JPH10169135A - 滑り止め溝を有する建築部材、その建築部材の製造方法、及び、その建築部材を生産するプレス型 - Google Patents

滑り止め溝を有する建築部材、その建築部材の製造方法、及び、その建築部材を生産するプレス型

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JPH10169135A
JPH10169135A JP8333174A JP33317496A JPH10169135A JP H10169135 A JPH10169135 A JP H10169135A JP 8333174 A JP8333174 A JP 8333174A JP 33317496 A JP33317496 A JP 33317496A JP H10169135 A JPH10169135 A JP H10169135A
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slip groove
building member
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JP8333174A
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Masayoshi Nezawa
政良 根沢
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MISAWA TECHNO KK
Misawa Homes Co Ltd
Misawa Techno KK
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MISAWA TECHNO KK
Misawa Homes Co Ltd
Misawa Techno KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観が良好で、且つ製造作業が容易な滑り止
め溝を有する建築部材、その製造方法及びその建築部材
を生産するためのプレス型を提供する。 【解決手段】 滑り止め溝(30)を有する建築部材(例え
ば階段段板90)の製造方法において、平板状の芯材(10)
に、この芯材(10)の表面の一部に軟質材からなる軟質表
面材(20)を貼着する第1の工程と、この第1の工程によ
り軟質表面材(20)で覆われた芯材(10)の上面(11)に、プ
レス加工により、凹状の塑性変形を与えて、滑り止め溝
(30)を形成する第2の工程とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は滑り止め溝を有す
る建築部材、その建築部材の製造方法、及び、その建築
部材を生産するプレス型に関するものである。
【0002】
【先行技術】図8乃至図11は、従来の滑り止め溝を有
する建築部材であって、図8乃至図10は、その製造方
法の縦断面図、図11は、その外観斜視図をそれぞれ示
すものである。建築部材において、その外側表面に滑り
止め用の凹状の滑り止め溝を有するものとしては、階段
の段板、階段の踊り場、玄関の上がり框等がある。これ
らの従来の建築部材の中で階段の段板を取り上げて以下
に説明する。
【0003】従来の階段段板100は、木質からなる平板
状の芯材110と、この芯材110の上面、手前側の端面及び
下面側の一部を覆う塩化ビニルシート等の軟質材からな
る軟質表面材120とから形成されている。そして、この
従来の階段段板100の上面には、階段段板100の長手方向
に沿って延びる滑り止めのための凹状の滑り止め溝130
が形成されている。この滑り止め溝130は、階段段板100
の一方の木口面から他方の木口面まで連続して形成され
ていた。
【0004】次に、従来の階段段板100の製造方法につ
いて説明する。先ず、図8に示すように、木質からなる
芯材110を用意する。次に、図9に示すように、芯材110
の上面の手前側端部に長手方向に沿って凹状の滑り止め
溝130を切削加工により、削り取ることにより形成す
る。その際、この滑り止め溝130は、芯材110の一方の木
口面から他方の木口面まで連続するように形成する。こ
れは、次の工程で、軟質表面材120を表面に貼付し易い
ようにするためである。
【0005】次に、図10に示すように、芯材110の上
面、手前側の端面及び下面側の一部に塩化ビニルシート
等の軟質材からなる軟質表面材120を貼付する。その
際、滑り止め溝130の凹状に凹んだ内面にも軟質表面材1
20が沿うように形成する。これにより、上面に滑り止め
溝130を有する建築部材である階段段板100が完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の滑り止め溝130を有する建築部材100は、建築部材100
の上面に滑り止め溝130を形成するため、芯材110の上面
を切削加工により、溝状に削り取っている。この滑り止
め溝130を芯材110の上面に切削加工により形成する作業
が大変、手間であるという第一の問題点があった。
【0007】また、芯材110に滑り止め溝130を切削加工
により形成した後、軟質表面材120を貼付している。そ
の際、滑り止め溝130の内面にまで軟質表面材120を貼付
する作業が容易ではなかった。すなわち、軟質表面材12
0と滑り止め溝130の内面との間に隙間が発生しないよう
に、均一に貼付することは容易ではないという第二の問
題点があった。
【0008】また、建築部材100は、芯材110に滑り止め
溝130を切削加工により形成した後、軟質表面材120を貼
付するため、滑り止め溝130が芯材110の一方の木口面か
ら他方の木口面まで連続して形成する必要があった。す
なわち、シート状の軟質表面材120を隙間なく芯材110に
貼付する際、滑り止め溝130が形成されている部分に
は、その滑り止め溝130の内面にまで軟質表面材120が入
り込ませる必要がある。しかし、滑り止め溝130が両木
口面間に連続して形成されていないと、滑り止め溝130
が形成されている部分と、形成されていない部分とが軟
質表面材120を張る方向(例えば、図9の矢印方向)に
対して直角方向に隣接して存在することとなり、シート
状の軟質表面材120を芯材110の表面に追従して貼付する
ことが難しくなる。そして、軟質表面材120を連続して
一様に、且つ滑り止め溝30の内面に隙間無く貼付するこ
とが難しくなった。このため、滑り止め溝130を両端の
木口面間に連続して形成しなければならず、滑り止め溝
130の形状が固定されてしまうとともに外観デザインも
制限されてしまい、建築部材100の上面の外観上の見栄
えもよくないという第三の問題点があった。
【0009】さらに、滑り止め溝130を建築部材100の両
端の木口面間に連続して形成しなければならないため、
ほうき等による掃き掃除の際、建築部材100の上面に塵
等の掃き出し用の通路となるフラットな部分を形成する
ことができず、掃除が手間になるという第四の問題点が
あった。さらに、建築部材の角部を曲面状に形成するた
めに、切削加工により曲面状に削り取って、滑らかな曲
面状の表面を形成することは、手間であるという第五の
問題点があった。
【0010】そこで、請求項1記載の発明は、上記した
従来の技術の有する第一乃至第三の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、外観が良好
で、且つ製造作業が容易な、滑り止め溝を有する建築部
材の製造方法を提供しようとするものである。これに加
えて、請求項2記載の発明は、上記した従来の技術の有
する第三及び第四の問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、外観が良好で、且つ表面
の掃き掃除も容易にすることができる建築部材の製造方
法を提供しようとするものである。
【0011】請求項3記載の発明は、上記した従来の技
術の有する第一乃至第三の問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、外観が良好で、且つ
製造作業が容易な、滑り止め溝を有する建築部材を提供
しようとするものである。これに加えて、請求項4記載
の発明は、上記した従来の技術の有する第三及び第四の
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、外観が良好で、且つ表面の掃き掃除も容易にす
ることができる建築部材を提供しようとするものであ
る。
【0012】これに加えて、請求項5記載の発明は、上
記した従来の技術の有する第五の問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、滑らかな曲面
状の表面を容易に得ることができる建築部材を提供しよ
うとするものである。請求項6記載の発明は、上記した
従来の技術の有する第一及び第二の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、請求項3記載の建築部材を生産するた
めの器具であって、その目的とするところは、製造作業
が容易な、滑り止め溝を有する建築部材を生産するため
のプレス型を提供しようとするものである。
【0013】これに加えて、請求項7記載の発明は、上
記した従来の技術の有する第三及び第四の問題点に鑑み
てなされたものであり、請求項4記載の建築部材を生産
するための器具であって、その目的とするところは、外
観が良好で、且つ表面の掃き掃除も容易にすることがで
きる建築部材の製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0014】これに加えて、請求項8記載の発明は、上
記した従来の技術の有する第五の問題点に鑑みてなされ
たものであり、請求項5記載の建築部材を生産するため
の器具であって、その目的とするところは、滑らかな曲
面状の角部を容易に得ることができる建築部材を提供し
ようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためのものである。 (請求項1)請求項1記載の発明は、滑り止め溝(30)を
有する建築部材(例えば階段段板90)の製造方法におい
て、平板状の芯材(10)に、この芯材(10)の表面の一部に
軟質材からなる軟質表面材(20)を貼着する第1の工程
と、この第1の工程により軟質表面材(20)で覆われた芯
材(10)の上面(11)に、プレス加工により、凹状の塑性変
形を与えて、滑り止め溝(30)を形成する第2の工程とを
備えたことを特徴とする。
【0016】なお、ここで、「滑り止め溝(30)を有する
建築部材(90)」は、建物の内部において、人間が歩行す
る際に、足の裏面との間で抵抗力を増して、確実に足を
踏み込んで歩行等ができるように、建築部材(90)の表面
に凹状の滑り止め溝(30)を形成しているものをいう。例
えば、階段段板(90)や、階段の途中の踊り場や、玄関の
上がり框等を含むものである。なお、ここで、凹状の
「滑り止め溝(30)」としたが、凹状の「滑り止め溝(3
0)」が多数、隣接する場合には、その「滑り止め溝(3
0)」の間には、凸状の滑り止め凸部が存在していると考
えることもできる。すなわち、凹状の溝は、基準とする
面の位置を凹状の溝の入口側に設定した場合であるが、
同じ形状のものでも、その溝の底部側を基準面に設定す
ると、その基準面から突出する凸状の滑り止め突条と考
えることもできる。従って、特に、凹状の「滑り止め溝
(30)」に限定されるものではなく、上述したような凸状
の滑り止め突条等も含むものである。
【0017】また、ここで「芯材(10)」は、建築部材(9
0)の強度を保つ主要構成部材のことである。例えば、階
段段板(90)の場合は、人間が階段を昇降する際に足で踏
み込む、いわゆる踏み板の主要本体を構成するものであ
って、人間の荷重がその上面に加わっても充分、その荷
重に耐えられるような強度を有しているものであれば良
いものである。また、この「芯材(10)」は、例えば、木
材から切り出した一部材からなるものでも良く、また、
多数の木質薄板を合わせた木質合板でも良いものであ
る。或いは、所定の強度を有していれば、パーティクル
ボードや、他の加工木材でも良く、更に樹脂材や金属板
等を組み合わせたものでも良いものである。
【0018】また、「軟質表面材(20)」は、主として、
芯材(10)の保護や、建築部材(90)の表面の外観を良好に
するために芯材(10)の表面に貼付されているものであっ
て、芯材(10)よりも、薄いシート状の軟らかい軟質材で
あれば良いものである。例えば、塩化ビニル製のシート
材であって、透明のものや、色や模様が施されているも
の等を含むものである。
【0019】本発明は、芯材(10)の表面に軟質表面材(2
0)を貼着した後、プレス加工により、滑り止め溝(30)を
形成している。このため、芯材(10)の表面に機械加工に
より、滑り止め溝(30)を削り出して形成する必要がな
く、建築部材(90)の製造作業を容易にすることができ
る。そして、軟質表面材(20)は、滑り止め溝(30)を形成
する前のフラットな芯材(10)の表面上に貼着しているた
め、その貼着作業も容易である。すなわち、芯材(10)の
表面を軟質表面材(20)で覆った後、プレス加工により、
凹状の塑性変形を与えて、滑り止め溝(30)を形成してい
るため、滑り止め溝(30)の内面に軟質表面材(20)を隙間
無く貼り付けるような作業を必要とせず、製造作業を容
易にすることができる。
【0020】また、軟質表面材(20)を予め滑り止め溝(3
0)の内面に貼り付ける必要がないため、芯材(10)及び軟
質表面材(20)を別個に形成する場合と比較して軟質表面
材(20)の使用量を抑えることができる。さらに、軟質表
面材(20)を貼着した後に、滑り止め溝(30)をプレス加工
で形成しているため、貼着作業の手間を考慮して滑り止
め溝(30)を芯材(10)の長手方向の両端の木口間に連続し
て形成する必要がない。すなわち、滑り止め溝(30)を芯
材(10)の長手方向の両端の木口間の一部に形成した後
に、シート状の軟質表面材(20)を上から貼着しようとし
ても、滑り止め溝(30)の内面にまで軟質表面材(20)を隙
間無く貼着することは、軟質表面材(20)の周囲に皺が発
生したり、滑り止め溝(30)の内面と軟質表面材(20)との
間に隙間が発生し易くなる。このため、滑り止め溝(30)
を芯材(10)の長手方向の両端の木口間に連続して形成し
なければならないが、本発明では、芯材(10)の表面と軟
質表面材(20)とを貼着して一体化した後にプレス加工で
軟質表面材(20)を形成しているため、かかる心配がな
く、滑り止め溝(30)の形状を自由に設定することができ
る。これにより、滑り止め溝(30)の形状の制限を取り払
うことができ、外観デザインを自由に設定することがで
き、建築部材(90)の外観を良好なものにすることができ
る。
【0021】(請求項2)請求項2記載の発明は、上記
した請求項1記載の発明の特徴点に加え、第2の工程に
おけるプレス加工は、軟質表面材(20)で覆われた芯材(1
0)の上面(11)に凹状の塑性変形を与えて、建築部材(90)
の長手方向の両端に達しない滑り止め溝(30)を形成する
ことを特徴とする。
【0022】なお、ここで、「滑り止め溝(30)」が、
「建築部材(90)の長手方向の両端に達しない」とは、
「滑り止め溝(30)」が建築部材(90)の長手方向の両端近
くには形成されていないことを意味するものである。例
えば、「滑り止め溝(30)」が建築部材(90)の長手方向に
沿って、一方の端部から他方の端部にまで連続して形成
されておらず、建築部材(90)の長手方向の一方の端縁か
ら離れた位置から形成されて、他方の端縁から離れた位
置まで形成されているようなものを含むものである。
また、「滑り止め溝(30)」の全体形状は、足裏との抵抗
を増すことができるような形状のものであれば良く、特
に直線状に連続して形成されるものに限定される必要は
なく、例えば、途中で複数個の「滑り止め溝(30)」に分
断されていても良く、また、その形状も直線状だけでは
なく、波形状、ジグザグ状に折れ曲がった形状等、任意
の形状のものでも良いものである。
【0023】本発明は、滑り止め溝(30)を、建築部材(9
0)の長手方向の両端には達しないように形成している。
このため、建築部材(90)の上面の長手方向の両端には、
滑り止め溝(30)が形成されていない、フラットな部分を
備えた建築部材(90)を製造することができる。これによ
り、階段を清掃する際、建築部材(90)の上面の長手方向
の両端に塵等の掃き出し用の通路となるフラットな部分
を形成することができて、ほうき等で集めた塵等が滑り
止め溝(30)の内部に入り込むことを抑えることができ、
階段の掃除を容易にすることができる建築部材(90)を容
易に得ることができる。
【0024】また、本発明により得られる建築部材(90)
は、滑り止め溝(30)が建築部材(90)の長手方向の両端に
達していないため、建築部材(90)の木口面の断面形状に
滑り止め溝(30)の断面が現れず、外観がすっきりしたも
のとなる。すなわち、建築部材(90)の両端の木口面とそ
の周辺部材とが当接する部分も、直線として現れるた
め、見た目をすっきりとすることができ、外観が良好な
建築部材(90)を得ることができる。
【0025】さらに、滑り止め溝(30)を建築部材(90)の
長手方向に連続して通さないような形状の建築部材(90)
を得ることができるため、建築部材(90)の上面の外観デ
ザイン上、滑り止め溝(30)を一つのアクセントとして形
成することができ、建築部材(90)の外観を良好なものに
することができる。 (請求項3)請求項3記載の発明は、滑り止め溝(30)を
有する建築部材(90)において、平板状の芯材(10)と、こ
の芯材(10)の表面の一部に貼り付けた軟質材からなる軟
質表面材(20)とを備え、軟質表面材(20)で覆った芯材(1
0)の上面(11)には、プレス加工により凹状の塑性変形を
与えた滑り止め溝(30)を形成したことを特徴とする。
【0026】本発明に係る建築部材(90)は、軟質表面材
(20)で覆われた芯材(10)の上面(11)には、プレス加工に
より凹状の塑性変形を与えた滑り止め溝(30)が形成され
ている。この滑り止め溝(30)は、プレス加工によるた
め、芯材(10)の表面に機械加工により、滑り止め溝(30)
を削り出して形成する必要がなく、容易に製造すること
ができる。そして、軟質表面材(20)は、滑り止め溝(30)
を形成する前のフラットな芯材(10)の表面上に貼着して
いるため、その貼着作業も容易にすることができる。
【0027】さらに、この滑り止め溝(30)は、軟質表面
材(20)を貼着した芯材(10)の上面にプレス加工により形
成されたものであるため、貼着作業の手間を考慮して滑
り止め溝(30)を芯材(10)の長手方向の両端の木口間に連
続して形成する必要がない。すなわち、滑り止め溝(30)
を芯材(10)の長手方向の両端の木口間の一部に形成した
後に、シート状の軟質表面材(20)を上から貼着しようと
しても、滑り止め溝(30)の内面にまで軟質表面材(20)を
隙間無く貼着することは、軟質表面材(20)の周囲に皺が
発生したり、滑り止め溝(30)の内面と軟質表面材(20)と
の間に隙間が発生し易くなる。このため、滑り止め溝(3
0)を芯材(10)の長手方向の両端の木口間に連続するよう
に形成しなければならないが、本発明では、芯材(10)の
表面と軟質表面材(20)とを貼着して一体化した後にプレ
ス加工で軟質表面材(20)を形成したものであるため、か
かる心配がなく、滑り止め溝(30)の形状を自由に設定す
ることができる。これにより、滑り止め溝(30)の形状の
制限を取り払うことができ、外観デザインを自由に設定
することができ、建築部材(90)の外観を良好なものにす
ることができる。
【0028】また、軟質表面材(20)を予め滑り止め溝(3
0)の内面に貼り付ける必要がないため、芯材(10)及び軟
質表面材(20)を別個に形成する場合と比較して軟質表面
材(20)の使用量を抑えることができる。 (請求項4)請求項4記載の発明は、上記した請求項3
記載の特徴点に加え、滑り止め溝(30)は、建築部材(90)
の長手方向の両端に達していないことを特徴とする。
【0029】本発明に係る建築部材(90)は、滑り止め溝
(30)が、建築部材(90)の長手方向の両端には達しないよ
うに形成されている。このため、建築部材(90)の上面に
は、滑り止め溝(30)が形成されていない、フラットな部
分が形成される。これにより、階段を清掃する際、建築
部材(90)の上面の長手方向の両端に塵等の掃き出し用の
通路となるフラットな部分を形成することができて、ほ
うき等で集めた塵等が滑り止め溝(30)の内部に入り込む
ことを抑えることができ、階段の掃除を容易にすること
ができる。
【0030】また、滑り止め溝(30)が建築部材(90)の長
手方向の両端に達していないため、建築部材(90)の木口
面の断面形状に滑り止め溝(30)の断面が現れず、すっき
りしたものとなる。すなわち、建築部材(90)の両端の木
口面とその周辺部材とが当接する部分も、直線として現
れるため、建築部材(90)の外観を良好なものにすること
ができる。
【0031】さらに、滑り止め溝(30)を建築部材(90)の
長手方向に連続して通さないような形状にしたことによ
り、建築部材(90)の上面の外観デザイン上、滑り止め溝
(30)を一つのアクセントとして形成することができ、建
築部材(90)の外観を良好なものにすることができる。 (請求項5)請求項5記載の発明は、上記した請求項3
または請求項4記載の特徴点に加え、建築部材(90)の上
面(11)と、建築部材(90)の長手方向に沿う少なくとも一
方の端面との間の角部には、プレス加工により凸状の塑
性変形を与えて、建築部材(90)の外方に向かって凸状の
連続した略曲面からなる凸状曲面部(91)を形成したこと
を特徴とする。
【0032】なお、ここで、「凸状曲面部(91)」とは、
例えば、角部の断面形状を円周の四分の一に相当するよ
うな滑らかな曲線に形成されているようなものを含むも
のである。本発明に係る建築部材(90)の凸状曲面部(91)
は、プレス加工により凸状に塑性変形されて、建築部材
(90)の外方に向かって凸状の連続した略曲面に形成され
ている。すなわち、機械加工等の切削加工や、研削加工
により、曲面を形成しているものではないため、削る深
さや、研削する量等を厳密に測定して調整する必要がな
く、容易に曲面を得ることができ、製造作業を容易にす
ることができるものである。また、プレス加工により、
角部が密に充填されることとなり、角部の密度が増し、
硬度を増すことができる。これにより、周囲部材等に衝
突し易い角部の損傷を目立たなくすることができる。
【0033】(請求項6)請求項6記載の発明は、長手
部材である建築部材(90)の上面(11)に凹状の塑性変形を
与えて、滑り止め用の滑り止め溝(30)を形成するプレス
型(50)であって、建築部材(90)は、軟質材からなる軟質
表面材(20)と、この軟質表面材(20)により外側表面を覆
われた平板状の芯材(10)とを備え、軟質表面材(20)によ
り覆われた芯材(10)の上面の平面部分と対向する平面部
(61)と、軟質表面材(20)により覆われた芯材(10)の上面
に凹状の滑り止め溝(30)を形成するために前記平面部(6
1)の外表面から建築部材(90)側に向かって突出する突出
部(60)とを備えたことを特徴とする。
【0034】本発明に係るプレス型(50)は、平面部(61)
から建築部材(90)側に向かって突出する突出部(60)を備
えている。このため、このプレス型(50)を建築部材の上
面(11)に押し込むと、突出部(60)の先端が建築部材(90)
の上面(11)から内部に押し込まれる。そして、軟質表面
材(20)及び芯材(10)の両者が一緒になって、凹状に凹ん
で塑性変形する。そして、押し込んだプレス型(50)を建
築部材(90)から引き離すと、押し込まれた突出部(60)が
引き抜かれ、凹状に塑性変形した部分が滑り止め溝(30)
として形成される。すなわち、芯材(10)の表面に凹状の
溝を形成して、その内部に軟質表面材(20)を張る必要が
なく、一体化した芯材(10)及び軟質表面材(20)の両方に
対して一度に形成しているため、滑り止め溝(30)の形成
作業が容易であるとともに、軟質表面材(20)の貼着作業
を容易にすることができて、製造作業を簡便化すること
ができる。
【0035】そして、プレス加工によるため、芯材(10)
及び軟質表面材(20)の密着性や、平面性を向上させるこ
とができる。 (請求項7)請求項7記載の発明は、上記した請求項6
記載の特徴点に加え、突出部(60)は、建築部材(90)の長
手方向の両端部分に対向する位置の平面部(61)表面には
形成せずに建築部材(90)の長手方向の中央部分に対向す
る位置の平面部(61)表面に形成したことを特徴とする。
【0036】本発明は、突出部(60)を建築部材(90)の長
手方向の両端部分に対向する位置の平面部(61)の表面に
は形成していない。すなわち、このプレス型(50)を用い
て建築部材(90)の上面から押し込むと、建築部材(90)の
長手方向の両端部分には、そこに対向するプレス型(50)
の平面部(61)に突出部(60)が形成されていないため、建
築部材(90)の両端には突出部(60)による滑り止め溝(30)
も形成されず、フラットな部分が形成される。これによ
り、階段を清掃する際、建築部材(90)の上面の長手方向
の両端に塵等の掃き出し用の通路となるフラットな部分
を形成することができて、ほうき等で集めた塵等が滑り
止め溝(30)の内部に入り込むことを抑えることができ、
階段の掃除を容易にすることができる。
【0037】また、このプレス型(50)により形成された
建築部材(90)は、その滑り止め溝(30)が建築部材(90)の
長手方向の両端に形成されないため、建築部材(90)の木
口面の断面形状に滑り止め溝(30)の断面が現れず、外観
をすっきりしたものにすることができる。すなわち、建
築部材(90)の両端の木口面とその周辺部材との接続する
部分も、直線として現れるため、建築部材(90)の外観を
良好なものにすることができる。
【0038】(請求項8)請求項8記載の発明は、上記
した請求項6または請求項7記載の特徴点に加え、プレ
ス型(50)は、平面部の周縁に平面部の周縁から建築部材
(90)側に向かって突出するとともに建築部材(90)の周縁
を覆う突出周縁部(52)を備え、この突出周縁部(52)と平
面部(61)との間の角部の一部には、プレス型(50)の内方
に向かって凹状の連続した略曲面からなる凹状曲面部(5
1)が形成されていることを特徴とする。
【0039】本発明に係るプレス型(50)は、その平面部
(61)と突出部(60)との間の角部の一部に、凹状曲面部(5
1)を備えている。このため、このプレス型(50)を建築部
材(90)に向かって押し込むと、プレス型(50)の平面部(6
1)と突出周縁部(52)との間の角部に対向する建築部材(9
0)の周縁の角部が、凹状曲面部(51)に沿って塑性変形す
る。これにより、建築部材(90)の角部は、凹状曲面部(5
1)の内面形状に整合するような滑らかな凸状の曲面(例
えば凸状曲面部91)に形成され、滑らかな曲面を容易に
得ることができる。また、この凹状曲面部(51)により形
成された建築部材(90)の周縁角部は、材料も密に押し固
められてあるため、その表面硬度も増加させることがで
きる。これにより、周囲の部材に当接して欠けたり、損
傷しやすい角部を欠けにくい、損傷し難いものにするこ
とができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて、更に詳しく説明する。建築部材において、
その外側表面に滑り止め用の凹状の滑り止め溝を有する
ものとしては、階段の段板、階段の踊り場、玄関の上が
り框等があるが、これらの建築部材の中で階段の段板を
取り上げて以下に説明する。もちろん、本発明は、階段
の段板に限定されるものではなく、他の滑り止め溝を有
する建築部材にも適用することができるものである。
【0041】図1乃至図5は、本発明の第一の実施の形
態を示すものであり、図1乃至図4は階段段板の製造工
程の縦断面図、図5は完成した階段段板の外観斜視図を
それぞれ示す。まず、本実施の形態の構成について説明
する。本実施の形態に係る滑り止め溝30を有する建築部
材である階段段板90は、階段の踏み板として使用するも
のである。この階段段板90は、平板状の芯材10と、この
芯材10の表面の一部に貼り付けた軟質材からなる軟質表
面材20とを備えている。ここで、芯材10は、薄板状の木
質板を張り合わせた合板からなるものであって、その下
面13の手前側端面12側には、蹴込板の上端を差し込むた
めの長手方向に沿って形成される凹状の蹴込板収納部40
が形成されている。また、軟質表面材20は、塩化ビニル
シートからなるものである。
【0042】そして、軟質表面材20で覆った芯材10の上
面11には、足裏との抵抗力を増すためにプレス加工によ
り凹状の塑性変形を与えた滑り止め溝30を形成してい
る。この滑り止め溝30は、階段段板90の長手方向の両端
に達していない。具体的には、滑り止め溝30は、階段段
板90の長手方向の両端の木口面の近くにまでは形成され
ていない。すなわち、滑り止め溝30が階段段板90の長手
方向に沿って、一方の木口面の端部から他方の木口面の
端部にまで連続して形成されておらず、階段段板90の長
手方向の中央部分にのみ形成されているものであって、
階段段板90の長手方向の一方の木口面の端縁から離れた
位置から形成されて、他方の木口面の端縁から離れた位
置まで連続して形成されているものである。この滑り止
め溝30の縦断面形状は、U字状に形成されているもので
あって、その内面にも軟質表面材20が隙間無く形成され
ているものである。
【0043】次に、上記した階段段板90に係る実施の形
態の作用及び効果について説明する。本実施の形態に係
る階段段板90は、軟質表面材20で覆われた芯材10の上面
11に、プレス加工により凹状の塑性変形を与えた滑り止
め溝30が形成されている。この滑り止め溝30は、プレス
加工によるため、芯材10の表面に機械加工により、滑り
止め溝30を削り出して形成する必要がなく、容易に製造
することができるものである。そして、軟質表面材20
は、滑り止め溝30を形成する前のフラットな芯材10の表
面上に貼着しているため、その貼着作業も容易且つ確実
にすることができる。
【0044】さらに、この滑り止め溝30は、軟質表面材
20を貼着した芯材10の上面11にプレス加工により形成さ
れたものであるため、貼着作業の手間を考慮して滑り止
め溝30を芯材10の長手方向の両端の木口間に連続して形
成する必要がない。すなわち、滑り止め溝30を芯材10の
長手方向の両端の木口間の一部に連続しないように形成
した後に、シート状の軟質表面材20を上から貼着しよう
としても、滑り止め溝30の内面にまで軟質表面材20を隙
間無く貼着することは、軟質表面材20の周囲に皺が発生
したり、滑り止め溝30の内面と軟質表面材20との間に隙
間が発生し易くなる。この場合、滑り止め溝30を芯材10
の長手方向の両端の木口間に連続するように形成しなけ
ればならなくなる。しかし、本実施の形態では、芯材10
の表面と軟質表面材20とを貼着して一体化した後にプレ
ス加工で軟質表面材20を形成したものであるため、滑り
止め溝30の形状を複雑な滑り止め溝30の内面に軟質表面
材20を形成する手間を考慮する必要がなく、滑り止め溝
30の形状を自由に設定することができる。これにより、
滑り止め溝30の形状の制限を取り払うことができ、外観
デザインを自由に設定することができ、階段段板90の外
観を良好なものにすることができる。
【0045】さらに、この階段段板90の滑り止め溝30
は、階段段板90の長手方向の両端には達しないように形
成されている。このため、階段段板90の上面11には、滑
り止め溝30が形成されていない、フラットな部分が形成
される。これにより、階段を清掃する際、階段段板90の
上面11の長手方向の両端に塵等の掃き出し用の通路を形
成することができて、ほうき等で集めた塵等が滑り止め
溝30の内部に入り込むことを抑えることができ、階段の
掃除を容易にすることができる。
【0046】また、滑り止め溝30が階段段板90の長手方
向の両端に達していないため、階段段板90の木口面の断
面形状に滑り止め溝30の断面が現れず、すっきりしたも
のとなる。すなわち、階段段板90の両端の木口面とその
周辺部材との接続する部分も、直線として現れるため、
階段段板90の外観を良好なものにすることができる。さ
らに、滑り止め溝30を階段段板90の長手方向に連続して
通さないような形状にしたことにより、階段段板90の上
面11の外観デザイン上、滑り止め溝30を一つのアクセン
トとして形成することができ、階段段板90の外観を良好
なものにすることができる。
【0047】次に、本実施の形態に係る階段段板90の製
造方法について説明する。先ず、図1に示すように、平
板状の芯材10を準備する。なお、この芯材10は、その下
面13の手前側端面12側に蹴込板収納部40が形成されてい
るものを準備する。なお、ここでは、特に図示しない
が、この蹴込板収納部40は、プレス機械に装着する際の
位置決め用の凹部として利用することもできるものであ
る。
【0048】次に、図2に示すように、この芯材10の上
面11、手前側端面12及び下面13の一部、具体的には、下
面13の手前側端面12の手前側の角部から蹴込板収納部40
まで、軟質表面材20を連続して貼着する。この貼着作業
は、接着剤等を使用しても良いし、また、軟質表面材20
として熱収縮材を用いても良いし、或いは両方を用いて
表面に形成しても良い。
【0049】次に、図3に示すように、滑り止め溝30を
形成するために、軟質表面材20で覆われた芯材10の上面
の一部に、プレス型50を用いたプレス加工により、凹状
の塑性変形を与える。ここで、プレス型50について説明
する。このプレス型50は、長手部材である階段段板90の
上面11に凹状の塑性変形を与えて、滑り止め用の滑り止
め溝30を形成するものである。このプレス型50は、軟質
表面材20により覆われた芯材10の上面11の平面部分と対
向する平面部61と、軟質表面材20により覆われた芯材10
の上面11に凹状の滑り止め溝30を形成するために前記平
面部61の外表面から階段段板90側に向かって突出する突
出部60とを備えている。この突出部60は、階段段板90の
長手方向の両端部分に対向する位置の平面部61表面には
形成せずに階段段板90の長手方向の中央部分に対向する
位置の平面部61表面に形成してある。そして、平面部61
の周縁には、階段段板90側に向かって突出して階段段板
90の周縁を覆う突出周縁部52を備えている。この突出周
縁部52は、階段段板90の位置決めを簡単にすることがで
きるものであるが、もちろん、他の寸法形状のものにも
同一のプレス型50を使用可能とするために、突出周縁部
52を形成せずに平面部61及び突出部60のみからなるもの
でも良いものである。
【0050】上述したような形状のプレス型50を油圧装
置等が組み込まれたプレス機械により階段段板の上面11
に押し込むと、突出部60の先端が階段段板90の上面11か
ら内部に押し込まれる。そして、軟質表面材20及び芯材
10の両者が一緒になって、凹状に凹んで塑性変形する。
そして、押し込んだプレス型50を階段段板90から引き離
すと、押し込まれた突出部60が引き抜かれ、凹状に塑性
変形した部分が滑り止め溝30として形成される。すなわ
ち、芯材10の表面に凹状の溝を形成して、その内部に軟
質表面材20を張る必要がなく、一体化した芯材10及び軟
質表面材20の両方に対して一度に形成しているため、滑
り止め溝30の形成作業が容易であるとともに、軟質表面
材20の貼着作業を容易にすることができて、製造作業を
簡便化することができる。さらに、プレス型50の突出部
60は、階段段板90の長手方向の両木口面の端部に対向す
る位置には形成されていない。このため、階段段板90の
両端には突出部60による滑り止め溝30も形成されず、フ
ラットな部分が形成される。これにより、階段を清掃す
る際、階段段板90の上面11の長手方向の両端に塵等の掃
き出し用の通路となるフラットな部分を形成することが
できて、ほうき等で集めた塵等が滑り止め溝30の内部に
入り込むことを抑えることができ、階段の掃除を容易に
することができる階段段板90を容易に形成することがで
きる。
【0051】そして、プレス加工により、芯材10の表面
の軟質表面材20を押圧している。すなわち、プレス型50
の平面部61が階段段板90の上面11を押圧しているため、
芯材10と軟質表面材20との密着性を強固なものにするこ
とができる。更に、滑り止め溝30以外に階段段板90の上
面11に僅かな凹凸があっても、階段段板90の上面11をフ
ラットな状態にすることができ、階段段板90の平面性を
向上させることができる。
【0052】また、本実施の形態は、予め滑り止め溝30
の内面にまで隙間無く貼り付けなくてもプレス型50の突
出部60により滑り止め溝30の内面に隙間なく拡げること
ができる。このため、芯材10に滑り止め溝30を形成した
後、軟質表面材20を周囲に貼り付ける場合と比較して、
滑り止め溝30の内面の部分だけ軟質表面材20の使用量を
抑えることができる。
【0053】上述した工程を経ることにより、図4に示
すように、滑り止め溝30を有する階段段板90が完成す
る。次に、本発明の第二の実施の形態について説明す
る。図6及び図7は、本発明の実施の形態を示すもので
あって、階段段板の製造工程の縦断面図をそれぞれ示す
ものである。
【0054】本実施の形態に係る階段段板90の構成につ
いて説明する。本実施の形態に係る階段段板90は、階段
段板90の上面11と、階段段板90の長手方向に沿う手前側
端面12との間の角部に、プレス加工により凸状の塑性変
形を与えて、階段段板90の外方に向かって凸状の連続し
た略曲面からなる凸状曲面部91を形成したことを特徴と
するものである。この凸状曲面部91は、上面11と手前側
端面12との間の角部の縦断面形状が円周の四分の一に相
当するような外周面を持つ滑らかな曲面に形成されてい
る。なお、その他の構成は、第一の実施の形態と略同様
の構成であって、同様の構成には同一の部品番号を付与
して説明を省略する。
【0055】本実施の形態の作用及び効果について説明
する。本実施の形態は、凸状曲面部91は、上面11と手前
側端面12との間の角部がプレス加工により凸状に塑性変
形されているものである。すなわち、機械加工等の切削
加工や、研削加工により、曲面を形成しているものでは
ないため、削る深さや、研削する量等を厳密に測定して
調整する必要がなく、容易に曲面を得ることができ、製
造作業を容易にすることができるものである。また、プ
レス加工により、凸状曲面部91が密に充填されることと
なり、角部の密度が増し、硬度を増すことができる。こ
れにより、周囲部材等に衝突し易い角部の損傷を目立た
なくすることができる。
【0056】本実施の形態に係る階段段板90の製造方法
は、第一の実施の形態における階段段板90の製造方法と
略同様であり、プレス加工により使用するプレス型50が
異なるのみである。すなわち、図6は、第一の実施の形
態の製造工程の図3に相当する工程であって、図7は、
第一の実施の形態の製造工程の図4に相当するものであ
る。その他の工程は第一の実施の形態と全く同様であっ
て、製造方法については説明を省略する。以下に、本実
施の形態に係る階段段板90を形成するためのプレス型50
について説明する。
【0057】このプレス型50は、平面部61の周縁に平面
部61の周縁から階段段板90側に向かって突出するととも
に階段段板90の周縁を覆う突出周縁部52を備えている。
そして、この突出周縁部52と平面部61との間の角部の一
部には、プレス型50の内方に向かって凹状の連続した略
曲面からなる凹状曲面部51が形成されている。このプレ
ス型50は、上述した凹状曲面部51を備えているため、プ
レス型50を階段段板90に向かって押し込むと、プレス型
50の平面部61と突出周縁部52との間の角部に対向する階
段段板90の周縁の角部が、凹状曲面部51に沿って塑性変
形する。これにより、階段段板90の角部は、凹状曲面部
51の内面形状に整合するような滑らかな凸状曲面部91に
形成され、滑らかな曲面を容易に得ることができる。
【0058】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。請求項1
記載の発明によれば、外観が良好で、且つ製造作業が容
易な滑り止め溝を有する建築部材の製造方法を提供する
ことができる。
【0059】請求項2記載の発明によれば、外観が良好
で、且つ表面の掃き掃除も容易にすることができる滑り
止め溝を有する建築部材の製造方法を提供することがで
きる。請求項3記載の発明によれば、外観が良好で、且
つ製造作業が容易な滑り止め溝を有する建築部材を提供
することができる。
【0060】請求項4記載の発明によれば、外観が良好
で、且つ表面の掃き掃除も容易にすることができる滑り
止め溝を有する建築部材を提供することができる。請求
項5記載の発明によれば、滑らかな曲面状の表面を容易
に得ることができる滑り止め溝を有する建築部材を提供
することができる。請求項6記載の発明によれば、製造
作業が容易な滑り止め溝を有する建築部材を生産するた
めのプレス型を提供することができる。
【0061】請求項7記載の発明によれば、外観が良好
で、且つ表面の掃き掃除も容易にすることができる滑り
止め溝を有する建築部材の製造方法を提供することがで
きる。請求項8記載の発明によれば、滑らかな曲面状の
角部を容易に得ることができる滑り止め溝を有する建築
部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態であって、階段段板
の製造工程を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態であって、階段段板
の製造工程を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態であって、階段段板
の製造工程を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態であって、階段段板
の製造工程を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態であって、完成した
階段段板を示す外観斜視図であうる。
【図6】本発明の第二の実施の形態であって、階段段板
の製造工程を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態であって、階段段板
の製造工程を示す縦断面図である。
【図8】従来の階段段板の製造工程を示す縦断面図であ
る。
【図9】従来の階段段板の製造工程を示す縦断面図であ
る。
【図10】従来の階段段板の製造工程を示す縦断面図で
ある。
【図11】従来の階段段板を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
10 芯材 11 上面 12 手前側端面 13 下面 20 軟質表面材 30 滑り止め溝 40 蹴込板収納部 50 プレス型 51 凹状曲面部 52 突出周縁部 60 突出部 61 平面部 90 階段段板 91 凸状曲面部 100 階段段板 110 芯材 120 軟質表面材 130 滑り止め溝 140 蹴込板収納部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滑り止め溝を有する建築部材の製造方法
    において、平板状の芯材に、この芯材の表面の一部に軟
    質材からなる軟質表面材を貼着する第1の工程と、 この第1の工程により軟質表面材で覆われた芯材の上面
    に、プレス加工により、凹状の塑性変形を与えて、滑り
    止め溝を形成する第2の工程とを備えたことを特徴とす
    る滑り止め溝を有する建築部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 第2の工程におけるプレス加工は、軟質
    表面材で覆われた芯材の上面に凹状の塑性変形を与え
    て、建築部材の長手方向の両端に達しない滑り止め溝を
    形成することを特徴とする請求項1記載の建築部材の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 滑り止め溝を有する建築部材において、
    平板状の芯材と、この芯材の表面の一部に貼り付けた軟
    質材からなる軟質表面材とを備え、 軟質表面材で覆った芯材の上面には、プレス加工により
    凹状の塑性変形を与えた滑り止め溝を形成したことを特
    徴とする滑り止め溝を有する建築部材。
  4. 【請求項4】 滑り止め溝は、建築部材の長手方向の両
    端に達していないことを特徴とする請求項3記載の滑り
    止め溝を有する建築部材。
  5. 【請求項5】 建築部材の上面と、建築部材の長手方向
    に沿う少なくとも一方の端面との間の角部には、プレス
    加工により凸状の塑性変形を与えて、建築部材の外方に
    向かって凸状の連続した略曲面からなる凸状曲面部を形
    成したことを特徴とする請求項3または請求項4記載の
    滑り止め溝を有する建築部材。
  6. 【請求項6】 長手部材である建築部材の上面に凹状の
    塑性変形を与えて、滑り止め用の滑り止め溝を形成する
    プレス型であって、 建築部材は、軟質材からなる軟質表面材と、この軟質表
    面材により外側表面を覆われた平板状の芯材とを備え、 軟質表面材により覆われた芯材の上面の平面部分と対向
    する平面部と、軟質表面材により覆われた芯材の上面に
    凹状の滑り止め溝を形成するために前記平面部の外表面
    から建築部材側に向かって突出する突出部とを備えたこ
    とを特徴とするプレス型。
  7. 【請求項7】 突出部は、建築部材の長手方向の両端部
    分に対向する位置の平面部表面には形成せずに建築部材
    の長手方向の中央部分に対向する位置の平面部表面に形
    成したことを特徴とする請求項6記載のプレス型。
  8. 【請求項8】 プレス型は、平面部の周縁に平面部の周
    縁から建築部材側に向かって突出するとともに建築部材
    の周縁を覆う突出周縁部を備え、 この突出周縁部と平面部との間の角部の一部には、プレ
    ス型の内方に向かって凹状の連続した略曲面からなる凹
    状曲面部が形成されていることを特徴とする請求項6ま
    たは請求項7記載のプレス型。
JP8333174A 1996-12-13 1996-12-13 滑り止め溝を有する建築部材、その建築部材の製造方法、及び、その建築部材を生産するプレス型 Withdrawn JPH10169135A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030006618A (ko) * 2001-07-13 2003-01-23 구자홍 계단용 성형발판과 그 성형틀 및 그 제조방법
JP2008291524A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Panasonic Electric Works Co Ltd 踏板及び踏板の製造方法
KR101943801B1 (ko) * 2018-08-29 2019-01-29 소장심 계단용 논슬립

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