JPH10146964A - ホットメルトインクジェットプリンタのヘッド - Google Patents

ホットメルトインクジェットプリンタのヘッド

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Publication number
JPH10146964A
JPH10146964A JP30532996A JP30532996A JPH10146964A JP H10146964 A JPH10146964 A JP H10146964A JP 30532996 A JP30532996 A JP 30532996A JP 30532996 A JP30532996 A JP 30532996A JP H10146964 A JPH10146964 A JP H10146964A
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JP
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ink
chamber
head
sub
heater
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Application number
JP30532996A
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English (en)
Inventor
Atsushi Hirota
淳 廣田
Atsuo Sakaida
惇夫 坂井田
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な機構によりゴミや気泡を除去して、印
刷不良を防止することができるホットメルトインクジェ
ットプリンタのヘッドを提供することである。 【解決手段】 ホットメルトインクを溜めておくことが
できる主室11、副室13、及びその両室を結ぶ連通路
21を有するインクタンク10と、ホットメルトインク
を被記録媒体に噴射するノズルヘッド31との間には、
ホットメルトインクを主室11からノズルヘッド31に
供給する往路35と、ホットメルトインクをノズルヘッ
ド31から前記副室13に帰還させる復路37とが設け
られる。そして、前記主室11から前記往路35への出
口部分には、ステンレススチールの繊維を焼結させてシ
ート状にした三次元構造のフィルタ29が配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルトイン
クジェットプリンタのヘッドに関し、特にインク中のゴ
ミや気泡を濾過するフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のホットメルトインクジェットプリ
ンタ(以下、単にプリンタと表記することもある。)の
ヘッドは、図18に示す様に、ホットメルトインクX
(以下、単にインクと表現することもある。)を加熱溶
融して溜めておくことができる主室PA2、副室PA
3、及び主室PA2と副室PA3との間の隔壁に孔を開
けることにより設けられた連通路PA4とを備えるイン
クタンクPA1と、インクXを被記録媒体に噴射するノ
ズルヘッドPA5と、主室PA2とノズルヘッドPA5
とを結ぶインク供給路PA6と、副室PA3とノズルヘ
ッドPA5とを結ぶインク供給路PA7と、インク供給
路PA6及びPA7に沿って設けられる脱気装置PA8
とを備える。
【0003】主室PA2内の気圧は、常時大気圧に保持
されており、気圧調整口PA21に連通するコンプレッ
サPA22が稼動することによって昇圧される。副室P
A3は、インク供給装置PA32と連通するインク供給
口PA31を備え、適宜インクXが供給される。また、
インクX内のゴミは、インク供給口PA31付近に設け
られたメッシュ状のフィルタPA33によって除去され
る。
【0004】連通路PA4は、副室PA3から主室PA
2へ向かう方向にのみインクXを通過させる一方向弁P
A41を備え、インクXが連通路PA4を逆流しない構
造になっている。脱気装置PA8は、インク供給路PA
6及びPA7の壁面を構成する透気性薄膜PA81と、
インクX内の気泡を吸引するための負圧発生装置PA8
2とを備える。
【0005】ホットメルトインクXは、融点が室温より
もかなり高いので、プリンタが稼動していない時には凝
固する。凝固する時には体積が減少するので、インク供
給路PA6及びPA7等に隙間が生じる。そして、プリ
ンタが稼動してインクXが融解すると、隙間に溜った空
気が気泡となってインクX内に取り込まれる。この気泡
がインクXと一緒にノズルヘッドPA5から噴射される
と、気泡の分だけインクXの噴射量が減少し、印刷が正
しく行われない。
【0006】そこで、プリンタ起動時等に、コンプレッ
サPA22によって主室PA2内を加圧し、インク供給
路PA6、ノズルヘッドPA5、インク供給路PA7を
経由して、インクXを副室PA3まで強制的に循環さ
せ、インク供給路PA6及びPA7等に存在する気泡
を、副室PA3へ追いやるのである。
【0007】そして、この作業が済むと、プリンタは通
常の稼動状態になり、印刷作業が行われる。そして、印
刷する際等にヘッドが左右に移動されると、インクXに
慣性力が働き、一方向弁PA41の性質によってインク
Xが主室PA2側に流入し、図の様な液面高差hが生じ
る。そして、この液面高差hによる圧力差によって、イ
ンク供給路PA6、ノズルPA5、インク供給路PA7
を経由して、インクXを副室PA3までゆっくりと循環
させるのである。
【0008】しかし、ノズルヘッドPA5からインクX
が噴射されている場合には、インク供給路PA6及びP
A7の両方に吸引力が働くので、副室PA3からノズル
ヘッドPA5へインクXが逆流し、副室PA3へ追いや
った気泡もノズルヘッドPA5へ導かれてしまう。
【0009】そこで、逆流した気泡がノズルPA5まで
到達しない様に、常時脱気装置PA8によって気泡を吸
引して除去する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、脱気装置を設
けると部品点数が増加する。また、プリンタ本体内に設
置場所が必要であり、プリンタが大きくなる。また、脱
気装置を稼動させると余分な電力を消費する。従って、
材料費の増加や組立行程の複雑化をもたらす。
【0011】そこで、脱気装置の代わりに、インク供給
路の途中などに従来の技術で示した様なメッシュ状のフ
ィルタを設け、ゴミと共に気泡を濾過することも考えら
れるが、気泡は自在に変形することができるので、ある
程度の隙間があれば通過してしまう。従って、気泡の通
過を阻むためには、フィルタの孔径を非常に小さくしな
ければならない。しかし、気泡が通過できない程孔径を
小さくすると、圧力損失が大きくなり、ノズルへ供給さ
れるインクの量が減少する。そして、ノズルへ供給され
るインクの量が、ノズルから被記録媒体へ噴射されて消
費されるインクの量を下回ると、印刷が正しく行われな
くなる。
【0012】そこで、本発明は、簡単な機構によってゴ
ミや気泡を除去し、印刷不良を防止することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び効
果】かかる目的を達成するため、請求項1に記載のホッ
トメルトインクジェットプリンタのヘッドは、ホットメ
ルトインクを加熱溶融して溜めておくことができる主
室、副室及び前記主室と前記副室とを結ぶ連通路からな
るインクタンクと、前記ホットメルトインクを被記録媒
体に噴射するノズルヘッドと、前記主室から前記ノズル
ヘッドへ前記ホットメルトインクを供給するための往路
と、前記ノズルヘッドから前記副室へ前記ホットメルト
インクを帰還させるための復路と、前記主室から前記往
路への出口部分に設けられるフィルタとを備えるホット
メルトインクジェットプリンタのヘッドにおいて、前記
フィルタが三次元構造をなしていることを特徴とする。
【0014】このヘッドは、各繊維が規則的に縦横に並
んだ二次元的なメッシュのフィルタではなく、各繊維が
複雑に曲折して重なり合い、厚さ方向に多数の層を形成
している三次元構造のフィルタを備えているので、孔径
より小さなゴミや気泡であっても繊維間に捕捉すること
が可能である。このため、フィルタの孔径を大きくし、
圧力損失を小さくすることができる。従って、ノズル内
にゴミや気泡が入り込むことによる印刷不良も、圧力損
失のために生じる印刷不良も起こり難い。
【0015】また、請求項2に記載のホットメルトイン
クジェットプリンタのヘッドは、請求項1に記載のホッ
トメルトインクジェットプリンタのヘッドにおいて、前
記フィルタの三次元構造が金属繊維の焼結体によって形
成されていることを特徴とする。
【0016】金属繊維の焼結体は、均一な三次元構造を
容易に形成することができる。従って、フィルタの製造
が容易である。更に、請求項3に記載のホットメルトイ
ンクジェットプリンタのヘッドは、請求項2に記載のホ
ットメルトインクジェットプリンタのヘッドにおいて、
前記金属繊維がステンレススチール製であることを特徴
とする。
【0017】金属繊維がステンレススチール製であるた
め、腐食の進行が非常に遅い。従って、長期間使用する
ことが可能であり、交換に要する手間や費用を削減する
ことができる。
【0018】
【実施例】上記の本発明の課題を解決するための手段、
発明の実施の形態及び発明の効果をいっそう明らかにす
るため、本発明を適用した一実施例のホットメルトイン
クジェットプリンタのヘッド1について説明する。
【0019】ヘッド1は、図1に示すように、インクタ
ンク10、フロントパネル30、溶融タンク40、カム
50及び制御基板ステージ70を備えている。インクタ
ンク10は、フロントパネル30を取り付けるための傾
斜した前面部15と、ホットメルトインク(以下、単に
インクと表記することもある。)を溜めておくことがで
き、カラー出力(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
ク)用の四組の主室11及び副室13と、インクタンク
上蓋19と、インクタンク10の裏面に取り付けられた
インクタンクヒータ17とを備え、さらに、図3(a)
に示すように、インクタンク10の点線で示す各々の主
室11及び副室13の底面裏側に、下方へ開口した連通
路21を備えている。
【0020】主室11は、図2に示すように、上方から
見た形状がL字型の形状をしており、連通路21へ通じ
る主室入口21aと、フロントパネル30へ通じる主室
出口22aと、フィルタ29とを備えている。フィルタ
29は、ステンレススチールの繊維を焼結させて紙状に
した後、プレスすることによって製作されたものであ
り、図10に示す様に、各繊維が複雑に曲折して重なり
合い、厚さ方向に多数の層を形成したもので、三次元構
造の通路を有するものである。市販されている製品とし
ては、例えば、株式会社巴川製紙所製、製品名「トミー
ファイレックSS(登録商標)」をあげることができ
る。
【0021】副室13は、連通路21へ通じる副室出口
21bと、フロントパネル30へ通じる副室入口22b
と、図1に示すように、副室出口21b及び副室入口2
2bのどちらか一方を塞ぐと他方が開放されるほぼ逆T
字型の弁開閉レバー24を備えている。
【0022】弁開閉レバー24は、アルミニウム合金ダ
イキャスト製であり、図5〜図7に示す様に、副室出口
21bと副室入口22bとの間に設けられたレバー台座
25を支持点として揺動可能な状態で取り付けられてい
る。また、弁開閉レバー24は、圧接弁27及び28を
備えており、板バネ26に付勢されることによって、通
常時には圧接弁28が副室入口22bを密閉する状態を
保持している。ここで、圧接弁27の圧接面は球面形
状、それに対応する副室出口21bの口縁部はテーパ面
形状であり、圧接弁28の圧接面は平面形状、それに対
応する副室入口22bの口縁部は環状に突出した形状で
ある。また、圧接弁27及び28は、シリコーンゴム製
であり、ショア硬さは約40°、耐熱温度は約200℃
である。
【0023】インクタンク上蓋19は、図1に示すよう
に、フロントパネル30の形状に合わせたフロントパネ
ルカバー部19aと、副室13をカバーする副室カバー
部19bと、弁開閉レバー24の上端部24aを露出さ
せるための長孔19cと、溶融タンク40から副室13
へホットメルトインクを供給するためのインク投入口1
9dと、各主室11へ図示しないコンプレッサから圧縮
空気を送るための空気室20と、コンプレッサから空気
室20へ通じる貫通孔20bと、空気室20を封じるた
めの空気室蓋20aとを備えている。なお、インクタン
ク上蓋19の空気室20は、図6(a)に示す様に、主
室11へ通じる貫通孔23を備えている。
【0024】インクタンクヒータ17は、図3(a)の
断面線A−Aを示す図3(b)に示すように、インクタ
ンク10の連通路21を塞ぐように厚さ55μmのAC
ヒータ17aが貼り付けられ、そして、外側に厚さ55
μmのDCヒータ17bを重ねて貼り付け、さらに、外
側に厚さ25μmのポリイミドの絶縁シート17cを重
ねて貼り付けてたものである。
【0025】ACヒータ17aは、図8に示すように、
厚さ30μmのエッチングされたステンレスのパターン
を蛇行させるように形成した電気抵抗線18aと、温度
センサーであるサーミスタ18bとを備えた厚さ25μ
mのポリイミドの絶縁シートで作られている。そして、
電気抵抗線18aは、点線で示す連通路21の部分を避
けるようなパターンに形成されている。
【0026】DCヒータ17bは、ACヒータ17a同
様に、厚さ30μmのエッチングされたステンレスのパ
ターンに形成された電気抵抗線18cを備えた厚さ25
μmのポリイミドの絶縁シートで作られている。そし
て、連通路21の部分を避けるようなパターンに形成さ
れている。
【0027】フロントパネル30は、図1に示すよう
に、前面に、4つのノズルヘッド31を備え、図4に示
すように、裏面に、各主室11から各ノズルヘッド31
へ通じる往路35及び各ノズルヘッド31から各副室1
3へ通じる復路37が形成されている。さらに、図1に
示すように、フロントパネル30の裏面には、往路35
及び復路37を覆うように蓋パネル30aが取り付けら
れており、そして、蓋パネル30aへフロントパネルヒ
ータ33が取り付けられている。なお、図4に示すよう
に、各主室11から各往路35へは往路入口35aが、
各往路35から各ノズルヘッド31へは往路出口35b
が、各ノズルヘッド31から各復路37へは復路入口3
7bが、各復路37から各副室13へは復路出口37a
がそれぞれ設けられている。
【0028】ノズルヘッド31は、その内部に図7に示
す様なインクの流路を備えている。インクは、このイン
ク流路内を図に示す矢印の様に、往路35、往路出口3
5b及び下分岐点31aを経由してノズル32へ至り、
更に上分岐点31b、復路入口37b及び復路37を経
由して副室13へと循環可能になっている。また、ノズ
ル32は、128個の微細な噴射口を64個ずつ2列に
並べて構成されており、圧電変換素子38の微少な体積
変化によってインクが加圧されることによって、インク
を被記録媒体へ噴射する。
【0029】なお、各色のノズル32のノズル孔は、#
1から#128までの番号が付されている。具体的に
は、図7において向かって右列に奇数、左列に偶数、下
段から上段へ向かって増加する様に番号が付されてお
り、例えば、最右下のノズルが#1、最左下が#2、最
右上が#127、最左上が#128となっている。
【0030】フロントパネルヒータ33は、図9(a)
に示すように、ワット数密度を異なる値に設定した12
の加熱領域に分けてある。加熱領域の分け方は、各ノズ
ルヘッド31部分毎に、ノズルヘッド31の下方の往路
35及び復路37部分と、ノズルヘッド31を上下2つ
に分けた部分との3つずつで合計12とされている。各
々の加熱領域のワット数密度の違いは、電気抵抗線の太
さ及び長さを変えることで設定されている。各々の加熱
領域の電気抵抗値は、図示のように、フロントパネルヒ
ータ33の上角に当たる2つの加熱領域33a、33j
を7Ωに、下角に当たる2つの加熱領域33c、33l
を8Ωに、4辺を他の加熱領域に囲まれた加熱領域33
e、33hを1Ωに、ノズルヘッド31の裏面の残りの
加熱領域33b、33d、33g、33kを4Ωに、下
辺中央の2領域33f、33iを4.5Ωに設定されて
いる。この電気抵抗値の分布は、角に当たる加熱領域3
3a、33c、33j、33lほど熱損失が大きいので
高い電気抵抗値に、4辺を他の加熱領域に囲まれた加熱
領域33e、33hは熱損失が少ないので低い電気抵抗
値にしてある。上記の加熱領域に合わせて、図9(b)
に示すように、蛇行したパターンの外側の電気抵抗線で
ある第1DCヒータ33xと内側の電気抵抗線である第
2DCヒータ33yとが形成されている。さらに、フロ
ントパネルヒータ33は、中央辺りに温度センサである
サーミスタ33zを備えている。なお、フロントパネル
ヒータ33は、厚さ25μmのポリイミドの絶縁シート
の上に、厚さ30μmのステンレスのパターンの第1D
Cヒータ33x及び第2DCヒータ33yをエッチング
されており、さらに、厚さ25μmのポリイミドの絶縁
シートが貼り付けられたものである。
【0031】カム50は、図5、図6に示す様に、イン
クタンク上蓋19の上に、図の左右方向へ摺動可能な状
態で取り付けられており、当接面50a付近をインクタ
ンク上蓋19上から突出させている。また、カム50は
カム面50bを4つ備えており、カム50の左端に設け
られた突起52と、インクタンク上蓋19に設けられた
突起19eとの間に架け渡されたスプリング51に付勢
されることによって、通常時にはカム面50bが弁開閉
レバー24の上端部24aに触れない状態を保持してい
る。
【0032】次に、溶融タンクについて図11、図12
を用いて説明する。図11は、溶融タンク40を上部か
ら見た平面図であり、図12は図11中にXで示した線
で切った断面図である。まず、溶融タンク40の構成に
ついて説明する。
【0033】図11に示すように、本実施例の溶融タン
ク40は、黒K、シアンC、マゼンタM、イエローYの
各色毎に4つの部屋に分かれている。各部屋は固形イン
クを投入して格納できるように、上部が開口された箱状
になっている。この箱41は傾斜した底面42と、傾斜
した底面42の下部の辺に接するように開口している開
口穴46と、開口穴46からインクタンク10の副室1
3に溶融したインクを導く導通路47と、底面42上に
開口穴46に向かって平行に設けられた複数条のリブ4
3と、リブ43の開口穴47付近に形成された突起45
と、リブ43により形成される溝44とを備えている。
なお、リブ43のうち数本は後壁に沿って上方に延ばさ
れている。
【0034】次に、図12により、溶融タンク40によ
り固形インク49を溶融してインクタンク10へとイン
クを供給する方法について説明する。溶融タンク40に
は、図示しないインク投入機から固形インク49が投入
される。この固形インク49は、溶融タンク40の内部
に投入されるとリブ43上に乗ると共に、突起45によ
り係止された状態となる。こうして固形インク49が溶
融タンク40内に格納されると、溶融タンクヒータ48
を加熱する。溶融タンクヒータ48による熱は溶融タン
ク40を熱し、リブ43に伝熱することにより固形イン
ク49を溶かす。溶けた固形インク49は、溝44を伝
って開口穴46に流れ込み、導通路47によりインクタ
ンク10の副室13に供給される。
【0035】本実施例ではリブ43の上に固形インク4
9を載せ、固形インク49を溶融するので熱伝達性がよ
く、また溶融した固形インクはリブ43により形成され
る溝44を通って開口穴46に順次流れ込むので、従来
例のように固形インクが穴を塞いでしまい、固形インク
が全部溶けるまでインクが供給できなくなるということ
がない。
【0036】制御盤ステージ70は、図示しない制御基
板を備えており、ヘッド1の上部に取り付けられてい
る。こうした構成のヘッド1は、後述するキャリッジモ
ーター821によって、ノズルヘッド31に直交する左
右方向へ移動可能になっている。また、ヘッド1の移動
範囲には、後述するように、ヘッド1を高速加熱するA
Cヒータ17a及び第2DCヒータ33yの電源を取る
ための高速加熱ポジションと、パージングを行うための
パージングポジションと、プリンタ作動中にヘッド1が
通常待機するホームポジションとがある。本実施例のプ
リンタでは、高速加熱ポジションが左端に、パージング
ポジションが右端に、ホームポジションが高速加熱ポジ
ションとパージングポジションとの間の所定位置に定め
られている。なお、プリンタ作動中において、ヘッド1
のDCヒータ17b及び第1DCヒータ33xは、常時
作動しているものとする。
【0037】次に図13のブロック図を用いて制御系の
構成を説明する。ドライバーユニット80は、論理演算
を実行するCPU81a、各種プログラムを記憶してい
るROM81b、情報を一時的に記憶しておくRAM8
1c、I/Oポート81dとこれらを接続するバスライ
ン81eを備えている。
【0038】I/Oポート81dには、CPU81aの
指令により、ヘッド1を移動するための駆動力源となる
キャリッジモーター821を駆動制御するキャリッジ駆
動回路82と、インクタンク10とフロントパネル30
と溶融タンク40との加熱、保温をするヒーター17
a,17b,33x,33y,48の入断を制御するヒ
ーター制御回路83と、各ノズル32M,32Y,32
C,32Kのインクの吐出を制御するノズル駆動回路8
4と、溶融タンク40に固形インクを投入するインク投
入機871を駆動制御するインク投入機駆動回路87
と、パージの際インクタンク10にエアを注入するポン
プの電源を入断制御するポンプ制御回路88と、サーミ
スタ18b,33zから伝達された電流によりヒーター
の温度を感知し伝達するヒーター温度感知回路85と、
各インクタンク10の副室13のインクレベルをサーミ
スタ86M,86Y,86C,86Kから伝達された電
流により感知し伝達するレベルセンサ感知回路86とが
接続されている。
【0039】以下CPU81aが行なう制御を各制御毎
に説明する。インクタンク10及びフロントパネル30
が所定温度に保持されるまでの起動時の制御を図14に
示すフローチャートと、インクタンク10及びフロント
パネル30の温度変化を示す図16とを用いて説明す
る。
【0040】まず、ヘッド1をキャリッジモータ821
によって高速加熱ポジションに移動配置する(S1、S
はステップを示す。以下同様)。この状態で、ヒータ制
御回路83を作動させることにより、インクタンク10
のACヒータ17a及びDCヒータ17bを作動させる
と共に、フロントパネル30の第1DCヒータ33x及
び第2DCヒータ33yを作動させる(S10)。S1
0の時点では、図16に示す温度t0のように、インク
タンク10及びフロントパネル30は、室温である。そ
して、S10の後、インクタンク10及びフロントパネ
ル30は、上記のヒータにより所定高温度t1まで加熱
され続けるのであるが、インクタンク10の方がACヒ
ータが設けられているから早く温度が上昇する。所定高
温度t1は、例えば、150度が好ましい。また、ノズ
ルヘッド31の温度を示すノズル孔#2の温度及びノズ
ル孔#128の温度もまた所定温度へ向けて上昇する。
【0041】次に、サーミスタ18bの温度をヒータ温
度感知回路85が測定することで、インクタンク10が
所定高温度t1になったか否か判定する(S20)。否
定判断であるなら、インクタンク10が所定高温度t1
になるまでS20で待機する。肯定判断なら、S30に
進む。
【0042】次に、インクタンク10が所定高温度t1
を保持するように、サーミスタ18bの温度に基づい
て、ヒータ制御回路83を制御し、ACヒータ17aを
所定温度t1に保持させる(S30)。そして、図16
に示すように、インクタンク10の温度が、所定高温度
t1に保持されている内に、フロントパネル10の温度
は、所定高温度t1へ向けて上昇する。
【0043】次に、サーミスタ33zの温度をヒータ温
度感知回路85が測定することで、フロントパネル30
の温度が所定高温度t1になったか否か判定する(S4
0)。否定判断であるなら、フロントパネル30が所定
高温度t1になるまでS40で待機する。肯定判断され
たなら、S50へ進む。
【0044】次に、インクタンク10及びフロントパネ
ル30が所定高温度t1に達した後は、ヒータ制御回路
83を制御して、ACヒータ17a及び第2DCヒータ
33yを停止する(S50)。この結果、インクタンク
10及びフロントパネル30の温度計測位置の温度が低
下し始める。しかし、ノズルヘッド31のノズル孔#2
及びノズル孔#128の温度は、フロントパネル30か
ら伝達される熱によって上昇し続ける(図16参照)。
【0045】次に、サーミスタ33zの温度をヒータ温
度感知回路85が測定することで、フロントパネルが温
度t2になったか否か判定する(S60)。否定判断で
あるなら、フロントパネルが温度t2になるまでS60
で待機する。肯定判断であるなら、S70へ進む。
【0046】次に、キャリッジ駆動回路83に指令を出
力してキャリッジモーター821を駆動しヘッド1をパ
ージングポジションまで移動する(S70)。すると、
カム50の当接面50bがプリンタ本体のフレーム54
(図5参照)に押し付けられる。そして、カム50はイ
ンクタンク上蓋19の上を相対的に左方向に摺動する。
カム50が左方向に摺動すると、カム面50bは弁開閉
レバー24の上端部24aを図5の下方向に押し動か
す。すると、弁開閉レバー24はレバー台座25を支点
として揺動し、圧接弁28と副室入口22bとの圧接が
解け、更に揺動が進むと圧接弁27と副室出口21bと
が圧接し、副室入口22bが開放、副室出口21bが密
閉された状態になる。
【0047】次に、パージングを行なう(S80)。パ
ージングとは、フロントパネル30及びノズルヘッド3
1内に残って固化しているインクを溶かし、インクが固
化したとき取り込んでしまった気泡を残留インクと共に
副室13に押し出す作業である。具体的には、次の様に
気泡を押し出す。まず、ポンプ制御回路88によりポン
プ881を駆動し、貫通孔20bから、空気室20、貫
通孔23を経由して主室11内にエアを送り込むことに
よって、主室11内の気圧を上昇させる。副室出口21
bが密閉され、副室入口22bが開放されているので、
気泡を含んだインクは、主室11から、主室出口22
a、往路入口35a、往路35、往路出口35b、ノズ
ルヘッド31、復路入口37b、復路37、復路出口3
7a、副室入口22bを経由して、副室13へ送られ
る。
【0048】次に、パージ制御が2度行われたか判定す
る(S90)。否定判断であるなら、S100へ進む。
また、肯定判断であるなら、S110へ進む。次に、キ
ャリッジ駆動回路82に指令を出力してキャリッジモー
ター821を駆動し、ヘッド1をパージングポジション
からややずらす(S100)。すると、カム50の当接
面50bがプリンタ本体のフレーム54から離れる。そ
して、カム50は、スプリング51の付勢によってイン
クタンク上蓋19の上を右方向に摺動する。カム50が
右方向に摺動すると、弁開閉レバー24の上端部24a
は、カム面50aよって押し付けられなくなる。する
と、弁開閉レバー24は、板バネ26の付勢力によって
レバー台座25を支点として揺動し、圧接弁27と副室
出口21bとの圧接が解け、更に揺動が進むと圧接弁2
8と副室入口22bとが圧接し、副室入口22bが密
閉、副室出口21bが開放された状態になり、レベリン
グが行われる。レベリングとは、パージングにより副室
13内に強制的に送られたインクを、連通路21から主
室11に帰還させ、主室11と副室13の液面を同じレ
ベルにする作業である。上記のように、ヘッド1の移動
により副室13内の圧接弁28,27は副室入口22b
を閉じ、副室出口21bを開く。圧接弁27は機械的に
開放されるため、素早いレベリングが行われる。
【0049】こうしてレベリングを行った後は、S70
を再度実行し、2回目のパージングを行う。そして、2
回目のパージングが終了したら、キャリッジ駆動回路8
2に指令を出力してキャリッジモーター821を駆動
し、ヘッド1を所定のホームポジションへ移動させる
(S110)。
【0050】以上の制御によって、インクタンク10及
びフロントパネル30が所定温度に保持されると共に、
インクタンク10及びフロントパネル30内のホットメ
ルトインクも所定温度に保持される。特に、ノズル孔の
温度が所定の保持温度に至るよりも前の早めのタイミン
グでパージングを実行することにより、図16に期間Q
として示す様に、ノズル部分の温度がパージングによっ
て循環された高温のインクの熱を受けて速やかに上昇す
る。
【0051】次に、印刷制御について説明する。印刷制
御は、ノズルからインクを吐出し被記録媒体に印刷する
制御である。印刷制御は、キャリッジ駆動回路82とノ
ズル駆動回路84を制御することにより行なう。
【0052】印刷が始まると、キャリッジ駆動回路82
に指令が出力されてキャリッジモーター821が駆動さ
れる。これによってヘッド1は左右に移動する。ヘッド
1が所望の位置に来たとき、ノズル駆動回路84に指令
が出力され、Mノズル32M、Yノズル32Y、Cノズ
ル32C、Kノズル32Kのピエゾ素子が駆動されてイ
ンクが吐出される。こうして、印刷が実行される。
【0053】次に、図15のフローチャートを用いてイ
ンク供給制御について説明する。インク供給制御は、イ
ンクタンク10内のインクが少なくなったとき、固形イ
ンク49を溶融タンク40に投入して溶融する制御であ
る。インク供給制御として、インクジェットプリンタ本
体に電源が投入されている間、図15に示す制御を実行
する。この制御が実行されると、まずインクタンク10
内のレベルセンサーによってインクタンク10内のイン
クが少なくなったかを感知する(S200)。ここで、
インクが少なくなったことの感知は、レベルセンサーと
してのサーミスタ86M,86Y,86C,86K(以
下、単にサーミスタと表記することもある。)を用いて
行なう。サーミスタはインクタンク10内にその先端が
所定高さに位置するように設置される。そして、このサ
ーミスタには所定の周期で電流を流して自己発熱させら
れる。所定温度に達するまでの時間が、サーミスタがイ
ンクに浸されているときよりも、空気中に置かれている
ときの方が早い。よってサーミスタに電流を流し始めて
から所定温度に達するまでの時間を測定することによっ
て、インクタンク内のインク残量を感知することができ
る。
【0054】次にS200によりサーミスタが所定温度
に達するまでの時間が所定時間よりも短いと判断した場
合はインク投入処理を実行する(S210)。この処理
では、まず、キャリッジ駆動回路82に指令を出力して
キャリッジモーター821を駆動してインク投入位置ま
でヘッド1を移動する。そして、ヘッド1をインク投入
位置まで移動したら、インク投入機駆動回路87に指令
を出力してインク投入機871を駆動し、溶融タンク4
0に固形インク49を投入させる。そして、溶融タンク
ヒータ48をオンにして固形インク49を溶融させる。
【0055】一方、サーミスタが所定温度に達するまで
の時間が所定時間よりも長いと判定した場合は、こうし
たインク投入処理を行わない。以上の処理は、印刷終了
まで繰り返し実行される(S220)。以上説明した実
施例によれば、以下の様な作用・効果が発揮される。
【0056】まず、本実施例のフロントパネルヒータ3
3をワット数密度の違う12の領域としたことの効果
は、図17に示すようになった。プリンタ作動中は、フ
ロントパネル30が約130度に保持されており、ヘッ
ド1の停止中の温度は、YMCKいずれのノズル孔#2
及びノズル孔#128もヘッド1の移動方向へ向いた面
であるY及びKの温度がほぼ125度に保持され、M及
びCがY及びKよりも3度ほど低い温度に保持される。
そして、ヘッド1の印刷中の温度は、フロントパネル3
0に取り付けられたノズルヘッド31のYMCKいずれ
のノズル孔#2及び#128もほぼ118度となり、均
一な温度であり、温度差がない。したがって、各ノズル
ヘッド31から噴射されるインクの噴射速度が同一とな
り、印刷品質も良好である。
【0057】また、本実施例では、起動時に、インクタ
ンク10及びフロントパネル30の通常の加熱手段とし
てのDCヒータ17b及び第1DCヒータ33xに加え
て、高速加熱手段として、インクタンク10に、ACヒ
ータ17aを、フロントパネル30に、第2DCヒータ
33yを設けたことにより、インクタンク10及びフロ
ントパネル30を速やかに加熱し、インクタンク10及
びフロントパネル30内のホットメルトインクの溶融を
早め、起動時間を短縮することができる効果がある。ま
た、起動時に、所定期間だけ作動させたACヒータ17
aを停止させても、ACヒータ17aを重ねて配置され
たDCヒータ17bがそのまま作動し続けるので、イン
クタンク10の温度の急激な低下を抑えられる。そし
て、同様に所定期間だけ作動させた第2DCヒータ33
yを停止させても、第2DCヒータ33yに重ねて配置
された第1DCヒータ33xがそのまま作動し続けるの
で、フロントパネル30の温度の急激な低下を抑えるこ
とができる。さらに、上記のように、ホットメルトイン
クを早期にパージすることで、ノズルヘッド31へ早期
にホットメルトインクを満たし、ノズルヘッド31をホ
ットメルトインクの熱で所定温度へ達するのを早める。
したがって、起動時間をより短くできる。そして、同時
に従来のパージ同様にフロントパネル30内の気泡を取
り除くこともできるという効果もある。
【0058】また、本実施例では、インクタンク10の
裏面に凹部を形成し、この凹部を連通路21とした。よ
って、従来のように、連通路をインクタンクの隔壁へ孔
を空けて形成するといった手間のかかる作業を行なうこ
ともなく、インクタンク10を形成する際に、同時に形
成してしまえるという効果がある。さらに、インクタン
ク10の外側へポリイミドの絶縁シートで作られたイン
クタンクヒータ17を貼り付けたことで、インクタンク
10からインクが漏れることを防ぐと同時に、従来の厚
さ700μmのシリコンラバーヒータよりも厚みを薄く
でき、インクタンク10の体積を小さくできるという効
果もある。
【0059】また、本実施例では、上記の様な一連の動
作によるスムーズなパージングの実行と、印刷中のイン
クの逆流防止とは、ヘッド1の移動による弁開閉レバー
24の揺動操作だけによって実現されている。従って、
圧接弁27と圧接弁28の開閉状態を切り換えるための
駆動機構を別途設ける必要がなく、構成の簡素化及び製
作費の削減を図ることができる。
【0060】また、本実施例では、弁開閉レバー24が
アルミニウム合金ダイキャスト製であるので、インクタ
ンク10内で溶融状態にあるインクの熱が弁開閉レバー
24の上端部24aまで伝導する。弁開閉レバー24の
上端部24aまでインクの熱が伝動されるので、長孔1
9cと弁開閉レバー24との隙間に入り込んだインクが
固化することがなく、弁開閉レバー24の円滑な揺動を
保証することができる。また、アルミニウム合金ダイキ
ャスト製であるため、軽量であり、丈夫である。軽量で
あるため、急激な揺動に対しても大きな慣性力が発生せ
ず、丈夫であるため、摩擦部位の摩耗の進行が遅い。従
って、インクの固化を防ぐことができるだけでなく、長
期間に渡って揺動を円滑に行うことができる。
【0061】また、本実施例のインクタンク10の副室
13内に備えられた両端に圧接弁27,28を有する弁
開閉レバー24は、パージ時以外は圧接弁28により副
室入口22bを閉鎖し、圧接弁27により副室出口21
aを全開にする制御を行なっている。従って、印刷によ
ってノズル32からインクが吐出されても、副室13か
ら復路37側へとインクが逆流することはない。よっ
て、パージによって副室13へ送り込んだ気泡が逆流し
てノズル32に到達するということはなく、従来の様な
脱気装置を不要とすることができる。加えて、副室13
から復路37への逆流という問題がなくなるから、従来
の様に逆流防止のために主室10側が常時副室13側よ
りも液面を高く維持できるようにするために一方向弁P
A41を採用する必要もない。
【0062】また、弁開閉レバー24は、圧接弁28と
圧接弁27とを一本の弁開閉レバー24の両端に設け連
動して開閉するようにしたことから、圧接弁28の制御
と圧接弁27の制御という2つの制御を区別して行なう
必要がなく、弁開閉レバー24についてする1つの制御
のみで2つの制御を行うことができるという効果があ
る。
【0063】さらに、板ばね26により圧接弁28で副
室入口22bを常に閉鎖しておくことができるので、副
室13から往路35及び復路37に気泡を含んだインク
が導かれるのを確実に遮断し、弁開閉レバー24につい
てする制御のうち、パージを行なうときの制御のみを行
なうだけでよいので制御を簡単で確実にできるという効
果がある。
【0064】また、本実施例では、各繊維が複雑に曲折
して重なり合い、厚さ方向に多数の層を形成するステン
レススチール焼結体のフィルタ29を使用しているの
で、フィルタ29の孔径より小さなものであっても捕捉
することが可能である。また、フィルタ29の孔径を小
さくする必要がないので、圧力損失を小さくすることも
できる。従って、ノズル内にゴミや気泡が入り込むこと
による印刷不良も、圧力損失のために生じる印刷不良も
起こり難い。また、ステンレススチールは腐食の進行が
非常に遅いので、交換に要する手間や費用を削減するこ
とができる。
【0065】また、本実施例によれば、溶融タンク40
は、底面42に設けられた複数条のリブ43の上に固形
インクを載せて溶融している。従って、溶融したインク
は溝44の中に落ちる。この溝44は、開口穴46に向
かって延びている。従って、溝44に落ちたインクは開
口穴46へと流れていく。更に、開口穴46近傍には、
固形インクを係止するための突起45を備えているの
で、固形インクが小さくなっても突起45により係止さ
れた状態が維持される。従って、開口穴46を固形イン
クが塞ぐことがないため、溶融して溝44により開口穴
46に導かれたインクをせき止めることなくスムーズに
インクタンク10に供給することができるという効果が
ある。
【0066】また、本実施例によれば、溶融タンク40
は、底面42の裏側に溶融タンクヒータ48を備えてい
るので、溶融タンク40を迅速に熱し、固形インクを溶
融することができる。この際、底部42にリブ43を設
けたので、リブ43はちょうど伝熱フィンの役割を果た
し、効率よく固形インクを溶融することができるという
効果がある。また、溶融タンクヒータ48が故障して
も、溶融タンク40の底面42の裏側に備えられたもの
であるから簡単に取り替えることができる。
【0067】また、本実施例によれば、インクタンク1
0内のレベル検出用のサーミスタ86,86Y,86
C,86Kによりインクタンク10内のインク量が少な
くなったことを検出し、インク投入装置により、固形イ
ンクを溶融タンク40内に投入する構成となっているの
で、インクタンク10内のインクが少なくなったとき、
操作者がいちいち溶融タンク40内に固形インクを投入
する操作が不要となる。
【0068】また、本実施例によれば、(ここではサー
ミスタ86M,86Y,86C,86Kは何れも同じ構
成となっているので、代表例としてサーミスタ86Mに
ついて述べる。)インクタンク10内のレベル検出用の
サーミスタ86Mに電流を流すと、インクに浸されてい
るときよりも、空気中に置かれているときの方が早く所
定温度まで達するので、サーミスタ86Mに電流を流し
始めてから所定温度に達するまでの時間を測定すること
によってインクタンク内のインク残量を感知できるとい
う効果がある。また、本実施例では、圧接弁27の圧接
面を球面形状、副室出口21bの口縁部をテーパ面形
状、圧接弁28の圧接面を平面形状、副室入口22bの
口縁部を環状に盛り上がった形状としているので、副室
出口21b及び副室入口22bの密閉精度が高い。ま
た、圧接弁27及び28がシリコーンゴム製であるの
で、適度な弾性を有する。従って、圧接弁と口縁部との
圧接位置が多少変化しても、密閉精度が低下しない。さ
らに、プリンタ稼動中のインクの温度が約120℃であ
ることに対し、シリコーンゴムの耐熱温度は約200℃
であり、加えて、耐食性にも優れているので、溶融状態
にあるホットメルトインクに長時間浸されていても、密
閉精度を良好に保つことができる。また、シリコーンゴ
ムは比較的入手し易く、加工技術も完成されているた
め、圧接弁の製造が容易である。
【0069】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は、上記実施例に限定されるものではなく、さらに種
々なる態様において実施してもよいことはもちろんであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のヘッド1の分解斜視図である。
【図2】 実施例のインクタンク10の上面図である。
【図3】 実施例のインクタンク10を示し、(a)は
裏面図、(b)は図3(a)のA−A端面図である。
【図4】 実施例のフロントパネル30の裏面図であ
る。
【図5】 実施例のインクタンク10の平面図である。
【図6】 実施例のインクタンク10を示し、(a)は
図5のB−B端面図、(b)はC−C端面図である。
【図7】 実施例の弁開閉レバー24及びノズル32付
近の説明図である。
【図8】 実施例のインクタンクヒータ17の正面図で
ある。
【図9】 実施例のフロントパネルヒータ33の正面図
である。
【図10】 実施例のフィルタ29の拡大図を示し、
(a)は表面図、(b)は断面図である。
【図11】 実施例の溶融タンク40の上面図である。
【図12】 実施例の溶融タンク40のX−X断面図で
ある。
【図13】 実施例のヘッド1の制御系の構成を示すブ
ロック図である。
【図14】 実施例のヘッド1の始動時の制御を示すフ
ローチャートである。
【図15】 実施例の溶融タンク40のインク供給制御
を示すフローチャートである。
【図16】 実施例のヘッド1の温度状況を示すグラフ
である。
【図17】 実施例のノズルヘッド31の温度状況を示
すグラフである。
【図18】 従来例のホットメルトインクジェットプリ
ンタのヘッドの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・ヘッド、10・・・インクタンク、11・・・
主室、13・・・副室、17・・・インクタンクヒー
タ、17a・・・ACヒータ、17b・・・DCヒー
タ、19・・・インクタンク上蓋、21・・・連通路、
21a・・・主室入口、21b・・・副室出口、22a
・・・主室出口、22b・・・副室入口、24・・・弁
開閉レバー、25・・・レバー台座、29・・・フィル
ター、30・・・フロントパネル、33・・・フロント
パネルヒータ、33x・・・第1DCヒータ、33y・
・・第2DCヒータ、35・・・往路、37・・・復
路、40・・・溶融タンク、50・・・カム、70・・
・制御基板ステージ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホットメルトインクを加熱溶融して溜め
    ておくことができる主室、副室及び前記主室と前記副室
    とを結ぶ連通路からなるインクタンクと、 前記ホットメルトインクを被記録媒体に噴射するノズル
    ヘッドと、 前記主室から前記ノズルヘッドへ前記ホットメルトイン
    クを供給するための往路と、 前記ノズルヘッドから前記副室へ前記ホットメルトイン
    クを帰還させるための復路と、 前記主室から前記往路への出口部分に設けられるフィル
    タとを備えるホットメルトインクジェットプリンタのヘ
    ッドにおいて、 前記フィルタが三次元構造をなしていることを特徴とす
    るホットメルトインクジェットプリンタのヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のホットメルトインクジ
    ェットプリンタのヘッドにおいて、 前記フィルタの三次元構造が金属繊維の焼結体によって
    形成されていることを特徴とするホットメルトインクジ
    ェットプリンタのヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のホットメルトインクジ
    ェットプリンタのヘッドにおいて、 前記金属繊維がステンレススチール製であることを特徴
    とするホットメルトインクジェットプリンタのヘッド。
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