JPH10167846A - アルミナ−マグネシア質不定形耐火物の乾燥方法およびそれによる不定形耐火物 - Google Patents
アルミナ−マグネシア質不定形耐火物の乾燥方法およびそれによる不定形耐火物Info
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- JPH10167846A JPH10167846A JP8321882A JP32188296A JPH10167846A JP H10167846 A JPH10167846 A JP H10167846A JP 8321882 A JP8321882 A JP 8321882A JP 32188296 A JP32188296 A JP 32188296A JP H10167846 A JPH10167846 A JP H10167846A
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- refractory material
- alumina
- spinel
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- Ceramic Products (AREA)
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶湯と接触し不定形耐火物表面が急激に加熱
される場合でも、加熱面に平行に発生するクラックの発
生を防止したアルミナ−マグネシア質不定形耐火物を提
供する。 【解決手段】 アルミナおよびマグネシアを主材とする
アルミナ−マグネシア質不定形耐火物を加熱して乾燥す
るに際して、前記不定形耐火物表面温度を1300℃以上で
4時間以上保持することにより、不定形耐火物表面から
60mm以上内部まで、スピネルが生成しているアルミナ−
マグネシア質不定形耐火物である。
される場合でも、加熱面に平行に発生するクラックの発
生を防止したアルミナ−マグネシア質不定形耐火物を提
供する。 【解決手段】 アルミナおよびマグネシアを主材とする
アルミナ−マグネシア質不定形耐火物を加熱して乾燥す
るに際して、前記不定形耐火物表面温度を1300℃以上で
4時間以上保持することにより、不定形耐火物表面から
60mm以上内部まで、スピネルが生成しているアルミナ−
マグネシア質不定形耐火物である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、取鍋、タンディッ
シュ、溶銑樋などの流し込み施工に用いられる耐用性に
優れたアルミナ−マグネシア質不定形耐火物の乾燥方法
およびそれによる不定形耐火物の技術分野に属するもの
である。
シュ、溶銑樋などの流し込み施工に用いられる耐用性に
優れたアルミナ−マグネシア質不定形耐火物の乾燥方法
およびそれによる不定形耐火物の技術分野に属するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、不定形耐火物の乾燥は、使用時の
水蒸気爆裂を防ぐため、脱水を目的として行われ、昇温
も 500℃〜1000℃までである。また、使用前の予熱にお
いても接触する溶湯の温度低下を防ぐために、1000℃ま
でバーナーで加熱を行うのが一般的である。これはアル
ミナ−マグネシア質不定形耐火物においても同様であ
る。
水蒸気爆裂を防ぐため、脱水を目的として行われ、昇温
も 500℃〜1000℃までである。また、使用前の予熱にお
いても接触する溶湯の温度低下を防ぐために、1000℃ま
でバーナーで加熱を行うのが一般的である。これはアル
ミナ−マグネシア質不定形耐火物においても同様であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば、アル
ミナ−マグネシア質不定形耐火物(以下、不定形耐火物
という)を溶湯を受ける取鍋に使用した場合、使用途中
で不定形耐火物表面に剥離が見られ、これが取鍋寿命を
短くしている。この剥離は、穿孔による内部観察の結
果、不定形耐火物の加熱面に平行に発生するクラックに
よる層状剥離に起因するものであることが分かった。
ミナ−マグネシア質不定形耐火物(以下、不定形耐火物
という)を溶湯を受ける取鍋に使用した場合、使用途中
で不定形耐火物表面に剥離が見られ、これが取鍋寿命を
短くしている。この剥離は、穿孔による内部観察の結
果、不定形耐火物の加熱面に平行に発生するクラックに
よる層状剥離に起因するものであることが分かった。
【0004】上記クラックの発生は、溶湯により不定形
耐火物表面が急激に加熱されることにより、表面から内
部に向かってスピネルが生成し、スピネルが生成した部
分とスピネルが生成していない部分との間に膨張差が生
じ、これが原因でクラックが発生したものと推察され
る。また、冷却時はスピネルが生成した部分は残存膨張
を示すが、スピネルが生成しなかった部分は残存膨張を
示さないので、やはり膨張差が生じクラックの発生を助
長する。
耐火物表面が急激に加熱されることにより、表面から内
部に向かってスピネルが生成し、スピネルが生成した部
分とスピネルが生成していない部分との間に膨張差が生
じ、これが原因でクラックが発生したものと推察され
る。また、冷却時はスピネルが生成した部分は残存膨張
を示すが、スピネルが生成しなかった部分は残存膨張を
示さないので、やはり膨張差が生じクラックの発生を助
長する。
【0005】そこで、発明者らは、スピネルの生成温度
について調査を行った。その結果を図5に示す。図5
は、粒径 1mm以下のマグネシア粒を10質量%添加、また
は粒径0.1mm以下のマグネシア粒を10質量%添加した二
種類のアルミナ−マグネシア質不定形耐火物について、
焼成温度とスピネル生成量および残存線膨張率との関係
を示したものである。
について調査を行った。その結果を図5に示す。図5
は、粒径 1mm以下のマグネシア粒を10質量%添加、また
は粒径0.1mm以下のマグネシア粒を10質量%添加した二
種類のアルミナ−マグネシア質不定形耐火物について、
焼成温度とスピネル生成量および残存線膨張率との関係
を示したものである。
【0006】図5に示すように、アルミナ−マグネシア
質不定形耐火物は、温度が1000℃以上になるとアルミナ
とマグネシアの反応によりスピネルが生成し、体積膨張
を起こす。スピネルの生成はマグネシア粒径が細かいほ
ど生成速度は速く、粒径が 1mm以下よりも 0.1mm以下の
方が速い。また、スピネル生成量と残存線膨張率とはほ
ぼ比例している。なお、スピネル生成量は、スピネルの
X線回折強度で示している。
質不定形耐火物は、温度が1000℃以上になるとアルミナ
とマグネシアの反応によりスピネルが生成し、体積膨張
を起こす。スピネルの生成はマグネシア粒径が細かいほ
ど生成速度は速く、粒径が 1mm以下よりも 0.1mm以下の
方が速い。また、スピネル生成量と残存線膨張率とはほ
ぼ比例している。なお、スピネル生成量は、スピネルの
X線回折強度で示している。
【0007】さらに、発明者らは、アルミナ−マグネシ
ア質不定形耐火物の耐スポーリング試験を行った。試験
体は80mm× 100mm×130mm の型枠に流し込み、24時間養
生後脱枠し、 110℃×24時間乾燥したものを使用した。
耐スポーリング試験はパネル式で、加熱面 (80mm×100m
m)以外は断熱材で被覆し、1500℃に 2時間保持、その後
1時間冷却するサイクルを繰り返し2サイクル行った。
その結果を図6および図7に示す。
ア質不定形耐火物の耐スポーリング試験を行った。試験
体は80mm× 100mm×130mm の型枠に流し込み、24時間養
生後脱枠し、 110℃×24時間乾燥したものを使用した。
耐スポーリング試験はパネル式で、加熱面 (80mm×100m
m)以外は断熱材で被覆し、1500℃に 2時間保持、その後
1時間冷却するサイクルを繰り返し2サイクル行った。
その結果を図6および図7に示す。
【0008】図6は試験体の模式図で、加熱面から40mm
の位置にクラックが発生している。図7は試験体に生成
したスピネル量を示す図で、加熱面では多量のスピネル
が認められ、加熱面から60mmの位置ではスピネルは認め
られない。したがって、加熱面に平行に発生するクラッ
クは、スピネルの急激な生成によるものであることが分
かる。
の位置にクラックが発生している。図7は試験体に生成
したスピネル量を示す図で、加熱面では多量のスピネル
が認められ、加熱面から60mmの位置ではスピネルは認め
られない。したがって、加熱面に平行に発生するクラッ
クは、スピネルの急激な生成によるものであることが分
かる。
【0009】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、アルミナ−マグネシア質不定形耐火物
の乾燥温度と時間を制御して、不定形耐火物内にスピネ
ルを生成させることによって、溶湯と接触し、不定形耐
火物表面が急激に加熱される場合でも、加熱面に平行に
発生するクラックの発生を防止したアルミナ−マグネシ
ア質不定形耐火物を提供することを目的とする。
なされたもので、アルミナ−マグネシア質不定形耐火物
の乾燥温度と時間を制御して、不定形耐火物内にスピネ
ルを生成させることによって、溶湯と接触し、不定形耐
火物表面が急激に加熱される場合でも、加熱面に平行に
発生するクラックの発生を防止したアルミナ−マグネシ
ア質不定形耐火物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】その要旨は、アルミナお
よびマグネシアを主材とするアルミナ−マグネシア質不
定形耐火物を加熱して乾燥するに際して、前記不定形耐
火物表面温度を1300℃以上で 4時間以上保持することに
より、不定形耐火物表面から60mm以上内部まで、スピネ
ルが生成しているアルミナ−マグネシア質不定形耐火物
である。
よびマグネシアを主材とするアルミナ−マグネシア質不
定形耐火物を加熱して乾燥するに際して、前記不定形耐
火物表面温度を1300℃以上で 4時間以上保持することに
より、不定形耐火物表面から60mm以上内部まで、スピネ
ルが生成しているアルミナ−マグネシア質不定形耐火物
である。
【0011】先に述べたように、スピネルは1000℃以上
で生成し始めるため、乾燥時、不定形耐火物表面を1000
℃以上に保てば不定形耐火物内部の1000℃以上のところ
ではスピネルが生成する。スピネルの生成は、図5に示
すように、温度が高いほど多く、またマグネシア粒径が
細かいほど急速に進行する。しかし、粒径が 0.1mm以下
のマグネシア粒のみを使用した不定形耐火物の場合で
も、乾燥時、バーナー加熱による緩やかな昇温、例え
ば、図3に示す昇温では、クラックは発生しない。
で生成し始めるため、乾燥時、不定形耐火物表面を1000
℃以上に保てば不定形耐火物内部の1000℃以上のところ
ではスピネルが生成する。スピネルの生成は、図5に示
すように、温度が高いほど多く、またマグネシア粒径が
細かいほど急速に進行する。しかし、粒径が 0.1mm以下
のマグネシア粒のみを使用した不定形耐火物の場合で
も、乾燥時、バーナー加熱による緩やかな昇温、例え
ば、図3に示す昇温では、クラックは発生しない。
【0012】また、通常の一般的な条件で予熱され、初
めて1500〜1650℃の溶鋼を受ける取鍋でのクラックの発
生位置は不定形耐火物表面から約30mmの位置である。し
たがって、不定形耐火物施工後の乾燥は緩やかに昇温
し、不定形耐火物表面から30mm以上内部までスピネルを
生成させておくと、基本的には溶湯との接触による不定
形耐火物表面の急激な加熱においても、新たにスピネル
は生成せず、スピネルの急激な生成によるクラックの発
生を防止することができる。
めて1500〜1650℃の溶鋼を受ける取鍋でのクラックの発
生位置は不定形耐火物表面から約30mmの位置である。し
たがって、不定形耐火物施工後の乾燥は緩やかに昇温
し、不定形耐火物表面から30mm以上内部までスピネルを
生成させておくと、基本的には溶湯との接触による不定
形耐火物表面の急激な加熱においても、新たにスピネル
は生成せず、スピネルの急激な生成によるクラックの発
生を防止することができる。
【0013】不定形耐火物施工後の乾燥時に、不定形耐
火物の内部にスピネルを生成させるための条件は、表面
温度が1300℃以上で 4時間以上保持することとする。そ
の理由は、表面温度が1000℃以上でスピネルは生成し始
めるが、1000℃以上1300℃未満の範囲では、スピネルの
生成速度が遅く、スピネルの生成に長時間を要し、ま
た、生成量も少なく実用的でないからである。保持時間
を 4時間以上とした理由は、不定形耐火物表面から60mm
以上内部までの不定形耐火物を1000℃以上に加熱し、こ
の位置までスピネルを生成させておくためである。これ
により、溶湯との接触による急激な加熱時および冷却時
に、不定形耐火物表面から60mm以上内部までスピネルが
生成しているため、高温域での膨張差がなくなり、不定
形耐火物の加熱面に平行に発生するクラックを防止する
ことができる。なお、乾燥に替えて、使用前に行う予熱
を上記の条件で行っても、本発明の目的を達成すること
ができる。
火物の内部にスピネルを生成させるための条件は、表面
温度が1300℃以上で 4時間以上保持することとする。そ
の理由は、表面温度が1000℃以上でスピネルは生成し始
めるが、1000℃以上1300℃未満の範囲では、スピネルの
生成速度が遅く、スピネルの生成に長時間を要し、ま
た、生成量も少なく実用的でないからである。保持時間
を 4時間以上とした理由は、不定形耐火物表面から60mm
以上内部までの不定形耐火物を1000℃以上に加熱し、こ
の位置までスピネルを生成させておくためである。これ
により、溶湯との接触による急激な加熱時および冷却時
に、不定形耐火物表面から60mm以上内部までスピネルが
生成しているため、高温域での膨張差がなくなり、不定
形耐火物の加熱面に平行に発生するクラックを防止する
ことができる。なお、乾燥に替えて、使用前に行う予熱
を上記の条件で行っても、本発明の目的を達成すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げて本発明の
実施の形態について説明する。 実施例1 本発明に係わるアルミナ−マグネシア質不定形耐火物に
ついて耐スポーリング試験を行った。試験体は、アルミ
ナ−マグネシア質不定形耐火物を80mm× 100mm×130mm
の型枠に流し込み、24時間養生後脱枠し、 110℃×24時
間乾燥し、その後、加熱面 (80mm×100mm)以外は断熱材
で被覆し、1300℃で 4時間加熱したものを使用した。耐
スポーリング試験はパネル式で、加熱面 (80mm×100mm)
以外は断熱材で被覆し、1500℃に 2時間保持、その後 1
時間冷却するサイクルを繰り返し2サイクル行った。そ
の結果を図1および図2に示す。
実施の形態について説明する。 実施例1 本発明に係わるアルミナ−マグネシア質不定形耐火物に
ついて耐スポーリング試験を行った。試験体は、アルミ
ナ−マグネシア質不定形耐火物を80mm× 100mm×130mm
の型枠に流し込み、24時間養生後脱枠し、 110℃×24時
間乾燥し、その後、加熱面 (80mm×100mm)以外は断熱材
で被覆し、1300℃で 4時間加熱したものを使用した。耐
スポーリング試験はパネル式で、加熱面 (80mm×100mm)
以外は断熱材で被覆し、1500℃に 2時間保持、その後 1
時間冷却するサイクルを繰り返し2サイクル行った。そ
の結果を図1および図2に示す。
【0015】図1は試験体の模式図で、試験体は耐スポ
ーリング試験前に、1300℃で 4時間加熱され、既にスピ
ネルが生成しているため、試験体には図6に示したよう
な加熱面に平行に発生するクラックは認められない。ま
た、図2は試験後の試験体に生成しているスピネル量を
示す図で、スピネルの生成は加熱面から60mm以上内部ま
で起こっている。このため、スピネルが生成している高
温域での膨張差がなくなり、耐スポーリング試験におい
てもクラックが発生しなかったものと思われる。
ーリング試験前に、1300℃で 4時間加熱され、既にスピ
ネルが生成しているため、試験体には図6に示したよう
な加熱面に平行に発生するクラックは認められない。ま
た、図2は試験後の試験体に生成しているスピネル量を
示す図で、スピネルの生成は加熱面から60mm以上内部ま
で起こっている。このため、スピネルが生成している高
温域での膨張差がなくなり、耐スポーリング試験におい
てもクラックが発生しなかったものと思われる。
【0016】実施例2 溶湯を受ける取鍋に本発明に係わるアルミナ−マグネシ
ア質不定形耐火物を使用した例を以下に示す。厚さ30mm
の断熱煉瓦(熱伝導率:0.93W/(m・K) )の上に、厚
さ40mmの煉瓦(熱伝導率:1.94W/(m・K) )を施工
し、その上に厚さ140mm のアルミナ−マグネシア質不定
形耐火物(熱伝導率:1.98W/(m・K) )を施工した。
この時の乾燥昇温パターンおよび熱計算による内部温度
の一例を図3に示す。比較例として、乾燥温度を1000℃
とした時の乾燥昇温パターンおよび熱計算による内部温
度の一例を図4に示す。
ア質不定形耐火物を使用した例を以下に示す。厚さ30mm
の断熱煉瓦(熱伝導率:0.93W/(m・K) )の上に、厚
さ40mmの煉瓦(熱伝導率:1.94W/(m・K) )を施工
し、その上に厚さ140mm のアルミナ−マグネシア質不定
形耐火物(熱伝導率:1.98W/(m・K) )を施工した。
この時の乾燥昇温パターンおよび熱計算による内部温度
の一例を図3に示す。比較例として、乾燥温度を1000℃
とした時の乾燥昇温パターンおよび熱計算による内部温
度の一例を図4に示す。
【0017】図3に示すように、本発明の乾燥方法で
は、表面温度が1300℃になってから約3.5時間後には、
表面から60mm位置の温度は1000℃を超えている。したが
って、この時点で、表面から60mm内部までスピネルが生
成していることになる。上記の取鍋を溶鋼取鍋として、
出鋼温度1650℃で使用頻度4〜5回/日の条件で使用し
た結果、加熱面に平行に発生するクラックに起因する不
定形耐火物表面の剥離は認められず、取鍋寿命は10%延
びた。なお、従来の乾燥方法では、図4に示すように、
表面温度のみが1000℃であるため、不定形耐火物内部で
のスピネルの生成は期待できず、使用時の加熱面に平行
に発生するクラックの発生を防止することはできない。
は、表面温度が1300℃になってから約3.5時間後には、
表面から60mm位置の温度は1000℃を超えている。したが
って、この時点で、表面から60mm内部までスピネルが生
成していることになる。上記の取鍋を溶鋼取鍋として、
出鋼温度1650℃で使用頻度4〜5回/日の条件で使用し
た結果、加熱面に平行に発生するクラックに起因する不
定形耐火物表面の剥離は認められず、取鍋寿命は10%延
びた。なお、従来の乾燥方法では、図4に示すように、
表面温度のみが1000℃であるため、不定形耐火物内部で
のスピネルの生成は期待できず、使用時の加熱面に平行
に発生するクラックの発生を防止することはできない。
【0018】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明に係わるアルミナ−マグネシア質不定形耐火物
は、乾燥時に加熱表面から60mm以上内部までスピネルを
生成させているため、使用時の急激な加熱においてもク
ラックは発生せず、不定形耐火物表面の剥離は起こらな
い。したがって、本発明の乾燥方法で乾燥した不定形耐
火物は、溶湯を取り扱う製銑、製鋼分野で広く使用する
ことができる。
本発明に係わるアルミナ−マグネシア質不定形耐火物
は、乾燥時に加熱表面から60mm以上内部までスピネルを
生成させているため、使用時の急激な加熱においてもク
ラックは発生せず、不定形耐火物表面の剥離は起こらな
い。したがって、本発明の乾燥方法で乾燥した不定形耐
火物は、溶湯を取り扱う製銑、製鋼分野で広く使用する
ことができる。
【図1】本発明例の耐スポーリング試験後の試験体の模
式図である。
式図である。
【図2】本発明例の耐スポーリング試験後の試験体に生
成しているスピネル量を示す図である。
成しているスピネル量を示す図である。
【図3】本発明のアルミナ−マグネシア質不定形耐火物
施工時の乾燥昇温パターンおよび熱計算による内部温度
の一例を示す図である。
施工時の乾燥昇温パターンおよび熱計算による内部温度
の一例を示す図である。
【図4】比較例として、乾燥温度を1000℃とした時の乾
燥昇温パターンおよび熱計算による内部温度の一例を示
す図である。
燥昇温パターンおよび熱計算による内部温度の一例を示
す図である。
【図5】粒径 1mm以下または粒径 0.1mm以下のマグネシ
ア粒を10%添加した二種類のアルミナ−マグネシア質不
定形耐火物について、焼成温度とスピネル生成量および
残存線膨張率との関係を示した図である。
ア粒を10%添加した二種類のアルミナ−マグネシア質不
定形耐火物について、焼成温度とスピネル生成量および
残存線膨張率との関係を示した図である。
【図6】耐スポーリング試験後の試験体の模式図で、加
熱面から40mmの位置にクラックが発生している様子を示
す図である。
熱面から40mmの位置にクラックが発生している様子を示
す図である。
【図7】耐スポーリング試験後の試験体に生成したスピ
ネル量を示す図である。
ネル量を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松江 望 岐阜県可児市中恵土21番地の1 東和耐火 工業株式会社岐阜工場内 (72)発明者 藤田 和也 岐阜県可児市中恵土21番地の1 東和耐火 工業株式会社岐阜工場内 (72)発明者 土方 正人 大阪府大阪市北区末広町3の2 東和耐火 工業株式会社大阪営業所内
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミナおよびマグネシアを主材とする
アルミナ−マグネシア質不定形耐火物を加熱して乾燥す
るに際して、前記不定形耐火物表面温度を1300℃以上で
4時間以上保持することを特徴とするアルミナ−マグネ
シア質不定形耐火物の乾燥方法。 - 【請求項2】 上記アルミナ−マグネシア質不定形耐火
物の乾燥方法において、前記不定形耐火物表面から60mm
以上内部まで、スピネルが生成していることを特徴とす
るアルミナ−マグネシア質不定形耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8321882A JPH10167846A (ja) | 1996-12-02 | 1996-12-02 | アルミナ−マグネシア質不定形耐火物の乾燥方法およびそれによる不定形耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8321882A JPH10167846A (ja) | 1996-12-02 | 1996-12-02 | アルミナ−マグネシア質不定形耐火物の乾燥方法およびそれによる不定形耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10167846A true JPH10167846A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18137467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8321882A Withdrawn JPH10167846A (ja) | 1996-12-02 | 1996-12-02 | アルミナ−マグネシア質不定形耐火物の乾燥方法およびそれによる不定形耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10167846A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105917186A (zh) * | 2014-01-23 | 2016-08-31 | 杰富意钢铁株式会社 | 熔融金属容器的衬里结构体的制造方法及熔融金属容器的衬里结构体 |
-
1996
- 1996-12-02 JP JP8321882A patent/JPH10167846A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105917186A (zh) * | 2014-01-23 | 2016-08-31 | 杰富意钢铁株式会社 | 熔融金属容器的衬里结构体的制造方法及熔融金属容器的衬里结构体 |
KR20160111484A (ko) | 2014-01-23 | 2016-09-26 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 용융 금속 용기의 라이닝 구조체의 제조 방법 및 용융 금속 용기의 라이닝 구조체 |
TWI572581B (zh) * | 2014-01-23 | 2017-03-01 | Jfe Steel Corp | A method for manufacturing a lining structure of a molten metal container, and a lining structure of a molten metal container |
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