JPH10150798A - ステッピングモータ制御装置 - Google Patents

ステッピングモータ制御装置

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JPH10150798A
JPH10150798A JP25389897A JP25389897A JPH10150798A JP H10150798 A JPH10150798 A JP H10150798A JP 25389897 A JP25389897 A JP 25389897A JP 25389897 A JP25389897 A JP 25389897A JP H10150798 A JPH10150798 A JP H10150798A
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rotor
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由浩 虫鹿
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透 川端
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ステッピングモータの高精度の位置決めおよ
び高速移送と、低い振動性とをともに実現するステッピ
ングモータ制御装置を提供する。 【解決手段】 ステッピングモータ制御装置であって、
制御部は、第1の動作モードと第2の動作モードとの2
つの動作モードを切り替え、第1の動作モードにおいて
は、制御部がみずから発生するタイミングに基づいて駆
動部に与える指令値を変化させ、第2の動作モードにお
いては、位置検出部の検知信号に応じたタイミングに基
づいて駆動部に与える指令値を変化させ、それによって
ステッピングモータを制御し、さらに、ステッピングモ
ータをスタート位置から目的位置まで移送する1連の移
送動作中に2つの動作モードを切り替え、第2の動作モ
ードでステッピングモータに粗動動作をさせた後に第1
の動作モードに切り替えてマイクロステップ駆動を行
い、それによってステッピングモータの駆動を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステッピングモー
タ制御装置に関し、とくにエンコーダを用いたステッピ
ングモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモータは小型、高トルク、
高寿命といった特徴を有し、開ループ制御で簡易に分解
能が得られるため、開ループ制御による駆動方法が一般
的である。しかし、この駆動方法は高速回転時の脱調等
の課題を有するため、高速回転に対応するように、ステ
ッピングモータにエンコーダを付与し、ブラシレスDC
モータのような閉ループ制御を行う制御装置が従来より
提案されている。
【0003】米国特許第4,963,808号には、制
御部がステッピングモータの制御モードを切り替えて、
2相ステッピングモータとして用いる2相ステッピング
モードと、DCモータとして用いる閉ループモードとの
2種類の動作モードで使用できる構成が記載されてい
る。また同特許には、エンコーダの1周分の出力パルス
数をステッピングモータのロータ磁極数の整数倍とし、
ステッピングモータを1相励磁した状態を基準として、
そこから所定数のエンコーダのパルス数を検知するごと
にステッピングモータへの励磁電流を切り替えることに
より、エンコーダの出力信号とステッピングモータの励
磁電流との位相精度を無調整で所定誤差以下に抑える構
成が合わせて記載されている。
【0004】しかしながら、例えば光ディスク装置にお
ける光ピックアップの移送等のように、移送対象を目的
位置まで高速かつ高精度で移送する場合、以下のような
課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第1に、高速移送と高
精度位置決めとは両立しないものであった。
【0006】なぜなら、閉ループモードは高速移送に適
しているが、ステッピングモータの有する分解能特性を
活かした簡易な高精度位置決めを行うことができない。
逆に、高精度な位置決めができる2相ステッピングモー
ドでは、高速移送が困難である。また閉ループモードに
おけるステッピングモータの高速回転性およびモータ効
率を上げるには、ステッピングモータのロータ磁極数を
小さくすることが望ましいが、これは一方で位置決めの
分解能の低下を招くものであり、これらの特性を両立さ
せることが必要であった。これらを実現する構成につい
ては、米国特許第4,963,808号には何らの記載
もされていない。
【0007】第2に、高速移送と高精度位置決めとの両
立を実現させるためには、一連の移送動作中に閉ループ
制御と開ループ制御とを切り替えることが有効である
が、一連の移送動作中にモードの切り替えを行えば、モ
ードの切り替え前後で衝撃振動等が発生する。このよう
な衝撃振動は、移送対象を高速かつ高精度に目的位置に
移送することを妨げる。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、ステッピングモータの位置
制御分解能と高速移送性、および低振動性の両立を実現
するステッピングモータ制御装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるステッピン
グモータ制御装置は、ロータと励磁コイルとを備えたス
テッピングモータと、入力された指令値に応じて励磁コ
イルに複数段階の駆動電流を与え、それによってマイク
ロステップ駆動を可能とする駆動部と、駆動部に与える
指令値を変化させてステッピングモータを制御する制御
部と、ロータの回転位置に応じた検知信号を生成する位
置検知制御部とを備えたステッピングモータ制御装置で
あって、制御部は、第1の動作モードと第2の動作モー
ドとの2つの動作モードを切り替え、第1の動作モード
においては、制御部がみずから発生するタイミングに基
づいて駆動部に与える指令値を変化させ、第2の動作モ
ードにおいては、位置検出制御部の検知信号に応じたタ
イミングに基づいて駆動部に与える指令値を変化させ、
それによってステッピングモータを制御し、制御部はさ
らに、ステッピングモータをスタート位置から目的位置
まで移送する1連の移送動作中に2つの動作モードを切
り替え、第2の動作モードでステッピングモータに粗動
動作をさせた後に第1の動作モードに切り替えてマイク
ロステップ駆動を行うステッピングモータ制御装置であ
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0010】制御部は、ステッピングモータのスタート
位置から目的位置までの移送量に応じて2つの動作モー
ドを使い分け、移送量が所定値より小さいときは第1の
動作モードのみでステッピングモータを駆動し、移送量
が所定値以上のときは第2の動作モードと第1の動作モ
ードとを切り替えてステッピングモータを駆動してもよ
い。
【0011】制御部は、第2の動作モードから第1の動
作モードへの切り替えを、位置検知制御部の出力信号相
が変化するタイミングに基づいて行い、かつ、切り替え
の瞬間におけるロータの回転位置が、ロータが電磁気的
に安定して静止する位置に実質的に一致するようにして
もよい。
【0012】ステッピングモータの第2の動作モードに
よる駆動において、制御部は、第1の指令値列を駆動部
に与えてステッピングモータを第1の加速度で加速した
あと、第2の指令値列を駆動部に与えて、第1の加速度
よりも実質的に小さい第2の加速度でステッピングモー
タを加速し、さらにそのあと、第3の指令値列を駆動部
に与えてステッピングモータを減速するようにしてもよ
い。
【0013】本発明の別なステッピングモータ制御部
は、ロータと複数の励磁コイルとを備えたステッピング
モータと、入力された指令値に応じて複数の励磁コイル
のそれぞれに駆動電流を与える駆動部と、駆動部に与え
る指令値を変化させてステッピングモータをステップ駆
動する制御部と、ロータの回転角度を分解能α°以下で
検知して検知信号を出力する位置検知制御部と、ステッ
ピングモータの脱調の有無を判別する判別制御部とを備
え、制御部は、ステッピングモータの分解能α°以上の
回転に相当する指令値の変化を与え、判別制御部は、こ
の間の検知信号の変化に応じてステッピングモータの脱
調の有無を判別する、ステッピングモータ制御装置であ
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0014】ステッピングモータにより駆動力を伝達さ
れ所定の経路を移送される被移送体と、被移送体に当接
することにより被移送体の移送範囲を限定するストッパ
とをさらに備え、制御部はストッパに被移送体を当接せ
しめる方向にステッピングモータを駆動し、判別制御部
が脱調を判断した後、制御部がその方向へのステッピン
グモータの駆動を停止または反転するようにしてもよ
い。
【0015】ステッピングモータにより駆動力を伝達さ
れ所定の経路を移送される被移送体と、被移送体に当接
することにより被移送体の移送範囲を限定する第1およ
び第2のストッパとをさらに備え、第1および第2のス
トッパは所定の距離に離間して設けられ、第1のストッ
パの硬度は第2のストッパの硬度よりも低く、制御部は
被移送体を第1のストッパに当接せしめる方向にステッ
ピングモータを制御して、判別制御部が脱調を判断した
後、制御部は被移送体を第2のストッパに当接せしめる
方向にステッピングモータを制御して、判別制御部が再
度脱調を判断した後、制御部はステッピングモータの駆
動を停止または反転し、被移送体が第2のストッパと当
接する直前の速度を、被移送体が第1のストッパと当接
する直前の速度よりも小ならしめてもよい。
【0016】以下に作用を説明する。本発明のある局面
において、ステッピングモータ制御装置は、制御部によ
って第1の動作モードと第2の動作モードとを切り替え
ることができ、ロータの回転位置を検知する位置検知制
御部の検知信号に応じてステッピングモータを制御する
第2の動作モードの後、第1の動作モードに切り替えて
マイクロステップ駆動するように構成されている。
【0017】このように、ロータは、はじめに閉ループ
制御による粗動駆動を受けて目的位置の近くまで高速に
移送され、つぎに、開ループ制御によるマイクロステッ
プ駆動に切り替えられて、目的位置へと高精度で位置決
めされる。こうして、ステッピングモータを高速かつ高
精度で目的位置に移送することができる。
【0018】本発明の別の局面では、ステッピングモー
タ制御装置は、制御部の動作モードを第2の動作モード
から第1の動作モードに切り替える切り替え時におい
て、前記ロータの回転位置がマイクロステップ駆動にお
いて電磁気的に安定する安定位置と実質的に一致するよ
うに設けたものである。
【0019】このように、上記の切り替え時において、
それまでロータに働いていた減速力がきわめて小さくな
り、動作モードを切り替える際の揺り戻しを防止するこ
とができる。
【0020】本発明のさらに別の局面において、ステッ
ピングモータ制御装置は、ステッピングモータを加速動
作から減速動作に移行させる前に、制御部が駆動部に与
える指令値列を変更して、ステッピングモータに与える
駆動電流を低減する。
【0021】これにより、加速動作から減速動作に移る
ときの速度変化をゆるやかにし、それによって、速度変
化による衝撃振動が大きく低減される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
によるステッピングモータ制御装置の実施の形態を説明
する。
【0023】実施の形態1〜3においては、本発明によ
るステッピングモータ制御装置を光ディスクドライブ装
置のヘッド駆動に適用している。また、ステッピングモ
ータが駆動する対象である移送体はヘッドである。しか
し、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、
本発明はこれ以外の多くのステッピングモータ制御装置
に適応が可能である。
【0024】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1について、図1〜3を参照して説明する。
【0025】図1は本発明の実施の形態1を用いた光デ
ィスクドライブ装置の構成例を示す概略構成図である。
本実施の形態では、ステッピングモータ10として2相
PM型で2相励磁時のステップ角が18゜のものを例に
とって説明する。
【0026】ステッピングモータ10は、ロータ20
と、2相の励磁コイル30とを備えている。
【0027】ロータ20は、円周方向に実質的に均等な
ピッチで角度72゜の間隔で配置されたNS極を各5極
着磁した、永久磁石を含んでいる。2相の励磁コイル3
0は、A相ステータ32およびB相ステータ34を含ん
でいる。A相ステータ32およびB相ステータ34に
は、それぞれ励磁コイルに通電したときにロータ20に
対向する位置に72゜周期でNS極を各5極発生するヨ
ークによる磁極が設けられている。A相ステータ32お
よびB相ステータ34のヨークによる磁極は、互いに1
8゜ずれて配置されている。
【0028】駆動部40は、独立した2チャンネルの電
流ドライバ、すなわちA相電流ドライバ42およびB相
電流ドライバ44を含んでいる。A相電流ドライバ42
およびB相電流ドライバ44は、それぞれ制御部50か
ら出力される電流指令量を表すデジタルデータを受け取
り、その値に基づいて、A相ステータ32およびB相ス
テータ34に駆動電流を供給し、それによってステッピ
ングモータ10を駆動する。
【0029】電流ドライバ42および44は、具体的に
はたとえばD/A変換器と増幅器とを含む。D/A変換
器は、たとえば制御部50から入力されたデジタルデー
タをアナログ信号に変換する。増幅器は、たとえばD/
A変換器で生成されたアナログ信号を増幅する。
【0030】エンコーダ60は、2チャンネルのセン
サ、すなわちA相センサ62およびB相センサ64と、
エンコーダマグネット66と、2値化回路(図示せず)
とを備えている。A相センサ62およびB相センサ64
は、たとえばホール素子からなる。エンコーダマグネッ
ト66は、円周方向に72゜周期でNS極を10極着磁
している。
【0031】エンコーダ60は、ロータ20の回転に応
じて2値化した1周5パルス(72゜周期)の信号を出
力する。
【0032】A相センサ62とB相センサ64とは、モ
ータ回転軸を中心に互いに取付角度が18±1゜以下
(電気角換算90±5゜以下)となるようにプリント基
板68上に取り付けられている。プリント基板68はフ
ランジ72に固定されている。エンコーダマグネット6
6はリードスクリュー74に嵌装され、ロータ20との
相対的な取付角度を調整した後に接着固定されている。
【0033】制御部50は、たとえばDSPで構成され
る。制御部50は、エンコーダ60の出力信号を受け取
り、駆動部40に電流指令値を表すデジタルデータを出
力することができる。
【0034】制御部50は、第1の動作モードM1と、
第2の動作モードM2との2つの動作モードを切り替え
て制御することができる。
【0035】制御部50は、第1の動作モードM1にあ
るとき、制御部50自身が内部発生するタイミング信号
に基づいて、駆動部40に電流指令値を表すデジタルデ
ータを出力し、開ループ制御によるマイクロステップ駆
動を行う。
【0036】具体的には、ステッピングモータ10のA
相・B相ステータ32および34に流す電流比を変えて
マイクロステップ駆動を行い、ロータ20の静止角度を
高分解能に制御する。
【0037】ロータ20の静止角度と電流比との関係
は、ステッピングモータ10の磁気回路および負荷の状
態に依存するため、等間隔のロータ静止角度を与える電
流指令値を、関数あるいはテーブルとしてあらかじめ求
めておく。たとえばステップ角18゜を32分割して
0.6゜のマイクロステップ駆動を行う場合には、32
段階(5ビット)のステップ角度指令を表すデータに対
し、8ビットの電流指令値を表すデータを発生するよう
にテーブルを構成しておく。ステップ角度指令を表すデ
ータをインクリメントまたはデクリメントすることによ
り、任意の回転方向にステッピングモータ10をマイク
ロステップ駆動させる。
【0038】制御部50は、第2の動作モードM2にお
いて、エンコーダ60の出力信号に応じて駆動部40に
電流指令値を表すデジタルデータを出力する、閉ループ
制御を行う。ステッピングモータ10とエンコーダ60
とはある特定の位相関係になるように取付けられてい
る。この位相関係については、図2を用いて後述する。
【0039】以下に、光ディスク周辺部分の構成をさら
に説明する。
【0040】リードスクリュー74は、エンコーダマグ
ネット66とともにステッピングモータ10の出力軸と
一体的に連結され、軸受76によりフランジ72に回動
自在に軸支されている。フランジ72はシャーシ80に
固定されている。ヘッド90は軸摺回動型のアクチュエ
ータ(図示せず)を備え、光学的に光ディスク95に対
して情報の記録および再生を行う。ヘッド90に取り付
けられたナットピース92は、一端がバネ94によって
付勢された状態でリードスクリュー74のネジ溝と嵌合
している。これにより、ヘッド90はステッピングモー
タ10の回転に応じて、ガイドシャフト82に沿って直
線的に往復駆動される。光ディスク95はスピンドル8
5により回転駆動される。ヘッド90を目的位置に移送
する際には、光ディスク95に書き込まれた現在位置
(スタート位置)のアドレスと目的位置のアドレスとか
ら、移送方向と移送量とが求められる。これに応じて、
制御部50がステッピングモータ10の制御動作を行
う。
【0041】図2は、本実施の形態におけるステッピン
グモータの詳細を示す図である。
【0042】図2において、ステッピングモータ10の
ロータ20は、エンコーダ60のエンコーダマグネット
66と一体的に回転する。エンコーダ60のA相センサ
62およびB相センサ64のそれぞれは、エンコーダマ
グネット66のN極部(斜線部分)を検出するとHIG
H、S極部を検出するとLOWの信号を出力する。
【0043】ステッピングモータ10のA相ステータ3
2およびB相ステータ34の励磁方向は、図2のコイル
部分にN、Sとして示したようなコイルの励磁方向を
「正」、これと反対の励磁方向を「負」として表示す
る。エンコーダ60の出力がHIGHとLOWの間で切
り替わる「相切替点」は、ステッピングモータ10を2
相励磁したときにロータ20が電磁気的に安定して静止
する安定位置と、実質的に一致するように設けてある。
ロータ20の角度位置を図のようにψとおくと、ψ=4
5゜、135゜、225゜、315゜となる4つの点
が、相切替点に当たる。またこの点は、静止状態にある
ロータ20を第2の動作モードM2によって起動するこ
とができない「死点」でもある。したがって、ロータ2
0を起動するときには、制御部50は、はじめに第1の
動作モードM1でマイクロステップ駆動を行ってロータ
20を死点以外の角度位置に移送し、そのあとで第2の
動作モードによる移送動作を行うようにする必要があ
る。
【0044】図3は、第2の動作モードM2における、
ステッピングモータ10の励磁相とエンコーダ60の出
力との位相関係を示す図である。図3の角度表示は、実
際の回転角でなく、位相周期を360°とする電気角で
表している。
【0045】図3(a)に、ロータ20を時計方向に回
転させるときの、ステッピングモータ10の励磁相とエ
ンコーダ60の出力との位相関係を示す。
【0046】制御部50は、A相センサ62の出力がH
IGH(ψ=45°〜225°)のときB相ステータ3
4を正方向に励磁し、A相センサ62の出力がLOW
(ψ=225°〜45°)のときB相ステータ34を負
方向に励磁するように制御する。また、B相センサ64
の出力がHIGH(ψ=−45°〜135°)のときA
相ステータ32を正方向に励磁し、B相センサ64の出
力がLOW(ψ=135°〜−45°)のときA相ステ
ータ32を負方向に励磁するように制御する。
【0047】図3(b)に、ロータ20を反時計方向に
回転させるときの、ステッピングモータ10の励磁相と
エンコーダ60の出力との位相関係を示す。
【0048】制御部50は、A相センサ62の出力がH
IGH(ψ=45°〜225°)のときA相ステータ3
2を正方向に励磁し、A相センサ62の出力がLOW
(ψ=225°〜45°)のときA相ステータ32を負
方向に励磁するよう制御する。またB相センサ64の出
力がHIGH(ψ=−45°〜135°)のときB相ス
テータ34を負方向に励磁し、B相センサ64の出力が
LOW(ψ=135°〜315°)のときB相ステータ
34を正方向に励磁するよう制御する。
【0049】図3(c)に、A相ステータ32への励磁
電流を拡大した図を付記しているが、実際にはステータ
32および34への励磁電流はPWM制御により電流量
を制御されている。制御部50が駆動部40に出力する
電流指令値を表すデジタルデータは、モータの応答周波
数に対して十分高い周波数で転送されており、PWM変
調周期pは10μs程度である。そしてデューティ比d
=q/pを0〜1の範囲で可変に設けることにより、電
流量を制御している。デューティ比はステッピングモー
タ10の現在位置、現在速度、目的位置、目標速度、回
転方向、制御部50の動作モード等の情報から選ばれる
条件に応じて制御され、ステッピングモータ10の発生
トルクを決定する。このように、制御部50が駆動部4
0に出力する電流指令値を表すデジタルデータを制御す
ることにより、実質的にA相・B相ステータ32および
34への励磁電流の振幅とタイミングとの双方を制御し
ている。
【0050】図4は、以上のような構成の光ディスクド
ライブ装置における、ステッピングモータの制御動作を
説明する図である。
【0051】図4の横軸は、ステッピングモータ10の
回転位置を示す。図の左端がステッピングモータ10の
スタート位置PSを、右端が目的位置PTを示す。また
縦軸は、各回転位置におけるステッピングモータ10の
回転速度、A相・B相ステータ32および34への励磁
電流、エンコーダA相・B相センサ62および64の出
力信号を、それぞれ表す。軸のスケールは説明上適当に
伸縮している。
【0052】ヘッド90を目的位置PTに移送するため
のステッピングモータ10の起動に際し、制御部50
は、光ディスク95に書き込まれた現在位置アドレスと
目的位置アドレスとの比較から、ステッピングモータ1
0の回転方向を決定する。図4は時計方向の回転を示し
ている。
【0053】次に、制御部50は、スタート位置PSか
ら目的位置PTまでの移送量に応じて、2つの動作モー
ドを使い分ける。移送量が極めて小さい場合は、目的位
置まで第1の動作モードM1によるマイクロステップ駆
動のみを行う。しかし、移送量が所定量以上の場合は、
動作モードを第1の動作モードM1、第2の動作モード
M2、第1の動作モードM1の順に切り替えて移送す
る。
【0054】ここでは、この所定量以上の移送動作につ
いて説明する。
【0055】スタート位置PSから目的位置PTまでの
移送量が所定量以上の場合、移送動作は大きく3つに分
けられる。すなわち、はじめに第1の動作モードM1に
よる初期的な移送動作を行い、つぎに第2の動作モード
M2による粗動動作を行い、最後に再び第1の動作モー
ドM1による移送動作を行う。
【0056】制御部50は、まず第1の動作モードM1
を選択し、マイクロステップ駆動で所定パルス数だけ時
計方向にステッピングモータ10を回転させる。この所
定のパルス数はステッピングモータ10とヘッド90と
を連結する駆動伝達系の実質的なバックラッシュをとる
ことを目的とし、この要因に基づく起動時の衝撃振動を
抑えるために必要な値があらかじめ設定してある。32
分割マイクロステップで例えば所定パルスを32パルス
と設定した場合、図4のようにステータ32および34
への励磁電流を1周期分変化させた位置P1まで移送し
て、駆動伝達系のバックラッシュをとる。その後、さら
に、矢印Cで示した所定の励磁状態になるまでマイクロ
ステップ駆動を続ける。これは、あらかじめ第1の動作
モードM1でロータ20を所定の位相に位置させること
を目的とし、第2の動作モードM2における死点を避
け、第2の動作モードM2で確実な起動ができるように
するためである。矢印Cで示した励磁状態は、A相ステ
ータ32またはB相ステータ34のいずれか片方の相の
みが最大に励磁された状態であり、第2の動作モードM
2における回転トルクが最大となる状態とする。
【0057】制御部50は、位置P1通過後に最初に矢
印Cの励磁状態になる位置P2で、動作モードを第1の
動作モードM1から第2の動作モードM2へと切り替え
る。
【0058】第2の動作モードM2において、制御部5
0は、エンコーダ60のA相センサ62およびB相セン
サ64の出力信号に応じて、駆動部40にはじめに第1
の指令値列を与える。これにより駆動部40は、A相セ
ンサ62の出力HIGH/LOWに対応してB相ステー
タ34を正/負方向に励磁し、同様にB相センサ64の
出力HIGH/LOWに対応してA相ステータ32を正
/負方向に励磁する。このときの励磁電流の実質的な大
きさはA0であり、ステッピングモータ10は大きな加
速力で時計方向に加速される。このときの加速度を、第
1の加速度ということにする。
【0059】ステッピングモータ10を減速開始させる
タイミングは、制御部50を第2の動作モードM2から
第1の動作モードM1に切り替える位置P5において、
ステッピングモータ10が所定の速度であるようなタイ
ミングである。そのため、減速に要する制動距離をあら
かじめ求めておき、残り移動距離が制動距離に等しくな
った時点で減速を開始するように設定する。
【0060】すなわち、制御部50はA相センサ62ま
たはB相センサ64の出力信号をカウントしてステッピ
ングモータ10の回転位置を算出し、位置P5との比較
によって残り移送量を算出する。残り移送量に応じた目
標速度VTは、破線のように設定される。一方、各時点
でのステッピングモータ10の回転速度はエンコーダA
相センサ62またはB相センサ64の出力信号の周期時
間の逆数から算出される。
【0061】目標速度VTとその時点における回転速度
Vとの偏差ΔVが所定値V0よりも小さくなる位置(位
置P3以降)において、制御部50は駆動部40に与え
る指令値列を第1の指令値列から第2の指令値列に変更
する。第2の指令値列に対応する加速度を、ここでは第
2の加速度と呼ぶことにする。これにより、駆動部40
はステッピングモータ10の駆動方向が同一のままであ
るようにステータ32および34とセンサ62および6
4との切り替えタイミングの関係を保ったまま、ステー
タ32および34への電流量をA0からA1に下げる。
A1の値は、ステッピングモータ10が加速動作から減
速動作に移行する際にステッピングモータ10とヘッド
90とを連結する駆動伝達系に発生するバックラッシュ
を最小限の衝撃で取り除くために最適な値を実験的に求
めて設定している。
【0062】偏差ΔVがゼロになる位置P4において、
制御部50は、駆動部40に与える指令値列を、第2の
指令値列から第3の指令値列に変更する。これに応じ
て、駆動部40はステッピングモータ10に反時計方向
の回転力を発生させるようにステータ32および34を
励磁して減速させる。このとき、制御部50はA相セン
サ62の出力HIGH/LOWに対応してA相ステータ
32を正/負方向に励磁し、B相センサ64の出力HI
GH/LOWに対応してB相ステータ34を負/正方向
に励磁する。制御部50は第2の動作モードM2を終了
する位置P5において、所定範囲内の位置精度と速度精
度とが得られるように電流量A2の制御を行いながら減
速動作を継続する。
【0063】ステッピングモータ10が位置P5を通過
した後、制御部50は、再び第1の動作モードにてマイ
クロステップ駆動を行う。具体的には、エンコーダのA
相センサ62またはB相センサ64の出力信号の切替点
(立上りエッジまたは立下りエッジ)を最初に検出した
時点で、動作モードを第2の動作モードM2から第1の
動作モードM1に切り替える。ここで、動作モード切り
替えの前後でステータ32および34の励磁電流にある
特定の関係を持たせることにより、衝撃振動の発生を防
いでいる。例えば図のようにB相センサ64の立下りエ
ッジのタイミングで第2の動作モードM2を終了した瞬
間には、ロータ20の回転位置は図2におけるψ=−4
5゜の位置にある。ここで、第1の動作モードM1を開
始するときにA相ステータ32およびB相ステータ34
に正方向で同一の大きさの励磁電流を与えて、ロータ2
0の安定位置をψ=−45゜として現在位置と一致させ
る。このため、その点においては電磁力による回転トル
クがゼロとなり、電磁気的に安定する安定位置となる。
したがって、第2の動作モードM2から第1の動作モー
ドM1に切り替えた瞬間、それまでロータ20に働いて
いた減速力が極めて小さくなる。ロータ20に与える減
速力を停止前に弱めることで、従動する系全体がもつ慣
性エネルギーによる揺り戻しを防止することができる。
【0064】この効果をより確実にするために、ステッ
ピングモータ10の回転速度は、動作モードの切り替え
前後で等しくなるよう連続的に接続している。すなわ
ち、第1の動作モードM1への切替直後のマイクロステ
ップ駆動速度は、第2の動作モードM2での位置P5に
おける目標速度と一致している。
【0065】位置P5以降は、第1の動作モードM1に
より、マイクロステップ駆動で目標位置PTまで徐々に
減速させる。
【0066】以上のような制御動作により、目標位置P
Tへの移送を高分解能に制御できるだけではなく、ステ
ッピングモータ10の停止時の衝撃振動を大幅に低減す
ることができる。
【0067】以上、ステッピングモータ10を時計方向
へ回転させた場合について説明したが、これを反時計方
向に回転させる場合も同様である。
【0068】このように本実施の形態によれば、以下の
効果を得ることができる。
【0069】第1に、ステッピングモータ10の一連の
移送動作中に制御部50の動作モードを切替え、閉ルー
プモードである第2の動作モードM2で高速移送した後
に第1の動作モードM1でマイクロステップ駆動させる
ことにより、ステッピングモータ10の高分解能化を行
っている。このため、高速移送と高分解能位置決めとを
ともに実現することができる。
【0070】ステッピングモータ10の分解能はマイク
ロステップ駆動によりロータ20の磁極数とは独立に決
定できるため、分解能を維持しながら、ロータ20の磁
極数を第2の動作モードM2で駆動したときの高速回転
性やモータ効率を上げるのに十分なだけ小さい値に設定
することが可能である。
【0071】第2に、制御部50がステッピングモータ
10の目的位置までの移送量に応じて動作モードを使い
分け、この移送量が所定値より小さい近距離移送時には
ステッピングモータ10を第1の動作モードM1のみで
駆動し、移送量が所定値以上の時はステッピングモータ
10を第2の動作モードM2と第1の動作モードM1と
で切替えて駆動しているため、近距離移送時の制御切替
えの煩雑さを省き、ステッピングモータ10の移送量に
応じた最適な制御を行うことができる。
【0072】第3に、ステッピングモータ出力の駆動伝
達系での衝撃振動の発生を抑えることができる。ステッ
ピングモータ10の加速動作開始時においては、制御部
50が第1の動作モードM1でステッピングモータ10
をマイクロステップ駆動して駆動伝達系に発生するバッ
クラッシュを減殺した後、第2の動作モードM2に切り
替えてステッピングモータ10を加速するため、加速時
のバックラッシュによる駆動伝達系での衝撃振動の発生
を抑えることができる。
【0073】また、ステッピングモータ10を加速動作
から減速動作に移行させる前にも、制御部50が駆動部
40に与える指令値列を変更してステッピングモータ1
0に与える駆動電流を低減するため、減速時のバックラ
ッシュによる駆動伝達系での衝撃振動の発生を抑えるこ
とができる。
【0074】また停止前には、制御部50の動作モード
を第2の動作モードM2から第1の動作モードM1に切
り替えた瞬間におけるロータ20の回転位置が、同瞬間
におけるマイクロステップ駆動におけるロータ20の安
定位置と実質的に一致するようにステータ32および3
4への励磁電流を与えたことにより、それまでロータ2
0に働いていた減速力を停止前に極めて小さくし、従動
する系全体がもつ慣性エネルギーによる揺り戻しを防止
して、ステッピングモータ10の停止に伴う駆動伝達系
での衝撃振動の発生を抑えることができる。
【0075】以上のように本実施の形態によれば、簡易
な構成で、ステッピングモータの位置制御分解能、高速
回転性、低振動性の両立を実現することができる。
【0076】なお、本実施の形態では2相の励磁コイル
を備えた2相PM型のステッピングモータを例に説明し
たが、本発明の適用事例はこれに限定されるものではな
い。一般にロータの磁極周期角度θ゜、励磁コイルN相
(Nは2以上の整数。反転相を含まず)のステッピング
モータを用いる場合、エンコーダとして各出力信号が周
期角度θ゜で、角度にしてそれぞれθ/N゜ずつ位相が
異なるNチャンネルの検知信号を出力するものを用いれ
ば、同様の効果が得られる。また、ステッピングモータ
の種類もロータに永久磁石を用いたPM型だけではな
く、軟磁性体を用いたVR型等でも適用可能である。
【0077】また、本実施の形態では制御部が第2の動
作モードM2にあるときステッピングモータを2相励磁
駆動する場合について、エンコーダの出力とステータの
励磁の切り替えのタイミングに所定の進み角の関係を付
与する方法を説明したが、一般に制御部が第2の動作モ
ードM2においてステッピングモータをP相(PはN以
下の自然数。反転相は含まず)励磁駆動する場合には、
ステッピングモータをP相励磁した時にロータが安定に
静止する位置と、エンコーダの出力信号相が変化する時
のロータの回転位置とを概一致するように設ければよ
い。
【0078】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2について、図5〜図6を参照して説明する。
【0079】図5は本発明の実施の形態2を用いた光デ
ィスクドライブ装置の構成例を示す概略構成図である。
【0080】図5において、駆動部40、電流ドライバ
42および44、フランジ72、リードスクリュー7
4、軸受76、シャーシ80、ガイドシャフト82、ス
ピンドル85、ヘッド90、ナットピース92、バネ9
4、光ディスク95は実施の形態1と同一である。制御
部50aは、実施の形態1の制御部50の構成に加えて
後述する構成を付加したものである。
【0081】ステッピングモータ10aは2相PM型
で、ロータ20、A相ステータ32、B相ステータ34
の構成は実施の形態1と同一である。ロータの軸には角
度4.5゜周期でスリットを設けた遮光板24を固定す
る。遮光板24のスリット角度周期4.5゜の値は、ロ
ータ20のマグネットの磁極形成の角度周期72゜の整
数分の1(ここでは1/16)となるように決められて
いる。特にステッピングモータ10aの相数が2相であ
るため、2の倍数分の1(すなわち1/16=1/(2
×8))の関係も満たすように選定されている。フォト
センサ26は発光側にLED、受光側にフォトトランジ
スタを備えた透過型で、遮光板24のスリットの有無に
応じた出力信号を出力する。フォトセンサ26は遮光板
24と共にハウジング28内に収容され、取扱い中の破
損やホコリ等の要因による汚損を防いでいる。
【0082】フォトセンサ26の出力は2値化回路52
により2値化される。2値化回路52は、ある基準値と
フォトセンサ26の出力とを単に比較してHIGH/L
OWの信号を出力するのでなく、2つの基準値間をトラ
ンスファーしたときのみHIGH/LOWの出力を切り
替える構成として、チャタリングによる誤動作を防いで
いる。この2値化回路52の出力は、一方では制御部5
0aに入力され、また一方では16進のカウンタ54に
入力される。カウンタ54は2値化回路52から1パル
スの信号を入力する度にカウントアップし、0〜15の
循環する値を4ビットの2進数として出力する。また制
御部50aからカウンタ54にクリア信号が出力される
と、カウンタ54の値はクリアされて0になる。カウン
タ54からの出力は、4入力4出力のコードコンバータ
56によりコード変換される。コードコンバータ56の
真理値を「表1」に示す。コードコンバータ56の4出
力をそれぞれP、Q、Pの反転(Pバー)、Qの反転
(Qバー)と呼ぶことにする。なお、表1の入力値は、
実際の4ビットの2進数ではなく10進数で表示してい
る。
【0083】
【表1】
【0084】表1から分かるように、コードコンバータ
56の各出力は2値化回路52の出力を1/16に分周
したものである。コードコンバータ56のP出力とQ出
力とは、2値化回路52の出力周期にして4周期分だけ
位相が異なっている。コードコンバータ56の残る2つ
の出力は、それぞれP出力、Q出力を反転したものであ
る。
【0085】データセレクタ58は4つの入力P、Q、
Pの反転、Qの反転の中から2つを選択して2出力A、
Bとして取り出す。データセレクタ58には制御部50
aから3ビットの選択信号を入力し、この値に基づいた
選択を行う。選択信号3ビットの内訳は、回転方向デー
タCW(1ビット)とモータ初期状態データCM(2ビ
ット)である。回転方向データCWは、ステッピングモ
ータ10aを時計方向に回転させるときは「1」、反時
計方向に回転させるときは「0」を与える。モータ初期
状態データCMは、第2の動作モードM2の開始直前の
ステッピングモータ10aの励磁状態を与える。
【0086】ここではステッピングモータ10aは1相
励磁状態に保持した後、制御部50aを第2の動作モー
ドM2にする構成を前提として説明する。
【0087】1相励磁状態には、A相ステータ32のみ
を正方向に励磁した状態、B相ステータ34のみを正方
向に励磁した状態、A相ステータ32のみを負方向に励
磁した状態、B相ステータ34のみを負方向に励磁した
状態の4状態があり、どの状態から第2の動作モードM
2に切り替えて駆動を行ったかにより、それぞれこの順
にCM=0〜3の値を与える。選択信号CW、CMの値
とデータセレクタ58が選択する入出力信号の対応関係
を「表2」に示す。なお以降、CMの値は実際の2ビッ
トの2進数ではなく10進数で表示する。
【0088】
【表2】
【0089】以上のように構成した光ディスクドライブ
装置におけるステッピングモータの制御動作を、図6を
用いて説明する。基本的には実施の形態1で説明した制
御動作は同様に実施の形態2でも行われる。ここでは、
実施の形態1で説明した内容と重複する部分は詳述しな
い。
【0090】図6は、ステッピングモータの制御動作を
説明する図である。
【0091】横軸はステッピングモータ10aの回転位
置、縦軸は各位置における制御部50aの動作モード、
ステッピングモータ10aの回転速度、ステータ32お
よび34への励磁電流、データセレクタ58の出力信
号、2値化回路52の出力信号を示す。
【0092】最初、制御部50aはステッピングモータ
10aの回転方向を決定する。ここでは回転方向は時計
方向とする。次に、第1の動作モードM1のマイクロス
テップ駆動により、矢印C1〜C4で示したいずれかの
1相励磁状態に至る位置P2までステッピングモータ1
0aを回転させる。ここでC1はA相ステータ32のみ
を正方向に励磁した状態、C2はB相ステータ34のみ
を正方向に励磁した状態、C3はA相ステータ32のみ
を負方向に励磁した状態、C4はB相ステータ34のみ
を負方向に励磁した状態である。
【0093】この1相励磁の状態で1〜2ms保持した
後、制御部50aはカウンタ54にクリア信号を出力し
て出力値を0にする。また、制御部50aはデータセレ
クタ58に回転方向データCW、モータ初期状態データ
CMを出力する。ここでステッピングモータ10aの回
転方向は時計方向であるため、CW=1、状態C1から
起動する場合CM=0の値がセットされる。この値は後
に動作モードが第2の動作モードM2から第1の動作モ
ードM1に切り替わるまで常に保持される。
【0094】データセレクタ58の出力信号A、Bは、
上記のようにCW=1、CM=0の値がセットされた場
合には、表2の対応関係から分かるように、コードコン
バータ56のP、Qの出力とそれぞれ一致している。そ
して表1の真理値表に従い、カウンタ54がクリアされ
た時点でどちらも「0」(LOW)の状態にある。この
位相状態を起点として、出力信号Aは2値化回路52の
2周期目のパルスで「1」(HIGH)の状態に変化
し、以降2値化回路52のパルス8周期毎に状態を変化
させる。同様に、出力信号Bは2値化回路52の6周期
目のパルスで1の状態に変化し、以降2値化回路52の
パルス8周期毎に状態を変化させる。すなわち、カウン
タ54、コードコンバータ56、データセレクタ58に
よって、2値化回路52の出力が1/16に分周されて
出力信号A、Bが生成される。出力信号A、Bはカウン
タ54が制御部50aによりクリアされたときの出力状
態を起点とし、互いに2値化回路52の出力にして4周
期に相当する角度分ずつ位相がずれた状態にあることが
分かる。
【0095】ここで制御部50aは第2の動作モードM
2をとり、データセレクタ58の2つの出力信号A、B
の値に応じて駆動部40に指令値を与える。データセレ
クタ58の出力信号A、Bはそれぞれ実施の形態1で説
明したA相センサ32、B相センサ34と同じタイミン
グの信号となる。従って制御部50aは、実施の形態1
で説明したのと全く同様に、加速時には出力信号Aの値
1/0に対応してB相ステータ34を正/負方向に励磁
し、出力信号Bの値1/0に対応してA相ステータ32
を正/負方向に励磁するように指令値を与える。
【0096】位置P4以降は減速を行う。これも実施の
形態1と全く同様に、制御部50aは出力信号Aの値1
/0に対応してA相ステータ32を正/負方向に励磁
し、出力信号Bの値1/0に対応してB相ステータ34
を負/正方向に励磁する。
【0097】制御部50aは第2の動作モードM2を終
了する位置P5において、所定範囲内の位置精度と速度
精度とが得られるように電流量A2の制御を行いながら
減速動作を継続する。このときステッピングモータ10
aの回転速度は、制御部50aに入力された2値化回路
52の出力パルスの間隔時間から求めている。従って、
回転角度4.5゜毎に速度検出が可能であり、サンプリ
ングに要する時間が例えば実施の形態1の場合に比べて
1/16と小さくすることができる。このため、制御帯
域が広く、高精度な速度制御を行うことができる。
【0098】ステッピングモータ10aが位置P5を通
過した後、制御部50aはデータセレクタ58の出力信
号AまたはBの値の最初の変化時に、動作モードを第2
の動作モードM2から第1の動作モードM1に切り替え
る。切替後のステータ32および34への励磁電流の制
御は実施の形態1と同様であり、目的位置PTまでマイ
クロステップ駆動を行う。
【0099】以上、ステッピングモータ10aを時計方
向へ回転させた場合について説明したが、これを反時計
方向に回転させる場合も同様である。この場合、制御部
50aはデータセレクタ58に、回転方向データCWの
値として0を与えればよい。また第2の動作モードM2
による起動時のモータ初期状態を状態C1として説明し
たが、状態C2〜C4から起動する場合には、制御部5
0aはデータセレクタ58にモータ初期状態データCM
として1〜3の値を与えればよい。
【0100】なお、本実施の形態の遮光板24、フォト
センサ26、および2値化回路52は、本願特許請求の
範囲で記したエンコーダに相当する。
【0101】また、ステッピングモータの励磁コイル数
N(Nは2以上の整数。反転相を含まず。)、エンコー
ダ出力信号の回転角度周期とロータ磁極の角度周期との
比K(Kは2以上の整数)の関係を一般化して、分周部
がエンコーダ出力信号を1/Kに分周して検知信号を生
成し、特にKをNの倍数(K=M×N;Mは2以上の整
数)として、それぞれ分周した検知信号の位相をエンコ
ーダ出力信号のM/2周期に相当する角度分ずつずらし
てNチャンネルを生成するとすれば、本実施の形態の構
成と同等となる。
【0102】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、以下の効果を得ることができる。
【0103】第1に、ステッピングモータとエンコーダ
との位相関係を合わせるための調整が全く不要にするこ
とができる。ロータ20の磁極位置の角度位相、遮光板
24のスリット位置の角度位相、フォトセンサ26の取
付位置の角度位相がどのような相対関係で組み立てられ
たとしても、あらかじめロータ20の磁極形成角度周期
のK倍に細かく形成したエンコーダの出力信号をステッ
ピングモータ10aを所定の励磁状態にしたときを基準
として1/Kに分周して検知信号を生成する構成とした
ことにより、検知信号とステッピングモータの励磁のタ
イミングを合わせることができる。このようにステッピ
ングモータとエンコーダとの位相関係を合わせるための
調整工程を省くことにより、全体の組立性を大幅に改善
することができる。
【0104】第2の効果としては、エンコーダのセンサ
の数を低減することができる。前記Kの値を励磁コイル
の相数Nの倍数に設定し、分周部により互いに位相が異
なるNチャンネルの出力信号を作成しているため、フォ
トセンサ26はただ1つだけでNチャンネルの位相の異
なる出力信号を発生することができる。
【0105】このため、複数のセンサを用いる場合に比
べてセンサ本体や配線等に必要なコストを低減すること
ができる。また、センサ間の取付精度、センサ間の温度
特性や周波数特性等のばらつきといった様々な精度劣化
要因を完全に排除できるため、信頼性の高い安定したス
テッピングモータの駆動を行うことができる。
【0106】第3に、ステッピングモータの回転角度、
回転速度の検出精度を向上させることができる。エンコ
ーダの出力信号を、分周部とは別に直接制御部50aに
入力させることにより、ロータ20の磁極形成の角度周
期で定まる周期信号から検出する場合に比べて全くコス
トアップを伴うことなく、高精度な回転角度や回転速度
の検出ができ、精度が高く制御帯域の広いモータ制御を
行うことができる。特に低回転数でモータを回転させる
ときには、速度信号が出力されるタイミングが早くなる
ことは効果が大きい。
【0107】以上のように、本実施の形態によれば、調
整工程が不要かつ簡易な構成で、信頼性が高く高精度な
ステッピングモータの制御を行うことができる。
【0108】なお、本実施の形態では2値化回路52の
出力信号の立ち上がりエッジでカウンタ54の値を変化
させているが、2値化回路52の出力信号の立上りエッ
ジ、立下りエッジの双方でカウンタ54の値を変化させ
る構成にすれば、位相合わせの精度を2倍に向上させる
ことができる。
【0109】また、本実施の形態は、分周部をカウンタ
54、コードコンバータ56、およびデータセレクタ5
8による回路構成によって実現したが、実施の形態1に
おける制御部50のDSP内でのプログラム処理等によ
り、ソフトアルゴリズムとして実現してもよい。
【0110】また、本実施の形態では分周部は2値化回
路52の出力を常時1/16に分周して検知信号を生成
していたが、例えば高速回転時には分周時のカウント数
を変更することにより、進み角を与えることも可能であ
る。高速回転時ほどトルク角が理想角度90゜から離れ
ていくため、本実施の形態ではあらかじめ全回転領域で
45゜の進み角を与える構成により高回転域でのトルク
特性を改善しているが、回転数に応じて分周時のカウン
ト数を調整することで、さらに好適なトルク特性を付与
することができる。具体的には、所定の回転数(例えば
2000rpm)に達した瞬間に、一度だけ2値化回路
52の出力を1/16分周ではなく1/15分周して検
知信号を発生すると、23゜の進み角が与えられる。さ
らに次の所定の回転数(例えば4000rpm)に再び
一度だけ2値化回路52の出力を1/16分周ではなく
1/15分周して検知信号を発生すると、さらに23゜
の進み角が与えられるというように、制御部50のDS
P内でのプログラムを設定することで実現される。減速
する際には、逆に上記の所定の回転数(例えば4000
rpm、2000rpm)をまたぐ際に各一度だけ2値
化回路52の出力を1/16分周ではなく1/17分周
して検知信号を発生することで進み角を低減する。
【0111】進み角を与える方法としては他に検知信号
を回路的に遅延させることも考えられる。しかし、遅延
時間は回転数と進み角の関数であるから、仮に一定の進
み角を与えるとしても常に回転数に応じて遅延時間を計
算させねばならず、制御が大変である。これに対し上述
した方式は、進み角を直接制御することができるため、
制御側の負担が極めて小さくなるという利点がある。
【0112】また、本実施の形態ではスタート位置PS
から位置P2までをマイクロステップ駆動によりステッ
ピングモータ10aを回転させたが、これに限定される
ものではない。たとえば、位置P2において第2の動作
モードM2を開始する前にステッピングモータ10aが
所定の励磁状態にあればよいため、スタート位置PSか
ら位置P2までを1相励磁等の別の駆動方法により、ス
テッピングモータ10aを回転させてもよいことは言う
までもない。
【0113】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3について、図7を参照して説明する。
【0114】図7は本発明の実施の形態3を用いた光デ
ィスクドライブ装置の構成例を示す概略構成図である。
【0115】図7において、ステッピングモータ10
a、駆動部40、電流ドライバ42および44、2値化
回路52、カウンタ54、コードコンバータ56、デー
タセレクタ58、フランジ72、リードスクリュー7
4、軸受76、シャーシ80、ガイドシャフト82、ス
ピンドル85、ヘッド90、ナットピース92、バネ9
4、および光ディスク95は、実施の形態2と同一であ
る。制御部50bは実施の形態2の制御部50aの構成
に加えて、後述する構成を付加したものである。
【0116】ストッパ87はシャーシ80の一部を折り
曲げて形成し、ヘッド90と当接してヘッド90の光デ
ィスク95の内周側方向への移動範囲を規制する。スト
ッパー87は電源投入時等の初期状態におけるヘッド9
0の位置決め基準として用い、ヘッド90と当接した際
に、光ディスク95の中心とヘッド90の光ビーム中心
との距離xが所定の値となるよう精度良く形成されてい
る。xの値は、光ディスク95の情報記録領域の最内周
半径R2よりも小さい値に設ける。なお、光ディスク9
5はR1からR2までがリードイン領域で、R2からR
3までが情報記録領域であり、最初にヘッド90が光デ
ィスク95を読み取る動作を開始する際には、ヘッド9
0の光ビーム中心はリードイン領域内のいずれかの位置
にある必要がある。
【0117】ストッパ88はゴム等の材料からなり、ヘ
ッド90と当接してヘッド90の光ディスク95の外周
側方向への移動範囲を規制する。ストッパ88はストッ
パ87よりも硬度を低くしているため、位置決め精度は
低いがヘッド90と当接する際の衝撃吸収性は高く設け
られている。
【0118】制御部50bは判別部51を含む。判別部
51は、制御部50bから指定された期間内における2
値化回路52の出力信号の変化の有無を判別し、変化が
ある場合には「1」、変化がない場合には「0」の値を
制御部50bに返す。
【0119】2値化回路52の出力信号は立上りエッジ
のみを検出する場合には角度分解能として約4.5゜、
立上りエッジと立下りエッジの双方を検出する場合には
約2.3゜の角度分解能があるが、ここでは立上りエッ
ジのみを検出するとしてエンコーダとしての角度分解能
は約4.5゜とする。一方、ステッピングモータ10a
を開ループ制御でマイクロステップ駆動する場合には1
ステップが約0.6゜に相当するから、8ステップ以上
駆動すれば、脱調がなければステッピングモータ10a
はエンコーダの角度分解能約4.5゜以上は回転するこ
とになる。従って、もしこの間に2値化回路52の出力
信号が変化しなければ、ステッピングモータ10aが脱
調していると判別できる。本構成では、制御部50bが
第1の動作モードM1にあるとき、20ステップのマイ
クロステップ駆動(約1.2゜)を単位として、各単位
の角度変化中の2値化回路52の出力信号の変化の有無
を判別部51に判断させ、判別部51が返す値に応じて
制御動作を決定する。
【0120】以下に、このように構成した光ディスクド
ライブ装置の、電源投入時の初期動作を説明する。この
初期動作の目的は、当初任意の位置にあるヘッド90を
ストッパ87を基準に精度良く位置決めすることにあ
る。この際に、ヘッド90を高硬度のストッパ87に当
接させる直前には、大きな衝撃荷重が発生しないように
ヘッド90を低速度で当接させている。この時の速度を
小さくするほど衝撃荷重は小さくなるが、例えばヘッド
90が最初光ディスク95の外周近くにいる場合にはス
トッパ87と当接させるまでに長い時間を要することに
なる。これを防ぐため、まずヘッド90を一度柔らかい
ストッパ88に当接させて粗位置決めを行った後にスト
ッパ87に当接させるようにする。
【0121】初期動作において、まず制御部50bは第
1の動作モードM1を選択し、マイクロステップ駆動に
よりヘッド90を光ディスク95の外周方向に移送す
る。移送速度は5〜30mm/s程度の速度とし、励磁
電流量は通常の移送動作では十分脱調せずヘッド90が
ストッパ88により規制された場合には脱調する程度の
トルクを発生するように設定する。また、移送中に判別
部51は2値化回路52の出力を入力しており、20ス
テップのマイクロステップ駆動を行う毎に制御部50b
から出力されるタイミング信号を基に、各タイミング信
号を入力してから次のタイミング信号を入力するまでの
間に2値化回路52の出力が変化しない場合は脱調と判
断する。ヘッド90がストッパ88により位置規制され
ると、判別部はステッピングモータ10aの脱調を検知
して、制御部50bに値0を返す。
【0122】すると、制御部50bはステッピングモー
タ10aの回転方向を反転し、ヘッド90を光ディスク
95の内周方向に所定量だけ第2の動作モードM2を用
いて高速に移送する。この所定量はヘッド90がストッ
パ88に位置決めされた状態からストッパ87に位置決
めされた状態になるまでの移送量よりも誤差を見込んで
わずかに短く設定した距離である。その後、制御部50
bはヘッド90がストッパ87に位置決めされるまで、
残るわずかな距離を1mm/s程度の低速度で移送す
る。このときの励磁電流量も通常の移送動作では十分脱
調せず、ヘッド90がストッパ87により規制された場
合には脱調する程度のトルクを発生するように設定す
る。そして、ヘッド90がストッパ87により位置規制
されると、判別部51はステッピングモータ10aの脱
調を検知し、制御部50bに値0を返す。これにより制
御部50bはステッピングモータ10aを停止し、スト
ッパ87によるヘッド90の位置決めが完了する。
【0123】最後に制御部50bは、この位置を基準と
して、ヘッド90を再び所定量だけ光ディスク95の外
周方向に第1の動作モードM1で移送する。この所定量
はちょうどヘッド90の光ビーム中心が光ディスク95
のリードイン領域内にくるように設定している。たとえ
ばCDではディスク半径23〜25mmがリードイン領
域と規定されている。ストッパ87と当接したときのヘ
ッド90の光ビーム中心の位置を例えばx=22±0.
2mmとしたとき、2mm動かせばよいことになる。
【0124】さらに、DVDのように異なるリードイン
領域を持つ(半径22.6〜24mm)ディスクを互換
再生する場合には、距離xを同じとして、両規格のリー
ドイン領域の重なる半径23〜24mmにヘッド90の
光ビーム中心を移送するよう1.5mm動かすように設
定すればよい。あるいは光ディスク95がカートリッジ
に入っている等で種別があらかじめ識別可能な場合に
は、ディスク種類に応じて移送量を変えて、それぞれの
ディスクにとって最適な初期位置にヘッド90の光ビー
ム中心を移送してもよい。こうしてヘッド90の光ビー
ム中心をリードイン領域内に移送した後、ヘッド90は
光ディスク95の情報の読み出しを行う。
【0125】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、以下の効果を得ることができる。
【0126】第1に、駆動中のモータが実際に動いてい
るか止まっているかを迅速に判断して制御を切り換える
ことができる。すなわち、制御部50bが開ループ制御
によりステッピングモータ10aの回転角度を直接指定
して、その間の実際の回転角度をエンコーダにより検出
し、両者を比較する判別部51を設けていることによ
り、ステッピングモータ10aの脱調を精度良く検出す
ることができる。比較として、例えばDCモータにエン
コーダを取り付けた通常のモータ制御方法では、ヘッド
90がストッパ87に当接したか否かはタイマー管理で
しばらくの間モータに電流を流し続けてエンコーダの出
力変化を見る必要があり応答が遅い。しかも低速でヘッ
ド90を駆動した場合、ストッパ87に当接したか否か
を確実に判断することが難しい。これに対して、本実施
の形態ではヘッド90の速度を任意に設定でき、任意の
速度条件下において短時間で確実にストッパ87との当
接を判断できる。もちろん本発明は、ストッパーとの当
接の判断だけでなく、脱調の有無を判断することが有効
なあらゆる場合について適用できることは言うまでもな
い。
【0127】第2に、まず低硬度のストッパ88とヘッ
ド90を当接させて粗位置決めを行った後、高硬度で位
置決め精度の高いストッパ87に低速度で当接させるた
め、ヘッド90の高精度な位置決めと、当接時の低衝撃
化および低騒音化と、位置決めに要する時間の低減とを
両立して実現することができる。
【0128】
【発明の効果】本発明によるステッピングモータ制御装
置によれば、一連の移動動作中に、高精度位置決めに適
した第1の動作モードと、高速移送に適した第2の動作
モードとを切り替えて制御することにより、ステッピン
グモータの高精度の位置決めと高速移送とをともに実現
することができる。
【0129】さらに、第2の動作モードから第1の動作
モードに切り替える切り替え点を、ロータがマイクロス
テップ駆動において電磁気的に安定して静止する位置に
実質的に一致させることにより、動作モードの切り替え
における揺り戻しをおおきく低減することができる。
【0130】さらに、第2の動作モードにおいて、ステ
ッピングモータを加速動作から減速動作に移行する前に
加速度を低減させることにより、加速から減速への速度
変化をゆるやかにして、速度変化による衝撃振動をおお
きく低減することができる。
【0131】このように、本発明によれば、ステッピン
グモータの高精度の位置決めおよび高速移送と、低い振
動性とをともに実現するステッピングモータ制御装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のステッピングモータ制
御装置の一例である、光ディスクドライブ装置の構成例
を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1のステッピングモータ制
御装置で用いられるステッピングモータ10およびその
周辺装置を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1のステッピングモータ制
御装置で用いられる、ステッピングモータ10の励磁相
とエンコーダ60の出力との位相関係を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1のステッピングモータ制
御装置のステッピングモータ10の移送制御動作を説明
する図である。
【図5】本発明の実施の形態2のステッピングモータ制
御装置の一例である、光ディスクドライブ装置の構成例
を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2のステッピングモータ制
御装置のステッピングモータ10aの移送制御動作を説
明する図である。
【図7】本発明の実施の形態3のステッピングモータ制
御装置の一例である、光ディスクドライブ装置の構成例
を示す図である。
【符号の説明】 10、10a ステッピングモータ 20 ロータ 30 励磁コイル 32 A相ステータ 34 B相ステータ 40 駆動部 50 制御部 60 エンコーダ 62 A相センサ 64 B相センサ 90 ヘッド 95 光ディスク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータと励磁コイルとを備えたステッピ
    ングモータと、 入力された指令値に応じて該励磁コイルに複数段階の駆
    動電流を与え、それによってマイクロステップ駆動を可
    能とする駆動部と、 該駆動部に与える該指令値を変化させて該ステッピング
    モータを制御する制御部と、 該ロータの回転位置に応じた検知信号を生成する位置検
    知制御部と、を備えたステッピングモータ制御装置であ
    って、 該制御部は、第1の動作モードと第2の動作モードとの
    2つの動作モードを切り替え、該第1の動作モードにお
    いては、該制御部がみずから発生するタイミングに基づ
    いて該駆動部に与える該指令値を変化させ、該第2の動
    作モードにおいては、該位置検出制御部の検知信号に応
    じたタイミングに基づいて該駆動部に与える該指令値を
    変化させ、それによって該ステッピングモータを制御
    し、 該制御部はさらに、該ステッピングモータをスタート位
    置から目的位置まで移送する1連の移送動作中に該2つ
    の動作モードを切り替え、該第2の動作モードで該ステ
    ッピングモータに粗動動作をさせた後に該第1の動作モ
    ードに切り替えて該マイクロステップ駆動を行う、ステ
    ッピングモータ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、前記ステッピングモータ
    の前記スタート位置から前記目的位置までの移送量に応
    じて前記2つの動作モードを使い分け、該移送量が所定
    値より小さいときは前記第1の動作モードのみで該ステ
    ッピングモータを駆動し、該移送量が該所定値以上のと
    きは前記第2の動作モードと該第1の動作モードとを切
    り替えて該ステッピングモータを駆動する、請求項1に
    記載のステッピングモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は、前記第2の動作モードか
    ら前記第1の動作モードへの切り替えを、前記位置検知
    制御部の出力信号相が変化するタイミングに基づいて行
    い、かつ、該切り替えの瞬間における前記ロータの回転
    位置が、該ロータがマイクロステップ駆動において電磁
    気的に安定して静止する位置に実質的に一致する、請求
    項1に記載のステッピングモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ステッピングモータの前記第2の動
    作モードによる駆動において、前記制御部は、第1の指
    令値列を前記駆動部に与えて該ステッピングモータを第
    1の加速度で加速したあと、第2の指令値列を該駆動部
    に与えて、該第1の加速度よりも実質的に小さい第2の
    加速度で該ステッピングモータを加速し、さらにそのあ
    と、第3の指令値列を該駆動部に与えて該ステッピング
    モータを減速する、請求項1に記載のステッピングモー
    タ制御装置。
  5. 【請求項5】 ロータと複数の励磁コイルとを備えたス
    テッピングモータと、入力された指令値に応じて該複数
    の励磁コイルのそれぞれに駆動電流を与える駆動部と、
    該駆動部に与える該指令値を変化させて該ステッピング
    モータをステップ駆動する制御部と、該ロータの回転角
    度を分解能α°以下で検知して検知信号を出力する位置
    検知制御部と、該ステッピングモータの脱調の有無を判
    別する判別制御部とを備え、 該制御部は、該ステッピングモータの該分解能α°以上
    の回転に相当する該指令値の変化を与え、該判別制御部
    は、この間の該検知信号の変化に応じて該ステッピング
    モータの脱調の有無を判別する、ステッピングモータ制
    御装置。
  6. 【請求項6】 前記ステッピングモータにより駆動力を
    伝達され所定の経路を移送される被移送体と、該被移送
    体に当接することにより該被移送体の移送範囲を限定す
    るストッパとをさらに備え、前記制御部は該ストッパに
    該被移送体を当接せしめる方向に該ステッピングモータ
    を駆動し、前記判別制御部が脱調を判断した後、該制御
    部が該方向への該ステッピングモータの駆動を停止また
    は反転する、請求項5に記載のステッピングモータ制御
    装置。
  7. 【請求項7】 前記ステッピングモータにより駆動力を
    伝達され所定の経路を移送される被移送体と、該被移送
    体に当接することにより該被移送体の移送範囲を限定す
    る第1および第2のストッパとをさらに備え、 該第1および第2のストッパは所定の距離に離間して設
    けられ、該第1のストッパの硬度は該第2のストッパの
    硬度よりも低く、前記制御部は該被移送体を該第1のス
    トッパに当接せしめる方向に該ステッピングモータを制
    御して、前記判別制御部が脱調を判断した後、該制御部
    は該被移送体を該第2のストッパに当接せしめる方向に
    該ステッピングモータを制御して、該判別制御部が再度
    脱調を判断した後、該制御部は該ステッピングモータの
    駆動を停止または反転し、該被移送体が該第2のストッ
    パと当接する直前の速度を、該被移送体が該第1のスト
    ッパと当接する直前の速度よりも小ならしめる、請求項
    5に記載のステッピングモータ制御装置。
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