JP3973282B2 - ガス加圧射出成形方法 - Google Patents

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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/174Applying a pressurised fluid to the outer surface of the injected material inside the mould cavity, e.g. for preventing shrinkage marks

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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形法に関するもので、さらに詳しくは、キャビティ内に射出した樹脂とキャビティ面との間への加圧ガスの圧入を伴うガス加圧射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、射出成形において、裏面(非意匠面)側に突出した厚肉部を有する成形品を成形する場合、冷却に伴う樹脂の収縮によって、この裏面側の厚肉部に対応する成形品の表面(意匠面)側にひけと呼ばれる窪みを生じることが広く知られている。
【0003】
従来、最も一般的な上記ひけ防止策としては、射出圧力を高めると共に射出時間を延長し、溶融樹脂の供給圧を加えながらキャビティ内の樹脂をある程度冷却する方法(樹脂加圧法)が知られている。しかしながら、上記樹脂加圧法によるひけ防止は、特開昭50−75247号公報に示されるように、成形品の肉厚等によって成形条件が異なるので、成形作業が煩雑になると共に、高い樹脂圧を加えなければ十分なひけ防止を図れないので、パーティング面にバリを発生させる原因となり、このバリ除去の作業負担が増大する問題がある。また、過度の樹脂圧を加えると、成形品にソリが発生するといった寸法精度上の問題もでてくる。さらに、樹脂加圧法では、ゲート付近の厚肉部には圧力伝達が容易であるが、ゲート部から離れた厚肉部には十分に圧力がかからず、厚肉部の位置によっては完全にひけを解消することができないといったことが起こる。
【0004】
そこで、上記特開昭50−75247号公報では、キャビティ内に溶融樹脂を射出した後、成形品の片面側を弁体で突き上げて、成形品の片面側と、この片面側を成形するコアとの間に空所を形成し、この空所に加圧ガスを圧入して、成形品の他面をこれに対応するキャビティ面に圧接させるガス加圧射出成形方法を提案している。
【0005】
このガス加圧射出成形方法は、樹脂加圧法における樹脂圧を加えない代わりに加圧ガスの圧入を行い、加圧ガスの圧入によってひけの発生防止を図っているものである。しかしながら、このガス加圧射出成形方法では、圧入した加圧ガスが金型のパーティング面から漏れて、十分な押圧ができなくなりやすく、ひけ防止も不十分な成形品しか得ることができなかった。
【0006】
特表平4−501090号公報には、キャビティの容積より少ない容積の溶融樹脂、具体的にはキャビティの容積の90〜95容積%の溶融樹脂を射出した後、キャビティ内に残された空所に加圧ガスを圧入するガス加圧射出成形方法が記載されている。このガス加圧射出成形方法は、キャビティに対して少ない量の溶融樹脂を射出するもので、圧入した加圧ガスがパーティング面から逃げやすく、ひけ防止効果に劣るものであった。更に充填樹脂量がキャビティ容積に比べて少ないため、成形品裏面側には大きなヒケが発生し、外観上劣った成形品しか得られなかった。
【0007】
また、W093/14918号には、ガス加圧射出成形方法において、加圧ガスの圧力効率を高めるために、金型のパーティング面からのガスの漏洩を防止する密封構造の金型とすると共に、例えば三角形等の先細り形状をした堰をキャビティ内に設けた金型を用いる方法が開示されている。しかしながら、この方法では密封構造の金型とするために装置的負担が大きく、さらには射出時にキャビティ内の空気が樹脂とキャビティ面との間に閉じ込められてしまうという問題も生じている。
【0008】
さらに、WO96/02379号には、金型のパーティング面等にシール材を施した密封構造の金型を用い、金型容積に比して特定量(キャビティ容量と、キャビティに充填された溶融樹脂が室温まで冷却されて収縮した樹脂が示す容積との差の30〜90%に相当する量)の過剰の樹脂を充填した後、溶融樹脂塊と金型との間に加圧ガスを注入し、該溶融樹脂塊を金型キャビティ内面に押圧して成形する方法が開示されている。
【0009】
しかしながら、この方法では、例えば突き出しピン回りまでガスシールできる密封室を設ける必要があり、装置的負担が大きいといった問題や、金型内の空気やガスを金型キャビティ内から密封室等に追いやるために比較的多量の過剰樹脂を充填したり、高圧で樹脂を充填する必要があるという問題があった。即ち、これらの従来の方法では光沢面を有する意匠面のヒケを完全に防止することは困難であり、十分に満足できる外観がAクラスの成形品を得ることができなかった。
【0010】
ところで、近年では、家庭電気器具やOA機器の筐体や部品、さらには自動車部品等の大型の成形品の需要が高まると共に、製品のコストダウンのための成形品の薄肉化の要望も高まっている。薄肉で大型の成形品の場合、強度維持のために、一般にリブやボスと称する補強部を裏面に設けるのが普通である。リブやボスは、肉厚であるほど補強効果が高く、樹脂を金型内に容易に充填できるようにする流動支援効果も得られる。
【0011】
しかしながら、厚肉のリブやボスを設けると、リブやボスに対応する成形品の表面がひけ、外観上の問題が発生しやすい。すなわち、近年需要が高まっている薄肉で大型の成形品は、必要な強度維持のため厚肉のリブやボスを備えたものとなるが、このような厚肉のリブやボスを設けた場合のひけ防止技術がいずれも不十分で、特に意匠面が光沢面である成形品においては、満足できる成形品が得にくいのが現状である。
【0012】
また電気冷蔵庫用扉の外装パネルには従来金属性の板を加工したものが用いられていたが、軽量化、コストダウンやデザインの自由度等の点から樹脂製の製品が望まれてきた。しかしながら、薄肉の樹脂製成形品を作製しようとすると強度、流動性の面で成形品裏面側に厚肉部の付与が望まれるが、外観上の問題から従来の技術では困難であった。
【0013】
更に電気冷蔵庫の扉の場合、成形後に成形品裏面側にウレタン発泡剤等を注入する必要があるため耐薬品性(ストレスクラック特性)に優れた成形品が好ましい。一般に成形品を薄肉化した場合には成形品内部には残留歪みが残り、耐薬品性、特にストレスクラック特性に劣るといったことや反った成形品が得られるといった問題が残り、低圧成形による成形品作製が望まれていた。
【0014】
そこで低圧成形であるガスアシスト射出成形と呼ばれている溶融樹脂内部に加圧ガスを導入し、ガス保圧する方法が偏肉成形品の作成として考えられるが、この方法では、成形品表面に光沢ムラと呼ばれる外観不良が発生し、特に意匠面が光沢面の場合に該不良現象が顕著に現れ外観上の問題となっていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、ガス加圧射出成形方法により、外観良好な光沢面を有する薄肉で大型の成形品、特に箱型の電気冷蔵庫用扉の外装パネル製作を完全なものとすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
1.非意匠面である裏面側に樹脂流動支援用の厚肉部を有し、樹脂ゲートから樹脂流動末端部までの距離である樹脂流動距離Lと、前記厚肉部が設けられた成形品基盤部の成形品薄肉部の最小肉厚Tとの比(L/T)が40以上の成形品のガス加圧射出成形方法であって、前記ガス加圧射出成形方法により作製される成形体が少なくとも一部に側壁を有する成形体であって、該ガス加圧射出成形方法に用いる金型が、成形品意匠面を形成する意匠面側となるキャビティの一部に大気開放経路を有し、前記樹脂ゲートから溶融樹脂を射出充填し、次いで、樹脂ゲート部付近に設けたガス注入口より加圧ガスをガス圧入によってガスが圧入された領域となるガス圧入領域における成形品裏面とこれに対応するキャビティ面との間に圧入することによってガス圧入領域に対応する成形品表面をこれに対応するキャビティ面に押圧して成形する事を特徴とするガス加圧射出成形方法、
2.前記成形品が樹脂製電気冷蔵庫用扉の外装パネルである事を特徴とする1記載のガス加圧射出成形方法、である。
【0017】
本発明は、樹脂流動距離Lと成形品薄肉部の肉厚Tとの比(L/T)が40以上の薄肉で大型の成形品のガス加圧射出成形方法である。該成形品の非意匠面である裏面側に樹脂流動支援用の厚肉部を設け、樹脂ゲートがら該厚肉部を利用して溶融樹脂を射出充填し、次いで、ガス圧入領域における成形品裏面とこれに対応するキャビティ面との間に、樹脂ゲート部付近に設けたガス注入口より加圧ガスを圧入することによって、充填された樹脂の下流側に加圧ガスを侵入させ、次いで該加圧ガスをガス圧入領域全体に侵入させることによって、ガス圧入領域に対応する成形品表面をこれに対応するキャビティ面に押圧して成形するガス加圧射出成形方法であって、このガス加圧射出成形方法により外観が極めて優れた偏肉成形品を作製する事を可能としたものである。
【0018】
本発明による成形対象は、表面にひけを生じやすい、非意匠面である裏面側に樹脂流動支援用の厚肉部を有する成形品である。この厚肉部とは、例えばリブやボスのように局部的に突出した厚肉部分や側壁根元部分の厚肉部分の他、肉厚が一定部分広い範囲で変化した厚肉領域も含む。ここでの流動支援用の厚肉部とは、溶融樹脂を金型内に充填する樹脂ゲート部付近から樹脂の流動方向に連続的に成形品薄肉部上に設けられた厚肉部である。その形状には特に規定はないが、一般に断面形状が半円形、台形、四角形等のものが用いられる。ここでの樹脂ゲート部付近とは、樹脂ゲートからの距離が樹脂流動距離の1/3以下、好ましくは1/10以下、もっとも好ましくは0(すなわち樹脂ゲートから連続的に厚肉部が流動方向に設置されたもの)である。
【0019】
また、該厚肉部の厚みは、薄肉部の厚みの0.6倍以上、好ましくは1倍以上、更に好ましくは2倍以上のものが望ましい。また該流動支援用の厚肉部は、成形品剛性等の強度を向上させるための補強用リブとしての機能を兼用させても良い。本発明では、樹脂の流動が困難な成形品、即ち流動距離が長く、薄肉成形品ほど、言い換えるならば、(L/T)が大きな成形品、具体的には(L/T)が40以上1000以下の成形品について本発明の効果が得られる。ここでの樹脂流動距離Lは、樹脂ゲート部から樹脂が最終的に到達する流動末端部までの距離であり、ゲートが複数有る場合、個々のゲートから個々の流動末端部までの距離の最大値を示す。また成形品薄肉部とは、該厚肉部が連結する基盤部であり、該薄肉部の肉厚Tは、成形品基盤部の厚みの最小値を示す。一般に電気冷蔵庫用扉の外装パネルの場合、Tは、1.0〜3.5mm程度である。特にTが2mm以下、Lが300mm以上、即ち(L/T)が150以上の成形品においては、樹脂充填が困難である。このため樹脂ゲートから流動方向に対して流動支援のための厚肉リブを設けることが望まれており、本発明によって達成される。本発明において樹脂流動支援用の厚肉部は、肉厚ほど流動支援効果が得られるが、一方肉厚になるほど該厚肉リブに対する意匠面側にヒケを生じ易くなる。本発明では該厚肉リブのヒケを押さえることができるため、一般の射出成形では困難とされる厚肉のリブを付与できる。具体的には、薄肉部の厚みTに対して1倍から3倍程度までの厚みのリブを樹脂ゲート部付近(或いは樹脂ゲート部に連なるように)から樹脂の流動方向に有するように設計できる。また本発明による成形品のように外観特性が極めて重要な場合、樹脂ゲートは、ウエルドラインができにくい様に一点ゲートであることが望ましい。
【0020】
本発明における加圧ガスのガス注入口は、樹脂ゲートとは異なる樹脂ゲート付近、即ち樹脂ゲートにより近い位置に設ける事が望ましい。具体的には、少なくとも1個のガス注入口と樹脂ゲートとの距離が、樹脂ゲートから流動末端部までの距離の1/2以下、好ましくは1/3以下、更に好ましくは1/5以下である事が望ましい。
【0021】
流動距離の長い成形品において、ガス注入口を樹脂ゲート付近に、例えば流動距離が300mmの時に樹脂ゲートから50mmの位置に設けた時にヒケの少ない外観良好な成形品が得られる原因は、以下のように推測される。一般に樹脂ゲートに近い位置は、流動末端部よりも樹脂圧が高く、(L/T)が大きいほど樹脂ゲート部と流動末端部との圧力差は大きくなる。樹脂充填後に、樹脂ゲートから遠くに位置するガス注入口から加圧ガスを金型キャビティと樹脂との間に注入すると加圧ガスはガス圧入領域内に広がるが、流動末端部付近は樹脂圧が低いため加圧ガスがガス圧入領域に充分に広がる前に金型パーティングラインからガスが漏洩する。一度加圧ガスの漏洩路が形成されるとガス圧入領域内の加圧ガスによる圧力は上がりにくい。これに対して樹脂圧の高い樹脂ゲート付近から注入された加圧ガスは、樹脂圧の低い流動末端部の下流に容易に広がるため、ガス圧入領域内に均一に加圧ガスが圧入され、かつ流動末端部には未固化の樹脂を押しやって、加圧ガスの漏洩路を塞いでしまい加圧ガスの漏洩を防ぎ、結果として樹脂を金型意匠面側に有効に押圧できる。
【0022】
本発明において、上記樹脂流動支援用の厚肉部と隣接又は該厚肉部を内包する成形品裏面側の凹所を以下、ガス圧入領域という。このガス圧入領域となる凹所は、例えば補強用リブや流動支援用の厚肉部、成形品の側壁部、ガス圧入領域となる凹所を形成するために補助的に設けられる補助リブ等で囲まれた領域である。
【0023】
本発明で用いる金型の望ましい形態は、上記ガス圧入領域以外の領域の意匠面側となるキャビティの一部に大気開放経路が開口しているものである。大気開放経路は、キャビティを大気に連通させるもので、キャビティ内に溶融樹脂が充填される際に、キャビティ内の空気等(空気及び/又は溶融樹脂から発生するガス等)を金型外へ放出する役割をなすものである。
【0024】
大気開放経路は、金型のパーティング面に残される隙間をそのまま用いたものであってもよいが、上記キャビティ内のガスの放出を円滑に行うことができるよう、金型のパーティング面に形成した溝として設けておくことが好ましく、特に溶融樹脂の流動末端付近に開口させることでより高い効果が得られる。また、大気開放経路は、溶融樹脂が金型キャビティ内に充填された時に、その開口側とは反対側がガス圧入領域となる位置、具体的には成形品の意匠面側のキャビティ面に開口させることが望ましい。
【0025】
本発明では、上述のようなガス抜けの良い金型を用いて、キャビティの容積に比して好ましくは充分な量の溶融樹脂を射出充填することによって、わざわざパーティング面等をシールするような構造をとらなくても十分なヒケ防止効果が得られる加圧ガスのガスシール性を得ているものである。更に金型温度T1を通常の射出成形で用いられる温度よりも高温の金型キャビティに溶融樹脂を充填することによって成形品表面のヒケ及び光沢ムラによる外観不良を改善し、Aクラスの外観を有する成形品作製が可能となる。金型温度の調整は通常の冷却水やオイルを媒体として用いられている一般に金型温調機と呼ばれているものをそのまま用いて良い。また高周波誘導加熱等を用いて金型キャビティ面を急加熱し、溶融樹脂充填時のみ金型キャビティを高温に保っても良い。
【0026】
ここでの金型キャビティ面の温度T1(℃)とは、成形材料のビカット軟化点V(℃)に対して下記(1)式を満たす温度のことである。
【0027】
〔数1〕
V−35 < T1 < V−10 ・・・・(1)
【0028】
本発明によれば、溶融樹脂の射出充填時に、キャビティ内の空気等をスムーズに金型外に排出しながら溶融樹脂をキャビティ内に充填できるので、樹脂とキャビティ面間に空気等を閉じ込めてしまうことを防止することができる。また、キャビティ内の空気等をスムーズに排出できることや、金型温度を高温に保った状態で溶融樹脂を充填することにより、キャビティの隅々まで溶融樹脂を充填できると共にキャビティ内の樹脂とキャビティ面との密着性が向上する。従って、ガス圧入領域を、当該領域の樹脂とキャビティ面間に圧入した加圧ガスの漏れが生じにくい閉鎖領域とすることができ、後述するガス圧入領域への加圧ガス圧入時のガス漏れを防止することができるものである。つまり、本発明によると、密閉されていない金型を用い、しかも好ましくは高温に保たれた金型キャビティ面に溶融樹脂を射出充填することで、ひけ防止に必要なガス漏れを防止することができ、外観が極めて優れた光沢意匠面を有する成形品、特に電気冷蔵庫扉用の外装パネルを得ることができる。
【0029】
本発明において、金型キャビティ内に射出充填する溶融樹脂量には特に制限はないが、加圧ガスの金型外への漏洩防止効果を上げるためにキャビティ容積に比して充分な量又は過量の溶融樹脂を金型キャビティ内に充填することが望ましい。ここでの過量とは溶融樹脂の容積がキャビティ容積に比して大きくなる溶融樹脂量のことをいい、キャビティ容積分の溶融樹脂の重量を100重量%とした時に100%を越える量のことで、好ましくは100.1〜110重量%になる量、さらに好ましくは100.1〜105重量%になる量のことである。射出充填する溶融樹脂量が少な過ぎると、ガス圧入領域を閉鎖領域としにくくなり、逆に射出充填する溶融樹脂量が多過ぎると、パーティング面でのバリの発生やソリによる寸法精度の低下を生じやすくなる。
【0030】
加圧ガスの圧入は、射出時に溶融樹脂が入り込まないが加圧ガスが通ることのできる程度のスリット状に開口する隙間を形成するピンや、焼結体、ポペット機構を有する弁体等が利用できる。本発明による方法では、溶融樹脂の射出によって金型キャビティ内に溶融樹脂を充填した後に、パーティング面にバリを発生させない範囲で樹脂保圧を引き続き行っても良い。
【0031】
従来行われている、加圧ガスを溶融樹脂内に注入するガスアシストインジェクションでは、加圧ガスをスムーズに注入するために、樹脂保圧を併用することは殆ど行われていない。また、溶融樹脂とキャビティの間に加圧ガスを圧入する従来のガス加圧射出成形方法においても、加圧ガスを金型内にスムーズに充填するために樹脂保圧は併用されておらず、また困難であると考えられていた。
【0032】
上記樹脂保圧は、通常のコールドランナーの金型を用いても、ホットランナーの金型を用いても効果がある。ホットランナーの場合、一般にバルブゲートと呼ばれる、ホットランナーゲート部に開閉機能を有する弁体を有するものを用いると、ガスのホットランナー部への侵入を防止できると同時に、樹脂の逆流も防止でき、効果的である。
【0033】
本発明に用いることができる樹脂は、一般に熱可塑性樹脂と称されるものであれば特に制限はない。例えば、汎用ポリスチレンや、ゴム補強スチレン系樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN樹脂)、アクリロニトリル−ブチルアクリレートラバー−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピルラバー−スチレン共重合体(AES)、アクリロニトリル−塩化ポリエチレン−スチレン共重合体(ACS)、ABS樹脂(例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−アルファメチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−マレイミド共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、エチレン塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PETP、PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBTP、PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(PC)、変性ポリカーボネート等のポリカーボネート系樹脂、ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂。ポリオキシメチレンコポリマー、ポリオキシメチレンホモポリマー等のポリアセタール(POM)樹脂、その他のエンジニアリング樹脂、スーパーエンジニアリング樹脂、例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PSU)等の他、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、エチルセルロース(EC)等のセルロース誘導体、液晶ポリマー、液晶アロマチックポリエステル等の液晶系ポリマーが挙げられる。また、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性スチレンブタジエンエラストマー(TSBC)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性塩化ビニルエラストマー(TPVC)、熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)等の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。本発明においては、上述のような熱可塑性樹脂の一種もしくはそれ以上のブレンド体を用いたり、充填材及び/又は添加材等を含有させて用いてもよい。特に上記の中でも電気冷蔵庫用扉の外装パネルとしては、ABS樹脂やゴム補強スチレン系樹脂が適する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらさらに説明する。図1は、本発明に用いる金型1の一例を示す断面図である。図示されるように、金型1は、固定側金型2と移動側金型3とで構成され、両者間に、成形時に溶融樹脂が充填されるキャビティ4が形成されている。
【0035】
図2は、この金型1による成形品15を示すもので、(a)は斜視図、(b)は平面図である。成形品15は、周囲に側壁部14a〜14dを有し、底面の基盤部16を横切って、流動支援用の厚肉部13が設けられた箱形のもので、内側が裏面(非意匠面)、外側が表面(意匠面)である。また、側壁部14a〜14d囲まれた凹所(成形品15の内側全体)がガス圧入領域17となっており、厚肉部13はガス圧入領域17に内包されたものとなっている。なお、18で示した位置は、後述するガス注入ピン8によって形成されたガス注入口18を示すものである。また11は、樹脂ゲートで樹脂の充填口である。樹脂ゲートは、一般にこの様な箱形形状でウエルドラインの発生を防止したい場合は、一箇所設ける(一点ゲート)。該一点ゲートは、箱形の外面が意匠面の場合、図2の(b)に示すように側壁部14bの中央部に設けたり、側壁部14aの中央部(特に図示せず)に設ける事が外観と流動性の面から望ましい。また流動支援を目的とした厚肉リブ13は、図2に示されるような樹脂ゲート付近又は図9に示される様に厚肉部13−2を付与し、樹脂ゲートから連なる様に設けても良い。更に該厚肉部は、充填される樹脂の流動方向に延びるように設置した方が好ましい。また流動支援のための厚肉部は、図示されているような断面形状が四角型のものに限るのではなく、断面形状が半円形のものでも良い。更に加圧ガスの注入口18を樹脂ゲート付近に設ける。
【0036】
パーティング面の固定側金型2側には溝が形成されており、大気開放経路5を構成している。大気開放経路5は、キャビティ4内で形成される成形品15の表面に対応するキャビティ面4aに開口しており、このキャビティ面4a側を大気に開放しているものである。この大気開放経路5は、少なくともキャビティ4への開口部若しくはその付近が、溶融樹脂がキャビティ4内に射出充填される際に、樹脂を侵入させることなく、キャビティ4内の空気等を金型1外に排出できる厚みを有しているものである。この厚みは、樹脂の種類や成形条件にもよるが、一般的には0.005mm以上0.1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.01mm以上0.1mm以下、さらに好ましくは0.03mm以上0.07mm以下である。
【0037】
一方、成形品15の裏面に対応するキャビティ面4b側は、大気につながるエジェクタピン6回りがOリング7aでシールされており、しかも大気開放経路5の開口もなく、大気との連通が遮断されている。また、このキャビティ面4b側には、ガス注入ピン8が設けられている。このガス注入ピン8は、先端をキャビティ面4bからキャビティ4内に臨ませて、移動側金型3に埋め込まれているもので、バルブ9を介して加圧ガス源(図示されていない)に接続されたガス導入路10から送られて来る加圧ガスを、移動側金型3との間に残された隙間を介してキャビティ4へと供給するものである。尚、図中7bは、金型構成部材の合わせ目からの加圧ガスの逃げを防ぐためのOリングである。
【0038】
図に示される金型1のパーティング面は、箱形の成形品15の基盤部16外面に沿って位置しており、上記大気開放経路5は、成形品15の表面に対応するキャビティ面4aであって、成形品15の基盤部16に対応する位置に開口している。大気開放経路5の開口位置は、このような位置のみではなく、パーティング面の位置に合わせて、図3や図4に示される位置とすることもできる。
【0039】
図3においては、成形品15の側壁部14a〜14dの先端にパーティング面が位置しており、大気開放経路5は、成形品15の表面に対応するキャビティ面4aであって、成形品15の側壁部14a〜14dの先端部に対応する位置に開口している。また、加圧ガスを圧入するためのガス注入ピン8は、成形品15の裏面に対応するキャビティ面4b側に設けられている。
【0040】
図4においては、成形品15の側壁部14a〜14dの中間部にパーティング面が位置しており、大気開放経路5は、成形品15の表面に対応するキャビティ面4aであって、成形品15の側壁部14a〜14dの中間部に対応する位置に開口している。また、加圧ガスを圧入するためのガス注入ピン8は、成形品15の裏面に対応するキャビティ面4b側に設けられている。
【0041】
さらに、図1及び図2に基づいて本発明の成形方法を説明する。先ず、金型1を閉鎖した状態で、キャビティ4内に、好ましくはキャビティ4の容積に比して充分な溶融樹脂を射出する、この時、キャビティ4内の空気等は、溶融樹脂の充填と共に大気開放経路5から放出されるので、樹脂とキャビティ面4a,4bとの間(特に樹脂とキャビティ面4aとの間)に気泡が残留することが防止される。また、この放出を確実にするために、ゲート11から離れた位置である流動末端部付近に大気開放経路5を開口させておくことが好ましい。
【0042】
上記溶融樹脂の射出充填後、直ちにバルブ9を開いて加圧ガスを加圧ガス源(図示されていない)から金型1に設けたガス導入路10へと供給する。加圧ガスとしては、例えば空気、二酸化炭素、窒素等が用いられる。使用ガスの種類に関しては、加圧ガスの圧力、成形材料、成形条件等によって選択することが好ましい。加圧ガスの圧力は、使用樹脂の種類、成形品の形状、成形品の大きさ等によっても相違するが、通常3〜250kgf/cm2、好ましくは8〜100kgf/cm2、更に好ましくは10〜50kgf/cm2である。
【0043】
ガス導入路10aに供給された加圧ガスは、ガス注入ピン8と移動側金型3間の隙間を通って、キャビティ面4b側からキャビティ4内に圧入される。この加圧ガスは、ガス圧入領域17における成形品15の裏面と、これに対応するキャビティ面4bとの間に圧入され、これによって、成形品15の表面をそれに対応するキャビティ面4aへと押し付ける。そして、この加圧ガスによる押し付けによって、キャビティ面4a側の成形品15の表面におけるひけの発生が抑制されると共に、キャビティ面4a側の転写性が向上し、ヒケ、艶むら等による外観不良の問題も低減する。さらには成形品15を金型1より取り出すときの離型性も向上する。
【0044】
ガス注入ピン8と移動側金型3との隙間は、図5に示されるように、移動側金型3に設ける孔12を円形とすると共に、ガス注入ピン8の断面を円形ではなく、円形の一部を削り取った形状とすることで形成すると、容易に所望の幅sで形成できるので好ましい。特にこのガス注入ピン8先端部回りの隙間の幅sは、加圧ガスがスムーズに通過でき、射出充填時に溶融樹脂が侵入しない大きさとしておくことが好ましい。この隙間の幅sは、キャビティ4の形状、これを設ける位置、使用材料、成形条件等にもよるが、好ましくは0.005mm以上0.2mm以下、より好ましくは0.01mm以上0.1mm以下、さらに好ましくは0.05mm程度である。またガス注入ピン8の先端部より根元寄りの領域は、加圧ガスが滑らかに通過できるように、隙間を形成するための切削量を大きくし、場合によっては溝状に切削しておくことが好ましい。
【0045】
キャビティ4内に導入された加圧ガスによる圧力が有効に成形品15の表面をキャビティ面4aへと押し付けるように作用させるためには、キャビティ4内に圧入した加圧ガスの金型1外への漏洩を防止することが必要である。図6は、図1の金型1に溶融樹脂を過量に充填した後にキャビティ4内に加圧ガスを圧入した時の厚肉部13と側壁部14a、14d間付近の状態の概略図である。
【0046】
ガス注入ピン8回りの隙間から注入された加圧ガスは、成形品15をキャビティ面4aに押し付けながらリブ13の根元に達する。この時、通常の成形でヒケが発生しやすいリブ13の位置に対応する表面側は、圧入された加圧ガスによる押し付けによりヒケが防止される。一方、加圧ガスは、側壁部14a、14d側にも進行し、側壁部14a,14dを矢印で示す方向に押し付け、結果として成形品15の側壁部14a、14dはキャビティ面4aに押し付けられる。一般に、加圧ガスの圧力が高いほど漏洩を生じやすいが、図6に示されるように、加圧ガスの圧力が高いほど側壁部14a、14dはキャビティ面4aに強く押し付けられ、ガス圧入領域17を閉鎖領域として、大気開放経路5(図1参照)が開口しているキャビティ面4a側への加圧ガスの回り込みが阻止されることになる。また加圧ガスは、同時に流動末端部方向である側壁14c(図6には図示せず)側にも容易に進行し、ガス圧入領域17全体に広がり、ガス圧入領域全体の樹脂をキャビティ面4aに強く押し付ける。
【0047】
上記加圧ガスの漏洩防止は、充分な量、好ましくは過量の溶融樹脂をキャビティ4の隅々まで十分に充填したほうがよい。つまり、加圧ガスがキャビティ面4a側に回り込もうとした時に樹脂が十分にキャビティ4内に充填されていないと、加圧ガスが樹脂を押し除けてキャビティ面4a側に回り込んでガス道を付けてしまい、このような側壁部14a、14dによるガスシールは困難になる(側壁部14b,14cにおいても同様である。)。
【0048】
また、加圧ガスの圧入時に、ランナー、ノズル部へ樹脂が逆流し、樹脂ゲート部付近に不必要な収縮が生じて、キャビティ4の形状によっては高圧ガスが漏洩する可能性もある。これを防止するためには、通常の射出成形で用いられる程度の樹脂樹脂保圧を併用し、成形品の収縮分の樹脂の一部を補っても良い。加圧ガスの圧入は、必ずしも図1に示すような移動側金型3から行わなければならないものではない。固定側金型2と移動側金型3のどちら側からガスを導入するかは、一般に金型1の形状に起因し、成形品15の表面が固定側金型2側にある場合、加圧ガスは図1に示すように移動側金型3側から導入するのが簡便であり、逆に表面が移動側金型3側にある場合、加圧ガスは固定側金型2側から導入する方が簡便である。
【0049】
このように加圧ガスの圧入を行った後、必要に応じて加圧ガスを金型1外に排出した後、成形品15を金型1から取り出す。本発明は、図7に示されるように、厚肉部13の幅をw、厚肉部13の周辺における厚みをtとした時に、w≧0.6tとなるような厚肉部13を有する成形品15に対して有効である。すなわち、このような厚肉部13を有する成形品15は、通常の射出成形ではひけの防止が困難であるが、本発明によるとこれを確実に解消することができる。
【0050】
図8は、ガス注入ピン8を設けることなく、樹脂ゲート付近のエジェクタピン6回りを利用してキャビティ4へ加圧ガスを供給できるようにした金型1の一例を示すものである。さらに説明すると、移動側金型3の後方には、突出したエジェクタピン6の後部及び突き出しプレート19を収容し、かつバルブ9を介して加圧ガス源(図示されていない。)に接続された密封室20が形成されている。この金型1では、キャビティ4内への加圧ガスの圧入を、加圧ガス源から密封室20に加圧ガスを供給し、移動側金型3とエジェクタピン6間の隙間を介して行うものとなっている。このようなガス注入方式を用いると、個々のエジェクタピン6回りをガスシールしたり、エジェクタボックス(密封室20)に通じる入れ子等があってもその継ぎ目のガスシールの必要がなくなる。尚、7aはガス注入を行いたくないエジェクタピンのためのOリングで、7c〜7eは密封室20を形成するためのOリングである。
【0051】
【実施例1】
図9、図10、図11に示されるような、薄肉部厚み2.0mmの電気冷蔵庫用扉の外装パネルを作成した。図9は、成形品を裏面側から見た時の斜視図で、図10は、成形品を意匠面である表面側から見た場合の斜視図である。また図11(A)は、成形品裏面側の平面図である。また図11(B)は図中A−A´の断面図も示す。成形品慨寸は、縦350mm、横630mm、側壁の中央部の高さ50mmとした。成形品には、図9に示す様に肉厚4mmの厚肉リブ13を有し、四方の側壁部と底面の肉厚は2mmとした。また樹脂ゲートから厚肉部13に至る経路には、溶融樹脂の流動支援のために、4×4mmの厚肉部13−2を設けた。樹脂ゲート11は、側壁部中央に設け、加圧ガスの注入とそのガスシールは、図1で説明したものと同様とし、ガス注入位置は、図11(A)に示すG1,G2とした(図9、図10では省略)。またパーティング面の位置は図3に示される形態のものとした。図9にaで示されたリブは、取っ手b側にガスが行かないように設置されたガス加圧領域を形成するためのものである。すなわちこのガスシール用のリブと側壁とで囲まれた部分とでガス圧入領域を形成する。
【0052】
金型は、冷媒に水を用いる通常の温調機(温度調節機)を使用した。金型キャビティ面、金型コア面の温度の実測値は下記に示す。成形材料は、ABS樹脂(旭化成製スタイラックABS191)を用いて、キャビティ容積に比して過量(100.5重量%)の成形材料を樹脂充填用のゲート11から射出充填した後、直ちに加圧ガスをガス圧入領域Rに圧入することで成形品を成形した。加圧ガスの圧入時には樹脂保圧を併用し、できた成形品は101重量%(キャビティ容積と同一体積の樹脂重量に比しての値である。)であった。成形条件の詳細を下記に示す。
【0053】
・シリンダー温度:230℃
・射出圧力:100kg/cm2(油圧のゲージ圧力)
・樹脂保圧:5kg/cm2(油圧のゲージ圧力)
・加圧ガスの圧力:15kg/cm2
・金型温度(キャビティ面/コア面):75℃/74℃
【0054】
成形品の厚肉部に対する意匠面側の表面凹凸を表面粗さ計(ミツトヨ製SURFTEST500)にて測定した結果のまとめを表1に示す。
【0055】
〔比較例1〕
実施例1と同じ金型、同じ樹脂をそれぞれ用いて通常の射出成形を行った。それぞれの成形条件を下記に示し、表面凹凸の測定結果のまとめを表1に示す。
【0056】
・シリンダー温度:230℃
・射出圧力:100kg/cm2(油圧のゲージ圧力)
・樹脂保圧:40kg/cm2(油圧のゲージ圧力)
・金型温度(キャビティ面/コア面):75℃/74℃
【0057】
〔比較例2〕
実施例1と同じ樹脂、同じ方法にてガス加圧射出成形を行った。但し、ガス注入口は、図11(A)中のG3、G4における位置から加圧ガスを圧入した。それぞれの成形条件を下記に示し、表面凹凸の測定結果のまとめを表1に示す。
【0058】
・シリンダー温度:230℃
・射出圧力:100kg/cm2(油圧のゲージ圧力)
・樹脂保圧:5kg/cm2(油圧のゲージ圧力)
・加圧ガスの圧力:15kg/cm 2
・金型温度(キャビティ面/コア面):75℃/74℃
【0059】
【表1】
Figure 0003973282
【0060】
表1の結果より、通常成形では、意匠面に大きなヒケが見られた。また、加圧ガスを樹脂ゲートから離れた位置から圧入した比較例2ではヒケはかなり小さくなったが、鏡面部である意匠面にはヒケが肉眼で認められクラスAの外観を有する成形品を得ることはできなかった。一方、本発明による成形品は、外観が良好で、ひけのない成形品であった。従来、ひけ等の外観上の問題によって、厚肉のリブを設けることが出来なかったが、本発明によってそれが可能となった。また加圧ガスを成形品内部に導入するガスアシスト成形品にみられるような、光沢ムラによる意匠性の低下も見られず、クラスAの外観を有する極めて外観特性に優れた成形品を作成することができた。
【0061】
更に、耐薬品性に関しても本発明による成形品は、通常成形品に比べ良好な結果得られた。これは、通常成形品が大きな樹脂保圧による残留歪みが大きかったのに対して、低圧成形による本発明品には残留歪みが小さかったためと考えられる。即ち、これまでの成形品に比べ底面部は薄肉化されたが部分的な厚肉リブを設けることにより金型内での樹脂の流動性が増し、更に高い樹脂保圧をかける必要がないために、総合的に従来の厚肉成形品の成形よりも低圧成形が可能となった。
【0062】
【実施例2】
図12、図13に示されるような、主要部厚み2.0mmの電気冷蔵庫用扉の外装パネルを作成した。図12は、成形品を裏面側から見た時の斜視図で、図13(A)は、成形品裏面側の平面図である。また図13(B)は図中A−A´の断面図も示す。成形品慨寸は、縦350mm、横630mm、側壁の中央部の高さ50mmとした。成形品には、図12に示す様に厚肉部13を有し、四方の側壁肉厚は2mmとした。厚肉部は側壁下部を厚肉化したもので側壁と厚肉部との肉厚の和は、5mmとした。即ち、側壁肉厚2mmに更に3mmの厚肉部を付与した。また樹脂ゲートから厚肉部13に至る経路には、溶融樹脂の流動支援のために、3×3mmの厚肉部13−2を設けた。加圧ガスの注入とそのガスシールは、図1で説明したものと同様とし、ガス注入位置は、図13(A)に示すGとした(図12では省略)。図12にaで示されたリブは、取っ手b側にガスが行かないように設置されたガス加圧領域を形成するためのものである。すなわちこのガスシール用のリブと側壁とで囲まれた部分とでガス圧入領域を形成する。またパーティング面の位置は図3に示される形態のものとした。金型は、冷媒に水を用いる通常の温調機(温度調節機)を使用した。金型キャビティ面、金型コア面の温度の実測値は下記に示す。
【0063】
成形材料は、ABS樹脂(旭化成製スタイラックABSA5761)を用いて、キャビティ容積に比して過量(101重量%)の成形材料を樹脂ゲートcより射出充填した後、直ちに加圧ガスをガス注入口Gより、ガス圧入領域Rに圧入することで成形品を成形した。加圧ガスの圧入時には、樹脂保圧は併用しなかった。
【0064】
・シリンダー温度:230℃
・射出圧力:100kg/cm2(ゲージ圧力)
・樹脂保圧:0kg/cm2(ゲージ圧力)
・加圧ガスの圧力:10kg/cm2
・金型温度(キャビティ面/コア面):75℃/74℃
【0065】
成形品の厚肉部に対する意匠面側の表面凹凸の測定結果を表2に示す。
【0066】
〔比較例3〕
実施例2と同じ金型、同じ樹脂を用いて通常の射出成形を行った。成形条件を下記に示し、厚肉部に対する意匠面側の表面凹凸の測定結果を表2に示す。
【0067】
・シリンダー温度:230℃
・射出圧力:100kg/cm2(ゲージ圧力)
・樹脂保圧:40kg/cm2(ゲージ圧力)
・金型温度(キャビティ面/コア面):75℃/74℃
【0068】
【表2】
Figure 0003973282
【0069】
表2の結果より、本発明による成形品は、外観が良好で、ひけのほとんどない成形品であった。従来、ひけの問題によって、厚肉のリブを設けることが出来なかったが、本発明によってそれが可能となった。また加圧ガスを成形品内部に導入するガスアシスト成形品にみられるような、光沢ムラによる意匠性の低下も見られず、クラスAの外観を有する極めて外観特性の優れた成形品を作成することができた。更に、耐薬品性に関しても本発明による成形品は、通常成形品に比べ良好な結果得られた。
【0070】
【実施例3】
実施例1と同様な金型にてハイインパクトポリスチレン(HIPS)の成形品を作製した。HIPSは、旭化成工業(株)製ポリスチレン(スタイロン408)を使用した。金型は、冷媒に水を用いる通常の温調機(温度調節機)を使用した。金型キャビティ面、金型コア面の温度の実測値は下記に示す。キャビティ容積に比して過量(100.5重量%)のHIPSを射出充填した後、直ちに加圧ガスを圧入することで成形品を成形した。加圧ガスの圧入時に樹脂保圧を併用した。
【0071】
・シリンダー温度:200℃
・射出圧力:100kg/cm2(ゲージ圧力)
・樹脂保圧:5kg/cm2(ゲージ圧力)
・加圧ガスの圧力:20kg/cm2
・金型温度(キャビティ面/コア面):72℃/73℃
【0072】
得られた成形品は、ヒケ、光沢ムラ等のない外観良好な成形品であった。
【0073】
【比較例4】
実施例3と同じ金型、同じ樹脂を用いて通常の射出成形を行った。成形条件を下記に示す。
【0074】
・シリンダー温度:200℃
・射出圧力:100kg/cm2(ゲージ圧力)
・樹脂保圧:40kg/cm2(ゲージ圧力)
・金型温度(キャビティ面/コア面):72℃/73℃
【0075】
得られた成形品は、意匠面側の光沢面にヒケが見られる外観に劣ったものしか得られなかった。
【0076】
【実施例4】
図14、図15に示されるような、薄肉部厚み1.8mmの電気冷蔵庫用扉の外装パネルを作成した。図14は、成形品を裏面側から見た時の斜視図で、図15(A)は、成形品裏面側の平面図である。また図15(B)には図中A−A´の断面図も示す。成形品慨寸は、縦350mm、横630mm、側壁の中央部の高さ50mmとした。成形品には、図14に示す様に厚肉部13を有し、四方の側壁肉厚は2mmとした。厚肉部は側壁下部を厚肉化したもので側壁と厚肉部との肉厚の和は、5mmとした。即ち、側壁肉厚2mmに更に3mmの厚肉部を付与した。また樹脂ゲート部11から厚肉部13に至る経路には、溶融樹脂の流動支援のために、3×3mmの厚肉部13−2を設けた。加圧ガスの注入とそのガスシールは、図1で説明したものと同様とし、ガス注入位置は、図15(A)に示すGとした(図14では省略)。またパーティング面の位置は図3に示される形態のものとした。また本発明品成形後に、発泡ウレタンを本発明品の電気冷蔵庫用の外装パネルと真空成形にて作製したドアパッドとの間に発泡ウレタンを注入するが、その際の発泡ウレタンシール用のフランジFを本実施例の成形品では一体成形する。金型は、冷媒に水を用いる通常の温調機(温度調節機)を使用した。金型キャビティ面、金型コア面の温度の実測値は下記に示す。
【0077】
成形材料は、ABS樹脂(旭化成製スタイラックABS191)を用いて、キャビティ容積に比して過量(101重量%)の成形材料を樹脂ゲートcより射出充填した後、直ちに加圧ガスをガス圧入領域Rに圧入することで成形品を成形した。加圧ガスの圧入時には、樹脂保圧は併用しなかった。
【0078】
・シリンダー温度:230℃
・射出圧力:100kg/cm2(ゲージ圧力)
・樹脂保圧:0kg/cm2(ゲージ圧力)
・加圧ガスの圧力:15kg/cm2
・金型温度(キャビティ面/コア面):77℃/77℃
【0079】
成形品の厚肉部に対する意匠面側の表面凹凸の測定結果を表3に示す。
【0080】
〔比較例5〕
実施例4と同じ金型、同じ樹脂を用いて通常の射出成形を行った。成形条件を下記に示し、意匠面側の表面凹凸の測定結果を表3に示す。
【0081】
・シリンダー温度:230℃
・射出圧力:100kg/cm2(ゲージ圧力)
・樹脂保圧:40kg/cm2(ゲージ圧力)
・金型温度(キャビティ面/コア面):77℃/77℃
【0082】
【表3】
Figure 0003973282
【0083】
表3の結果より、本発明による成形品は、外観が良好で、ひけのほとんどない成形品であった。従来、ひけの問題によって、厚肉のリブを設けることが出来なかったが、本発明によってそれが可能となった。また加圧ガスを成形品内部に導入するガスアシスト成形品にみられるような、光沢ムラによる意匠性の低下も見られず、クラスAの外観を有する極めて外観特性の優れた成形品を作成することができた。更に、耐薬品性に関しても本発明による成形品は、通常成形品に比べ良好な結果得られた。
【0084】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、耐薬品性(ストレスクラック性)に優れ、ひけのないクラスAの外観を有する極めて外観特性の優れた射出成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる金型の一例を示す断面図である。
【図2】 図1の金型で得られる成形品を示す(a)斜視図であり、(b)平面図である。
【図3】 大気開放経路の形成位置の他の例を示す断面概略図である。
【図4】 大気開放経路の形成位置の他の例を示す断面概略図である。
【図5】 ガス注入ピン回りの拡大断面図である。
【図6】 本発明におけるガスシール作用とひけ防止作用の説明図である。
【図7】 本発明を適用するに適した厚肉部の説明図である。
【図8】 本発明に用いる金型の例を示す断面図である。
【図9】 実施例1、比較例1、比較例2、実施例3、比較例4で成形した成形品の裏面側から見た斜視図である。
【図10】 実施例1、比較例1、比較例2、実施例3、比較例4で成形した成形品の表面側から見た斜視図である。
【図11】 (A)は実施例1、比較例1、比較例2、実施例3、比較例4で成形した成形品の裏側の平面図である。(B)はAA'線における断面図である。
【図12】 実施例2、比較例3で成形した成形品の裏面側から見た斜視図である。
【図13】 (A)は実施例2、比較例3で成形した成形品の裏側の平面図である。(B)はAA'線における断面図である。
【図14】 実施例4、比較例5で成形した成形品の裏面側から見た斜視図である。
【図15】 (A)は実施例4、比較例5で成形した成形品の裏側の平面図である。(B)はAA'線における断面図である。
【符号の説明】
1…金型
2…固定側金型
3…移動側金型
4…キャビティ
4a,4b…キャビティ面
5…大気開放経路
6…エジェクタピン
7a〜7e…Oリング
8…ガス注入ピン
9…バルブ
10…ガス導入路
11…樹脂ゲート
12…孔
13…厚肉部
14a〜14d…側壁部
15…成形品
16…底面の基盤部
17…ガス圧入領域
18…ガス注入口
19…突き出しプレート
20…密封室
a…リブ
b…取っ手
G…ガス注入口
G1〜G4…ガス注入口

Claims (2)

  1. 非意匠面である裏面側に樹脂流動支援用の厚肉部を有し、樹脂ゲートから樹脂流動末端部までの距離である樹脂流動距離Lと、前記厚肉部が設けられた成形品基盤部の成形品薄肉部の最小肉厚Tとの比(L/T)が40以上の成形品のガス加圧射出成形方法であって、
    前記ガス加圧射出成形方法により作製される成形体が少なくとも一部に側壁を有する成形体であって、該ガス加圧射出成形方法に用いる金型が、成形品意匠面を形成する意匠面側となるキャビティの一部に大気開放経路を有し、
    前記樹脂ゲートから溶融樹脂を射出充填し、次いで、樹脂ゲート部付近に設けたガス注入口より加圧ガスをガス圧入によってガスが圧入された領域となるガス圧入領域における成形品裏面とこれに対応するキャビティ面との間に圧入することによってガス圧入領域に対応する成形品表面をこれに対応するキャビティ面に押圧して成形する事を特徴とするガス加圧射出成形方法。
  2. 前記成形品が樹脂製電気冷蔵庫用扉の外装パネルである事を特徴とする請求項1に記載のガス加圧射出成形方法。
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