JPH10156861A - ガス加圧射出成形方法 - Google Patents

ガス加圧射出成形方法

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JPH10156861A
JPH10156861A JP9263228A JP26322897A JPH10156861A JP H10156861 A JPH10156861 A JP H10156861A JP 9263228 A JP9263228 A JP 9263228A JP 26322897 A JP26322897 A JP 26322897A JP H10156861 A JPH10156861 A JP H10156861A
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mold
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和治 安田
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秀樹 成瀬
Susumu Imai
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/174Applying a pressurised fluid to the outer surface of the injected material inside the mould cavity, e.g. for preventing shrinkage marks

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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス加圧射出成形方法によるひけ防止を完全
なものとする。 【解決手段】 大気開放経路からキャビティ内のガスを
抜きながら、キャビティ容積に比して過量の溶融樹脂を
射出充填し、次いで、ガス圧入領域25における成形品
20の裏面とこれに対応するキャビティ面との間に加圧
ガスを圧入して、ガス圧入領域25に対応する成形品2
0の表面をこれに対応するキャビティ面に押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形方法に関
するもので、さらに詳しくは、キャビティ内に射出した
樹脂とキャビティ面との間への加圧ガスの圧入を伴うガ
ス加圧射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、射出成形において、裏面(非意
匠面)側に突出した厚肉部を有する成形品を成形する場
合、冷却に伴う樹脂の収縮によって、この裏面側の厚肉
部に対応する成形品の表面(意匠面)側にひけと呼ばれ
る窪みを生じることが広く知られている。
【0003】従来、最も一般的な上記ひけ防止策として
は、射出圧力を高めると共に射出時間を延長し、溶融樹
脂の供給圧を加えながらキャビティ内の樹脂をある程度
冷却する方法(樹脂加圧法)が知られている。
【0004】しかしながら、上記樹脂加圧法によるひけ
防止は、特開昭50−75247号公報に示されるよう
に、成形品の肉厚等によって成形条件が異なるので、成
形作業が煩雑になると共に、高い樹脂圧を加えなければ
十分なひけ防止を図れないので、パーティング面にバリ
を発生させる原因となり、このバリ除去の作業負担が増
大する問題がある。また、過度の樹脂圧を加えると、成
形品にソリが発生するといった寸法精度上の問題もでて
くる。さらに、樹脂加圧法では、ゲート付近の厚肉部に
は圧力伝達が容易であるが、ゲート部から離れた厚肉部
には十分に圧力がかからず、厚肉部の位置によっては完
全にひけを解消することができないといったことが起こ
る。
【0005】そこで、上記特開昭50−75247号公
報では、キャビティ内に溶融樹脂を射出した後、成形品
の片面側を弁体で突き上げて、成形品の片面側と、この
片面側を成形するコアとの間に空所を形成し、この空所
に加圧ガスを圧入して、成形品の他面をこれに対応する
キャビティ面に圧接させるガス加圧射出成形方法を提案
している。
【0006】このガス加圧射出成形方法は、樹脂加圧法
における樹脂圧を加えない代わりに加圧ガスの圧入を行
い、加圧ガスの圧入によってひけの発生防止を図ってい
るものである。特に、加圧ガスを成形品の所定の片面側
に圧入できるようにするため、加圧ガスの圧入の先立っ
て空所を形成する必要上、このガス加圧射出成形方法に
おけるキャビティへの溶融樹脂の射出は、せいぜいキャ
ビティ内を丁度満たす程度の量である。前記樹脂加圧法
における射出条件とした場合に、結果としてキャビティ
の容量を超える量の溶融樹脂が射出されるのに対して、
このような過剰量の溶融樹脂を射出するものではない。
また、このガス加圧射出成形方法では、圧入した加圧ガ
スが金型のパーティング面から漏れて、十分な押圧がで
きなくなりやすく、ひけ防止も不十分である。
【0007】特表平4−501090号公報には、キャ
ビティの容積より少ない容積の溶融樹脂、具体的にはキ
ャビティの容積の90〜95容積%の溶融樹脂を射出し
た後、キャビティ内に残された空所に加圧ガスを圧入す
るガス加圧射出成形方法が記載されている。
【0008】このガス加圧射出成形方法も、前記のガス
加圧射出成形方法と基本的には同様で、キャビティに対
して過剰量の溶融樹脂を射出するものではないと共に、
圧入した加圧ガスがパーティング面から逃げやすく、ひ
け防止効果に劣るものでしかない。
【0009】また、W093/14918号明細書に
は、ガス加圧射出成形方法において、加圧ガスの圧力効
率を高めるために、金型のパーティング面からのガスの
漏洩を防止する密封構造の金型とすると共に、例えば三
角形等の先細り形状をした堰をキャビティ内に設けた金
型を用いる方法が開示されている。
【0010】しかしながら、このガス併用射出成形方法
における溶融樹脂の射出量も、上述のような一般のガス
加圧射出成形方法で行われている射出と同様に、キャビ
ティをほぼ満たす量程度以下でしかないことが明らかに
されている。また、ひけ防止効果の十分な向上には至っ
ていない反面、密封構造の金型とするために装置的負担
が大きく、さらには射出時にキャビティ内の空気が樹脂
とキャビティ面との間に閉じ込められてしまうという問
題も生じている。
【0011】さらに、WO96−02379号明細書に
は、金型のパーティング面等にシール材を施した密封構
造の金型を用い、金型容積に比して特定量(キャビティ
容量と、キャビティに充填された溶融樹脂が室温まで冷
却されて収縮した樹脂が示す容積との差の30〜90%
に相当する量)の過剰の樹脂を充填した後、溶融樹脂塊
と金型との間に加圧ガスを注入し、該溶融樹脂塊を金型
キャビティ内面に押圧して成形する方法が開示されてい
る。
【0012】しかしながら、この方法では、例えば突き
出しピン回りまでガスシールできる密封室を設ける必要
があり、装置的負担が大きいといった問題や、金型内の
空気やガスを金型キャビティ内から密封室等に追いやる
ために比較的多量の過剰樹脂を充填したり、高圧で樹脂
を充填する必要があるという問題がある。
【0013】すなわち、従来のガス加圧射出成形方法に
おいては、加圧ガスをスムーズに充填するために金型キ
ャビティ容積に対して少ない量の樹脂を射出すること
や、加圧ガスの漏洩防止のために金型をできるだけ密封
構造にすることが行われている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
OA機器や家庭電気器具の筐体、さらには自動車部品等
の大型の成形品の需要が高まると共に、製品のコストダ
ウンのための成形品の薄肉化の要望も高まっている。薄
肉で大型の成形品の場合、強度維持のために、一般にリ
ブやボスと称する補強部を裏面に設けるのが普通であ
る。リブやボスは、肉厚であるほど補強効果が高く、樹
脂を金型内に容易に充填できるようにする流動支援効果
も得られる。
【0015】しかしながら、厚肉のリブやボスを設ける
と、リブやボスに対応する成形品の表面がひけ、外観上
の問題が発生しやすい。すなわち、近年需要が高まって
いる薄肉で大型の成形品は、必要な強度維持のため厚肉
のリブやボスを備えたものとなるが、このような厚肉の
リブやボスを設けた場合のひけ防止技術がいずれも不十
分で、満足できる成形品が得にくいのが現状である。
【0016】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、ガス加圧射出成形方法によるひけ防
止を完全なものとすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
目的を達成するために、裏面側に突出した厚肉部を有す
る成形品の射出成形において、キャビティ面の一部に開
口する大気開放経路からキャビティ内のガスを抜きなが
ら、キャビティ内にキャビティ容積に比して過量の溶融
樹脂を射出充填し、次いで、ガス圧入領域における成形
品裏面とこれに対応するキャビティ面との間に加圧ガス
を圧入して、ガス圧入領域に対応する成形品表面をこれ
に対応するキャビティ面に押圧することを特徴とするガ
ス加圧射出成形方法を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明による成形対象は、表面に
ひけを生じやすい、裏面側に突出した厚肉部を有する成
形品である。この厚肉部とは、例えばリブやボスのよう
に局部的に突出した厚肉部分の他、肉厚が一定部分広い
範囲で変化した領域も含む。
【0019】本発明において、上記厚肉部と隣接又は厚
肉部を内包する成形品裏面側の凹所をガス圧入領域とい
う。このガス圧入領域となる凹所は、例えば補強用のリ
ブ等の厚肉部、成形品の側壁部、成形品の湾曲部、ガス
圧入領域となる凹所を形成するために補助的に設けられ
る補助リブ等で囲まれた領域である。
【0020】本発明で用いる金型は、上記ガス圧入領域
以外の領域のキャビティの一部に大気開放経路が開口し
ているものである。大気開放経路は、キャビティを大気
に連通させるもので、キャビティ内に溶融樹脂が充填さ
れる際に、キャビティ内の空気等(空気及び/又は溶融
樹脂から発生するガス等)を金型外へ放出する役割をな
すものである。
【0021】大気開放経路は、金型のパーティング面に
残される隙間をそのまま用いたものであってもよいが、
上記キャビティ内のガスの放出を円滑に行うことができ
るよう、金型のパーティング面に形成した溝として設け
ておくことが好ましく、特に溶融樹脂の流動末端付近に
開口させることでより高い効果が得られる。また、大気
開放経路は、溶融樹脂が金型キャビティ内に充填された
時に、その開口側とは反対側がガス圧入領域となる位
置、具体的には成形品の表面側のキャビティ面に開口さ
せることが望ましい。
【0022】本発明では、上述のようなガス抜けの良い
金型を用いて、キャビティの容積に比して過量の溶融樹
脂を射出充填することによって、わざわざパーティング
面等をシールするような構造をとらなくても十分なヒケ
防止効果が得られる加圧ガスのガスシール性を得ている
ものである。
【0023】すなわち、本発明によれば、溶融樹脂の射
出充填時に、キャビティ内の空気等をスムーズに金型外
に排出しながら溶融樹脂をキャビティ内に充填できるの
で、樹脂とキャビティ面間に空気等を閉じ込めてしまう
ことを防止することができる。また、キャビティ内の空
気等をスムーズに排出できることと、キャビティ容積に
比して過量の溶融樹脂を射出充填することとにより、キ
ャビティの隅々まで溶融樹脂を充填できると共にキャビ
ティ内の樹脂とキャビティ面との密着性が向上する。従
って、ガス圧入領域を、当該領域の樹脂とキャビティ面
間に圧入した加圧ガスの漏れが生じにくい閉鎖領域とす
ることができ、後述するガス圧入領域への加圧ガス圧入
時のガス漏れを防止することができるものである。つま
り、本発明は、密閉されていない金型を用い、しかもキ
ャビティ容積に比して過量の溶融樹脂を射出充填するこ
とで、ひけ防止に必要なガス漏れを防止することができ
るという、これまでに考えられなかった方法を提供する
ものである。
【0024】本発明において、キャビティ容積に比して
過量の溶融樹脂とは、溶融樹脂の容積がキャビティ容積
に比して大きくなる溶融樹脂量のことをいい、好ましく
はキャビティ容積分の溶融樹脂の重量を100重量%と
した時に101〜110重量%になる量、さらに好まし
くは103〜107重量%になる量のことである。射出
充填する溶融樹脂量が少な過ぎると、ガス圧入領域を閉
鎖領域としにくくなり、逆に射出充填する溶融樹脂量が
多過ぎると、パーティング面でのバリの発生やソリによ
る寸法精度の低下を生じやすくなる。
【0025】加圧ガスの圧入は、射出時に溶融樹脂が入
り込まないが加圧ガスが通ることのできる程度のスリッ
ト状に開口する隙間を形成するピンや、焼結体、ポペッ
ト機構を有する弁体等が利用できる。特に本発明では、
キャビティ容積に比して少ない量の溶融樹脂を金型内に
射出する場合に比べて、過量の溶融樹脂を金型内に充填
することによって樹脂圧力が高くなるため、上記スリッ
ト状に開口する隙間を形成する固定ピンを用いた方法が
最も適する。また、固定ピンとして、加圧ガス圧入時に
は動かないエジェクタピン回りを利用することもでき
る。
【0026】本発明による方法では、溶融樹脂の射出に
よって金型キャビティ内に溶融樹脂を充填した後に、パ
ーティング面にバリを発生させない範囲で樹脂保圧を引
き続き行なうと、加圧ガスの金型外への漏洩防止効果を
高めることができる。
【0027】従来行われている、加圧ガスを溶融樹脂内
に注入するガスアシストインジェクションでは、加圧ガ
スをスムーズに注入するために、樹脂保圧を併用するこ
とは殆ど行われていない。また、溶融樹脂とキャビティ
の間に加圧ガスを圧入する従来のガス加圧射出成形方法
においても、加圧ガスを金型内にスムーズに充填するた
めに樹脂保圧は併用されておらず、また困難であると考
えられていた。
【0028】しかしながら、本発明の方法で樹脂保圧を
併用すると、加圧ガスの圧入時に、ランナー、ノズル部
への樹脂の逆流を防止できることによって、樹脂ゲート
部付近の不必要な収縮を防止することができ、これによ
って加圧ガスの金型外への漏洩をさらに効果的に防止で
きることが見出された。また、加圧ガスの圧入による厚
肉部根元の絞り込み(以下「スクイーズ」と称す。)量
を樹脂保圧によって制御できることも見出された。さら
には、ガス加圧に樹脂保圧を併用すると、成形品全体を
均一に金型に押し付けることができるため、成形品に不
要な残留応力が残りにくく、通常の射出成形で問題とな
るソリ等の発生も防止できることが分かった。
【0029】上記樹脂保圧は、通常のコールドランナー
の金型を用いても、ホットランナーの金型を用いても効
果がある。ホットランナーの場合、一般にバルブゲート
と呼ばれる、ホットランナーゲート部に開閉機能を有す
る弁体を有するものを用いると、ガスのホットランナー
部への侵入を防止できると同時に、樹脂の逆流も防止で
き、効果的である。
【0030】本発明者は、ガス圧入領域における成形品
裏面とこれに対応するキャビティ面との間に加圧ガスを
圧入した時に、溶融樹脂の射出圧力、加圧ガスの圧力、
厚肉部の形状や大きさ等によっては、圧入された加圧ガ
スの一部が、樹脂とキャビティ面の間に留まらず、厚肉
部を構成する樹脂中に注入されて中空部を形成すること
があることを見出した。この中空部の形成は、ガス圧入
領域における成形品裏面とこれに対応するキャビティ面
との間に圧入した加圧ガスの一部を樹脂中へ注入するの
ではなく、ガス圧入領域における成形品裏面とこれに対
応するキャビティ面との間に加圧ガスを圧入して、ガス
圧入領域に対応する成形品表面をこれに対応するキャビ
ティ面に押圧した状態で、別途設けた加圧ガス注入口か
ら加圧ガスをキャビティ内の樹脂中へ注入することで行
うこともできる。
【0031】すなわち、本発明においては、ガス圧入領
域における成形品裏面とこれに対応するキャビティ面と
の間に加圧ガスを圧入して、ガス圧入領域に対応する成
形品表面をこれに対応するキャビティ面に押圧した状態
で、キャビティティ内に充填された溶融樹脂の内部(特
に厚肉部を構成する樹脂内部)に、上記ガス圧入領域に
圧入された加圧ガス又は別途設けられた加圧ガス注入口
からの加圧ガスを注入して中空部を形成することができ
る。
【0032】上記のようにして中空部を形成した場合、
ガス加圧射出成形方法の利点とガスアシストインジェク
ションの利点とを相乗的に得ることができる。具体的に
は、加圧ガスによって成形品表面をそれに対応するキャ
ビティ面へ押し付けた状態で、成形品内、特に厚肉部内
への加圧ガスの注入が行われるので、厚肉部と薄肉部と
の間のキャビティ面への押し付け力の差や、樹脂内に加
圧ガスが導入されることによる二次転写が生じにくい。
従って、従来のガスアシストインジェクションで問題と
なる、厚肉部に対応する表面とそれ以外の表面間に生じ
る光沢や艶のむらを解消することができる。また、厚肉
部内に注入した加圧ガスが薄肉部へはみ出しにくく、加
圧ガスのはみ出しによる外観不良を防止できる。特に結
晶性樹脂の成形品を、溶融樹脂の内部に加圧ガスを注入
する通常のガスアシストインジェクションで成形した場
合、厚肉部から薄肉部へガスがはみ出しやすく外観上の
問題が生じていたが、この中空部の形成を伴う方法によ
れば、外観を格段に向上させることができる。さらに
は、成形品裏面とそれに対応するキャビティ面との間に
圧入された加圧ガスと、成形品内へ注入した加圧ガスと
の両者によってひけを防止できるので、ひけ防止が確実
となる。
【0033】本発明における金型温度は、使用する樹脂
についての通常の金型温度とすることができるが、さら
に高外観でひけの全くない成形品を成形するには、通常
の射出成形で用いられる金型温度よりも高めに設定する
ことが好ましい。例えば、少なくとも成形品の裏面に対
応するキャビティ面の温度T1 (℃)が、使用樹脂のビ
カット軟化点V(℃)に対して下記(I)式を満たすよ
うに保った状態で溶融樹脂をキャビティ内に射出するこ
とが好ましい。
【0034】 V−30<T1 <V−15 ……(I)
【0035】尚、使用樹脂のビカット軟化点V(℃)
は、試験法ASTM・D1525に基づいて測定される
値である。
【0036】本発明に用いることができる樹脂は、一般
に熱可塑性樹脂と称されるものであれば特に制限はな
い。例えば、ポリスチレンや、ハイインパクトポリスチ
レン、ミディアムインパクトポリスチレンのようなゴム
補強スチレン系樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重
合体(SAN樹脂)、アクリロニトリル−ブチルアクリ
レートラバー−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アク
リロニトリル−エチレンプロピルラバー−スチレン共重
合体(AES)、アクリロニトリル−塩化ポリエチレン
−スチレン共重合体(ACS)、ABS樹脂(例えば、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン−アルファメチ
ルスチレン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタク
リレート−ブタジエン−スチレン共重合体)等のスチレ
ン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の
アクリル系樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、高
密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(P
P)等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、エチレン塩化ビニル
酢酸ビニル共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体等の
塩化ビニル系共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート
(PETP、PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBTP、PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリカ
ーボネート(PC)、変性ポリカーボネート等のポリカ
ーボネート系樹脂、ポリアミド66、ポリアミド6、ポ
リアミド46等のポリアミド系樹脂。ポリオキシメチレ
ンコポリマー、ポリオキシメチレンホモポリマー等のポ
リアセタール(POM)樹脂、その他のエンジニアリン
グ樹脂、スーパーエンジニアリング樹脂、例えば、ポリ
エーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(P
EI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテル
ケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PE
EK)、ポリフェニレンサルファイド(PSU)等の
他、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテ
ートブチレート(CAB)、エチルセルロース(EC)
等のセルロース誘導体、液晶ポリマー、液晶アロマチッ
クポリエステル等の液晶系ポリマーが挙げられる。ま
た、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱
可塑性スチレンブタジエンエラストマー(TSBC)、
熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可
塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性
塩化ビニルエラストマー(TPVC)、熱可塑性ポリア
ミドエラストマー(TPAE)等の熱可塑性エラストマ
ーを用いることもできる。本発明においては、上述のよ
うな熱可塑性樹脂の一種もしくはそれ以上のブレンド体
を用いたり、充填材及び/又は添加材等を含有させて用
いてもよい。
【0037】以下、図面を参照しながらさらに説明す
る。
【0038】図1は、本発明に用いる金型1の一例を示
す断面図である。
【0039】図示されるように、金型1は、固定側金型
2と移動側金型3とで構成され、両者間に、成形時に溶
融樹脂が充填されるキャビティ4が形成されている。
【0040】図2は、この金型1による成形品20を示
すもので、(a)は斜視図、(b)は平面図である。成
形品20は、周囲に側壁部14a〜14dを有し、底面
の基盤部24を横切って、2本の厚肉部(補強用のリ
ブ)13が設けられた箱形のもので、内側が裏面(非意
匠面)、外側が表面(意匠面)である。また、側壁部1
4a〜14d囲まれた凹所(成形品20の内側全体)が
ガス圧入領域25となっており、厚肉部13はガス圧入
領域25に内包されたものとなっている。なお、26
は、後述するガス注入ピン8によって形成されたガス注
入口を示すものである。
【0041】パーティング面の固定側金型2側には溝が
形成されており、大気開放経路5を構成している。大気
開放経路5は、キャビティ4内で形成される成形品20
の表面に対応するキャビティ面4aに開口しており、こ
のキャビティ面4a側を大気に開放しているものであ
る。この大気開放経路5は、少なくともキャビティ4へ
の開口部若しくはその付近が、溶融樹脂がキャビティ4
内に射出充填される際に、樹脂を侵入させることなく、
キャビティ4内の空気等を金型1外に排出できる厚みを
有しているものである。この厚みは、樹脂の種類や成形
条件にもよるが、一般的には1/200mm以上1/1
0mm以下であることが好ましく、より好ましくは1/
100mm以上1/10mm以下、さらに好ましくは3
/100mm以上7/100mm以下である。
【0042】一方、成形品20の裏面に対応するキャビ
ティ面4b側は、大気につながるエジェクタピン6回り
がOリング7aでシールされており、しかも大気開放経
路5の開口もなく、大気との連通が遮断されている。ま
た、このキャビティ面4b側には、ガス注入ピン8が設
けられている。このガス注入ピン8は、先端をキャビテ
ィ面4bからキャビティ4内に臨ませて、移動側金型3
に埋め込まれているもので、バルブ9aを介して加圧ガ
ス源(図示されていない)に接続されたガス導入路10
aから送られて来る加圧ガスを、移動側金型3との間に
残された隙間を介してキャビティ4へと供給するもので
ある。尚、図中7bは、金型構成部材の合わせ目からの
加圧ガスの逃げを防ぐためのOリングである。
【0043】図に示される金型1のパーティング面は、
箱形の成形品20の基盤部24外面に沿って位置してお
り、上記大気開放経路5は、成形品20の表面に対応す
るキャビティ面4aであって、成形品20の基盤部24
に対応する位置に開口している。大気開放経路5の開口
位置は、このような位置のみではなく、パーティング面
の位置に合わせて、図3や図4に示される位置とするこ
ともできる。
【0044】図3においては、成形品20の側壁部14
a〜14dの先端にパーティング面が位置しており、大
気開放経路5は、成形品20の表面に対応するキャビテ
ィ面4aであって、成形品20の側壁部14a〜14d
の先端部に対応する位置に開口している。また、加圧ガ
スを圧入するためのガス注入ピン8は、成形品20の裏
面に対応するキャビティ面4b側に設けられている。
【0045】図4においては、成形品20の側壁部14
a〜14dの中間部にパーティング面が位置しており、
大気開放経路5は、成形品20の表面に対応するキャビ
ティ面4aであって、成形品20の側壁部14a〜14
dの中間部に対応する位置に開口している。また、加圧
ガスを圧入するためのガス注入ピン8は、成形品20の
裏面に対応するキャビティ面4b側に設けられている。
【0046】さらに、図1及び図2に基づいて本発明の
成形方法を説明する。
【0047】先ず、金型1を閉鎖した状態で、キャビテ
ィ4内に、キャビティ4の容積に比して過量の溶融樹脂
を射出する、この時、キャビティ4内の空気等は、溶融
樹脂の充填と共に大気開放経路5から放出されるので、
樹脂とキャビティ面4a,4bとの間に気泡が残留する
ことが防止される。また、この放出を確実にするため
に、ゲート11から離れた位置である流動末端部付近に
大気開放経路5を開口させておくことが好ましい。
【0048】上記溶融樹脂の射出充填後、直ちにバルブ
9aを開いて加圧ガスを加圧ガス源(図示されていな
い)から金型1に設けたガス導入路10aへと供給す
る。
【0049】加圧ガスとしては、例えば空気、炭酸ガス
等でもよいが、窒素等の不活性ガスが好ましい。使用ガ
スの種類に関しては、加圧ガスの圧力、成形材料、成形
条件等によって選択することが好ましい。加圧ガスの圧
力は、使用樹脂の種類、成形品の形状、成形品の大きさ
等によっても相違するが、通常10〜250kgf/c
2 、好ましくは40〜200kgf/cm2 である。
【0050】ガス導入路10aに供給された加圧ガス
は、ガス注入ピン8と移動側金型3間の隙間を通って、
キャビティ面4b側からキャビティ4内に圧入される。
この加圧ガスは、ガス圧入領域25における成形品20
の裏面と、これに対応するキャビティ面4bとの間に圧
入され、これによって、成形品20の表面をそれに対応
するキャビティ面4aへと押し付ける。そして、この加
圧ガスによる押し付けによって、キャビティ面4a側の
成形品20の表面におけるひけの発生が抑制されると共
に、キャビティ面4a側の転写性が向上し、ヒケ、艶む
ら等による外観不良の問題も低減する。さらには成形品
20を金型1より取り出すときの離型性も向上する。
【0051】ガス注入ピン8と移動側金型3との隙間
は、図5に示されるように、移動側金型3に設ける孔1
2を円形とすると共に、ガス注入ピン8の断面を円形で
はなく、円形の一部を削り取った形状とすることで形成
すると、容易に所望の幅sで形成できるので好ましい。
特にこのガス注入ピン8先端部回りの隙間の幅sは、加
圧ガスがスムーズに通過でき、射出充填時に溶融樹脂が
侵入しない大きさとしておくことが好ましい。この隙間
の幅sは、キャビティ4の形状、これを設ける位置、使
用材料、成形条件等にもよるが、好ましくは1/200
mm以上1/5mm以下、より好ましくは1/100m
m以上1/10mm以下、さらに好ましくは1/20m
m程度である。またガス注入ピン8の先端部より根本寄
りの領域は、加圧ガスが滑らかに通過できるように、隙
間を形成するための切削量を大きくし、場合によっては
溝状に切削しておくことが好ましい。
【0052】キャビティ4内に導入された加圧ガスによ
る圧力が有効に成形品20の表面をキャビティ面4aへ
と押し付けるように作用させるためには、キャビティ4
内に圧入した加圧ガスの金型1外への漏洩を防止するこ
とが必要である。
【0053】図6は、図1の金型1に溶融樹脂を過量に
充填した後にキャビティ4内に加圧ガスを圧入した時の
厚肉部13と側壁部14b間付近の状態の概略図であ
る。
【0054】ガス注入ピン8回りの隙間から注入された
加圧ガスは、成形品20をキャビティ面4aに押し付け
ながらリブ13の根元に達する。この時、通常の成形で
ヒケが発生しやすいリブ13の位置に対応する表面側
は、圧入された加圧ガスによる押し付けによりヒケが防
止される。
【0055】一方、加圧ガスは、側壁部14b側にも進
行し、側壁部14bを矢印で示す方向に押し付け、結果
として成形品20の側壁部14bはキャビティ面4aに
押し付けられる。一般に、加圧ガスの圧力が高いほど漏
洩を生じやすいが、図6に示されるように、加圧ガスの
圧力が高いほど側壁部14bはキャビティ面4aに強く
押し付けられ、ガス圧入領域25を閉鎖領域として、大
気開放経路5(図1参照)が開口しているキャビティ面
4a側への加圧ガスの回り込みが阻止されることにな
る。
【0056】上記加圧ガスの漏洩防止は、過量の溶融樹
脂をキャビティ4の隅々まで十分に充填することによっ
て初めて達せられるものである。つまり、加圧ガスがキ
ャビティ面4a側に回り込もうとした時に樹脂が十分に
キャビティ4内に充填されていないと、加圧ガスが樹脂
を押し除けてキャビティ面4a側に回り込んでガス道を
付けてしまい、このような側壁部14bによるガスシー
ルは困難になる(側壁部14a,14c,14dにおい
ても同様である。)。加圧ガスの金型1外への漏洩は、
パーティング面が図3の形態の時に起こりやすいが、本
発明による方法、すなわち溶融樹脂が金型1内の隅々に
まで充填されやすいガス抜きの優れた金型1を用いて過
量の樹脂を充填することによって、金型1外への加圧ガ
スの漏洩防止を充分なものとすることができる。
【0057】また、加圧ガスの圧入時に、ランナー、ノ
ズル部へ樹脂が逆流し、樹脂ゲート部付近に不必要な収
縮が生じて、キャビティ4の形状によっては高圧ガスが
漏洩する可能性もある。これを防止するためには、通常
の射出成形で用いられる程度の樹脂樹脂保圧を併用し、
成形品の収縮分の樹脂の一部を補うことが好ましい。こ
こでいう樹脂保圧とは、一般の射出成形で用いられる程
度の圧力であり、成形品20にバリを発生させない程度
の圧力である。この樹脂保圧を併用することによって、
リブ、ボス等の厚肉部13の肉厚を、樹脂保圧を併用し
ない場合に比べてより大きくとることが可能となり、成
形品20の強度向上が容易となり、製品設計の自由度を
さらに広げることができる。
【0058】加圧ガスの圧入は、必ずしも図1に示すよ
うな移動側金型3から行わなければならないものではな
い。固定側金型2と移動側金型3のどちら側からガスを
導入するかは、一般に金型1の形状に起因し、成形品2
0の表面が固定側金型2側にある場合、加圧ガスは図1
に示すように移動側金型3側から導入するのが簡便であ
り、逆に表面が移動側金型3側にある場合、加圧ガスは
固定側金型2側から導入する方が簡便である。
【0059】このように加圧ガスの圧入を行った後、必
要に応じて加圧ガスを金型1外に排出した後、成形品2
0を金型1から取り出す。
【0060】本発明は、図7に示されるように、厚肉部
13の幅をw、厚肉部13の周辺における厚みをtとし
た時に、w≧(3/5)tとなるような厚肉部13を有
する成形品20に対して有効である。すなわち、このよ
うな厚肉部13を有する成形品20は、通常の射出成形
ではひけの防止が困難であるが、本発明によるとこれを
確実に解消することができる。
【0061】図8は、ガス注入ピン8を設けることな
く、エジェクタピン6回りを利用してキャビティ4へ加
圧ガスを供給できるようにした金型1の一例を示すもの
である。
【0062】さらに説明すると、移動側金型3の後方に
は、突出したエジェクタピン6の後部及び突き出しプレ
ート15を収容し、かつバルブ9aを介して加圧ガス源
(図示されていない)に接続された密封室16が形成さ
れている。この金型1では、キャビティ4内への加圧ガ
スの圧入を、加圧ガス源から密封室16に加圧ガスを供
給し、移動側金型3とエジェクタピン6間の隙間を介し
て行うものとなっている。このようなガス注入方式を用
いると、個々のエジェクタピン6回りをガスシールした
り、エジェクタボックス(密封室16)に通じる入れ子
等があってもその継ぎ目のガスシールの必要がなくな
る。尚、7c〜7eは密封室16を形成するためのOリ
ングである。
【0063】図9は、図1の金型1で図2の成形品20
を成形する際に、溶融樹脂を充填した後、ガス圧入領域
25の成形品20の裏面とこれに対応するキャビティ面
4b間に加圧ガスを圧入し、この加圧ガスを厚肉部13
を構成する樹脂中にまで侵入させた時の厚肉部13と側
壁部14b付近の状態の概略図である。
【0064】ガス注入ピン8回りの隙間から圧入された
加圧ガスは、成形品20をキャビティ面4aに押し付け
ながら厚肉部13の根元に達する。この時、通常の成形
でヒケが発生しやすい厚肉部13の位置に対応する成形
品20の表面は、圧入された加圧ガスによる押し付けに
よりひけが防止される。また、加圧ガスは厚肉部13内
に侵入し、そこに中空部17を形成して、これによって
もひけの防止が図られる。この中空部17によるひけ防
止は、従来のガスアシストインジェクションと同じであ
るが、加圧ガスは厚肉部13周りにも存在し、同時に厚
肉部近傍21の位置に対応する成形品20の表面をキャ
ビティ面4aに押し付けているので、従来のガスアシス
トインジェクションのように、当該厚肉部13の位置に
対応する成形品20の表面における光沢や艶むらの発生
が防止されることになる。
【0065】図10は、厚肉部13に注入された加圧ガ
スが形成する中空部17,19の概略図で、(a)は本
発明による中空部17の一例で、(b)は従来のガスア
シストインジェクションによる中空部19の一例を示し
たものである。
【0066】従来のガスアシストインジェクションで
も、加圧ガスの圧力や厚肉部13の設計によって、
(b)の中空部19に示されるようなガスのはみ出しを
防止することも可能であるが、特に結晶性樹脂を用いた
場合や高圧の加圧ガスを用いた場合のガスのはみ出し防
止は容易ではない。しかし、本発明によれば、このガス
のはみ出しを容易に防止できるものである。
【0067】図11は、加圧ガスを、図2に示されるガ
ス圧入領域25における成形品20の裏面とこれに対応
するキャビティ面4bとの間にガス導入路10aを介し
て圧入すると同時に、キャビティ4内の樹脂内部にも別
の経路から加圧ガスを注入するための金型1の一例であ
る。
【0068】図に示されるガス注入ニードル18は、固
定側金型2に設けられ、先端をランナー内に臨ませたも
ので、バルブ9bを介して加圧ガス源(図示されていな
い)に接続されたガス導入路10bから送られてくる加
圧ガスを、ランナー内から成形品20(図2参照)の内
部に供給するためのものである。
【0069】図12は、図11の金型1に溶融樹脂を充
填した後、ガス圧入領域25(図2参照)の樹脂とキャ
ビティ面4b間に加圧ガス(背面ガス)を圧入し、その
後に溶融樹脂内部に別途加圧ガス(内部ガス)を圧入し
た時の厚肉部13と側壁部14b付近の状態の概略図で
ある。
【0070】ガス圧入ピン8回りの隙間から圧入された
背面ガスは、成形品20をキャビティ面4aに押し付け
ながら厚肉部13の根元に達する。この時、通常の成形
でヒケが発生しやすい厚肉部13の位置に対応する表面
側は、圧入された背面ガスによる押し付けによりヒケが
防止される。また、溶融樹脂内に注入された内部ガスは
厚肉部である厚肉部13内に注入され、そこに中空部1
7を形成して、これによりひけの防止が完全に図られ
る。この中空部17によるひけ防止は、従来のガスアシ
ストインジェクションと同じであるが、別経路から導入
された背面ガスがキャビティ面4bと溶融樹脂との間に
達し、厚肉部13周りにも存在し、同時に厚肉部近傍2
1の位置に対応する反対面側もキャビティ面4aに押し
付けられているので、従来のガスアシストインジェクシ
ョンのように、当該厚肉部13の位置に対応する表面側
における光沢や艶むらの発生が防止されることになる。
また、該方法を用いた場合の中空部17と従来のガスイ
ンジェクションによる中空部19の状況は、前述の図1
0の説明と同様で、中空部19のような薄肉部へのガス
のはみ出しが防止される。
【0071】図13は、本発明による成形品20の形状
の他の例を示したもので、図14(a)〜(c)は、図
13に示した成形品20の厚肉部13及び補助リブ23
付近の平面図、正面断面図、側面断面図である。
【0072】図1及び図2で説明したように、溶融樹脂
がキャビティ4内に充填されたときに、周囲に側壁部1
4a〜14dが形成される箱形の成形品20とし、その
キャビティ面4b側全体をガス圧入領域25としてして
加圧ガスを圧入してもよい。しかし、工業的に用いられ
る金型1の中には、様々な部分で分割された分割金型
(入れ駒と称す)の集合体として一つの金型1を構成す
る場合も多い。このため、必ずしも金型1の片面全体を
ガス圧入領域25とすることが得策とは言えない。
【0073】上記のような場合、本例の成形品20のよ
うに補助リブ23を設け、金型1の一部にガス圧入領域
25を設定して、該ガス圧入領域25内に開口するガス
注入口26から加圧ガスを圧入し、所望の厚肉部13の
ひけを防止することが可能である。本例の成形品20で
は、基盤部24の周囲に側壁部14a〜14dが連結さ
れ、側壁部14bに連結された厚肉部13を有してい
る。この成形品20においては、側壁部14aにはさら
に補助リブ23が連結され、補助リブ23及び厚肉部1
3がそれぞれ側壁部14a,14bと該側壁部14a,
14bを天部とするT字形に結合している。尚、本発明
においては、図に示すようにT字形を形成する側壁部1
4aと補助リブ23との結合部において、側壁部14a
の位置する部位を天部、補助リブ23の部位を脚部と呼
ぶ。
【0074】図14(a)に破斜線で示すように、側壁
部14a,14b、厚肉部13及び補助リブ23とで囲
まれた凹所がガス圧入領域25を形成する。つまり、図
1及び図2においては、ガス圧入領域25が厚肉部13
を内包するものとなっているが、この図13及び図14
に示す例では、ガス圧入領域25が厚肉部13と隣接す
るものとなっている。
【0075】ガス圧入領域25を厚肉部13に隣接させ
る場合、厚肉部13を、凹所として形成されるガス圧入
領域25の周囲を取り囲む凹所構成部材として用いれば
よい。また、ガス圧入領域25に厚肉部13を内包させ
る場合、厚肉部13が、凹所として形成されるガス圧入
領域25の周囲を取り囲む凹所構成部材内に収められる
ようにすればよい。
【0076】本発明においては、凹所構成部材の一部が
ガス圧入領域25外へ延出して略T字形を結合している
箇所においては、凹所構成部材のガス圧入領域25内が
ガス圧入領域25外と同等以上の高さとなるように設定
することが好ましい。すなわち、図13及び図14に示
した成形品20においては、側壁部14a,14bがガ
ス圧入領域25外へ延出しているため、ガス圧入領域2
5を囲む補助リブ23及び厚肉部13の夫々のT字形結
合部に立ち上げリブ22a,22bを形成してその高さ
を側壁部14a,14bと同等以上とする。なお、本発
明において同等以上とは、好ましくは90%以上を意味
する。具体的には、図13及び図14に示す成形品20
の側壁部14a〜14dの高さをH1 、厚肉部13及び
補助リブ23の高さをd2 、立ち上げリブ22a,22
bの高さをh1 とすると、h1 +d2 ≧0.9×H1
ある。h1 +d2 =Hとした図13及び図14の成形品
20は、その好ましい態様である。
【0077】このように、ガス圧入領域25の周囲を囲
む凹所構成部材同士が略T字形に結合している場合には
(図13及び図14では側壁部14bと厚肉部13、及
び、側壁部14aと補助リブ23)、この結合部におい
て凹所構成部材の高さを補うように設計することによっ
て、ガス圧入領域25外への加圧ガスの漏洩を防止しや
すく、十分にキャビティ面4a(図1参照)に成形品2
0を押し付けてひけの発生を防ぐことができる。
【0078】なお、本発明において凹所構成部材におけ
る略T字形結合は、直線状の部材に対して非直角に他方
の部材が結合している場合を含み、また図13に示した
ように脚部側部材と天部側部材とで高低差を有する場合
の他に、図15に示す側壁部14b、14cと補助リブ
29との結合部分のように、同じ高さの部材が略L字形
に結合した部位に異なる高さの部材が結合して略T字形
を形成する場合も含む。
【0079】本発明における略T字結合部においては、
図13に示したように低い方の部位に立ち上げリブ22
a,22bを形成する他に、高い方の部材を低い方の部
材に合わせて切り欠いて高さの調整を行ってもよい。ま
た、略T字結合部において各構成部材の上端部は特に水
平に形成する必要はなく、非水平或いは湾曲していても
構わない。
【0080】本発明において、立ち上げリブ22a,2
2bの幅d1 及び補助リブ23の高さd2 は、側壁部1
4a〜14cの肉厚T1 、基盤部24の肉厚t1 に対し
て、d1 >2T1 、d2 >2t1 、最も好ましくはd1
>3T1 、d2 >3t1 であることが望ましい。
【0081】ここでガス圧入領域25を形成するための
補助リブ23の肉厚は、厚肉部13の肉厚未満であれ
ば、特に肉厚に制限はないが、特に強度補強等の理由で
厚肉にする必要がなければ、通常の射出成形で設計され
る厚み、すなわち基盤部24の肉厚t1 の1/2以下に
形成するのが好ましい。また、図16に記すようにして
厚肉部13をガス圧入領域25に内包するように設計し
ても構わない。さらに、図17に示すように、厚肉部1
3が側壁部14aに結合した形態の成形品20において
も、補助リブ23を設けてガス圧入領域25を形成する
ことが可能である。
【0082】同様に、図18に示すように、厚肉部13
が側壁部14aに結合した形態の成形品において、側壁
部14aに沿って結合した補助リブ23と、基盤部24
に沿って結合した補助リブ23とで厚肉部13を内包す
るようににて、ガス圧入領域25を形成してもよい。
【0083】
【実施例】
実施例1 図19に示されるような、湾曲したハウジング形状で、
主要部厚み2.5mmの成形品を成形した。加圧ガスの
注入とそのガスシールは、図1で説明したものと同様と
し、ガス注入位置Gは、各リブa〜gの間とした。ま
た、一方のパーティング面の位置は図中Hの位置で図1
に示される形態のものとし、他方のパーティング面の位
置は図中Iの位置で図4に示される形態のものとした。
【0084】a,b,c,d,e,f,gで示される各
リブの厚みは、それぞれ2.5mm、2.5mm、1.
5mm、3.75mm、2.5mm、1.25mm、
2.5mmである。
【0085】成形材料は、ハイインパクトポリスチレン
(HIPS)、ABS樹脂、変性PPE樹脂(m−PP
E)とし、それぞれを用いて、キャビティ容積に比して
過量(103重量%)の成形材料を射出した後、直ちに
加圧ガスを圧入することで成形品を成形した。それぞれ
の成形条件を下記に示す。また、充填した溶融樹脂の割
合は、それぞれの金型、使用樹脂、成形条件において、
通常成形にてキャビティを丁度満たす量の成形品を成形
し、この成形品の重量を100重量%として、それぞれ
過量の溶融樹脂を充填して成形した成形品の重量を測定
して算出した。
【0086】(A)使用材料:HIPS ・シリンダー温度:200℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 20kg/cm2 (ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0087】(B)使用材料:ABS ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 20kg/cm2 (ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0088】(C)使用材料:m−PPE ・シリンダー温度:260℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 20kg/cm2 (ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0089】上記成形品外観は、肉眼にて判定し、更に
リブと反対側の意匠面のひけを測定した。測定結果を表
1に示す。
【0090】比較例1 実施例1と同じ金型、同じ樹脂をそれぞれ用いて通常の
射出成形を行った。それぞれの成形条件を下記に示す。
【0091】(A’)使用材料:HIPS ・シリンダー温度:200℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 40kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0092】(B’)使用材料:ABS ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 40kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0093】(C’)使用材料:m−PPE ・シリンダー温度:260℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 40kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0094】上記成形品外観は、肉眼にて判定し、更に
リブと反対側の意匠面のひけを測定した。測定結果を表
1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】表1の結果より、本発明による成形品は、
外観が良好で、ひけのほとんどない成形品であった。従
来、ひけの問題によって、厚肉のリブを設けることが出
来なかったが、本発明によってそれが可能となった。ま
た加圧ガスを成形品内部に導入するガスアシスト成形品
にみられるような、厚肉リブの裏に位置する意匠面にみ
られる光沢むら、艶むらも肉眼ではほとんど認められな
かった。
【0097】実施例2 図20に示されるような箱形OA機器ハウジング形状
で、主要部厚み2.0mmの成形品を成形した。加圧ガ
スの注入とガスシールは、図1で説明したものと同様と
した。また、パーティング面の形態は図3に示した形態
とした。h,iのリブの厚みは、それぞれ2mmと4m
mである。
【0098】成形材料は、ハイインパクトポリスチレン
(HIPS)、ABS樹脂、変性PPE樹脂(m−PP
E)とし、それぞれを用いて、キャビティ容積に比して
過量(104重量%)の成形材料を射出した後、直ちに
加圧ガスを圧入することで成形品を成形した。それぞれ
の成形条件を下記に示す。
【0099】(A)使用材料:HIPS ・シリンダー温度:200℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 20kg/cm2 (ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0100】(B)使用材料:ABS ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 20kg/cm2 (ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0101】(C)使用材料:m−PPE ・シリンダー温度:260℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 20kg/cm2 (ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0102】上記成形品外観は、肉眼にて判定し、更に
リブと反対側の意匠面のひけを測定した。測定結果を表
2に示す。
【0103】比較例2 実施例2と同じ金型、同じ樹脂をそれぞれ用いて通常の
射出成形を行った。それぞれの成形条件を下記に示す。
【0104】(A’)使用材料:HIPS ・シリンダー温度:200℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 40kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0105】(B’)使用材料:ABS ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 40kg/cm2 ゲージ圧力)
【0106】(C’)使用材料:m−PPE ・シリンダー温度:260℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 40kg/cm2 (ゲージ圧力)
【0107】上記成形品外観は、肉眼にて判定し、更に
リブと反対側の意匠面のひけを測定した。測定結果を表
2に示す。
【0108】
【表2】
【0109】実施例3 図21に示されるような箱形ハウジング形状で、主要部
厚み2.0mmの成形品を成形した。加圧ガスの注入と
ガスシールは、図1で説明したものと同様とした。ま
た、パーティング面の形態は図3に示した形態とした。
【0110】k,l,m,n,oのリブの厚みは、それ
ぞれ1mm,1.5mm、2mm、3mm、4mmであ
る。
【0111】成形材料は、ABS樹脂を用いて、キャビ
ティ容積に比して過量の成形材料を射出した後、直ちに
加圧ガスを圧入することで成形品を成形した。過量の量
を100.5重量%、101重量%、102重量%、1
03重量%、104重量%とし、加圧ガスの保持を測定
した。その他の成形条件を下記に示す。
【0112】 ・シリンダー温度: 240℃ ・金型温度: 60゜C ・射出圧力: 140kgf/cm2 ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 0kgf/cm2 ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力: 150kgf/cm2 ・加圧ガスの圧入時間:3秒 ・加圧ガスの保持時間:20秒
【0113】比較例3 実施例3と同じ金型、同じ樹脂をそれぞれ用いて充填す
る樹脂量以外の条件は、実施例3と同条件でガス併用射
出成形を行った。樹脂充填量はキャビティ容積に比して
少ない量(99%)とキャビティをちょうど満たす量
(100%)について成形品を成形した。
【0114】実施例3、比較例3によるガスシール性の
結果とヒケ量の測定結果を表3に記す。ガスシール性
は、加圧ガス保持時間終了時の残圧で評価した。残圧が
高いほどガスシール性が良好であるということになる。
【0115】
【表3】
【0116】表3の結果より、本発明による方法にて、
即ちガス抜けの良好な金型を用い、過量の樹脂を金型に
充填することにより加圧ガスの漏洩が防止でき厚肉部の
ヒケ防止ができることを実証できた。
【0117】実施例4 図22に示されるような箱形OA機器ハウジング形状
で、主要部厚み2.0mmの成形品を成形した。側壁の
形態は、図1で示したものを使用した。金型は、パーテ
ィング面(PL面)にはOリングを設置していない非密
封系の金型を用いたが、積極的に大気開放経路は設け
ず、通常の金型の合わせ面のクリアランスを利用し、溶
融樹脂充填時の金型内の余分なガスを金型外に放出し
た。リブpの厚みは、3mmである。
【0118】成形材料は、ABS樹脂を用いて、キャビ
ティ容積に比して過量の成形材料を射出した後、直ちに
加圧ガスを圧入することで成形品を成形した。金型キャ
ビティ内に射出充填した樹脂量は、金型キャビティをち
ょうど満たす量の樹脂重量を100%としたときに、1
00.5重量%、101重量%、102重量%、103
重量%、104重量%、106重量%、107重量%で
あった。また過量の樹脂を充填するといった点で本法と
は異なるが、比較のために、99.5重量%、100重
量%の充填量のものも成形した。その他の成形条件を下
記に示す。
【0119】 ・シリンダー温度: 240℃ ・金型温度: 60゜C ・射出圧力: 140kgf/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 0kgf/cm2 (ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力: 150kgf/cm2 ・加圧ガスの圧入時間:3秒 ・加圧ガスの保持時間:20秒
【0120】上記成形品の厚肉リブpに対する意匠面側
のヒケ量を測定した結果を表4に記す。
【0121】比較例4 実施例4と同様に、図22に示されるような、箱形OA
機器ハウジング形状で、主要部厚み2.0mmの成形品
を成形した。加圧ガスの注入とガスシールは、図1に示
した形態のものを使用した。実施例3と異なる点は、パ
ーティング面にもOリングを設置した密封金型を用い
た。
【0122】シリンダー温度、金型温度、射出条件、加
圧ガス条件等の他の成形条件は、実施例4と同様であ
る。 金型キャビティ内に射出充填した樹脂量は、金型
キャビティをちょうど満たす量の樹脂重量を100%と
したときに、99.5重量%、100.5重量%、10
1重量%、103重量%、104重量%、105重量
%、106重量%、107重量%であった。
【0123】上記成形品の厚肉リブpに対する意匠面側
のヒケ量を測定した結果を表4に記す。
【0124】
【表4】 ( )内の値は、非密封系金型を使用しているが、本発
明によらない値。
【0125】表4の結果より、本発明のにおける非密封
系の金型を用いた方が、密封系の金型を用いた場合よ
り、より少ない量の過量の樹脂の充填量でヒケの効果を
得られることがわかる。また、上述の過量な樹脂の充填
量の範囲では大きなバリの発生は無く外観良好な成形品
が得られた。
【0126】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、設
備的負担の小さな金型にて、ひけ及びバリのない外観に
優れた射出成形品を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる金型の一例を示す断面図であ
る。
【図2】図1の金型で得られる成形品を示す図である。
【図3】大気開放経路の形成位置の他の例を示す断面概
略図である。
【図4】大気開放経路の形成位置の他の例を示す断面概
略図である。
【図5】ガス注入ピン回りの拡大断面図である。
【図6】本発明におけるガスシール作用とひけ防止作用
の説明図である。
【図7】本発明を適用するに適した厚肉部の説明図であ
る。
【図8】本発明に用いる金型の例を示す断面図である。
【図9】本発明において加圧ガスを厚肉部内にも侵入さ
せた場合の厚肉部付近の説明図である。
【図10】形成される中空部の説明図である。
【図11】本発明に用いる他の形態の金型の例を示す断
面図である。
【図12】本発明において他の経路から加圧ガスを厚肉
部内に侵入させた場合の厚肉部付近の説明図である。
【図13】本発明で成形する成形品の他の例を示す斜視
図である。
【図14】図13におけるガス圧入領域付近を示す図で
ある。
【図15】本発明で成形する成形品の他の例を示す斜視
図である。
【図16】本発明で成形する成形品の他の例を示す斜視
図である。
【図17】本発明で成形する成形品の他の例を示す斜視
図である。
【図18】本発明で成形する成形品の他の例を示す斜視
図である。
【図19】実施例1、比較例1で成形した成形品の概略
図である。
【図20】実施例2、比較例2で成形した成形品の概略
図である。
【図21】実施例3、比較例3で成形した成形品の概略
図である。
【図22】実施例4、比較例4で成形した成形品の概略
図である。
【符号の説明】
1 金型 2 固定側金型 3 移動側金型 4 キャビティ 4a,4b キャビティ面 5 大気開放経路 6 エジェクタピン 7a〜7e Oリング 8 ガス注入ピン 9a,9b バルブ 10a,10b ガス導入路 11 ゲート 12 孔 13 厚肉部 14a〜14d 側壁部 15 突き出しプレート 16 密封室 17 中空部(本発明による) 18 ガス注入ニードル 19 中空部(従来技術による) 20 成形品 21 厚肉部近傍 22a,22b 立ち上げリブ 23 補助リブ 24 基盤部 25 ガス圧入領域 26 ガス注入口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面側に突出した厚肉部を有する成形品
    の射出成形において、キャビティ面の一部に開口する大
    気開放経路からキャビティ内のガスを抜きながら、キャ
    ビティ内にキャビティ容積に比して過量の溶融樹脂を射
    出充填し、次いで、ガス圧入領域における成形品裏面と
    これに対応するキャビティ面との間に加圧ガスを圧入し
    て、ガス圧入領域に対応する成形品表面をこれに対応す
    るキャビティ面に押圧することを特徴とするガス加圧射
    出成形方法。
  2. 【請求項2】 大気開放経路が溝として形成されている
    ことを特徴とする請求項1のガス加圧射出成形方法。
  3. 【請求項3】 少なくともキャビティへの開口部付近の
    溝の厚みが1/100mm以上1/10mm以下である
    ことを特徴とする請求項2のガス加圧射出成形方法。
  4. 【請求項4】 キャビティ内への溶融樹脂の射出量が、
    キャビティ容積分の溶融樹脂の重量を100重量%とし
    た時に101〜110重量%になる量であることを特徴
    とする請求項1〜3いずれかのガス加圧射出成形方法。
  5. 【請求項5】 溶融樹脂の射出後、樹脂保圧を加えるこ
    とを特徴とする請求項1〜4いずれかのガス加圧射出成
    形方法。
  6. 【請求項6】 樹脂保圧を加圧ガスの圧入時にも加える
    ことを特徴とする請求項5のガス加圧射出成形方法。
  7. 【請求項7】 ガス圧入領域における成形品裏面とこれ
    に対応するキャビティ面との間に加圧ガスを圧入して、
    ガス圧入領域に対応する成形品表面をこれに対応するキ
    ャビティ面に押圧した状態で、キャビティティ内に充填
    された溶融樹脂の内部に加圧ガスを注入して中空部を形
    成することを特徴とする請求項1〜6いずれかのガス加
    圧射出成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20030014462A (ko) * 2001-08-11 2003-02-19 현대자동차주식회사 가스주입장치 및 시퀀스 밸브를 가지는 사출성형시스템
JP2009148947A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Fuji Seiko:Kk 射出成形方法及び射出成形装置
CN110370528A (zh) * 2019-08-12 2019-10-25 华域视觉科技(上海)有限公司 用于消除注塑件筋位处流痕的结构

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