JPH10151426A - 廃棄物処分場における遮水構造 - Google Patents

廃棄物処分場における遮水構造

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JPH10151426A
JPH10151426A JP8314905A JP31490596A JPH10151426A JP H10151426 A JPH10151426 A JP H10151426A JP 8314905 A JP8314905 A JP 8314905A JP 31490596 A JP31490596 A JP 31490596A JP H10151426 A JPH10151426 A JP H10151426A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上方で重機を走行させたり旋回させる場合で
も、これらの荷重を強固に支持し、撓みやよれによって
破損するのを容易に回避することができるとともに、廃
棄物に圧縮や圧密、分解等による沈下が生じる場合で
も、これによって引き込まれて損傷することのない、廃
棄物処分場における遮水構造を提供する。 【解決手段】 廃棄物処分場11の底部に設置されて、
処分場11の内部から周囲の地盤へ汚水が漏出するのを
防止するための遮水構造10であって、底部地盤20を
覆って敷設された下層水密性アスファルト12と、この
下層水密性アスファルト12の上面に設けられた透水性
アスファルト層13と、この透水性アスファルト層13
の上面を覆って形成された上層水密性アスファルト14
とからなる。また、透水性アスファルト層13を間仕切
り堤15によって複数の区画17に仕切るとともに、各
区画17にモニタリング管16を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、廃棄物処分場に
おける遮水構造に関し、特に、廃棄物処分場の底部地盤
に設置されて、処分場の内部から周囲の地盤へ汚水が漏
出するのを防止するための廃棄物処分場における遮水構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や一般廃棄物を投棄する例え
ば埋立形の廃棄物処分場は、自然の地形を利用したり地
盤を掘削して造成された凹状の地盤の内部に、廃棄物を
埋め立て貯留してゆくものであるが、埋め立てた廃棄物
から浸出する汚水の地下浸透による環境汚染を防止する
ために、処分場の底部地盤に予め遮水工を実施すること
が義務付けられている。
【0003】かかる遮水工としては、従来より、経済性
や遮水性の面から、例えば軟質の合成樹脂系あるいはゴ
ム系の遮水シートを敷設することによって行なうものが
知られている。
【0004】また、このような遮水シートによる遮水構
造を強化して、汚水の漏出をさらに確実に防止すべく、
排水性の材料を適宜挟み込んで遮水シートを二重に敷設
したものや、このような二重構造の遮水シートを複数の
区画に分割して、各区画に漏水検知管を配設し、この漏
水検知管を介して汚水を吸引することにより、汚水の漏
出ないしは遮水シートの破損の有無を検知するととも
に、この漏水検知管を介して注入材を注入固化すること
により、破損が検知された区画を補修するようにしたも
のが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の遮水シートによって構成される遮水構造によれば、
遮水シートは、数mm程度の厚さの薄いものであったた
め、特に、遮水シートが敷設される廃棄物処分場の底面
地盤が、軟弱であったり不陸が存在して安定していない
場合には、これの上方に投棄された廃棄物等を敷き均す
べくブルドーザーやダンプトラック等重機を走行させた
り旋回させると、廃棄物や重機等の重量により遮水シー
トに撓みやよれが生じて破損しやすくなるとともに、廃
棄物の圧縮や圧密、分解等による沈下が生じることによ
り、遮水シートが引き込まれて損傷しやすくなるという
課題があった。
【0006】また、遮水シートは、これの上下に敷設さ
れる例えば不織布等の排水性の材料や保護砂等の保護材
と固着することが困難であるため、それぞれが一体化さ
れずに独立した層となり、したがって、特に法面におい
ては、保護材が風などによって飛ばされやすくなって遮
水シートが露出することにより、日射によって劣化した
り、カラスやその他の外力によって損傷しやすくなると
いう課題があった。
【0007】そこで、この発明は、上記従来の課題に着
目してなされたもので、廃棄物や保護砂等を敷き均すべ
く上方に重機を走行させたり旋回させる場合でも、これ
らの荷重を強固に支持し、撓みやよれによって破損する
のを容易に回避することができるとともに、廃棄物に圧
縮や圧密、分解等による沈下が生じる場合でも、これに
よって引き込まれて損傷することのない、廃棄物処分場
における遮水構造を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】また、この発明は、露出した状態ある場合
でも、劣化しにくく、また外力によって損傷しにくい廃
棄物処分場における遮水構造を提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するためになされたもので、その要旨は、廃棄物処
分場の底部地盤に設置されて、処分場の内部から周囲の
地盤へ汚水が漏出するのを防止するための遮水構造であ
って、前記底部地盤を覆って敷設されたアスファルト、
コンクリート等の舗装材料からなる下層不透水層と、該
下層不透水層の上面に設けられた排水層と、該排水層の
上面を覆って形成された上層不透水層とからなることを
特徴とする廃棄物処分場における遮水構造にある。
【0010】ここで、上記排水層としては、廃棄物や重
機等による上載荷重によって変形しない程度の圧縮剛性
及び地下水や漏出した汚水を通過させる程度の通水性を
有するものであれば、砂や採石等の他、特開平8−19
9548号に記載されている工事用排水材を構成するコ
ア材としての、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレ
ン、塩化ピニル等の合成樹脂製の硬い糸状物をヘチマ状
に絡ませて所定の厚さに立体成型した板材などを使用す
ることもできるが、特に、透水性アスファルトによって
排水層を形成するようにすることが好ましい。
【0011】また、前記上層不透水層は、水密性を備え
る材料であれば、例えば遮水シート等の種々の材料を用
いて設けることができるが、特に、アスファルト、コン
クリート等の舗装材料を用いて形成することが好まし
い。
【0012】そして、この発明の廃棄物処分場における
遮水構造によれば、前記排水層を間仕切り堤によって複
数の区画に仕切るようにすることが好ましい。
【0013】また、複数の区画には、漏水検知用配管の
一端部を配置するとともに、この漏水検知用配管の他端
部を、前記廃棄物処分場の底面部に至る深さに形成され
た管理ピットに連通し、この漏水検知用配管を経て管理
ピットに流入する水の水質を検査することにより、各区
画への漏水の有無を検知するようにすることもできる。
【0014】さらに、前記複数の区画を、同方向に並行
に延長する間仕切り堤によて各々地上と連通した状態で
仕切るとともに、各区画には、少なくとも地上から前記
廃棄物処分場の底面部に至る深さに延長する、内部に間
隙水圧計を有する漏水検知用有孔管を配設するようにし
ても良い。
【0015】そして、この発明の廃棄物処分場における
遮水構造によれば、底部地盤を覆って敷設された下層不
透水層が、アスファルト、コンクリート等の水密性を有
する舗装材料からなるので、強度及び耐久性に優れ、廃
棄物や重機による荷重を広範囲に分散しつつ底部地盤に
支持させることにより、底部地盤が軟弱であったり底部
地盤に不陸がある場合でも、上載荷重を強固に支持する
ことになるとともに、その剛性によりほとんど変形しな
いので、廃棄物に圧縮や圧密、分解等による沈下が生じ
てもこれによって引き込まれて沈下することがない。
【0016】また、下層不透水層と上層不透水層との間
に介在する排水層は、下層不透水層に対する保護層ある
いは緩衝層として作用することにより、上方からの荷重
を分散して下層不透水層に伝えることができ、これによ
って、下層不透水層の耐久性や安定性をさらに向上させ
ることが可能になる。
【0017】さらに、上層不透水層は、相当の強度を有
しかつ不陸の少ない下層不透水層及び排水層の上方にお
いて、安定した状態で容易に敷設設置することができ、
また下層不透水層とともに二重の遮水機能を発揮して、
一方が破損した場合でも、遮水構造の遮水性を容易に保
持することが可能となる。
【0018】そして、前記排水層を透水性アスファルト
によって構成すれば、下層不透水層との固着による一体
化を容易に図ることができるとともに、その優れた強度
及び耐久性によって、上方からの荷重を安定した状態で
下層不透水層に伝えることが可能になる。
【0019】また、前記上層不透水層をアスファルト、
コンクリート等の舗装材料によって構成すれば、その優
れた強度及び耐久性によって、上方からの荷重を安定し
た状態で下層不透水層に伝えることが可能になるととも
に、日射による劣化やカラス等による破損を生じること
がない。
【0020】さらに、この発明の遮水構造は、排水層を
間仕切り堤によって複数の区画に仕切るようにすれば、
上層不透水層が破損して汚水が排水層に流入する場合で
も、汚水の浸透領域を当該区画内のみに留めることがで
きる。
【0021】さらにまた、複数の区画に、漏水検知用配
管の一端部を配置するとともに、この漏水検知用配管の
他端部を、前記廃棄物処分場の底面部に至る深さに形成
された管理ピットに連通するようにすれば、各区画内の
水を自然流下によって管理ピットに収集することによ
り、各区画内の水質の検査を容易に行うことが可能にな
る。
【0022】一方、複数の区画を、同方向に並行に延長
する間仕切り堤によって、各々地上と連通した状態で仕
切るとともに、各区画には、少なくとも地上から前記廃
棄物処分場の底面部に至る深さに延長する、内部に間隙
水圧計を有する漏水検知用有孔管を配設するようにすれ
ば、水圧の変動を検出して各区画への漏水の有無を容易
に検知することができるとともに、漏水検知用有孔管を
介して注入材を注入することにより、漏水の生じた区画
を容易に補修することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態、すなわち実施例について添付図面を参照しつつ詳
細に説明する。この発明の第一実施例にかかる遮水構造
10は、図1に示すように、一例として山間部などにお
ける広大な敷地を凹状に掘削し、整地することによって
造成した廃棄物処分場11の、斜面を含む底部地盤20
を覆うようにしてに設けられたもので、図2及び図3に
拡大して示すように、底部地盤20を覆って敷設された
下層不透水層としての下層水密性アスファルト12と、
この下層水密性アスファルト12の上面に設けられた排
水層としての透水性アスファルト層13と、この透水性
アスファルト層13を覆って形成された上層不透水層と
しての上層水密性アスファルト14とからなる三層構造
を備えるものである。
【0024】そして、下層水密性アスファルト12は、
アスファルトコンクリート舗装に一般に使用される、水
密性を備えるように配合した公知の種々のアスファルト
混合物を使用して形成することができ、例えば底部地盤
20上に採石等を敷設してなる路盤19上に、舗装工事
に使用する種々の機械を使用して、アスファルト混合物
を例えば5cm程度の厚さに敷き均して転圧することに
より、容易に形成することができる。
【0025】また、透水性アスファルト層13は、例え
ば公知の排水性舗装に使用する、例えば透水係数が1×
10-2cm/s程度となるように配合されたアスファル
ト混合物を使用して形成することができ、下層水密性ア
スファルト12上に、舗装工事に使用する種々の機械を
使用して、アスファルト混合物を例えば5cm程度の厚
さに敷き均して転圧することにより、容易に形成するこ
とができる。
【0026】さらに、上層水密性アスファルト14は、
下層水密性アスファルト12と同様に、アスファルトコ
ンクリート舗装に一般に使用される、水密性を備えるよ
うに配合した公知の種々のアスファルト混合物を使用し
て形成することができ、透水性アスファルト層13上
に、舗装工事に使用する種々の機械を使用して、アスフ
ァルト混合物を例えば5cm程度の厚さに敷き均して転
圧することにより、容易に形成することができる。
【0027】そして、このようにして形成された三層構
造のアスファルト構造物としての遮水構造10によれ
ば、相当の強度や耐久性を備えた下層水密性アスファル
ト12、透水性アスファルト層13、及び上層水密性ア
スファルト14が、互いに固着して一体化されているこ
とにより、さらに大きな強度や耐久性を発揮することに
なるとともに、中間の透水性アスファルト層13が緩衝
層としての機能を発揮して、上方からの荷重による下層
水密性アスファルト12及び上層水密性アスファルト1
4の破損を効果的に防止することが可能になる。
【0028】また、この第一実施例の遮水構造10によ
れば、下層水密性アスファルト12と上層水密性アスフ
ァルト14との間に介在する、透水性アスファルト層1
3が、間仕切り堤15によって複数の区画17に縦横に
仕切られているとともに、各区画17には、漏水検知用
配管としてのモニタリング管16の一端部が配置されて
いる。
【0029】ここで、間仕切り堤15は、水密性アスフ
ァルトからなり、透水性アスファルト層13の厚さと合
致する5cm程度の高さに盛り立てられて、透水性アス
ファルト層13を、例えば20m×20m程度の大きさ
の区画17に仕切るとともに、当該区画17から隣接す
る区画17へ地下水や汚水が流出しようとするのを容易
に遮断することができるようになっている。
【0030】また、モニタリング管16は、例えば直径
25mm程度の塩化ビニル製やステンレス製の円筒管か
らなり、各区画17に配置されることになるその先端部
分が、周囲に多数の孔が設けられた有孔管として構成さ
れるとともに、間仕切り堤15を貫通するようにして延
長配設されて(図4参照)、その他端部が、図5に示す
ように、廃棄物処分場11の底面部21に至る深さに形
成された管理ピット18に各々連通し、このモニタリン
グ管16を経て自然流下によって管理ピット18内に流
入する水の水質を検査することにより、各区画17への
漏水の有無を検知するとともに、上層水密性アスファル
ト14の破損によって漏水の生じた区画を容易に特定す
ることができるようになっている。
【0031】さらに、管理ピット18に連通する各モニ
タリング管16には、管理ピット18において、例えば
セメント系や樹脂系の、硬化性を有する注入材を給送す
るための注入ポンプと接続することができるようになっ
ており、この注入ポンプによって破損の生じた区画17
に注入材を注入固化することにより、当該、破損の生じ
た区画17を容易に補修することができるようになって
いる。
【0032】なお、間仕切り堤15及びモニタリング管
16は、図4に示すように、下層水密性アスファルト1
2を設けた後、透水性アスファルト層13を敷設設置す
る前に配設してから、透水性アスファルト層13を施工
することにより、容易に透水性アスファルト層13の内
部に設けることができる。
【0033】また、図4において、各区画17には、モ
ニタリング管16の先端部分が各2本配設されている
が、各区画17内の高い位置にその先端が開口する一方
のモニタリング管16は、他方のモニタリング管16を
介して各区画17内へ注入材を圧送する際の空気抜きの
役割りをも果たすものである。すなわち、注入材を圧送
すると、注入材は重いため低い位置から充填されてゆ
き、高い位置に開口するモニタリング管16から区画1
7内の空気や水を追い出しながら区画17内の全体に充
填されてゆく。したがって、高い位置に先端部分が開口
するモニタリング管16から注入材が出てくることを確
認することにより、区画17内へ注入材が十分に充填さ
れたことを確認することができる。なお、漏水の検知の
みで注入材の注入による補修を行わない場合には、モニ
タリング管16の先端部分は、各区画17に一本配設す
ればよい。
【0034】そして、上述のような構成を有する第一実
施例の遮水構造10によれば、下層水密性アスファルト
12、透水性アスファルト層13、及び上層水密性アス
ファルト14が、強度と耐久性に各々優れていることか
ら、これの上方に投入される保護材22や廃棄物23を
敷き均したり転圧したりすべく、ダンプトラックやブル
ドーザ、バックホウなどの重機を走行させたり旋回させ
たりする場合でも、損傷する可能性は極めて少なくなる
とともに、圧縮や圧密、分解等によって廃棄物23が沈
下する場合でも、これによって引きこまれることがなく
なることになる。
【0035】また、例えば廃棄物23によって覆われる
以前の法面等において、遮水構造10が露出している場
合でも(図1参照)、その優れた強度及び耐久性によ
り、日射によって劣化したり、カラスやその他の外力に
よって当該遮水構造10が損傷するのを容易に回避する
ことができる。
【0036】一方、図6及び図7は、この発明の第二実
施例に係る遮水構造30を示すものである。すなわち、
この第二実施例の遮水構造30は、上述の第一実施例と
同様に、下層不透水層としての下層水密性アスファルト
32と、この下層水密性アスファルト32の上面に設け
られた排水層としての透水性アスファルト層33と、こ
の透水性アスファルト層33を覆って形成された上層不
透水層としての上層水密性アスファルト34とからなる
三層構造によって構成されているが、透水性アスファル
ト層33が、同方向に平行に延長する水密成アスファル
トからなる間仕切り堤35によって、地上と連通した状
態で仕切られた平行な多数の縦長の区画37に分割され
ている。
【0037】また、各区画37には、地上から廃棄物処
分場11の底面部21に至る深さに延長する、内部に間
隙水圧計を有する漏水検知用有孔管としてのモニタリン
グ用有孔管38が配設されている。
【0038】そして、この第二実施例の遮水構造30に
よれば、第一実施例の遮水構造30と同様に、相当の強
度や耐久性を備えた下層水密性アスファルト32、透水
性アスファルト層33、及び上層水密性アスファルト3
4が一体化して、大きな強度や耐久性を発揮することに
なるとともに、中間の透水性アスファルト層33が緩衝
層としての機能を発揮して、上方からの荷重による下層
水密性アスファルト32及び上層水密性アスファルト3
4の破損を効果的に防止することが可能になる。
【0039】また、上方を走行あるいは旋回する重機に
よって損傷する可能性は極めて少なくなるとともに、圧
縮や圧密、分解等によって廃棄物23が沈下する場合で
も、これによって引きこまれることがなくなり、かつ遮
水構造30が露出している場合でも、日射によって劣化
したり、カラスやその他の外力によって損傷するのを容
易に回避することができる。
【0040】さらに、モニタリング用有孔管38内に配
置した間隙水圧計により水圧の変動を検出して、各区画
37への漏水の有無を容易に検知することができ、ま
た、水圧の変動が検出されたモニタリング用有孔管38
を注入ポンプに接続して、これに注入固化材を注入すれ
ば、モニタリング用有孔管38に形成された多数の孔を
介して、破損が検出された区画37の全体に、注入固化
材を容易に注入充填してゆくことが可能になる。
【0041】なお、この発明は、上記各実施例の実施の
態様のものに限定されるものではなく、各請求項に記載
された構成の範囲内において、種々変更して採用するこ
とができる。例えば、排水層は、必ずしも透水性アスフ
ァルトによって形成する必要はなく、また上層不透水層
は、例えば遮水シートを用いて構成することもできる。
【0042】さらに、電気的な方法や仕切られた各区画
を真空吸引することによって、排水層の各区画への漏水
の有無を検知することもでき、また、排水層は、必ずし
も間仕切り堤によって複数の区画に仕切る必要はない。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の
廃棄物処分場における遮水構造によれば、底部地盤を覆
って敷設されたアスファルト、コンクリート等の舗装材
料からなる下層不透水層と、該下層不透水層の上面に設
けられた排水層と、該排水層の上面を覆って形成された
上層不透水層とからなり、二重の遮水機能を発揮すると
ともに、強度及び耐久性に優れるので、廃棄物や保護砂
等を敷き均すべく上方に重機を走行させたり旋回させる
場合でも、これらの荷重を強固に支持して、撓みやよれ
による破損を容易に回避することができるとともに、廃
棄物に圧縮や圧密、分解等による沈下が生じる場合でも
損傷しにくく、かつ露出した状態ある場合でも、劣化や
外力による損傷を容易に回避することができる。
【0044】したがって、廃棄物処分場から周囲の地盤
へ汚水が漏出するのを、確実かつ安定して防止すること
ができる。
【0045】また、排水層を間仕切り堤によって複数の
区画に仕切るとともに、各区画に漏水検知用配管や有孔
管を配設すれば、破損により漏水が生じた区画を容易に
特定することができるとともに、破損の生じた区画を容
易に補修することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例にかかる遮水構造を採用
した廃棄物処分場を説明する略示断面図である。
【図2】この発明の第一実施例にかかる遮水構造の構成
を示す、図1のA部拡大図である。
【図3】図2のB−Bに沿った断面図である。
【図4】間仕切り堤及び漏水検知用配管の配設状況の一
例を示す斜視図である。
【図5】漏水検知用配管を管理ピットに連通配設した状
況を示す略示断面図である。
【図6】この発明の第二実施例にかかる遮水構造を採用
した廃棄物処分場を説明する略示断面図である。
【図7】間仕切り堤及び漏水検知用有孔管の配設状況を
説明する図6のC−Cに沿った上面図である。
【符号の説明】
10,30 遮水構造 11 廃棄物処分場 12,32 下層水密性アスファルト(下層不透水層) 13,33 透水性アスファルト層(排水層) 14,34 上層水密性アスファルト(上層不透水層) 15,35 間仕切り堤 16 モニタリング管(漏水検知用配管) 17,37 区画 18 管理ピット 20 底部地盤 21 底面部 38 モニタリング用有孔管(漏水検知用有孔管)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物処分場の底部地盤に設置されて、
    処分場の内部から周囲の地盤へ汚水が漏出するのを防止
    するための遮水構造であって、 前記底部地盤を覆って敷設されたアスファルト、コンク
    リート等の舗装材料からなる下層不透水層と、該下層不
    透水層の上面に設けられた排水層と、該排水層の上面を
    覆って形成された上層不透水層とからなることを特徴と
    する廃棄物処分場における遮水構造。
  2. 【請求項2】 前記排水層が、透水性アスファルトから
    なることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処分場に
    おける遮水構造。
  3. 【請求項3】 前記上層不透水層が、アスファルト、コ
    ンクリート等の舗装材料からなることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の廃棄物処分場における遮水構
    造。
  4. 【請求項4】 前記排水層が間仕切り堤によって複数の
    区画に仕切られていることを特徴とする請求項1ないし
    請求項3のいずれかに記載の廃棄物処分場における遮水
    構造。
  5. 【請求項5】 前記複数の区画には、漏水検知用配管の
    一端部が配置されるとともに、この漏水検知用配管の他
    端部が、前記廃棄物処分場の底面部に至る深さに形成さ
    れた管理ピットに連通し、この漏水検知用配管を経て管
    理ピットに流入する水の水質を検査することにより、各
    区画への漏水の有無を検知することを特徴とする請求項
    4に記載の廃棄物処分場における遮水構造。
  6. 【請求項6】 前記複数の区画が、同方向に並行に延長
    する間仕切り堤によって、各々地上と連通した状態で仕
    切られるとともに、各区画には、少なくとも地上から前
    記廃棄物処分場の底面部に至る深さに延長する、内部に
    間隙水圧計を有する漏水検知用有孔管が配設されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の廃棄物処分場におけ
    る遮水構造。
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JP2012017594A (ja) * 2010-07-07 2012-01-26 Ohbayashi Corp 遮水構造

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