JPH1016115A - 透湿性シート - Google Patents

透湿性シート

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JPH1016115A
JPH1016115A JP8178155A JP17815596A JPH1016115A JP H1016115 A JPH1016115 A JP H1016115A JP 8178155 A JP8178155 A JP 8178155A JP 17815596 A JP17815596 A JP 17815596A JP H1016115 A JPH1016115 A JP H1016115A
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JP
Japan
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resin
nonwoven fabric
melting point
film
moisture
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Withdrawn
Application number
JP8178155A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Takei
居 邦 彦 武
Hiroshi Ishii
井 浩 石
Kunie Hiroshige
重 国 衛 広
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性、風合いおよび耐水性に優れるととも
に、高い層間剥離強度を有する透湿性シートの提供。 【解決手段】通気性フィルムと、該通気性フィルムを構
成する樹脂の融点と同じ、もしくは該融点より低い融点
を有する樹脂を含む繊維からなる不織布とを積層し、エ
ンボス面積率5〜20%、角部のないエンボスパターン
のエンボス加工により熱融着してなる透湿性シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透湿性シートに関
し、特に、柔軟性、風合いおよび耐水性に優れるととも
に、高い層間剥離強度を有する透湿性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、紙おむつ等の吸収性物品は、体
液を吸収して保持する吸収材を、吸収性物品の内側に配
置されるフェーシング材と、外側に配置されるバックシ
ートとで包み、内包する構造を有する。内側に配置され
るフェーシング材は、肌と接触し、排出される体液を透
過させて内部の吸収材に吸収させるとともに、吸収材か
ら体液を逆戻りさせない機能が求められる。一方、バッ
クシートは、内部の吸収材に吸収された体液を外部に漏
らさないとともに、外側からは液体を内部に透過させな
い機能が求められる。さらに吸収性物品の使用中に内側
に生じる湿気によるムレを防止するために、吸収性物品
の内部の湿気を透過させて外部に逸散させるために、適
度な透湿性を有することが求められる。また、このバッ
クシートは、吸収性物品の外表面を構成するため、風合
いに優れ、良好な触感を有することが求められる。
【0003】このバックシートとして、従来、良好な触
感を得るために、外表面として不織布を使用し、吸収材
と接する内側の層として多孔質のポリエチレンフィルム
を使用し、不織布と多孔質のポリエチレンフィルムをホ
ットメルト接着剤で接着してなる複層シートが知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の複
層シートは、不織布が有する柔軟性や風合いを損ない、
柔軟性に劣り、いわゆるごわごわとした硬い感触を生じ
たり、あるいは紙鳴りを生じ、触感が未だ不十分なもの
であった。
【0005】この硬い感触を改善して、触感に優れる複
層シートを得るために、フィルムまたは不織布を薄くす
ることが考えられる。しかし、フィルムを薄くすること
には限界があるため、不織布を薄くせざるを得ない。薄
い不織布を使用すると、フィルムと不織布とをホットメ
ルト接着剤を使用して接着した場合には、そのホットメ
ルト接着剤が不織布を浸透して外側に滲出する現象、い
わゆる接着剤のしみ抜けが発生し、外側表面の触感を損
じる問題があった。
【0006】そこで本発明の目的は、不織布が有する柔
軟性や風合いを損なわず、柔軟性および表面の触感に優
れ、透湿性および耐水性に優れ、さらに高い層間剥離強
度を有する透湿性シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、通気性フィルムと、該通気性フィルムを
構成する樹脂の融点と同じ、もしくは該融点より低い融
点を有する樹脂を含む繊維からなる不織布とを積層し、
エンボス面積率5〜20%、角部のないエンボスパター
ンのエンボス加工により熱融着してなる透湿性シートを
提供するものである。
【0008】以下、本発明の透湿性シート(以下、「本
発明のシート」という)について詳細に説明する。
【0009】本発明のシートは、通気性フィルムと不織
布とを積層してなる複層構造を有するシートである。
【0010】本発明のシートの通気性フィルムは、水蒸
気を透過させる透湿性を有するとともに、水等の液体を
透過させない程度の微孔を有し、かつ耐水性を有するフ
ィルムである。この通気性フィルムは、透湿度が100
0g/m2 ・24hr以上、好ましくは2000〜60
00g/m2 ・24hrの透湿性を有するフィルムであ
る。ここで、本発明において、透湿度とは、JIS P
0208に準拠する透湿性試験で求められる測定値を言
う。
【0011】この通気性フィルムの素材として、ポリオ
レフィン樹脂、またはポリオレフィン樹脂を主成分とす
る樹脂組成物が用いられる。ポリオレフィン樹脂として
は、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・α−オレフ
ィン共重合体、またはこれらの1種以上あるいは2種以
上の混合物などからなるものが挙げられる。本発明にお
いて、通気性フィルムは、1種の素材からなるものでも
よいし、2種以上の混合物からなるものでもよい。
【0012】本発明において、ポリオレフィン樹脂とし
て用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エ
チレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとからな
る共重合体であり、また、プロピレン・α−オレフィン
共重合体は、プロピレンとα−オレフィンとからなる共
重合体である。エチレンまたはプロピレンとの共重合に
用いられる炭素原子数4〜12のα−オレフィンとして
は、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デ
セン、1−ドデセン等が挙げられる。エチレン・α−オ
レフィン共重合体は、これらの炭素原子数4〜12のα
−オレフィンを1種単独でも2種以上の組合せを含んで
いてもよい。これらのα−オレフィンの中でも、特に、
炭素原子数4〜6のα−オレフィンが好ましい。
【0013】このエチレン・α−オレフィン共重合体に
おいて、エチレンから導かれる繰返し構成単位(以下、
「エチレン単位」という)と、炭素原子4〜12のα−
オレフィンから導かれる繰返し構成単位(以下、「α−
オレフィン単位」という)は、エチレン単位50重量%
以上100重量%未満に対して、α−オレフィン単位5
0重量%以下の割合、好ましくはエチレン単位55〜9
9重量%に対して、α−オレフィン単位1〜45重量%
の割合、さらに好ましくはエチレン単位65〜98重量
%に対して、α−オレフィン単位2〜35重量%の割
合、特に好ましくはエチレン単位70〜96重量%に対
して、α−オレフィン単位4〜30重量%の割合で含む
ことが望ましい。
【0014】また、ポリオレフィン樹脂は、前記の主成
分以外の成分として、例えば、エチレン系重合体、プロ
ピレン系重合体等の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
【0015】さらに、本発明において、このポリオレフ
ィン樹脂は、キャスト法によって安定して引裂強度等の
機械的強度に優れるフィルムに成形することができ、ま
た、成形したフィルムを延伸等の処理によって良好な加
工性で微孔化でき、通気性に優れるものとすることがで
きる点で、メルトフローレート(MFR)が1〜25g
/10分、さらに2〜15g/10分の範囲にあるもの
が好ましい。本発明において、メルトフローレート(M
FR)は、ASTM D 1238−65Tに準拠して
測定されるものである。
【0016】さらに、このポリオレフィン樹脂は、適当
な範囲のオルゼン剛性を有し、腰のあるフィルムが得ら
れ、肌に付かず、ベタつき感がなく、しかも機械的強度
に優れるフィルムが得られる点で、密度が0.88〜
0.93g/cm3 、好ましくは0.90〜0.92g
/cm3 の範囲にあるものが望ましい。
【0017】さらにまた、このポリオレフィン樹脂に
は、従来公知のスリップ剤、親水剤、無機フィラー、熱
安定剤等の添加剤を、練り込み成形等の方法によって、
本発明の目的を損なわない範囲で配合することができ
る。
【0018】また、通気性フィルムの素材として用いら
れるポリオレフィン樹脂を主成分とする樹脂組成物は、
前記ポリオレフィン樹脂(A)以外に、充填材(B)を
含むものである。この充填材は、特に制限されず、無機
系充填材または有機系充填材のいずれでもよく、両者の
組合せでもよい。この充填材の具体例として、無機系充
填材としては、例えば、アルカリ土類金属、周期律表第
III 族元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ
酸塩等が挙げられ、有機系充填材としては、例えば、木
粉、パルプ等のセルロース粉末、シリコーン、フェノー
ル等の架橋物粉末などが挙げられる。これらは1種単独
でも2種以上を組み合わせても用いられる。これらの中
でも、コスト、品質の安定性を考慮して、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等が好ましい。
【0019】この充填材の粒径は、通常、0.1〜10
μm程度であり、好ましくは0.5〜5μm程度であ
る。
【0020】樹脂組成物中におけるポリオレフィン樹脂
(A)/充填材(B)の含有割合は、(A)/(B)の
重量比が30/70〜80/20の割合である。
【0021】また、樹脂組成物が酸化防止剤を含有する
場合、その含有量は、通常、樹脂組成物中のポリオレフ
ィン樹脂および充填材の合計100重量部に対して0.
1〜2.0重量部程度、好ましくは0.5〜1.8重量
部程度である。
【0022】さらに、この樹脂組成物は、前記酸化防止
剤以外に、必要に応じて紫外線吸収剤、抗菌剤、防かび
剤、発錆防止剤、滑剤、顔料、耐熱安定剤等の添加剤
を、本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよ
い。
【0023】また、この樹脂組成物は、成形性の改良、
あるいは各種物性を調整するために、ポリエチレン、ポ
リスチレン等のオレフィン系エラストマーを本発明の目
的を損なわない範囲で含んでいてもよい。これらのオレ
フィン系エラストマーを含む場合、その含有量は、通
常、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に
対して、20重量部以下の割合となる量である。
【0024】樹脂組成物の調製は、前記ポリオレフィン
樹脂、またはポリオレフィン樹脂と充填材、ならびに必
要に応じて配合される各種の配合剤を、ヘンシェルミキ
サー、タンブラー型混合機、V型混合機等の常用の混合
機を用いて混合する方法にしたがって行うことができ
る。
【0025】本発明において、前記ポリオレフィン樹脂
または樹脂組成物は、フィルムに成形される。このフィ
ルムの成形は、ポリオレフィン樹脂または樹脂組成物を
溶融混練してフィルム状またはシート状に成形できる方
法であればよく、いずれの方法にしたがって行ってもよ
い。例えば、ポリオレフィン樹脂または樹脂組成物を、
一軸もしくは二軸のスクリュー押出機、二軸混練機等の
常用の装置を用いて溶融混練した後、インフレーション
成形、Tダイによる押出成形等のよってフィルムまたは
シートに成形することができる。溶融混練時の温度は、
通常、200〜280℃の範囲である。
【0026】また、インフレーション成形では、円形ダ
イから円筒状に一軸延伸または二軸延伸されたフィルム
を引出し、さらにロール延伸により一軸延伸を行うこと
ができる。また、Tダイによる成形では、未配向のシー
トまたはフィルムを成形後、ロール延伸により一軸延
伸、あるいはテンター方式による二軸延伸を行うことが
できる。
【0027】次に、フィルムまたはシート状に成形され
たポリオレフィン樹脂または樹脂組成物は、延伸処理さ
れ、通気性フィルムを得ることができる。この延伸処理
は、一軸延伸でも、二軸延伸でもよく、適宜選択され
る。例えば、一軸延伸の場合には、簡易に延伸処理を行
うことができる利点があり、強度の異方性を問題としな
い場合には、一軸延伸が有利である。また、二軸延伸の
場合には、さらに薄膜化が可能であり、剛性の低下によ
る肌ざわり性の向上、強度の異方性の解消の目的に有効
である。
【0028】一軸延伸の場合は、通常、ロール延伸が用
いられ、一段または二段以上の多段で行ってもよい。こ
のとき、延伸温度は、室温〜樹脂原料の融点の範囲に調
整され、延伸倍率1.2〜8倍、好ましくは2〜6倍に
延伸することによって、空孔率50%以上で、剛性が低
く、肌ざわりのよい通気性フィルムを得ることができ
る。
【0029】二軸延伸の場合は、同時もしくは逐次延伸
が行われる。このとき、延伸温度は室温〜樹脂原料の融
点の範囲に調整され、延伸倍率は1.2〜8倍、好まし
くは2〜6倍で空孔率50%以上で、剛性が低く、肌ざ
わりのよい通気性フィルムを得ることができる。
【0030】また、一軸延伸または二軸延伸処理後、熱
処理を行うと、寸法安定性に優れる通気性フィルムを得
ることができるため、有効である。熱処理は、80℃か
らフィルムの融点までの範囲の温度で行うことができ、
通常、高温で短時間に行われる。
【0031】本発明において、通気性フィルムは、空孔
率が50%以上のものが、通気性および透湿性が良好
で、かつ風合いに優れる点で、好ましく、さらに空孔率
が60〜80%であるものが好ましい。また、この通気
性フィルムは、ヤング率が60〜300MPaのものが
好ましく、さらに引裂強度がMD方向(縦方向)で40
N/cm以上であるものが好ましい。
【0032】本発明のシートにおいて、通気性フィルム
の厚さは、通常、10〜30μm程度であり、好ましく
は10〜25μmである。また、透湿度は、2000〜
6000g/m2 ・24hrであるものが好適である。
【0033】本発明のシートにおいて、通気性フィルム
に積層される不織布は、前記通気性フィルムを構成する
樹脂の融点と同じ、もしくは該融点より低い融点を有す
る樹脂(以下、「低融点樹脂成分」という)を含む不織
布である。この不織布は、低融点樹脂成分からなる繊維
(以下、「低融点繊維」という)のみで形成されている
ものでもよいし、低融点繊維と、低融点樹脂成分よりも
高い融点を有する樹脂からなる繊維(以下、「高融点繊
維」という)とが混在するものでもよい。
【0034】前記の低融点繊維と高融点繊維とが混在す
る構成の不織布として、例えば、芯部分が融点が低融点
樹脂成分より高い樹脂からなり、鞘部分が低融点樹脂成
分からなり、芯部分を軸として偏心した状態または偏心
しない状態で、鞘部分が芯部分を同心円状に囲む断面形
状を有する芯・鞘型の構造を有する繊維からなる不織
布;繊維断面を分割して、低融点樹脂成分からなる部分
と、低融点樹脂成分より融点が高い樹脂からなる部分と
が並列して併存し、かつ低融点樹脂成分からなる部分と
低融点樹脂成分より融点が高い部分の双方がそれぞれ繊
維外周面の一部を形成するサイドバイサイド型の構造を
有する繊維等の形態を有する繊維で構成されている不織
布;低融点樹脂成分より融点が高い樹脂からなる繊維
と、低融点繊維とが交絡して混在し、高融点繊維の外周
面の一部に低融点樹脂成分からなる繊維が融着している
構造を有する不織布でもよく、さらに、これらの構造が
積層して混在する構造の不織布でもよい。芯・鞘型構造
の繊維において、繊維断面における芯/鞘の面積比率
は、通常、5/5〜1〜9(鞘部分:低融点樹脂成分)
程度である。サイドバイサイド型構造の繊維において、
繊維断面における(低融点樹脂成分)/(低融点樹脂成
分よりも高い融点を有する樹脂の部分)の面積比率は、
通常、5/5程度である。
【0035】また、本発明のシートにおいて、不織布
は、前記の構造のいずれからなる単一の不織布からなる
ものでもよいし、複数の不織布からなる複層構造のもの
でもよい。特に、通気性フィルムと接する側に、該通気
性フィルムを構成する樹脂の融点より低い融点を有する
樹脂からなる融着性不織布層を含む複層構造の不織布
は、融着性不織布層以外の不織布層、例えば、シート表
面を構成する不織布層として使用する不織布の選択の自
由度が大きくなる点で、有効である。本発明のシート
が、複層構造の不織布を有する場合、その複層構造の不
織布の目付量は、通常、15〜30g/m2 程度であ
り、また、融着性不織布層は、目付量が3〜10g/m
2 程度である。
【0036】不織布を構成する低融点樹脂成分は、前記
通気性フィルムを構成する樹脂の融点と同じ、もしくは
融点が低い樹脂からなるものである。この低融点樹脂成
分として、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、プ
ロピレン・エチレンランダム共重合体等のポリオレフィ
ン樹脂などであって、通気性フィルムの素材樹脂と同
じ、もしくは低い融点を有する樹脂の1種または2種以
上の組合せを用いることができる。
【0037】前記のプロピレン・エチレンランダム共重
合体は、プロピレンとエチレンのランダム共重合体であ
り、好ましくはエチレン含有量が、0.5〜5mol
%、特に好ましくは2.0〜5mol%であるものであ
る。
【0038】本発明において、不織布の構成繊維、とり
わけ偏芯した芯鞘型バイコンポネント繊維を形成する樹
脂として、MFRが20g/10分のプロピレン・エチ
レンランダム共重合体と、MFRが35g/10分のポ
リプロピレンとの組合せからなる混合樹脂原料を使用す
ると、捲縮した繊維からなる不織布を得ることができる
ため、柔軟性および触感の向上に有効である。プロピレ
ン・エチレンランダム共重合体と、ポリプロピレンとの
組合せを使用する場合、その使用割合は、プロピレン・
エチレンランダム共重合体/ポリプロピレンの重量割合
で1/9〜9/1であり、好ましくは1/9〜4/6で
ある。
【0039】不織布を構成する繊維の平均繊維径は、通
常、10〜35μm程度であり、指先で触れた際のひっ
かかり感が低減し、良好な触感が得られる点で、好まし
くは10〜20μmである。
【0040】この不織布の目付量または厚さは、本発明
の透湿性シートの用途、特に、求められる柔軟性等に応
じて適宜選択され、特に制限されない。通常、目付量
は、10〜30g/m2 程度であり、厚さの薄い透湿性
シートが得られる点で、好ましくは10〜25g/m2
である。また、この厚さは、通常、0.1〜0.5mm
程度である。
【0041】この不織布の製造は、常法にしたがって行
うことができ、特に制限されない。例えば、低融点繊維
のみからなる不織布を製造する場合は、スパンボンド
法、メルトブローン法、フラッシュ紡糸法等の原料樹脂
を溶融または溶解した後、繊維化かつ不織布に成形する
方法にしたがって、低融点樹脂成分を不織布に成形する
ことができる。また、芯・鞘型構造の不織布を製造する
場合は、芯・鞘型紡糸ノズルを使用したスパンボンド法
にしたがって製造することができる。さらに、サイドバ
イサイド型構造の不織布を製造する場合は、サイドバイ
サイド型紡糸ノズルを使用したスパンボンド法にしたが
って製造することができる。さらにまた、低融点繊維と
高融点繊維とが混在する不織布を製造する場合は、低融
点繊維または高融点繊維のいずれか一方の繊維を、スパ
ンボンド法、フラッシュ紡糸法、メルトブロー法によっ
て形成し、得られる繊維をウェブフォーマー上に分散さ
せる際にもう一方の繊維と混合させて堆積させる方法に
したがって製造することができる。また、複数の不織布
からなる複層構造を有し、通気性フィルムと接する側
に、該通気性フィルムを構成する樹脂の融点より低い融
点を有する樹脂からなる融着性不織布層を含む複層構造
の不織布は、2列以上の紡糸ノズルを有する装置を用い
るスパンボンド法、フラッシュ紡糸法、メルトブロー法
等の方法にしたがって製造することができる。
【0042】本発明のシートの製造は、前記構成の通気
性フィルムと、不織布とを重ね合わせた後、エンボスロ
ールで加熱加圧処理して、通気性フィルムと不織布と
を、不織布が有する低融点樹脂成分をエンボスロールに
よって部分的に溶融させて押圧して熱融着により両者を
接着する方法にしたがって行うことができる。加熱加圧
処理の温度および加圧力は、使用する不織布の構成繊
維、構造、目付量、厚さ、また、通気性フィルムの材
質、目付量、厚さ、さらに、目的とする耐水度、剥離強
度、加工速度(貼合わせ速度)等に応じて適宜選択され
るが、通常、80〜150℃程度、好ましくは100〜
130℃程度の温度、10〜50kg/cm程度の圧力
(線圧)、好ましくは20〜40kg/cm程度の圧力
(線圧)で行うことができる。
【0043】加熱加圧処理に用いられるエンボスロール
は、エンボスパターン、すなわち、エンボス部(突起
部)の先端面の形状が、角部のない形状を有するもので
ある。本発明において、角部のない形状とは、円形、楕
円形等の曲線で構成される形状、あるいは直線と円、楕
円等とを滑らかに連結した形状、また、角縁部を円弧状
に成形し、該円弧部の曲率半径が少なくとも0.15m
m以上である矩形状の形状等の形状である。特に、キル
ト加工に近い風合いを有する透湿シートが得られる点
で、図1に示す形状のエンボスパターンを有するエンボ
スロールを用いるのが好ましい。また、エンボスロール
におけるエンボス部のエンボス面積率は、5〜20%で
あり、好ましくは5〜15%のものである。特に、肌ざ
わりが柔らかいシートが求められる場合は、図1〜3に
示すエンボス面積率7〜15%の幅広格子柄のエンボス
形状を有するエンボスロールを用いると、好ましい。
【0044】本発明の透湿性シートにおいて、耐水度が
1000mmH2 O以上、透湿度が3000g/m2
24hr以上であり、MD方向の柔軟性(クラーク法)
が50mm以下であり、かつ層間剥離強度が50g/2
5mm以上であるものは、紙おむつ用バックシートとし
て好適なものである。この透湿性シートからなる紙おむ
つ用バックシートは、紙おむつの吸収材に接する内側に
透湿性フィルム層が配置され、外気に接する外側に、不
織布からなる表面層が配置されるように、使用されるも
のである。本発明において、MD方向とは、透湿性シー
トの縦方向を言う。また、柔軟性は、JIS L109
6にC法として記載されているクラーク法によって測定
される数値である。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例により、
本発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例お
よび比較例における柔軟性、風合い、耐水度、剥離強度
および透湿度の評価または測定は、下記の方法にしたが
って行った。
【0046】柔軟度(クラーク法) JIS L1096に記載のC法(クラーク法)に準拠
して求めた。
【0047】風合い 透湿性シートの不織布の表面を手で撫で、その際の触感
を調べる試験を行い、下記の基準で評価した。 ○‥‥ザラつき、引っ掛かり感がない。 ×‥‥ザラつき、引っ掛かり感がある。
【0048】耐水度 JIS L1092に耐水度試験法の静水圧法に準拠し
て求めた。
【0049】剥離強度 透湿性シートまたは積層シートから、幅25mm、長さ
200mmに切り取った試験片を、JIS L1096
に準じて、引張速度200mm/minで剥離試験に供
し、フィルムと不織布の間の剥離強度を測定した。
【0050】透湿度 JIS Z0208に記載の透湿度試験方法(カップ
法)に準拠して求めた。
【0051】(実施例1)ポリエチレン(融点:120
℃)からなるスパンボンド不織布(目付量:23g/m
2 、繊度:4.0d)と、ポリエチレン(原料:LLD
PE、融点:122℃)からなる通気性フィルム(厚
さ:23μm)とを重ね合わせ、不織布の上から、エン
ボスロール(図1に示すエンボスパターン:格子柄、刻
印長さ:6.36mm、幅:0.5mm、両端部:半円
形部、ピッチ:15mm、エンボス面積率:7.2%)
を用いて、110℃で30kg/cmの圧力(線圧)
で、加圧して熱融着させ、透湿性シートを得た。得られ
た透湿性シートについて、柔軟性、風合い、耐水度およ
び透湿度を評価または測定した。結果を表1に示す。
【0052】(実施例2)ポリエチレン(融点:120
℃)からなる鞘部と、ポリプロピレン(融点:160
℃)からなる芯部とを鞘部/芯部の繊維断面積中の割合
が4/6で有する芯鞘型構造の捲縮繊維からなる構成さ
れる不織布(繊度:2.6d、目付量:23g/m2
に、ポリエチレン(原料:LLDPE、融点:122
℃)からなる通気性フィルム(厚さ:23μm)を重ね
合わせ、不織布の上から、実施例1で用いたものと同じ
エンボスロールを用いて、115℃で30kg/cmの
圧力(線圧)で、加圧して熱融着させ、透湿性シートを
得た。得られた透湿性シートについて、柔軟性、風合
い、耐水度および透湿度を評価または測定した。結果を
表1に示す。
【0053】(実施例3)プロピレン・エチレン共重合
体(エチレン含有量:3.8mol%、融点:150
℃)からなる表面不織布層(目付量15g/m2 、繊
度:2.5d)と、エチレン・α−オレフィン共重合体
からなる不織布層(目付量:10g/m2 、繊度:0.
5d)の2層を有する積層不織布の表面不織布層の上
に、ポリエチレン(原料:LLDPE、融点:122
℃)からなる通気性フィルム(目付量:25g/m2
厚さ:23μm)を重ね合わせ、不織布の上から、エン
ボスロール(図2に示すエンボスパターン:格子柄、刻
印長さ:6.36mm、幅:0.5mm、両端部:半円
形部、ピッチ:15mm、エンボス面積率:7.2%)
を用いて、110℃で30kg/cmの圧力(線圧)
で、加圧して熱融着させ、透湿性シートを得た。得られ
た透湿性シートについて、柔軟性、風合い、耐水度およ
び透湿度を評価または測定した。結果を表1に示す。
【0054】(実施例4)ポリプロピレン(融点:16
0℃)からなるスパンボンド不織布(目付量:18g/
2 、繊度:2.1d)と、ポリプロピレン(融点:1
65℃)からなる通気性フィルム(厚さ:23μm)と
を重ね合わせ、不織布の上から、実施例3で用いたもの
と同じエンボスロールを用いて、140℃で35kg/
cmの圧力(線圧)で、加圧して熱融着させ、透湿性シ
ートを得た。得られた透湿性シートについて、柔軟性、
風合い、耐水度および透湿度を評価または測定した。結
果を表1に示す。
【0055】(比較例1)ポリプロピレン(融点:16
0℃)からなる乾式不織布(繊度:2.6d,目付量:
21g/m2 )と、ポリエチレン(原料:LLDPE、
融点:122℃)からなる通気性フィルム(厚さ:23
μm)とを、ホットメルト接着剤を用いて接着し、積層
シートを得た。得られた積層シートについて、柔軟性、
風合い、耐水度および透湿度を評価または測定した。結
果を表1に示す。
【0056】(比較例2)ポリエチレン(融点:120
℃)からなるスパンボンド不織布(目付量:23g/m
2 、繊度:4.0d)と、ポリエチレン(原料:LLD
PE、融点:122℃)からなる通気性フィルム(厚
さ:23μm)とを重ね合わせ、不織布の上から、エン
ボスロール(エンボスパターン:菱形、刻印長さ:1
1.8mm、幅:11.8mm、ピッチ:20mm、エ
ンボス面積率:38.4%)を用いて、110℃で30
kg/cmの圧力(線圧)で、加圧して熱融着させ、透
湿性シートを得た。得られた透湿性シートについて、柔
軟性、風合い、耐水度および透湿度を評価または測定し
た。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明の透湿性シートは、柔軟性、風合
いおよび耐水性に優れるとともに、高い層間剥離強度を
有し、特に、これらの物性のバランスに優れるものであ
る。そのため、本発明の透湿性シートは、紙おむつ用バ
ックシート等の用途に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透湿性シートの製造に用いるエンボス
ロールにおけるエンボスパターンの好適例を説明する
図。
【図2】本発明の透湿性シートの製造に用いるエンボス
ロールにおけるエンボスパターンの別の好適例を説明す
る図。
【図3】本発明の透湿性シートの製造に用いるエンボス
ロールにおけるエンボスパターンの別の好適例を説明す
る図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通気性フィルムと、該通気性フィルムを構
    成する樹脂の融点と同じ、もしくは該融点より低い融点
    を有する樹脂を含む繊維からなる不織布とを積層し、エ
    ンボス面積率5〜20%、角部のないエンボスパターン
    のエンボス加工により熱融着してなる透湿性シート。
  2. 【請求項2】前記不織布が、前記通気性フィルムを構成
    する樹脂の融点と同じ、もしくは該融点より低い融点を
    有する樹脂からなる鞘部を有する芯鞘型の複合繊維から
    なる不織布である請求項1に記載の透湿性シート。
  3. 【請求項3】前記不織布が、前記通気性フィルムを構成
    する樹脂と同じ、もしくは該融点より低い融点を有する
    樹脂からなる融着部を有するサイドバイサイド型の複合
    繊維からなる不織布である請求項1に記載の透湿性シー
    ト。
  4. 【請求項4】前記不織布が、前記通気性フィルムと接す
    る側に、該通気性フィルムを構成する樹脂の融点と同
    じ、もしくは該融点より低い融点を有する樹脂からなる
    融着性不織布層を有する積層不織布である請求項1に記
    載の透湿性シート。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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