JPH10145964A - Ptc素子を用いた自冷式限流装置 - Google Patents

Ptc素子を用いた自冷式限流装置

Info

Publication number
JPH10145964A
JPH10145964A JP29423096A JP29423096A JPH10145964A JP H10145964 A JPH10145964 A JP H10145964A JP 29423096 A JP29423096 A JP 29423096A JP 29423096 A JP29423096 A JP 29423096A JP H10145964 A JPH10145964 A JP H10145964A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ptc element
temperature
ptc
resistance
limiting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29423096A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ohashi
隆 大橋
Yukio Mizuno
幸夫 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP29423096A priority Critical patent/JPH10145964A/ja
Publication of JPH10145964A publication Critical patent/JPH10145964A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermistors And Varistors (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Details Of Resistors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でPTC素子の冷却速度を速く
し、限流動作後のPTC素子の温度を直ちに常温まで低
下させることができるようにする。 【解決手段】 限流装置10は交流電源と負荷からなる
電路の交流電源と負荷との間に遮断器を介して直列に接
続している。限流装置10は、温度が上昇することによ
り抵抗値が増大するPTC素子11,12と、PTC素
子11,12の両端部およびこれらの間に配設した電極
板13,15,14とからなる。PTC素子11と12
との間に配設される電極板14より延出して端子を配設
しており、この端子とモータ駆動回路50の入力側の一
方の端子とを接続している。また、電極板15より延出
する端子とモータ駆動回路50の入力側の他方の端子と
を接続している。そして、モータ駆動回路50の出力側
はモータ60に接続しており、モータ60の回転軸には
ファン61を組み付けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送配電系統等の電
路に流れる短絡電流あるいは過負荷電流等の過電流から
送配電系統あるいは送配電系統等の電路に配設した電力
機器を保護するための限流装置に係わり、特にPTC素
子を用いた自冷式限流装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、送配電系統に流れる短絡電流ある
いは過負荷電流等の過電流から送配電系統あるいは送配
電系統等の電路に配設した電力機器を保護するために、
温度が上昇することにより抵抗値が増大する正の抵抗温
度係数を有する素子(PTC(Positive Temperature C
oefficient)サーミスタ、以下PTC素子という)を送
配電系統の電路に用いることが提案されるようになっ
た。
【0003】このPTC素子を送配電系統の電路に遮断
器と併設して用いた場合、例えば、この電路に定格電流
以上の過電流が流れると、PTC素子内にジュール熱が
発生してPTC素子の温度が上昇する。すると、このP
TC素子は正の抵抗温度係数を有するため、PTC素子
の温度が所定の相転移温度以上になると、その抵抗値が
急激に増大してこの電路に流れる過電流を抑制(限流)
するようになる。その後、遮断器が動作して回路が遮断
される。
【0004】一方、事故が回復した後、PTC素子の温
度が常温に戻ると、その抵抗値は元の低抵抗値になるた
めPTC素子は自動復帰し、遮断器が再投入されるとこ
の電路には通常の所定の電流が流れるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PTC
素子が温度上昇したままであると、その抵抗値は大きい
ままであるため、遮断器が再投入されてもPTC素子の
温度が常温に戻るまで限流動作した状態が継続して、送
配電系統等の電路の回復動作が遅くなるという問題を生
じる。そこで、電路に過電流が流れると遮断器が動作す
るので、この遮断器の遮断動作に連動して冷却ファン等
を回転駆動してPTC素子を冷却させることが提案され
たが、遮断器の遮断動作に連動して冷却ファン等を回転
駆動させる場合、回路構成が複雑になるとともに、高価
な継電器等を使用する必要があるため、この種の限流装
置が高価になるという問題も生じる。そこで、本発明は
上記した問題点を解決するために、簡単な構成でPTC
素子の冷却速度を速くし、限流動作後のPTC素子の温
度を直ちに常温まで低下させることができるようにする
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の温度に
なると急激にその抵抗値が増大する正の抵抗温度係数を
有するPTC素子を電路に備えて同電路に流れる過電流
を抑制するとともに温度上昇した同PTC素子を冷却す
るPTC素子を用いた自冷式限流装置であって、上記課
題を解決するために、請求項1に記載の発明において
は、PTC素子に冷却媒体の流通路を形成するとともに
同PTC素子に流れる電流を同PTC素子より分岐して
取り出す一対の分岐端子を同PTC素子に形成し、冷却
媒体を流通路に向けて送り込む冷却手段と、一対の分岐
端子間に電流が流れることにより生じる抵抗電圧降下に
基づく降下電圧が所定の電圧以上になると冷却手段を駆
動する駆動回路とを備えるようにしている。
【0007】このように構成することにより、定常時に
おいては、PTC素子の常温での抵抗値は小さいため、
電路に給電される電流はPTC素子を通して流れる。一
方、短絡等の事故により定格電流以上の過電流がPTC
素子に流れる異常時には、過電流が流れたときに生じる
ジュール熱によりPTC素子の温度が上昇し、PTC素
子の温度が所定の温度になるとこの素子の抵抗値が急激
に増大して、PTC素子に流れる電流は抑制(限流)さ
れる。また、PTC素子の抵抗値が増大すると分岐端子
間に発生する降下電圧が大きくなり、この降下電圧が所
定の電圧以上になると駆動回路は冷却手段を駆動するた
め、PTC素子の温度は低下するようになる。
【0008】そして、過電流状態が解消すると、電路に
給電されるようになって、電流はPTC素子を通して流
れるようになるが、この場合のPTC素子の温度はまだ
高い状態にあるため、再度、駆動回路は冷却手段を駆動
することとなる。このため、PTC素子に形成した冷却
媒体の流通路を通して冷却媒体が流れて、PTC素子の
温度は直ちに常温まで低下するようになる。これによ
り、復帰後、この電路に給電される電流はPTC素子を
通して流れるようになる。
【0009】請求項2に記載の発明においては、電路に
流れる正常時の負荷電流をISとし、このときの分岐端
子間の抵抗値をrとし、電路に流れる異常時の過電流を
MAXとし、このときの分岐端子間の抵抗値をRとした
場合、上述の所定の電圧VをR×IMAX>>R×IS≧V
>>r×ISの関係式を満足するように設定している。
このため、電路に過電流IMAXが流れると直ちに冷却手
段が駆動されて、PTC素子の温度上昇が防止される。
また、過電流状態が解消して電路に正常時の負荷電流I
Sが流れるようになると、このときの分岐端子間の抵抗
値はRであるので、再度冷却手段が駆動されてPTC素
子の温度は直ちに常温まで低下することとなる。
【0010】請求項3に記載の発明においては、上述の
PTC素子に形成した流通孔は同PTC素子をハニカム
構造に形成した貫通孔としている。このように、貫通孔
をハニカム構造にして形成すると、ハニカム構造は表面
積が大きいので放熱効果が大きくかつPTC素子内の熱
はこの貫通孔を通して放熱されることとなるので、温度
上昇したPTC素子は直ちに常温まで低下するようにな
る。
【0011】請求項4に記載の発明においては、上述の
PTC素子として常温抵抗率が小さくかつ常温抵抗率に
対する抵抗上昇が2〜3桁であるV23−Cr23セラ
ミックスを用いるようにしている。このV23−Cr2
3セラミックスは常温抵抗率が小さいため、正常時に
は電路に給電される電流は電力損失を伴うことなくPT
C素子を通して流れるようになる。また、V23−Cr
23セラミックスは常温抵抗率に対する抵抗上昇が2〜
3桁であるので、この素子に定格電流以上の過電流が流
れる異常時には、急激にその抵抗値が増大するようにな
るため、この電路に流れる過電流を確実に限流すること
ができるようになる。
【0012】
【発明の効果】請求項1に記載の発明においては、PT
C素子の常温での抵抗値は小さいため、この素子を電路
に直接接続しても抵抗損失は小さく、定常時の電力損失
を最小限にすることができ、電力損失を伴うことなく電
力系統を保護することができるようになる。また、過電
流状態が解消すると流通路を通して冷却媒体が流れてP
TC素子の温度は直ちに常温まで低下するので、この種
の限流装置の信頼性が向上する。
【0013】請求項2に記載の発明においては、過電流
状態が解消して電路に正常時の負荷電流ISが流れるよ
うになると、このときの分岐端子間の抵抗値はRである
ので、再度、冷却手段が駆動されてPTC素子の温度は
直ちに常温まで低下する。このため、この種の限流装置
の信頼性が向上する。
【0014】請求項3に記載の発明においては、PTC
素子をハニカム構造に形成しているので、ハニカム構造
に基づく放熱性により、短時間でのPTC素子の冷却が
可能となり、温度上昇したPTC素子は直ちに常温まで
低下する。その結果、復帰動作が速くなり、この種の限
流装置の復帰性が向上する。
【0015】請求項4に記載の発明においては、常温抵
抗率が小さくかつ常温抵抗率に対する抵抗上昇率が2〜
3桁であるV23−Cr23セラミックスを用いると、
抵抗損失は小さく、定常時の電力損失を最小限にするこ
とができ、電力損失を伴うことなく電力系統を保護する
ことができるようになる。また、BaTiO3系セラミ
ックスと比較して抵抗が小さいため、断面積を小さくす
ることが可能となり、小型のPTC素子を使用すること
ができて、この種の限流装置の小型化が可能となる。さ
らに、この素子に定格電流以上の過電流が流れても、温
度上昇に基づく素子の破壊を防止することができるよう
になる。また、過電流が流れると確実にその抵抗値が増
大するので、限流動作の応答性が向上し、この種の限流
装置の応答性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、図に基づいて本発明のP
TC素子を用いた自冷式限流装置の一実施の形態を説明
する。図1は本発明のPTC素子を用いた自冷式限流装
置を送配電系統の電路に直列に接続して、この電路に流
れる過電流を制限(限流)する場合の一例を示す図であ
る。図1に示すように、この限流装置10は交流電源2
0と負荷30からなる電路Lの交流電源20と負荷30
との間に遮断器40を介して直列に接続している。
【0017】図2は限流装置10を自冷にするための概
略構成を示す図である。図2に示すように、限流装置1
0は温度が上昇することにより抵抗値が増大する正の抵
抗温度係数を有する素子(PTC(Positive Temperatu
re Coefficient)サーミスタ、以下、PTC素子とい
う)からなる第1PTC素子11および第2PTC素子
12と、これらの第1PTC素子11および第2PTC
素子12の電流の通電方向のそれぞれの両端部ならびに
第1PTC素子11および第2PTC素子12の間に配
設した第1電極板13および第2電極板15ならびに第
3電極板14とからなる。なお、第1電極板13および
第2電極板15は図示しない端子が電極板13および1
5より外方にそれぞれ延出して配設されており、これら
の各端子と電路Lとが接続されるようになされている。
【0018】また、第1PTC素子11と第2PTC素
子12との間に配設される第3電極板14より延出して
図示しない端子が配設されており、この端子とモータ駆
動回路50の入力側の一方の端子とが接続されている。
また、第2電極板15より延出する端子とモータ駆動回
路50の入力側の他方の端子とが接続されている。そし
て、モータ駆動回路50の出力側はモータ60に接続さ
れており、モータ60の回転軸にはファン61が組み付
けられている。
【0019】モータ駆動回路50は、変圧器とこの変圧
器の2次側に接続される電圧感応素子、例えば酸化亜鉛
バリスタセラミックス素子あるいはシリコンツェナーダ
イオード等の半導体素子から構成される。ここで、電路
Lに負荷電流が流れることにより第3電極板14と第2
電極板15との間に生じる抵抗電圧降下に基づく降下電
圧が所定の電圧V1になったときの変圧器の2次側に誘
起される電圧V2になると、酸化亜鉛バリスタセラミッ
クス素子あるいはシリコンツェナーダイオード等の半導
体素子からなる電圧感応素子が導通してモータ60が駆
動し、その回転軸に組み付けられたファン61が回転す
ることとなる。
【0020】なお、電路Lに流れる正常時の負荷電流を
Sとし、このときの第3電極板14と第2電極板15
との間の抵抗値をrとし、電路Lに流れる異常時の過電
流をIMAXとし、このときの第3電極板14と第2電極
板15との間の抵抗値をRとした場合、上述した所定の
電圧V1はR×IMAX>>R×IS≧V1>>r×ISの関
係式を満足するように設定している。
【0021】第1PTC素子11および第2PTC素子
12としては、その比抵抗が急激に増大する温度(一般
的には相転移温度という)が80℃〜200℃程度のも
ので、常温での抵抗値が小さくかつ相転移温度になると
急激に抵抗値が増大するものを用いることが好ましい。
ここで、第1PTC素子11および第2PTC素子12
としては、一般的には、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系セラミックスを用いることが知られているが、表
1に示すように、V23系セラミックスはBaTiO3
系セラミックスより、常温抵抗率、電圧依存性、機械的
強度等の点でPTC素子として優れた特性を有すること
が明らかとなったので、本発明においては第1PTC素
子11および第2PTC素子12として、V23系セラ
ミックス、特にV23−Cr23セラミックスを用い
る。
【0022】
【表1】
【0023】このV23−Cr23系セラミックスから
なる第1PTC素子11および第2PTC素子12は、
図2に示すように、その内部に蜂の巣のように多くの貫
通孔を有するハニカム構造に一体的に形成したものを使
用する。ここで、多くの貫通孔を有するハニカム構造に
形成する方法としては、V23−Cr23系セラミック
スをハニカム構造に一体的に形成する以外に、V23
Cr23系セラミックスを円筒状、角筒状、丸棒状、角
棒状等に形成したものを集合させてその内部に多くの貫
通孔または貫通空隙を形成した集合体としても形成する
ことができる。このようにハニカム構造に形成したV2
3−Cr23セラミックスからなる第1PTC素子1
1および第2PTC素子12は、図3の温度−比抵抗特
性に示すように、130℃程度で相転移するPTC素子
が得られる。
【0024】なお、V23系セラミックスとして上記の
23−Cr23セラミックスの他、Al23を固溶し
たV23系セラミックスを用いてもよい。また、チタン
酸鉛(PbTiO3)セラミックス、チタン酸ビスマス
(BiTiO3)セラミックスあるいはこれらの固溶体
を用いてもよい。
【0025】また、第1PTC素子11および第2PT
C素子12としては、ポリエチレン−カーボン系複合材
料あるいはポリオレフィン−カーボン系複合材料等から
なる合成樹脂により形成することも可能である。
【0026】電極板13,14,15は銅、アルミニウ
ム、ステンレス等の金属をハニカム構造に形成してい
る。そして、第1PTC素子11および第2PTC素子
12に形成したハニカム構造の貫通孔と電極板13,1
4,15に形成したハニカム構造の貫通孔とが一致する
ように形成する。また、これらの各貫通孔がそれぞれ一
致するように第1PTC素子11の貫通孔を有する一端
面に第1電極板13を、第1PTC素子11の貫通孔を
有する他端面と第2PTC素子12の貫通孔を有する一
端面との間に第3電極板14を、第2PTC素子12の
貫通孔を有する他端面に第2電極板15を配置して、錫
・鉛ハンダ、銀ロウ、導電性接着剤等により固着して一
体化する。あるいは、第1PTC素子11および第2P
TC素子12の貫通孔を有する両端面にメタリコンを形
成し、このメタリコン上に各電極板13,14,15を
それぞれ押圧接しても同等の効果が得られる。
【0027】ついで、上述のように構成したPTC素子
を用いた自冷式限流装置の動作を説明する。まず、正常
時の動作について説明すると、遮断器40が閉じた状態
(運転状態)において交流電源20より電路Lに正常時
の負荷電流ISが供給されている場合、負荷30には第
1PTC素子11および第2PTC素子12を通して負
荷電流ISが流れる。このとき、第3電極板14と第2
電極板15との間の抵抗値はrであるので、第3電極板
14と第2電極板15との間の降下電圧はr×ISとな
る。
【0028】ここで、上述したように、モータ駆動回路
50の電圧感応素子が導通してモータ60が回転駆動す
る電圧V2は降下電圧がV1となったときに設定されてお
り、また、R×IMAX>>R×IS≧V1>>r×ISの関
係式を満足するように設定されているため、電圧感応素
子は導通しなくてモータ60は停止状態にある。このと
きの第1PTC素子11および第2PTC素子12の抵
抗値rは小さいため、負荷30には電力損失を伴うこと
なく交流電源20より負荷電流ISが供給されることと
なる。
【0029】ここで、何らかの理由により、限流装置1
0の下流側の電路LのX地点(図1参照)に配設された
負荷が短絡する事故が生じると、定格電流以上の過電流
MAXが電路Lに流れるようになる。第1PTC素子1
1および第2PTC素子12に定格電流以上の過電流I
MAXが流れると、第1PTC素子11および第2PTC
素子12はジュール熱により発熱して温度が上昇する。
第1PTC素子11および第2PTC素子12の温度が
上昇して、その温度が130℃を超すと第1PTC素子
11および第2PTC素子の比抵抗が図3に示すように
増大し、その抵抗値が急激に増大するため、第1PTC
素子11および第2PTC素子12内を流れていた電流
は限流される。
【0030】このとき、第1PTC素子11および第2
PTC素子12は上述の表1に示すように、常温抵抗率
に対する抵抗上昇が2〜3桁であるので、急激にその比
抵抗が増大し、その抵抗値が急激に増大して限流動作を
行うため、第1PTC素子11および第2PTC素子1
2は負の抵抗温度係数(NTC(Negative Temperature
Coefficient))領域に至るまでに温度上昇することが
なり、定格電流以上の過電流によりPTC素子11が破
壊されることがなくなる。
【0031】第1PTC素子11および第2PTC素子
12にジュール熱が発生し、第3電極板14と第2電極
板15との間の抵抗値がRになると、第3電極板14と
第2電極板15との間の降下電圧はR×IMAXとなる。
この場合、R×IMAX>>R×IS≧V1>>r×ISの関
係式を満足するように設定されているため、モータ駆動
回路50の電圧感応素子は導通し、モータ60は回転駆
動してファン61が回転する。そのため、冷却媒体とな
る空気が第1PTC素子11および第2PTC素子12
のハニカム構造の貫通孔に流入し、第1PTC素子11
および第2PTC素子12の温度上昇は止まることとな
る。
【0032】定格電流以上の過電流IMAXが電路Lに流
れるようになると、図示しないセンサがこの過電流I
MAXを検出して遮断器40を遮断させる。これにより、
第1PTC素子11および第2PTC素子12に電流が
流れなくなるので、モータ60は停止する。
【0033】一方、短絡事故が回復して遮断器40が復
帰すると、電路Lには正常な負荷電流ISが交流電源2
0より供給される。この場合、第1PTC素子11およ
び第2PTC素子12の温度が上昇したままであると、
第1PTC素子11および第2PTC素子12の抵抗値
はRのままとなり、第3電極板14と第2電極板15と
の間の降下電圧はR×ISとなる。そして、R×IMAX
>R×IS≧V1>>r×ISの関係式を満足するように
設定されているため、モータ駆動回路50の電圧感応素
子は導通して、再度、モータ60は回転駆動してファン
61が回転する。そのため、冷却媒体となる空気が第1
PTC素子11および第2PTC素子12のハニカム構
造の貫通孔に流入し、第1PTC素子11および第2P
TC素子12の温度は逐次低下するとともに、常温にな
るとモータ60の駆動は停止される。
【0034】上述のように構成した本実施形態において
は、第1PTC素子11および第2PTC素子12とし
て常温での抵抗値が小さいV23−Cr23セラミック
スを用いているため、これらの第1PTC素子11およ
び第2PTC素子12を電路Lに直接接続しても抵抗損
失は小さくなる。そのため、定常時の電力損失を最小限
にすることができ、電力損失を伴うことなく過電流を防
止することができるようになる。
【0035】また、第1PTC素子11および第2PT
C素子12は多数の貫通孔を有するハニカム構造に形成
しているので、冷却効率が向上し、短絡事故等が発生し
ても早期に冷却されて常温に復帰するので、この種の限
流装置の復帰性が向上するとともに、短時間で自動復帰
できるようになるので、電力系統の保守が容易になり、
保守性が向上する。
【0036】さらに、V23−Cr23セラミックス
は、BaTiO3系セラミックスと比較して抵抗が小さ
いため、断面積を小さくすることが可能となり、小型の
第1PTC素子11および第2PTC素子12を使用す
ることができて、この種の限流装置の小型化が可能とな
る。また、常温抵抗率に対する抵抗上昇が2〜3桁であ
るので、第1PTC素子11および第2PTC素子12
に定格電流以上の過電流が流れても、NTC領域に至る
までに温度上昇をすることがないため、温度上昇に基づ
く第1PTC素子11および第2PTC素子12の破壊
を防止することができるようになる。また、過電流が流
れると確実にその抵抗値が増大するので、限流動作の応
答性が向上し、この種限流装置の応答性が向上する。
【0037】なお、上述の実施の形態においては、空気
を冷却媒体としてファン18の回転駆動により、PTC
素子11内に空気よりなる冷却媒体を流入させる例につ
いて説明したが、冷却媒体として液体(例えば、絶縁油
等)、空気以外の気体(例えば、CO2,N2ガス等)を
用いるようにしてもよい。この場合、ポンプ等の駆動装
置により冷却媒体を循環させ、冷却媒体の循環サイクル
の間に冷却媒体をハニカム構造に形成した第1PTC素
子11および第2PTC素子12の貫通孔に流入、流出
させるようにすればよい。
【0038】また、上述の実施の形態においては、ハニ
カム構造の貫通孔を電流の通電方向に設ける例について
説明したが、ハニカム構造の貫通孔は電流の通電方向に
直角方向に設けるようにしてもよい。この場合、各電極
板にハニカム構造の貫通孔を設ける必要がなくなるた
め、この種の限流装置をさらに安価に製造できるように
なる。また、第1PTC素子11および第2PTC素子
12の外周面に放熱フィンを設けるようにすると一層放
熱効果が向上する。
【0039】また、第3電極板14より延出する端子と
モータ駆動回路50の入力側の一方の端子との間に第1
PTC素子11または第2PTC素子12に接触してバ
イメタルスイッチを付加するようにしてもよい。この場
合、第1PTC素子11または第2PTC素子12が常
温より高い温度になるとオン動作し、常温に低下すると
オフ動作するようなバイメタルスイッチを用いるように
すればよい。このようなバイメタルスイッチを用いる
と、第1PTC素子11および第2PTC素子12が常
温になるまでモータ60が回転駆動するので、温度上昇
した第1PTC素子11および第2PTC素子12の温
度を短時間で常温まで低下させることが可能となる。
【0040】また、本発明の限流装置10は上述の実施
の形態に限定されものではなく、例えば、サイリスタ装
置の保護用として用いることができるもできるし、ある
いは低圧ネットワーク配電用の限流ヒューズの代わりに
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の限流装置を送配電系統の電路に直接
接続する一例を示す図である。
【図2】 本発明の限流装置を自冷にするための概略構
成を示す図である。
【図3】 本発明のPTC素子の温度−比抵抗特性を示
す図である。
【符号の説明】
10…限流装置、11,12…PTC素子(正の抵抗温
度係数を有する素子)、13,14,15…電極板、2
0…交流電源、30…負荷、40…遮断器、50…モー
タ駆動回路(駆動回路)、60…モータ、61…ファン
(冷却手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の温度になると急激にその抵抗値が
    増大する正の抵抗温度係数を有するPTC素子を電路に
    備えて同電路に流れる過電流を抑制するとともに温度上
    昇した同PTC素子を冷却するPTC素子を用いた自冷
    式限流装置であって、 前記PTC素子に冷却媒体の流通路を形成するとともに
    同PTC素子に流れる電流を同PTC素子より分岐して
    取り出す一対の分岐端子を形成し、 前記冷却媒体を前記流通路に向けて送り込む冷却手段
    と、 前記一対の分岐端子間に電流が流れることにより生じる
    抵抗電圧降下に基づく降下電圧が所定の電圧以上になる
    と前記冷却手段を駆動する駆動回路とを備えるようにし
    たことを特徴とするPTC素子を用いた自冷式限流装
    置。
  2. 【請求項2】 前記電路に流れる正常時の負荷電流をI
    Sとし、このときの前記分岐端子間の抵抗値をrとし、
    前記電路に流れる異常時の過電流をIMAXとし、このと
    きの前記分岐端子間の抵抗値をRとした場合、前記所定
    の電圧VはR×IMAX>>R×IS≧V>>r×ISの関
    係式を満足するように設定したことを特徴とする請求項
    1に記載のPTC素子を用いた自冷式限流装置。
  3. 【請求項3】 前記PTC素子に形成した流通路は同P
    TC素子をハニカム構造に形成した貫通孔であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載のPTC素子
    を用いた自冷式限流装置。
  4. 【請求項4】 前記PTC素子は常温抵抗率が小さくか
    つ常温抵抗率に対する抵抗上昇率が2〜3桁であるV2
    3−Cr23セラミックスであることを特徴とする請
    求項3に記載のPTC素子を用いた自冷式限流装置。
JP29423096A 1996-11-06 1996-11-06 Ptc素子を用いた自冷式限流装置 Pending JPH10145964A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29423096A JPH10145964A (ja) 1996-11-06 1996-11-06 Ptc素子を用いた自冷式限流装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29423096A JPH10145964A (ja) 1996-11-06 1996-11-06 Ptc素子を用いた自冷式限流装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10145964A true JPH10145964A (ja) 1998-05-29

Family

ID=17805033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29423096A Pending JPH10145964A (ja) 1996-11-06 1996-11-06 Ptc素子を用いた自冷式限流装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10145964A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6021645B2 (ja) * 2010-12-16 2016-11-09 Littelfuseジャパン合同会社 保護デバイス

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6021645B2 (ja) * 2010-12-16 2016-11-09 Littelfuseジャパン合同会社 保護デバイス
US9960000B2 (en) 2010-12-16 2018-05-01 Littelfuse Japan G.K. Protective device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5471035A (en) Sandwich construction for current limiting positive temperature coefficient protective device
US5153805A (en) Temperature-compensated thermal protector
CA2085202C (en) Positive temperature coefficient start winding protection
US4459632A (en) Voltage-limiting circuit
US3697863A (en) Overcurrent protection system and sensor used therewith
KR100697923B1 (ko) 바리스터 일체형 ptc 소자
GB1604111A (en) Overload prevention circuit for an electric motor
JPH10145964A (ja) Ptc素子を用いた自冷式限流装置
NZ197765A (en) Electric blanket safety circuit
US3280373A (en) Over-temperature protection system having means for simulating the temperature rise rate of a dynamoelectric machine and winding
US3646396A (en) Overload protection system for dc motors
EP0304196B1 (en) Electric motor armature current control circuit
JPH09233687A (ja) 中性点接地方式
US20060291821A1 (en) Series resistor assembly for an electric motor, circuit arrangement comprising a series resistor assembly for operating an electric motor and use of said assembly
JPH1197215A (ja) バリスタおよびバリスタ内蔵電源装置
JPH10136558A (ja) Ptc素子を用いた限流装置
JPH10136559A (ja) Ptc素子を用いた限流装置
US3205405A (en) Over-temperature protection system for a dynamoelectric machine
JPH10136560A (ja) Ptc素子を用いた限流装置
JPH09233686A (ja) 電力系統の保護装置
JP3797629B2 (ja) 限流型遮断器
JPH10271667A (ja) 限流器および配線用遮断器
KR100713341B1 (ko) 정전압 유지 및 과전류 차단 기능을 구비한 회로보호장치
EP1605592A2 (en) Improvement in a TRIAC protection circuit
JPH02269413A (ja) 限流器