駆動する駆動手段
のうち少なくともいずれか一方に、ステッピングモータ
を用いているので、モータの回転数を駆動周波数を変え
て制御するオープン制御によって、搬送手段の変速制御
をより一層精度良く制御することができるとともに、コ
ストをより一層低減させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0029】図1〜図6は、本発明の給紙装置の一実施
の形態を適用したファクシミリ装置1を示す図である。
【0030】図1は、本発明の給紙装置の一実施の形態
に係る電子写真プロセスを用いたファクシミリ装置1の
正面断面図であり、図1において、ファクシミリ装置1
は、用紙2が複数枚装填される給紙カセット3、紙送り
ローラ4、搬送ローラ5、レジストローラ6、転写ロー
ラ7、感光体ドラム8、定着ローラ9、帯電部10、光
走査部11、現像部12、クリーニング部13及び除電
ランプ14等を備え、光走査部11は、所定の等角速度
で回転して、光源からのレーザビームを主走査方向にく
り返し偏向するポリゴンミラー15、レンズ16及びミ
ラー17等を備えている。
【0031】給紙カセット3には、用紙(記録紙)2が
複数枚積層されて装填され、紙送りローラ4は、給紙カ
セット3内の用紙2を1枚ずつ分離して搬送ローラ5に
送り出す。
【0032】搬送ローラ5には、対向ローラ18が当接
しており、搬送ローラ5は、紙送りローラ4により送り
出された用紙2を対向ローラ18とともに挟んで、搬送
方向(図の左方向)に搬送する。
【0033】レジストローラ(上流側ローラ)6には、
対向ローラ19が当接しており、レジストローラ6は、
搬送ローラ5から搬送されてくる用紙2を対向ローラ1
9との間に挟んで、次段の転写ローラ7側に用紙2を搬
送する。
【0034】転写ローラ(下流側ローラ)7は、感光体
ドラム8に対して回転可能に当接配置され、感光体ドラ
ム8の表面に形成された潜像に応じて付着されたトナー
を用紙2に転写させる。
【0035】感光体ドラム8は、図示しない駆動部によ
り図1中矢印方向に回転され、その表面に光走査部11
によりレーザービームが照射されて画像の潜像が形成さ
れる。
【0036】すなわち、感光体ドラム8は、帯電部10
によりその表面が一様に帯電され、光走査部11によ
り、光が照射されて、印字画像の潜像が形成される。例
えば、光走査部11は、走査データに変換された走査デ
ータに基づいて変調されたレーザービームをポリゴンミ
ラー15で走査してレンズ16及びミラー17を介して
感光体ドラム8に照射する。潜像の形成された感光体ド
ラム8は、現像部12によりトナーが付着されて現像さ
れ、感光体ドラム8に付着されたトナーは、転写ローラ
7により用紙2に転写される。転写の完了した感光体ド
ラム8は、クリーニング部13により、残存トナーが除
去され、除電ランプ14により、除電される。
【0037】転写ローラ7によりトナーの転写された用
紙2は、転写ローラ7と感光体ドラム8により定着ロー
ラ9に搬送され、定着ローラ9には、従動ローラ20が
当接している。定着ローラ9は、トナーの転写された用
紙2を加熱して、トナーを用紙2に定着させ、排紙ロー
ラ対21に送り出す。排紙ローラ対21は、定着ローラ
9から搬送されてくる用紙2を用紙テーブル22上に排
出する。なお、図1中、24は、搬送路23を形成する
搬送ガイド板である。
【0038】このように、ファクシミリ装置1は、給紙
カセット3内の用紙2を紙送りローラ4で1枚ずつ分離
して搬送ローラ5に送り、搬送ローラ5は、送られてき
た用紙2を、搬送路23上をレジストローラ6に搬送す
る。レジストローラ6は、搬送されてきた用紙2を一旦
停止させた後、感光体8にトナーにより形成された画像
を転写ローラ7により用紙2に転写するのに適した動作
タイミングで動作されて、用紙2を転写ローラ7に搬送
し、転写ローラ7で感光体8のトナーを用紙2に転写し
つつ、定着ローラ9に搬送する。定着ローラ9でトナー
を用紙2に定着させて、トナーの定着された用紙2を排
出ローラ対21により用紙テーブル22上に排出する。
【0039】上記各ローラのうち、上述のように、用紙
2の搬送タイミングが重要で、適切に用紙2を搬送する
必要があるのが、転写ローラ7への用紙2の搬送であ
る。すなわち、転写ローラ7とレジストローラ6の間で
用紙2の引っ張り合いが発生すると、転写抜けが発生
し、弛みが大きくなると、ジャムが発生する。
【0040】そこで、レジストローラ6を上流側ロー
ラ、転写ローラ7と定着ローラ9、特に、転写ローラ7
を下流側ローラとすると、ファクシミリ装置1は、図2
に示すように、速度制御部30がタイマー31の計時結
果に基づいて、レジストローラ6を駆動するモータ32
と転写ローラ7を駆動するモータ33の速度制御を行
う。
【0041】図2において、タイマー(計時手段)31
は、発振器や分周回路等を備え、基本クロックを生成し
て、当該基本クロックをカウントすることにより所定時
間を計時し、計時結果を速度制御部30に出力する。
【0042】速度制御部(制御手段)30は、CPU
(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Me
mory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、
ROM内には、各種制御プログラム、特に、速度制御プ
ログラムや当該プログラムを実行するのに必要な各種デ
ータが格納されている。速度制御部30は、そのCPU
がROM内の速度制御プログラムに基づいて、RAMを
ワークメモリとして使用しつつ、モータ32及びモータ
33を速度制御して、レジストローラ6及び転写ローラ
7と定着ローラ9の用紙2の搬送速度の制御を行う。こ
のとき、CPUは、RAM内のカウンタを用いて所定時
間を監視する。
【0043】モータ(駆動手段)32及びモータ(駆動
手段)33は、例えば、ステッピングモータが用いら
れ、それぞれ独立して、レジストローラ6及び転写ロー
ラ7を回転駆動する。
【0044】そして、速度制御部30は、レジストロー
ラ6及び転写ローラ7等のローラ自体の径公差の影響を
除去するため、レジストローラ(上流側ローラA)6と
転写ローラ7及び定着ローラ9(下流側ローラB)の搬
送速度制御を速度制御部30で行い、タイマー31によ
り一定時間だけ上流側ローラAを下流側ローラBよりも
速くする上流側高速制御を所定時間だけ行い、その後、
上流側ローラAを下流側ローラBよりも所定速度だけ遅
くする上流側低速制御を所定時間だけ行い、また、この
上流側高速制御と上流側低速制御を繰り返し行い、さら
に、上流側ローラAを所定時間停止させる停止制御を行
うことにより、上流側ローラAと下流側ローラBによる
用紙の搬送速度を相対的に調整する。
【0045】すなわち、図2に示す上流側ローラAとし
てのレジストローラ6の直径を、Da、回転数を、Na
(回/秒)とし、下流側ローラBとしての転写ローラ7
の直径を、Db、回転数を、Nb(回/秒)とした場合
に、上流側ローラAと下流側ローラBの用紙搬送速度
は、次式(1)の関係にあるときに等しくなる。
【0046】 2πDaNa=2πDbNb…………(1) ここで、一般的に、ローラの径公差は、±0.03〜
0.05であるので、特に、図1に示される転写ローラ
7とレジストローラ6との間において、用紙2が引っ張
り合いになると、転写抜けにつながるおそれがある。こ
のため、上流側ローラAと下流側ローラBとの径公差が
最悪の組み合わせであったとしても、最低限等速となる
ように、上流側ローラAの搬送速度の方を常に下流側ロ
ーラBよりも所定速度速くなるように設定する。
【0047】つまり、上流側ローラAの搬送速度をV
a、下流側ローラBの搬送速度をVbとした場合、両者
の関係がVa≧Vbとなるようにし、ローラの径公差
を、±Xとすると、次式(2)〜(4)のようになる。
【0048】Va=2π(Da−X)Na………(2) Vb=2π(Db+X)Nb………(3) (Da−X)Na≧(Db+X)Nb………(4) ここで、1秒間当たりのループ量(上流側ローラAと下
流側ローラBとの間での用紙2の弛み長さ)Lpは、L
p=(Va−Vb)であるから、上記式(2)、式
(3)から次式(5)が導かれる。
【0049】 Lp=2π{(Da−X)Na−(Db+X)Nb}……(5) そして、ジャム等が発生しない許容可能な最大のループ
量をLmとした場合、1枚の用紙2の搬送に要する最大
通紙時間Tmaxは、次式(6)で表わされる。
【0050】Tmax=Lm/Lp…………(6) すなわち、搬送可能な用紙2の長さ(用紙搬送長)は、
搬送方向にVa*Tmax以下の長さを持った用紙2と
いうことになる。したがって、用紙搬送長がVa*Tm
ax以上の用紙2を搬送するためには、Tmax秒間だ
け用紙2を搬送した後、搬送によって生じたループが解
消するまで、上流側ローラAの搬送速度(Va)と下流
側ローラBの搬送速度(Vb)との相対速度の関係を上
記の場合とは逆のVa≦Vbの関係にする(なお、Va
=Vbの場合は、そもそもループが殆ど発生しない場合
であるから、ループを解消する必要がなく、逆の関係に
したとしてもVa=Vbとなる)。
【0051】このように、上流側ローラAの搬送速度を
下流側ローラBの搬送速度よりも速くする上流側高速制
御を所定時間だけ行って、用紙2にループを形成した
後、その逆の関係の搬送速度に切り換える上流側低速制
御を所定時間行うことにより、発生したループを解消さ
せる。このため、用紙2を搬送しながらループの発生と
解消を行うことができるため、より長い用紙搬送長を持
った用紙2であっても、ジャムや破れ等を生じさせずに
適正な搬送を行うことができる。
【0052】また、上記上流側ローラA及び下流側ロー
ラBの搬送速度を変速する場合、ローラ自体のローラ径
を変えることができないことから、ローラA、Bの回転
速度を変えて制御する。そして、変速前の上流側ローラ
Aの回転数をNaとし、変速後の回転数をnaとする
と、na≦Naのように上流側ローラAの回転数を減少
(減速させる)ことによって、Va≦Vbとすることが
できる。
【0053】このときの1秒間当たりのループ減少量L
(d)は、次式(7)で表わすことができる。
【0054】 L(d)=2π{(Db+X)Nb−(Da−X)na}……(7) そして、発生したループ量Lが解消されるまでの時間t
は、次式(8)で表わされる。
【0055】t=L/L(d)……(8) すなわち、上流側ローラAの回転数がNaでTmax秒
間だけ通紙した後、t秒間上流側ローラAの回転数をN
aからnaへ変更する。その後、上流側ローラAの回転
数をnaからNaへ戻す場合の通紙可能な用紙2の長さ
は、次式(9)で表される。なお、上流側ローラAの回
転数をnaに減速した場合の上流側ローラAの搬送速度
vaは、次式(10)のようになる。
【0056】 Va*Tmax+va*t+Va*Tmax=2Va*Tmax+va*t… …(9) va=2π(Da−X)na……(10) 上記式(9)及び式(10)から分かるように、上流側
ローラAと下流側ローラBの相対速度の関係を1度逆転
させるだけで、用紙搬送長が2倍以上ある用紙2であっ
ても通紙することができる。
【0057】また、上述のように、上流側ローラAの速
度制御を通常速度(高速)と低速との切り換えを繰り返
し行うことによって、より一層長い用紙搬送長の用紙2
をも通紙することが可能となる。
【0058】実際には、各ローラの径公差にバラツキが
あるため、ループ量の最小値(上流側ローラAの径公差
が最小であって下流側ローラBの径公差が最大の時)に
おいて、ループ量が解消されるまでの時間がtとなる
が、上流側ローラAの搬送速度をある一定時間通紙した
後、遅く可変するという本実施の形態による速度制御を
行うことによって、用紙搬送長の長い用紙2であっても
通紙が可能になることがわかる。
【0059】また、上記構成では、モータ32、33を
速度制御部30によって変速させて用紙2の搬送速度を
制御しているが、速度制御部30で変速制御を行うだけ
でなく、タイマー31に基づいて上流側ローラAである
レジストローラ6を回転駆動させるモータ32の回転/
停止を制御することにより、上記と同様に上流側ローラ
Aと下流側ローラBの相対的な搬送速度の調整を行うよ
うにしてもよい。このような制御は、下流側ローラBで
ある転写ローラ7を微妙に速度調整する必要がなく、駆
動時間(あるいは停止時間)の調整を行うだけで用紙2
の搬送速度を制御することができるため、制御機構が簡
略化できるという利点がある。
【0060】次に、本実施の形態の動作を、図3〜図6
のフローチャートに基づいて説明する。まず、上流側高
速制御と上流側低速制御を1度だけ行う速度制御処理に
ついて、図3に基づいて、以下説明する。
【0061】図3において、ファクシミリ装置1は、給
紙カセット3内の用紙2を紙送りローラ4で1枚ずつ分
離して搬送ローラ5に送り、搬送ローラ5により、レジ
ストローラ6に搬送すると、レジストローラ6は、搬送
されてきた用紙2を一旦保持する。そして、感光体ドラ
ム8にトナーにより画像が形成されて、感光体ドラム8
と用紙2との画像形成タイミングになり、画像形成開始
信号が入力されると(ステップS101)、速度制御部
30は、モータ33を駆動制御して下流側ローラBの回
転を開始させる(ステップS102)。すなわち、転写
ローラ7及び定着ローラ9の回転を開始する。
【0062】次に、速度制御部30は、モータ32を駆
動制御して上流側ローラA、すなわち、レジストローラ
6を搬送速度Vaで回転を開始させ(ステップS10
3)、タイマー31による時間の経過を監視して、規定
時間(所定時間)Tmaxが経過したかどうかチェック
する(ステップS104)。ステップS104で、Tm
axの時間が経過していないときには、速度制御部30
は、ステップS102に戻って、上流側ローラAの搬送
速度Vaでの回転を継続し、ステップS104で、Tm
axの時間が経過すると、上流側ローラAの搬送速度を
搬送速度Vaから減速させた搬送速度vaとして、t時
間だけモータ32を介して変速駆動させる(ステップS
105)。
【0063】速度制御部30は、ステップS105で減
速させた搬送速度vaでt時間だけ上流側ローラAを駆
動すると、上流側ローラAの搬送速度を再び搬送速度V
aに戻す(ステップS106)。
【0064】そして、速度制御部30は、図示しない排
紙センサで排紙の有無を検知して、通紙された用紙2が
排紙されるまで、上記状態で用紙2を搬送させ(ステッ
プS107)、排紙が終了すると、モータ32及びモー
タ33の駆動を停止して、上流側ローラA及び下流側ロ
ーラBの搬送を停止させて、速度制御処理を終了する
(ステップS108)。
【0065】このように、上流側ローラAを搬送速度V
aでTmax時間、搬送速度vaでt時間、さらに、搬
送速度Vaで最後まで搬送するという制御を行う、すな
わち、搬送路23に配設された上流側の搬送手段である
上流側ローラA(レジストローラ6)の搬送速度を下流
側の搬送手段である下流側ローラB(転写ローラ7や定
着ローラ9)の搬送速度よりも所定速度だけ速い、搬送
速度Vaにする上流側高速制御をTmax時間(所定時
間)だけ行い、その後、上流側ローラAを下流側ローラ
Bの搬送速度よりも所定速度だけ遅い、搬送速度vaに
する上流側低速制御をt時間(所定時間)だけ行う速度
制御を行い、さらに、上流側ローラAを搬送速度Vaに
戻して、最後まで搬送するので、搬送中の用紙2が一定
量弛んでもその後引っ張られて、弛みが解消され、常に
用紙2が弛む方向や引っ張られる方向に偏ることを防止
することができる。その結果、各ローラ6、7、8の寸
法誤差や各モータ32、33等の駆動誤差をある程度許
容しつつ、用紙2のジャムや破れ等のない適切な用紙搬
送を行なうことができ、給紙装置であるファクシミリ装
置1を低コストで、かつ、用紙搬送の信頼性の高いもの
とすることができる。
【0066】次に、上流側高速制御と上流側低速制御を
複数回繰り返し行う速度制御処理について、図4に基づ
いて、以下説明する。
【0067】図4において、速度制御部30は、画像形
成開始信号が入力されると(ステップS201)、モー
タ33を駆動制御して下流側ローラBの回転を開始させ
る(ステップS202)。
【0068】次に、速度制御部30は、モータ32を駆
動制御して上流側ローラA、すなわち、レジストローラ
6を搬送速度Vaで回転を開始させ(ステップS20
3)、タイマー31による時間の経過を監視して、規定
時間(所定時間)Tnmaxが経過したかどうかチェッ
クする(ステップS204)。ステップS204で、T
nmaxの時間が経過していないときには、速度制御部
30は、ステップS203に戻って、上流側ローラAの
回転を継続し、ステップS204で、Tnmaxの時間
が経過すると、上流側ローラAの速度を搬送速度Vaか
ら減速させた搬送速度vaとして、tn時間だけ変速駆
動させる(ステップS205)。
【0069】速度制御部30は、ステップS205で減
速させた搬送速度vaでtn時間だけ上流側ローラAを
駆動すると、上流側ローラAの搬送速度を再び搬送速度
Vaに戻す(ステップS206)。
【0070】次に、速度制御部30は、上記上流側ロー
ラAの搬送速度を下流側ローラBの搬送速度よりも所定
速度だけ速い、搬送速度Vaにする上流側高速制御をT
nmax時間(所定時間)だけ行い、その後、上流側ロ
ーラAを下流側ローラBの搬送速度よりも所定速度だけ
遅い、搬送速度vaにする上流側低速制御をtn時間
(所定時間)だけ行い、さらに、上流側ローラAを搬送
速度Vaに戻すという速度制御の繰り返し回数をカウン
トするカウンタNのカウント値N(Nは正の整数)を
「1」だけインクリメントし(ステップS207)、カ
ウンタNのカウント値Nが予め設定されている繰り返し
回数(設定回数)になったかチェックする(ステップS
208)。
【0071】ステップS208で、カウント値Nが設定
回数になっていないときには、速度制御部30は、ステ
ップS204に戻って上記同様の処理を行い(ステップ
S204〜ステップS208)、上記速度制御処理を繰
り返し行う。ステップS208で、カウント値Nが設定
回数になると、速度制御部30は、図示しない排紙セン
サで排紙の有無が検知されて、通紙された用紙2が排紙
されるまで、上記搬送速度Vaで用紙2を搬送させる
(ステップS209)。ステップS209で、排紙が終
了すると、速度制御部30は、モータ32及びモータ3
3の駆動を停止して、上流側ローラA及び下流側ローラ
Bの搬送を停止させて、速度制御処理を終了する(ステ
ップS210)。
【0072】このように、上流側ローラAを搬送速度V
aでTnmax時間、搬送速度vaでtn時間、さら
に、搬送速度Vaに戻す速度制御を繰り返し行う、すな
わち、搬送路23に配設された上流側ローラA(レジス
トローラ6)の搬送速度を下流側ローラB(転写ローラ
7や定着ローラ9)の搬送速度よりも所定速度だけ速
い、搬送速度Vaにする上流側高速制御をTnmax時
間(所定時間)だけ行い、その後、上流側ローラAを下
流側ローラBの搬送速度よりも所定速度だけ遅い、搬送
速度vaにする上流側低速制御をtn時間(所定時間)
だけ行い、さらに、上流側ローラAを搬送速度Vaに戻
して、上記上流側高速制御と上流側低速制御を設定回数
Nだけ繰り返し行って、最後に搬送速度Vaで最後まで
搬送するので、搬送中の用紙2が一定量弛んでもその後
引っ張られて、弛みが解消されという動作が繰り返し行
われ、より一層長い用紙搬送長を持った用紙2であって
も、弛む方向や引っ張られる方向に偏ることを適切に防
止することができる。その結果、各ローラ6、7、8の
寸法誤差や各モータ32、33等の駆動誤差をある程度
許容しつつ、用紙2のジャムや紙破れ等のない適正な用
紙搬送を行なうことができ、給紙装置であるファクシミ
リ装置1を低コストで、かつ、長い用紙11の搬送の信
頼性を高いものとすることができる。
【0073】次に、上流側高速制御と上流側停止制御を
1度だけ行う速度制御処理について、図5に基づいて、
以下説明する。
【0074】図5において、速度制御部30は、画像形
成開始信号が入力されると(ステップS301)、モー
タ33を駆動制御して下流側ローラBの回転を開始させ
(ステップS302)、次にモータ32を駆動制御して
上流側ローラAを搬送速度Vaで回転を開始させる(ス
テップS303)。速度制御部30は、タイマー31に
よる時間の経過を監視し、規定時間のTmaxが経過し
たかどうかをチェックする(ステップS304)。
【0075】ステップS304で、Tmaxの時間が経
過していないときには、速度制御部30は、ステップS
303に戻って、上流側ローラAの搬送速度Vaでの回
転を継続し、ステップS304で、Tmaxの時間が経
過すると、上流側ローラAをt時間(所定時間)停止さ
せる(ステップS305)。
【0076】速度制御部30は、上流側ローラAをt時
間停止させると、上流側ローラAを再び搬送速度Vaで
搬送を開始させ(ステップS306)、図示しない排紙
センサで排紙の有無を検知して、通紙された用紙2が排
紙されるまで、上記状態で用紙2を搬送させ(ステップ
S307)、排紙が終了すると、モータ32及びモータ
33の駆動を停止して、上流側ローラA及び下流側ロー
ラBの搬送を停止させて、速度制御処理を終了する(ス
テップS308)。
【0077】このように、上流側ローラAを搬送速度V
aでTmax時間搬送させた後、t時間停止させ、さら
に、搬送速度Vaで最後まで搬送させるという速度制御
を行うだけで、すなわち、上流側ローラAの搬送速度を
下流側ローラBの搬送速度よりも所定速度だけ速い、搬
送速度Vaにする上流側高速制御をTmax(所定時
間)だけ行い、その後、上流側ローラAの駆動を停止さ
せる上流側停止制御をt時間(所定時間)だけ行うの
で、下流側ローラBである転写ローラ7や定着ローラ9
の変速動作を行うことなく、搬送中の用紙2が一定量弛
んでも、その後上流側ローラBであるレジストローラ6
が停止している間に引っ張られて、弛みが解消され、常
に用紙2が弛む方向や引っ張られる方向に偏ることを防
止することができ、各ローラ6、7、8の寸法誤差や各
モータ32、33の駆動誤差をある程度許容しつつ、ジ
ャムや破れ等のない適正な用紙搬送を行なうことができ
る。その結果、ファクシミリ装置1をより一層低コスト
で、かつ、用紙搬送の信頼性の高いものとすることがで
きる。
【0078】次に、上流側高速制御と上流側停止制御を
複数回繰り返し行う速度制御処理について、図6に基づ
いて、以下説明する。
【0079】図6において、速度制御部30は、画像形
成開始信号が入力されると(ステップS401)、モー
タ33を駆動制御して下流側ローラBの回転を開始させ
る(ステップS402)。すなわち、転写ローラ7及び
定着ローラ9の回転を開始する。
【0080】次に、速度制御部30は、モータ32を駆
動制御して上流側ローラA、すなわち、レジストローラ
6を搬送速度Vaで回転を開始させ(ステップS40
3)、タイマー31による時間の経過を監視して、規定
時間(所定時間)Tnmaxが経過したかどうかチェッ
クする(ステップS404)。ステップS404で、T
nmaxの時間が経過していないときには、速度制御部
30は、ステップS403に戻って、上流側ローラAの
回転を継続し、ステップS404で、Tnmaxの時間
が経過すると、上流側ローラAをtn時間だけ停止させ
る(ステップS405)。
【0081】速度制御部30は、ステップS405で上
流側ローラAをtn時間だけ停止させると、上流側ロー
ラAの搬送速度を再び搬送速度Vaに戻す(ステップS
406)。
【0082】次に、速度制御部30は、上記上流側ロー
ラAの搬送速度を下流側ローラBの搬送速度よりも所定
速度だけ速い、搬送速度Vaにする上流側高速制御をT
nmax時間(所定時間)だけ行い、その後、上流側ロ
ーラAを停止させる上流側停止制御をtn時間(所定時
間)だけ行い、さらに、上流側ローラAを搬送速度Va
に戻すという速度制御の繰り返し回数をカウントするカ
ウンタNのカウント値N(Nは正の整数)を「1」だけ
インクリメントし(ステップS407)、カウンタNの
カウント値Nが予め設定されている繰り返し回数(設定
回数)になったかチェックする(ステップS408)。
【0083】ステップS408で、カウント値Nが設定
回数になっていないときには、速度制御部30は、ステ
ップS404に戻って上記同様の処理を行い(ステップ
S404〜ステップS408)、上記速度制御処理を繰
り返し行う。ステップS408で、カウント値Nが設定
回数になると、速度制御部30は、図示しない排紙セン
サで排紙の有無が検知されて、通紙された用紙2が排紙
されるまで、上記搬送速度Vaで用紙2を搬送させる
(ステップS409)。ステップS409で、排紙が終
了すると、速度制御部30は、モータ32及びモータ3
3の駆動を停止して、上流側ローラA及び下流側ローラ
Bの搬送を停止させて、速度制御処理を終了する(ステ
ップS410)。
【0084】このように、上流側ローラAを搬送速度V
aでTnmax時間だけ用紙2を搬送した後、tn時間
停止させ、さらに、搬送速度Vaに戻す速度制御を繰り
返し行う、すなわち、搬送路23に配設された上流側の
搬送手段である上流側ローラA(レジストローラ6)の
搬送速度を下流側の搬送手段である下流側ローラB(転
写ローラ7や定着ローラ9)の搬送速度よりも所定速度
だけ速い、搬送速度Vaにする上流側高速制御をTnm
ax時間(所定時間)だけ行い、その後、上流側ローラ
Aを停止させる上流側停止制御をtn時間(所定時間)
だけ行い、さらに、上流側ローラAを搬送速度Vaに戻
すという上流側高速制御と上流側停止制御を設定回数N
繰り返し行って、最後に搬送速度Vaで最後まで搬送す
るので、搬送中の用紙2が一定量弛んでもその後引っ張
られて、弛みが解消されという動作が繰り返し行われ、
より一層長い用紙搬送長を持った用紙2であっても、弛
む方向や引っ張られる方向に偏ることを適切に防止する
ことができる。その結果、各ローラ6、7、8の寸法誤
差や各モータ32、33等の駆動誤差をある程度許容し
つつ、ジャムや紙破れ等のない適正な用紙搬送を行なう
ことができ、給紙装置であるファクシミリ装置1を低コ
ストで、かつ、長い用紙11の搬送の信頼性を高いもの
とすることができる。
【0085】また、上記実施の形態においては、上流側
ローラA(レジストローラ6)と下流側ローラB(転写
ローラ7、定着機ローラ9)を駆動するモータ32、3
3として、ステッピングモータを採用しているので、搬
送速度の制御を容易かつ正確に行うことができるととも
に、変速のための特別な機構も不要となることから、低
コスト化が図れる上、装置自体の信頼性を向上させるこ
とができる。なお、この場合、モータ32とモータ33
のいずれか一方のみをステッピングモータとしてもよ
い。
【0086】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0087】例えば、上記実施の形態においては、電子
写真プロセスによるファクシミリ装置1を例にあげて説
明したが、この例に限定されるものではなく、用紙を搬
送する機構であれば全て適用することが可能であり、例
えば、プリンタや複写機等にも同様に適用することがで
きる。
【0088】また、上記の実施形態では、駆動手段とし
てステッピングモータを用いてローラを回転駆動させる
ようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではな
く、特に、図5、図6のようにモータの停止制御を行う
場合は、ステッピングモータ以外のモータを用いて容易
に実施することができる。
【0089】
【発明の効果】請求項1記載の発明の給紙装置によれ
ば、搬送路に配設された上流側の搬送手段の搬送速度を
下流側の搬送手段の搬送速度よりも所定速度だけ速くす
る上流側高速制御を所定時間だけ行い、その後、上流側
の搬送手段の搬送速度を下流側の搬送手段の搬送速度よ
りも所定速度だけ遅くする上流側低速制御を所定時間だ
け行うので、搬送中の用紙が一定量弛んでもその後引っ
張られて、弛みが解消され、常に用紙が弛む方向や引っ
張られる方向に偏ることがなくなる。その結果、各搬送
手段の寸法誤差や各駆動手段の駆動誤差をある程度許容
しつつ、用紙のジャムや破れ等のない適正な用紙搬送を
行なうことができ、給紙装置を低コストで、かつ、用紙
搬送の信頼性の高いものとすることができる。
【0090】請求項2記載の発明の給紙装置によれば、
上流側高速制御を所定時間行い、その後、上流側低速制
御を所定時間行う速度制御を所定回数繰り返し行うの
で、用紙搬送長のさらに長い用紙であってもジャムや破
れ等のない適正な用紙搬送を安価に行なうことができ
る。
【0091】請求項3記載の発明の給紙装置によれば、
上流側の搬送手段の搬送速度を下流側の搬送手段の搬送
速度よりも所定速度だけ速くする上流側高速制御を所定
時間だけ行い、その後、上流側の搬送手段の駆動を停止
させる上流側停止制御を所定時間だけ行うので、下流側
の搬送手段の変速動作を行うことなく、搬送中の紙が一
定量弛んでも、その後上流側搬送手段が停止している間
に引っ張られて、弛みが解消され、常に用紙が弛む方向
や引っ張られる方向に偏ることを防止することができ、
各搬送手段の寸法誤差や各駆動手段の駆動誤差をある程
度許容しつつ、用紙のジャムや破れ等のない適正な用紙
搬送を行なうことができる。その結果、給紙装置をより
一層低コストで、かつ、用紙搬送の信頼性の高いものと
することができる。
【0092】請求項4記載の発明の給紙装置によれば、
上流側高速制御を所定時間行い、その後、上流側停止制
御を所定時間行う速度制御を所定回数繰り返し行うの
で、下流側の搬送手段の変速動作を行うことなく、さら
に用紙搬送長の長い用紙をジャムや破れ等のない適正な
用紙搬送を安価に行なうことができる。
【0093】請求項5記載の発明の給紙装置によれば、
上流側の搬送手段を駆動する駆動手段と下流側の搬送手
段を駆動する駆動手段のうち少なくともいずれか一方
に、ステッピングモータを用いているので、モータの回
転数を駆動周波数を変えて制御するオープン制御によっ
て、搬送手段の変速制御をより一層精度良く制御するこ
とができるとともに、コストをより一層低減させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給紙装置の一実施の形態を適用した電
子写真プロセスを用いたファクシミリ装置の正面断面
図。
【図2】図1のレジストローラ及び転写ローラとそれら
の速度制御を行う回路ブロックを示す図。
【図3】図2の速度制御部による上流側高速制御と上流
側低速制御を1度だけ行う速度制御処理を示すフローチ
ャート。
【図4】図2の速度制御部による上流側高速制御と上流
側低速制御を複数回繰り返し行う速度制御処理を示すフ
ローチャート。
【図5】図2の速度制御部による上流側高速制御と上流
側停止制御を1度だけ行う速度制御処理を示すフローチ
ャート。
【図6】図2の速度制御部による上流側高速制御と上流
側停止制御を複数回繰り返し行う速度制御処理を示すフ
ローチャート。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置 2 用紙 3 給紙カセット 4 紙送りローラ 5 搬送ローラ 6 レジストローラ(上流側ローラ) 7 転写ローラ(下流側ローラ) 8 感光体ドラム 9 定着ローラ 10 帯電部 11 光走査部 12 現像部 13 クリーニング部 14 除電ランプ 15 ポリゴンミラー 16 レンズ 17 ミラー 18、19 対向ローラ 20 従動ローラ 21 排紙ローラ対 22 用紙テーブル 23 搬送路 24 搬送ガイド板 30 速度制御部 31 タイマー 32、33 モータ A 上流側ローラ(レジストローラ) B 下流側ローラ(転写ローラ、定着ローラ)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】用紙を上流側から下流側に向かって搬送す
    る複数の搬送手段と、前記複数の搬送手段をそれぞれ独
    立して駆動する駆動手段と、前記各駆動手段を制御して
    前記複数の搬送手段の搬送速度をそれぞれ変速させる制
    御手段と、所定時間を計時する計時手段と、を備え、前
    記制御手段は、前記計時手段の計時結果に基づいて前記
    各駆動手段を制御して、前記複数の搬送手段のうち、上
    流側の前記搬送手段の搬送速度を下流側の前記搬送手段
    の搬送速度よりも所定速度だけ速くする上流側高速制御
    を所定時間だけ行い、その後、前記上流側の搬送手段の
    搬送速度を前記下流側の搬送手段の搬送速度よりも所定
    速度だけ遅くする上流側低速制御を所定時間だけ行うこ
    とを特徴とする給紙装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記上流側高速制御を所
    定時間行い、その後、前記上流側低速制御を所定時間行
    う速度制御を所定回数繰り返し行うことを特徴とする請
    求項1に記載の給紙装置。
  3. 【請求項3】用紙を上流側から下流側に向かって搬送す
    る複数の搬送手段と、前記複数の搬送手段をそれぞれ独
    立して駆動する駆動手段と、前記各駆動手段を制御して
    前記複数の搬送手段の搬送速度をそれぞれ変速させる制
    御手段と、所定時間を計時する計時手段と、を備え、前
    記制御手段は、前記計時手段の計時結果に基づいて前記
    各駆動手段を制御して、前記複数の搬送手段のうち、上
    流側の前記搬送手段の搬送速度を下流側の前記搬送手段
    の搬送速度よりも所定速度だけ速くする上流側高速制御
    を所定時間だけ行い、その後、前記上流側の搬送手段の
    駆動を停止させる上流側停止制御を所定時間だけ行うこ
    とを特徴とする給紙装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、前記上流側高速制御を所
    定時間行い、その後、前記上流側停止制御を所定時間行
    う速度制御を所定回数繰り返し行うことを特徴とする請
    求項3記載の給紙装置。
  5. 【請求項5】前記上流側の搬送手段を駆動する前記駆動
    手段と前記下流側の搬送手段を駆動する前記駆動手段の
    うち少なくともいずれかが、ステッピングモータである
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記
    載の給紙装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100343170B1 (ko) * 1998-10-23 2002-09-18 삼성전자 주식회사 전자사진방식인쇄기의급지시스템및급지방법
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