JPH10152396A - 二酸化チタン結晶配向膜を有する材料及びその製造方法 - Google Patents

二酸化チタン結晶配向膜を有する材料及びその製造方法

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JPH10152396A
JPH10152396A JP9181858A JP18185897A JPH10152396A JP H10152396 A JPH10152396 A JP H10152396A JP 9181858 A JP9181858 A JP 9181858A JP 18185897 A JP18185897 A JP 18185897A JP H10152396 A JPH10152396 A JP H10152396A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属、ガラス、セラミックスやプラスチック等
の各種基材表面に、二酸化チタンの結晶配向膜を形成し
た抗菌性や防汚性、超親水性等の優れた性状を有する材
料と、該材料の効率的な製造方法を提供する。 【解決手段】気化させたチタンアルコキシドを担体とな
る不活性ガスとともに、大気圧開放下で加熱された基材
表面に吹き付けることによって、結晶配向膜が結晶表面
と垂直方向に(001)、(100)、(211)、
(101)及び(110)からなる結晶面から選択され
た方向に配向された、二酸化チタンからなる結晶配向膜
を形成することによって、効率よく抗菌性や防汚性、超
親水性等の優れた性状を有する材料を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、ガラス、陶
磁器、セラミックスやプラスチック等の各種基材の表面
に、二酸化チタンからなる結晶配向膜を有する材料に関
する。本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
は、抗菌作用、防汚作用、超親水性作用等の優れた特性
を有し、調理器具、食器、冷蔵庫等の厨房用品、医療用
器具、トイレや洗面所用材料、エアコンのフイルター、
電子部品、建築材料、道路関連資材等に巾広く用いられ
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】二酸化
チタン薄膜が光触媒反応による種々の機能を持つことは
従来から知られており、金属材料、半導体素子、プラス
チック材料等の各種基材表面に二酸化チタン薄膜を形成
して反射防止材料、センサー材料、絶縁材料等として用
いることも公知である。また、これらの基材表面に二酸
化チタン薄膜を形成する方法としては、コーティング
法、浸漬法、スパッタリング法や、酸素ガス雰囲気内に
加熱蒸発させた金属蒸気を導入して反応させる熱CVD
法等が知られている。
【0003】これら従来の二酸化チタン薄膜形成方法の
うち、コーティング法や浸漬法では二酸化チタンの結晶
配向膜を得ることはできず、スパッタリング法において
は、得られる薄膜の結晶構造を制御することは困難であ
る。また、従来の熱CVD法においては、基材表面に結
晶性の二酸化チタン薄膜を形成させるためには、基体を
通常500〜800℃程度の高温に加熱し、且つ薄膜の
形成を密閉されたメッキ室で減圧下で行う必要があっ
た。この従来の熱CVD法では、二酸化チタン薄膜の堆
積速度はきわめて遅く、得られる薄膜の結晶構造を制御
することは困難であり、ある特定方向に配向された結晶
配向膜を得ることはできなかった。
【0004】本発明者らは、このような実情に鑑み、基
材表面に二酸化チタン薄膜を低温で効率的に形成する方
法について鋭意検討した結果、ある特定方向に配向され
た二酸化チタンの結晶配向膜をきわめて効率よく形成す
る方法を見出すとともに、得られた特定方向に配向され
た二酸化チタンの結晶配向膜が、顕著な抗菌作用、防汚
作用、超親水性作用等の優れた特性を有する点に着目
し、本発明を完成したものである。すなわち、本発明
は、金属、ガラス、陶磁器、セラミックスやプラスチッ
ク等の各種基材表面に、特定方向に配向された二酸化チ
タンの結晶配向膜を有する材料、及び該材料の効率的な
製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の基材表面に二酸
化チタン結晶配向膜を有する材料は、結晶配向膜が結晶
表面と垂直方向に(001)、(100)、(21
1)、(101)及び(110)からなる結晶面から選
択された方向に配向されたものであることを特徴とする
ものである。しかして、基材表面に上記特定方向に配向
された二酸化チタンからなる結晶配向膜を形成すること
によって、はじめて、顕著な抗菌性、防汚性等の優れた
性状を有する材料を得ることができるものである。
【0006】本発明の二酸化チタン結晶配向膜とは、二
酸化チタンの単結晶からなる配向膜ならびに多結晶から
なる配向膜を意味する。ここで、単結晶配向膜とは、材
料学の分野で通常用いられるように、配向膜全体が単一
の結晶で構成されたものだけではなく、配向膜が三次元
方向の結晶方位が一致する多数の結晶により構成された
ものをも包含するものである。上記本発明の特定方向に
配向された二酸化チタン結晶配向膜を有する材料は、気
化させたチタンアルコキシド(原料錯体)を担体となる
不活性ガスとともに、大気圧開放下で加熱された基材表
面に吹き付けることによって、はじめて製造することが
できるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の二酸化チタン結晶配向膜
を有する材料に用いられる基材としては、特に制限はな
く、二酸化チタンの吹き付け時の加熱に耐えられる材料
はいずれも使用可能であるが、通常は金属、ガラス、セ
ラミックス、陶磁器及びプラスチック等を使用する。こ
れらの材料の中でも、ステンレス鋼等の金属類が二酸化
チタン結晶配向膜との密着性や配向膜形成後の加工性の
点で特に好ましい。
【0008】二酸化チタン結晶配向膜を形成する原料と
しては、一般式 Ti(OR)4 で表されるチタンアル
コキシドを使用する。(式中、Rは炭素数2〜10のア
ルキル基を表す。)これらのチタンアルコキシドの中で
は、Ti(OC2 5 4(以下、「TTE」と略記す
る)、Ti(O−i−C3 7 4 (以下、「TTI
P」と略記する)、Ti(O−n−C4 9 4 (以
下、「TTNB」と略記する)が好ましく、中でもTT
IPは二酸化チタンの堆積速度が速く、得られる配向膜
の結晶構造の制御も容易であることから、特に好ましい
原料である。
【0009】本発明では、上記原料錯体を気化器で気化
し、担体となる不活性ガスとともに、大気圧開放下で加
熱された基材表面に吹き付け、基材表面に二酸化チタン
の結晶配向膜を形成する。担体となる不活性ガスとして
は、特に制限はなく、窒素、ヘリウム、アルゴン等通常
用いられる不活性ガスはいずれも使用可能であるが、経
済性等の点で窒素ガスを使用することが好ましく、中で
も液体窒素を通して水分を除去した窒素ガスを使用する
ことが特に好ましい。原料錯体の気化温度は、原料の種
類に応じて調整するが、例えばTTE、TTIP、TT
NBの場合には、70〜150℃とすることが好まし
い。
【0010】不活性ガス担体により運ばれた原料錯体
を、大気圧開放下で加熱された基体表面に吹き付けるに
あたっては、スリット型のノズルから移動する基材表面
に吹き付けることによって、板状、棒状、線状、パイプ
状の基材、あるいは皿、トレー等種々の形状にあらかじ
め成形した基材表面に、連続的に二酸化チタンの結晶配
向膜を形成することが可能となる。基材表面を加熱する
には、図1にみられるように、炉内温度が通常300℃
以下の低温ゾーン11、11と、該低温ゾーンよりも高
温(通常は、炉内温度400〜500℃)の高温ゾーン
12、12からなる加熱炉10(通常は電気炉)を使用
することが好ましい。この加熱炉には、低温ゾーン側に
基材の入口、高温ゾーン側に基材の出口を設けて、基材
を連続的に加熱炉中を通過せしめる際に、低温ゾーンで
基材を予め加熱し、高温ゾーンでスリット型ノズル9か
ら気化させた原料錯体を不活性ガスとともに基材表面に
吹き付け、結晶配向膜を形成する。低温ゾーン11、1
1と高温ゾーン12、12の間には仕切13、13を設
け、高温ゾーンの原料が低温ゾーンに流入するのを防止
する。また、基材(被コーティング物)20は、通常
は、ローラー、ベルト、チェイン等の搬送体上に載置し
て、加熱炉内を移動させるが、加熱炉の通路の形状は、
基材の形状に合わせて適宜変更すればよい。
【0011】従来の熱CVD法においては、密閉された
メッキ室中で減圧下に基材を500〜800℃程度の高
温に加熱して、基材表面に二酸化チタン薄膜を形成して
いたために、基材として使用できる材料に制限があり、
また長尺物を対象とすることはできず、しかも二酸化チ
タン薄膜の堆積速度がきわめて遅い為に、薄膜の結晶構
造を制御することは不可能であった。本発明の方法は、
大気圧開放下に比較的低温に加熱された基材表面に、高
速で連続的に二酸化チタンの結晶配向膜を形成するもの
である。したがって、基材として金属やガラス、陶磁
器、セラミックス等の耐熱性材料だけではなく、プラス
チック等の比較的耐熱性の低い材料を使用することが可
能となるとともに、板状体やパイプ等の長尺物を連続的
に加工することが可能となった。また、原料の気化温度
や供給量、担体ガスの流量、基材温度等をそれぞれ調整
することによって、得られる結晶配向膜の結晶構造を制
御し、結晶配向膜の配向方向、膜の厚さ、結晶の粒径や
粒径分布を所望のものに調整することが可能となった。
また、単結晶配向膜を表面に有する材料からなる基材を
使用して二酸化チタン結晶配向膜を形成した場合には、
二酸化チタンの単結晶配向膜を有する材料を得ることが
できる。このような単結晶配向膜を有する基材として
は、例えば、チタン酸ストロンチウム板等が挙げられ、
市販品として入手可能である。
【0012】すなわち、本発明によれば、基材表面に形
成する二酸化チタン結晶配向膜が、結晶方向に垂直方向
に(001)、(100)、(211)、(101)及
び(110)からなる結晶面から選択された方向に配向
されたものを得ることができる。これらの特定方向に配
向された二酸化チタン結晶配向膜は、意外にも光、特に
紫外線を照射した際に、次のような種々の光触媒作用を
有するものであることが判明した。 (1)顕著な抗菌作用(制菌作用及び滅菌作用)を有す
るとともに、死滅した菌や毒素等の菌の産生物を分解す
ることができるので、汚れを防止し持続性のある抗菌作
用を発揮する。 (2)汚れの付着を防止するとともに、付着した汚れを
分解し、自然に降る雨や水洗により簡単に除去して表面
の光沢を維持する。 (3)臭いの元となる物質を分解し、脱臭、消臭作用を
有する。 (4)紫外線照射により水との接触角が減少して0度に
近くなり、水を弾かなくなる。したがって、表面に水滴
が形成されず一様な水膜となり、曇りを防止することが
できる。 (5)空気中の窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(S
0x)を分解し、空気を浄化する。 (6)有機ハロゲン化合物や油分等の水中の汚染物質を
分解し、水を浄化する。したがって、これら特定方向に
配向された二酸化チタン結晶配向膜を表面に有する材料
は、上記の特性を生かして医療器具、食器、調理用具、
冷蔵庫、冷蔵車両、洗面所や台所用品、内装材、外装材
ほか各種の建築材料、道路関連資材、エアコンのフイル
ター、電子部品等の材料として、巾広く使用することが
できるものである。これらの特定方向に配向された結晶
配向膜は、ある1つの方向のみに配向された二酸化チタ
ン結晶により構成されていても、2つ以上の方向に配向
された二酸化チタン結晶により構成されていても、同様
の効果を奏するものである。
【0013】本発明によれば、基材表面に形成する結晶
配向膜の膜厚は、所望のものとすることができるが、膜
厚を0.1μm以上とすることによって基材に抗菌性を
はじめとする種々の特性を付与することができるので、
通常は0.1〜10μm、好ましくは0.2〜2.0μ
mとする。また、配向膜を形成する結晶の粒径は、可視
光線及び紫外線の波長と同程度とした場合に顕著な抗菌
性等が得られ、特に、粒径分布のそろった結晶配向膜と
した場合にはその効果が著しい。したがって、結晶粒径
として、0.1〜10μm、粒径分布が実質的に平均値
±100%である結晶配向膜とすることが好ましく、粒
径分布が平均値±50%である結晶配向膜とすることが
特に好ましい。本発明における結晶の粒径分布は、材料
学の分野での常法に従い、つぎのようにして算出する。
すなわち、図20にみられるように、横軸に配向膜を構
成する各結晶の粒径(最大直径)、縦軸に結晶の個数を
とって描いたヒストグラムにおいて、縦軸の最大値Y1
の50%以上のものを対象として(図20の斜線部)、
結晶粒径の平均値及び粒径分布を算出するものである。
また、他の好ましい材料としては、二酸化チタンの結晶
配向膜が網目構造を有するものが挙げられる。これらの
材料としては、必要に応じて基材表面に二酸化チタンの
結晶配向膜形成後に、酸素雰囲気下でアニーリング処理
を施したものを使用することができる。本発明で、結晶
配向膜が網目構造を有するとは、針状の結晶が交差した
状態のものや、ハニカム状に配列した状態のものを意味
する。そして、酸素雰囲気下でアニーリング処理をする
とは、二酸化チタンからなる結晶配向膜を大気圧下、電
気炉を用いて酸素気流中で300℃〜600℃の任意の
温度で数時間加熱することを意味する。
【0014】従来から、基材上に形成した二酸化チタン
薄膜が何らかの光触媒作用を有し、このような材料を反
射防止膜、センサー材料等に利用することは知られてい
たが、基材上にある特定方向に配向された二酸化チタン
結晶配向膜を形成すること、該結晶配向膜が従来の二酸
化チタン薄膜にない顕著な特性を有するものであること
は、本発明によってはじめて可能となったものである。
本発明による特定方向に配向された二酸化チタン薄膜
が、このような種々の特性を発揮する詳細な理由は不明
であるが、光、特に紫外線の照射により特定方向に配向
された表面層の二酸化チタンが励起されて、プラスイオ
ンと電子に分極化することによるものと考えられる。ま
た、二酸化チタンからなる結晶配向膜の表面に、さらに
銀、銅あるいはそれらの酸化物の皮膜を形成した場合に
は、抗菌性が一段と改善された材料を得ることができ
る。二酸化チタン結晶配向膜の表面に、銀、銅あるいは
それらの酸化物の皮膜を形成するには、上記方法によっ
て二酸化チタン結晶配向膜を形成した後に、必要により
所望の形状に切断又は成形し、コーティング法、浸漬
法、スパッタリング法、熱CVD法等の通常の方法によ
り、銀、銅あるいはそれらの酸化物の皮膜を形成すれば
よい。銀又は銅の皮膜を形成するにはスパッタリング法
を、またそれらの酸化物の皮膜を形成するには本発明と
同様の方法を使用することが好ましい。
【0015】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により説明するが、
本発明がこれらの実施例により限定されるものではない
ことは言うまでもない。図1は、以下の実施例において
使用する大気圧開放型熱CVD装置を示す模式図であ
る。図1において、符号1はボンベ等の窒素ガス供給
源、符号2は流量計、符号3は液体窒素を入れたトラッ
プ、符号4、5、6は配管中に設けられたバルブを表
す。符号7は原料となるチタンアルコキシド8の気化
器、符号9は下部に所定幅のスリットを設けたスリット
型ノズル、また符号10は低温ゾーン11、11及び高
温ゾーン12、12からなり、両ゾーンの間に仕切1
3、13を設けた加熱炉(電気炉)を表す。窒素ガス供
給源1から供給された窒素ガスは、流量計2を通して液
体窒素を入れたトラップ3に送られ、水分を除去した後
にバルブ4及び6に送られる。バルブ4を通った窒素ガ
スは、気化器7内の液状のチタンアルコキシド8中に気
泡として放出されチタンアルコキシドの気化を助ける。
気化されたチタンアルコキシドと窒素ガスとの混合ガス
は、バルブ5を経てバルブ6から送られた窒素ガスと混
合され、スリット型ノズル9に送られる。基材20は、
加熱炉10の低温ゾーン11側に設けられた入口から加
熱炉10内に連続的に供給され、低温ゾーン11で予め
加熱された後に、高温ゾーン12の出口近辺に設置した
スリット型ノズル9により、表面に原料錯体と窒素ガス
の混合ガスを吹き付けて、二酸化チタン結晶配向膜が形
成される。
【0016】(実施例1)原料錯体としてTTIPを用
い、原料気化温度77℃、窒素ガス流量1.5dm3
min.でTTIPを気化させた。基材として、厚さ
0.5mm、巾10mm、の帯状のステンレス鋼を、低
温ゾーンの温度300℃、高温ゾーンの温度400℃に
設置した加熱炉中に、0.2m/min.の速度で供給
し、巾0.5mmのスリットを有するスリット型ノズル
から上記原料ガス混合物を吹き付け、基材表面に膜厚
2.0μmの二酸化チタン多結晶配向膜を形成させた。
得られた二酸化チタン多結晶配向膜の状態を、走査型電
子顕微鏡(以下、「SEM」と略記する)及びX線回折
により観察したところ、多結晶配向膜はアナターゼ構造
を持ち、膜を形成する結晶表面と垂直方向に(001)
面に配向されたものであった。また、結晶の粒径は0.
3〜0.8μmで、粒径分布は0.55±0.25μm
であった。この多結晶配向膜のX線回折の結果を図2
に、また表面のSEM写真を図3に示す。
【0017】(実施例2)実施例1で得られた二酸化チ
タン多結晶配向膜を有するステンレス鋼を、酸素雰囲気
下、温度500℃で10時間アニーリング処理した。
【0018】(実施例3)原料気化温度を130℃とし
たほかは、実施例1と同様にしてステンレス鋼表面に膜
厚3.0μmの二酸化チタン多結晶配向膜を形成させ
た。この配向膜の状態をSEM及びX線回折により観察
したところ、多結晶配向膜はアナターゼ構造を持ち、膜
を形成する結晶表面と垂直方向に(100)及び(21
1)面に配向されたものであった。また、結晶の粒径は
1.2〜1.5μmで、粒径分布は1.35±0.15
μmであった。この多結晶配向膜のX線回折の結果を図
4に、また表面のSEM写真を図5に示す。図5からこ
の多結晶配向膜は網目構造を有することがわかる。
【0019】(実施例4)実施例3で得られた二酸化チ
タン多結晶配向膜を有するステンレス鋼を、酸素雰囲気
下、温度500℃で10時間アニーリング処理した。
【0020】(実施例5)原料錯体としてTTEを用
い、原料気化温度を92℃としたほかは、実施例1と同
様にして厚さ1.0mm、巾26mm、長さ76mmの
ガラス基板表面に膜厚2.0μmの二酸化チタン多結晶
配向膜を形成させた。この配向膜の状態をSEM及びX
線回折により観察したところ、多結晶配向膜はアナター
ゼ構造を持ち、膜を形成する結晶表面と垂直方向に(0
01)面に配向されたものであった。また、結晶の粒径
は0.3〜0.7μmで、粒径分布は0.5±0.2μ
mであった。この多結晶配向膜のX線回折の結果を図6
に、また表面のSEM写真を図7に示す。
【0021】(実施例6)実施例1で得られた二酸化チ
タン多結晶配向膜を有するガラス基板を、酸素雰囲気
下、温度500℃で10時間アニーリング処理した。
【0022】(実施例7)原料気化温度を162℃とし
たほかは、実施例3と同様にして、ガラス基板表面に膜
厚2.0μmの二酸化チタン多結晶配向膜を形成させ
た。この配向膜の状態をSEM及びX線回折により観察
したところ、多結晶配向膜はアナターゼ構造を持ち、膜
を形成する結晶表面と垂直方向に(100)及び(21
1)面に配向されたものであった。また、結晶の粒径は
0.8〜1.0μmで、粒径分布は0.9±0.1μm
であった。この多結晶配向膜のX線回折の結果を図8
に、また表面のSEM写真を図9に示す。図9からこの
多結晶配向膜は網目構造を有することがわかる。
【0023】(実施例8)基材として厚さ1.0mm、
巾26mm、長さ76mmのガラス基板を使用したほか
は、実施例1と同様にして、基材表面に膜厚2.0μm
の二酸化チタン多結晶配向膜を形成させた。この配向膜
の状態をSEM及びX線回折により観察したところ、多
結晶配向膜はアナターゼ構造を持ち、膜を形成する結晶
表面と垂直方向に(001)面に配向されたものであっ
た。また、結晶の粒径は0.3〜0.9μmで、粒径分
布は0.6±0.3μmであった。この多結晶配向膜の
X線回折の結果を図10に、また表面のSEM写真を図
11に示す。
【0024】(実施例9)基材として厚さ1.0mm、
巾5mm、長さ10mmの、(100)面に配向したチ
タン酸ストロンチウムの単結晶板(市販品)を使用し、
原料錯体としてTTIPを用い、原料気化温度を77℃
としたほかは、実施例1と同様にして、基材表面に膜厚
2.0μmの二酸化チタンの結晶配向膜を形成させた。
この配向膜の状態を原子間力顕微鏡(以下、「AFM」
と略記する)及びX線回折により観察したところ、配向
膜はアナターゼ構造を持ち、膜を形成する結晶面と垂直
方向に(001)面に配向されるとともに、三次元の結
晶方位が一致する多数の結晶により構成された単結晶配
向膜であった。また、結晶の粒径は、0.1〜0.2μ
mで、粒径分布は0.15±0.05μmであった。こ
の単結晶配向膜のX線回折の結果を図12に、また表面
のAFM写真を図13に示す。
【0025】(実施例10)原料錯体としてTTIPを
用い、原料気化温度120℃、窒素ガス流量1.5l/
min.でTTIPを気化させた。基材として、厚さ
1.0mm、巾26mm、長さ76mmのスライドガラ
スを、低温ゾーンの温度300℃、高温ゾーンの温度4
50℃に設置した加熱炉中に、0.2m/min.の速
度で供給し、巾0.5mmのスリットを有するスリット
型ノズルから上記原料ガス混合物を吹き付け、基材表面
に膜厚1.0μmの二酸化チタン多結晶配向膜を形成さ
せた。得られた二酸化チタン多結晶配向膜の状態を、S
EM及びX線回折により観察したところ、多結晶配向膜
はアナターゼ構造を持ち、膜を形成する結晶表面と垂直
方向に(100)面に配向された網目状構造を有するも
のであった。また、結晶の粒径は0.6〜0.8μm
で、粒径分布は0.7±0.1μmであった。この多結
晶配向膜のX線回折の結果を図14に、また表面のSE
M写真を図15に示す。
【0026】(実施例11)実施例10で得られた二酸
化チタンの多結晶配向膜を有するスライドガラスを酸素
雰囲気下、温度500℃で10時間アニーリング処理し
た。
【0027】(実施例12)原料気化温度を140℃と
したほかは、実施例10と同様にして、スライドガラス
表面に膜厚2.0μmの二酸化チタン多結晶配向膜を形
成させた。この配向膜の状態をSEM及びX線回折によ
り観察したところ、多結晶配向膜はアナターゼ構造を持
ち、膜を形成する結晶表面と垂直方向に(100)面に
配向された粒状構造を有するものであった。また、結晶
の粒径は0.6〜0.8μmで、粒径分布は0.7±
0.1μmであった。この多結晶配向膜のX線回折の結
果を図16に、また表面のSEM写真を図17に示す。
【0028】(実施例13)実施例12で得られた二酸
化チタンの多結晶配向膜を有するスライドガラスを酸素
雰囲気下、温度500℃で10時間アニーリング処理し
た。
【0029】(実施例14)基材として、厚さ0.5m
m、幅25mm、長さ70mmのステンレス鋼を使用し
たほかは、実施例10と同様にしてステンレス鋼表面に
膜厚3.0μmの二酸化チタン多結晶配向膜を形成させ
た。この配向膜の状態をSEM及びX線回折により観察
したところ、多結晶配向膜はアナターゼ構造を持ち、膜
を形成する結晶表面と垂直方向に(100)及び(21
1)面に配向されたものであった。また、結晶の粒径は
1〜3μmで、粒径分布は2±1μmであった。この多
結晶配向膜のX線回折の結果を図18に、また表面のS
EM写真を図19に示す。
【0030】(実施例15)実施例1で得られた、二酸
化チタン多結晶配向膜を有するステンレス鋼を切断して
10mm×10mmの断片を得た。密閉型メッキ室を有
する通常の熱CVD装置を使用し、この断片の二酸化チ
タン配向膜の表面に、室温、圧力10-1torrでAr
スパッタリング法により膜厚10nmの銀皮膜を形成し
た。
【0031】(実施例16)皮膜形成原料を銅としたほ
かは実施例15と同様にして、二酸化チタン配向膜の表
面にさらに膜厚10nmの銅皮膜を有するステンレス鋼
を得た。
【0032】(抗菌性試験)上記各実施例で得られた、
表面に二酸化チタン結晶配向膜を形成した基材から、1
0mm×10mmの試験片をそれぞれ作成し、次のよう
にして抗菌性試験を行った。予め、増菌、計測した液体
培養の一般細菌(Bacillus subtilis)を、105オーダ
ーになるように上記各試験片に塗布し、これをぺトリ皿
に入れ蓋をし、自然光(晴天日のガラス越し)下で3時
間放置する。その後、生理食塩水9mlを入れ、よく混
和し、常法(衛生試験法:日本薬学会編1980年度
版)に従い、定量採り標準寒天培地にて、35℃で48
時間培養、計測した。比較のために、二酸化チタン結晶
配向膜を有さないステンレス鋼試験片(比較例1)及び
ガラス基板試験片(比較例2)についても同様に処理し
て、菌数を計測した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】(親水性試験)上記各試験片に蛍光灯照射
下に水蒸気を当てて表面の状態を観察した。比較例1、
2の試験片では、表面に細かい水滴が生じて曇ったが、
本発明の実施例で得られた試験片では、いずれも表面に
水滴は生じず一様な水膜となり曇らなかった。
【0035】上記のとおり、本発明により得られる基材
表面に二酸化チタン結晶配向膜を有する材料は、顕著な
抗菌性とともに種々の優れた特性を有し、調理用器具、
食器、冷蔵庫等の厨房用品、冷蔵車両、医療用品、トイ
レや洗面所用品、内装材、外装材等の建築材料、道路関
連資材、エアコンのフイルター、電子部品等に巾広く使
用可能なものであることがわかる。
【0036】(実施例17)基材として、外径22m
m、内径18mmのステンレス鋼パイプを回転させなが
ら加熱炉に供給したほかは、実施例1と同様にして、パ
イプ表面に二酸化チタン多結晶配向膜を形成させた。こ
の配向膜の膜厚は0.4μmで、実施例1の配向膜と同
様の性状を有するものであった。
【0037】
【発明の効果】本発明の抗菌性材料は、基材表面に特定
方向に配向された二酸化チタンからなる結晶配向膜を形
成することによって、はじめて抗菌性をはじめとする諸
特性を有する材料を得ることに成功したものである。ま
た、二酸化チタン結晶の粒径を、可視光線〜紫外線の波
長にあわせた大きさとしてそろえることができ、粒径を
0.1〜10μmの範囲内で、粒径分布が実質的に平均
値±100%、なかでも平均値±50%となるようにそ
ろえたものや、結晶配向膜が網目構造を有するもの、結
晶配向膜形成後にアニーリング処理したものは、特に顕
著な諸特性を発揮する。
【0038】本発明の特定方向に配向された二酸化チタ
ン結晶配向膜は、気化させたチタンアルコキシドを担体
となる不活性ガスとともに、大気圧開放下で加熱された
基材表面に吹き付けることによって、はじめて製造可能
となったものである。本発明では、気化させたチタンア
ルコキシドを不活性ガスとともに、大気圧開放下でスリ
ット型ノズルから移動する基材表面に吹き付けることに
よって、長尺物の基材表面に高速で二酸化チタン結晶配
向膜を形成することが可能となった。本発明における二
酸化チタンの堆積速度は、従来の密閉型のメッキ室を使
用する熱CVD法に比較して格段に速く、したがって、
得られる二酸化チタン結晶膜の配向方向、結晶の粒径及
び粒径分布等の結晶構造を制御することが可能となり、
また不純物を殆ど含まない結晶配向膜を得ることができ
る。特に、基材を加熱する加熱炉を、基材表面をあらか
じめ加熱する低温ゾーンと二酸化チタンのコーティング
を行う高温ゾーンにより構成し、両ゾーンの間に仕切を
設けて高温ゾーンの原料ガスが低温ゾーンに流入しない
ようにした場合には、結晶の配向膜や粒径、粒径分布等
を制御することが、さらに容易になる。本発明は、上記
のように顕著な特性を有する、表面に二酸化チタン結晶
配向膜を形成した材料とその製造方法をはじめて提供す
るものであり、きわめて実用的価値の高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
の製造に使用する大気圧開放型熱CVD装置を示す模式
図である。
【図2】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の1例のX
線回折図である。
【図3】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の1例のS
EM写真である。
【図4】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例の
X線回折図である。
【図5】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例の
SEM写真である。
【図6】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例の
X線回折図である。
【図7】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例の
SEM写真である。
【図8】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例の
X線回折図である。
【図9】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例の
SEM写真である。
【図10】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
料の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例
のX線回折図である。
【図11】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
料の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例
のSEM写真である。
【図12】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
料の表面に形成した二酸化チタン単結晶配向膜の1例の
X線回折図である。
【図13】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
料の表面に形成した二酸化チタン単結晶配向膜の1例の
AFM写真である。
【図14】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
料の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例
のX線回折図である。
【図15】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
料の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例
のSEM写真である。
【図16】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
料の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例
のX線回折図である。
【図17】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
料の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例
のSEM写真である。
【図18】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
料の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例
のX線回折図である。
【図19】本発明の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
料の表面に形成した二酸化チタン多結晶配向膜の他の例
のSEM写真である。
【図20】結晶の粒径分布の算出方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
4、5、6 熱CVD装置の配管中に設けたバルブ 7 気化室 8 液状チタンアルコキシド 9 スリット型ノズル 10 加熱炉 11 低温ゾーン 12 高温ゾーン 13 仕切 20 基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61L 2/16 A61L 2/16 A B01J 35/02 B01J 35/02 J C01G 23/04 C01G 23/04 C (72)発明者 大塩 茂夫 新潟県三島郡越路町大字来迎寺甲1641番地 2 (72)発明者 田中 教雄 新潟県長岡市深沢町1993番地1 (72)発明者 砂山 英樹 新潟県長岡市西津町1986番地

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材表面に、結晶配向膜が結晶表面と垂直
    方向に(001)、(100)、(211)、(10
    1)及び(110)からなる結晶面から選択された方向
    に配向されたものである二酸化チタン結晶配向膜を有す
    る材料。
  2. 【請求項2】結晶配向膜の厚さが0.1μm以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の二酸化チタン結晶配
    向膜を有する材料。
  3. 【請求項3】結晶配向膜を形成する結晶の粒径が0.1
    〜10μmであり、粒径分布が実質的に平均値±100
    %であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二酸
    化チタン結晶配向膜を有する材料。
  4. 【請求項4】結晶配向膜が網目構造を有するものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    二酸化チタン結晶配向膜を有する材料。
  5. 【請求項5】結晶配向膜形成後に酸素雰囲気下でアニー
    リング処理したものであることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の二酸化チタン結晶配向膜を有
    する材料。
  6. 【請求項6】基材が金属であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の二酸化チタン結晶配向膜
    を有する材料。
  7. 【請求項7】基材がガラス、陶磁器、セラミックス又は
    プラスチックであることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の二酸化チタン結晶配向膜を有する材
    料。
  8. 【請求項8】二酸化チタンからなる結晶配向膜の表面
    に、さらに銀、銅又はそれらの酸化物の皮膜を形成した
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    二酸化チタン結晶配向膜を有する材料。
  9. 【請求項9】気化させたチタンアルコキシドを担体とな
    る不活性ガスとともに、大気圧開放下で加熱された基材
    表面に吹き付け、基材表面に二酸化チタンからなる結晶
    配向膜を形成することを特徴とする請求項1〜7のいず
    れか1項に記載の二酸化チタン結晶配向膜を有する材料
    の製造方法。
  10. 【請求項10】担体となる不活性ガスが、水分を除去し
    た窒素ガスであることを特徴とする請求項9に記載の製
    造方法。
  11. 【請求項11】気化させたチタンアルコキシドを担体と
    なる不活性ガスとともに、スリット型ノズルから移動す
    る基材表面に吹き付け、基材表面に連続的に結晶配向膜
    を形成することを特徴とする請求項9又は10に記載の
    製造方法。
  12. 【請求項12】低温ゾーン、高温ゾーン及び両ゾーン間
    に設けた仕切を有する加熱炉を使用し、基材表面を低温
    ゾーンで予め加熱した後に、高温ゾーンで二酸化チタン
    のコーティングを行うことを特徴とする請求項11に記
    載の製造方法。
  13. 【請求項13】基材表面に二酸化チタン結晶配向膜を形
    成した後に、酸素雰囲気下でアニーリング処理をするこ
    とを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の
    製造方法。
  14. 【請求項14】請求項9〜13のいずれか1項に記載の
    製造方法により基材表面に二酸化チタン結晶配向膜を形
    成した後に、さらに該配向膜上に銀、銅又はそれらの酸
    化物の皮膜を形成することを特徴とする請求項8に記載
    の抗菌性材料の製造方法。
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