JPH10147974A - 屋根ユニット材、バルコニー付き屋根ユニット及びフラット屋根ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 下屋に使用した場合には、２階の居室の開口
面積を縮小したり不経済になるようなことのない屋根ユ
ニット材、この屋根ユニット材を使用したバルコニー付
き屋根ユニット、及び、フラット屋根ユニットを提供す
る。 【解決手段】 ほぼ平行に配設された前梁１１及び後梁
１２の両端が側梁１３により連結されて構成された枠体
の前梁１１と後梁１２とが複数本の小梁１４により連結
され、複数本の小梁１４に亘りその上方に横材１５が取
付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、屋根ユニット材、
並びに、この屋根ユニット材を使用したバルコニー付き
屋根ユニット、及び、フラット屋根ユニットに関するも
のであり、ユニット式建物に使用して好適なものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、特公昭６１−１５８３号
公報等に記載されているような屋根ユニットが知られて
いる。このような屋根ユニットは図６に示すように、間
隔を隔てて配設された２個の不等辺直角三角形の側枠
（イ）（イ）の頂部同士及び底辺の一端部同士間に梁材
（ロ）（ハ）が架設され、側枠（イ）（イ）の頂部間に
架設された梁材（ロ）から底辺の一端間に架設された梁
材（ハ）にかけて複数本の垂木材（ニ）（ニ）・・が設
けられ、複数本の垂木材（ニ）（ニ）・・間に屋根下地
材（ホ）が張設されたものである。

【０００３】又、例えば、特開昭６１−１０２９３１号
公報等に記載されているように、屋根ユニットの周囲に
手摺壁が設けられたバルコニー付き屋根ユニットが知ら
れている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特公昭６１−１５８３号公報等に記載されているような
な傾斜屋根ユニット（ヘ）を図７に示すように下屋に使
用した場合には、２階の居室（ト）の壁に設ける開口
（チ）としては傾斜屋根ユニット（ヘ）が邪魔をして大
きな面積を取ることができない。

【０００５】又、上記の特開昭６１−１０２９３１号公
報等に記載されているように、屋根ユニットの周囲に手
摺壁が設けられたバルコニー付き屋根ユニットにおいて
は、叙上の傾斜屋根ユニット（ヘ）を使用した場合のよ
うな問題は生じないが、バルコニー付き屋根ユニットの
手摺や床板が設けられていることによりコスト面で傾斜
屋根ユニットに比較して不利であり、建物としては、バ
ルコニーを必要としないこともある。

【０００６】本発明は、叙上のような従来の屋根ユニッ
ト等における問題点に着目してなされたものであって、
その目的とするところは、従来の屋根ユニット等におけ
る問題点を解消し、下屋に使用した場合には、２階の居
室の開口面積を縮小したり不経済になるようなことのな
い屋根ユニット材、この屋根ユニット材を使用したバル
コニー付き屋根ユニット、及び、フラット屋根ユニット
を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１記載の本発明屋根ユニット材は、ほぼ平
行に配設された前梁及び後梁の両端が側梁により連結さ
れて構成された枠体の前梁と後梁とが複数本の小梁によ
り連結され、複数本の小梁に亘りその上方に横材が取付
けられていることを特徴とするものである。

【０００８】又、請求項２記載のバルコニー付き屋根ユ
ニットは、請求項１記載の屋根ユニット材の横材の上方
に床板が取付けられ、側梁及び前梁に手摺が取付けられ
ていることを特徴とする。

【０００９】又、請求項３記載のフラット屋根ユニット
は、請求項１記載の屋根ユニット材の横材の上方に屋根
材が取付けられ、側梁及び前梁にパラペットが取付けら
れていることを特徴とするものである。

【００１０】本発明において、前梁、後梁、側梁及び小
梁の材質は、従来から梁に使用されているものがそのま
ま使用できるものであって、特に限定されるものではな
いが、例えば、鋼鉄、アルミニウム又はその合金等の金
属や、ＦＲＰ等の合成樹脂や木材等が単独に、或いは、
これらの材質が適宜組み合わせて使用できる。鋼鉄、ア
ルミニウム又はその合金等の金属やＦＲＰ等の合成樹脂
を使用する場合には、断面Ｃ形、Ｔ形、Ｈ形、Ｌ形等の
型材や角パイプを使用するのが軽量であって高強度のも
のが得られるので好ましい。

【００１１】本発明において、横材としては、その上に
床板や屋根下地材を取付けることができるものであれば
いずれでもよいものであって、その材質としては、叙上
の梁の材質と同一のものが使用できる。

【００１２】〔作用〕請求項１記載の本発明屋根ユニッ
ト材においては、ほぼ平行に配設された前梁及び後梁の
両端が側梁により連結されて構成された枠体の前梁と後
梁とが複数本の小梁により連結され、複数本の小梁に亘
りその上方に横材が取付けられているので、横材の上方
に床板を取付け、側梁及び前梁に手摺を取付けることに
よりバルコニー付き屋根ユニットとすることができる。

【００１３】又、横材の上方に屋根材を取付け、側梁及
び前梁にパラペットを取付けることによりフラット屋根
ユニットとすることができる。

【００１４】従って、請求項１記載の本発明屋根ユニッ
ト材においては、バルコニー付き屋根ユニットにもフラ
ット屋根ユニットにも選択的に使用できる。

【００１５】請求項２記載のバルコニー付き屋根ユニッ
トにおいては、請求項１記載の屋根ユニット材の横材の
上方に床板が取付けられ、側梁及び前梁に手摺が取付け
られているので、このバルコニー付き屋根ユニットを建
物の下屋に使用することにより建物にバルコニー付き屋
根を形成することができる。

【００１６】又、請求項３記載のフラット屋根ユニット
においては、請求項１記載の屋根ユニット材の横材の上
方に屋根材が取付けられ、側梁及び前梁にパラペットが
取付けられているので、このフラット屋根ユニットを建
物の下屋に使用することにより建物にフラット屋根を形
成することができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態例を、
図面を参照しながら説明する。図１は本発明バルコニー
付き屋根ユニットの一例を示す断面図である。

【００１８】図１において、１１は２個の溝型鋼の開口
端同士を接合することにより製作された前梁、１２は２
個の溝型鋼の開口端同士を接合することにより製作され
た後梁、１３は前梁１と後梁２との両端を連結する側梁
であり、側梁１３も２個の溝型鋼の開口端同士を接合す
ることにより製作されている。

【００１９】１４は前梁１と後梁２との間に架設された
角パイプ製の小梁であり、小梁１４の上面の後端から前
端にかけて１／７３程度の下りの勾配が設けられてい
る。小梁１４は前梁１１と後梁１２との間に前梁１１と
後梁１２の全長に亘り一定間隔をおいて梯子状に複数本
設けられている。

【００２０】１５は各小梁３に亘りその上に取付けられ
た木製横材であり、木製横材１５の上には床板１６が張
設されている。床板１６は合板からなる下地材の上にア
スファルトルーフィングが張設され、その上に塩ビ鋼板
が張設されて構成されている。１６１は床板１６の前方
に設けられた簀の子板であり、簀の子板１６１により床
板１６の上に溜まった雨水が下方に落下するようになっ
ている。

【００２１】２は前梁１の上に立設された手摺壁であ
り、手摺壁２は前梁１１の上に一定間隔をおいて立設さ
れた鋼製角パイプ２１の前後に壁板２２が張設されて構
成されている。３は手摺壁２の上方に設けられた手摺で
あり、手摺３は手摺壁２の角パイプ２１の上方に立設さ
れた手摺支柱３１の上方に設けられている。尚、４１は
建物４の２階の居室ユニットの床梁、４２は床梁４１の
下方に設けられた１階の居室ユニットの天井梁、４３は
天井梁４２に隣接して設けられた１階の居室ユニットの
天井梁、４４は１階の居室ユニットの外壁である。

【００２２】図２は図１の円Ａで囲む箇所の拡大断面図
である。図２において、２３は壁板２２の下方に設けら
れた合板、２４は壁板２２の下端に取付けられた取付金
具、２５は取付金具２４にブラインドリベットＢＲによ
り取付けられた塩ビ鋼板製水切り、２６は合板２３の上
端に取付けられた塩ビ鋼板製水切りである。

【００２３】図３は図１の円Ｂで囲む箇所の拡大断面図
である。図３において、４１０は建物４の壁面、４１１
は壁面４に取付けられた取付金具、４１２は取付金具４
１１にリベットＲにより取付けられたカバー水切り、４
１３は取付金具４１１とカバー水切り４１２との間に介
在されたスペーサー、４１４は建物の壁面４１０に取付
けられた合板、４１５は建物４の２階の居室ユニットの
外壁である。

【００２４】尚、前梁１１の下端から手摺３の上端まで
の高さＨは１３８３ｍｍ、前梁１１の下端から手摺壁２
１の上端までの高さＨ１は１０３４ｍｍ、手摺３の高さ
Ｈ２は３２０ｍｍ、前梁１１の前端から後梁１２の後端
までの幅Ｗは１３５２ｍｍ、前梁１１、後梁１２及び側
梁１３を構成する溝型鋼の高さは１００ｍｍ、幅は５０
ｍｍ、厚みは３．２ｍｍ、小梁１４の角パイプの高さは
１００ｍｍ、幅は５０ｍｍ、厚みは２．３ｍｍ、横材１
５の高さは７２ｍｍ、幅は４０ｍｍである。

【００２５】図１に示す本発明バルコニー付き屋根ユニ
ットにおいては、叙上のような構造を備えているので、
１階の居室ユニットの天井梁４３の上に設置することに
よりバルコニーを形成することができる。

【００２６】図４は本発明フラット屋根ユニットの一例
を示す断面図である。図４に示す本発明フラット屋根ユ
ニットにおいては、図１に示すバルコニー付き屋根ユニ
ットのように横材１５の上に床板を設ける代わりに屋根
材５が張設され、前梁１１の上方に手摺壁２及び手摺３
を設ける代わりにパラペット６を設けたものである。屋
根材５は合板からなる屋根下地材の上にアスファルトル
ーフィングが張設され、その上に塩ビ鋼板が張設されて
構成されている。

【００２７】パラペット６は前梁１１の上に一定間隔を
おいて立設された鋼製角パイプ６１の前後に壁板６２が
張設され、上端に笠木６３がブラケット２４により取付
けられて構成されている。

【００２８】図５は図４の円Ｃで囲む箇所の拡大断面図
である。図５において、６３は壁板６２の下方に設けら
れた合板、６４は壁板６２の下端に取付けられた取付金
具、６５は取付金具６４にブラインドリベットＢＲによ
り取付けられた塩ビ鋼板製水切り、６６は合板６３の上
端に取付けられた塩ビ鋼板製水切りである。尚、前梁１
１の下端から笠木２３の上端までの高さｈは４８３ｍ
ｍ、前梁１１の前端から後梁１２の後端までの幅ｗは１
３５２ｍｍである。

【００２９】図４に示す本発明フラット屋根ユニットの
その他の構成については図１に示すバルコニー付き屋根
ユニットと同様であるので、図１に示すバルコニー付き
屋根ユニットと同一符号を付けることにより説明を省略
する。

【００３０】図４に示す本発明フラット屋根ユニットに
おいては、叙上の構造を備えているので、本発明フラッ
ト屋根ユニットを１階の居室ユニットの天井梁４３の上
に設置することによりフラット屋根を形成することがで
き、屋根材５の後端と前端とは大した高低差がないの
で、２階の居室ユニットの開口を大きく取ることができ
る。

【００３１】以上、本発明の実施の形態を図により説明
したが、本発明の具体的な構成は図示の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
変更は本発明の範囲内に含まれる。例えば、図１に示す
バルコニー付き屋根ユニットにおいては、手摺壁を設け
ることなく手摺のみを設けるようにしてもよい。

【００３２】

【発明の効果】請求項１記載の本発明屋根ユニット材に
おいては、横材の上方に床板を取付け、側梁及び前梁に
手摺を取付けることによりバルコニー付き屋根ユニット
することができ、横材の上方に屋根材を取付け、側梁及
び前梁にパラペットを取付けることによりフラット屋根
ユニットとすることができるので、バルコニー付き屋根
ユニットにもフラット屋根ユニットにも使用できる。

【００３３】請求項２記載のバルコニー付き屋根ユニッ
トにおいては、このバルコニー付き屋根ユニットを建物
の下屋に使用することにより建物にバルコニー付き屋根
を容易に形成することができる。

【００３４】又、請求項３記載のフラット屋根ユニット
においては、このフラット屋根ユニットを建物の下屋に
使用することにより建物にフラット屋根を容易に形成す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明バルコニー付き屋根ユニットの一例を示
す断面図。

【図２】図１のＡ部を拡大して示す断面図。

【図３】図１のＢ部を拡大して示す断面図。

【図４】本発明フラット屋根の一例を示す断面図。

【図５】図４のＣ部を拡大して示す断面図。

【図６】従来の傾斜屋根ユニットを示す斜視図。

【図７】図６に示す従来の傾斜屋根ユニットの使用態様
を示す説明図。

【符号の説明】

１１ 前梁 １２ 後梁 １３ 側梁 １４ 小梁 １５ 横材 １６ 床板 ２ 手摺壁 ３ 手摺 ４ 建物 ５ 屋根材 ６ パラペット

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ平行に配設された前梁及び後梁の両
   端が側梁により連結されて構成された枠体の前梁と後梁
   とが複数本の小梁により連結され、複数本の小梁に亘り
   その上方に横材が取付けられていることを特徴とする屋
   根ユニット材。
2. 【請求項２】 請求項１記載の屋根ユニット材の横材の
   上方に床板が取付けられ、側梁及び前梁に手摺が取付け
   られていることを特徴とするバルコニー付き屋根ユニッ
   ト。
3. 【請求項３】 請求項１記載の屋根ユニット材の横材の
   上方に屋根材が取付けられ、側梁及び前梁にパラペット
   が取付けられていることを特徴とするフラット屋根ユニ
   ット。