JPH101584A - 硬質塩化ビニルシート - Google Patents

硬質塩化ビニルシート

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JPH101584A
JPH101584A JP15647396A JP15647396A JPH101584A JP H101584 A JPH101584 A JP H101584A JP 15647396 A JP15647396 A JP 15647396A JP 15647396 A JP15647396 A JP 15647396A JP H101584 A JPH101584 A JP H101584A
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Japan
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vinyl chloride
compound
acid
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chloride resin
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JP15647396A
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Hiroshi Sugano
宏 菅野
Shigeru Maeda
繁 前田
Masao Kimata
正雄 木俣
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱持続性、初期着色性共に良好な熱安定性
に優れた硬質塩化ビニルシートであって、加工生産機の
大型化、高速化に対応し、さらに、透明性、加工性、衛
生性に優れた包装材料用の硬質塩化ビニルシートを提供
する。 【解決手段】 塩化ビニル樹脂、カルシウムの化合物、
亜鉛の化合物、エポキシ化植物油、β−ジケトン化合物
及びエステル系化合物からなる硬質塩化ビニルシートで
あり、塩化ビニル樹脂の平均重合度が600〜900で
あり、エステル系化合物がペンタエリスリトールと炭素
原子数11〜20の高級脂肪酸と炭素原子数4〜6の飽
和二塩基酸との混合エステルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種所定の形状に
加工されたのち使用される食品、医薬品等の包装材料用
の硬質塩化ビニルシートに関するものである。さらに詳
しくは、熱安定性に優れ、加工生産機の大型化、高速化
に対応し、さらに、透明性、加工性、衛生性に優れた包
装材料用の硬質塩化ビニルシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニルのような含ハロゲン樹脂は、
加熱成形加工を行う際に、主として脱ハロゲン化水素に
起因する熱分解を起こしやすく、このために加工製品の
機械的性質の劣化、色調の悪化を生じ、著しい不利益を
招く。かかる不利益を避けるために一種または数種の熱
安定剤を該合成樹脂に添加し、加工工程における劣化を
抑制する必要がある。このような目的で、鉛、カドミウ
ム、バリウム、亜鉛等の金属化合物の組み合わせに、有
機リン酸エステル、フェノール系化合物、エポキシ系化
合物を添加した熱安定剤が使用されてきた。しかし、
鉛、カドミウム、バリウム等の金属は毒性が強く、これ
らを使用した塩化ビニル樹脂の加工製品の使用後の廃棄
物処理等に種々の問題が生じている。
【0003】従って、鉛、カドミウム、バリウム系の金
属化合物安定剤を使用しないカルシウム/亜鉛系の金属
化合物の組み合わせに、有機リン酸エステル、フェノー
ル系化合物、エポキシ系化合物を添加した熱安定剤が使
用されてきているが、脱ハロゲン化水素に起因する熱分
解、これに伴う耐熱持続性及び初期着色(加工時の熱履
歴において初期に色が付く現象)防止性が鉛、カドミウ
ム、バリウム系の金属化合物安定剤を含有した安定剤に
比較して劣るという大きな欠点があった。これらの欠点
を解決するために、カルシウム/亜鉛系の金属化合物安
定剤に、下記一般式で表されるβ−ジケトン化合物が熱
安定剤、特に初期着色防止剤として使用され効果を上げ
ている(特公昭52−47948)。 R−CO−CHX−CO−R (式中、Xは水素原子又は1〜2のアルキル基を、Rは
アルキル基又はアリール基を示す)
【0004】しかし、近年のカレンダー設備の大型化、
高速化によりカルシウム/亜鉛系の金属化合物安定剤や
その他有機リン酸エステル、フェノール系化合物、エポ
キシ系化合物、ジケトン化合物等の安定化助剤の組み合
わせのみでは熱安定性が不足であり、耐熱持続性及び初
期着色防止性が劣り製品中に塩化ビニル樹脂の熱分解物
が混入したり、製品の色調や物性が劣化し生産に大きな
支障をきたしたため、近年の設備に対応できる熱安定性
の良い配合処方の硬質塩化ビニルシートが望まれてい
た。一方、亜鉛化合物は塩化ビニル樹脂の熱履歴によっ
て発生した塩化水素を有効に捕捉することより初期着色
が少ないという効果を有するが、ここで発生する塩化亜
鉛が触媒となりさらなる脱塩化水素反応を引き起こす、
いわゆるジンクバーニング現象と称される急激な熱分解
を生じ、短時間のうちに黒変、分解し耐熱持続性が悪く
なる課題があった。
【0005】このジンクバーニングの課題はマンニトー
ル、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエ
リスリトール等の多価アルコールやハイドロタルサイ
ト、ゼオライト、カルシウムやマグネシウム等の酸化物
や水酸化物などの無機塩で代表される補助安定剤を添加
することにより解決される。しかし、多価アルコール物
質は安定化時間が比較的短く、また初期着色防止に極め
て有効な亜鉛化合物をその構造内に取り込み初期着色防
止効果を阻害する傾向がある。その中でペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトールは比較的有効であるが
自身の昇華性によりカレンダーロールや冷却ロールなど
の生産機器を著しく汚すという欠点があり量産すること
ができない。また、無機塩で代表される補助安定剤は製
品を白濁する傾向があり、その添加量に制限があるなど
種々の制約があり満足のいく補助安定剤が存在しなかっ
た。
【0006】塩化ビニル樹脂シートは、カレンダー圧延
加工により作製されるが、添加される滑剤として主にス
テアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸化合物が使用さ
れる。しかし、高級脂肪酸化合物はカルボン酸基を持っ
た酸系の滑剤であるため、カルボン酸が安定剤としての
金属化合物と反応し赤く着色したり、塩化水素の捕捉効
果を損ない初期着色を悪くするという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のこのよ
うな問題点を解決するため、鋭意検討の結果なされたも
ので、その目的とするところは、耐熱持続性、初期着色
性共に良好な熱安定性に優れた硬質塩化ビニルシートで
あって、加工生産機の大型化、高速化に対応し、さら
に、透明性、加工性、衛生性に優れた包装材料用の硬質
塩化ビニルシートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル樹
脂100重量部に対し、カルシウムの化合物0.01〜
1重量部、亜鉛の化合物0.01〜1重量部、エポキシ
化植物油0.1〜5重量部、β−ジケトン化合物0.0
1〜1重量部及びエステル系化合物0.05〜0.5重
量部を添加した組成物からなる硬質塩化ビニルシートで
あり、更に好ましい態様は、該塩化ビニル樹脂の平均重
合度が600〜900であり、該エステル系化合物がペ
ンタエリスリトールと炭素原子数11〜20の高級脂肪
酸と炭素原子数4〜6の飽和二塩基酸との混合エステル
であり、JIS K6734の柔軟温度試験による測定
で柔軟温度が50〜80℃であり、シートの厚みが0.
05〜1.0mmである硬質塩化ビニルシートである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳細に説明する
と、本発明の硬質塩化ビニルシートにおいて主成分とし
て配合される塩化ビニル樹脂は、平均重合度が600〜
900のものである。これが900を超えるものでは、
可塑剤を添加しないと加工性が悪く、そのために可塑剤
を多量に添加すると柔軟温度の低下をもたらす。他方、
600未満のものでは、成形されたシートの耐熱性が低
下して所定の形状に成形したのち成形戻り等の不具合を
生じるほか、フィルムが柔らかくなる、カット性が低下
するなどの作業性が低下する。ポリ塩化ビニル樹脂とし
ては、塩化ビニルホモポリマーのほか、それぞれ塩化ビ
ニルを80%以上含有する、塩化ビニルと共重合可能な
ビニル系単量体との共重合体、塩化ビニルと各種重合体
またはポリ塩化ビニルとビニル系単量体とのグラフト重
合体、後塩素化塩化ビニル重合体及びこれらの混合物が
包含され、これらは塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶
液重合等のいずれの方法によって製造されたものも含ま
れる。
【0010】共重合またはグラフト重合に用いられるビ
ニル系単量体としては、エチレン、プロピレン等のオレ
フィン類、塩化ビニリデン、フッ化ビニリ等の塩化ビニ
ルを除くハロゲン化オレフィン類、酢酸ビニル、ラウリ
ン酸ビニル等のビニルエステル類、2−エチルヘキシル
ビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等のアルキル
ビニルエーテル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル等のアクリル酸またはそのエステル類、
メタクリル酸、メテクリル酸メチル、メテクリル酸2−
エチルヘキシル等のメテクリル酸またはそのエステル
類、マレイン酸またはそのエステル類、無水マレイン
酸、アクリロニトリル、スチレン等のアクリル系誘導
体、N−t−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマ
レイミド等のN−置換マレイミド類が挙げられ、これら
は単独または2種以上の組み合わせで用いられる。塩化
ビニルとグラフト重合し得る重合体としては、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共
重合体、塩素化ポリエチレン、ポリウレタン、ポリブタ
ジエン・スチレン・メチルメタクリレート共重合体、ポ
リブタジエン・アクリロニトリル・(α−メチル)スチ
レン共重合体、ポリブチルアクリレート、ブチルゴム、
ポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体、架橋ア
クリルゴム等が例示される。
【0011】カルシウム化合物としては、カルシウムの
炭酸塩、ケイ酸塩、グリセロリン酸塩、酢酸塩、プロピ
オン酸塩、ヘプタン酸塩、2−エチルヘキシル酸塩、ス
テアリン酸塩等のC8〜C22までの高級脂肪酸塩、12
−ヒドロキシステアリン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、グ
ルコン酸塩、ソルビン酸塩、ロジン酸塩、アセト酢酸エ
チル塩、安息香酸塩、イソデカン酸塩、ナフテン酸塩、
水酸化物等が挙げられる。カルシウム化合物の添加量は
塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.01〜1重量
部が適当である。さらに好ましくは、0.05〜0.5
重量部の割合で使用されるが、添加量が0.01重量部
未満ではジンクバーニング現象の抑制効果がなく、逆に
1重量部を超えると白濁する傾向があり、初期着色の問
題も出てくる。
【0012】亜鉛の化合物としては、亜鉛の炭酸塩、オ
ルソリン酸塩、ヘプタン酸塩、2−エチルヘキシル酸
塩、ステアリン酸塩等のC8〜C22までの高級脂肪酸
塩、ロジン酸塩、ジブチルジチオカルバミン酸塩、イソ
デカン酸塩、ネオデカン酸塩、ナフテン酸塩等が挙げら
れる。亜鉛化合物の添加量は塩化ビニル樹脂100重量
部に対して0.01〜1重量部が適当である。さらに好
ましくは、0.05〜0.5重量部の割合で使用される
が、添加量が0.01重量部未満では初期着色が悪く、
逆に1重量部を超えるとジンクバーニング現象が起こり
耐熱持続性が悪くなる。
【0013】エポキシ化植物油としては、エポキシ化ア
マニ油、エポキシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ油、エポ
キシ化サフラワー油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチ
ル、エポキシステアリン酸オクチル、3−(2−キセノ
キシ)−1,2−エポキシプロパン、エポキシ化ポリブ
タジエン、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−n−オ
クチル等が挙げられる。エポキシ化植物油の添加量は塩
化ビニル樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部が
適当である。さらに好ましくは、0.5〜4重量部の割
合で使用されるが、添加量が0.1重量部未満では塩化
ビニル樹脂の流動性悪く、カレンダー加工性に支障をき
たす。逆に5重量部を超えると得られた硬質塩化ビニル
シートの柔軟温度の低下が起こり、剛性が低くなりシー
トの成形性や加工性の問題がある。
【0014】β−ジケトン化合物としては、ステアロイ
ルベンゾイルメタンやパルミトイルベンゾイルメタンが
挙げられる。β−ジケトン化合物の添加量は塩化ビニル
樹脂100重量部に対して0.01〜1重量部が適当で
ある。さらに好ましくは、0.05〜0.5重量部の割
合で使用されるが、添加量が0.01重量部未満では初
期着色防止効果がなく、逆に1重量部を超えると増量す
ることによる添加の改良効果がなくなる。
【0015】ペンタエリスリトールと炭素原子数11〜
20の高級脂肪酸と炭素原子数4〜6の飽和二塩基酸と
の混合エステルは、いわゆる滑剤として使用されるもの
で、その添加量は塩化ビニル樹脂100重量部に対して
0.05〜0.5重量部が適当である。さらに好ましく
は、0.1〜0.4重量部の割合で使用されるが、添加
量が0.05重量部未満では滑剤としての効果が充分で
なく、0.5重量部を超えると白濁を生じ、ブリード、
ブルームを起こしやすい。混合エステル中の高級脂肪酸
と飽和二塩基酸との成分比は、高級脂肪酸6〜12モル
に対し飽和二塩基酸1〜4モル、特には高級脂肪酸6〜
8モルに対し飽和二塩基酸1〜2モルが滑性が安定して
いて好ましい。高級脂肪酸と飽和二塩基酸の炭素原子数
としてはそれぞれ11未満及び4未満では滑性効果がな
く、逆に多すぎると、すなわち高級脂肪酸の炭素原子数
が20を超えるかまたは飽和二塩基酸の炭素原子数が6
を超えると白濁を生じ、ブリード、ブルームを起こしや
すい。したがって、高級脂肪酸と飽和二塩基酸の炭素原
子数としてはそれぞれ11〜20及び4〜6が望まし
い。炭素原子数11〜20の高級脂肪酸としては、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、ウンデカン酸、トリデカン酸、
ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、マーガ
リン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリ
ン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、リノレ
イン酸、n−ヘンエイコサン酸、ベヘニン酸、n−トリ
コサン酸、アラキドン酸等が挙げられ、これらは1種ま
たは2種以上の組み合わせで使用される。炭素原子数4
〜6の飽和二塩基酸としては、アジピン酸、コハク酸、
グルタン酸などが挙げられ、これらは1種または2種以
上の組み合わせで使用される。上記各成分からなる混合
エステルの内では、特にペンタエリスリトール、ステア
リン酸及びアジピン酸からなる混合エステル及びペンタ
エリスリトール、オレイン酸及びアジピン酸からなる混
合エステルが、滑性効果の点から良好である。尚、滑剤
として高級脂肪酸を単独使用した場合には、安定化助剤
として添加される有機ホスファイトと反応するなど初期
着色を悪化させるほか、シートを白濁させたり、加工時
の揮発量が増加し種々の不具合を生じる。
【0016】本発明の硬質塩化ビニルシートには、通常
塩化ビニル樹脂用添加剤として用いられる有機ホスファ
イト化合物を添加することができる。有機ホスファイト
化合物の例としては、トリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、2−tert−ブチル−α(3−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)p−クメニルビス(p
−ノニルフェニル)ホスファイト、4’4−イソプロピ
リデン−ジフェノールアルキル(C12〜C15)ホスファ
イトが挙げられる。さらに、光安定性を向上させたり、
包装内容物の光劣化を防止する目的で紫外線吸収剤を添
加することができる。これらにはベンゾフェノン系、ベ
ンゾトリアゾール系、サリシレート系、置換アクリロニ
トリル系、各種の金属塩または金属キレート、特にニッ
ケル又はクロムの塩又はキレート類、トリアジン系、ピ
ペリジン系が包含されている。
【0017】また、PVC分子間に潜り込み、PVC分
子間力を弱め、加熱温度を下げて流動性を増し、同時に
二次転移温度を下げてPVC分子セグメントのミクロブ
ラウン運動を可能にし、柔軟な弾性ゲルを得るために、
通常塩化ビニル樹脂用添加剤にはフタル酸エステル化合
物、脂肪族二塩基酸エステル化合物、リン酸エステル化
合物、ヒドロキシ多価カルボン酸エステル化合物、脂肪
酸エステル化合物、多価アルコールエステル化合物、ポ
リエステル系化合物等が挙げられるが、柔軟温度が50
〜80℃であるために、その添加量は自ずと制限され
る。
【0018】本発明の硬質塩ビシートは、JIS K6
734の柔軟温度試験による測定で柔軟温度が50〜8
0℃である。さらに55〜70℃が望ましい。柔軟温度
が高いほど耐熱性、すなわち熱のかかった時の外観の変
化が少ないが、80℃を超えるとカレンダー加工性や後
工程の成形性に問題がある。逆に50℃未満では耐熱性
が悪く、熱がかかった時の外観変化が大きくなり後工程
の成形性の問題がある。これらの柔軟温度は上記の添加
剤の種類と添加量を適宜選択することにより比較的簡単
に調整が可能である。
【0019】本発明の硬質塩化ビニルシートのシートの
厚みは0.05〜1.0mmである。さらに0.15〜
0.5mmが好ましい。シートの厚みが0.05mm未
満では包装内容物に対する防湿性、ガスバリヤー性、そ
の他包装体としての強度が不足して使用することができ
ない。逆に1.0mmを超えるとシート強度が強く後加
工でのハンドリングが困難となり、使用することができ
ない。このようにして得られる本発明の硬質塩化ビニル
シートには、さらに、必要に応じて、例えば、滑剤、架
橋剤、顔料、充填剤、発泡剤、帯電防止剤、防曇剤、プ
レートアウト防止剤、表面処理剤、加工助剤、離型剤、
補強剤等を適宜使用することができる。また、本発明の
硬質塩化ビニルシートはカレンダー法によってシーティ
ング加工が可能であるが、ここで加工方法を特に限定す
るものではなく、例えば、Tダイ法やインフレーション
法等の周知の方法が採用できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説
明するが、本発明はこの実施例の記載のみに限定される
ものではない。表1〜表3に示す各成分を配合し、ヘン
シェルミキサーで混合、ドライアップした後、冷却した
配合物を従来公知の2本ロールにて予備混練後、4本ロ
ール逆Lタイプのカレンダーロールによって各種所定の
厚みに硬質塩化ビニルシートを作製した。得られたシー
トの各測定項目については以下の方法によって測定し
た。混合エステル、及びとはそれぞれペンタエリ
スリトールとアジピン酸とオレイン酸との(1:1:
6)混合エステル、ソルビタンとアジピン酸とオレイン
酸との(1:1:6)混合エステル及びジエチレングリ
コールとアジピン酸とオレイン酸との(1:1:6)混
合エステルである。
【0021】評価方法は次の通りである。 (1)初期着色性 得られたシートを重ね180℃で3分間予熱をし、2分
間20kg/cm2の面圧で熱プレスにより得られた1
mm厚の初期着色板を作製した。色彩色差計により初期
着色板の黄色度(b値)を測定した。黄色度(b値)の
値が大きいほど初期着色性が悪い。 (2)耐熱持続性(黒化時間) 得られたシートを,180℃に設定したギアー式老化試
験機に入れ10分毎に試料を取り出し褐色化又は黒化す
るまでの時間(分)を測定した。時間(分)の長いほど
耐熱持続性(黒化時間)が良好である。 (3)カレンダー加工性 カレンダリング中のシートのロール剥離性、ロールの汚
れ等を目視で観察し、カレンダー加工性を評価した。○
は特に問題なし、△は条件によっては不具合を生じる、
×は問題あり加工できず。 (5)柔軟温度 JIS K6734に準じて測定した。 (6)2次加工性 プラグ付き熱盤圧空成型機にてPTP成形するときの形
状、成形後のシートの送りを目視で観察した。○は特に
問題なし、△は条件によっては不具合を生じる、×は問
題あり加工できず。
【0022】評価結果を表1〜3に示す。
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】本発明の硬質塩化ビニルシートによれ
ば、熱安定性及びカレンダー加工性に優れ、加工生産機
の大型化、高速化に対応することができ、しかも透明
性、加工性、衛生性に優れた食品、医薬品等の包装材料
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/11 KGY C08K 5/11 KGY 5/15 KHC 5/15 KHC // B29K 27:06 B29L 7:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂100重量部に対し、カ
    ルシウムの化合物0.01〜1重量部、亜鉛の化合物
    0.01〜1重量部、エポキシ化植物油0.1〜5重量
    部、β−ジケトン化合物0.01〜1重量部及びエステ
    ル系化合物0.05〜0.5重量部を添加した組成物か
    らなることを特徴とする硬質塩化ビニルシート。
  2. 【請求項2】 該塩化ビニル樹脂の平均重合度が600
    〜900であることを特徴とする請求項1記載の硬質塩
    化ビニルシート。
  3. 【請求項3】 該エステル系化合物がペンタエリスリト
    ールと炭素原子数11〜20の高級脂肪酸と炭素原子数
    4〜6の飽和二塩基酸との混合エステルであることを特
    徴とする請求項1または2記載の硬質塩化ビニルシー
    ト。
  4. 【請求項4】 JIS K6734の柔軟温度試験によ
    る測定で柔軟温度が50〜80℃であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の硬質塩化ビニルシー
    ト。
  5. 【請求項5】 シートの厚みが0.05〜1.0mmで
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    硬質塩化ビニルシート。
JP15647396A 1996-06-18 1996-06-18 硬質塩化ビニルシート Pending JPH101584A (ja)

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