JPH10161694A - 帯域分割型雑音低減方法 - Google Patents

帯域分割型雑音低減方法

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JPH10161694A
JPH10161694A JP8317786A JP31778696A JPH10161694A JP H10161694 A JPH10161694 A JP H10161694A JP 8317786 A JP8317786 A JP 8317786A JP 31778696 A JP31778696 A JP 31778696A JP H10161694 A JPH10161694 A JP H10161694A
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潤子 佐々木
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陽一 羽田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯域分割数を少なくしても品質劣化を伴わな
い。 【解決手段】 入力信号を帯域分割し、その各帯域ごと
の信号Xk (n) についてパワーPX,k (n) を求め(2
4)、これより雑音平均バワーPavN,k (n) を推定し
(51)、PX,k (n) ,PavN,k (n) によりSNR
k (n) を推定し(27)、SNRk (n) によりゲインフ
ァクターG(SNRk (n) )を求め(30)、SNRk
(n) により音声と雑音との比率に応じた加算率αを、S
/Nが悪い時大となるように決定し、Xk (n) にG(S
NRk (n) )を掛けて、雑音低減した信号P k (n) ′を
得(28)、αX,k (n) +(1−α)Yk (n) ′でαに
応じてYk (n) ′にXk (n) を加算したYk (n) を得
(53)、その全帯域を合成して時間領域に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、音声会議装置・
TV会議装置等の音声/音響装置等において、目的とな
る音声信号と不要な雑音等の信号が混在する入力信号か
ら、雑音を低減した音声信号を出力する雑音低減方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】音声会議・TV会議等の拡声通話系で
は、マイクロホンで受音し、相手側に送出される送話信
号に目的となる音声以外の周囲雑音等が混入すると、音
声の明瞭性が損なわれ通話品質が著しく劣化する。この
為、送話信号に含まれる目的音声以外の周囲雑音を低減
する事が強く求められている。
【0003】雑音低減方法とは、目的となる音声信号と
不要な周囲雑音等の信号が混在する入力信号から、雑音
を低減した信号を出力する技術である。図2Aは収音シ
ステムを示すもので、これを用いて従来の雑音低減方法
を説明する。この明細書においては、信号の時間表現は
離散時間を表わす整数値nを用いて、例えばX(n)と
表わす。今発声者12が発声した目的とする音声信号1
3をS(n)、空調などの不要な周囲雑音14をN
(n)、これら音声信号13と雑音14とがマイクロホ
ン11で受音されて雑音低減装置16へ入力される入力
信号15をX(n)、雑音低減装置16の出力信号17
をY(n)とする。雑音低減装置16への入力信号X
(n)には、目的となる音声信号S(n)以外に周囲雑
音N(n)が混入している。即ち X(n)=S(n)+N(n) (1) と表わされる。この時、入力信号X(n)中の雑音N
(n)を低減し、目的となる音声信号S(n)に近い信
号を出力信号Y(n)として取り出す装置を雑音低減装
置と呼ぶ。
【0004】図3は、Spectrum Subtraction(S.F.Bol
l, IEEE Trans. on ASSP, vol.27, no.2, pp.113-120,
Apr(1979)). Wiener Filer(J.S.Lim. & A.V.Oppenheim,
in Proc. IEEE, vol.67, no.12, pp.1586-1604, Dec(1
979)). Maximum Likelihood Envelop(R.J.McAulay &
M.L.Malpass, IEEE Trans. on ASSP, vol.28, no.2, p
p.137-145, Apr(1980)). minimum mean squared error
method(MMSE)(Y.Ephraim& D.Malah, IEEE Trans. on AS
SP, vol.32, no.6, pp.1109-1121, Dec(1984)).等の短
時間スペクトラル振幅(STSA)評価(Short Time S
pectral Amplitude(STSA) Estimation)を基礎とした雑
音低減方式で、従来使用されている方法の機能構成を示
すものである。これを用いて従来の雑音低減方法を説明
する。図2Aと同一の要素には共通の記号を用いた。
【0005】まず、マイクロホン11により受音され
た、目的信号と不要な雑音とが混入する入力信号15を
A/D変換部21においてデジタル化し、周波数帯域分
割部22と雑音判別部23に転送する。周波数帯域分割
部22では、転送された信号が複数の周波数帯域に分割
される。周波数帯域への分割は、例えば離散的フーリエ
変換等を用いて行う。ここで、帯域分割された信号は一
般に複素数であるが、分割方法によっては実数となる場
合もある。ここでは一般的に、複素数を仮定して議論す
るが、実数の場合も同じ議論が可能である。周波数帯域
に分割されたk番目の周波数帯域の信号を Xk (n) =Xk,r (n) +jXk,i (n) (2) (Xk,r ,Xk,i はそれぞれXk (n) の実数部分と虚数
部分)とすると、Xk (n) は、入力信号パワー計算部2
4、入力信号位相計算部25、雑音パワー計算部26に
転送される。入力信号パワー計算部24では、各帯域ご
との入力信号のパワーレベル PX,k (n) =Xk,r (n)2+Xk,i (n)2 (3) が、入力信号位相計算部25では各帯域ごとの位相 Φk (n) =tan -1[Xk,i (n) /Xk,r (n) ] (4) それぞれが計算される。その後PX,k (n) はS/N比推
定部27およびゲインファクター挿入部28に転送さ
れ、Φk (n) は時間領域変換部29に転送される。一
方、雑音判別部23ではA/D変換部21から転送され
たきたX(n)に対して、まずパワーレベル PX (n) =Σ{X(n-k) }2 (5) Σはk=0からL−1までが計算される。ここで、Lは
積分時間を表わす。次に例えば予め決められたしきい値
thに対し、 PX (n) <Pth (6) の判定が行われ、この条件式を満たした場合には、雑音
であると判別する。雑音パワー計算部26では、雑音判
別部23において入力信号X(n)が雑音であると判定
された時のみ、雑音の各帯域ごとのパワーレベルを PN,k (n) =Xk,r (n)2+Xk,i (n)2 (7) として計算し、その時間平均PavN,k (n) をS/N比推
定部27に転送する。時間平均は、例えば PavN,k (n) =(1/A)Σm γm N,k (n−m) (8) と計算される。ここでγm は例えば、 γm =(γ)m (9) と表わされるような指数重みづけの係数で(γ<1)、
Aは (1/A)Σm γm =1 (10) となる正規化の為の定数である。
【0006】S/N比推定部27では、各帯域ごとに入
力信号パワー計算部24で計算されたPX,k (n) 及び雑
音パワー計算部26で計算された雑音パワーPav
N,k (n) を用いて目的音声信号対雑音信号の比率である
S/N比が推定される。S/N比推定部27について
は、処理の流れ図を図4Aに記した。詳しい処理の説明
はこの図を用いて行う。
【0007】まず、ステップ31において、 SNRk (n) ′=PX,k (n) /PN,k (n) (11) で定義されるSNRk (n) ′を計算する。次にステップ
32において、決定したSNRk (n) ′に対して、(1
3)式で表わされる一時刻前の推定値(雑音低減された
パワー)PY,k (n−1)を用いて平均化してSNRk
(n) とする。即ち SNRk (n) =(1−β)P[SNRk (n) ′−1] +β[PY,k (n−1)/PN,k (n−1)] (12) とする。P[*]は*が正なら*を、*が負なら0をと
る。このSNRk (n) 、必要に応じてSNRk (n) ′
は、ゲインファクター計算部30に転送される。
【0008】ゲインファクター計算部30では、S/N
比推定部27より転送されてきたSNRk (n) 、場合に
よると、これとSNRk (n) ′を用いて、各雑音低減方
式で定義されている各周波数におけるゲインファクター
G(SNRk (n) )を計算する。このゲインファクター
G(SNRk (n) )は、ゲインファクター挿入部28に
転送される。図5に各手法によるゲインファクターを表
わす。つまり図5中の上3つの手法ではSNRk (n) の
みを用いてゲインファクターを求めるが、最も下のMM
SE法による時は、SNRk (n) の他にSNRk (n) ′
を用いる。
【0009】ゲインファクター挿入部28では、各帯域
ごとに、ゲインファクター計算部30において計算され
たゲインファクターを用いて雑音低減を行う。即ち入力
信号パワー計算部24より転送されてきた帯域信号P
X,k (n) に対して、 PY,k (n) =G(SNRk (n) )×PX,k (n) (13) を行い雑音を低減した帯域出力PY,k (n) を出力する。
Y,k (n) は時間領域変換部29に転送され、入力信号
位相計算部25から送られてきたΦk (n) を用いて、 Yk (n) =Yk,r (n) +jYk,i (n) 但し、Yk,r (n) =PY,k (n) cos [Φk (n) ] Yk,i (n) =PY,k (n) sin [Φk (n) ] (14) に変換され、全帯域信号に合成され、更に例えば逆離散
的フーリエ変換により時間領域信号に変換される。この
結果を、D/A変換部34でアナログ信号にして雑音を
低減した信号17、Y(n)を出力する。なお、Spectr
al subtractionでは(13)式の演算で入力信号パワー
X,k (n) から雑音パワーPN,k (n) を引算した結果と
なる。
【0010】これらの従来の方式では、256〜102
4の周波数帯域に分割して処理が行われる事が多いが、
これを会議システムにそのまま用いると大きな遅延が生
じる。会議を行う際に信号に遅延が生じると、通話性能
が劣化するという問題がある。一方、遅延を小さくする
為に周波数分割の数を減らすと、以下の(15)式で定
義されているS/N比、 S/N=10 log10(PS /PN ) ただし、PS :目的信号の平均パワー PN :雑音信号の平均パワー (15) が15dB程度以上ある場合には、雑音低減によって音
声の品質が向上するが、10dB程度以下の場合には、
雑音は低減されるが、それに伴い音声信号に歪みが生じ
たり、消し残された雑音が時間的に変化するのが原因で
聴感的に悪くなり品質が劣化することが判明した。これ
は、従来の雑音低減方式では、少数の帯域に分割された
信号で処理を行うと、非線形処理に起因する歪が大きく
なる為である。
【0011】即ち、従来法では、遅延を小さいままで、
効果的に雑音低減する事が出来ないという問題がある。
この為、音声会議装置・TV会議装置等、受聴を目的と
し音質が重要であり、またリアルタイム性が要求される
収音においては、この方法をそのまま適用する事はでき
ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】周囲雑音が混入した入
力信号の雑音を低減する方法として雑音の振幅分を音声
信号から減算する従来の方法では、周波数帯域分割数が
多いと遅延が大きくなり、周波数帯域分割数を減らすと
音声信号に歪が生じたり、引き残された雑音が時間的に
変化する為に聴感上好ましくない音をたてるという問題
があった。この発明の目的は、処理遅延が少なく、聴感
上の音質の劣化が少ない雑音低減処理方法を提供する事
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、目的となる
音声信号と周囲雑音などの混在したマイクロホンでの受
音信号を複数の帯域に分割し、各々の帯域別の信号に対
し雑音パワーを推定し、推定された雑音パワーと実際に
入力されてきた入力信号パワーとを比較して音声信号と
雑音信号の比率を推定すると共に音声信号の振幅を雑音
低減された信号として推定し、推定された音声信号と雑
音信号の比率に基づいて計算された帯域ごとの雑音抑圧
の為のゲインファクターを、対応する帯域の入力信号に
掛け合わせる事によって得る。雑音低減された信号の推
定はその際生じる歪を少量の各帯域別の信号を、音声信
号と雑音信号の比率に応じて雑音が多い程、多く加算す
る事によってマスキングし、その結果歪が少ない効果的
な雑音低減を可能にする。
【0014】この発明は、次の様な特徴を持つ。まず、
雑音低減によって生じた歪を、少量の各帯域別の信号を
加算しマスキングする事によって音質の劣化を防ぐ。ま
た、各帯域別の信号の加算率を音声信号と雑音信号の比
率によって変化させる事によって、雑音が少ない、つま
り、雑音低減による処理歪が小さい場合には、各帯域別
信号の加算量を小さくし、雑音低減効果を最大限にする
事が可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】図1にこの発明の実施例を適用し
た雑音低減装置の機能構成を示し、図3と対応するもの
については共通の記号を用いた。雑音パワー推定には、
図3に示したものでもよいがここでは、特願平8−68
548や佐々木、羽田“損失制御を用いた帯域分割型雑
音低減方式について”春季日本音響学会予稿515〜5
16(1996)で提案された方式を用いて推定を行う
事にして、以下の説明を行う。この方法によると、音声
と雑音とが混在している状態とみなす区間でも時間的に
音声がない区間があれば、雑音パワーを検出することが
できる。
【0016】まず、マイクロホン11により受音され
た、目的信号と不要な雑音等の混入する入力信号15を
A/D変換部21においてデジタル化し、周波数帯域分
割部22に転送する。周波数帯域分割部22では、転送
された信号が周波数帯域に分割される。分割された各帯
域信号は、入力信号パワー計算部24、ゲインファクタ
ー挿入部28に転送される。以降、入力信号のk番目の
帯域信号をXk (n) として、Xk (n) に対する処理の流
れを説明する。
【0017】入力信号パワー計算部24では、転送され
てきたXk (n) のパワーレベルを前記(7)式で計算
し、S/N比推定部27、雑音パワー推定部51に転送
される。雑音パワー推定部51では転送されてきたP
X,k (n) を用いて雑音パワーPav N,k (n) の推定が行わ
れる。雑音パワー推定部51の処理の流れ図を図2Aに
示す。
【0018】まずステップ61において、転送されてき
たPX,k (n) の時間平均パワーレベルPX,k (n) を前記
(8)式、(9)式、(10)式を用いて計算する。こ
の場合の平均時間としては、例えば5〜6msecをと
る。次に、ステップ62である一定時間におけるPav
X,k (n) のレベル分布のヒストグラムをとる。つまりP
avX,k (n) が属するパワー区間の数を1加算、即ち、 hk (int PavX,k (n))=hk (int PavX,k (n) )+1 (16) を行う。int(*)は小数点以下を切り捨て整数化す
る事を示す。更にステップ63でヒストグラムhk (i)
のピーク区間が検出され記憶される。即ち前後の値に対
して hk (i′)≦hk (i) (17) となるiを求める。このiの中で最も小さなiを雑音の
パワーPavN,x (n) とする。つまりピーク値が複数得ら
れた時、最小の値のピーク値を雑音パワーPavN, k (n)
とし、これはS/N比推定部27に転送される。
【0019】S/N比推定部27では、入力信号パワー
計算部24で計算されたPX,k (n)及び雑音パワー推定
部51で推定された雑音パワーPavN,k (n) を用いて、
図4Aで示した方法でSNRk (n)′及びSNRk (n)
が推定される。S/N比推定部27で推定されたSNR
k (n)はゲインファクター計算部30及び入力信号加算
率決定部52に転送される。ゲインファクター計算部3
0で用いる計算法によってはSNRk (n)′も入力され
る。
【0020】ゲンイファクター計算部30では、S/N
比推定部201より転送されてきたSNRk (n)、必要
に応じてSNRk (n)′を用いて、ゲインファクターG
(SNRk (n))が決定される。ここで、ゲインファク
ターの具体的な計算は、従来技術の項で図5に示した方
法などが用いられる。ゲインファクター計算部30で推
定されたゲインファクターG(SNRk (n))は、ゲイ
ンファクター挿入部28に転送される。なお、S/N比
推定部27の方法およびゲインファクター計算部30の
方法は、この明細書に記載したもの以外の方法でもよ
い。
【0021】ゲインファクター挿入部28では、ゲイン
ファクター計算部30において計算されたゲインファク
ターG(SNRk (n))を用いて雑音低減を行う。即ち
周波数帯域分割部22より転送されてきた帯域信号Xk
(n) に対して(18)式の演算を行う。 Y′k (n) =G(SNRk (n))×Xk (n) (18) この雑音を低減した信号Y′k (n) を入力信号加算部5
3に転送する。
【0022】入力信号加算率決定部52では、転送され
てきたSNRk (n)を用いて、S/N比に基づいた入力
信号の加算率α′を決定する。α′は、SNRk (n)が
大きい時は小さい値をとる事が望ましい。例えば、 15≦10 log10[SNRk (n)] ⇒ α′=0 5<10 log10[SNRk (n)]<15 ⇒ α′=0.1 10 log10[SNRk (n)]<5 ⇒ α′=0.3(19) の様に決定する。更に、この例では周波数帯域分割部2
2において帯域分割数Mに応じて決定される帯域分割数
ファクターβをα′に掛け合わせて入力信号加算率αと
した場合である。例えば α=β×α′ 1024≦M ⇒ β=0.01 M<1024 ⇒ β=1 (20) とする。つまり帯域分割数Mが大きい場合は加算率αを
小さくする。入力信号加算率αは、入力信号加算部53
に転送される。
【0023】入力信号加算部53では、周波数帯域分割
部22、ゲインファクター挿入部28、入力信号加算率
決定部52から転送されてきた帯域信号Xk (n) 、雑音
を低減した信号Y′k (n) 及び入力信号加算率αを用い
て帯域出力信号Yk (n) を出力する。即ち、 Yk (n) =α×Xk (n) +(1−α)×Y′k (n) (21) とする。Yk (n) は時間領域変換部29に転送され、全
体域が合成された後時間領域に変換される。この結果
を、D/A変換部34でアナログ信号にして雑音を低減
した信号17、Y(n) を出力する。
【0024】この本発明の有効性を、実際のTV会議シ
ステムの状況を想定したオピニオン評価法を用いて評価
した。評価実験は、体積87m3 、残響時間300ms
ec、暗騒音レベルは46dB(A)の可変残響室で行
った。帯域分割数Mは64とした(これはサブバンド方
式エコーキャンセラで好ましいとされている分割数であ
る)。評価は30名の被験者数で行った。作成した刺激
音を、スピーカから流し、それを拡声会議における受話
音声として、被験者に品質評価を行ってもらった。8d
B、6dB、1dBの3種類のS/N比の雑音付加音声
を図5に示した4種類の雑音低減方式で処理し、雑音低
減処理の前後で評価がどの様に変るかを調べた。
【0025】図2B(a)は、各雑音低減方式におけ
る、MOS値の変化を示したものである。雑音低減処理
前と処理後を比較すると、S/N比の良い時は、ほぼ、
処理によってMOS値が雑音付加音声(原声)のそれよ
り上がるのに対し、S/N比が悪い時は、下がってしま
う。これは、帯域分割数が少ない場合、雑音低減による
品質改善よりも、処理による音声の歪や、消し残り雑音
による劣化が激しく、MOS値を下げてしまう為だと考
えられる。この事から、S/N比が悪い場合には、従来
法では雑音低減による音質向上がみられないばかりか、
却って低下している事がわかる。
【0026】図2B(b)は、この発明により雑音低減
音に対し、原音を足し合わせた結果である。ここでは、
S/N比によらずα=0.3とした。S/N比が悪い場
合に原音声を付加すると、付加前に比べMOS値がほぼ
0.5〜1上がり、その結果、雑音低減処理による音質
向上が見られる。また、S/N比に応じて加算率αを変
化させ、S/N比がいい場合には、付加率αを小さくす
ることで、更に効果的な音質向上が期待出来る事がわか
る。
【0027】ゲインファクター挿入を図3に示したよう
に、つまり(13)式により行い、これより(14)式
によりYk (n) ′を得てもよい。先の実施例から理解さ
れるように、各帯域ごとの入力信号パワーと、対応帯域
ごとの雑音パワーとから、その帯域の目的音声信号に対
する雑音の比率を推定すると共に、その帯域の前記目的
音声信号の振幅を雑音低減された信号として推定すれば
よい。
【0028】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明は、目的音声
と雑音が混在した信号を周波数帯域に分割し、帯域毎の
目的信号に対する雑音信号の比率を推定し、この推定結
果に基づいて帯域毎に雑音を低減するが、周波数帯域分
割数が少ない場合に生じる目的音声の歪を低減する為
に、雑音と音声の比率に応じて雑音低減音声に原信号を
その雑音が多い程多く加算することによって、歪の少な
い雑音低減音声が得られることができる。その際に帯域
分割数が少ない程、加算する比率を大とする。
【0029】この発明方法による受聴を目的とした雑音
低減により、遅延が少なく、聞き易い目的信号を得る事
が可能になる。その結果、音声会議・TV会議等の拡声
通話系において、マイクロホンで受音し、相手側に送出
される送話信号に、目的となる音声以外の周囲雑音が混
入した場合でも、この発明方法による雑音の低減により
音声の明瞭性を保つ事が可能になり、通信品質が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を適用した雑音低減装置の機
能構成を示すブロック図。
【図2】Aは図1中の雑音パワー推定部51における処
理流れ図、B(a)は従来法による雑音低減効果を主観
評価した結果を示す図、(b)はこの発明による雑音低
減効果を主観評価した結果を示す図である。
【図3】従来の雑音低減方法を適用した装置の機能構成
を示すブロック図。
【図4】Aはゲインファクター計算部における処理の流
れ図、Bは雑音低減装置の原理説明図である。
【図5】代表的なゲインファクターの計算式を示す図で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号から雑音信号を除去した音声信
    号を出力する雑音低減処理方法において、 前記入力信号を複数の周波数帯域に分割する帯域分割過
    程と、 前記各帯域に分割された入力信号のパワーを計算する入
    力信号パワー計算過程と、 前記各帯域に分割された入力信号中の雑音パワーの求め
    る雑音パワー計算過程と、 前記各帯域毎の入力信号パワーと、前記各帯域毎の雑音
    パワーとから前記各帯域毎の目的音声信号に対する雑音
    の比率を推定すると共に、前記各帯域毎の前記目的音声
    信号の振幅を雑音低域された信号として推定する推定過
    程と、 前記推定された前記目的音声信号対雑音比率に基づい
    て、前記帯域毎の前記雑音低減された信号と前記各帯域
    に分割された入力信号との加算割合を決定する過程と、 前記決定された前記加算割合に基づいて、前記帯域毎の
    前記雑音低減された信号と前記各帯域に分割された入力
    信号を加算し、帯域出力信号を出力する過程と、 前記帯域出力信号を時間領域に変換し全帯域信号に合成
    する過程と、 を有することを特徴とする帯域分割型雑音低減方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の雑音低減方法において、 前記推定過程は前記各帯域毎の入力信号パワーと前記各
    帯域毎の雑音パワーとを用いて、前記各帯域毎の前記目
    的音声信号対雑音の比率を推定する過程と、 前記目的音声信号対雑音比率に基づいて前記各帯域毎の
    ゲインファクターを決定するゲインファクター計算過程
    と、 前記各帯域に分割された入力信号に対して前記各帯域毎
    に決定された前記ゲインファクターを挿入して、前記各
    帯域毎の前記雑音低減された信号を得るゲインファクタ
    ー挿入過程とよりなることを特徴とする帯域分割型雑音
    低減方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の雑音低減方法にお
    いて、 前記帯域分割過程で分割する周波数帯域の数に応じて、
    前記帯域毎の前記雑音低減された信号と前記各帯域に分
    割された入力信号の加算割合を決定することを特徴とす
    る帯域分割型雑音低減方法。
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