JPH10159520A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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Publication number
JPH10159520A
JPH10159520A JP32168396A JP32168396A JPH10159520A JP H10159520 A JPH10159520 A JP H10159520A JP 32168396 A JP32168396 A JP 32168396A JP 32168396 A JP32168396 A JP 32168396A JP H10159520 A JPH10159520 A JP H10159520A
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JP
Japan
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lock pin
oil
camshaft
locking hole
hydraulic
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Application number
JP32168396A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Ishii
良和 石井
Toshiaki Hamaguri
稔章 蛤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機関停止時等、あるいは機関始動時等における
ロックピンの誤動作や不完全な動作を好適に回避するこ
とのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供
する。 【解決手段】ロックピン43を有するバルブタイミング
変更機構にあっては、たとえ油圧作用が停止される場合
にあっても、ロックピン43が嵌入される係止孔41側
には油またはエアーが残存していることが多く、このロ
ックピン43と係止孔41とにより閉鎖された空間に残
存する油またはエアーがロックピン43の嵌入の弊害と
なっている。この場合、ロックピン43の意図しない解
除が行われるなどの不都合が生じることとなっている。
そのためここでは、ロックピン43に連通路73を設け
て、圧力油路72を介してこの油を排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転中
に同機関の気筒に設けられた吸気・排気バルブの開閉タ
イミングを変更制御するバルブタイミング制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の気筒に設けられた吸気
・排気バルブの開閉タイミングを変更するバルブタイミ
ング制御装置としては種々提案されており、ベーン式の
同装置として例えば実開平2−50105号公報に記載
された装置が知られている。
【0003】この公報記載の装置は、同ベーン式のバル
ブタイミング制御装置として、始動位置においてタイミ
ングプーリに対するベーンの相対回転を規制するための
ロックピンを備える。プーリの径方向に形成されたガイ
ド溝に収容されたロックピンは、スプリングの付勢力に
よりベーンの中心へ向かって付勢される。ベーンに形成
された穴にロックピンが係合することにより、ベーンの
相対回転が規制される。バルブタイミング制御装置の始
動時には油圧によりロックピンが解除され、プーリに対
するベーンの相対回転が許容される。
【0004】一方、ベーンの相対回転を規制するための
構成としては上述したような装置の他にも、図9〜図1
0に示すような構成を有するバルブタイミング制御装置
が考えられる。
【0005】図9及び図10に、この装置におけるバル
ブタイミング変更機構111の概略構造を示す。すなわ
ち、このバルブタイミング変更機構111は、図9に示
すように、大きくは、ボルト53によってドリブンギヤ
122に一体に連結されたハウジング128及び側板1
40と、このハウジング128内に回動自在に収容さ
れ、ボルト54によって吸気側カムシャフト112の先
端部に一体に連結されたベーン129とによって構成さ
れている。そして、油圧制御に基づきこれらハウジング
128とベーン129との相対回転位相が変更されるこ
とによって吸気側カムシャフト112とドリブンギヤ1
22との相対回転位相が変更され、ひいては、同吸気側
カムシャフト112とドリブンギヤ122に噛合連結さ
れるドライブギヤが設けられた排気側カムシャフト(い
ずれも図示せず)との相対回転位相が変更される。な
お、この排気側カムシャフトは機関出力軸であるクラン
クシャフトに対して適宜に駆動連結されている。
【0006】図10は、図9の10−10線に沿った断
面図であり、このバルブタイミング変更機構111にあ
っては同図10に示されるように、上記ハウジング12
8内部の各凹部134が上記ベーン129の各受圧部1
32により区画されて油圧室113及び114が形成さ
れている。そして、ベーン129は、これら各油圧室1
13,114に供給される油圧の大きさに応じて、その
軸を中心に右方向あるいは左方向に回動する。
【0007】ここで、吸気側カムシャフト112が同図
10に示すように右方向に回転しているとするときに、
油圧室113側に高い油圧が供給され、ベーン129が
右方向に回動すると、同ベーン129が固定された吸気
側カムシャフト112の回転位相が前記ドリブンギヤ1
22に対して進められ、吸気側バルブの開閉タイミング
が早められる(進角制御)。
【0008】これに対して、同じく吸気側カムシャフト
112が右方向に回転しているとするときに、油圧室1
14側に高い油圧が供給され、ベーン129が逆方向
(左方向)に回動すると、吸気側カムシャフト112の
回転位相がドリブンギヤ122に対して遅れ、同吸気側
バルブの開閉タイミングが遅らされる(遅角制御)。
【0009】なお、このバルブタイミング変更機構11
1に関して、図9は図10の9−9線に沿った断面図と
して示される。一方、図9に示すように、ベーン129
の一部には吸気側カムシャフト112の軸方向に延びる
断面円形状のピン孔142が形成されている。このピン
孔142は、その途中に段差部142aを有しており、
同段差部142aより先端側(図9の左側)の部分が拡
径された形状となっている。ロックピン143は略有底
円筒状を呈しており、その先端側の外周側面には拡径部
143aが形成されている。ロックピン143は、その
外周側面の拡径部143aがピン孔142の拡径された
内周側面に摺接した状態で、吸気側カムシャフト112
の軸方向に移動可能となっている。
【0010】また、ロックピン143の内部には軸方向
に延びる内部穴145が形成されており、同穴145内
にはスプリング146が配設されている。ロックピン1
43は、このスプリング146により吸気側カムシャフ
ト112の基端側に向けて付勢されている。前記内部穴
145の内周壁面、ピン孔142の内周側面及び同ピン
孔142の底部142cによって覆われた空間によって
背圧室142bが形成されている。
【0011】また、前記ピン孔142において拡径され
た部分の内周側面と、前記ロックピン143の外周側面
の拡径部143aとによって囲まれた環状の空間によ
り、ロックピン143の係止状態を解除するための油圧
室144が形成されている。この油圧室144は、後述
するように、バルブタイミング変更機構111の遅角側
油圧室の一つと連通されており、同油圧室144内には
遅角側油圧室内の油の一部が移動して供給可能となって
いる。
【0012】また、側板140にはロックピン143の
基端面に対向する位置に係止孔141が形成されてお
り、更にドリブンギヤ122のこの係止孔141に対向
する位置にはロックピン143の係止状態を解除するた
めの油圧室147が形成されている。この油圧室147
は、後述するように、バルブタイミング変更機構111
の進角側油圧室の一つと連通されており、同油圧室14
7内には進角側油圧室内の油の一部が移動して供給可能
となっている。
【0013】従ってこうした装置にあって、機関の停止
時においては、油圧作用も停止して、前記進角・遅角側
両油圧室113,114及び上記油圧室144,147
等の油圧が解除されるために、ロックピン143はスプ
リング146の付勢力によって係止孔141に嵌入され
るようになる。そして、ロックピン143が上記係止孔
141に嵌入されることにより、ベーン129とハウジ
ング128、すなわちドリブンギヤ122との相対回転
が規制される。このようなロックピン143を設けたこ
とで、吸気側カムシャフト112はドリブンギヤ122
と一体的に回転するようになり、機関始動時等、バルブ
タイミング変更機構111の作動が不安定な状態にある
ことに起因する異音等の発生も回避される。
【0014】一方、前記ロックピン143の係止状態を
解除するために形成されている前記油圧室144,14
7(図9)は、図10に示すように、前記側板140に
形成された圧力油路172及び前記ベーン129の受圧
部132側部に形成された圧力油路171によってそれ
ぞれ進角側・遅角側油圧室113,114の一つに連通
されており、前記油圧室147には進角側油圧室113
内の油の一部が、同油圧室144には遅角側油圧室11
4内の油の一部が供給可能となっている。
【0015】上記両油圧室144,147に供給される
油圧の作用により、ロックピン143を振動させること
なくその係止状態の解除等を行うことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうしたロ
ックピン143を有するバルブタイミング変更機構11
1にあっては、たとえ油圧作用が停止される場合であっ
ても、ロックピン143が嵌入される係止孔141側に
は油またはエアーが残存していることが多く、このロッ
クピン143と係止孔141とにより閉鎖された空間に
残存する油またはエアーがロックピン143の嵌入の弊
害となっている。即ち、例えば機関の停止直前等、ロッ
クピン143が係止孔141に嵌入されるべきときに、
その嵌入が不完全となって同ロックピン143による十
分な係止が行われなかったり、あるいは、装置の振動等
による上記閉鎖空間での圧縮作用による圧力変動により
解除方向の挙動が生じ、ロックピン143の意図しない
解除が行なわれる可能性が生じるなどの不都合が生じる
こととなっている。また、このようにロックピン143
による係止が解除された状態で、機関の始動に伴う前記
カムシャフト112からのトルクがバルブタイミング変
更機構111に伝わる場合には、ベーン129の受圧部
132とハウジング128の突状部133(図10)と
の衝突による打音が発生することともなる。
【0017】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、機関停止時等、あるい
は機関始動時等における上記ロックピンの誤動作や不完
全な動作を好適に回避することのできる内燃機関のバル
ブタイミング制御装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1記載の発明は、同一の回転軸心を有して内
燃機関の出力軸及び同機関のバルブを開閉駆動するカム
シャフトの一方及び他方に連結された第1及び第2の回
転体を備えるとともに、前記第1の回転体に形成された
凹部を前記第2の回転体に形成されたベーンにて区画す
ることによりベーンの両側に第1及び第2の液室を形成
し、該形成した液室に対する液圧制御に基づき前記第1
及び第2の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と前
記カムシャフトとの相対回転位相を変更し、前記バルブ
の開閉タイミングを可変制御する内燃機関のバルブタイ
ミング制御装置において、付勢手段による付勢力に基づ
く移動体の係止穴への嵌入によって前記第1及び第2の
回転体を所定の回転位相に係止するロック手段と、前記
付勢手段による付勢力に抗して前記ロック手段による係
止を解除するための液圧を同ロック手段の前記係止穴に
付与する圧力室と、前記移動体の前記係止穴への嵌入に
よって同係止穴内に形成される閉鎖空間と外部とを連通
する連通路とを備えることをその要旨とするものであ
る。
【0019】請求項1記載の発明では、上記連通路を介
して上記閉鎖空間内のエアーまたは液を外部に排出でき
るため、上記ロック手段を構成する移動体の係止穴への
嵌入性が大幅に向上し、液圧解除時における上記第1及
び第2回転体の係止を確実ならしめることができる。
【0020】請求項2記載の発明は、請求項1記載の内
燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記ロッ
ク手段による係止を解除するための前記圧力室に対する
液圧の付与は前記連通路を介して行われることをその要
旨とするものである。
【0021】請求項2記載の発明では、ロック手段によ
る係止解除時、上記連通路を介して上記圧力室に液圧を
供給できるため、同ロック手段の解除性を向上すること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、図1〜図6を参照して、本発明
を内燃機関としてのエンジンに設けられた吸気バルブの
開閉タイミングを変更制御する装置に具体化した第1の
実施形態について説明する。
【0023】はじめに、図2を参照して、同実施形態に
かかるバルブタイミング制御装置の動弁構造について説
明する。同図2に示すように、この実施形態の装置は、
エンジンのシリンダヘッド17上部に平行にかつ回転自
在に支持された吸気側カムシャフト12及び排気側カム
シャフト23を有して構成される。そして、吸気側カム
シャフト12にはカム20が、また排気側カムシャフト
23にはカム25がそれぞれ設けられており、同カムシ
ャフト12及び23の回転に伴ってそれらカム20及び
25が回転することにより、当該エンジンの各気筒に設
けられている図示しない吸気バルブ及び排気バルブがそ
れぞれ開閉駆動される。
【0024】排気側カムシャフト23の基端側(図2の
右側)には、カムプーリ26が固定されており、同プー
リ26にはタイミングベルト27が掛装されている。タ
イミングベルト27は、機関出力軸であるクランクシャ
フト(図示しない)に取り付けられたクランクプーリ
(図示しない)に掛装されている。
【0025】また、同排気側カムシャフト23の先端側
(図2の左側)にはドライブギヤ24が固定されてい
る。このドライブギヤ24は、上記吸気側カムシャフト
12の同じく先端側に設けられたドリブンギヤ22に噛
合連結されており、この連結により、ドリブンギヤ22
及びドライブギヤ24が一体回転するようになってい
る。すなわち、エンジンの運転が開始されると、排気側
カムシャフト23には前記カムプーリ26を介してクラ
ンクシャフトの回転駆動力が伝達されるとともに、その
回転駆動力は前記ドライブギヤ24及びドリブンギヤ2
2を介して吸気側カムシャフト12に伝達される。
【0026】そして、吸気側カムシャフト12の更に先
端側(図2の左側)には、上記ドリブンギヤ22及び同
カムシャフト12に対して一体に組み付けられたバルブ
タイミング変更機構(以下、「VVT機構」という)1
1が設けられている。
【0027】以下、図1、図3〜図6参照して、上記V
VT機構11の構造について説明する。図1は、主にV
VT機構11、同VVT機構11が設けられたドリブン
ギヤ22及び吸気側カムシャフト12等の断面構造を示
す。
【0028】吸気側カムシャフト12は上述のように、
シリンダヘッド17の上端面及び軸受部17aによって
回転可能に支持されている。また、同吸気側カムシャフ
ト12において、その先端には拡径部21が設けられて
おり、この拡径部21の外周面に前記ドリブンギヤ22
が被嵌されている。
【0029】一方、VVT機構11は、ボルト53及び
ノックピン(図1においては図示略)によって上記ドリ
ブンギヤ22にカバー30及び側板40共々一体に連結
されたハウジング28と、このハウジング28内に回動
自在に収容され、ボルト54及びノックピン(図1にお
いては図示略)によって上記吸気側カムシャフト12に
一体に連結されたベーン29とによって構成されてい
る。
【0030】ここで、ハウジング28は、そのカバー3
0及び側板40と共に、全体が略円柱状を呈しており、
カバー30及び側板40の各側面がそれぞれこれに収容
されたベーン29の各側面に当接されるようになってい
る。そして、このハウジング28とドリブンギヤ22と
は、上記ボルト53による連結によって、吸気側カムシ
ャフト12を回転軸とした一体回転が可能となってい
る。
【0031】図3は図1の3−3線に沿った断面図であ
る(なお、図1は図3の1−1線に沿った断面図に相当
する)。次に、この図3を併せ参照して、上記ハウジン
グ28及びベーン29の構造を更に詳述する。
【0032】図3に示すように、VVT機構11のベー
ン29は、同ベーン29の中心に位置するとともに円環
状をなして前記吸気側カムシャフト12に固定される固
定部31と、同固定部31の外周部に形成された4つの
受圧部32とを備えている。各受圧部32は、吸気側カ
ムシャフト12の径方向に放射状に延びており全体が略
十字状を呈している。
【0033】一方、ハウジング28の内部には、吸気側
カムシャフト12の周方向に所定間隔を隔てて、同カム
シャフト12の軸心に向けて突出した4つの突状部33
が形成されている。これら各突状部33の内周面は前記
固定部31の外周面に摺接されるようになる。各突状部
33の間は凹部34となっており、前記各受圧部32は
各凹部34内に配置されている。各受圧部32の外周面
はハウジング28の内周面に摺接されるようになる。こ
のように、ハウジング28の内部には、ハウジングカバ
ー30及び側板40と、固定部31の各側面と、各凹部
34の内周壁とによって囲まれた4つの空間が形成され
ている。また、それぞれの空間は、凹部34内に配置さ
れた各受圧部32によって更に2つの圧力室に区画され
ている。そして、吸気側カムシャフト12の回転方向と
同方向側に形成された圧力室は遅角側油圧室14となっ
ており、また、前記回転方向と逆方向側に形成された圧
力室は進角側油圧室13となっている。
【0034】前記各油圧室13,14の内部には、後述
する各油圧通路P1,P2を通じて油が供給されるよう
になっており、ベーン29は、各油圧室13,14に供
給された油の油圧の大きさに応じて、吸気側カムシャフ
ト12の軸回りの双方向に回動可能となっている。
【0035】ここで、ベーン29が吸気側カムシャフト
12の回転方向と同方向(以下、この回転方向を「進角
回転方向」とする)に回転すると、同ベーン29が固定
された吸気側カムシャフト12の回転位相がドリブンギ
ヤ22に対して進められ、吸気バルブの開閉タイミング
(以下、「バルブタイミング」という)が早められる。
【0036】これに対して、ベーン29が吸気側カムシ
ャフト12の回転方向と逆方向(以下、この回転方向を
「遅角回転方向」とする)に回転すると、吸気側カムシ
ャフト12の回転位相がドリブンギヤ22に対して遅
れ、バルブタイミングが遅らされることとなる。
【0037】次に、図1及び図3を併せ参照して、前記
進角側油圧室13及び遅角側油圧室14に油を供給する
ための油圧通路を構成する進角側、遅角側油圧通路P
1,P2並びにこれら油圧通路P1,P2を通じて油を
供給するためのオイルポンプ15、前記油圧通路P1,
P2の途中に設けられたオイルコントロールバルブ(以
下、「OCV」という)16及びこのOCV16を制御
するECU18等について説明する。
【0038】シリンダヘッド17の内部には図示しない
進角側ヘッド油路及び遅角側ヘッド油路が形成されてお
り、各ヘッド油路はOCV16、オイルフィルタ55、
オイルポンプ15及びオイルストレーナ56を介してオ
イルパン57に接続可能となっている。エンジンの運転
に伴ってオイルポンプ15が駆動されると、オイルパン
57に貯留されている油はオイルストレーナ56を介し
てオイルポンプ15内に吸引されるとともに、同ポンプ
15から加圧されて吐出される。そして、吐出された油
はオイルフィルタ55を介してOCV16に供給され、
該OCV16によって上記各ヘッド油路へ選択的に圧送
されるようになる。
【0039】シリンダヘッド17の上端部及び吸気側カ
ムシャフト12の軸受部17aに支持される吸気側カム
シャフトジャーナル12aの外周部には、同ジャーナル
12aの周方向に延びる油溝58,59がそれぞれ形成
されている。
【0040】吸気側カムシャフト12の内部には、その
軸線方向に対して斜めに延びる遅角側シャフト油路61
が形成されている。この遅角側シャフト油路61の先端
側はベーン29により閉鎖されている。また、前記カム
シャフト12の外周部には遅角側周溝63が設けられて
おり、同カムシャフト12内部には、前記遅角側シャフ
ト油路61からこの遅角側周溝63に延びる遅角側油路
62が穿設されている。前記遅角側シャフト油路61と
前記遅角側周溝63とは、前記遅角側油路62によって
連通されている。
【0041】前記ドリブンギヤ22の内部には、4本の
遅角側供給油路64が設けられており、その基端側は前
記遅角側周溝63に連通されているとともに、先端側は
前記側板40に設けられた遅角側連通油路65を介して
それぞれ前記各遅角側油圧室14に連通される。
【0042】ジャーナル12aの内部には吸気側カムシ
ャフト12の径方向に延びる遅角側油孔60が形成され
ている。前記遅角側シャフト油路61は、この遅角側油
孔60によって前記一方の油溝59に通じており、同遅
角側シャフト油路61内には、前記油溝59及び前記遅
角側油孔60を介して遅角側ヘッド油路の油が供給され
るようになっている。従って、遅角側ヘッド油路から供
給される油は、前記油溝59、遅角側油孔60、遅角側
シャフト油路61、遅角側油路62、遅角側周溝63、
遅角側供給油路64、遅角側連通油路65を通じて前記
遅角側油圧室14に供給可能となる。
【0043】更に、吸気側カムシャフト12の内部に
は、その軸線方向に延びる進角側シャフト油路67が形
成されている。前記ベーン29の内部には進角側油路6
8が設けられており、その基端側は前記進角側シャフト
油路67に連通されているとともに、先端側は進角側環
状油路69に連通している。進角側油路68は、この進
角側環状油路69から径方向に延びる4本の進角側連通
油路70(図3)を介して前記各進角側油圧室13と連
通される。
【0044】ジャーナル12aの内部には吸気側カムシ
ャフト12の径方向に延びる進角側油孔66が形成され
ている。前記進角側シャフト油路67は、この進角側油
孔66によって前記他方の油溝58に通じており、同進
角側シャフト油路67内には、前記油溝58及び前記進
角側油孔66を介して進角側ヘッド油路の油が供給され
るようになっている。従って、進角側ヘッド油路から供
給される油は、前記油溝58、進角側油孔66、進角側
シャフト油路67、進角側油路68、進角側環状油路6
9、進角側連通油路70を通じて前記進角側油圧室13
に供給可能となる。
【0045】前記VVT機構11にあってはこのよう
に、進角側ヘッド油路、油溝58、進角側油孔66、進
角側シャフト油路67、進角側油路68、進角側環状油
路69及び進角側連通油路70によって進角側油圧通路
P1が構成され、また、遅角側ヘッド油路、油溝59、
遅角側油孔60、遅角側シャフト油路61、遅角側油路
62、遅角側周溝63、遅角側供給油路64及び遅角側
連通油路65によって遅角側油圧通路P2が構成されて
いる。そして本実施形態では、前記OCV16によって
前記各油圧通路P1,P2と、オイルポンプ15及びオ
イルパン57との連通状態を切り換えることによってオ
イルポンプ15から前記各油圧室13,14内へ油を供
給し、あるいは同各油圧室13,14内から油を排出し
てオイルパン57に戻すようにしている。
【0046】次に、このOCV16について詳述する。
図1に示すように、OCV16を構成するケーシング8
0は、第1〜第5のポート81〜85を有している。第
1のポート81は図示されない進角側ヘッド油路を介し
て前記油溝58に連通され、第2のポート82は同遅角
側ヘッド油路を介して前記油溝59に連通されている。
また、第3及び第4のポート83,84はオイルパン5
7に連通され、第5のポート85はオイルフィルタ55
を介してオイルポンプ15の吐出側に連通されている。
【0047】ケーシング80の内部には串形のスプール
86が設けられている。このスプール86は円柱状をな
す4つの弁体87を有しており、その軸方向に往復動可
能となっている。また、ケーシング80には、スプール
86を図1に示す第1の作動位置と、図4に示す第2の
作動位置との間で移動させるための電磁ソレノイド88
が設けられている。また、ケーシング80内にはスプリ
ング89が設けられており、このスプリング89により
スプール86は第1の作動位置側へ向けて付勢されてい
る。
【0048】前記OCV16は図1に示すECU18に
よって制御されるようになっている。このECU18に
はエンジン回転数NEを検出するための回転数センサ9
0、及び吸気圧力PMを検出するための吸気圧センサ9
1が接続されている。更に、ECU18には吸気側カム
シャフト12の回転位相を検出するためのクランク角セ
ンサ92及びカム角センサ93が接続されている。EC
U18は各センサ90〜93の検出信号に基づいて、エ
ンジンの運転状態を示すエンジン回転数NE及び吸気圧
力PMと、吸気側カムシャフト12の回転位相を検出す
るようになっている。そして、ECU18は、吸気側カ
ムシャフト12における実変位角度と、エンジンの運転
状態に適合する目標変位角度との偏差を判断し、同偏差
が所定の基準偏差以下となるように前記OCV16及び
VVT機構11を制御する。
【0049】次に図1、図3及び図5を併せ参照して進
角側・遅角側両油圧室間の油のシール構造について説明
する。なお、図5は図3の5−5線に沿った部分断面図
である。
【0050】前述のように、前記ドリブンギヤ22はカ
バー30及び側板40共々一体に連結されたハウジング
28とボルト53及びノックピン51によって一体回転
するように構成され、一方前記ベーン29はボルト54
及びノックピン52によって前記吸気側カムシャフト1
2と一体回転するように構成されている。
【0051】図1、図5に示すように、ベーン29にお
ける各受圧部32の外周部及びハウジング28における
各突状部33にはそれぞれ、断面矩形状をなす溝35
a,35bが形成され、この溝35a,35b内には各
々板バネ37a,37bによって外周側及び内周側に向
けてそれぞれ付勢されるシール部材36a,36bが配
設されている。そして、このシール部材36a,36b
によって受圧部32の外周面とハウジング28の内周面
及び突状部33の内周面とベーン29の外周面との間が
シールされ、上記進角側油圧室13及び遅角側油圧室1
4間での油の移動が規制されるようになっている。
【0052】また前述のように、ベーン29は油圧制御
によって、このハウジング28内を上記吸気側カムシャ
フト12と共に回動することとなるが、図3及び図5に
示すように同ベーン29にはロックピン43が設けてあ
り、エンジン始動時等、油圧制御が行われない状態にあ
っては、このロックピン43によって、これらベーン2
9とハウジング28との相対回転を禁止するようにして
いる。以下では、このロックピン43及びその周辺構造
について説明する。
【0053】同図5に示すように、ベーン29の一部に
は吸気側カムシャフト12の軸方向に延びる断面円形状
のピン孔42が形成されている。このピン孔42は、そ
の途中に段差部42aを有しており、同段差部42aよ
り先端側(図5の左側)の部分が拡径された形状となっ
ている。ロックピン43は略有底円筒状を呈しており、
その先端側の外周側面には拡径部43aが形成されてい
る。ロックピン43は、その外周側面の拡径部43aが
ピン孔42の拡径された内周側面に摺接した状態で、吸
気側カムシャフト12の軸方向に移動可能となってい
る。
【0054】また、ロックピン43の内部には軸方向に
延びる内部穴45が形成されており、同穴45内にはス
プリング46が配設されている。ロックピン43は、こ
のスプリング46により吸気側カムシャフト12の基端
側に向けて付勢されている。前記内部穴45の内周壁
面、ピン孔42の内周側面及び同ピン孔42の底部42
cによって覆われた空間によって背圧室42bが形成さ
れている。
【0055】一方、前記ピン孔42において拡径された
部分の内周側面と、前記ロックピン43の外周側面の拡
径部43aとによって囲まれた環状の空間により、ロッ
クピン43の係止状態を解除するための油圧室44が形
成されている。この油圧室44は、図3に示すように、
前記ベーン29の受圧部32側部に形成されている圧力
油路71によってVVT機構11の遅角側油圧室14の
一つと連通されており、同油圧室44内には遅角側油圧
室14内の油の一部が移動して供給可能となっている。
【0056】また、前記側板40にはロックピン43の
基端面に対向する位置に係止孔41が形成されており、
更にドリブンギヤ22のこの係止孔41に対向する位置
にはロックピン43の係止状態を解除するための油圧室
47が形成されている。この油圧室47は、図3に示す
ように、前記側板40に形成されている圧力油路72に
よってVVT機構11の進角側油圧室13の一つと連通
されており、同油圧室47内には進角側油圧室13内の
油の一部が移動して供給可能となっている。
【0057】ロックピン43が上記係止孔41に嵌入し
て係止されることにより、ベーン29とハウジング2
8、すなわちドリブンギヤ22との相対回転が規制され
る。その結果、吸気側カムシャフト12はドリブンギヤ
22と一体的に回転するようになる。そして、このよう
なロックピン43を設けたことで、エンジン始動時等、
バルブタイミング変更機構11の作動が不安定な状態に
あることに起因する異音等の発生も回避されるようにな
ることは前述した通りである。
【0058】また、上記両油圧室44,47に供給され
る油圧の作用によりロックピン43を振動させることな
くその係止状態の解除等を行うことができることも前述
した。
【0059】図6は図3の6−6線に沿った断面図であ
り、同図6(a)は前記ロックピン43の係止状態を、
また図6(b)は同ロックピン43の解除状態を示して
いる。
【0060】図6に示されるように、本実施形態におい
ては、上記ロックピン43の嵌入部分に連通路73を設
けている。この連通路73は、前記圧力油路72を介し
て進角側油圧室13と前記油圧室47とを連通してい
る。従って同連通路73によれば、油圧のかからない状
態においてスプリング46の付勢力により排除された油
圧室47内の油が上記ロックピン43の係止孔への嵌入
を妨げることを好適に抑制することができるようにな
る。
【0061】また、ロックピン43の径方向に形成され
る面穴73aは、図6(b)に示すように、ロックピン
43による係止が解除された状態においてはピン孔42
の小径部42dにより閉鎖される構造となっている。従
ってこの連通路73は、ロックピン43の嵌入完了時及
び解除初期においてのみ上記圧力油路72と連通される
ようになる。また、ロックピン43の係止解除時には、
上記連通路73を介して前記油圧室47に進角側油圧室
13内の油圧が供給される。
【0062】因みに従来は、たとえ油圧作用が停止され
る場合であっても、ロックピン43が嵌入される係止孔
41側には油またはエアーが残存していることが多く、
このロックピン43と係止孔41とにより閉鎖された空
間に残存する油またはエアーがロックピン43の嵌入の
弊害となることがあった。即ち、例えばエンジンの停止
直前等、ロックピン43が係止孔41に嵌入されるべき
ときに、その嵌入が不完全となって同ロックピン43に
よる十分な係止が行われなかったり、あるいは、装置の
振動等による上記閉鎖空間での圧縮作用による圧力変動
により解除方向の挙動が生じ、ロックピン43の意図し
ない解除が行なわれる可能性が生じるなどの不都合が生
じることがあった。また、このようにロックピン43に
よる係止が解除された状態で、エンジンの始動に伴う前
記カムシャフト12からのトルクがバルブタイミング変
更機構11に伝わる場合には、ベーン29の受圧部32
とハウジング28の突状部33との衝突による打音が発
生することもあった。
【0063】しかし、本実施形態においては上述のよう
に、ロックピン43に設けられた連通路73により、油
圧のかからない状態においてスプリング46の付勢力に
より排除された油圧室47内の油またはエアーが上記ロ
ックピン43の係止孔41への嵌入を妨げることが抑制
される。また、ロックピン43の径方向に形成される面
穴73aは、同ロックピン43による係止が解除された
状態においてピン孔42の小径部42dにより閉鎖され
るため、同連通路73は、ロックピン43の嵌入完了時
及び解除初期においてのみ圧力油路72と連通されるよ
うになる。更に、ロックピン43の係止解除時には、上
記連通路73を介して前記油圧室47に進角側油圧室1
3内の油圧が供給されるため、ロックピン43の解除性
も向上する。
【0064】なおこの際、前記ECU18においては、
本実施形態ではエンジンのアイドリング時及び無負荷レ
ーシング時には進角側油圧室13に油圧を供給すること
を禁止するよう制御するとする。また、イグニッション
スイッチのオフに伴うエンジンの停止時には遅角側油圧
室14にのみ油を供給し、進角側油圧室13、圧力油路
72及び油圧室47の油を排出するように制御するとす
る。
【0065】このような制御によれば、エンジン始動時
には、ロックピン43に対して、ロックピン43を解除
しようとする期待されない油気圧変動を緩和することが
可能で、油中にエアーが混入した場合においても、エン
ジンのアイドリング状態にある間、更に無負荷レーシン
グ状態にある間はロックピン43が解除されることはな
い。また、イグニッションスイッチオフ時の油圧のかか
らない状態での係止孔41内の油によるロックピン43
の嵌入の妨げは緩和され、より期待される位置でのロッ
クピン43の係止が確実となる。上記によりベーン29
の受圧部32とハウジング28の突状部33との衝突に
よる打音の発生は防止される。
【0066】(第2実施形態)次に、図7を参照して、
本発明の第2の実施形態について前記第1の実施形態と
の違いを中心に説明する。
【0067】図7(a)は前記ロックピン43の係止状
態を、また図7(b)は同図7(a)のb−b線に沿っ
た断面図を示している。本実施形態においては、同図7
に示されるように、前記進角側油圧室13と油圧室47
を連通するための連通路74が前記係止孔41への溝と
して形成されている。またこの溝(連通路)74は、同
係止孔41においてVVT機構11の回転方向に対し法
線方向側に設けられている。
【0068】従って、この連通路74によっても上記第
1の実施形態と同様、油圧のかからない状態においてス
プリング46の付勢力により排除された油圧室47内の
油が上記ロックピン43の係止孔41への嵌入を妨げる
ことが抑制されるようになる。また、ロックピン43の
係止解除時には、上記連通路74を介して前記油圧室4
7に進角側油圧室13内の油圧が供給されるため、ロッ
クピン43の解除性も向上する。更に、同連通路74は
前記係止孔41においてVVT機構11の回転方向に対
し法線方向側に設けられていることから、該係止孔41
内へのスラッジの堆積等も好適に防止されるようにな
る。
【0069】そして本実施形態においても、前記ECU
18はエンジンのアイドリング時及び無負荷レーシング
時には進角側油圧室13に油圧を供給することを禁止す
るよう制御するとする。また、イグニッションスイッチ
のオフに伴うエンジンの停止時には遅角側油圧室14に
のみ油を供給し、進角側油圧室13、圧力油路72及び
油圧室47の油を排出するように制御するとする。
【0070】このような制御によれば、エンジン始動時
には、ロックピン43に対して、ロックピン43を解除
しようとする期待されない油気圧変動を緩和することが
可能で、油中にエアーが混入した場合においても、エン
ジンのアイドリング状態にある間、更に無負荷レーシン
グ状態にある間はロックピン43が解除されることはな
い。また、イグニッションスイッチオフ時の油圧のかか
らない状態での係止孔41内の油によるロックピン43
の嵌入の妨げは緩和され、より期待される位置でのロッ
クピン43の係止が確実となる。上記によりベーン29
の受圧部32とハウジング28の突状部33との衝突に
よる打音の発生は防止される。
【0071】(第3実施形態)次に、図8を参照して、
本発明の第3の実施形態について前記第1の実施形態と
の違いを中心に説明する。
【0072】図8(a)は前記ロックピン43の係止状
態を、また図8(b)は同図8(a)のb−b線に沿っ
た断面図を示している。本実施形態においては、同図8
に示されるように、前記進角側油圧室13と油圧室47
を連通するための連通路75が前記ロックピン43への
溝として形成されている。またこの溝(連通路)75
は、同ロックピン43においてVVT機構11の回転方
向に対し法線方向側に設けられている。
【0073】従って、この連通路75によっても上記第
1の実施形態と同様、油圧のかからない状態においてス
プリング46の付勢力により排除された油圧室47内の
油が上記ロックピン43の係止孔41への嵌入を妨げる
ことが抑制されるようになる。また、ロックピン43の
係止解除時には、上記連通路75を介して前記油圧室4
7に進角側油圧室13内の油圧が供給されるため、ロッ
クピン43の解除性も向上する。更に、同連通路75は
前記ロックピン43においてVVT機構11の回転方向
に対し法線方向側に設けられていることから、該係止孔
41内へのスラッジの堆積等も好適に防止されるように
なる。
【0074】そして本実施形態においても、前記ECU
18はエンジンのアイドリング時及び無負荷レーシング
時には進角側油圧室13に油圧を供給することを禁止す
るよう制御するとする。また、イグニッションスイッチ
のオフに伴うエンジンの停止時には遅角側油圧室14に
のみ油を供給し、進角側油圧室13、圧力油路72及び
油圧室47の油を排出するように制御するとする。
【0075】このような制御によれば、エンジン始動時
には、ロックピン43に対して、ロックピン43を解除
しようとする期待されない油気圧変動を緩和することが
可能で、油中にエアーが混入した場合においても、エン
ジンのアイドリング状態にある間、更に無負荷レーシン
グ状態にある間はロックピン43が解除されることはな
い。また、イグニッションスイッチオフ時の油圧のかか
らない状態での係止孔41内の油によるロックピン43
の嵌入の妨げは緩和され、より期待される位置でのロッ
クピン43の係止が確実となる。上記によりベーン29
の受圧部32とハウジング28の突状部33との衝突に
よる打音の発生は防止される。
【0076】以上のように構成された本実施形態の作用
並びに効果について、以下に総括する。 (a)第1の実施形態においては、上記ロックピン43
の嵌入部分に連通路73を設けている。この連通路73
は、前記圧力油路72を介して進角側油圧室13と前記
油圧室47とを連通している。
【0077】また、ロックピン43の径方向に形成され
る面穴73aは、ロックピン43による係止が解除され
た状態においてはピン孔42の小径部42dにより閉鎖
される構造となっている。
【0078】従って、本実施形態によれば、次のような
効果が奏せられることとなる。第1に、ロックピン43
に設けられた連通路73は前記圧力油路72を介して進
角側油圧室13と前記油圧室47とを連通している。こ
のため、油圧作用が停止される場合に、ロックピン43
が嵌入される係止孔41側に残存する油またはエアーに
よる上記ロックピン43の嵌入の弊害が抑制される。即
ち、例えばエンジンの停止直前等、ロックピン43が係
止孔41に嵌入されるべきときに、その嵌入が不完全と
なって同ロックピン43による十分な係止が行われなか
ったり、あるいは、装置の振動等による上記閉鎖空間で
の圧縮作用による圧力変動により解除方向の挙動が生
じ、ロックピン43の意図しない解除が行なわれる可能
性が生じるなどの不都合が抑制される。また、このよう
に誤ってロックピン43による係止が解除された状態
で、エンジンの始動に伴う前記カムシャフト12からの
トルクがバルブタイミング変更機構11に伝わる場合に
おいて生じる、ベーン29の受圧部32とハウジング2
8の突状部33との衝突による打音の発生も防止され
る。
【0079】第2に、ロックピン43の径方向に形成さ
れる面穴73aは、同ロックピン43による係止が解除
された状態においてピン孔42の小径部42dにより閉
鎖されるため、同連通路73は、ロックピン43の嵌入
完了時及び解除初期においてのみ圧力油路72と連通さ
れるようになる。
【0080】第3にロックピン43の係止解除時には、
上記連通路73を介して前記油圧室47に進角側油圧室
13内の油圧が供給されるため、ロックピン43の解除
性も向上する。
【0081】(b)第2の実施形態においては、前記進
角側油圧室13と油圧室47を連通するための連通路7
4が前記係止孔41への溝として形成されている。また
この溝(連通路)74は、同係止孔41においてVVT
機構11の回転方向に対し法線方向側に設けられてい
る。
【0082】従って、本実施形態によれば、次のような
効果が奏せられることとなる。第1に、前記係止孔41
への溝として形成されている連通路74は前記圧力油路
72を介して進角側油圧室13と前記油圧室47とを連
通している。このため、油圧作用が停止される場合に、
ロックピン43が嵌入される係止孔41側に残存する油
またはエアーによる上記ロックピン43の嵌入の弊害が
抑制される。即ち、例えばエンジンの停止直前等、ロッ
クピン43が係止孔41に嵌入されるべきときに、その
嵌入が不完全となって同ロックピン43による十分な係
止が行われなかったり、あるいは、装置の振動等による
上記閉鎖空間での圧縮作用による圧力変動により解除方
向の挙動が生じ、ロックピン43の意図しない解除が行
なわれる可能性が生じるなどの不都合が抑制される。ま
た、このように誤ってロックピン43による係止が解除
された状態で、エンジンの始動に伴う前記カムシャフト
12からのトルクがバルブタイミング変更機構11に伝
わる場合において生じる、ベーン29の受圧部32とハ
ウジング28の突状部33との衝突による打音の発生も
防止される。
【0083】第2に、ロックピン43の係止解除時に
は、上記連通路74を介して前記油圧室47に進角側油
圧室13内の油圧が供給されるため、ロックピン43の
解除性も向上する。
【0084】第3に前記連通路74は前記係止孔41に
おいてVVT機構11の回転方向に対し法線方向側に設
けられていることから、該係止孔41内へのスラッジの
堆積等も好適に防止されるようになる。
【0085】(c)第3の実施形態においては、前記進
角側油圧室13と油圧室47を連通するための連通路7
5が前記ロックピン43への溝として形成されている。
またこの溝(連通路)75は、同ロックピン43におい
てVVT機構11の回転方向に対し法線方向側に設けら
れている。
【0086】従って、本実施形態によれば、次のような
効果が奏せられることとなる。第1に、前記ロックピン
43への溝として形成されている連通路75は前記圧力
油路72を介して進角側油圧室13と前記油圧室47と
を連通している。このため、油圧作用が停止される場合
に、ロックピン43が嵌入される係止孔41側に残存す
る油またはエアーによる上記ロックピン43の嵌入の弊
害が抑制される。即ち、例えばエンジンの停止直前等、
ロックピン43が係止孔41に嵌入されるべきときに、
その嵌入が不完全となって同ロックピン43による十分
な係止が行われなかったり、あるいは、装置の振動等に
よる上記閉鎖空間での圧縮作用による圧力変動により解
除方向の挙動が生じ、ロックピン43の意図しない解除
が行なわれる可能性が生じるなどの不都合が抑制され
る。また、このように誤ってロックピン43による係止
が解除された状態で、エンジンの始動に伴う前記カムシ
ャフト12からのトルクがバルブタイミング変更機構1
1に伝わる場合において生じる、ベーン29の受圧部3
2とハウジング28の突状部33との衝突による打音の
発生も防止される。
【0087】第2に、ロックピン43の係止解除時に
は、上記連通路75を介して前記油圧室47に進角側油
圧室13内の油圧が供給されるため、ロックピン43の
解除性も向上する。
【0088】第3に前記連通路75は前記ロックピン4
3においてVVT機構11の回転方向に対し法線方向側
に設けられていることから、該係止孔41内へのスラッ
ジの堆積等も好適に防止されるようになる。
【0089】実施の形態は上記に限定されるものではな
く、次のように変更してもよい。 (1)上記実施形態では、ロックピン43を側板40に
設けられた係止孔41に嵌入することによりベーン29
及びハウジング28間の相対回転を禁止しているが、こ
の係止孔41をカバー30に設けてロックピン43をカ
バー側に付勢してもよい。この場合においても、係止孔
41またはロックピン43に前記連通路73,74,7
5を設けることにより、油圧のかからない状態において
スプリング46の付勢力により排除された油圧室47内
の油またはエアーが上記ロックピン43の係止孔41へ
の嵌入を妨げることが抑制され、またロックピン43の
係止解除時には、上記連通路73,74,75を介して
前記油圧室47に進角側油圧室13内の油圧が供給され
るため、ロックピン43の解除性も向上する。
【0090】(2)上記実施形態では、ロックピン43
を付勢するためにスプリング46を用いたが、ロックピ
ン43を付勢することができるものであれば、スプリン
グ46に代えて板バネ等を用いてもよい。
【0091】(3)上記実施形態では、ベーン29の受
圧部32の1つにロックピン43を備える構成とした。
これに対して、2つ以上の受圧部32にそれぞれロック
ピン43を備えた構成としてもよい。
【0092】(4)上記実施形態では、ロックピン43
を円筒状に形成したが、ロックピン43の形状は任意に
変更してもよい。 (5)上記実施形態では、ベーン29に4つの受圧部3
2を形成した。これに対して、受圧部32を3つ以下、
或いは5つ以上有した構成とすることもできる。この場
合においても、少なくとも受圧部32の1つにロックピ
ン43を備えた構成とする。
【0093】(6)上記実施形態では、ハウジング28
とドリブンギヤ22、ベーン29と吸気側カムシャフト
12をそれぞれ一体回転させることによりバルブタイミ
ングを変更したが、これをハウジング28と吸気側カム
シャフト12、ベーン29とドリブンギヤ22をそれぞ
れ一体回転させることによりバルブタイミングを変更す
る構造としてもよい。
【0094】(7)上記実施形態において、ドリブンギ
ア22をスプロケットに変更するとともに、同スプロケ
ットにタイミングチェーンが掛装される構成にVVT機
構11としてもよい。
【0095】(8)上記実施形態では、排気側カムシャ
フト23がクランクシャフトにより駆動され、吸気側カ
ムシャフト12の回転位相を変更可能とした。これに対
して、排気側カムシャフト23に設けられるプーリ26
を吸気側カムシャフト12に基端側に設け、同プーリ2
6をベルト27を介してクランクシャフトに接続する構
成としてもよい。この構成によれば、吸気側カムシャフ
ト12がクランクシャフトにより駆動され、ギア22,
24を介して排気側カムシャフト23の回転位相が変更
される。
【0096】(9)上記実施形態では、吸気バルブのバ
ルブタイミングを変更するようにした。これに対して、
排気側カムシャフト23にVVT機構11を設け、排気
バルブのバルブタイミングを変更するようにしてもよ
い。更に、VVT機構11を吸気側カムシャフト12及
び排気側カムシャフト23の双方に設け、吸気バルブ及
び排気バルブの双方のバルブタイミングを変更するよう
にしてもよい。
【0097】
【発明の効果】以上詳述したように 請求項1記載の発
明では、上記連通路を介して上記閉鎖空間内のエアーま
たは液を外部に排出できるため、上記ロック手段を構成
する移動体の係止穴への嵌入性が大幅に向上し、液圧解
除時における上記第1及び第2回転体の係止を確実なら
しめることができる。
【0098】請求項2記載の発明では、ロック手段によ
る係止解除時、上記連通路を介して上記圧力室に液圧を
供給できるため、同ロック手段の解除性を向上すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるバルブタイミング制御装置の
第1の実施形態を示す断面図。
【図2】同実施形態の動弁構造を示す平面図。
【図3】図1の3−3線に沿った断面図。
【図4】OCVの作動状態の一例を示す部分断面図。
【図5】図3の5−5線に沿った断面図。
【図6】図3の6−6線に沿った部分断面図。
【図7】この発明にかかるバルブタイミング制御装置の
第2の実施形態を示す部分断面図。
【図8】この発明にかかるバルブタイミング制御装置の
第3の実施形態を示す部分断面図。
【図9】VVT機構の一例を示す部分断面図。
【図10】図9の10−10線に沿った断面図。
【符号の説明】
11…VVT機構、12…吸気側カムシャフト、13…
進角側油圧室、14…遅角側油圧室、28…ハウジン
グ、29…ベーン、30…ハウジングカバー、32…受
圧室、40…側板、41…係止孔、42…ピン孔、43
…ロックピン、44,47…油圧室、45…内部穴、4
6…スプリング、73,74,75…連通路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の回転軸心を有して内燃機関の出力
    軸及び同機関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一
    方及び他方に連結された第1及び第2の回転体を備える
    とともに、前記第1の回転体に形成された凹部を前記第
    2の回転体に形成されたベーンにて区画することにより
    ベーンの両側に第1及び第2の液室を形成し、該形成し
    た液室に対する液圧制御に基づき前記第1及び第2の回
    転体を相対回転させて前記機関出力軸と前記カムシャフ
    トとの相対回転位相を変更し、前記バルブの開閉タイミ
    ングを可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装
    置において、 付勢手段による付勢力に基づく移動体の係止穴への嵌入
    によって前記第1及び第2の回転体を所定の回転位相に
    係止するロック手段と、 前記付勢手段による付勢力に抗して前記ロック手段によ
    る係止を解除するための液圧を同ロック手段の前記係止
    穴に付与する圧力室と、 前記移動体の前記係止穴への嵌入によって同係止穴内に
    形成される閉鎖空間と外部とを連通する連通路と、 を備えることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング
    制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置において、 前記ロック手段による係止を解除するための前記圧力室
    に対する液圧の付与は前記連通路を介して行われること
    を特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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