JPH10140316A - 加工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
加工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH10140316A JPH10140316A JP30189596A JP30189596A JPH10140316A JP H10140316 A JPH10140316 A JP H10140316A JP 30189596 A JP30189596 A JP 30189596A JP 30189596 A JP30189596 A JP 30189596A JP H10140316 A JPH10140316 A JP H10140316A
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Abstract
げ加工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法を
提供すること。 【解決手段】Al を0.1 〜0.3 重量%含有し、不純物と
してのPb 、Sn 、Cd 、Sb が合計で0.01重量%以下
である溶融亜鉛めっき浴を用いてめっきした鋼板に、ロ
ールと接する鋼板の幅1m当たり50〜500 トンの圧延荷重
で圧延加工を施す製造方法。
Description
好適な、加工性に優れためっき皮膜をもつ溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造方法に関する。
どを受けるとめっき皮膜に亀裂や剥離が生じることがあ
る。しかし安価な耐食性材料として溶融亜鉛めっき鋼板
の用途が拡大しており、厳しい加工を施してもめっき皮
膜に割れ等の損傷が生じない加工性に優れた性能が要求
されている。
は、Zn の結晶粒界に沿った割れと結晶粒内の劈開割れ
とに分類できる。結晶粒界に沿った割れは、めっき皮膜
のZnが凝固する時にPb 等の不純物がZn 結晶粒界に
偏析して粒界の強度を弱めることに起因しているといわ
れている。このため加工性改善策の一つとして、Zn め
っき浴中の有害な不純物を低減することが実施されてい
る。
発生しやすい。亜鉛は稠密六方格子であるため、鋼板表
面に平行に(00・2)面が配向する(以下、単に
「(00・2)面配向」と記す)結晶では鋼板表面に平
行な方向への変形能が乏しい。このため、この様な方位
の結晶をもつめっき鋼板が曲げ変形などを受けると粒内
割れが発生しやすい。
き皮膜表面の結晶(以下、単に「スパングル」と記す)
の粒径を小さくし、めっき皮膜の変形を多数の結晶に分
散させる方法が実施されている。しかし、上記の対策だ
けでは厳しい成形を伴う場合、めっき皮膜の割れ発生を
抑制するには至っていない。
(亜鉛相)である溶融亜鉛めっき鋼板に亜鉛の再結晶温
度未満の温度域で圧下率10〜60%の圧延と再結晶加熱を
施して、その結晶組織を微細化する方法が開示されてい
る。しかし、この方法では圧延前のめっき厚みを材質ご
とに調整する必要があり、量産での対応が煩雑である。
また、めっき後に圧延と加熱とが必要であり、製造工程
が増して経済性に欠けるのも問題である。
熱延し、冷延、焼鈍して、Pb :0.05重量%以下、Al
:0.1 〜0.3 重量%を含有するめっき浴でめっきし、
めっき後420 〜300 ℃の温度域を20℃/秒以上で冷却す
る方法が提示されている。この方法では、板厚が厚いめ
っき鋼板を製造するには相当の冷却能力を有する設備が
必要となり、現状設備での対応が困難となる。
層に研磨等の加工を施して、めっき層の平均粒径を6μ
m 以下にする方法が提示されている。しかしこの方法で
は、めっき後に研磨ラインを通板する必要があるので経
済性に欠けるうえ、研磨等の手段でめっき皮膜を除去す
るために操業性や歩留が低下するのも問題である。
設備の改造や操業性の低下を伴わずに、曲げ加工性に優
れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法を提供すること
である。
工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法にある。
「Al を0.1 〜0.3 重量%含有し、不純物としてのPb
、Sn 、Cd 、Sb が合計で0.01重量%以下である溶
融亜鉛めっき浴を用いてめっきした鋼板に、ロールと接
する鋼板の幅1m当たり50〜500 トンの圧延荷重で圧延加
工を施すことを特徴とする加工性に優れた溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造方法。」 本発明者等は溶融亜鉛めっき鋼板の曲げ加工性について
鋭意検討し、以下に述べる技術的思想に基づいて本発明
を完成させた。
―Zn 合金層が過度に生じると皮膜の密着性が損なわれ
る。めっき浴中のAl 含有量を高めることで合金相の生
成を抑制する。
凝固する時に粒界に偏析して粒界破壊を生じやすくす
る。これらの元素を低減して、めっき皮膜が加工された
時の皮膜の粒界破壊を防止する。
スパングルを細かくする効果もある。また、めっき直後
のめっき表面にミストを吹き付けたり(ミストスプレー
法)、Zn 粉末を吹き付け(Zn 粉末吹付け法)てスパ
ングルをさらに微細化する方法もある。しかし、これら
の方法で微細化しためっき皮膜表面には(00・2)面
配向の結晶粒が増加するので、このままでは粒内割れが
生じやすくなる。
ことで、めっき表面の(00・2)面配向性を均一に低
減させることができる。スパングルを微細化しためっき
皮膜表面に圧延加工を施してめっき表面の(00・2)
面配向性を減少すれば粒界破壊と粒内破壊とを共に防止
し、曲げ加工性を大幅に改善させることができる。
て、各要因や条件を限定した理由を具体的に述べる。な
お、以下に記す金属元素の%表示は重量%を意味する。
−Zn 合金層が発達するのを生成を抑制し、めっき密着
性を向上させるためにAl をめっき浴に添加する。この
効果を発揮させるためにめっき浴中のAl 濃度は0.1 %
以上とする。0.3 %を超えて添加しても、Fe −Zn 合
金層の成長を抑制する効果が飽和し、経済性に欠けるの
で、Al の含有量の上限を0.3 %とする。
不純物が含有されていると、めっき皮膜が凝固する時に
Zn の結晶粒界にこれらの不純物が偏析し、めっき鋼板
を加工する時にめっき皮膜の粒界割れの原因となる。粒
界割れを抑制するためにこれら4元素の含有量合計を0.
01%以下とする。望ましくは、これらの元素の含有量合
計は0.005 %以下である。これらの不純物の含有量を上
記の限度以下にする方法は任意であるが、例えば純度が
高いZn インゴットを使用する等の方法が考えられる。
めっき浴の上記以外の化学組成はZn およびPb 、Sn
、Cd 、Sb 以外の不純物(例えば、Fe )からな
る。
方法の例を以下に述べる。
はない。低炭素鋼の熱間圧延鋼板あるいは冷間圧延鋼板
が経済性から好適であるが、用途と必要性に応じて極低
炭素鋼などを用いても構わない。母材としての冷間圧延
鋼板では圧延ままの鋼板が好適であるが冷間圧延した後
に焼鈍し、さらには調質圧延を施した鋼板でもかまわな
い。上述のめっき浴の化学組成以外のめっき条件につい
ては、一般に行われているゼンジマー方式と大差なく実
施できる。
用いる場合であれば、母材に洗浄等の前処理を施した
後、再結晶温度以上で還元焼鈍し、めっき浴温近傍まで
冷却してめっき浴に浸漬し、エアーナイフ方式等により
所定の皮膜厚に調整する。めっき付着量は片面当たり45
〜300 g/m2が好適であるがこれを外れる付着量であっ
ても何等支障はない。その後冷却するが、用途に応じて
ミニマムスパングル処理が必要な場合には、ミストスプ
レー法、Zn 粉末吹付け法等従来より用いられている手
法を適用できる。
を低減するために、溶融めっき後の鋼板に圧延加工を施
す。
(00・2)面配向比率を低減するためには、圧延ロー
ルと接するめっき鋼板の幅1m当たりの圧延荷重が50トン
以上である圧延を少なくともそのめっき皮膜に施す必要
がある。圧延することで皮膜表面の結晶方位の配向性が
変化する理由は定かではないが、Zn 皮膜結晶のすべり
変形が関与しているものと推定している。圧延荷重が増
すにつれて、皮膜表面の(00・2)面配向比率を低減
する効果が飽和すると共に、めっき皮膜厚みが減少する
ので耐食性が劣化する。また、母材が加工硬化してその
成形性が劣化する。このため、圧延荷重の上限を500 トン
とする。100 〜300 トンの範囲がより好適である。
で、この圧延加工は鋼板の到達温度が200 ℃以下の範囲
にある時に施すのが好ましい。より好ましくは100 ℃以
下である。その他の条件については特に限定するもので
はない。圧延は潤滑を施さない、いわゆるドライ圧延で
も、何らかの潤滑を施すウエット圧延でもよい。圧延ロ
ールの表面粗度についても、ダルロール、ブライトロー
ルなど一般に用いられている表面粗度のロールを用いる
ことができる。ロールの直径や張力についても特別な制
限はない。この圧延加工は、めっき設備に圧延装置が組
み込まれている場合にはその圧延装置を用いればよい
し、そうでない設備の場合には、別の圧延設備を使用す
ればよい。
板には耐食性をさらに向上させるためにめっき表面にク
ロメート処理を施しても構わない。クロメート処理を施
す場合にはクロメート皮膜の損傷を避けるために圧延の
後にこれを施すのが望ましい。クロメートを施す方法
は、塗布型、反応型、あるいは電解クロメート等いずれ
の方法を用いても構わない。その場合の付着量は金属C
r として10〜150mg/m2が好ましい。
05重量%、Mn :0.2 重量%を含有する低炭素Al キル
ド冷延鋼板の未焼鈍材を用いた。縦型の溶融亜鉛めっき
実験装置を用いて、この母材に以下の条件で溶融亜鉛め
っきを施した。
含む水溶液で脱脂洗浄し、20体積%H2 +80体積%N2
の雰囲気中で750 ℃に加熱し、この温度で60秒間保持し
た。その後、母材を460 ℃に冷却して亜鉛めっきを施し
た。めっき浴の化学組成は、Al を0.07〜0.4 重量%、
不純物であるPb 、Sn 、Cd 、Sb 4元素の含有量の
合計を0.003 〜0.03重量%の範囲で変化させた。めっき
浴の温度は460 ℃であった。めっきの付着量はガスワイ
ピィング方式によりめっき片面当たり150 g/m2に調整
した。ミスト冷却法を用いてミニマムスパングル品も製
造した。その後、常温まで冷却しためっき鋼板に3〜55
トンの圧延荷重での圧延を施した。この時のロール表面の
粗度はRa で0.5 μm 、ロール直径200mm 、圧延速度20
mpm であった。一部のめっき鋼板には、比較のために、
圧延を施さなかった。
た試験片の曲げ部外側表面を倍率100 倍で写真撮影し、
皮膜表面での亀裂の発生状況を観察し、下記の基準で5
段階で評価した。
る。
イス(穴の直径:12mmφ)に試験片を載せ、試験片の上
に載せたポンチ(直径6mmφ)に400 mmの高さより1.6
kgの重錘を落下させて試験片に衝撃張出し加工を施し、
張出し部のめっき皮膜を粘着テープを用いて剥離させ、
剥離状況を目視で判定した。
折法を用い、Zn 粉末の(00・2)面の集積度の強さ
に対する試験片のめっき皮膜表面の(00・2)面の集
積度の強さの比(以下、単に「めっき表面の配向性」と
記す)を求めた。
併せて表1に示す。
で製造した試番1〜15の製品はめっき表面のスパングル
の状態に関係なくめっき皮膜の密着性が良好で、優れた
曲げ加工性を併せ持っている。
はめっき皮膜の密着性が好ましくなかった。めっき浴中
の不純物の含有量が本発明が規定する範囲を超えた試番
17〜19は曲げ加工性が好ましくなかった。めっき後の圧
延を施さなかった試番19のめっき皮膜の曲げ加工性は特
に悪かった。めっき浴中のAl や不純物の含有量が本発
明が規定する条件を満たしているが、めっき後の圧延条
件が外れている試番20、21はめっき皮膜の曲げ加工性が
好ましくなかった。圧延荷重が高すぎた試番23は、めっ
き皮膜の曲げ加工性や密着性は良好であったが、鋼板が
加工硬化しているうえ、皮膜厚が薄くなって耐食性が損
なわれるおそれがある。
を受けてもめっき皮膜が損傷されることなく良好な耐食
性を維持できる、めっき皮膜の加工性と密着性に優れた
溶融亜鉛めっき鋼板を、経済的に製造することができ
る。このめっき鋼板は厳しい成形部位を有する用途にも
使用することができるので、亜鉛めっき鋼板の用途拡大
にも大きく寄与できる。
Claims (1)
- 【請求項1】Al を0.1 〜0.3 重量%含有し、不純物と
してのPb 、Sn 、Cd 、Sb が合計で0.01重量%以下
である溶融亜鉛めっき浴を用いてめっきした鋼板に、ロ
ールと接する鋼板の幅1m当たり50〜500 トンの圧延荷重
で圧延加工を施すことを特徴とする加工性に優れた溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP30189596A JP3637702B2 (ja) | 1996-11-13 | 1996-11-13 | 加工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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JP2002371342A (ja) * | 2001-06-14 | 2002-12-26 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
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WO2013161122A1 (ja) | 2012-04-24 | 2013-10-31 | 新日鐵住金株式会社 | 溶融亜鉛めっき鋼管及び溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法 |
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-
1996
- 1996-11-13 JP JP30189596A patent/JP3637702B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9593796B2 (en) | 2012-04-24 | 2017-03-14 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Hot-dip galvanized steel pipe and method of manufacturing the same |
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