JPH10141270A - 2段気体圧縮機 - Google Patents

2段気体圧縮機

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JPH10141270A
JPH10141270A JP29143796A JP29143796A JPH10141270A JP H10141270 A JPH10141270 A JP H10141270A JP 29143796 A JP29143796 A JP 29143796A JP 29143796 A JP29143796 A JP 29143796A JP H10141270 A JPH10141270 A JP H10141270A
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JP
Japan
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stage
suction
compression element
stage compression
low
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JP29143796A
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English (en)
Inventor
Katsuharu Fujio
勝晴 藤尾
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮比変動2段圧縮機の低段吐出圧力(中間
圧力)を制御し、圧縮効率と耐久性向上および振動低減
を図るものである。 【解決手段】 低圧縮比運転時に、低段圧縮要素7の実
質的な吸入気体容積が減少するように圧縮室の実効容積
を制御するための吸入バイパス通路94とそれを開閉す
る吸入バイパス弁開閉装置90からなる制御手段を備え
たものである。したがって、低段吐出圧力(中間圧力)
が吐出圧力に接近することを防止される。そして、低段
圧縮要素と高段圧縮要素における圧縮負荷が接近し、両
圧縮要素における圧縮入力が相殺されることによって圧
縮入力の低減が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2段気体圧縮機にお
ける低段圧縮要素の吐出圧力制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、冷凍機器分野において、低温熱源
および高温熱源確保の一環として、高圧縮比運転に適し
た冷媒圧縮機の実用化研究が盛んである。
【0003】とりわけ、圧縮室と吸入室との間の圧力差
を小さくして圧縮途中漏洩ガス量を低減して圧縮効率を
向上させた空調機用ロータリ式2段冷媒圧縮機の構成が
種々提案されている。
【0004】ロータリ式2段圧縮機においては、高段圧
縮要素の幾何学的押し退け量を低段圧縮機構のそれより
も小さくする必要がある。
【0005】その方策として、特開昭60−12899
0号公報に示されているように、ロータリ式の高段圧縮
要素のシリンダ高さを低段圧縮要素のそれよりも小さく
する方法がある。
【0006】また、実開昭58−46886号公報に示
されているように、高段ロータリ式の高段圧縮要素のロ
ーリングピストンの回転偏心量を低段圧縮要素のそれよ
りも小さくする方法もある。
【0007】さらに、特開平3−182693号公報に
示されているように、ロータリ式の高段圧縮要素の圧縮
行程を行う回転角度範囲を小さくして、低段圧縮要素よ
りも幾何学的押し退け量を小さくする方法も提案されて
いる。
【0008】すなわち、図8,図8におけるII−II
線に沿った低段圧縮要素の横断面を示す図9,図8にお
けるIV−IV線に沿った高段圧縮要素の横断面を示す
図10に示すように、密閉容器101内に電動機102
と低段圧縮要素103と高段圧縮要素104が収納され
ている。
【0009】図10に示すように、高段圧縮要素104
は高段圧縮室122に切欠溝130を設けて圧縮行程を
行う回転角度範囲が小さく設定されている。
【0010】切欠溝130は、ガス通路131を介して
低段圧縮要素103の低段吐出室127に通じている。
【0011】この構成で、吸入管132を通じて低段圧
縮室115に流入した冷媒ガスは、圧縮の後、吐出ポー
ト133の出口側を塞ぐ吐出弁(図示なし)に抗して低
段吐出室127に排出され、ガス通路131を経由して
高段圧縮要素の高段圧縮室122に流入する。切欠溝1
30の終端部がベーン120から180度進角した位置
まで延びているので、高段圧縮室122の冷媒ガスは駆
動軸106のクランク角範囲180度で圧縮開始〜圧縮
完了され、吐出ポート134から電動機102を収納す
る電動機室135に排出する。
【0012】なお、低段圧縮要素103と高段圧縮要素
104における冷媒ガス圧力は図11に示すように変化
する。
【0013】すなわち、低段圧縮要素103に吸入され
た冷媒ガス圧力PLは、実線で示すPCLに沿って変化
し、圧縮完了後、低段吐出室127にPMの中間圧力で
吐出される。
【0014】中間圧力PMで高段圧縮要素104に流入
した冷媒ガスは、実線PCHに沿って変化し、PHの吐
出圧力で電動機室135に排出する。
【0015】なお、高段圧縮室122の冷媒ガスは、ロ
ータリ式2段冷媒圧縮機に接続する冷凍サイクルの凝縮
器の出口側で減圧された気液混合冷媒が液インジェクシ
ョン管141を介して導入されることによって、冷却さ
れる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、以下に述べる重要な課題があった。
【0017】すなわち、一般の空調機用冷媒圧縮機の吸
入圧力PLと吐出圧力PHは、空調機の熱負荷や電動機
102の回転速度変化によって図12で示す吸入圧力P
LUと吐出圧力PHUのごとく、圧力変化する。
【0018】すなわち、圧縮機運転速度の増加に伴い吸
入圧力PLUが低くなる一方、吐出圧力PHUが上昇す
る。また反面、圧縮機運転速度の減少に伴い吸入圧力P
LUが高くなる一方、吐出圧力PHUが下降するので、
吸入圧力PLUに対する吐出圧力PHUの割合(圧縮
比)が小さくなるように変化する。
【0019】なお、空調機の熱負荷や電動機102の回
転速度が一定(圧縮機運転速度を2点鎖線で示す)とな
る特殊な場合は、実線で示すごとく、吸入圧力PLと吐
出圧力PHは一定状態を示す。
【0020】このように、ロータリ式2段冷媒圧縮機の
圧縮比が変動する場合は、図11の実線で示す様な圧力
変化をしない。
【0021】すなわち、図11における圧縮機運転速度
が2点鎖線で示す点から減速された場合には、破線で示
すごとく吸入圧力PLUはPLよりも高くなる一方、吐
出圧力PHUがPHより低くなる。
【0022】この時の冷媒ガスの圧縮室圧力は、図11
における破線のごとく変化する。低段ロータリ式圧縮機
構103の吸入圧力PLUが上昇しているので、吐出弁
(図示なし)が圧縮開始から早期に開き、その結果、低
段吐出圧力(中間圧力)PMUが吐出圧力PHUに近い
状態にまで上昇する。
【0023】すなわち、低段圧縮要素103の吐出弁
(図示なし)が早期に開くので、低段圧縮室115から
排出される冷媒ガス量が多くなる一方、高段圧縮室12
2のシリンダ容積が不変であることから、低段吐出圧力
(中間圧力)PMUが吐出圧力PHUに接近する。特別
な圧縮比運転時は、低段吐出圧力(中間圧力)PMUが
瞬時的に吐出圧力PHUよりも高くなって、過圧縮状態
も生じる。
【0024】この結果、高段圧縮要素104の圧縮負荷
が軽減する一方、低段圧縮要素103の圧縮負荷が増加
する形態で、両圧縮機構の圧縮トルクに大きな差が生じ
る。この結果、ロータリ式2段冷媒圧縮機の振動増加を
招くという第1の課題が生じる。
【0025】第2の課題は、高段圧縮要素104の圧縮
室圧力と吐出圧力との差圧が小さいので、電動機室13
5の潤滑油がベーン120を収納するベーン溝とベーン
120との間の摺動隙間や高段圧縮室122に差圧供給
されなくなる。この結果、ベーン120のベーン溝との
摺動耐久性やローリングピストン119との摺動耐久性
が低下する。
【0026】第3の課題は、ベーン120とローリング
ピストン119の摺動耐久性低下に伴い、圧縮室隙間の
拡大および圧縮室隙間を油膜密封するための潤滑油供給
量が不足する。その結果、圧縮途中冷媒ガス洩れが増加
し、著しい圧縮効率低下を招くという多くの課題があっ
た。
【0027】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、2段圧縮運転時の低段吐出圧力(中間圧
力)を吸入圧力と吐出圧力に応じた圧力に設定し、圧縮
比変動運転時の圧縮効率と耐久性向上および振動低減を
図ることを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、圧縮比変動運転状態に応じて、低段圧縮機
構の実質的な圧縮室容積を制御するものである。
【0029】上記低段圧縮室容積の制御によって、低段
吐出圧力(中間圧力)が吐出圧力に接近することを防止
される。そして、低段圧縮機構と高段圧縮機構における
圧縮負荷が接近し、圧縮トルク変動の低減が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、電動機
に連結する二つの圧縮要素の内の吐出弁を有する低段圧
縮要素の吐出側と高段圧縮要素の吸入側とを連通路を介
して直列接続した2段気体圧縮機において、低段圧縮要
素の吸入圧力と高段圧縮要素の吐出圧力とで定まる圧縮
比と電動機の回転速度の少なくとも一方が設定値以下の
場合に、低段圧縮要素の吸入気体容積が減少するように
圧縮室の実効容積を制御する容量制御手段を備えたもの
である。そしてこの構成によれば、低段圧縮要素から排
出される気体量が高段圧縮要素の圧縮室容積に対して著
しい過不足が生じない状態を維持される。そして、低段
圧縮要素から排出される気体圧力(中間圧力)は、高段
圧縮要素の吐出圧力と適度な圧力差を有して、低段圧縮
要素と高段圧縮要素の圧縮負荷が均衡し、相互の圧縮ト
ルクの相殺作用によって圧縮機の全体負荷を低減する。
【0031】請求項2に記載の発明は、容量制御手段
は、低段圧縮要素の圧縮室と吸入側とを連通する吸入バ
イパス通路と吸入バイパス通路を制御回路によって開閉
する吸入バイパス開閉弁装置を設け、高段圧縮要素の吐
出圧力と低段圧縮要素の吸入圧力とで定まる圧縮比と電
動機の回転速度の少なくとも一方が設定値以下の時、吸
入バイパス通路を開通せしめ、それ以外の時にバイパス
通路を遮断するように、吸入バイパス開閉弁装置を開閉
する手段を備えたものである。そしてこの構成によれ
ば、低段圧縮要素の実質的な圧縮室容積を2段階変化さ
せ、2段階の圧縮比運転モードで吸入気体容積を制御す
ることによって不要な圧縮入力を省き、圧縮機効率を向
上する。
【0032】請求項3に記載の発明は、吸入バイパス開
閉弁装置は、低段圧縮要素の圧縮室に開口するバイパス
穴と、圧縮室の側に前進した時にバイパス穴を閉塞し後
退した時にバイパス穴を開口する吸入バイパス弁と、吸
入バイパス弁の反圧縮室側の背圧付勢と解除とをすべく
吸入側流体と吐出側流体のいずれか一方の流体に切り替
えて導入するための切り替え弁と、吸入バイパス弁と切
り替え弁との間を連通する通路とで構成されたものであ
る。そしてこの構成によれば、バイパス穴が吸入バイパ
ス弁によって閉塞される時、吸入バイパス弁の反圧縮室
側背面と圧縮室との間に常時差圧が存在し、吸入バイパ
ス弁がバイパス穴を安定して閉塞するので、吸入バイパ
ス開閉弁装置の遮断性能が向上し、圧縮室への不要な気
体漏洩が阻止されて圧縮効率の低下を防ぐ。
【0033】請求項4に記載の発明は、バイパス穴を閉
塞すべく吸入バイパス弁の反圧縮室側を背圧付勢する吐
出側流体を吐出圧力が作用する潤滑油としたものであ
る。そしてこの構成によれば、バイパス穴と吸入バイパ
ス弁との間のシール部が潤滑油膜によるシール作用によ
って密封する。
【0034】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0035】図1において、アキュームレータ2を備え
た空調用のローリングピストン形ロータリ式2段圧縮機
1は、凝縮器13,第1膨張弁15,気液分離器17,
第2膨張弁19,蒸発器21を順次接続して2段圧縮2
段膨張冷凍サイクルを構成している。
【0036】ローリングピストン形ロータリ式2段圧縮
機1は、密閉容器3内の上部空間の電動機室8には電動
機5、その下部には2段圧縮機構4を配置し、その外周
部および底部が油溜35として構成されている。
【0037】2段圧縮機構4は、上部の高段圧縮要素9
と下部の低段圧縮要素7と両圧縮要素(7,9)の間に
配置された平板形状の中板36とから成る。
【0038】低段圧縮要素7の低段吐出室45と高段圧
縮要素9との間は、低段圧縮要素7と中板36とに設け
られた連通路55を介して連通している。
【0039】低段圧縮要素7の圧縮室は、制御回路99
aによって通路変更する切り替え弁98aを介してアキ
ュームレータ2の上流側と凝縮器13の上流側とに切り
替え連通可能に配管接続(破線で示す)されている。
【0040】高段圧縮要素9の圧縮室は、吐出弁(図示
なし)と高段吐出室51を介して電動機室8に通じてい
る。
【0041】連通路55は、冷媒インジェクション通路
72を介して気液分離器17の下流側に通じている。
【0042】ローリングピストン形ロータリ式2段圧縮
機1が詳描された図2と図3において、電動機5の固定
子5aは密閉容器3の内壁に焼きばめ固定されている。
【0043】低段圧縮要素7の吐出カバーA37と中板
36の外周部の数カ所(図示なし)で密閉容器3の内壁
に溶接固定されている。
【0044】高段圧縮要素9のシリンダ容積は、低段圧
縮要素7のシリンダ容積の約50%に設定されている。
【0045】高段圧縮要素9の第2のシリンダブロック
9aの上側面に取り付けられた上部軸受部材11と低段
圧縮要素7の第1のシリンダブロック7aの下側面に取
り付けられた下部軸受部材12とに支持された駆動軸6
は電動機5の回転子5bに連結固定されている。
【0046】駆動軸6の第1クランク軸6aと第2クラ
ンク軸6bは、その偏心方向が互いに180度ずらして
配置されている。
【0047】7b,9bは駆動軸6の第1クランク軸6
a,第2クランク軸6bに装着された第1ピストンおよ
び第2ピストン、39は第2ピストン9bの外周面に当
接して高段圧縮要素9のシリンダ内を吸入室と圧縮室と
に区画するベーン、41はベーン39の背面を付勢する
コイルバネである。
【0048】低段圧縮要素7にも上記と同様のベーンと
コイルバネが配置されている(図示なし)。
【0049】高段圧縮要素9のコイルバネ41の後端部
は密閉容器3の内壁に支持されている(低段圧縮要素7
も同様)。
【0050】高段圧縮要素9のベーン39の背面室B4
3は油溜35に開通している(低段圧縮要素7も同
様)。
【0051】低段圧縮要素7の吐出カバーA37は下部
軸受部材12と共に第1のシリンダブロック7aに取り
付けられて低段吐出室45を形成し、その底部は吐出室
油溜46である。
【0052】吐出室油溜46は吐出カバーA37に固定
され且つ複数の***47を有する仕切り板48によって
低段吐出室45の上部空間と区画されている。
【0053】制振鋼板を成形した吐出カバーB50は、
上部軸受部材11の外周を囲むように配置されて高段吐
出室51を形成している。
【0054】電動機5の回転子5bの端部に凹設された
消音室52は、上部軸受部材11の突出部11aの外周
を囲む吐出カバーB50の突出部50aとの間の環状通
路53を介して高段吐出室51と連通すると共に、回転
子5bのエンドリング5cの内側面と吐出カバーB50
の突出部50aとの間の環状通路54を介して密閉容器
3の内部空間に通じている。
【0055】低段吐出室45と高段圧縮要素9の吸入室
56とは、下部軸受部材12に設けられたガス通路A5
5a,第1のシリンダブロック7aに設けられたガス通
路B55b,中板36に設けられたガス通路C55cか
らなる連通路55を介して通じている。
【0056】連通路55の終端部から分岐した吐出バイ
パス通路57は高段圧縮要素9の第2のシリンダブロッ
ク9aと上部軸受部材11とに設けられた吐出バイパス
通路A57a,吐出バイパス通路B57bとで形成さ
れ、その下流側が高段吐出室51に開通している。
【0057】吐出バイパス通路A57aには、その外周
部に切り欠き部を有する薄鋼板製の弁体58a(図4に
その外観形状を示す)とコイルバネ58bとから成る吐
出バイパス弁装置58が装着され、吐出バイパス弁装置
58は連通路55から高段吐出室51へのみの流体流れ
を許容する。
【0058】コイルバネ58bは、それ自身が温度上昇
するとそのバネ定数が増加する形状記憶合金特性を備
え、弁体58aへの付勢力が大きくなる。
【0059】連通路55の一部を構成するガス通路B5
5bは連通管59を介して気液分離器17の下流側に通
じており、冷媒インジェクション通路72を形成してい
る。
【0060】連通管59は第1のシリンダブロック7a
に挿入され、その接続部の外周は0リング66でシール
され、その端部とガス通路B55bとの間に図4と類似
形状の弁体60が配置されて逆止弁装置71を構成して
いる。
【0061】逆止弁装置71は、気液分離器17からガ
ス通路B55bへのみの流体流入を許容すべく構成され
ている。
【0062】低段圧縮要素7の第1のシリンダブロック
7aには、密閉容器3の壁面を貫通して一端が切り替え
弁98aに、他端が低段圧縮要素7のシリンダ内に通じ
る連通管97が挿入され、第1のシリンダブロック7a
との接続部の外周は0リング96でシールされている。
【0063】連通管97とシリンダ内との間には図4と
同様の吸入バイパス弁95が配置されており、弁体95
がシリンダ側に移動した時に連通管97とシリンダ内と
の間が遮断され、弁体95が連通管97の端部側に移動
した時に連通管97とシリンダ内との間が開通する吸入
バイパス通路94が形成されている。
【0064】切り替え弁98aと吸入バイパス弁95と
両部品を接続する連通管97とが吸入バイパス開閉弁装
置90を構成している。
【0065】吸入バイパス通路94がシリンダ内に開口
するバイパス穴93は、ベーンに対して圧縮進行方向に
150度進角した位置に配置されている。
【0066】図5は、吸入バイパス弁95がバイパス穴
93を塞いで、低段圧縮要素7が定格全負荷運転する時
の圧縮室モデル断面を表している。駆動軸6のクランク
角度θ1=180〜190度の時に吐出弁92が開き始
め、シリンダ容積V1の冷媒ガスが吐出され、高段圧縮
要素9のシリンダ(シリンダ容積V4)に収容される状
態を示す。上述のように、V4=V1になる。
【0067】図6は、吸入バイパス弁95がバイパス穴
93を開いて、低段圧縮要素7が軽減負荷運転する時の
圧縮室モデル断面を表している。斜線で示すシリンダ容
積V3の冷媒ガスが取り込まれ、駆動軸6のクランク角
度θ2の時に吐出弁92が開き始め、シリンダ容積V2
の冷媒ガスが吐出され、高段圧縮要素9のシリンダに収
容される状態を示す。
【0068】当然のことながら、V4>V2になるの
で、実運転時は高段圧縮要素9の負荷条件によってV2
とV3が変化する。
【0069】図7は、低段圧縮要素7と高段圧縮要素9
の各圧縮室の圧力変化を示す特性図である。
【0070】実線91aと91bは、図5における圧縮
モデル時の低段圧縮要素7と高段圧縮要素9の各圧縮室
圧力を示す。
【0071】吸入圧力PLの冷媒ガスが低段圧縮要素7
で圧縮され、中間圧力PMで排出され、高段圧縮要素9
を経由して吐出圧力PHで排出される。
【0072】破線91cと91dは、図6における圧縮
モデル時の低段圧縮要素7と高段圧縮要素9の各圧縮室
圧力を示す。
【0073】吸入圧力PL1の冷媒ガスが低段圧縮要素
7で圧縮され、中間圧力PM1で排出され、高段圧縮要
素9を経由して吐出圧力PH1で排出される。
【0074】駆動軸6の軸芯部には、貫通した軸穴62
が設けられ、その下部にポンプ装置63が装着されてい
る。
【0075】上部軸受部材11と下部軸受部材12とに
支持された駆動軸5の外周面に螺旋状の油溝64,64
aが設けられ、螺旋状の油溝64の上流側は軸穴62か
ら分岐した半径方向油孔を介してポンプ装置63の下流
側に通じ、螺旋状の油溝64の下流側は消音室52に開
通していない。
【0076】アキュームレータ2の下流側は低段圧縮要
素7の吸入室(図示なし)に連通し、密閉容器3の上部
に吐出管7eが設けられている。
【0077】気液分離器17の底部には第2膨張弁19
に通じる液管65が接続され、気液分離器17の胴体外
表面にはポリエチレン膜をコーテイングした後、加熱
し、5mm程度まで発泡させたポリエチレン発泡材67
で保温処理が施されている。
【0078】以上のように構成させたローリングピスト
ン形ロータリ式2段圧縮機1とその冷凍サイクルについ
て、その動作を説明する。
【0079】圧縮機起動前の切り替え弁98aは、制御
回路99aによって低段圧縮要素7のシリンダ内とアキ
ュームレータ2の上流側との間を連通状態にされてい
る。
【0080】そして、可変速制御される電動機5によっ
て駆動軸6が低速回転駆動から開始して徐々に増速回転
駆動に移行するに伴い、先ず、低段圧縮要素7が吸入を
開始してアキュームレータ2から冷媒ガスが低段圧縮要
素7の吸入室に流入する。
【0081】駆動軸6のクランク角度の進行に伴って低
段圧縮要素7の吸入室容積が増加して行く一方、圧縮室
での圧縮作用も同時に進行する。
【0082】しかしながら、吸入バイパス通路94が開
かれているので、図6に示すバイパス穴93の開設角度
までは実質的な圧縮作用が進行せず、冷媒ガスがアキュ
ームレータ2に還流する。
【0083】万一、圧縮機起動初期に液冷媒や潤滑油が
低段圧縮要素7の吸入室に流入する場合でも、液冷媒が
アキュームレータ2の側に還流するので、液圧縮が回避
され、低段圧縮要素7の破損防止や耐久性を向上するこ
とができる。
【0084】また液圧縮が回避されることによって、2
段圧縮機特有の現象である低段圧縮要素7から高段圧縮
要素9へ過剰に冷媒送出された場合に生じる連通路55
内での異常な圧力上昇と、著しい脈動発生、およびそれ
に伴い生じる圧縮機の振動と騒音を防ぐことが重要とな
る。
【0085】第1ピストン7bがバイパス穴93を通過
後に実質的な圧縮作用が開始する。V2+V3の体積の
冷媒ガスしか圧縮されないので、低段圧縮要素7の圧縮
入力が軽減され、円滑な圧縮機起動が可能になる。これ
により、電動機5の起動トルクを小さくできるので、電
動機5の小型化ができる。
【0086】圧縮冷媒ガスは、下部軸受部材12に設け
られた吐出ポート(図示なし)から低段吐出室45に吐
出される。
【0087】低段吐出室45に吐出された冷媒ガスは、
ガス通路A55a,ガス通路B55b,ガス通路C55
cからなる連通路55を経由して高段圧縮要素9の吸入
室56に送出される。
【0088】起動直後の低段吐出室45および連通路5
5の冷媒ガスは、密閉容器3の内部空間やローリングピ
ストン形ロータリ式2段圧縮機1に配管接続する凝縮器
13,気液分離器17よりも高い。
【0089】したがって、連通路55を通過する吐出冷
媒ガスと気液分離器17との間の圧力差によって弁体6
0が移動して気液分離器17の接続管59の端部を塞
ぎ、冷媒インジェクション通路72が閉路して連通路5
5の冷媒ガスが気液分離器17に逆流することが阻止さ
れる。
【0090】また連通路55の冷媒ガス圧力は密閉容器
3の内部空間に通じる高段吐出室51の圧力よりも高
く、吐出バイパス弁装置58の弁体58aがコイルバネ
58bの付勢力に抗してコイルバネ58bの方に移動し
て吐出バイパス通路57を開通し、連通路55を通過す
る冷媒ガスの一部が高段吐出室51に直接流出して吸入
室56の冷媒ガス圧力が降下する。その結果、コイルバ
ネ41のみの付勢力に依存する高段圧縮要素9のベーン
39は、圧力上昇した冷媒ガスが急激に吸入室56に流
入することによる急激な後退の際に生じるジャンピング
現象を起こすことなく、第2ピストン9bの外周面の運
動に追従して後退し、ベーン39と第2ピストン9bと
の衝突音や圧縮ガス漏れを生ぜずに円滑な軽負荷圧縮作
用を開始する。
【0091】高段吐出室51に排出された吐出冷媒ガス
は、環状通路53を経て消音室52に流入し、その後、
環状通路54を介して密閉容器3の内部空間に送出され
る。
【0092】圧縮機起動後の時間経過と共に、冷凍サイ
クルの吐出圧力は上昇する一方、吸入圧力は次第に低下
する。
【0093】電動機5の回転速度が設定値を超える状態
で圧縮機運転される時、または、冷凍サイクルの吸入圧
力と吐出圧力との割合(圧縮比)が設定値を超える状態
で圧縮機運転される時、制御回路99aによって、圧縮
機起動から遅延して切り替え弁98aはアキュームレー
タ2の上流側と低段圧縮要素7のシリンダ内(圧縮室)
との連通を遮断する一方、凝縮器13の上流側の吐出冷
媒ガスを連通管97に導くように通路切り替え制御され
る。
【0094】これにより、吸入バイパス弁95が吐出冷
媒ガスによる背圧を受けてシリンダ(圧縮室)側に移動
し、バイパス穴93を塞ぎ、吸入バイパス通路94が遮
断される。
【0095】この結果、低段圧縮要素7は全負荷運転の
状態になる。なお、吸入バイパス弁95が吐出冷媒ガス
圧力と圧縮室圧力(最大が吸入圧力と吐出圧力との中間
圧力)との間の常時差圧によって、バイパス穴93を安
定して閉塞し続けるので、吸入バイパス通路94の遮断
性が向上する。
【0096】圧縮機冷時始動後の時間経過と共に電動機
室8およびこれに通じる凝縮器13と気液分離器17の
圧力が上昇し、吸出バイパス通路57内の吐出バイパス
弁装置58の弁体58aが高段吐出室51のガス圧と温
度上昇によりそのバネ定数を増したコイルバネ58bに
より付勢されて吐出バイパス通路57を閉じると共に、
連通管59の端部を閉塞していた弁体60が連通路55
の方に移動して気液分離器17と連通路55との間の冷
媒インジェクション通路72が開通する。
【0097】また、吐出圧力が作用する油溜35の潤滑
油は、高段圧縮要素9のコイルバネ41と共にベーン3
9の背面を背圧付勢すると共にベーン39の摺動面を潤
滑しながら摺動面隙間を介して吸入室56と圧縮室とに
微少量流入し、圧縮室微小隙間を油膜密封する。
【0098】低段圧縮要素7についても上記と同様であ
る。また、ポンプ装置63によって第1クランク軸に給
油された潤滑油の一部が第1ピストン7bの内側から低
段圧縮要素7のシリンダ内に供給される。この潤滑油供
給は、第1ピストン7bの内側(吐出冷媒ガス圧力相
当)とシリンダ内との間の常時差圧によって連続的に行
われる。
【0099】この潤滑油は、低段圧縮要素から排出され
た中間圧力PMの冷媒ガスと共に高段圧縮要素9に供給
される。
【0100】また油溜35の潤滑油は、駆動軸6の表面
に設けられた螺旋状の油溝64による粘性ポンプ作用と
駆動軸6の下端に設けられたポンプ装置62とによっ
て、軸穴62や半径方向孔69を介して駆動軸6を支持
する下部軸受部材12,上部軸受部材11の軸受面と第
1のピストン7b,第2のピストン9bの内側面に給油
される。螺旋状の油溝64aに供給された潤滑油は、粘
性ポンプ作用によって上部軸受部材11の軸受上端から
消音室52に排出され、高段吐出室51から排出された
2段圧縮の高圧吐出ガスと混合の後、環状通路54を経
て電動機室8に排出される。
【0101】電動機室8で潤滑油を分離した吐出冷媒ガ
スは、吐出管7eを経て圧縮機外部の冷凍サイクルに送
出される。
【0102】凝縮器13,第1膨張弁15を経由して減
圧の後、低段圧縮要素7の吐出圧力相当にまで膨張した
気液混合冷媒は、気液分離器17に流入の後、気体と液
体とに分離し、液化冷媒が気液分離器17の底部に収集
する。
【0103】気液分離器17内上部空間の冷媒ガスは、
気液分離器17内の上部空間に開口する連通管59を介
してローリングピストン形ロータリ式2段圧縮機1内の
連通路55に流入し、低段圧縮要素7の吐出冷媒ガスと
合流して低段吐出冷媒ガス温度を低下させた後、高段圧
縮要素9の吸入室56に流入する。
【0104】高段圧縮要素9の2段圧縮吐出冷媒ガス
は、気液分離器17の気液混合冷媒を吸入することによ
って異常温度上昇を抑制される。その結果、摺動部隙間
の縮小が少なくなると共に、電動機5の異常温度上昇が
抑制されて圧縮機入力が低減する。
【0105】一方、気液分離器17の底部に収集した液
化冷媒は、液管65を介して第2膨張弁19,蒸発器2
1を順次経由して第2回目の膨張と吸熱の後、再びアキ
ュームレータ2に帰還する。
【0106】なお、気液分離器17内の冷媒は、気液分
離器17の胴体外周部を囲むポリエチレン発泡部材によ
って断熱と防音がなされているので、気液分離器17に
冷媒が流入する際の冷媒と気液分離器内壁との衝突音が
外部に伝播するのを防ぐと共に、冷媒が吸熱することも
少ない。
【0107】次に、冷凍サイクルを循環する冷媒量が少
ない状態で圧縮機運転する場合について説明する。
【0108】この圧縮機運転状態では、電動機5の回転
速度が設定値以下に下がり、図7で示すように、冷凍サ
イクルにおける吸入冷媒圧力PL1が定格負荷運転時の
吸入冷媒圧力PLよりも上昇し、吐出冷媒圧力PH1が
定格運転時の吐出冷媒圧力PHよりも下降して、圧縮比
が設定値以下の状態である。
【0109】切り替え弁98aは、制御回路99aによ
って圧縮機起動直前の状態に復帰している。
【0110】すなわち、低段圧縮要素7のシリンダ内と
アキュームレータ2の上流側との間が連通状態にある。
【0111】この状態における冷媒ガスの圧縮作用と行
程は、上述と同様である。特に説明を加えるならば、図
7で示すように、低段圧縮要素7から排出される冷媒ガ
ス圧力(中間圧力)PM1は定格負荷運転時の冷媒ガス
圧力(中間圧力)PMよりも低下し、吐出圧力PH1と
連通路55の圧力(中間圧力)PM1とは、常に適当な
差圧が存在し、圧縮負荷が低段圧縮要素7に偏重するこ
とがない。
【0112】この結果、圧縮比が小さい運転状態(低速
度運転状態)における圧縮負荷変動が小さくなるので、
電動機5の著しい効率低下を防ぐことができる。
【0113】また、低段圧縮要素7の吸入バイパス作用
によって、第1ピストン7bの1回転当り実質吸入体積
が減少するので、電動機5の回転速度が増速運転され低
段圧縮要素7の単位時間当り所要冷媒吸入量が確保され
ている。
【0114】この結果、電動機5の効率は低圧縮比運転
時の吸入バイパス作用が無い場合の電動機効率よりも向
上する。
【0115】また、第1ピストン7bと第2ピストン9
bとが増速回転することによって、低段圧縮要素7およ
び高段圧縮要素9における圧縮途中冷媒ガス洩れの割合
が少なくなるので、圧縮効率を向上することができる。
【0116】更に、吐出圧力PH1が作用する油溜35
と低段圧縮要素7の圧縮室との間に、常に差圧(最小差
圧がPH1−PM1)が存在する。これによって、第1
ピストン7bの内側から第1ピストン7bの側面隙間を
経由して低段圧縮要素7の圧縮室に差圧給油できるの
で、潤滑油膜による圧縮室隙間の密封効果によって圧縮
機低速運転時の低段圧縮要素7と高段圧縮要素9の圧縮
効率を向上することもできる。
【0117】(実施例2)なお、上記実施例では吸入バ
イパス弁95の反圧縮室側の背面に吐出冷媒ガスを導入
したが、油溜35の潤滑油を導入しても良い。
【0118】そして、この実施例によれば、潤滑油膜に
よるシール作用によって吸入バイパス弁95とバイパス
穴93との間の遮断性能を更に向上することができる。
【0119】また、上記実施例では2段気体圧縮機をロ
ーリングピストン式としたが、他の形式の圧縮機(例え
ば、スライドベーン回転式圧縮機,往復動式圧縮機,ス
クロール式圧縮機,スクリュウ式圧縮機など)について
も同様の作用と効果を期待できる。
【0120】また、上記実施例では冷媒圧縮機について
説明したが、例えば、酸素,窒素,ヘリュウムなどの他
の気体圧縮機についても上記同様に応用できる。
【0121】
【発明の効果】上記実施例から明かなように、請求項1
に記載の発明は、電動機に連結する二つの圧縮要素の内
の少なくとも吐出弁を有する低段圧縮要素の吐出側と高
段圧縮要素の吸入側とを連通路を介して直列接続した2
段気体圧縮機において、低段圧縮要素の吸入圧力と高段
圧縮要素の吐出圧力とで定まる圧縮比と電動機の回転速
度の少なくとも一方が設定値以下の場合に、低段圧縮要
素の吸入気体容積が減少するように圧縮室の実効容積を
制御する容量制御手段を備えたもので、この構成によれ
ば、低段圧縮要素の圧縮室内気体圧力上昇に対して、吐
出弁が早期に開口する低圧縮比運転時に低段圧縮要素か
ら排出される気体量を高段圧縮要素の圧縮室容積に対し
て著しい過不足が生じない状態に維持することができ
る。この結果、低段圧縮要素から排出される気体圧力
(中間圧力)に高段圧縮要素の吐出圧力と適度な圧力差
を維持させ、それによって、低段圧縮要素と高段圧縮要
素の圧縮負荷を均衡させ、相互の圧縮トルクの相殺作用
によって圧縮機の全体負荷を低減させることができると
いう効果を奏する。
【0122】請求項2に記載の発明は、容量制御手段
が、低段圧縮要素の圧縮室と吸入側とを連通する吸入バ
イパス通路と吸入バイパス通路を制御回路によって開閉
する吸入バイパス開閉弁装置を設け、高段圧縮要素の吐
出圧力と低段圧縮要素の吸入圧力とで定まる圧縮比と電
動機の回転速度の少なくとも一方が設定値以下の時、吸
入バイパス通路を開通せしめ、それ以外の時にバイパス
通路を遮断するように、吸入バイパス開閉弁装置を開閉
する手段を備えたもので、この構成によれば、低段圧縮
要素の実質的な圧縮室容積を2段階変化させ、2段階の
圧縮比運転モードで吸入気体容積を制御することによっ
て不要な圧縮入力を省き、圧縮機効率を向上することが
できる。
【0123】特に、低段圧縮要素に流入する液流体を吸
入側にバイパスさせて液圧縮を回避することによって、
低段圧縮要素から排出する気体容積と高段圧縮要素の圧
縮室容積との釣合を保持して連通路内で生じる著しい脈
動を抑制させ、異常振動と騒音の発生を防ぐことができ
る。
【0124】また、電動機の起動トルクを低減して小型
化とコスト低減もできる。更に、圧縮機吐出気体量を少
なくする運転時には、単位時間当り所要吐出気体量を保
持するために、吸入バイパス通路を開通させながら電動
機を増速運転できるので、低段圧縮要素と高段圧縮要素
における単位時間当り圧縮途中気体洩れ量を少なくして
圧縮効率を向上すると共に、電動機の効率も向上するこ
とができるという効果を奏する。
【0125】請求項3に記載の発明は、吸入バイパス開
閉弁装置が、低段圧縮要素の圧縮室に開口するバイパス
穴と、圧縮室の側に前進した時にバイパス穴を閉塞し後
退した時にバイパス穴を開口する吸入バイパス弁と、吸
入バイパス弁の反圧縮室側の背圧付勢と解除とをすべく
吸入側流体と吐出側流体のいずれか一方の流体に切り替
えて導入するための切り替え弁と、吸入バイパス弁と切
り替え弁との間を連通する通路とで構成されたもので、
この構成によれば、バイパス穴を吸入バイパス弁によっ
て閉塞させる時、吸入バイパス弁の反圧縮室側背面と圧
縮室との間に常時差圧が存在し、吸入バイパス弁がバイ
パス穴を安定閉塞するので、吸入バイパス開閉弁装置の
遮断性能を向上させ、圧縮室への不要な気体漏洩を阻止
して圧縮効率低下を防ぐことができるという効果を奏す
る。
【0126】請求項4に記載の発明は、バイパス穴を閉
塞すべく吸入バイパス弁の反圧縮室側を背圧付勢する吐
出側流体を吐出圧力が作用する潤滑油としたもので、こ
の構成によれば、潤滑油膜によるシール作用によってバ
イパス穴と吸入バイパス弁との間の密封効果をより一層
高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すローリングピストン形
ロータリ式2段気体圧縮機を接続した2段圧縮2段膨張
冷凍サイクルの配管接続図
【図2】同一実施例のローリングピストン形ロータリ式
2段圧縮機の縦断面図
【図3】同圧縮機の要部詳細図
【図4】同圧縮機に使用する吐出バイパス弁の外観図
【図5】同圧縮機の吸入バイパス通路が閉塞時の低段圧
縮要素の圧縮室モデル図
【図6】同圧縮機の吸入バイパス通路が開通時の低段圧
縮要素の圧縮室モデル図
【図7】同圧縮機の圧縮室圧力変化を示す特性図
【図8】従来例を示すローリングピストン形ロータリ式
2段気体圧縮機の縦断面図
【図9】図8におけるIV−IV線に沿った低段圧縮要
素の横断面図
【図10】図8におけるIII−III線に沿った高段
圧縮要素の横断面図
【図11】従来の圧縮機の圧縮室圧力変化を示す特性図
【図12】従来の一般空調用圧縮機運転時の吸入冷媒圧
力と吐出冷媒圧力の変化を示す特性図
【符号の説明】
1 ローリングピストン形ロータリ式2段気体圧縮機 5 電動機 7 低段圧縮要素 9 高段圧縮要素 55 連通路 90 吸入バイパス弁開閉装置 92 吐出弁 93 バイパス穴 94 吸入バイパス通路 95 吸入バイパス弁 98a 切り替え弁 99a 制御回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機に連結する二つの圧縮要素の内の吐
    出弁を有する低段圧縮要素の吐出側と高段圧縮要素の吸
    入側とを連通路を介して直列接続した2段気体圧縮機に
    おいて、前記低段圧縮要素の吸入圧力と前記高段圧縮要
    素の吐出圧力とで定まる圧縮比と前記電動機の回転速度
    の少なくとも一方が設定値以下の場合に、前記低段圧縮
    要素の吸入気体容積が減少するように圧縮室の実効容積
    を制御する容量制御手段を備えた2段気体圧縮機。
  2. 【請求項2】容量制御手段は、前記低段圧縮要素の圧縮
    室と吸入側とを連通する吸入バイパス通路と前記吸入バ
    イパス通路を制御回路によって開閉する吸入バイパス開
    閉弁装置を設け、前記高段圧縮要素の吐出圧力と前記低
    段圧縮要素の吸入圧力とで定まる圧縮比と前記電動機の
    回転速度の少なくとも一方が設定値以下の時、前記吸入
    バイパス通路を開通せしめ、それ以外の時に前記バイパ
    ス通路を遮断するように、前記吸入バイパス開閉弁装置
    を開閉する手段を備えた請求項1記載の2段気体圧縮
    機。
  3. 【請求項3】吸入バイパス開閉弁装置は、低段圧縮要素
    の圧縮室に開口するバイパス穴と、前記圧縮室の側に前
    進した時に前記バイパス穴を閉塞し後退した時に前記バ
    イパス穴を開口する吸入バイパス弁と、前記吸入バイパ
    ス弁の反圧縮室側の背圧付勢と解除とをすべく吸入側流
    体と吐出側流体のいずれか一方の流体に切り替えて導入
    するための切り替え弁と、前記吸入バイパス弁と前記切
    り替え弁との間を連通する通路とで構成された請求項2
    記載の2段気体圧縮機。
  4. 【請求項4】バイパス穴を閉塞すべく吸入バイパス弁の
    反圧縮室側を背圧付勢する吐出側流体を吐出圧力が作用
    する潤滑油とした請求項3記載の2段気体圧縮機。
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