JPH1014528A - 新規ペースト状食品素材の製造方法 - Google Patents

新規ペースト状食品素材の製造方法

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JPH1014528A
JPH1014528A JP8189941A JP18994196A JPH1014528A JP H1014528 A JPH1014528 A JP H1014528A JP 8189941 A JP8189941 A JP 8189941A JP 18994196 A JP18994196 A JP 18994196A JP H1014528 A JPH1014528 A JP H1014528A
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Katsutoshi Yamazaki
勝利 山崎
Takahiko Soeda
孝彦 添田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 鶏などの家禽や魚類等の動物骨原料ペースト
状食品素材を製造する際に使用原料の変動や製造時の熱
の発生等による品質の劣化のない、品質の安定した、か
つ、ゲル性の高い高品質のペースト状食品素材を得る方
法の提供。 【解決手段】 魚類、甲殻類、家畜類又は家禽類の骨、
頭、甲殻などの動物骨原料を磨砕してペースト状食品素
材を製造するに当たり、該磨砕の際に動物骨原料に予め
トランスグルタミナーゼを添加し、作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランスグルタミ
ナーゼを用いた新規のペースト状食品素材の製造方法に
関する。より詳細には、動物骨原料を磨砕してペースト
状食品素材を製造する際に、当該動物骨原料にトランス
グルタミナーゼを添加して作用せしめる新規のペースト
状食品素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食の多様化に伴い、洋風化の傾向
の中で栄養成分の摂取の片寄りがみられる。カルシウム
の場合、成人1日1人の摂取量は600mg必要とされ
ているが、実際には500〜550mgの摂取量であ
る。そのために、カルシウム摂取不足による骨そしょう
症等の現象がみられ、これの対策としてカルシウムを強
化した食品、飲料なども多種類提案され、飲食されては
いるものの、カルシウムが多く含まれ、これを容易に摂
取できるようなさらなる種類の食品の開発が望まれてい
る。
【0003】一方、鶏などの家禽類は、これを脱羽して
種々の部位の肉を取り除いた後の残渣として、例えば、
1羽の鶏からその体重の約50%にも達する頭、頸、
胴、脚などの部位の骨が鳥ガラとして大量に排出されて
いる。それらの一部は、磨砕加工あるいは抽出加工をし
て、惣菜のハンバーグ、コロッケなどの材料として利用
されたり、カルシウムの原料として加工されているが、
大部分はフィシュミール(魚粉)などの飼料や肥料に配
合して利用されている。そこで、大量に発生するガラを
適当な処理をして人の摂取するカルシウム源などとして
の機能を高め、高付加価値の商品とすることには大きな
意義がある。
【0004】さて、従来、動物骨原料を食品用として活
用した例としては、魚類に関するものが知られている。
例えば、魚肉すり身製造時に残渣として、中骨、頭、
皮、内蔵等が多量に排出されるが、これらを骨ごとチョ
ッパーにかけて微細化し、さらに、スーパーマスコロイ
ダーにかけて超微粒子のペースト状にしたものを利用し
た食品の製造法がある(特開昭60−259163号公
報)。また、魚類の中骨をコミトロールで微細化して、
さらに、マスコロイダーで超微粒子にしたペースト状の
魚骨ペースト食品の製法(特開平4−190768号公
報)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】鶏や魚などの動物骨原
料からカルシウムに富むペースト状食品素材を製造する
際、使用原料の変動や、製造時の熱の発生による品質の
劣化があり、従来法では、品質の安定した、カルシウム
に富んだ、かつ、ゲル性の高い高品質のペースト状食品
素材が得られないということが大きな課題となってい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究の結果、原料となる魚類の中骨な
どの骨原料を湿式粉砕機で微細化し、さらに、湿式磨砕
機で超微粒子にしてペースト状物にする際に、骨原料を
微細化する工程でトランスグルタミナーゼを添加して、
その酵素作用を活用することにより、前記の課題の解決
されることを見い出し、このような知見に基いて本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、魚類、甲殻類、家畜
類又は家禽類の骨、頭、甲殻などの動物骨原料を磨砕し
てペースト状食品素材を製造する方法であって、該磨砕
の際にトランスグルタミナーゼを添加し、作用せしめる
ことを特徴とする新規ペースト状食品素材の製造方法に
関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】先ず、本発明のペースト状食品素材を製造
する動物骨原料について説明する。
【0010】魚類の動物骨原料としては、例えば、冷凍
すり身工場で、魚体から魚肉すり身を製造するときに発
生する頭、中骨などの残滓を挙げることができる。ま
た、水産食品工場で、イワシ、サバなどの回遊性多獲魚
種を加工して缶詰などを製造するときに生ずる同様の残
滓も、動物骨原料の例である。また、魚体を食用に解体
するときに生ずる、不可食部分(骨、あらなど)を原料
とするスクラップミール、あるいは荒粕とよばれるもの
も、動物骨原料とすることができる。
【0011】甲殻類の動物骨原料としては、カニ、エビ
などの甲殻類から缶詰やむきエビなどに加工するために
肉を取り除いた残滓である殻を挙げることができる。
【0012】家畜類の解体処理は、普通、と殺(放
血)、剥皮及び採肉の順で行われるが、家畜類の動物骨
原料としては、例えば家兎などの小型家畜類の解体処理
時に生ずる、採肉後に残る骨を挙げることができる。
【0013】食鶏などの家禽類の解体処理は、普通、と
殺(放血)、湯漬、脱羽、採肉及び冷却の5工程からな
るが、家禽類の動物骨原料としては、このような解体処
理時に生ずる、採肉後に残る骨(ガラ)を挙げることが
できる。
【0014】上記の動物骨原料の磨砕は、これには特別
の制限はなく、通常の磨砕設備を使用して行うことがで
きる。例えば、動物骨原料を湿式粉砕機「コミトロー
ル」(独アーシェル社製)などで微細化し、さらに湿式
磨砕機「マスコロイダー」(増幸産業(株)社製)など
で超微粒子化することで行うことができる。また、動物
骨原料をクラッシャーで解砕し、圧縮機のローラで押し
つぶして良く混練(磨砕)することでも行うことができ
る。あるいはまた、各種の湿式粉砕機、湿式磨砕機など
を適宜使用して行うことができる。因みに、チキンペー
ストなどのペースト状食品素材の磨砕は、最初に粉砕、
解砕などにより微細化し、次いでいわゆる磨砕(狭義の
磨砕)により超微粒子化する2段処理により行われるこ
とが多い。本明細書においては、超微粒子化する第2段
目の処理を磨砕、最終磨砕などという他に、紛らわしく
ない場合はその前段階の微細化する第1段目の粉砕、解
砕などの処理と第2段目の処理の両者を併せて磨砕とい
うことがある。
【0015】最終磨砕の程度は、磨砕により得られるペ
ースト状食品素材を加工食品などに使用した場合に、こ
れによる違和感の生じない程度のものが好ましいことは
いうまでもない。
【0016】次に、本発明に用いられるトランスグルタ
ミナーゼについて説明する。
【0017】これは、蛋白質のペプチド鎖内にあるグル
タミン残基のγーカルボキシアミド基のアシル転移反応
を触媒する酵素である。このトランスグルタミナーゼが
アシル受容体として蛋白質中のリジン残基のε−アミノ
基に作用すると、蛋白質分子の分子内において及び分子
間においてε−(γ−Glu)Lys結合が形成され
る。このようなトランスグルタミナーゼの酵素作用によ
り、動物骨原料に存在する蛋白質の架橋重合化が進行
し、ゲル性の高い、かつ、高品質のチキンペースト、カ
ニペースト、イワシペースト等のペースト状食品素材を
得ることができるのである。
【0018】因みに、本発明の動物骨原料には、採肉洩
れで骨に残った肉の蛋白質や、骨自体に含まれる蛋白質
で、トランスグルタミナーゼの作用により本発明の所期
の特性や品質を示すペースト状食品素材を与える蛋白質
が存在する。
【0019】さて、トランスグルタミナーゼには、カル
シウム非依存性のものとカルシウム依存性のものとがあ
る。前者の例としては、微生物由来のもの(例えば、特
開昭64−27471号公報参照)をあげることができ
る。後者の例としては、モルモット肝臓由来のもの(特
公平1−50382号公報参照)、魚由来のもの(たと
えば、関信夫ら「日本水産学会誌」第56巻125〜1
32頁(1990)及び「平成2年度日本水産学会春期
大会講演要旨集」219頁参照)、血液中に存在する第
13因子(Factor XIII)等をあげることができる。この
他、遺伝子組み換え法により製造されるもの(特開平1
−300889及び特開平5−199883号公報参
照)等もある。そして、これらのトランスグルタミナー
ゼは、いずれのものも、用いることができ、起源及び製
法に特別の制限はない。
【0020】また、トランスグルタミナーゼの添加量
は、動物骨原料に存在する蛋白質1g当たり0.1〜3
0ユニット、好ましくは0.5〜10ユニットである。
添加量がこの範囲より少ない場合は、ペースト状食品素
材のゲル特性値が不十分である。また、前記の範囲を越
える場合は、ペースト状食品のゲル性が高くなり過ぎ、
且つ脆い食感となり過ぎるなどの不都合があり、いずれ
も、本発明の目的を充分には達成できない。
【0021】因みに、本発明でいうトランスグルタミナ
ーゼの活性単位は、次のようにして測定され、定義され
る。すなわち、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタ
ミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応
を行い、生成したヒドロキシサム酸をトリクロロ酢酸存
在下で鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測
定する。このようにして、ヒドロキシサム酸の量より検
量線を作製し、1分間に1μmolのハイドロキサメー
トを生成させる酵素量をトランスグルタミナーゼの活性
単位、1ユニットと定義する。なお、測定法の詳細は前
掲特開昭64−27471号公報を参照のこと。
【0022】次に、本発明のペースト状食品素材の製造
法そのものについて述べる。ペースト状食品素材の製造
法そのものは、トランスグルタミナーゼを添加使用する
ことを除いては特別の制限はなく、先に言及したペース
ト状食品素材の従来公知の製造法に準ずることができ
る。
【0023】そこで、トランスグルタミナーゼを動物骨
原料に添加し、作用せしめることについて説明する。
【0024】トランスグルタミナーゼの動物骨原料への
添加時期は、トランスグルタミナーゼの使用目的から、
これが動物骨原料の磨砕物全体に均質に含まれることが
好ましく、この見地から磨砕(狭義)処理に付する前の
動物骨原料に添加することの好ましいことはいうまでも
ない。そこで、例えば、動物骨原料を先ず「コミトロー
ル」などの湿式粉砕機で微細化し、「マスコロイダー」
などの湿式磨砕機で更に超微粒子化する2段処理のとき
は、第1段目の処理前にトランスグルタミナーゼを添加
するのが好ましいことはいうまでもない。
【0025】トランスグルタミナーゼの酵素作用を生ぜ
しめるには、予めトランスグルタミナーゼを添加混合し
た動物骨原料の磨砕混練物をトランスグルタミナーゼの
酵素作用の発現に適する温度、時間などの条件下に保持
する。これには、特別の工程は必ずしも必要ではなく、
例えば、前記の磨砕混練物を冷蔵または冷凍にて放置し
ておくことで、ねかし工程を兼ねてトランスグルタミナ
ーゼを作用させることができる。
【0026】本発明のペースト状食品素材のゲル性を高
めるために、先に説明した動物骨原料(主原料)に蛋白
質を添加することもできる。このような蛋白質として
は、乳蛋白、ゼラチン、コラーゲンなどの動物蛋白や大
豆蛋白などの植物蛋白やそれらの部分加水分解物を挙げ
ることができる。
【0027】本発明に用いる乳蛋白とは、カゼイン、そ
の部分加水分解物、それらの塩類、全脂粉乳、脱脂粉乳
などの乳成分組成物であり、いずれを用いてもよいが、
一般的には、カゼイン、その部分加水分解物又はそれら
のナトリウムなどの塩類が作業性などから好ましい。乳
蛋白の添加量は、主原料である動物骨原料に存在する蛋
白質1g当たり、0.001g〜0.3g、好ましくは
0.005〜0.1gである。
【0028】添加量は、前記範囲より少ない場合にはゲ
ル強度は低く、弾力が付与されず、また、前記範囲を超
える場合にはゲル強度が極めて高く、かつ脆い食感とな
り、好ましくない。
【0029】また、本発明のペースト状食品素材のゲル
強度、食感などの見地から澱粉を動物骨材料に添加する
こともできる。
【0030】このような澱粉としては、未加工のタピオ
カ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシースター
チ等の澱粉、及びこれらの澱粉を重合リン酸塩類、アセ
チル化物などで架橋したもの等の加工澱粉を挙げること
ができる。これらの澱粉は、これに特別の制限はない
が、通常、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉等が一般的に用い
られる。また、物性、食感等の面から、特にタピオカを
原料としたアセチル架橋した澱粉が最もゲル強度および
食感の点から好ましいものである。
【0031】澱粉の添加量は、所期の効果が奏され、か
つ、好ましからざる副作用の生じない範囲から選ばれ
る。
【0032】このような蛋白質および澱粉は、それぞ
れ、単独で使用することもできるし、併用することもで
きる。
【0033】動物骨原料(主原料)には、蛋白質や澱粉
の副原料を添加することができるだけでなく、本発明の
所期の目的の達成の妨げとならない範囲内で油脂分、調
味料などの副次的副原料も、所望により、添加すること
ができる。
【0034】以上を考慮して、本発明の製造方法は、例
えば、次のように実施することができる。
【0035】例えば食鶏を解体して得られる主原料の鳥
ガラ(蛋白残留量約10%)を、これに後掲のトランス
グルタミナーゼの酵素製剤「アクティバ」TG(酵素活
性は1ユニット/mg)を0.02%(蛋白質1g当た
り、2ユニット量)を添加し、クラッシャーにて解砕す
る。これを更に圧縮機のローラで押しつぶして良く磨砕
する。この磨砕物は、室温で10〜120分、好ましく
は30〜60分放置することでトランスグルタミナーゼ
の酵素作用を発現させる。
【0036】この場合、ゲル性の更に高い、高品質のも
のを得るには、カゼイン類を動物骨原料に対して、その
蛋白1g当たり0.001〜0.3g好ましくは0.0
05〜0.1g添加するとよい。この時、室温が上がり
過ぎないように温度コントロールを行い、混練物(磨砕
物)は室温で30〜60分放置してトランスグルタミナ
ーゼを作用させる。
【0037】トランスグルタミナーゼの酵素作用を発現
させた磨砕物は、冷凍用カートンに充填し、直ちに冷凍
してチキンペースト状食品素材の冷凍製品を得る。
【0038】ミンチ様のタイプについては、鶏の胴及び
頸のガラを、これにトランスグルタミナーゼを添加して
クラッシャーで解砕した後に、常温で10〜180分、
好ましくは30〜60分放置する、いわゆるねかし工程
中にトランスグルタミナーゼを作用させる。または、冷
蔵庫内に1夜放置してトランスグルタミナーゼを作用さ
せる。トランスグルタミナーゼを作用させた解砕物は、
5mmのチョッパーに通し、さらに3mmのチョッパー
を通過した部分を、スーパーマスコロイダーにて磨砕
し、チキンペースト状食品素材が得られる。このもの
は、袋詰を行い−25℃の冷凍で保管して冷凍製品とす
ることができる。
【0039】鳥ガラ、魚の中骨等の動物骨原料を磨砕し
たものに所望の副原料を使用したペースト状食品素材
は、従来知られているが、本発明者は、このようなペー
スト状食品素材において、本発明によるようなトランス
グルタミナーゼを使用した例は知らない。
【0040】本発明に係わる新規のペースト状食品素材
は用途が広く、従来のペースト状食品素材の用途である
ハンバーグ、コロッケなどの他にミートボールや、春
巻、焼売などの中具や、惣菜類、ソーセージ類などの加
工食品にも用いられる。
【0041】また、本発明の製造方法によれば、従来の
ものに比較して、ゲル性が高く、ゲル強度の向上したも
ので、かつ、好ましい硬さ、弾力をもった安定した品質
のペースト状食品素材が得られるので、これを材料の1
つとして使用した加工食品は、カルシウム強化食品とし
ても優れたものである。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に説明す
る。
【0043】(実施例1)廃鶏の解体処理により生じた
胴および頸のガラ10kgをトランスグルタミナーゼの
酵素製剤(味の素(株)製の「アクテイバ」TG(酵素
活性は1000ユニット/g))を、ガラに付着してい
る蛋白Ig当たり下記第1表に示す種々の量で添加し、
クラッシヤーにて解砕し、3mmのチョッパーにて処理
した。更に、スーパーマスコロイダーにて磨砕した後に
冷蔵庫内に一夜放置することでチキンペースト状食品素
材が得られた(本発明)。比較のために、トランスグル
タミナーゼを無添加とした以外は全く同様にしてペース
ト状のもの(対照)を得た。
【0044】両者を破断強度により比較評価した。な
お、破断強度の測定は不動工業(株)製のレオメーター
を用いて行った(8mm径の平板プランジャーを用い、
プランジャー速度は6cm/minとして測定)。結果
を下記第1表に示す。
【0045】
【表1】
【0046】上表から分かるように、本発明のものが破
断強度が顕著に大きく、高品質のものを与えた。
【0047】(実施例2)イワシ中骨類(背骨、頭な
ど)10kgを実施例1におけると同様に処理してイワ
シペースト状食品素材を調製した。ただし、酵素製剤の
添加量は中骨類に対して0.2%とした。なお、この時
のトランスグルタミナーゼの添加量は、中骨類に付着し
ていた蛋白質1g当たり約10ユニットであった。この
イワシペースト状食品素材を30%用いた魚肉ハンバー
グを下記第2表に示す配合に従って調製した(本発
明)。比較のために、酵素製剤を無添加とした他は全く
同様にして魚肉ハンバーグを調製した(対照)。
【0048】
【表2】
【0049】加熱処理して得られた魚肉ハンバーグの破
断強度を実施例1におけると同様の条件にて測定した。
結果を下記第3表に示す。さらに、これらの魚肉ハンバ
ーグを官能検査により評価した。官能評価は、専門パネ
ル10名による10点評価法で、10人の平均値とし、
5点を普通(対照品スコア)として行った。結果を同じ
く第3表に示す。
【0050】
【表3】
【0051】上表から分かるように、本発明のハンバー
グが対照のものに比較して、破断強度および官能評価の
いずれにおいても優れていて、好ましい食感を与える。
【0052】(実施例3)実施例1で調製した本発明品
(本発明2)および対照品のチキンペースト状食品素材
をそれぞれ用いて下記第4表に示す配合でミートボール
を試作した。
【0053】
【表4】
【0054】両者を、実施例2におけると同様の方法
で、破断強度および官能評価で比較した。結果を下記第
5表に示す。
【0055】
【表5】
【0056】上表から分かるように、本発明品は、対照
に対して破断強度は約1.5倍と高く、官能評価でも高
い評価で好まれた。
【0057】(実施例4)鶏の胴および頸のガラ10k
gに対し、カゼインナトリウム25g(日成共益(株)
製の「ミプロダン」)、タピオカ澱粉1kg(日本食品
加工(株)製の「MR−100」)および実施例1にお
けると同じトランスグルタミナーゼの酵素製剤を5g加
えて混合し、これを5mmのクラッシヤーにて解砕し、
冷蔵庫内に3時間放置した後に、5mmと3mmのクラ
ッシャーに計2回通過させたものを、さらにスーパーマ
スコロイダーにて磨砕してチキンペースト状食品素材を
調製した(本発明)。トランスグルタミナーゼを無添加
とした他は全く同様にしてチキンペースト状食品素材を
調製した(対照)。
【0058】両者を加熱処理後に破断強度を測定した。
その結果、下記第6表に示すように、本発明品は対照品
に比べて高いゲル強度を示した。
【0059】
【表6】
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、トランスグルタミナー
ゼの酵素作用を利用して、鶏や魚類などの動物骨原料か
ら、使用原料の変動や製造時の熱発生などによる品質の
変化のない、ゲル性の高い高品質のペースト状食品素
材、延いてはこれを材料とするカルシウムに富む加工食
品を容易に得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚類、甲殻類、家畜類又は家禽類の骨、
    頭、甲殻などの動物骨原料を磨砕してペースト状食品素
    材を製造する方法であって、該磨砕の際にトランスグル
    タミナーゼを添加し、作用せしめることを特徴とする新
    規ペースト状食品素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 該動物骨原料(主原料)に蛋白質または
    /および澱粉を添加することを特徴とする請求項1記載
    のペースト状食品素材の製造方法。
  3. 【請求項3】 トランスグルタミナーゼの添加量が該動
    物骨原料(主原料)の蛋白質1g当たり、0.5〜10
    ユニットであることを特徴とする請求項1または2に記
    載のペースト状食品素材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002281944A (ja) * 2001-03-29 2002-10-02 Ajinomoto Co Inc ペースト状肉の固形化方法とそれを用いた食肉加工食品
JP2007060921A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Ajinomoto Co Inc 水産練り製品又は畜肉練り製品の製造方法

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