JPH10151151A - 履物用発熱袋およびその製造方法 - Google Patents

履物用発熱袋およびその製造方法

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JPH10151151A
JPH10151151A JP32919396A JP32919396A JPH10151151A JP H10151151 A JPH10151151 A JP H10151151A JP 32919396 A JP32919396 A JP 32919396A JP 32919396 A JP32919396 A JP 32919396A JP H10151151 A JPH10151151 A JP H10151151A
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nonwoven fabric
bag
water
footwear
heat
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JP32919396A
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Yasuhiko Koiso
保彦 小礒
Naoto Azuma
直人 我妻
Masako Yamakawa
雅子 山川
Minako Suzuki
美奈子 鈴木
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Japan Pionics Ltd
Original Assignee
Japan Pionics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静止時、歩行時など使用状況に影響されず快
適な温度が得られるとともに、厚さが薄く、違和感を生
じない履物用発熱袋を得る。 【解決手段】 水の付着力で重ね合わされた多数の空隙
を有する植物性繊維不織布の積層体の空隙中に発熱組成
物を保持させ、型圧縮機で圧縮して得られたシート状発
熱体を通気性の袋に収納する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状発熱体を
用いた履物用発熱袋に関し、さらに詳細には発熱組成物
の片寄りがなく、薄型であり、かつ発熱性能の優れた履
物用発熱袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から鉄粉などの被酸化性金属を主成
分とし、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物を
通気性を有する袋に収納した発熱袋がかいろなどとして
広く利用されている。また、通気性を有する袋の形状を
馬蹄型や台形とし、靴やスリッパに用いる履物用発熱袋
なども提案されている(実開昭59−071618号公
報)。これらの履物用発熱袋はいずれも鉄粉、活性炭、
保水剤、および無機電解質水溶液などが混合されてなる
湿った粉体を通気性を有する袋に収納されたものであ
り、さらに使用されるまで非通気性の外袋に密封して保
存される。そして使用時には外袋を破って発熱袋を取り
出し、履物内に装着して用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の履物用
発熱袋を靴の中で使用した場合には、静止時には暖かく
快適であっても、歩行すると履物用発熱袋の温度が急上
昇し、熱くなるばかりでなく、火傷の危険性があった。
一方、歩行時において快適な温度となるように履物用発
熱袋の発熱温度を低めに設定した場合には、静止時に十
分な発熱が得られないという不都合があった。また従来
の履物用発熱袋は、靴内に装着する際によれたり、使用
中に発熱組成物の片寄りを生じ、違和感があるなどの不
都合があった。さらに、発熱組成物が片寄ったままで使
用すると発熱組成物の集まった部分が局部的に高温発熱
することがあり、火傷の危険性があった。
【0004】一方、熱融着性繊維と植物繊維からなる複
数層の不織布の空隙中に発熱組成物を保持させ、これを
熱圧着してシート状とした発熱体を通気性を有する袋に
収納した履物用発熱袋も考えられている。この履物用発
熱袋は、静止時も歩行中も発熱温度がほぼ一定であると
いう優れた特性を有している。しかしながら、熱融着性
繊維製不織布は保水性が低いために、水分を保持させる
ためにはシート状物の厚さが必然的に厚くなるほか、シ
ートを形成するために熱融着性繊維製不織布を加熱圧縮
すると強固な網状構造となり、硬くなるために違和感を
生じるという不都合があった。これらのことから、使用
状況に影響されず快適な温度が得られ、厚みが薄く柔軟
であるとともに、発熱組成物が確実に保持されて移動す
ることがない履物用発熱袋の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、水の付着力で重ね
合わせた複数層の植物繊維製不織布の、少なくとも一層
の不織布の空隙中に発熱組成物粉体の混合物を保持し、
型圧縮機で圧縮して得られるシート状発熱体を通気性を
有する袋に収納することにより、これらの問題点を解決
しうることを見いだし、本発明に到達した。すなわち本
発明は、多数の空隙を有する植物繊維製不織布が複数層
重ね合わされ、その少なくとも一層の不織布に発熱組成
物粉体が保持され、型圧縮機の圧縮力と水の付着力によ
りシート状に成形され、水または無機電解質水溶液が含
浸されたシート状発熱体が、通気性を有する袋に収納さ
れてなることを特徴とする履物用発熱袋である。
【0006】また本発明は、多数の空隙を有する植物繊
維製の不織布aの下面に植物繊維製不織布bを水の付着
力で重ね合わせ、不織布aの上面から発熱組成物粉体を
散布して空隙中に保持させ、次いで不織布aの上面に植
物繊維製不織布cを重ね合わせ、型圧縮機で圧縮した
後、水または電解質水溶液を含浸させてなるシート状発
熱体を通気性の袋に収納することを特徴とする履物用発
熱袋の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、主に靴、スリッパなど
の履物内に装着し、足の保温に用いる履物用発熱袋に適
用される。
【0008】本発明の履物用発熱袋は、不織布の積層体
に発熱組成物が保持されたものである。ここで発熱組成
物を不織布に保持させる方法としては、例えば鉄粉、
活性炭、無機電解質、水などを混合した状態のものを不
織布の上に分散させて、振動を与えるか押しつけるなど
の方法によって保持させてもよく、鉄粉、活性炭、無
機電解質などの粉体原料の混合物を不織布の上に散布
し、振動を与えて空隙に保持させた後、これに水を散布
してもよく、あるいは鉄粉、活性炭などの無機電解質
を除く粉体原料の混合物を不織布の上に広げて振動を与
えて空隙に保持させた後、これに無機電解質水溶液を散
布、含浸させてもよい。これらのうちでも、水分を含ま
ない状態のほうが不織布の空隙に保持しやすいことなど
の理由からおよびが好ましく、さらには、の方
法では無機電解質を全体に均一に浸透しにくいこと、被
酸化性金属粉の酸化が水を混合した時点から始まること
などの理由からがより好ましい。以上のことから、通
常はの方法によって発熱組成物が保持される。
【0009】以下、本発明を主にの方法による製造方
法で説明する。本発明において、不織布aは空気と接触
して発熱する発熱組成物原料のうち粉体で使用するもの
の混合物(以下発熱組成物粉体と記す)をその空隙中に
保持しうるとともに水分保持能力の大きいものであり、
例えばパルプ、綿、麻、レーヨン、アセテートなどの植
物繊維(本発明ではレーヨン、アセテートなどの再生繊
維も植物繊維に含める)を主成分とするものである。そ
の製法としては、繊維の絡み合いで形成されたものであ
っても良く、あるいは不織布が熱融着性を有しない程度
に合成樹脂、接着剤などをバインダーとして用いて形成
されたものであってもよい。厚さは発熱組成物粉体の保
持量等によっても異なるが、通常は0.5〜10mm、
好ましくは1〜7mmである。坪量は、通常は20〜1
50g/m2 、好ましくは30〜100g/m2 であ
る。
【0010】不織布bは不織布aの下面から発熱組成物
粉体が漏れるのを防ぐためのものであり、不織布aの下
面に重ね合わせて用いられる。不織布bの素材として
は、パルプ、綿、麻、レーヨン、アセテートなどの植物
繊維を主成分とする不織布やティシュペーパーなどの紙
状物が好ましい。通常は不織布aよりも密な構造を有す
るものが用いられ、その坪量としては、通常は10〜7
0g/m2 、好ましくは15〜40g/m2 である。
【0011】不織布cは、不織布aに保持しきれずに不
織布aの上面に残存している発熱組成物粉体を保持する
とともに、上面からの発熱組成物粉体の漏れを防ぐため
のものであり、不織布aの上面に重ね合わせて用いられ
る。その素材としては、多数の空隙を有するとともに水
分保持能力の大なるものが好ましく、例えばパルプ、
綿、麻、レーヨン、アセテートなどの植物繊維製の不織
布である。不織布cの厚さとしては、発熱組成物の保持
量によっても異なるが、通常は0.2〜7mm、好まし
くは0.5〜5mmである。また、坪量は通常は10〜
100g/m2 、好ましくは20〜80g/m2 であ
る。
【0012】発熱組成物粉体を構成する原料としては、
被酸化性金属粉、活性炭などである。また無機電解質は
固体のまま上記原料に混合される場合は発熱組成物粉体
の一成分であり、シート成形後に水溶液として含浸させ
る場合には発熱組成物粉体に含まれない。被酸化性金属
粉としては鉄粉、アルミニウム粉などであるが、通常は
鉄粉が用いられ、還元鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄
粉などである。活性炭は反応助剤のほか、保水剤として
も使用され、通常は椰子殻炭、木粉炭、ピート炭などで
ある。無機電解質としては、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、重金属の塩化物、およびアルカリ金属の硫酸塩
などが好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、
硫酸ナトリウムなどが用いられる。発熱組成物とは上記
の発熱組成物粉体と水または電解質水溶液が混合された
ものをいう。その他所望により、高分子保水剤、水素発
生抑制剤、固結防止剤などを加えることもできる。
【0013】発熱組成物粉体の粒度は、通常は60メッ
シュ以下、好ましくは100メッシュ以下のものを50
%以上含むものである。発熱組成物全体としての配合割
合は不織布の性状、目的とする発熱性能などによって異
なり一概に特定はできないが、例えば被酸化性金属粉1
00重量部に対し、活性炭が5〜20重量部、無機電解
質が1.5〜10重量部、水が25〜60重量部であ
る。
【0014】次に、本発明に係わる履物用発熱袋の構造
及び製造方法の一例を図面に基づいて説明するが、本発
明はこの例により限定されるものではない。図1は履物
用発熱袋1の平面図である。図2は履物用発熱袋1のA
−A線断面図である。2は通気性を有する袋、3はシー
ト状発熱体である。4は不織布a、5は不織布b、6は
不織布cを示す。7は発熱組成物、8は粘着剤、9は剥
離紙を示す。図3は本発明の製造工程の一例である。1
0は不織布aのロール、11は不織布bのロール、12
は水散布部、13はロール部、14は発熱組成物粉体散
布部、15は不織布cのロール、16はロール部、17
は型圧縮機による圧縮部、18は切断部、19は水また
は電解質水溶液散布部、20は通気性を有する袋への充
填部を示す。
【0015】不織布a4の下面に水散布部12にて水が
散布され、ロール部13で不織布a4の上面に不織布b
5と水の付着力で重ね合わされる。次いで、発熱組成物
粉体散布部14において発熱組成物粉体が散布されると
ともに、振動が与えられ、不織布aの空隙中に保持され
る。次に、この上面に不織布c6がロール部16で重ね
合わされ、さらに型圧縮機による圧縮部17で圧縮さ
れ、切断部18にて所望の大きさに切断される。次に水
または電解質水溶液散布部19にて水または電解質水溶
液が散布される。このようにしてシート状発熱体3が作
製される。さらに通気性を有する袋への充填部20にて
通気性を有する袋に収納し、履物用発熱袋1とされる。
【0016】本発明においては、不織布の層間に水を付
着させることにより、水の付着力で不織布同士が密着し
てシート状に成形される。水の付着方法としては、水の
付着量を調節しうるとともに、均一に付着させることが
できればよく、例えば水を噴霧する方法、ロールで水を
付着させる方法などがある。不織布aの下面に付着せし
める場合、水の量は、組成物粉体が湿りにより不織布a
の下面から漏れるのを防止できればよく、不織布の坪
量、材質などによっても異なるが、通常は10〜200
g/m2 、好ましくは20〜120g/m2 である。こ
の他、不織布aの下面に水を付着させることにかえて、
不織布bの上面に水を付着させる方法で行なうこともで
きる。また、不織布cを重ね合わせる際に、不織布cの
下面に水を付着させてもよい。これらの場合、不織布a
の下面に水を付着させる方法と同様の方法で行なうこと
ができる。
【0017】不織布に対する発熱組成物の保持量は、不
織布の厚さ、目的とする発熱体の厚さ、および所望の発
熱性能等に応じて定められるが、通常は不織布aの1m
2 当たり300〜5000g、好ましくは700〜20
00gである。保持量が300gよりも少ないと発熱温
度、発熱持続時間が低下し、一方、保持量が5000g
よりも多くなると発熱体の厚みが増し、薄型で柔軟なシ
ートの形成が困難となる。
【0018】圧縮は、プレス機、またはロールを通すこ
とにより行うことができる。圧縮は平面あるいは平ロー
ルで行なうこともできるが、シート状物の柔軟性を保持
しながら形状固定効果を上げるために、圧縮面の少なく
とも片面をエンボス面とすることが好ましい。エンボス
目の形状としては特に限定はないが、通常は波状、亀甲
状、輪状、水玉状、網目模様状などであり、圧縮時に発
熱組成物粉体が非圧縮部によけやすい形状が好ましい。
エンボス面の突起部面積比率に特に制限はないが、通常
は0.5〜60.0%であるが、好ましくは5.0〜4
0.0%である。
【0019】圧縮は、室温でも可能であるが、70〜3
00℃の温度条件で加熱するのがより好ましい。不織布
を重ね合わせる際に水を付着させているため、加熱する
ことにより、水を付着した面とそれに接する面が湿潤加
熱効果によってより確実に形状固定される。圧縮の線圧
は、不織布a、不織布b、不織布cの材質および発熱組
成物粉体の保持量によっても異なるが、通常0.1〜2
50kg/cmである。
【0020】シート状発熱体の厚さは、所望の発熱温
度、持続時間などの発熱性能を発揮するために必要な発
熱組成物量を保持しうる範囲であれば薄いほど好まし
く、通常は2.5mm以下である。シート状発熱体の大
きさおよび形については通気性を有する袋の中に入る大
きさと形であれば特に限定されないが、例えば靴底のつ
ま先形、長方形、正方形、円形、半円形、楕円形、半楕
円形などである。水または無機電解質水溶液を含浸させ
る量は、発熱組成物の組成割合として設定された水また
は無機電解質水溶液の合計量であり、これらは噴霧、滴
下、またはロール添着などによって供給、含浸せしめら
れ、シート状発熱体となる。
【0021】本発明において通気性を有する袋とは、袋
の表裏二面の少なくとも一面が通気性を有する包材で構
成されている袋である。通気性包材はその通気孔が必ず
しも全面に均一に設けられている必要はなく、部分的に
設けられたものでもよい。通気性包材の材質としては特
に制限はなく、発熱組成物の発熱に必要な量の空気を供
給しうるとともに、使用時の摩擦や揉圧などに耐えうる
程度の強度を有するものであればよく、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル
などの合成樹脂フィルムに不織布を貼り合わせ、微細な
孔をあけて通気性を持たせたもの、あるいは微細な孔を
多数有する多孔質フイルム単独、さらには多孔質フイル
ムに不織布等を貼り合わせたもの等である。
【0022】通気性を有する袋の形状としては、履物内
に収納されうる大きさ、形状であれば特に限定されず、
例えば長方形、正方形、円形、楕円形、半円形、半楕円
形、靴底形などいずれの形状とすることもできるが、靴
底のつま先形、半円形、半楕円形など履物内の装着位置
の形状に合わせたものが特に好ましい。
【0023】本発明においては装着部での履物用発熱袋
の固定性を高めるため、発熱袋の片面の全体または一部
に粘着剤層を設けることもできる。粘着剤としては発熱
袋を履物内に貼り付けたときに動かない程度の粘着性を
有し、かつ剥がすときには履物側に転着することのない
非転着性の粘着剤であればよく、例えばゴム系、アクリ
ル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系などの有機溶剤型あるいは
水性型の非転着性粘着剤が好適に用いられる。
【0024】また、粘着剤層を設ける場合には使用され
るまでの間他の物に粘着しないように剥離紙がその上に
重ね合わされる。剥離紙としては、一般に市販されてい
る粘着シート、テープ、ステッカーなどに使用されてい
るものと同様な性状を有するものが使用でき、表面にシ
リコン系などの離型剤が塗布され、粘着剤層面からの剥
離性を良くしたものである。
【0025】本発明による履物用発熱袋は、使用される
時まで被酸化性金属の酸化を防止する目的で、非通気性
の外袋に密封して保存される。図2、図3には不織布が
3層に積層されたシート状発熱体を用いた履物用発熱袋
および製造方法の例を示したが、本発明は不織布a、不
織布cの2層構成でもよく、さらには2層構成、3層構
成の積層体を単独あるいは組み合わせて重ね合わせた積
層体とすることもできる。
【0026】このように、多数の空隙を有する植物繊維
製不織布に発熱組成物を保持させ、圧縮力と水の付着力
によりシート状に成形した発熱体を通気性の袋に収納す
ることにより、静止時、歩行時など使用状態に影響され
ることのない快適な温度が得られ、発熱組成物の片寄り
を生じることがなく、しかも柔軟で違和感を生じない履
物用発熱袋が得られるようになった。次に本発明を実施
例によってより具体的に説明するが、本発明はこれによ
り限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
実施例1 坪量25g/m2 のティシュペーパーの上に、下面に水
を散布して湿らせた厚さ約1.1mm、坪量40g/m
2 の木材パルプ製不織布(本州製紙( 株 )製、キノクロ
ス)を重ね合わせ、その上に鉄粉90部、活性炭8部、
高分子保水剤2部の混合物を1500g/m2 の割合で
散布するとともに、振動を与えて不織布の空隙中に保持
させた。次にこの不織布の上面に、厚さ1.2mm、坪
量60g/m2 の木材パルプ製不織布(本州製紙( 株 )
製、キノクロス)を重ね合わせたのち、上ロール面には
網目状にエンボスが設けられており、200℃、線圧1
33kg/cmにセットされたロール加熱圧縮機に通
し、シート状に成形した。このシート状物を大きさ約6
0mm×80mmの靴底のつま先形に切断し、20%食
塩水溶液を570g/m2 の割合で散布し、厚さ2mm
のシート状発熱体を得た。
【0028】次に、坪量50g/m2 のナイロン製不織
布と厚さ50μのポリエチレンフイルムを貼り合わせた
シートの不織布面側にアクリル酸エステル系粘着剤を塗
布した。この粘着剤塗布面にシリコン処理された剥離紙
を重ね合わせて非通気性シートとした。この非通気性シ
ートに、ASTM D762で規定されるガーレ式透気
度が20秒/100ccのポリエチレン製多孔質膜(デ
ュポン( 株 )製、タイベック1073B)をポリエチレ
ン側が互いに接するように重ね合わせた後、大きさ約8
0mm×100mmの靴底のつま先形に切断し、靴底の
つま先形の曲線部周辺をヒートシールして通気性を有す
る袋状物を作製した。この袋状物の中に上記シート状発
熱体を収納し、開口部をヒートシールして厚さ約2.3
mmの履物用発熱袋を作製した。この間、発熱組成物粉
体の脱落は生じなかった。
【0029】該履物用発熱袋をさらに非通気性の外袋中
に密封し、2日間保存した後、該履物用発熱袋を外袋か
ら取り出し、多孔質膜側が上面となるように運動靴内の
つま先側の底部に貼り付け、履物用発熱袋の発熱性能を
以下のとおり測定した。履物用発熱袋上面の中央部に銅
−コンスタンタン熱電対を貼り付け、気温10℃、湿度
60%の環境下で、20分間椅子に座った後、毎時5k
mの速度で30分間歩行し、さらに10分間椅子に座
り、静止時および歩行時における履物用発熱袋の温度変
化を測定した。結果を図4に示す。その結果、装着後2
分後には30℃に達し、静止中は40℃付近で一定の温
度を保ち、快適であった。さらに歩行時も急激な温度上
昇は見られず、40℃から45℃付近で一定しており、
快適であった。なお、この履物用発熱袋は装着の際、発
熱組成物が片寄ることもなく容易に装着することができ
た。また歩行した場合においても発熱組成物の片寄るこ
とがなく、違和感も生じなかった。
【0030】比較例1 鉄粉6.8g、活性炭0.7g、食塩0.7g、水2
g、高分子保水剤0.3gを窒素雰囲気中で混合して得
られた発熱組成物を実施例1と同様の通気性を有する袋
内に充填し、厚さ約3mmの履物用発熱袋を作製した。
この発熱袋を非通気性の外袋に密封し、2日間保存した
後、該履物用発熱袋を外袋から取り出し、多孔質膜側が
上面となるように実施例1と同一の運動靴内のつま先側
の底部に貼り付け、実施例1と同様にして履物用発熱袋
の発熱性能を測定した。結果を図4に示す。
【0031】その結果、装着後2分後には30℃に達
し、静止状態では快適であったものの、歩行時には最高
62℃にまで達し、非常に熱く、ひりひりとした痛みを
感じた。また、歩行後の静止時においても50℃までし
か下がらず、かなり熱かった。履物用発熱袋脱着後も足
裏には痛みが残った。なお、この履物用発熱袋は装着時
および歩行中に発熱組成物に片寄りを生じ、違和感があ
った。また使用後、発熱組成物は固化していた。
【0032】比較例2 コットン65%、熱融着性ポリエステル35%からなる
坪量75g/m2 、厚さ3.0mmの不織布の下面に、
坪量23g/m2 のティシュペーパーを重ね合わせ、そ
の上から、鉄粉90部、活性炭8部、高分子保水剤2部
の混合物を1500g/m2 の割合で散布するととも
に、振動を与えて不織布の空隙中に保持させた。次に不
織布の上面に熱融着性ポリエステル50%、ポリエステ
ル50%からなる坪量40g/m2 、厚さ1.9mmの
不織布を重ね合わせ、さらにその上に坪量23g/m2
のティシュペーパーを重ね合わせた。このようにした
後、実施例1と同じ条件で加熱圧縮してシート状に形成
し、60mm×80mmの靴つま先形に切断し、食塩水
溶液を散布してシート状発熱体を得た。この発熱体を実
施例1と同様の通気性の袋に収納し、厚さ3mmの履物
用発熱袋を得た。
【0033】この履物用発熱袋をさらに非通気性の外袋
に密封し、2日間保存した後、該履物用発熱袋を外袋か
ら取り出し、実施例1と同様にして履物用発熱袋の発熱
特性を測定した。その結果、静止時においても、歩行時
においても快適な温度が得られたが、履物用発熱袋全体
が硬いばかりでなく、厚さが厚く、違和感があった。
【0034】
【発明の効果】本発明により、静止時および歩行時など
の使用状況に影響されることがなく安定した温度が得ら
れるとともに、柔軟性が高く、内容物の片寄りを生じる
ことがなく、違和感がない履物用発熱袋が得られるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】履物用発熱袋の平面図。
【図2】履物用発熱袋のA−A線断面図。
【図3】履物用発熱袋の製造工程の例。
【図4】実施例1および比較例1における履物用発熱袋
の発熱特性図。
【符号の説明】
1 履物用発熱袋 2 通気性を有する袋 3 シート状発熱体 4 不織布a 5 不織布b 6 不織布c 7 発熱組成物 8 粘着剤 9 剥離紙 10 不織布aのロール 11 不織布bのロール 12 水散布部 13 ロール部 14 発熱組成物粉体散布部 15 不織布cのロール 16 ロール部 17 型圧縮機による圧縮部 18 切断部 19 水または電解質水溶液散布部 20 通気性を有する袋への充填部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 美奈子 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイオ ニクス株式会社平塚研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の空隙を有する植物繊維製不織布が
    複数層重ね合わされ、その少なくとも一層の不織布に発
    熱組成物粉体が保持され、型圧縮機の圧縮力と水の付着
    力によりシート状に成形され、水または無機電解質水溶
    液が含浸されたシート状発熱体が、通気性を有する袋に
    収納されてなることを特徴とする履物用発熱袋。
  2. 【請求項2】 植物繊維製不織布aと、不織布aの下面
    に重ねられた植物繊維製不織布bと、不織布aの上面に
    重ねられた植物繊維製不織布cからなり、不織布aの空
    隙内および不織布aと不織布cの層間に発熱組成物粉体
    が保持され、型圧縮機の圧縮力と水の付着力によりシー
    ト状に成形され、水または無機電解質水溶液を含浸させ
    たシート状発熱体が、通気性の袋に収納されてなること
    を特徴とする履物用発熱袋。
  3. 【請求項3】 多数の空隙を有する植物繊維製の不織布
    aの下面に植物繊維製不織布bを水の付着力で重ね合わ
    せ、不織布aの上面から発熱組成物粉体を散布して空隙
    中に保持させ、次いで不織布aの上面に植物繊維製不織
    布cを重ね合わせ、型圧縮機で圧縮した後、水または電
    解質水溶液を含浸させてなるシート状発熱体を通気性の
    袋に収納することを特徴とする履物用発熱袋の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 発熱組成物粉体が、鉄粉、活性炭、また
    は鉄粉、活性炭、無機電解質を主成分とするものである
    請求項1、2に記載の履物用発熱袋。
  5. 【請求項5】 発熱組成物粉体が、鉄粉、活性炭、また
    は鉄粉、活性炭、無機電解質を主成分とするものである
    請求項3に記載の履物用発熱袋の製造方法。
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