JPH10168342A - 磁器タイル用下塗り剤及び水系無機塗料用下塗り剤 - Google Patents

磁器タイル用下塗り剤及び水系無機塗料用下塗り剤

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JPH10168342A
JPH10168342A JP32994296A JP32994296A JPH10168342A JP H10168342 A JPH10168342 A JP H10168342A JP 32994296 A JP32994296 A JP 32994296A JP 32994296 A JP32994296 A JP 32994296A JP H10168342 A JPH10168342 A JP H10168342A
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JP
Japan
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water
undercoat
silane coupling
paint
porcelain tile
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JP32994296A
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Yasuyuki Kanekawa
泰之 金川
Osamu Iwahase
脩 磐長谷
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PAINT HOUSE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、塗料の磁器タイル、金属、有機塗
膜表面への密着性を高め、これらの表面の保護、美粧性
を与える下塗り剤を提供する 【解決手段】 本発明は、磁器タイルや金属等の塗装対
象に塗料を塗布する際に下塗りする下塗り剤であって、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン又は3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランから選ばれる濃度1
乃至10%の範囲のシランカップリング剤からなるもの
である。この下塗り剤によれば、塗装対象に下塗りする
ことにより、その表面が平滑面から粗面となり、アンカ
ー効果が働き、更に、有機同士の官能基の化学結合及び
無機同士の化学結合により、塗装対象への密着性を高め
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁器タイル用及び
その他の撥水面用の下塗り剤(プライマー)及び水系無
機塗料用下塗り剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁器タイルはその表面に透明若し
くは各種色彩をもった塗料を十分に密着塗布できず、こ
のため、建築物の外壁、内壁に貼られている磁器タイル
をリフォーム等において所望の色彩を持つように色替え
しようとしても不可能であった。
【0003】特に、殆どの水系塗料はタイル表面ではじ
き現象が起き、塗装そのものが不可能であった。
【0004】これは、磁器タイルの表面の平滑性により
アンカー効果が働かず、塗料を十分に密着できないこ
と、磁器タイルの表面が不活性であること等の理由によ
るものである。
【0005】一方、ステンレス、ブリキ板、亜鉛鉄板、
アルミニウム板等の金属、ウレタンアクリルシリコン等
の有機塗膜等のように撥水性の高い材料の面に従来の有
機系塗料を塗布する際には、溶剤系のエポキシ樹脂等の
プライマーを下塗り剤として使用するのが常であった。
しかし、水系無機塗料を塗布する際には、前記溶剤系プ
ライマーを下塗り剤として使用すると、水系無機塗料は
はじかれ全く密着しない状態になってしまう。
【0006】はじきについては、臨界表面張力γC が接
触する液体や樹脂の表面張力γL よりも小さい場合に起
こることが分かっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、磁器タイルの表面に下塗り
することによって、有機系、無機系全ての塗料の磁器タ
イル表面への密着性を高め、磁器タイル表面を所望の色
彩に色替え可能とし、更に目地部分の耐久性を向上し得
る磁器タイル用下塗り剤を提供することを目的とするも
のである。同時に、金属面、有機塗膜面等撥水性の高い
材料の面に水系無機塗料を塗布する際にはじきを止め、
密着性を高めるための下塗り剤を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁器タイル及
び金属、有機塗膜等の撥水面に塗料を塗布する際に下塗
りする磁器タイル用下塗り剤であって、シランカップリ
ング剤からなることを特徴とするもである。
【0009】前記シランカップリング剤は、3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン又は3−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランから選ばれる濃度1乃至10%
の範囲のものであることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の水系無機塗料用下塗り剤
は、ステンレス、ブリキ板等の金属、有機塗膜等の撥水
性の高い材料の面に水系無機塗料を塗布する際の下塗り
剤であって、シランカップリング剤からなることを特徴
とするものである。この水系無機塗料用下塗り剤の構成
にシランカップリング剤と、イソプロピルアルコールを
主とするアルコールに純水もしくは水道水1乃至10%
を混入した下塗り用溶剤を付加した構成とすることもで
きる。
【0011】以下本発明についてさらに詳述する。
【0012】シラン系化合物であるカーボン・ファンク
ショナル・シランの中でも、特にシランカップリング剤
は有機ポリマーに対して反応性、親和性を持つ有機反応
基を含有し、有機ポリマーと無機材料及び金属材料の接
する界面で接着性を改良する材料として知られている。
【0013】即ち、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン又は3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
から選ばれる下塗り剤としてのシランカップリング剤
を、例えばつや出し磁器タイルの表面に塗布すると、下
塗り剤の加水分解生成物であるシラノール基とつや出し
磁器タイルの表面のSi−OHとの間に脱水縮合反応が
起こり、両者は共有結合により結合される。更に、この
つや出し磁器タイルの表面が平滑面から粗面になり、ア
ンカー効果が働くようになり、その上に塗料を塗布する
と密着性が増す。
【0014】また、有機塗料の場合、本発明の磁器タイ
ル用下塗り剤のアミノ系又はエポキシ系の有機官能基が
有機塗料の官能基と化学反応を起こして結合する。
【0015】金属面に本発明の水系無機塗料用下塗り剤
を塗布した場合には、上記のつや出し磁器タイルに塗布
した場合と同様であり、その上に水系無機塗料を塗布す
る場合、アンカー効果に加え、ぬれ性の改善によって密
着性が増す。
【0016】有機塗膜面にこの下塗り剤を塗布した場合
は、この下塗り剤のアミノ基又はエポキシ系の有機官能
基が有機塗膜の官能基と化学反応を起こして結合する。
【0017】その上に、水系無機塗料を塗布すると、ア
ンカー効果及びぬれ性の改善に加え、下塗り剤の加水分
解生成物であるシラノール基と水系無機塗料Si−OH
との間に脱水縮合反応が起こり、両者は共有結合により
結合される。
【0018】次に、有機ポリマーとのぬれ性について考
察すると、このぬれ性は臨界表面張力γC により評価す
ることができる。即ち、ぬれは臨界表面張力γC が接触
する液体や樹脂の表面張力γL よりも大きいか等しい場
合に起こり、臨界表面張力γC が接触する液体や樹脂の
表面張力γL よりも小さい場合には、はじきが起こる。
【0019】そして、臨界表面張力γC が大きいほど接
触する液体や樹脂がぬれ易くなる。
【0020】3−アミノプロピルトリエトキシシラン又
は3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランから選
ばれる本発明のシランカップリング剤の濃度が、1乃至
10%の範囲のものが磁器タイル及び金属、有機塗膜に
対する塗料の密着性を高めることを確認できた。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0022】既述したように、シラン系化合物であるカ
ーボン・ファンクショナル・シランの中でも、とくにシ
ランカップリング剤は有機ポリマーに対して反応性、親
和性を持つ有機反応基を含有し、有機ポリマーと無機材
料及び金属材料の接する界面で接着性を改良する材料と
して知られている。
【0023】本実施の形態では、かかる観点から下塗り
剤であるシランカップリング剤の種類、シランカップリ
ング剤の溶剤、有機塗料、無機塗料各々への密着性、下
塗り剤の膜厚、塗料の種類、塗料の溶剤について種々考
察した。
【0024】シランカップリング剤の種類としては、ビ
ニル系、アミノ系、エポキシ系、クロル系、メタクリロ
キシ系、ケチミン系、カチオン系について考察し、この
中から、下記化1で示される3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、下記化2で示される3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランを選択した。この内、特に、
3−アミノプロピルトリエトキシシランが有機塗料及び
ケイ酸化合物等の水系無機塗料双方にとり下塗り剤とし
て良好な密着性を示すことを確認した。
【0025】
【化1】
【化2】 また、シランカップリング剤の溶剤としては、アルコー
ル、トルエン、キシレン、水、アルコールと水、トルエ
ンと水、キシレンと水との混合物を考慮し、イソプロピ
ルアルコールに1乃至10%の純水もしくは水道水を加
えたものが最も良好な密着性を示すことを確認した。
【0026】これは、アルコール若しくは有機溶剤10
0%ではシランカップリング剤の加水分解生成物である
シラノール基ができず密着しないこと、水の割合が多す
ぎると、はじきの現象が起こり、磁器タイル、金属、有
機塗膜の上に載らないこと等の理由による。
【0027】下塗り剤の塗布膜厚については、数μm程
度が好適であり、厚すぎると割れが生じてしまう。この
点より、濃度調整が重要となるが、濃度が低すぎると塗
膜形成が不十分であり、また、濃度が高すぎるとシラン
カップリング剤に溶解しない部分が生じて下塗り剤とし
ては不適である。従って、シランカップリング剤の濃度
は1乃至10%の範囲が最適となる。
【0028】塗料としては、有機塗料及びケイ酸化合物
等の水系無機塗料を使用した。
【0029】塗料の溶剤としては、トルエン、キシレン
等の有機溶剤、シリコンモノマー、イソプロピルアルコ
ール、水のうちから適宜選定した。
【0030】図1は、本実施の形態の磁器タイル用下塗
り剤の塗料に対する密着機構を模式的に示すものであ
り、本実施の形態の磁器タイル用下塗り剤の加水分解生
成物であるシラノール基と、つや出し磁器タイル1の表
面のSi−OHとの間に脱水縮合反応が起こり、つや出
し磁器タイル1の表面と共有結合により接合される。
【0031】尚、図1において、ASi(OH)3 は、
前記化1で示される化学式のうちのH2 NCH2 CH2
CH2 を化3に示すようにAと定義したとき、下記化4
の反応式により生じるものである。
【0032】
【化3】
【化4】 また、図2は、本実施の形態の水系無機塗料用下塗り剤
の塗料に対する密着機構を模式的に示すものである。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、磁器タイルの表面に下
塗りすることによって、塗料の磁器タイル表面への密着
性を高め、磁器タイル表面を所望の色彩に色替え可能と
し、更に、目地部分の耐久性の向上をも図れる磁器タイ
ル用下塗り剤を提供することができる。
【0034】また、本発明によれば、金属、有機塗膜の
表面に下塗りする場合に、水系無機塗料の金属、有機塗
膜への密着性を高め、金属、有機塗膜の保護に加え、美
粧性を与えることが可能な水系無機塗料用下塗り剤を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の磁器タイル用下塗り剤の塗料に
対する密着機構を模式的に示す図である。
【図2】本実施の形態の水系無機塗料用下塗り剤の有機
塗料膜に対する密着機構を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 つや出し磁器タイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁器タイルに塗料を塗布する際に下塗り
    する磁器タイル用下塗り剤であって、シランカップリン
    グ剤からなることを特徴とする磁器タイル用下塗り剤。
  2. 【請求項2】 前記シランカップリング剤は、3−アミ
    ノプロピルトリエトキシシラン又は3−グリシドキシプ
    ロピルトリメトキシシランから選ばれる濃度1乃至10
    %の範囲のものであることを特徴とする請求項1記載の
    磁器タイル用下塗り剤。
  3. 【請求項3】 ステンレス、ブリキ板等の金属、有機塗
    膜等の撥水性の高い材料の面に水系無機塗料を塗布する
    際の下塗り剤であって、シランカップリング剤からなる
    ことを特徴とする水系無機塗料用下塗り剤。
  4. 【請求項4】 ステンレス、ブリキ板等の金属、有機塗
    膜等の撥水性の高い材料の面に水系無機塗料を塗布する
    際の下塗り剤であって、シランカップリング剤と、イソ
    プロピルアルコールを主とするアルコールに純水もしく
    は水道水1乃至10%を混入した下塗り用溶剤とからな
    ることを特徴とする水系無機塗料用下塗り剤。
JP32994296A 1996-12-10 1996-12-10 磁器タイル用下塗り剤及び水系無機塗料用下塗り剤 Pending JPH10168342A (ja)

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