JPH10166382A - ポリアセタール樹脂成形品 - Google Patents

ポリアセタール樹脂成形品

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JPH10166382A
JPH10166382A JP8326298A JP32629896A JPH10166382A JP H10166382 A JPH10166382 A JP H10166382A JP 8326298 A JP8326298 A JP 8326298A JP 32629896 A JP32629896 A JP 32629896A JP H10166382 A JPH10166382 A JP H10166382A
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JP
Japan
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resin
hollow
polyacetal resin
molded product
molded article
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JP8326298A
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English (en)
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Norihiko Furuya
紀彦 古谷
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度、耐候性、耐薬品性、加熱エージン
グ特性に優れ、ひけやソリの発生が少ないポリアセター
ル樹脂成形品を提供する。 【解決手段】 内部に中空部を有するポリアセタール樹
脂成形品であって、該成形品の外表面の表層部には最大
厚みが150μm以下であるスキン層を有し、該成形品
の内表面の表層部にはスキン層を有さないことを特徴と
するポリアセタール樹脂成形品とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性樹脂成形品
に関するものである。さらに詳しくは、寸法精度、耐候
性、耐薬品性、加熱エージング特性に優れ、ひけやソリ
の発生が少ないポリアセタール樹脂成形品に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂成形品は、自動車、
一般機械、精密機械、電気、電子、一般工業部品などの
各分野において幅広い用途に用いられている。そして、
大量生産が可能であり、成形性が良く、軽量でしかも錆
びないという理由から、その需要は増加の傾向にある。
その中にあって、ポリアセタール樹脂は機構部品を中心
に利用されることが多い。近年は、その用途の拡大とと
もに、要求精度の高レベル化が目立つようになってき
た。
【0003】多くのポリアセタール樹脂成形品は射出成
形法により製造される。射出成形法により製造されたポ
リアセタール樹脂成形品は、成形後、樹脂の収縮の進行
とともににより、ソリ、ヒケ、たわみなどの変形の度合
いが増すものが多く、寸法精度を確保することが困難で
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、寸法精度、
耐候性、耐薬品性、加熱エージング特性に優れ、ひけや
ソリの発生が少ないポリアセタール樹脂成形品を提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は以下の通
りである。内部に中空部を有するポリアセタール樹脂成
形品であって、該成形品の外表面の表層部には最大厚み
が150μm以下であるスキン層を有し、該成形品の内
表面の表層部にはスキン層を有さないことを特徴とする
ポリアセタール樹脂成形品。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
よる内部に中空部を有するポリアセタール樹脂成形品
は、通常の射出成形品と比較して、成形後の加熱エージ
ングによる製品の変形が少ない成形品、耐薬品性におい
ては重量保持率の良好な成形品であるといった特徴を持
つ。本発明によるポリアセタール樹脂成形品は内部に中
空部を有するが、該中空部は巣(ボイド)や発泡剤によ
って形成されるものではなく、中空射出成形方法によっ
て内部に中空部を有するポリアセタール樹脂成形品であ
る。また、該中空部は密閉系でなくても良いが、成形品
内部に閉じこめられたガスが膨張することにより、成形
品が内部から破壊する恐れがあるため、少なくともひと
つの外気との連通口を有することが好ましい。
【0007】本発明によって得られるポリアセタール樹
脂成形品は中空部を有するが、好適な中空率は2〜80
%であり、さらに好ましくは2〜50%である。中空率
が80%を越える中空成形品は、製品の肉厚が極端に薄
くなり、製品の強度低下を招くために好ましくない。ま
た、中空率が80%以上であると、キャビティ内に充填
された樹脂の量が少ないため、製品内に中空部を形成す
るために注入する加圧流体が薄肉部から製品外に流出し
易い状態にあり、目的の形状の中空成形品を得ることが
困難であるために好ましくない。
【0008】また、中空率が2%より低い中空成形品
は、加圧流体による効果が薄くなり、本発明の目的であ
る寸法精度の向上が十分得ることが困難であるために好
ましくない。尚、中空率とは次式で定義される。 中空率(%)={(V×ρ−M)/(V×ρ)}×10
0 ただし、上式においてVは中空部を同じ樹脂で埋めたと
きの体積、ρは用いた樹脂の比重、Mは中空成形品の質
量である。
【0009】本発明における『中空部を有するポリアセ
タール樹脂成形品』の一例を図1に、その断面図を図2
に示す。本発明において『成形品の外表面』とは、成形
行程中に、型キャビティ内に射出された溶融状態の樹脂
が、金型のキャビティ面に接した面を指すものである。
本発明において『成形品の内表面』とは、成形品が有す
る中空部と樹脂部の境界面を指す。
【0010】また、通常、成形行程完了後にはゲート部
において、製品となる部分と、製品としては不要である
ランナー部やスプルー部などを切断するが、この製品側
の切断面は、本発明においては『外表面』及び、『内表
面』には含まない。本発明において『スキン層』とは、
結晶性樹脂の成形品において、キャビティに接する表層
部に見られる、非晶質及び/又は結晶化度の低い球晶質
により構成されている層を指すものである。図2に示し
た成形品断面の、図中Aの部分の結晶写真を図3(a)
に、また、図中Bの部分の結晶写真を図3(b)にそれ
ぞれ示す。本発明では該スキン層は150μm以下であ
る。これを超えると、加熱エージング後の寸法精度の低
下やひけ、ソリが発生する。
【0011】本発明において『成形品』とは、樹脂によ
り形成された最小単位の製品を指す。具体的には、電気
・電子機器の機構部品、自動車内外装部品、工業部品、
サニタリー用品などが挙げられる。電気・電子分野の機
構部品とは、コンピューター、プリンター、コピー機や
FAXなどに代表されるOA機器のほか、VTR、テレ
ビ、オーディオ機器や、洗濯機、乾燥機、掃除機、冷蔵
庫、電話機、電子レンジ、食器乾燥機、布団乾燥機など
家電製品に用いられる機構部品を指す。機構部品とは一
般的に、回転運動、直線運動をすることによりその機能
を発する部品と、それらの周辺部品を指す。具体的に
は、各種のギア(ピニオン、ヘリカル、ラックなどを含
む)、プーリー、カム、コロ、スライダー、クラッチ、
ドラム、リール、トレーなどとこれらに関連する部品の
ほか、ヒンジ類、ローラー類、アーム類、軸及び軸受け
などを指す。これらは、複数の機能を有することができ
る。例えば、多段歯車、カム一体型ギア、ギア一体型ロ
ーラー、VTR機器のテープカートリッジのローディン
グ機構部に見られる側板、ガイドローラーなどである。
【0012】自動車内外装部品とは、車の内外に取り付
けられるドアハンドル、シフトノブ、アシストグリッ
プ、セレクトレバー、ツマミ、バックル、ガラス窓の昇
降機構部品、スルーアンカー、シートとそのリクライニ
ング機構部品などを指す。工業部品とは、タンク体、チ
ューブ、ストッパー、キャップ、ペダル、ジョイント、
シャワーハンドル、チェーン、ネジ、コネクター、ハン
ドル、スイッチ、ファスナー、鍵、サッシ、クレセント
鍵、取っ手、戸車、ペン先、医療器具などを指す。
【0013】サニタリー用品とは、風呂場、洗面所、便
所、台所、洗濯機などの水周りや、廊下、階段、玄関、
ベランダなどといった家屋内外に設置あるいは、家屋内
外で使用される、衛生性が要求される樹脂成形品を指
す。具体的には、シャワーヘッド、シャワーハンドル、
蛇口、手摺り、タオル掛け、フック、ドア、パイプなど
とこれらの周辺部品などを指す。
【0014】これらのうちで、特に、耐薬品性が要求さ
れるパイプ形状の成形品では、該パイプの内表面の表層
にはスキン層が存在しないため、耐薬品性が向上し、好
ましい。本発明においてポリアセタール樹脂とは、ポリ
アセタール樹脂を主成分とするポリアセタール系樹脂で
あり、ポリアセタール樹脂単独、または50重量%以上
のポリアセタールを含むポリアセタール樹脂と他の樹脂
を混合物を指す。
【0015】本発明におけるポリアセタール樹脂には、
通常使用する添加剤、例えば、酸化防止剤、難燃化剤、
離型剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、防錆剤、充
填材、着色剤などを必要に応じて、1種類以上添加する
ことができる。また、融点が150〜161℃であるポ
リアセタール樹脂により製造された中空部を有する成形
品は、表面外観性、金型転写性に優れているため好まし
い。
【0016】融点が150〜161℃であるポリアセタ
ール系樹脂を得る方法としては、コポリマー分子鎖中の
オキシアルキレン単位の比率を大きくする方法、ブロッ
クコポリマーの異種成分を増やす方法などが挙げられ
る。中でも、コポリマー分子鎖の1、3−ジオキソラン
由来のオキシエチレン単位の比率を大きくする方法が最
も効果的である。
【0017】本発明でいう融点とは、示差走査熱量測定
装置(パーキンエルマー社製DSC7型)を用いて測定
した値である。ポリアセタール系樹脂は200℃に加熱
したプレス機でフィルム状に成形したものから5mg切
り出して測定に用いる。測定条件は、30℃から200
℃に320℃/分で上昇し、2分間保持した後、130
℃まで10℃/10分で降温し、さらに130℃から
2.5℃/分で昇温する。最後に昇温する際に、結晶化
に伴う吸熱ピークが観測されるが、このときのピークト
ップ温度を融点とする。
【0018】また、本発明におけるポリアセタール樹脂
には、耐熱性、機械的強度を向上させる目的で、必要に
応じて無機及び/又は有機系の充填材を配合することが
できる。好適な充填材としては、ガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム、アス
ベスト、炭化ケイ素、セラミック、窒化ケイ素、硫酸バ
リウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフ
ィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マ
イカ、雲母、ネフェリンシナイト、タルク、アタルパル
ジャイト、ウオラストナイト、スラグ繊維、フェライ
ト、ケイ素、カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ドロマイト、酸化亜鉛、石膏、ガラスビーズ、
ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラス、
アルミナなどの充填強化材を挙げることができ、これら
は中空形状であってもよい。また、これらの強化充填材
は、2種類以上を併用することも可能である。また、必
要に応じて、シラン系、チタン系などのカップリング剤
で予備処理して使用することができる。
【0019】また、充填材として、炭素繊維、金属繊
維、黒鉛のうちの1種類以上を選択することにより結晶
性樹脂の電気抵抗値を下げることができるため、埃な
ど、小さな粉体の静電気による付着を防止することがで
き、好適である。上記ポリアセタール樹脂と混合して用
いることのできる他の樹脂としては、ポリアセタール樹
脂と相溶可能であれば特に制限はなく、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、変性
ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスル
フィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテル
イミド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテ
ルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリ
マー、ポリテトラフルオロエチレン、熱可塑性エラスト
マー、ポリ四フッ化エチレン、ポリビニルアルコールな
どを挙げることができる。
【0020】ポリアセタール樹脂と他の樹脂の混合組成
物を用いる場合、ポリアセタール樹脂の含有量は、50
重量%以上であることが必要で、好ましくは70重量%
以上である。ポリアセタール樹脂の含量が50重量%未
満であると、エンジニアリング樹脂としてのポリアセタ
ール樹脂の特性を得ることが困難になるため、好ましく
ない。
【0021】本発明において『中空射出成形法』とは、
射出成形において結晶性樹脂を金型キャビティに射出
中、或いは、射出完了後に加圧流体を樹脂中に注入する
ことによって中空成形品を得る射出成形方法である。本
発明による『中空射出成形法』に用いられる加圧流体と
しては、常温においてガス状または液状のものが用いら
れる該加圧流体は、射出成形の温度及び圧力下で、成形
に用いる溶融樹脂と反応又は相溶しないものが好まし
い。また、射出成形の温度及び圧力下で、樹脂の分解や
ヤケを生じないものが好ましい。例えば、窒素、炭酸ガ
ス、空気、ヘリウム、グリセリン、流動パラフィンなど
が挙げられる。
【0022】通常は加圧ガスが使用され、特に窒素、ヘ
リウム、ネオン、アルゴンなどの不活性ガスを使用する
ことが好ましい。経済性を考慮すると、工業的には窒素
ガスが好ましい。以下に加圧ガスを用いる中空射出成形
法の一般的な例を更に説明する。加圧ガスを用いた中空
射出成形は、通常の射出成形機とガス注入装置の組み合
わせによって行われる。ガス注入装置は、樹脂の射出開
始後に配管を通して樹脂中にガスを注入し、設定時間こ
のガスを保持する装置である。これには注入するガスを
予め高圧に圧縮し、アキュームレーターに蓄え、ガス注
入時に配管を通して高圧ガスを導入する方法や、一定量
のガス体を計量しポンプにより連続で送り込み加圧して
いく方法等が考えられるが、射出中及び射出後の樹脂中
にガス体を送り込めれば如何なる方法も可能である。こ
のとき、ガスの注入口はシリンダーのノズル、金型のス
プルー、ランナー、キャビティ内に設けることが考えら
れる。高圧のガス体を樹脂中に注入できればいずれの方
法でも実施が可能である。
【0023】通常行われる中空射出成形法は、以下の方
法が一般的であり、本発明にも好適に用いられる。 金型キャビティ内に未充填部分が残らないように、溶
融樹脂を射出した後、成形品内に中空部を形成するため
の加圧流体を樹脂内に注入する中空射出成形方法。 金型キャビティ内に未充填部分が残る量の溶融樹脂
を、該キャビティへ射出中或いは射出した後に、成形品
内に中空部を形成するための加圧流体を樹脂内に注入
し、この加圧流体により樹脂の一部を押し出すことによ
り金型キャビティの未充填部分に樹脂を中空部を形成し
つつ到達させる中空射出成形方法。
【0024】上記の方法は『フルショット法』と呼ば
れる。溶融樹脂の成形収縮分を補う量の加圧流体により
中空部を得るため、中空率が溶融樹脂の成形収縮分とほ
ぼ同等の値となり、加圧流体による効果は少ない。そこ
で、加圧流体による効果を向上させる目的で、金型内に
補助キャビティ(補助室あるいは捨てキャビティとも称
する)を設ける方法が考案された。この補助キャビティ
は加圧流体注入時にキャビティ中の一部の樹脂を逃がす
ためのキャビティであり、特開平3−121820号公
報に開示されている。この補助キャビティの容積を調整
することにより、製品の中空率を調整することが可能で
ある。
【0025】この補助キャビティ及び、キャビティと補
助キャビティの連絡通路は、成形後に製品となる部分か
ら切断されることが多く見られる。この製品となる側の
切断面についても、本発明においては『外表面』、『内
表面』に含まない。上記の方法は『ショートショット
法』と呼ばれる。ショートショット法における中空率の
調整は、樹脂の射出量を加減することにより可能であ
る。
【0026】本発明による中空射出成形において、加圧
されるガスの圧力は20〜300kg/cm2であることが好
ましく、さらに好ましくは、50〜200kg/cm2の範囲
にあることである。成形品の内部に、中空部を効果的に
形成するためには、20kg/cm2以上のガス圧が必要であ
る。本発明における中空射出成形では、樹脂の射出中或
いは射出後に加圧流体を樹脂中に注入することにより中
空部を得るが、この加圧ガスは、成形機の射出動作によ
る溶融樹脂の射出中から、射出完了10秒後間、好まし
くは射出完了5秒後までの間に樹脂中に注入開始する必
要がある。これは、溶融樹脂の射出完了から10秒以上
経過すると、キャビティ内の樹脂は徐々に冷却され、金
型キャビティ面に接している面から固化が進行し、成形
品内に中空部を形成することが困難になるためである。
【0027】本発明における中空射出成形では、樹脂の
射出中或いは射出後に加圧流体を樹脂中に注入すること
により中空部を得るが、キャビティ内の樹脂が冷却され
るまでの間、中空部内に注入したガスの圧力を一定時間
保持する必要がある。効果的に中空部を形成するために
必要な加圧ガスの保持時間は0〜90秒であり、さらに
好ましくは10〜60秒である。
【0028】また、注入される加圧ガスの圧力及び、加
圧流体の圧力保持時間を調整することにより成形品寸法
の調整が容易に可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。各実施例、比較例を実施する際に
は、ポリアセタール樹脂(旭化成工業(株)製 テナッ
ク 4010、7010、テナック−C 4520、7
520)を用いて、中空射出成形及び、射出成形を実施
した。
【0030】
【実施例1〜3】実施例1〜3においては、ポリアセタ
ール樹脂、旭化成工業(株)製 テナック−C 752
0を用いて、中空射出成形を実施し、図4に示したよう
な、歯車部10とローラー部11、軸部12a、12b
からなる歯車一体型ローラー9を中空射出成形により得
た。
【0031】成形機のシリンダー温度を190℃、金型
温度を任意に設定した。製品に中空部を形成するために
注入するガスは窒素ガスとし、窒素ガスの圧力は120
kg/cm2とした。また、窒素ガスを樹脂中に注入する、注
入部は金型のランナー部に設けた。図5に得られた成形
品の断面図を示す。
【0032】得られた成形品は結晶状態を観察し、スキ
ン層の厚さを測定した。また、成形品の寸法精度は、図
3に示した歯車部10においてA点のヒケ量、また、歯
車のかみ合い誤差を測定によるものとした。測定は、成
形後の成形品を、23℃、湿度50%の雰囲気中に24
時間保管し、状態調整を行った後に実施した。
【0033】また、エージング特性を比較するために、
成形24時間後の測定後、80℃のオーブンで加熱エー
ジングを実施した。エージング時間は24時間、48時
間、72時間とした。それぞれ、成形品をオーブンから
取り出した後、23℃、湿度50%の雰囲気中で24時
間状態調整した後、測定した。A点のヒケ量の測定に
は、(株)東京精密社製 表面粗さ形状測定機 サーフ
コム575Aを用いた。測定距離は歯車部10のピッチ
円直径と同値の30mmとし、測定は直径方向において
実施した。測定結果を表1に示した。
【0034】歯車のかみ合い誤差の測定は、大阪精密機
械(株)社製 両歯面噛み合い試験機を用いて、JGM
A規格116−02(1983)に準じて行った。測定
結果を表2に示した。
【0035】
【比較例1〜2】実施例1〜3と同様にして、図4に示
した歯車一体型ローラー9を中空射出成形及び、射出成
形により得た。得られた成形品の評価は、実施例1〜3
と同様に行った。ヒケ量の測定結果を表1に、両歯面噛
み合い誤差の測定結果を表2にそれぞれ示した。
【0036】
【実施例4〜7】実施例4〜7においては、ポリアセタ
ール樹脂、旭化成工業(株)製 テナック 4010、
テナック−C 4520を用いて中空射出成形を実施
し、図6に示したような、ローラー部11、軸部12
a、12bからなる軸一体型ローラーを中空射出成形に
より得た。
【0037】成形機のシリンダー温度は、ポリアセター
ル樹脂の成形時には200℃とし、金型温度は任意に設
定した。製品に中空部を形成するために注入するガスは
窒素ガスとし、窒素ガスの圧力は150kg/cm2とした。
また、窒素ガスを樹脂中に注入する、注入部は成形機の
ノズル部に設けた。図7に得られた成形品の断面図を示
す。
【0038】得られた成形品の結晶状態を観察し、スキ
ン層の厚さを測定した。得られた成形品の評価は、図6
に示したローラー部11におけるフレ量を測定した結果
によるものとした。測定は図6において、A、C点を固
定し、B点のフレ量を測定値とした。フレ量の測定は、
成形品を23℃、湿度50%の恒温恒湿室にて成形後2
4時間保管し、状態調整を行った後に実施した。また、
エージング特性を比較するために、成形24時間後のフ
レ量測定後、80℃のオーブンで加熱エージングを実施
した。エージング時間は24時間、48時間、72時間
とし、それぞれ23℃、湿度50%の恒温恒湿室にて2
4時間状態調整した後、再び、フレ量を測定した。
【0039】測定結果を表3に示した。フレ量の測定に
際しては、(株)ミツトヨ社製 真円度測定機 RA−
424を用いて測定した。フレ値が約300μm以上の
ものについては、同測定機の測定範囲を超え、測定不可
能であった。このため、ダイヤルゲージを用いて再測定
した。
【0040】
【比較例3〜4】実施例4〜7と同様にして、射出成形
により、図6に示した軸一体型ローラー13を得た。得
られた成形品の評価は、実施例4〜7と同様に、結晶状
態の確認、フレ量の測定、エージング特性の評価を行っ
た。測定結果を表3に示した。
【0041】
【実施例8〜9】実施例8〜9においては、ポリアセタ
ール樹脂、旭化成工業(株)製 テナック−C 401
0、4520を用いて中空射出成形を実施し、図8に示
したような、縦60mm、横60mm、厚さ5mmであ
る平板14を中空射出成形により得た。
【0042】成形機のシリンダー温度は190℃、金型
温度は任意に設定した。製品に中空部を形成するために
注入するガスは窒素ガスとし、窒素ガスの圧力は120
kg/cm2とした。また、窒素ガスを樹脂中に注入するため
のガス注入部は成形機のノズル部に設けた。図9に得ら
れた平板14の断面図を示す。
【0043】得られた成形品の評価は、成形品の耐候性
の評価試験により行った。具体的には、成形品をスガ試
験機(株)社製 サンシャイン・スーパーロングライフ
・ウェザーメーターにより耐候性の促進試験を行った。
促進試験は、63℃の環境下において、成形品に紫外線
を照射することにより行う。また、その照射時間の20
%に相当する時間に、成形品に対して水を噴射するもの
である。
【0044】成形品をサンシャイン・スーパーロングラ
イフ・ウェザーメーターに収め、50時間ごとにサンプ
ルの紫外線に照射された側の表面を観察した。観察結果
を表4に示した。
【0045】
【比較例5〜6】実施例8〜9と同様にして、通常の射
出成形により、図8に示した平板14を得た。得られた
成形品の評価方法は、実施例8〜9と同様である。観察
結果を表4に示した。
【0046】
【実施例10〜11】実施例10〜11においては、ポ
リアセタール樹脂、旭化成工業(株)製 テナック−C
4520、7520を用い、中空射出成形を行い、図
10に示すようなチューブ形状の成形品を得た。成形品
は結晶状態を観察した。外表面のスキン層の厚さを測定
し、内表面のスキン層の存在の有無を確認を行った。
【0047】耐薬品試験は、重量を測定した試験片を溶
液に投入し、適時、取り出し後、各試験片の重量測定結
果から重量保持率を算出し、評価を行った。実施例8〜
9では耐薬品試験を実施した。用いた溶液は、次亜塩素
酸ナトリウム溶液とした。成形品1個につき100cc
の割合の溶液に浸した。溶液は1週間に1度交換した。
成形品は任意に取り出し、各成形品の重量測定結果から
重量保持率を算出した。結果を表5に示した。
【0048】
【比較例7〜8】実施例10〜11と同様にして、通常
の射出成形により、実施例10〜11と同形状のチュー
ブ形状の成形品を得た。成形品は結晶状態を観察し、外
表面、内表面のスキン層の厚さを測定した。実施例10
〜11と同条件下で耐薬品性試験を行った。算出した重
量保持率を表5に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【発明の効果】本発明による結晶性樹脂成形品は、寸法
精度が向上するとともに、加熱エージング後の寸法安定
性や、耐候性、耐薬品性に優れた特性を有する結晶性樹
脂成形品である。このため、複数の部品により構成され
ていた製品を一体化すること、複雑な形状の成形品全体
の寸法精度を向上させること、耐候性、耐薬品性を向上
させることができる結晶性樹脂成形品であり、産業上、
非常に有用な結晶性樹脂成形品であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形品の外観図の一例を示したもので
ある。
【図2】図1に示した成形品の断面図を示したものであ
る。
【図3】本発明の成形品の結晶写真の一例を示したもの
である。
【図4】実施例1〜3、実施例1〜2で得られた成形品
の外観図である。
【図5】実施例1〜3で得られた中空成形品の断面図で
ある。
【図6】実施例4〜7、比較例3〜4で得られた中空成
形品の外観図である。
【図7】実施例4〜7で得られた中空成形品の断面図で
ある。
【図8】実施例8〜9、比較例5〜6で得られた成形品
の外観図である。
【図9】実施例8〜9で得られた成形品の断面図であ
る。
【図10】実施例10〜11、比較例7〜8で得られた
成形品の外観図である。
【符号の説明】
1 成形品 2 中空部 3 外表面 4 内表面 5 ゲート 6 連通口 7 スキン層 8 結晶層 9 歯車一体型ローラー 10 歯車部 11 ローラー部 12a 軸部a 12b 軸部b 13 軸一体型ローラー 14 平板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 22:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に中空部を有するポリアセタール樹
    脂成形品であって、該成形品の外表面の表層部には最大
    厚みが150μm以下であるスキン層を有し、該成形品
    の内表面の表層部にはスキン層を有さないことを特徴と
    するポリアセタール樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 中空射出成形方法によって製造されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のポリアセタール樹脂成
    形品。
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