JPH101578A - 紙送りローラ - Google Patents

紙送りローラ

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JPH101578A
JPH101578A JP15854496A JP15854496A JPH101578A JP H101578 A JPH101578 A JP H101578A JP 15854496 A JP15854496 A JP 15854496A JP 15854496 A JP15854496 A JP 15854496A JP H101578 A JPH101578 A JP H101578A
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JP
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surface layer
rubber
inner layer
layer
thickness
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JP15854496A
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Inventor
Takahiro Fukumoto
隆洋 福本
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い摩擦係数を有するとともに柔軟で、所定
の圧力で紙に圧接された際の接紙面積が大きいために紙
の搬送性にすぐれており、しかも高い耐摩耗性を有する
とともに耐オゾン性にもすぐれた搬送ローラを提供す
る。 【解決手段】 スプリング硬さ(アスカーC)が15°
以下の発泡体からなる内層の外周に、ポリノルボルネン
ゴムとEPDMとを基材ゴムとして含有する、厚みが
0.3mm以上で、かつ内層と表層の合計の厚みの40
%以下である表層を積層、形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば静電式
複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置等
の画像形成装置や、あるいは自動現金預け払い機(AT
M)等において紙送りに使用される紙送りローラに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】上記画像形成装置の給紙ローラ、搬送ロ
ーラ、プラテンローラ、排紙ローラ等や、あるいはAT
Mにおける紙幣や伝票の送りローラ等の紙送りローラに
は従来、高い搬送力をえるべく、 紙に対して滑りを生じないために、その表面が高い
摩擦係数を有することと、 所定の圧力で紙に圧接されて、紙送りローラが圧縮
変形した際の接紙長さ(図3中のL1 )に、当該紙送り
ローラの幅を乗算して求められる接紙面積を大きくする
ために柔軟であること、が要求される他、 繰り返し紙送りした際の摩耗を抑制するために高い
耐摩耗性を有することや、 とくに画像形成装置に使用する場合、当該画像形成
装置の内部がオゾン濃度の高い状態となる傾向にあるた
め耐オゾン性にすぐれること、等も要求される。
【0003】このうちとくにの要求を満たすべく、紙
送りローラの柔軟性を高めるには、可塑剤を添加するの
が効果的であるが、可塑剤の添加は紙送りローラの耐摩
耗性を低下させるとともに、表面に滲出した可塑剤が紙
を汚す(紙にローラの痕跡がつく)という問題を生じ
る。そこで、紙送りローラを発泡構造として柔軟性を高
めることが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】たとえばアメリカ合衆
国特許公報第4287649号には、その表面をポリウ
レタン等で薄くコーティングした、発泡ポリウレタンゴ
ム等からなる紙送りローラが開示されている。また特開
平6−337610号公報には、発泡シリコーンゴム製
の内層の外周に、ふっ素樹脂製の表層を積層した紙送り
ローラが開示されている。さらに特開平6−23948
5号公報には、ゴムを発泡成形する際にに必然的に生じ
る、非発泡の表面スキン層を耐摩耗性の表層として利用
した、発泡ゴム製の紙送りローラが開示されている。
【0005】しかし上記いずれのものも、内層、表層の
材料特性や、あるいは機械、物理特性の設定がいま一つ
適切でないため、前述した各種の要求を全て満足するに
は至っていないのが現状である。この発明は、高い摩擦
係数を有するとともに柔軟で、所定の圧力で紙に圧接さ
れた際の接紙面積が大きいために紙の搬送性にすぐれて
おり、しかも高い耐摩耗性を有するとともに耐オゾン性
にもすぐれた紙送りローラを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、発明者らは、発泡体からなる内層と、この内層の外
周に積層、形成される表層とを備えた2層構造の紙送り
ローラにおいて、上記内層および表層のそれぞれの特性
の最適化を図るべく、検討を行った。その結果、ポリノ
ルボルネンゴムとエチレン−プロピレン−ジエン共重合
ゴム(EPDM)とを基材ゴムとして含有する表層を、
柔軟な発泡体からなる内層と組み合わせればよいことを
見出した。
【0007】つまり上記ポリノルボルネンゴムは、高い
摩擦係数を有するとともにそれ自体が柔軟であって、し
かもホワイトカーボン等の補強剤や炭酸カルシウム等の
充てん剤の添加量が少ない柔軟な組成でも、材料自体の
特性によって十分な耐摩耗性を発揮することができる。
それゆえこのポリノルボルネンゴムに、耐オゾン性にす
ぐれたEPDMを組み合わせて表層を形成すれば、かか
る表層は、耐摩耗性や耐オゾン性にすぐれるとともに高
い摩擦係数を有しており、しかも柔軟で、発泡体からな
る内層の柔軟性を阻害するおそれがないので、所定の圧
力で紙に圧接された際の接紙面積が大きく、紙の搬送性
にすぐれた柔軟な紙送りローラを構成できることを見出
したのである。
【0008】そこで発明者らは、上記の表層と組み合わ
せる内層の柔軟性の程度、および表層の厚みの好適な範
囲についてさらに検討した結果、この発明を完成するに
到った。すなわちこの発明の紙送りローラは、スプリン
グ硬さ(アスカーC)が15°以下の発泡体からなる内
層と、この内層の外周に積層、形成された、ポリノルボ
ルネンゴムとEPDMとを基材ゴムとして含有する表層
とを備えているとともに、上記表層の厚みが0.3mm
以上で、かつ内層と表層の合計の厚みの40%以下であ
ることを特徴とするものである。
【0009】上記構成からなるこの発明の紙送りローラ
において、内層の硬さがスプリング硬さ(アスカーC)
で15°以下に限定されるのは、これより内層が硬い
と、紙送りローラ全体の柔軟性が低下して、所定の圧力
で紙に圧接された際の接紙面積が小さくなり、紙の搬送
性が低下するからである。また表層の厚みが0.3mm
以上に限定されるのは、これより表層が薄いと、発泡体
である内層の凹凸の影響によって表層表面の平滑性が低
下し、そのため前記のように接紙長さL1 に紙送りロー
ラの幅を乗算して求められる見かけの接紙面積は同じで
も、実質的な接紙面積が小さくなって、紙の搬送性が低
下するからである。
【0010】さらに表層の厚みが、内層と表層の合計の
厚みの40%以下に限定されるのは、これより表層が厚
いと、表層の柔軟性が低下して内層の柔軟性を阻害し、
それによって紙送りローラ全体の柔軟性が低下して接紙
面積が小さくなり、紙の搬送性が低下するからである。
なおここでいうスプリング硬さ(アスカーC)とは、高
分子計器(株)製の、スプリング式ゴム・プラスチック
硬度計(アスカーC型硬度計)で測定したスプリング硬
さのことである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、この発明を説明する。こ
の発明の紙送りローラ1は、図1(a)(b)に示すように内
層11と、この内層11の外周に積層、形成された表層
12とを備えたものである。なお図において符号13
は、ローラの芯体である。
【0012】上記内層11と表層12とを有する紙送り
ローラ1は、これに限定されないがたとえば、 先に形成した内層11の外周面に、表層12のもと
になるゴム組成物(基材ゴムであるポリノルボルネンゴ
ムとEPDMに、加硫剤等の各種添加剤を添加したも
の)の溶液を塗布し、乾燥させたのち、加熱、加硫させ
て表層12を形成する、 上記のゴム組成物をシート状あるいは円筒状に成形
し、加熱、加硫したものを、先に形成した内層11の外
周面に、接着剤を介して巻きつけて表層12を形成す
る、 内層のもとになる発泡性の材料と、上記のゴム組成
物とを2層で押出成形し、加熱、加硫とともに内層を発
泡させて、内層11と表層12とを形成する、等の方法
により製造される。
【0013】内層11は、前述したようにスプリング硬
さ(アスカーC)が15°以下の発泡体にて形成され
る。発泡体の硬さが上記の範囲に限定される理由は、前
述したとおりである。なお内層11のスプリング硬さ
(アスカーC)の下限は、後述する実施例の結果より明
らかなように0°であってもよい。内層11の硬さを上
記範囲に調整するには、たとえば発泡体の材料、発泡倍
率、発泡構造等を適宜、変更すればよい。なお発泡体の
発泡構造は、とくに圧縮後の発泡体の復元力等を考慮す
ると、独立気泡構造であるよりも連続気泡構造であるの
が好ましい。
【0014】上記発泡体の好適な例としては、これに限
定されないがたとえば、発泡ポリウレタン等があげられ
る。上記発泡体からなる内層11の厚みT2 は、この発
明ではとくに限定されないが、紙送りローラの柔軟性
や、所定の圧力で紙に圧接された際の変形量、ひいては
接紙面積等を考慮すると、5〜30mm程度であるのが
好ましい。
【0015】内層11の外周に積層、形成される表層1
2は、前述したように、ポリノルボルネンゴムとEPD
Mとを基材ゴムとして含有するゴム組成物から形成され
る。表層12の厚みT1 は、前述したように0.3mm
以上で、かつ内層11と表層12の合計の厚み(T1
2 )の40%以下の範囲に限定される。この理由は前
述したとおりである。
【0016】なお表層12の厚みは、当該表層12の表
面の平滑性の向上と、表層12の柔軟性の向上との両立
による、紙の搬送性の向上を考慮すると、上記範囲内で
もとくに、内層11と表層12の合計の厚み(T1 +T
2 )の10%以上であるのが好ましい。また上記表層1
2は、その表面ができるだけ平滑であるのが好ましく、
これに限定されるものではないが、たとえば表層12の
平滑度を示す表面粗さの平均値が50μm以下であるの
が好ましい。上記表面粗さの平均値が50μmを超えた
場合には、表層12の表面の平滑性が低下するため、見
かけの接紙面積は同じでも実質的な接紙面積が小さくな
って、紙の搬送性が低下するおそれがある。なお表面粗
さの平均値は、表層12の表面の少なくとも5個所にお
いて凹部の深さを測定して、それを平均することで求め
られる。
【0017】上記表層12を構成するポリノルボルネン
ゴムは、ノルボルネンを開環重合して得られた樹脂状の
重合体(ポリノルボルネン)に、石油系の油などを軟化
剤として加えてゴム状としたものである。かかるポリノ
ルボルネンゴムの具体例としては、これに限定されない
がたとえば日本ゼオン(株)製のノーソレックスNSX
15NB〔ゴム成分/軟化剤(ナフテン系油)=10
0/150(重量比)〕等があげられる。
【0018】上記ポリノルボルネンゴムと組み合わされ
るEPDMとしては、成分中のジエン類がエチリデンノ
ルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン、または
ジシクロペンタジエン(DCPD)である種々の、油展
または非油展のEPDMがいずれも使用可能である。か
かるEPDMの具体例としては、これに限定されないが
たとえば住友化学(株)製のエスプレンE505A〔非
油展EPDM〕等があげられる。
【0019】上記ポリノルボルネンゴムとEPDMとの
配合割合は、この発明ではとくに限定されず、たとえば
画像形成装置に使用する場合は、その使用箇所のオゾン
濃度等にあわせて適宜設定すればよいが、通常は、ポリ
ノルボルネンゴム中のゴム成分の量(軟化剤を除いたポ
リノルボルネンの量)WN と、EPDMの量WE との比
N /WE が、WN /WE =80/20〜70/30
(重量比)程度となるように、両者を配合するのが好ま
しい。
【0020】上記範囲よりもポリノルボルネンゴムが多
く、かつEPDMが少ない場合には、EPDMを添加し
たことによる耐オゾン性向上の効果が十分にえらえない
おそれがある。また逆に、上記範囲よりもポリノルボル
ネンゴムが少なく、かつEPDMが多くなっても、耐オ
ゾン性向上の効果がそれ以上期待できないだけでなく、
相対的にポリノルボルネンゴムが少なくなるので、表層
の摩擦係数、柔軟性、および耐摩耗性が低下するおそれ
もある。
【0021】上記ポリノルボルネンゴムとEPDMとを
基材ゴムとするゴム組成物に添加される添加剤として
は、前記加硫剤の他に、たとえば加硫促進剤、加硫促進
助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、補強剤、充てん剤、軟
化剤、可塑剤等があげられる。上記のうち加硫剤として
は、たとえば硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物等
があげられ、このうち有機含硫黄化合物としては、たと
えばN,N′−ジチオビスモルホリン等があげられ、有
機過酸化物としては、たとえばベンゾイルペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド等があげられる。
【0022】また加硫促進剤としては、たとえばテトラ
メチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジ
スルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等の
チウラム系加硫促進剤;ジブチルジチオカーバミン酸亜
鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジメチルジチオ
カーバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカーバミン酸
テルル等のジチオカーバミン酸類;2−メルカプトベン
ゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シ
クロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
等のチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジ
エチルチオ尿素等のチオウレア類などの有機促進剤や、
あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサ
ージ(PbO)等の無機促進剤があげられる。
【0023】加硫促進助剤としては、たとえば亜鉛華等
の金属酸化物や、あるいはステアリン酸、オレイン酸、
綿実脂肪酸等の脂肪酸などがあげられる。加硫遅延剤と
しては、たとえばサリチル酸、無水フタル酸、安息香酸
等の芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン、N
−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイ
ドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミ
ン等のニトロソ化合物などがあげられる。
【0024】老化防止剤としては、たとえば2−メルカ
プトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;フェニル
−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−
p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプ
ロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類;ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール等ノ
フェノール類などがあげられる。
【0025】補強剤としては、搬送する紙を汚さないた
めに、主にホワイトカーボン、亜鉛華、表面処理沈降性
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー等の白色の
無機補強剤が使用される他、クマロンインデン樹脂、フ
ェノール樹脂、ハイスチレン樹脂(スチレン含有量の多
いスチレン−ブタジエン共重合体)等の有機補強剤も使
用できる。
【0026】充てん剤としては、たとえば炭酸カルシウ
ム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土などがあげられる。
軟化剤としては、たとえば脂肪酸(ステアリン酸、ラウ
リン酸等)、綿実油、トール油、アスファルト物質、パ
ラフィンワックス等の、植物油系、鉱物油系、および合
成系の各種軟化剤があげられる。
【0027】さらに可塑剤としては、たとえばジブチル
フタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォ
スフェート等の各種可塑剤があげられる。上記以外に
も、基材ゴムにはたとえば分散剤、溶剤等を適宜配合し
てもよい。ゴム組成物は、上記の各成分を、たとえばオ
ープンロール、密閉式混練機等を用いて混練することに
より製造される。
【0028】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。なお実施例、比較例で使用する表層用のゴ
ム組成物は、下記のようにして調製した。 ゴム組成物Iの調製 ポリノルボルネンゴム〔前出のノーソレックスNSX
15NB〕187.5重量部(ゴム成分の量WN =75
重量部)と、非油展EPDM〔前出のエスプレンE50
5A〕25重量部とを基材ゴムとし、この基材ゴム21
2.5重量部に対して下記の各成分を配合し、混練し
て、表層用のゴム組成物Iを調製した。
【0029】 ゴム組成物IIの調製 油展EPDM〔住友化学(株)製のエスプレンE600
F、ゴム成分/伸展油=100/100(重量比)〕を
基材ゴムとし、この基材ゴム200重量部に対して下記
の各成分を配合し、混練して、表層用のゴム組成物IIを
調製した。
【0030】 《成 分》 《添加量》 〈補強剤〉 シリカ〔前出のニプシルVN3〕 20重量部 〈加硫剤〉 粉末硫黄 2重量部 〈加硫促進剤〉 テトラエチルチウラムジスルフィド 〔前出のノクセラーTET〕 1重量部 ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛 〔大内新興化学(株)製のノクセラーBZ〕 2重量部 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド 〔大内新興化学(株)製のノクセラーCZ〕 1重量部 〈加硫促進助剤〉 亜鉛華 #1 5重量部 ステアリン酸 1重量部 ゴム組成物III の調製 シリコーンゴムコンパウンド〔東レ・ダウコーニング・
シリコーン(株)製のSE1140U〕を基材ゴムと
し、この基材ゴム100重量部に対して、加硫剤〔東レ
・ダウコーニング・シリコーン(株)製のRC−4 1
40〕1.3重量部を配合し、混練して、表層用のゴム
組成物III を調製した。
【0031】実施例1〜3、比較例1 中心部に外径16mmのプラスチック製の芯体をセット
した、外径30mm、幅18mm、厚みT2 =7mmの
内層を形成するための型内に、2液混合型の発泡ポリウ
レタンを流し込み、発泡、硬化させて、上記芯体の外周
面に、上記の寸法を有し、かつ表1に示すスプリング硬
さ(アスカーC)を有する内層を形成した。
【0032】なお内層の硬さの調整は、上記発泡ポリウ
レタンにおける、水と触媒の配合比率を調整することに
より行った。また上記の形成方法では、内層の外周面に
ごく薄いスキン層(非発泡層)が形成されるが、このス
キン層は、表層を接着するのに好都合であるため除去せ
ずに残した。また内層の硬さは、前述したように高分子
計器(株)製のアスカーC型硬度計により測定したが、
表面が曲面であるので測定によるばらつきが大きく、±
2°は許容範囲とした。
【0033】つぎに、前記ゴム組成物Iをシート状に成
形し、170℃で20分間、加硫した後、前記内層の外
周に、ウレタン系の接着剤を介して積層、接着し、さら
にその表面を研磨して厚みをととのえて表層を形成し、
外径32±0.3mm、幅18mm、内層の厚みT2
7mm、表層の厚みT1 =1mmの紙送りローラを製造
した。
【0034】比較例2、3 ゴム組成物Iに代えて、前記ゴム組成物II(比較例2)
またはゴム組成物III(比較例3)を使用したこと以外
は実施例1〜3、比較例1と同様にして紙送りローラを
製造した。なお両比較例の、内層のスプリング硬さ(ア
スカーC)は5°とした。
【0035】上記各実施例、比較例の紙送りローラにつ
いて、以下の各試験を行って、その特性を評価した。 摩擦係数の測定 図2に示すように一端をデジタルフォースゲージ2に接
続した紙3を、表面にテフロンシート等を貼って摩擦を
抑えたプレート4上に載置した。
【0036】つぎに実施例、比較例のシリコーンゴム組
成物から製造した紙送りローラ1を、プレート4の上方
に配置した回転軸5にセットし、図中黒矢印で示すよう
にプレート4に、荷重W1 (=200g)をかけて圧接
させた。つぎに回転軸5を、図中二点鎖線の矢印で示す
方向に、紙送りローラ1の周速が100mm/秒となる
ように一定速度で回転させて、紙3に生じる、図中白矢
印で示す方向の搬送力を、デジタルフォースゲージ2に
よって30秒間、連続して測定して、そのピーク値F1
(g)と、前記荷重W1 とから、下記式:
【0037】
【数1】
【0038】により摩擦係数μを求めた。 接紙長さの測定 図3に示すように、実施例、比較例の紙送りローラ1を
軸6にセットし、図中黒矢印で示すようにプレート7
に、荷重W2 (=200g)をかけて圧接させた。
【0039】そしてその際の接紙長さL1 を、mm単位
で測定した。 表面粗さの測定 実施例、比較例の紙送りローラを、軸方向と直交する方
向に切断し、その切断面のうち表層12の表面の5個所
において凹部の深さを測定し、各測定値から、表面粗さ
の平均値を求めた。
【0040】以上の結果を表1に示す。なお表中のT%
は、式:
【0041】
【数2】
【0042】によって求められる、内層と表層の合計の
厚みT1 +T2 (mm)に対する表層の厚みT1 (m
m)の割合である。
【0043】
【表1】
【0044】表1より、スプリング硬さ(アスカーC)
が15°以下の発泡体からなる内層と、ゴム組成物Iか
ら形成された表層とを備えた実施例1〜3はいずれも、
同じ表層を、スプリング硬さ(アスカーC)が15°を
超える内層と組み合わせた比較例1に比べて接紙長さが
長く、かつ摩擦係数μが大きいことがわかった。そして
この結果から、内層のスプリング硬さ(アスカーC)
は、15°以下である必要のあることが確認された。
【0045】また上記各実施例はいずれも、同じ内層
を、ゴム組成物IIまたはIII から形成された表層と組み
合わせた比較例2、3と、接紙長さは同程度であるもの
の、摩擦係数μが大きいことがわかった。この原因とし
ては、前述したようにポリノルボルネンゴム自体が高い
摩擦係数を有することが考えられ、そしてこの結果から
表層は、ポリノルボルネンゴムを基材ゴムとして含有す
る必要のあることが確認された。
【0046】また、実施例で使用したゴム組成物Iと、
当該ゴム組成物Iの配合からEPDMを除いたゴム組成
物IVとをそれぞれ加硫してシート状のサンプルを作製し
て、オゾン濃度25pphm、温度40℃のオゾン雰囲
気中で96時間放置した後、10%伸長させてき裂の有
無を観察したところ、ゴム組成物IVから作製したサンプ
ルはき裂が発生したが、ゴム組成物Iから作製したサン
プルはき裂が発生しなかった。そしてこの結果から表層
は、ポリノルボルネンゴム単独ではなく、EPDMを含
有する必要のあることが確認された。
【0047】実施例4〜6、比較例4、5 表層の厚みを0.1mm(T%=1.25%、比較例
4)、0.3mm(T%=3.75%、実施例4)、
1.5mm(T%=18.75%、実施例5)、3mm
(T%=37.5%、実施例6)、および5mm(T%
=62.5%)としたこと以外は実施例1〜3、比較例
1と同様にして紙送りローラを製造した。なお各実施
例、比較例の、内層のスプリング硬さ(アスカーC)は
5°とした。
【0048】また比較例4、実施例4については、表層
を、シートの研磨によって該当する厚みにととのえるの
が困難であるため、それぞれ該当する厚みの表層を作製
して内層の外周に接着した。また比較例5は、シート状
とした表層を内層の外周に巻きつけるのが困難であるた
め、あらかじめ筒状に加硫、成形した表層を内層に被せ
て接着した。
【0049】比較例6 内層を形成せず、芯体の外周に直接に、厚み8mm(T
%=100%)の表層を形成したこと以外は実施例1〜
3、比較例1と同様にして紙送りローラを製造した。な
お上記表層は、先の比較例5と同様に、あらかじめ筒状
に加硫、成形した表層を芯体に被せて接着した。
【0050】上記各実施例、比較例について、前記の各
試験を行った。結果を、前記実施例2の結果と併せて表
2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2より、表層の厚みが0.3mm以上
で、かつT%で表して40%以下である実施例2、4〜
6はいずれも、表層の厚みが0.3mm未満である比較
例4に比べて、接紙長さは同程度であるものの、摩擦係
数μが大きいことがわかった。これは、表層の薄い比較
例4では、発泡体である内層の凹凸の影響によって表層
表面の平滑性が低下し、そのため見かけの接紙面積は同
じでも、実質的な接紙面積が小さくなっていることが原
因と考えられる。その根拠として、比較例4の表面粗さ
が各実施例に比べていちじるしく大きいことがあげられ
る。そしてこれらの結果から、表層の厚みは0.3mm
以上である必要のあることが確認された。
【0053】また、上記各実施例はいずれも、表層の厚
みが、T%で表して40%を超える比較例5、6に比べ
て接紙長さが長く、かつ摩擦係数μが大きいことがわか
った。そしてこの結果から、表層の厚みは、T%で表し
て40%以下である必要のあることが確認された。
【0054】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、高い摩擦係数を有するとともに柔軟で、所定の圧力
で紙に圧接された際の接紙面積が大きいために紙の搬送
性にすぐれており、しかも高い耐摩耗性を有するととも
に耐オゾン性にもすぐれた紙送りローラを提供すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の紙送りローラの、実施の形態の一例
を示す図であって、同図(a) は上記紙送りローラの側面
図、同図(b) は斜視図である。
【図2】この発明の実施例、比較例で製造した紙送りロ
ーラの摩擦係数μを測定する方法を説明する図である。
【図3】上記実施例、比較例で製造した紙送りローラの
接紙長さを測定する方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 紙送りローラ 11 内層 12 表層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 65/00 LNY C08L 65/00 LNY

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スプリング硬さ(アスカーC)が15°以
    下の発泡体からなる内層と、この内層の外周に積層、形
    成された、ポリノルボルネンゴムとエチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合ゴムとを基材ゴムとして含有する表層
    とを備えているとともに、上記表層の厚みが0.3mm
    以上で、かつ内層と表層の合計の厚みの40%以下であ
    ることを特徴とする紙送りローラ。
  2. 【請求項2】表層の表面粗さの平均値が50μm以下で
    ある請求項1記載の紙送りローラ。
JP15854496A 1996-06-19 1996-06-19 紙送りローラ Pending JPH101578A (ja)

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