JPH101504A - 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents
紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法Info
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- JPH101504A JPH101504A JP15686196A JP15686196A JPH101504A JP H101504 A JPH101504 A JP H101504A JP 15686196 A JP15686196 A JP 15686196A JP 15686196 A JP15686196 A JP 15686196A JP H101504 A JPH101504 A JP H101504A
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Abstract
た紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法を提供する。 【解決手段】 各時点の重合転化率が75%以下、最終
重合転化率が45〜75%内で、40℃以上60℃未満
で乳化重合する前工程、各時点の重合転化率が45〜7
5%で、60℃以上110℃以下で乳化重合する後工
程、を有する共重合体ラテックスの製造方法。
Description
ラテックスの製造方法に関し、さらに詳細には耐ブリス
ター性及び接着強度に優れ、その他の塗工紙物性も良好
な紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法に関する。
などの光学的特性の向上を目的として、抄造された原紙
表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワ
イト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それらのバイン
ダーとしての共重合体ラテックス及び保水剤あるいは補
助バインダーとしてのスターチ、カゼイン、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性
高分子を主構成成分とする塗工液が塗布されたものであ
る。上記の共重合ラテックスとしては、スチレンとブタ
ジエンを主要単量体成分とし、これらを乳化重合して得
られたスチレンーブタジエン系共重合体ラテックス、い
わゆるSB系ラテックスが汎用的に用いられている。
塗工紙が使用されている。塗工紙の印刷の多くはオフセ
ット輪転印刷によって行われており、需要の拡大や生産
コストを下げるために高速印刷の傾向がますます強まっ
ており、その品質に対する要求水準もますます高度化し
ており、中でも接着強度と耐ブリスター性の向上が強く
求められている。このような品質は、顔料のバインダー
として用いられているSB系ラテックスの設計に強く依
存することからこれまで様々な検討がなされてきた。中
でもラテックスのゲル分率、すなわちラテックスを乾燥
して形成させた皮膜のトルエン、テトラヒドロフランな
どの溶剤に対する不溶解部分の割合が接着強度と耐ブリ
スター性の支配因子であることが確認されていることか
ら、この面よりいろいろな検討がなされてきた。具体的
にはラテックス中の共重合体の組成及びゲル分率を特定
の範囲に調整することにより、優れた性能を発揮させる
ことが提案されている(特公昭59−3598号公報、
特公昭60−17879号公報、特開昭58−4894
号公報)。
温度をはじめとした様々な重合因子によって変化する
が、連鎖移動剤の添加によりこれを所望の水準に調整す
ることが一般的かつ簡便な方法である。ところが、単に
連鎖移動剤の添加量を増やしてゲル分率を低下させる
と、耐ブリスター性は向上するが接着強度の低下を招く
ことになる。このような逆バランスを解消すべく、特公
平3−42360号公報には連鎖移動剤の添加方法につ
いて検討がなされている。すなわち単位時間あたりに添
加される単量体混合物に対する連鎖移動剤の量を連続的
に変化するように添加する製造方法を用いることが提案
されている。
バランスを高い水準にまで向上させるには、前記技術は
いずれも十分に満足しうるものではなかった。また、特
開平6−179772号公報では、全単量体混合物の特
定量を比較的低温で先ず重合し、次いで残りの単量体混
合物を高温で重合する特定の二段重合法が提案されてい
る。しかしながら、この技術はラテックスのフィルム強
度と伸びのバランスを向上させることができるが、紙塗
工用ラテックスとして用いる場合、接着強度と耐ブリス
ター性のバランスにおいて高い水準を発現させるには十
分満足しうるものではなかった。
の課題を背景に成されたものであって、高品質の塗工紙
の製造を可能にする接着強度や耐ブリスター性が優れた
共重合体ラテックスの製造方法を提供することを目的と
する。
を解決すべく共重合体ラテックスの製造方法について種
々検討を行った結果、先ず比較的低温で全単量体混合物
の特定量を特定の転化率まで重合を行い、次いで重合温
度を昇温し、残りの単量体混合物を比較的高温で重合
し、かつ瞬時の重合転化率が該当する時期までに添加し
た単量体混合物に対して特定の転化率になるように添加
を行う二段重合法により、得られた共重合体ラテックス
が意外にも前記の目的が達せられることを見出し、本発
明を完成するに至った。
単量体20〜70重量%、エチレン系不飽和カルボン酸
単量体0.5〜10重量%及び、その他共重合可能なビ
ニル系単量体20〜79.5重量%からなる単量体混合
物を乳化重合して共重合体ラテックスを製造する方法で
あって、全単量体混合物の50〜90重量%を重合する
(A)工程と、その後残りの単量体混合物10〜50重
量%を重合する(B)工程を有し、かつ(A)工程、
(B)工程が各々以下の条件を満たす共重合体ラテック
スの製造方法である。 1.(A)工程の各時点までに系内に添加された全単量
体混合物に対する重合転化率が75%を超えず、(A)
工程において系内に添加されるべき全単量体混合物に対
する最終重合転化率が45〜75%に至るまで、40℃
以上60℃未満の温度範囲で乳化重合を行う。 2.(B)工程の各時点までに、系内に添加された全単
量体混合物に対する重合転化率を45〜75%に維持し
つつ、60℃以上110℃以下の温度範囲で乳化重合を
行う。
における連鎖移動剤としてメルカプタン類を使用し、か
つ(A)工程または(B)工程におけるメルカプタン類
の使用割合を以下の通りとした発明の第1に記載の製造
方法である。 (A)工程:この工程で添加されるべき全単量体混合物
に対するメルカプタン類の使用割合が、0.1重量%以
上1.4重量%以下。 (B)工程:この工程で添加されるべき全単量体混合物
に対するメルカプタン類の使用割合が、(A)工程にお
ける使用割合の1.5倍以上。
されるべきその他共重合可能なビニル系単量体が、1,
1−ジ置換体シアン化ビニル化合物を含み、かつ該シア
ン化ビニル化合物の使用割合が、(A)および(B)工
程において添加されるべき全単量体混合物に対し、2〜
10重量%である発明の第1または第2に記載の共重合
体ラテックスの製造方法である。
用いる共役ジエン系単量体としては、例えばブタジエ
ン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなど
が挙げられる。これらの共役ジエン系単量体は、1種あ
るいは2種以上を組み合わせてもよく、また、その使用
量は20〜70重量%、好ましくは25〜60重量%の
範囲で選ばれる。この使用量が20重量%未満では得ら
れる共重合体が硬くて脆くなり、70重量%を越えると
柔らかくなりすぎて耐水性が劣る。
酸単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリ酸、イ
タコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などが
挙げられる。これらのカルボン酸は1種あるいは2種以
上組み合わせても良く、その使用量は、0.5〜10重
量%、好ましくは、1〜7重量%の範囲で選ばれる。こ
の量が0.5重量%未満ではラテックスの分散安定性が
十分でなく、塗工液調整や塗工時において種々の問題が
生じ、また接着力が低下する。10重量%を越えるとラ
テックスや塗工液の粘度が高くなりすぎ好ましくない。
系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ク
ロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼンな
どの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシア
ン化ビニル系単量体、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチルアクリ
ルアミド、N−メチルメタクリルアミドなどのN−モノ
アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなど
のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、グリシ
ジルメタクリルアミドなどのアミド基含有エチレン系単
量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸グリシジルなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸
のアルキルエステル類、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビ
ニルエステル類、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル
類、アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチル
アクリレートなどのエチレン性アミン類、スチレンスル
ホン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの共重合可
能な単量体は1種あるいは2種以上組み合わせても良
い。また、その使用量は20〜79.5重量%の範囲で
選ばれる。この使用量が79.5重量%を越えると塗工
紙のピック強度が低下して好ましくない。
((A)工程および(B)工程)からなる。以下各工程
について説明する。(A)工程では全単量体混合物の5
0〜90重量%を添加し、(A)工程の各時点までに系
内に添加された全単量体混合物に対する重合転化率が7
5%を超えないように調整しつつ、その工程において系
内に添加されるべき全単量体混合物に対する最終重合転
化率が45〜75%になるまで、40℃以上60℃未満
の温度範囲で重合を行う。40℃未満の温度で重合を行
った場合は一般に重合速度が低下し、重合に長時間を要
し、生産性が著しく低下する。また重合安定性が低下し
好ましくない。また60℃以上の温度で重合を行った場
合は得られる共重合体ラテックスの接着強度と耐ブリス
ター性のバランスが低下するために好ましくない。単量
体混合物の割合が全単量体の90%を越える場合は重合
安定性が低下し多量の重合残査が発生し、得られる共重
合体ラテックスの粒径肥大化が起こるようになり好まし
くない。さらに全単量体の50%未満では得られる共重
合体ラテックスの接着強度と耐ブリスター性のバランス
が低下し好ましくない。
満の場合は、得られる共重合体ラテックスの接着強度と
耐ブリスター性のバランスの低下を招き、また75%を
越えた場合は得られる共重合体ラテックスの安定性の低
下や耐ブリスター性の低下を招くために、いずれの場合
も好ましくない。(A)工程において、単量体混合物の
添加は一括仕込みあるいは、分割仕込みや連続添加のい
ずれの方法も可能であるが、その際系内に添加された単
量体混合物に対する重合転化率が常に75%以下になる
ように添加を行う必要がある。75%を越えた場合、得
られる共重合体ラテックスの接着強度、耐ブリスター性
バランスが低下し好ましくない。
50重量%を添加し、重合温度60〜110℃の範囲で
重合を行うが、その際系内に添加された単量体混合物に
対する重合転化率が常に45〜75%を維持するように
添加を行う必要がある。この工程における重合温度が6
0℃未満では、重合安定性の低下や重合速度の低下によ
る生産性の低下を招き好ましくない。110℃を越える
温度で重合を行った場合は、臭気の強いスチレンとブタ
ジエンの副生成物が多く生成するようになり好ましくな
い。
了までの期間のある時点において、上記の重合転化率が
45%未満となった場合は、重合安定性が低下し、得ら
れるラテックスの粒径肥大化や重合残査の発生の問題が
あり好ましくない。また、75%を越える場合は、得ら
れる共重合体ラテックスの接着強度、耐ブリスター性バ
ランスが低下して好ましくない。
法は、一括添加あるいは分割添加、連続添加のいずれの
方法も可能である。また(A)工程から(B)工程に移
行する際には、重合温度の昇温が必要となるが、(B)
工程における単量体混合物の添加は、所定の重合温度へ
の昇温が完了した後に添加してもよいし、また、昇温の
開始とともに添加してもよい。いずれの場合でも、重要
なのは系内に添加された単量体混合物に対する重合転化
率が常に45〜75%を、好ましくは50〜70%を維
持することである。
(A)工程と(B)工程で添加する単量体混合物の組成
は、同一であっても異なっていてもかまわない。本発明
の共重合体の製造方法において、(A)工程で用いられ
るメルカプタン類の使用割合は、この工程で添加される
べき単量体混合物に対して0.1重量%以上1.4重量
%以下であり、かつ(B)工程で添加されるべき全単量
体混合物に対するメルカプタン類の使用割合は(A)工
程における使用割合の1.5倍以上である。メルカプタ
ン類の使用割合が本発明の範囲をはずれた場合には、得
られる共重合体ラテックスの接着強度と耐ブリスター性
のバランスが低下する。
おいて、メルカプタン類の添加については、単量体混合
物と混合して同時に、あるいは単量体混合物とは別々に
一括添加や連続的もしくは断続的に添加する方法や、一
部を単量体混合物と同時に添加し残りを単量体混合物の
添加終了後に連続的もしくは断続的に添加する方法が可
能である。
おいて、(B)工程で添加されるべきその他共重合可能
なビニル系単量体が1,1−ジ置換体シアン化ビニル化
合物を含むことにより、本発明の効果がより一層強く発
現することが期待される。ここで1,1−ジ置換体シア
ン化ビニル化合物としては例えば、メタアクリロニトリ
ルが挙げられる。その使用割合は、(A)および(B)
工程において添加されるべき全単量体混合物に対して2
〜10重量%である。10重量%を越えた場合、得られ
るラテックスのコロイド的安定性の低下および、接着強
度の低下を引き起こし好ましくない。また、2重量%未
満では、その効果が十分に発現されない。
添加方法については、以下の方法が可能である。所定
量の全量を他の単量体混合物と混合して添加する。所
定量の全量を他の単量体混合物と別々に一括添加や連続
的もしくは断続的に添加する。所定量の一部を他の単
量体混合物と同時に添加し残りを他の単量体と別々に添
加する。
移動剤は公知のものが特に制限無く使用される。重合開
始剤としては、熱または還元性物質の存在下でラジカル
分解して単量体の付加重合を開始させるもので、水溶性
または油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビ
ス化合物などが一般的に用いられる。その例としてはペ
ルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウ
ム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−
ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、
2,2−アゾビスイソブチロニトリル、クメンハイドロ
パーオキサイドなどがあり、これらの中で特にペルオキ
ソ二硫酸塩が好適である。また、重亜硫酸ナトリウム、
アスコルビン酸あるいはその塩、エルソルビン酸あるい
はその塩、ロンガリットなどの還元剤を組み合わせた、
いわゆるレドックス系開始剤を挙げることができる。
酸せっけん、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルアリー
ルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピ
レンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤、
カチオン性界面活性剤などが挙げられる。
が好適で、例えばn−ブチルメルカプタン、n−オクチ
ルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、n−ドデ
シルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンまどが挙
げられる。またテトラメチルチウラムジスルフィド、テ
トラエチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド
類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化誘導体、
α−メチルスチレンダイマー、2−エチルヘキシルチオ
グリコレートなども使用することができる。
加することもしばしば行われる。例えば、カセイソーダ
やアンモニア水などの中和剤、ポリリン酸塩や低分子量
ポリカルボン酸塩並びに炭酸水素ナトリウム等の塩類な
どが挙げられる。さらにラテックスの粒子径をコントロ
ールする粒径調整剤として架橋構造を有するかあるいは
有しないシードラテックスなども必要に応じて重合時に
任意に選択して用いることができる。
体ラテックスをオフセット印刷、あるいはグラビア印刷
に供される印刷用塗工紙あるいは、その他塗工用塗料の
バインダーとして用いる場合には、通常行われている方
法、例えば分散剤を溶解させた水中に、カオリン、炭酸
カルシウム、サチンホワイト、タルク、酸化チタンなど
の無機顔料・有機顔料、水溶性高分子、各種添加剤と共
に本発明によって得られた共重合体ラテックスを添加し
て混合し、均一な分散液として用いる方法を採用するこ
とができる。
より具体的に説明する。なお、各特性は次のようにして
求めた。 (イ)べた付き性 ラテックスをPETフィルム上にNo.14ロッドによ
り塗布し、130℃で60秒間加熱して皮膜を作製す
る。この皮膜と黒ラシャ紙を合わせてベンチスパーカレ
ンダーにより線圧100Kg/cm、温度70℃の条件
下で圧着させる。これをひきはがして黒ラシャ紙のラテ
ックス皮膜への転写の程度を目視判定した。評価は10
点評価法で行い、良好なものほど高得点とした。 (ロ)耐ブリスター性 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、塗工紙の両面
を印刷インク(大日本インキ社製、商品名:WebbZ
ett黄)0.3ccを25cm×21cmの面積でべ
た刷りする。この印刷された塗工紙を適当な大きさに裁
断し、その試験片を所定の温度に調整したシリコンオイ
ル恒温漕に浸してブリスターが発生するか否かを観察す
る。恒温漕の温度を変化させてこの試験を行い、ブリス
ターの発生が認められる最低温度を求める。この温度が
高いものほど耐ブリスター性に優れる。 (ハ)ピック強度 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、印刷インク
(T&K TOKA社製、商品名:SDスパーデラック
ス50紅B、タック18のもの)0.4ccを25cm
×21cmの面積で重ね刷りし、ゴムロールに現れたピ
ッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を観察し
た。評価は10点評価法とし、ピッキング現象の少ない
ものほど高得点とした。 (ニ)重合転化率 反応液を約1g採取して精秤し、130℃にて約1時間
乾燥した後、残分を秤量して下記(1)式より固形分を
求める。次に下記(2)式より重合転化率を求めた。
製、モデル9230)を用いて平均粒子径を測定した。
応器に、イオン交換水90重量部、平均直径0.037
μmのスチレン系シードラテックス2.5重量部、ジア
ルキルアリールエーテルジスルホン酸ソーダ0.6重量
部を仕込み、更に単量体としてイタコン酸2.5重量
部、スチレン25.5重量部、ブタジエン24重量部、
メチルメタクリレート12重量部、アクリロニトリル9
重量部、2−ヒドロキエチルアクリレート2重量部、連
鎖移動剤として、ターシャルドデシルメルカプタン0.
6重量部、αーメチルスチレンダイマー0.15重量部
(表1、A工程欄に記載)を加え、内温を50℃に調整
し、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.5重量部を加えて
5時間重合させた。この時点における単量体混合物の重
合転化率は59%であった(表1、A工程欄に記載)。
スチレン9重量部、ブタジエン8重量部、メチルメタク
リレート4重量部、アクリロニトリル3重量部、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート1重量部、ターシャルドデ
シルメルカプタン0.6重量部、αーメチルスチレンダ
イマー0.35重量部(表1、B工程欄に記載)を1時
間で追添した。追添終了時における単量体混合物の重合
転化率は65%であった(表1、B工程欄に記載)。更
に3時間クッキングした後冷却し重合を終了した。微量
の未反応単量体を水蒸気蒸留で除去した後、カセイソー
ダを加えてpH8に調整し共重合体ラテックスを50%
固形分で得た。
に示す配合処方で紙塗工液組成物を調整した。この塗工
液を用いての塗工紙の調整条件を表4に示す。得られた
塗工紙の評価を既述した方法で行い、その結果を表5に
示す。表5から、本発明の共重合体ラテックスをバイン
ダーとして用いた塗工紙は耐ブリスター性とピック強度
(接着強度)が高度にバランスされたものであることが
わかる。
ける重合温度を表1に記載するように変更し、またαー
メチルスチレンダイマーの添加量を0.4とした他は、
実施例1の方法と同一の方法で共重合体ラテックスβを
得た。このラテックスを用い、実施例1と同様に塗工紙
を作成し性能評価を行った。評価条件を表3、4に、結
果を表5に示す。
を表1に記載するように変更した他は、実施例1の方法
と同一の方法で共重合体ラテックスγを得た。このラテ
ックスを用い、実施例1と同様に塗工紙を作成し性能評
価を行った。評価条件を表3、4に、結果を表5に示
す。
を表1に記載するように変更した他は、実施例1の方法
と同一の方法で共重合体ラテックスδを得た。このラテ
ックスを用い、実施例1と同様に塗工紙を作成し性能評
価を行った。評価条件を表3、4に、結果を表5に示
す。
量、組成および連鎖移動剤量を表1に記載するように変
更した他は、実施例1の方法と同一の方法で共重合体ラ
テックスεを得た。このラテックスを用い、実施例1と
同様に塗工紙を作成し性能評価を行った。評価条件を表
3、4に、結果を表5に示す。
剤量を変更した他は、実施例1と同じ方法で共重合体ラ
テックスζを得た。このラテックスを用い、実施例1と
同様に塗工紙を作成し性能評価を行った。評価条件を表
3、4に、結果を表5に示す。
合転化率が本発明の範囲を下回る(38%)処方で重合
を行った他は実施例1と同様に重合を行い、共重合体ラ
テックスηを得た。このラテックスを用い、実施例1と
同様に塗工紙を作成し性能評価を行った。評価条件を表
3、4に、結果を表5に示す。
量体添加終了時の重合転化率が本発明の範囲を上回る
(84%)処方で重合を行った他は実施例1と同様にし
て共重合体ラテックスθを得た。このラテックスを用
い、実施例1と同様に塗工紙を作成し性能評価を行っ
た。評価条件を表3、4に、結果を表5に示す。
程における連鎖移動剤添加量が本発明の範囲をはずれた
処方で重合を行い共重合体ラテックスκを得た。このラ
テックスを用い、実施例1と同様に塗工紙を作成し性能
評価を行った。評価条件を表3、4に、結果を表5に示
す。
度)が高度にバランスされた共重合体ラテックスが得ら
れ、高品質の塗工紙の製造を可能にすることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 共役ジエン系単量体20〜70重量%、
エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%
及び、その他共重合可能なビニル系単量体20〜79.
5重量%からなる単量体混合物を乳化重合して共重合体
ラテックスを製造する方法であって、全単量体混合物の
50〜90重量%を重合する(A)工程と、その後残り
の単量体混合物10〜50重量%を重合する(B)工程
を有し、かつ(A)工程、(B)工程が各々以下の条件
を満たす共重合体ラテックスの製造方法。 1.(A)工程の各時点までに系内に添加された全単量
体混合物に対する重合転化率が75%を超えず、(A)
工程において系内に添加されるべき全単量体混合物に対
する最終重合転化率が45〜75%に至るまで、40℃
以上60℃未満の温度範囲で乳化重合を行う。 2.(B)工程の各時点までに系内に添加された全単量
体混合物に対する重合転化率を45〜75%に維持しつ
つ、60℃以上110℃以下の温度範囲で乳化重合を行
う。 - 【請求項2】 単量体混合物の乳化重合における連鎖移
動剤としてメルカプタン類を使用し、かつ(A)工程ま
たは(B)工程におけるメルカプタン類の使用割合を以
下の通りとした請求項1記載の製造方法。 (A)工程:この工程で添加されるべき全単量体混合物
に対するメルカプタン類の使用割合が、0.1重量%以
上1.4重量%以下。 (B)工程:この工程で添加されるべき全単量体混合物
に対するメルカプタン類の使用割合が、(A)工程にお
ける使用割合の1.5倍以上。 - 【請求項3】 (B)工程において添加されるべきその
他共重合可能なビニル系単量体が、1,1−ジ置換体シ
アン化ビニル化合物を含み、かつ該シアン化ビニル化合
物の使用割合が、(A)および(B)工程において添加
されるべき全単量体混合物に対し、2〜10重量%であ
る請求項1または2に記載の共重合体ラテックスの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15686196A JP3712296B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15686196A JP3712296B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH101504A true JPH101504A (ja) | 1998-01-06 |
JP3712296B2 JP3712296B2 (ja) | 2005-11-02 |
Family
ID=15636997
Family Applications (1)
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1996
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