JPH10271667A - 限流器および配線用遮断器 - Google Patents

限流器および配線用遮断器

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JPH10271667A
JPH10271667A JP7403397A JP7403397A JPH10271667A JP H10271667 A JPH10271667 A JP H10271667A JP 7403397 A JP7403397 A JP 7403397A JP 7403397 A JP7403397 A JP 7403397A JP H10271667 A JPH10271667 A JP H10271667A
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current
ptc element
capacitor
varistor
circuit
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Makoto Tani
信 谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PTC素子により過電流を急激に限流する際
のサージ電圧の発生を抑制した信頼性に優れる限流器、
およびこの限流器を用いた小型で遮断容量の増大した配
線用遮断器を提供する。 【解決手段】 電力供給ケーブル54X・54Y・54
Zと配線用遮断器50との間にPTC素子31を具備す
る限流器を挿入し、PTC素子31と並列となるように
サージバイパス素子としてコンデンサ34および/また
はバリスタを接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、構内配線系統等
の電路に流れる短絡電流等の過大な電流から構内配線系
統あるいは構内配線系統等に配設された電力機器を保護
するための限流器および配線用遮断器に関し、さらに詳
しくは、PTC素子とPTC素子に対して並列に接続さ
れたコンデンサおよび/またはバリスタにより、PTC
素子の相転移温度における抵抗値の急上昇にともなうサ
ージ電圧の発生を抑制してPTC素子の急発熱による限
流器の焼付きやPTC素子の絶縁破壊を回避した限流器
および配線用遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】 一つの電源(コンセント)に多数の機
器を接続して同時に作動させたり、多くの電流を消費す
る加熱機器等の電気製品を同時に運転させたりした場合
に、「ブレーカが落ちる」とうことは日常よく経験する
ことである。このようなブレーカによる電流の遮断は、
定格容量以上の過負荷電流あるいは短絡事故や漏電によ
る過電流等から構内配線系統を保護するためのものであ
る。このようなブレーカは正式には、配線用遮断器(M
olded Case Circuit Breake
r:以下、MCCBと略す)と呼ばれ、電源側と負荷側
との構内配線系統の間に挿入、接続されて用いられてい
る。
【0003】 このMCCBの構造は、一般的に電路の
開閉遮断を行う開閉機構と、定格電流よりも大きな電流
に対して電流値に応じて自動的に電路の開閉遮断を行う
引き外し装置とが絶縁容器内に組み込まれ、この絶縁容
器外部に、これらの電流遮断機構と通ずる電力供給側端
子、および負荷接続側端子が設けられたものとなってい
る。なお、ここでいう電路とは、MCCB内における電
力供給側端子と負荷接続側端子との間の配線路をいう。
【0004】 このようなMCCBの電流遮断容量を増
大させるために、MCCB自体の引き外し機構はそのま
まにして、電路に流れる過電流を限流する装置をMCC
Bに取り付けることによって、MCCBの実質的な電流
遮断容量を増大させる試みがなされている。このような
限流装置としては、電磁反発機構、限流ヒューズ、PT
C抵抗素子等が検討されている。
【0005】 たとえば、特開平4−351825号公
報には、PTC素子を用いた限流器が提案されている。
PTC素子は、PTC素子を構成する材料により定まる
所定の温度(相転移温度)以上にPTC素子が加熱され
た場合に、急激に抵抗値が上昇して、電流を制限するも
のである。したがって、このPTC素子を用いた限流器
によれば、過負荷電流や過電流によってPTC素子には
PTC素子の抵抗成分に起因するジュール熱が発生し、
この発生した熱によりMCCB内の開閉機構を作動させ
て過電流が遮断される。したがって、PTC素子が高抵
抗となることにより、短絡電流が限流されるために、遮
断電流容量の小さいMCCBで実用上、遮断電流容量を
高容量化することができる利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この
ようにPTC素子を用いた場合には、図4に示されるよ
うに、PTC素子が過電流により相転移温度に到達し
て、急激に抵抗値が増大して、限流を制限する瞬間に、
PTC素子にかかる電圧もまた急激に増大して、その大
きさは電源電圧の5〜10倍にも達していることがわか
る。このような急激な大電圧の発生はサージと言われ、
このサージ電圧はPTC素子に絶縁破壊という損傷をも
たらして電路の電流の遮断を行えなくしたり、PTC素
子の温度を急激に上昇させて限流器を焼付かせたりする
等の事故の原因となる。
【0007】 電源から負荷までの配線は、配線の太さ
や長さに応じたインピーーダンスを持っており、短絡事
故時の電流は、この配線インピーダンスと電源電圧とか
ら定まる。JIS−C8370は、MCCBの短絡遮断
試験回路定数として、適用する配線インピーダンスを遮
断容量に応じて規定している。
【0008】 一般に、短絡電流の小さな配線のインピ
ーダンスは抵抗性であるのに対して、短絡電流の大きな
配線のインピーダンスはインダクタンス性である。この
ため、PTC素子を使用してMCCBの遮断容量を増大
させる場合には、配線インピーダンスは、インダクタン
ス性であり、PTC素子が急激に抵抗を増加して過電流
を限流しようとすると、インダクタンスの作用により電
流の減少を妨げるように、サージ電圧が発生する。
【0009】
【課題を解決するための手段】 そこで、本発明者はこ
のPTC素子の限流作用にともなうサージ電圧の発生を
抑制し、より信頼性の高い限流器および配線遮断器を提
供すべく検討を行い、本発明に到達した。すなわち、本
発明によれば、所定の相転移温度になると急激にその抵
抗値が増大する正の抵抗温度係数を有するPTC素子を
電路に備えて、該電路に過電流が流れることにより、当
該PTC素子の温度が上昇してその温度が当該所定の相
転移温度に至ると急激にその抵抗値が増大して過電流を
抑制するPTC素子を用いた限流器であって、前記PT
C素子に対して、コンデンサおよび/またはバリスタを
並列接続したことを特徴とする限流器、が提供される。
【0010】 ここで、前記コンデンサとしては、配線
の短絡インダクタンスをL、前記PTC素子の限流抵抗
をRとしたときに、前記コンデンサの静電容量Cが、
0.1L/R2<C<10L/R2の範囲にあるものが好
適に使用される。また、前記バリスタとしては、所定の
バリスタ電流以下ではほぼ一定のバリスタ電圧を発生
し、当該バリスタ電圧が前記限流器を取付ける配線用遮
断器の定格電圧の1〜2倍であって、バリスタ電流が当
該配線用遮断器の遮断容量以上であるものが好適に使用
される。
【0011】 さらに、本発明によれば、電路に短絡電
流等の過電流が流れると、温度が上昇してその温度が所
定の相転移温度に達すると急激にその抵抗値が増大して
当該過電流を限流するPTC素子と、当該PTC素子に
対してコンデンサおよび/またはバリスタが並列に接続
された限流器を備えたことを特徴とする配線用遮断器、
が提供される。
【0012】 ここで、この配線用遮断器に備えられる
限流器として、上述したコンデンサあるいはバリスタを
具備した限流器を使用することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】 上述した本発明による限流器お
よび限流器を用いたMCCBにおいては、PTC素子が
相転移温度へ到達して限流を開始するときに発生するサ
ージ電圧の発生を抑制することができ、したがって、P
TC素子の絶縁破壊や焼付きによる限流器の故障を回避
できる。また、このようなPTC素子の限流作用によ
り、低容量のMCCBを大型化することなく大容量化、
すなわち最大電流遮断容量を大きくすることが可能とな
る。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照し
ながら説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定さ
れるものではない。
【0014】 図1は、本発明の限流器30の基本構造
の一実施形態を示す斜視図である。限流器30は、平板
状に形成したPTC素子31の平板面が、長手平板形の
端子板32および33に挟まれるようにして接続されて
導電路が形成されている。
【0015】 一般的に、PTC素子31の抵抗値はそ
の断面積に比例して小さくなり、その長さに反比例して
小さくなることから、PTC素子31の抵抗値を小さく
するためには、電流の流れる断面積を大きくし、その長
さを短くすることが好ましい。また、PTC素子31の
通常の使用状態における温度から相転移温度までの温度
上昇速度を大きくするためには、PTC素子31の体積
が小さいことが好ましい。したがって、PTC素子31
は薄板状に形成することが好ましく、逆に、PTC素子
31の体積が小さい場合には抵抗値も小さくなるので、
限流効果を大きくするには、相転移温度における抵抗上
昇率の大きいことが好ましい。さらに、PTC素子31
は、通常の使用条件における温度における抵抗率(ρ)
が小さく、相転移温度(Tc)における抵抗上昇率が大
きいことが好ましい。
【0016】 このようなPTC素子として、本発明に
おいては、室温抵抗率が約10〜100mΩ・cm、相
転移温度が200℃〜260℃であって、その相転移温
度における抵抗上昇率が約1000倍以上であるクリス
トバライト系複合セラミックスや、室温抵抗率が約1〜
10mΩ・cm、相転移温度が約60℃〜150℃であ
って、相転移温度における抵抗上昇率が約1000倍以
上の特性を有する酸化バナジウム(V23)−酸化クロ
ム(Cr23)系セラミックスが好適に用いられる。
【0017】 その他のPTC素子としては、チタン酸
鉛(PbTiO3)セラミックス、チタン酸バリウム
(BaTiO3)セラミックス、チタン酸ビスマス(B
iTiO3)セラミックスあるいはこれらの固溶体を用
いてもよい。さらに、ポリエチレン−カーボン系複合材
料やポリオレフィン−カーボン系複合材料からなるPT
C素子を用いることも可能である。
【0018】 次に、長手板状に形成された端子板3
2、33は、たとえば、銅、アルミニウム、ステンレス
等の導電性が良好な金属材料が用いられる。これらの端
子板32、33は、薄板状に形成したPTC素子31の
平板面に重ね合わされるようにして導電性接着剤等によ
りPTC素子31と接続されるか、またはPTC素子3
1をメタライズして金属ロウ付けあるいは溶接等により
固着されて電気的に接続される。したがって、電流が流
れるPTC素子31の断面積が大きく、その距離が短い
ので、PTC素子31は抵抗値が小さくなり、電力損失
の低下を防止することができる。さらに、概して端子板
32、33に使用される良導電性金属は熱伝達性にも優
れていることから、定常電流によってPTC素子31に
発生した熱を放熱する役割をも果たす。なお、端子板3
2、33にはMCCBや配線との接続に利用される取付
孔32A、33Aが設けられている。
【0019】 このような限流器30のPTC素子31
に対して図3の回路図に示すようにサージバイパス素子
として、コンデンサ34が並列に接続される。このコン
デンサ34は、商用周波数ではほとんど電流を流さない
が、PTC素子31の限流にともなうサージ電圧の発生
が起こった場合には、この急激な電圧変化に対して電気
を流す性質を有する。したがって、コンデンサ34は、
抵抗と同様な働きを示し、サージ電圧の一部がコンデン
サ34にかかるようになるので、PTC素子31自体に
かかるサージ電圧が低減され、PTC素子34の絶縁破
壊やサージ電圧による急発熱を抑制することができる。
【0020】 コンデンサ34としては、PTC素子3
1との電気回路的整合をとるために、配線の短絡インダ
クタンスをL、PTC素子31の限流抵抗をRとしたと
きに、前記コンデンサの静電容量Cが、0.1L/R2
<C<10L/R2の範囲にあるものが好適に使用され
る。具体的には、コンデンサ34の容量としては0.0
1〜100μFのものが好適に用いられる。コンデンサ
34の形状や材質は特に限定されない。
【0021】 また、本発明においては、コンデンサ3
4の代わりにサージバイパス素子としてバリスタを使用
することができる。バリスタは、通常の状態では高抵抗
であり、ほとんど電流を流さない絶縁体であるが、ある
臨界電圧以上では電流を流すようになる性質を有するこ
とから、PTC素子31による限流にともなうサージ電
圧に対して、前述したコンデンサ34と同等に機能す
る。本発明の場合には、前記バリスタとしては、所定の
バリスタ電流以下ではほぼ一定のバリスタ電圧を発生
し、当該バリスタ電圧が前記限流器を取付ける配線用遮
断器の定格電圧の1〜2倍であって、バリスタ電流が当
該配線用遮断器の遮断容量以上であるものが好適に使用
される。
【0022】 図2は限流器30に、サージバイパス素
子としてコンデンサ34を取付たものを、三相型のMC
CB50に接続した状態の外形を示す平面図である。M
CCB50は電路に接続される主接点、主接点を開閉す
る開閉機構、主接点の開極時に発生するアークを消弧す
るための消弧室、過負荷電流または短絡電流等の過電流
に対して開閉機構を釈放して主接点を引き外す引き外し
装置を内蔵し、開閉機構を動作させて主接点を電路に接
続する操作スイッチ51と、このMCCB50を電源側
の電路に接続する電源側端子52X、52Y、52Z
と、MCCB50を負荷側の電路に接続する負荷側端子
53X、53Y、53Zとを備えている。なお、54
X、54Y、54Zは電力供給ケーブルであり、55
X、55Y、55Zは負荷配線ケーブルである。
【0023】 限流器30のMCCBへの接続は、たと
えば、電力供給ケーブル54Zの場合、上述した限流器
30の端子板33の取付孔33AをMCCB50の電源
側端子52Zに取付けてネジ止めし、次いで、限流器3
0の各端子板32の取付孔32Aにおいて、電源側の電
力供給ケーブル54Zをネジ止めして行われる。同様の
接続を電力供給ケーブル54X、54YとMCCB50
の電源側端子52X、52Yのそれぞれについて行うこ
とにより、電力供給ケーブル54X、54Y、54Zが
各限流器30を介してMCCB50に接続される。一
方、負荷側端子53X、53Y、53Zに負荷配線ケー
ブルを相毎に接続する。これにより各相毎に限流器30
を備えたMCCB50が配線に接続されることになる。
【0024】 そして、コンデンサ34は、PTC素子
31と並列に接続されるように、コンデンサ34の端子
35、36が、それぞれ限流器の端子板33、32と接
続される。このときのPTC素子31とコンデンサ34
との結線の状態を図3の回路図に示す。なお、コンデン
サ34の代わりにバリスタを用いた場合も図3と同様の
回路構成となる。
【0025】 次に、上記の通りに各相毎に限流器30
を取付けたMCCB50の動作について説明する。ま
ず、正常時、すなわち定格電流が流れる場合の動作につ
いては、操作スイッチ51を操作して開閉機構を動作さ
せて主接点を電路に投入すると、電源の電力が限流器3
0およびMCCB50を通して負荷に供給され、この電
路に定格電流が流れるようになる。このとき、限流器3
0のPTC素子板31の抵抗値は小さいために電力損失
をほとんど伴うことなく負荷に電力が供給される。そし
て、このときにPTC素子31に発生するジュール熱は
たいへん小さく、端子板32、33を介して放熱され
る。
【0026】 これに対して、電路に短絡電流等の過電
流が流れた場合、PTC素子31が瞬時に発熱して限流
を開始するように設計される。このPTC素子31によ
る過電流の限流が起こる際、PTC素子の抵抗が急激に
増加しても、配線のインダクタンスにより電流は瞬時に
は減少しないが、過電流はPTC素子31に並列に接続
したコンデンサ34あるいはバリスタをバイパスして流
れて、PTC素子31へのサージ電圧発生が抑制され、
PTC素子31の絶縁破壊や急発熱が防止される。イン
ダクタンスによる電流維持作用は、短時間で終わるの
で、次第に過電流は限流される。そして、0.02秒以
内にはMCCB50の瞬時引き外し機構が作動して電路
を遮断して過電流が流れなくなる。したがって、限流器
30が作動することで、限流後の電流値がMCCB50
の定格電流値の10倍程度以上、最大遮断容量以下とな
ればよいようにPTC素子31の特性を設計することに
より、MCCB50の電流遮断容量を大きくすることが
できる。
【0027】 以上、本発明の限流器およびこの限流器
を用いたMCCBの実施形態について説明してきたが、
本発明はこのような実施形態に限定されず、本発明の趣
旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が加えられるもので
あることが理解されるべきである。たとえば、本発明に
おけるPTC素子の形状は、円形や多角形の板であって
もよいし、楕円円筒や多角形円筒であってもかまわず、
これらPTC素子等の形状に応じて、端子板や放熱体の
形状を適宜変更できることはいうまでもない。また、抵
抗の小さいPTC素子であれば、ブロック状のものも用
いることが可能である。さらに、PTC素子と並列に接
続するコンデンサおよび/またはバリスタは複数を同時
に用いてもよく、それらのMCCBへの取付けについて
も、絶縁セラミック体にコンデンサ等を固定し、そのコ
ンデンサ等のリード線を絶縁セラミック体に設けられた
電極端子に接続したコンデンサ部品等を使用することに
よって取付工事の作業性を向上させることも可能であ
る。
【0028】
【実施例】 以下、実施例により本発明をより詳細に説
明する。表1に実施例1、2および比較例のそれぞれの
限流器において使用したサージバイパス素子およびPT
C素子の特性、形状等について示した。サージバイパス
素子として、実施例1ではコンデンサを、実施例2では
バリスタをそれぞれPTC素子と並列となるように電気
的に接続して限流器を構成し、サージバイパス素子を使
用しない限流器を比較例とした。これらの限流器を用い
て、表1に示したMCCBに接続して、表1に示した試
験回路において、JIS−8370に基づいた短絡電流
遮断試験を行った。
【0029】
【表1】
【0030】 試験結果を表2に示す。サージバイパス
素子を用いた本発明の実施例1、2においては、MCC
Bを通過する最大通過電流は、125kAから48kA
にまで限流されてMCCBにより良好に遮断された。ま
た、サージバイパス素子としてコンデンサを使用した実
施例1ではサージ電圧は発生せず、電流遮断時のPTC
素子温度は340℃であった。さらに、試験後のPTC
素子の状態を観察したが、異常は観られなかった。同様
に、サージバイパス素子としてバリスタを用いた実施例
2においても、サージ電圧は電源電圧程度と小さく、こ
の程度の電圧の発生は回路に問題を起こさない程度のも
のであり、また、PTC素子の温度や試験後の状態も、
実施例1と同等であった。
【0031】 これに対し、サージバイパス素子を使用
しない比較例においては、MCCBを通過する最大通過
電流は、125kAから48kAにまで限流されてMC
CBにより遮断されたものの、電源電圧の約6倍のサー
ジ電圧が発生してPTC素子温度も600℃にまで上昇
し、電流遮断後のPTC素子には、PTC素子と電極と
の間にクラックの発生が認められた。
【0032】 このように、コンデンサあるいはバリス
タといったサージバイパス素子をPTC素子に並列に接
続することにより、サージ電圧の発生と、サージ電圧に
よるPTC素子の急発熱が防がれ、限流器自体も保護さ
れた。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】 上述の通り、本発明の限流器および配
線用遮断器によれば、PTC素子と並行にコンデンサお
よび/またはバリスタが接続されているので、PTC素
子が過電流によって相転移温度へ到達し、抵抗値が急上
昇した場合に発生するサージ電圧が抑制され、PTC素
子の絶縁破壊や急激な温度上昇による焼け付きが防止で
きる。また、PTC素子を用いることによって、電路に
短絡電流等の過電流が流れると、PTC素子が瞬時に相
転移温度に到達して限流されるために、MCCBの遮断
電流容量が増大する。したがって、小容量のMCCBを
用いても大容量のMCCBを用いた場合と同様の電流遮
断効果が得られるので、MCCBの設置コストを大幅に
低減させることが可能であり、また、部品の交換等の必
要もほとんどないために、保守性に優れる利点を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の限流器の実施形態を示す斜視図であ
る。
【図2】 本発明の限流器を配線用遮断器(MCCB)
に取付けた例を示す平面図である。
【図3】 本発明の限流器を配線用遮断器(MCCB)
に取付けた場合の配線回路図である。
【図4】 従来のPTC素子を用いた限流器の作動特性
を示す説明図である。
【符号の説明】
30…限流器、31…PTC素子、32…端子板、32
A…取付孔、33…端子板、33A…取付孔、34…コ
ンデンサ、35…端子、36…端子、50…MCCB、
51…操作スイッチ、52X/52Y/52Z…電源側
端子、53X/53Y/53Z…負荷側端子、54X/
54Y/54Z…三相電力供給ケーブル、55X/55
Y/55Z…負荷配線ケーブル。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の相転移温度になると急激にその抵
    抗値が増大する正の抵抗温度係数を有するPTC素子を
    電路に備えて、該電路に過電流が流れることにより、当
    該PTC素子の温度が上昇してその温度が当該所定の相
    転移温度に至ると急激にその抵抗値が増大して過電流を
    抑制するPTC素子を用いた限流器であって、 前記PTC素子に対して、コンデンサおよび/またはバ
    リスタを並列に接続することを特徴とする限流器。
  2. 【請求項2】 配線の短絡インダクタンスをL、前記P
    TC素子の限流抵抗をRとしたときに、前記コンデンサ
    の静電容量Cが、0.1L/R2<C<10L/R2の範
    囲にあることを特徴とする請求項1記載の限流器。
  3. 【請求項3】 前記バリスタが、所定のバリスタ電流以
    下ではほぼ一定のバリスタ電圧を発生し、当該バリスタ
    電圧が前記限流器を取付ける配線用遮断器の定格電圧の
    1〜2倍であって、バリスタ電流が当該配線用遮断器の
    遮断容量以上であることを特徴とする請求項1記載の限
    流器。
  4. 【請求項4】 電路に短絡電流等の過電流が流れると、
    温度が上昇してその温度が所定の相転移温度に達すると
    急激にその抵抗値が増大して当該過電流を限流するPT
    C素子と、当該PTC素子に対してコンデンサおよび/
    またはバリスタが並列に接続された限流器を備えたこと
    を特徴とする配線用遮断器。
  5. 【請求項5】 前記配線用遮断器に備えられる限流器
    が、請求項1から3のいずれかに記載の限流器であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の配線用遮断器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009043421A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Tdk-Lambda Corp 配線用遮断器
JP2013256271A (ja) * 2012-06-13 2013-12-26 Kano:Kk 発電及び振動緩和装置
CN106205912A (zh) * 2016-07-25 2016-12-07 上海长园维安电子线路保护有限公司 一种新型并联结构过流保护元件

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