JPH10136541A - ワイヤーハーネスの車体パネル取付構造 - Google Patents

ワイヤーハーネスの車体パネル取付構造

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JPH10136541A
JPH10136541A JP8266216A JP26621696A JPH10136541A JP H10136541 A JPH10136541 A JP H10136541A JP 8266216 A JP8266216 A JP 8266216A JP 26621696 A JP26621696 A JP 26621696A JP H10136541 A JPH10136541 A JP H10136541A
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JP
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wire harness
resin layer
foamed resin
vehicle body
layer
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JP8266216A
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Hideki Ueno
秀樹 上野
Mitsutoshi Kamakura
光寿 鎌倉
Akira Nakajima
明 中島
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Tokai Chemical Industries Ltd
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Harness Sogo Gijutsu Kenkyusho KK
Original Assignee
Tokai Chemical Industries Ltd
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Harness Sogo Gijutsu Kenkyusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤーハーネスの取付け用、保護用部品を
削減し、その取付けも容易で、かつ、ワイヤーハーネス
の保護が確実に図れるようにする。 【解決手段】 インストゥルメントパネル1を形成する
芯材層1aの表面上にワイヤーハーネスHの所定の配索
経路を包含する発泡樹脂層1dを形成し、その発泡樹脂
層1dの成形時に、その発泡樹脂層1d内に前記配索経
路に沿ってワイヤーハーネスHを埋設する。このように
すれば、ワイヤーハーネスHは、この発泡樹脂層1dに
よって他部品との接触が阻止され、走行中、それらと接
触して損傷を受けることがないとともに、発泡樹脂層1
dとの接触面においても、発泡樹脂の弾性による緩衝作
用により、温度変化による樹脂の膨張・収縮の際の応力
が抑制されるので、保護が確実になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤーハーネ
スの車体パネルへの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車において、例えば、インストゥル
メントパネルの裏面(車室に面する側とは反対側の面)
には、複数電線を結束して構成した、各種電装品を結合
するワイヤーハーネスが配索される。このワイヤーハー
ネスは、実開平6−51014号公報等で示されるよう
に、従来、クリップ等を用いてインストゥルメントパネ
ル裏面の空間に固定されているが、このような固定方法
は比較的ゆるやかなものであり、車両の走行中の振動に
よりワイヤーハーネスが微妙に揺れ、他の部分と接触し
て破損し易いので、これを防ぐべく、ワイヤーハーネス
にはコルゲートチューブや樹脂製プロテクタなどの保護
部品が取付けられている。
【0003】しかしながら、保護部品を多数使用するこ
とは、組み付け作業が煩雑となり、コスト面でも大きな
問題である。
【0004】また、ワイヤーハーネスは保護されても、
前記した走行中の振動によって、保護部品が他の部品と
ぶつかり合って異音が発生するという問題もある。
【0005】これらの問題に対し、実開昭58−196
521号、実開昭62−138630号、特開昭62−
113634号、実開平7−26231号等の公報で
は、インストゥルメントパネルを樹脂で形成し、そこに
ワイヤーハーネスを埋設することにより、取付け部品や
保護部品を削減しつつ、ワイヤーハーネスを確実に固定
し、それに基づき、異音の発生も防ぐようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記樹
脂製のインストゥルメントパネルにワイヤーハーネスを
埋設する方法では、インストゥルメントパネルを形成す
る樹脂とワイヤーハーネスあるいは他の配線材(具体的
には金属導体)との熱膨張率の差が大きいので、温度が
変化して、ワイヤーハーネスや配線材およびインストゥ
ルメントパネルが膨張・収縮すると、互いに応力を及ぼ
すようになる。
【0007】従って、実使用において、ワイヤーハーネ
スおよび配線材に疲労が生じやすく、断線に至ることも
ある。これでは、結果的にワイヤーハーネスの保護が図
られていないことになる。
【0008】そこで、ワイヤーハーネスを埋設する対象
をインストゥルメントパネルの樹脂より柔らかい樹脂で
形成されるセイフティーパッドにし、そこに、同時成形
でワイヤーハーネスを埋め込み、前記した熱膨張・収縮
に基づく応力を抑制してワイヤーハーネスを保護しよう
とする方法も開示されているが、その方法では、別体で
あるところのセイフティーパッドをインストゥルメント
パネル本体に取り付けなければならず、そのための取付
け具が必要であるとともに、その作業が煩雑となり、こ
れまた結果として従来の問題を解決できていないことに
なる。
【0009】この発明の課題は、上記実情の下、車体パ
ネルに対するワイヤーハーネスの取付けにつき、取付け
用、保護用の部品点数を削減し、取付けが容易で、か
つ、ワイヤーハーネスの保護が確実に図れるようにする
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、車体パネルの車室に面する側とは反対
側の面に発泡樹脂層を一体成形し、その発泡樹脂層に同
時成形でワイヤーハーネスを埋設するようにしたのであ
る(請求項1)。
【0011】このようにしたことにより、ワイヤーハー
ネスに対しては、前記発泡樹脂が取付け部材、かつ、保
護部材の役割を果たすので、細分化された取付け部品や
保護部品を用いるような場合に比べ、部品点数が格段に
抑制される。
【0012】また、ワイヤーハーネスが、周囲の部品と
直接接触することがないので、走行中の車体の振動によ
り、それらから機械的損傷を受けたり、異音を発生した
りすることがなくなるとともに、発泡樹脂との密着面に
おいても、発泡樹脂の軽量、かつ弾性による緩衝作用に
よって、前記した走行中の車体の振動や、温度変化によ
る膨張・収縮の際に生じる応力の影響が格段に抑制され
る。
【0013】上記構成において、前記車体パネルもしく
はそれに一体成形された前記発泡樹脂層にワイヤーハー
ネスの電気接続部を固定すれば(請求項2)、パネルに
電装品を組み付ける際の、ワイヤーハーネスとの電気的
接続が簡易になる。
【0014】上記構成において、前記車体パネルをイン
ストゥルメントパネルとし、そのインストゥルメントパ
ネルを、芯材層と発泡樹脂層を重ねて接合し、その芯材
層側を車体への取付側として、発泡樹脂層の車室に面す
る側には装飾用表皮を形成したものとした場合、前記芯
材層の車体への取付側の面には別の発泡樹脂層を設け、
その別の発泡樹脂層にワイヤーハーネスを埋設した構成
とすることができる(請求項3)。その場合、芯材層両
面の両発泡樹脂層は、その芯材層を通って連通させ、か
つ、成形時に同時に一体成形し、ワイヤーハーネスもそ
の両発泡樹脂層の成形時に同時に埋設するようにすれば
(請求項4)、ワイヤーハーネスの配設されたインスト
ゥルメントパネルの製造工程が簡略化される。
【0015】また、この発明では、上記課題を解決する
ために、芯材層に樹脂層が積層されてなる車体パネル
の、その芯材層の樹脂層が積層される面に、その樹脂層
の積層工程の前に、ワイヤーハーネスを配設し、そのワ
イヤーハーネスの配設工程の後、ワイヤーハーネスを覆
って前記樹脂層を前記芯材層に積層し、芯材層と樹脂層
の間にワイヤーハーネスを配設した構成としたのである
(請求項5)。
【0016】そのようにすれば、一般に、芯材層と樹脂
層の接触面の固着力は強いものではないので、そのよう
な固着力の弱い両層の接触面の部分に、さらに、第三の
物体であるワイヤーハーネスが配置された場合には、温
度変化によって両層が膨張・収縮して変形した際に、そ
の両層からワイヤーハーネスにかかる応力は、ワイヤー
ハーネスが単一の層の中に埋設された場合にその層から
受ける応力より弱い。従って、周囲の層からの応力によ
るワイヤーハーネスの疲労が、単一の層の中に埋設され
た場合より緩和される。
【0017】請求項5の構成において、前記ワイヤーハ
ーネスを芯材層の面に配設するのに、ワイヤーハーネス
を接着剤で芯材層に接着し、その後ワイヤーハーネスを
樹脂シートで覆って配設する構成とすることができる
(請求項6)。この作用については、第2の実施形態の
項で述べる。
【0018】請求項5又は6の構成において、前記樹脂
層を発泡樹脂で形成する構成にすることができ(請求項
7)、そのようにすれば、発泡樹脂との密着面におい
て、発泡樹脂の軽量、かつ弾性による緩衝作用により、
前記した走行中の車体の振動や、温度変化による樹脂層
の膨張・収縮によるワイヤーハーネスに対する応力の影
響が格段に抑制される。
【0019】上記請求項5から7の構成において、上記
車体パネルにワイヤーハーネスの電気接続部を固定した
構成とすることができ(請求項8)、そのようにすれ
ば、パネルに電装品を組み付ける際の、ワイヤーハーネ
スとの電気的接続が簡易になる。
【0020】上記各構成において、ワイヤーハーネスを
フラット配線材で構成すれば(請求項9)、丸形に束ね
たワイヤーハーネスに比べ肉厚が小さくなり、より少な
い空間でワイヤーハーネスをパネルに固定することが可
能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
を参照して説明する。
【0022】(第1の実施形態)図1に示すように、こ
の実施形態の自動車のインストゥルメントパネル1は、
芯材層1aと発泡樹脂層1bを重ねて接合し、発泡樹脂
層1b表面に表皮1cを設けている。表皮1cは、表面
にレザーなどの装飾模様を施した合成樹脂シートなどか
ら成る。
【0023】そして、図2に示すように、前記芯材層1
aの裏側B(車室に面する側Aとは反対側をいう)の表
面には、所定のワイヤーハーネスHの配索経路Lを包含
する形で所定の厚みと幅を有する発泡樹脂層1dが形成
されており、その発泡樹脂層1d内に前記配索経路Lに
沿ってワイヤーハーネスHが埋設されている。
【0024】このワイヤーハーネスHを埋設した発泡樹
脂層1dと前記車室側Aの装飾を施す発泡樹脂層1b
は、比較的柔らかい、例えばウレタン発泡で形成してい
る。以下、この実施形態のインストゥルメントパネル1
の作製について詳述する。
【0025】先ず、複数本の電線2aを平行に配列し、
熱融着テープ2bを用いて形成したフラット配線材2の
端末に電装品3との電気接続部(コネクタC)を取付
け、ワイヤーハーネスHを形成する。そのワイーヤーハ
ーネスHを、前記芯材層1aのワイヤーハーネス取付け
面上に、所定の配索経路Lに従って配置する。その際、
ワイヤーハーネスHの位置ずれを防ぐため、接着剤等を
用いて、部分的に仮止めすることが望ましい。
【0026】前記フラット配線材2として、この実施形
態ではリボンジャンパー線(R/J)を用いたが、他に
も、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、フレキ
シブル・プリント・サーキット(FPC)、フレキシブ
ル・ワイヤー・サーキット(FWC)などの、テープ、
フィルム、シート等の結合材に、接着剤又は融着等によ
って導電材を並列に配したもの、並列された導電材を樹
脂で被覆したもの等、周知のものを採用すればよい。ま
た、ワイヤーハーネス用配線材として、フラットなもの
に限らず、電線を丸形に束ねたもの等も採用し得ること
は勿論である。
【0027】こうして、インストゥルメントパネル1の
芯材層1aにワイヤーハーネスHを取り付けた後、型内
に発泡樹脂を充填することにより、発泡樹脂層1dの成
形とともに、発泡樹脂層1dにワイヤーハーネスHが埋
設されたものを得ることができる。
【0028】この場合、図3に示すように、芯材層1a
の両面で発泡樹脂層1dと1bが背中合わせになる部分
の数カ所で、芯材層1aに貫通孔1eを設けておけば、
インストゥルメントパネル1を成形する際、その型枠内
に、表皮1cと芯材層1aを配置して発泡樹脂を充填す
れば、その貫通孔1eを通じ、一度の充填作業で、ワイ
ヤーハーネスHの発泡樹脂層1dへの埋設と、両発泡樹
脂層1d、1bの成形が同時に行え、作業効率が良い。
【0029】なお、上記では、ワイヤーハーネスHを芯
材層1a上に配置した形で発泡樹脂を成形してワイヤー
ハーネスHを埋設したが、発泡樹脂成形型側にワイヤー
ハーネスHを仮置きして成形してもワイヤーハーネスH
の埋設が可能である。
【0030】こうして、この実施形態では、インストゥ
ルメントパネル1に一体成形する発泡樹脂層1dにワイ
ヤーハーネスHを埋設するようにしたので、発泡樹脂層
1dにより、他部位との接触が阻止され、走行中の振動
により他部位と接触して損傷を受けることがなくなると
ともに、発泡樹脂層1dとの密着面においても、軽量で
弾性に富んだ発泡樹脂の緩衝作用により応力が格段に抑
制されるので、保護が確実になる。
【0031】そして、インストゥルメントパネル1に対
するワイヤーハーネスHの取付け部品とワイヤーハーネ
スHの保護部品がこの樹脂層1dで兼用されるので部品
点数が大幅に減少し、走行中に振動し易い取付け部品や
保護部品がないので、異音の発生もない。
【0032】なお、この実施形態において、図2に示す
ように、電装品3との接続や、他部位のワイヤーハーネ
ス、ジャンクションブロックと接続するコネクタCをイ
ンストゥルメントパネル1の前記ハーネス取付け面に固
定すれば、インストゥルメントパネル1への電装品3の
取付けの際、同時に電気的接続も可能となり、これらの
作業の簡素化が図れる。このことは、他の部位でのワイ
ヤーハーネスやジャンクションブロックとの接続にも同
様のことが適用でき、同様の効果を得ることができる。
これらの場合、前記コネクタに調芯機能が備わっている
ことが望ましい。
【0033】コネクタCの取付け方としては、接着剤に
よる方法、インストゥルメントパネル1とコネクタC
に、互いに嵌合する嵌合構造を設け、その嵌合構造によ
り両者を固定する等、周知の方法を適用することができ
る。なお、図中C’は電装品3側のコネクタである。
【0034】また、上記では、コネクタCをインストゥ
ルメントパネル1に固定する形態を述べたが、特に、イ
ンストゥルメントパネル1に固定する必要もなく、発泡
樹脂層1dの成形の際、コネクタCの一部をその発泡樹
脂層1dに埋設する形態にして固定してもよい。
【0035】(第2の実施形態)第2の実施形態では、
ワイヤーハーネスを取り付けるインストゥルメントパネ
ルは、図4に示すように、第1の実施形態と同様、芯材
層1aの車室側Aに発泡樹脂層1bが積層され、その上
に装飾用の表皮1cが形成された仕様のものになってお
り、ワイヤーハーネスHが発泡樹脂層に埋設されること
も同様であるが、車室の裏側Bに発泡樹脂層(前記第1
の実施形態の1d)は形成されず、ワイヤーハーネスH
が埋設される対象の発泡樹脂層は、車室側Aに形成され
る発泡樹脂層1bであり、ワイヤーハーネスHは芯材層
1aの車室側Aに取り付けられることになる。また、以
下に述べるように、前記発泡樹脂層1bに対する埋設の
仕方が第1の実施形態とは異なる。
【0036】この第2の実施形態では、芯材層1aの車
室側Aの面に、ワイヤーハーネスHが接着剤4によって
固定され、その接着固定されたワイヤーハーネスHの表
面が、周囲の芯材層1aの表面とともに樹脂シート5で
覆われた形になっている。
【0037】そして、この樹脂シート5の表面を発泡樹
脂層1bが覆い、さらにその発泡樹脂層1bを表皮1c
が覆う形になっている。第2の実施形態では、この発泡
樹脂層1bに比較的柔らかいウレタン発泡を用いた。
【0038】さて、次に、このようなワイヤーハーネス
Hの配設方法について説明するが、ワイヤーハーネスH
およびその作製については、前記第1の実施形態の場合
と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0039】先ず、芯材層1aの車室に面する側Aの面
のワイヤーハーネスHの配索経路Lに沿って、又は、以
下に述べる樹脂シートの配設も考慮し、接着剤4を芯材
層1aの面全面にわたって塗布し、ワイヤーハーネス
を、その接着剤4によって固定する。
【0040】第2の実施形態では、この接着剤4とし
て、接着後も長期間弾性が保持されるウレタン系の接着
剤を用いた。これは、接着剤4の硬化によるワイヤーハ
ーネスHへの応力発生を抑制するための配慮である。
【0041】このワイヤーハーネスHの芯材層1aへの
接着の際、その接着剤4を用いて、電気的接続部材(コ
ネクタ)も同時に接着して配設してもよい。
【0042】こうして接着剤4によりワイヤーハーネス
Hを芯材層1aに取り付けた後、このワイヤーハーネス
Hの表面およびその周囲の芯材層1a表面全面を樹脂シ
ート5で覆う。この実施形態では、この樹脂シート5と
してポリ塩化ビニルのシートを用いた。ポリ塩化ビニル
は弾性に富み、シート面方向にも伸長性に富み、このも
のでワイヤーハーネスHを覆うことにより、周囲の芯材
層1aの熱膨張変形に伴う応力を和らげることを配慮し
たものである。
【0043】この樹脂シート5の配設には、前記ワイヤ
ーハーネスHの接着の際の接着剤4を使用し、ワイヤー
ハーネスHの接着時に芯材層1a表面に全面塗布したも
のを利用することができる。樹脂シート5は、接着効果
を高めるため、接着前に樹脂シート5自身を加熱すると
ともに、接着時に、芯材層1aに開けた穴から排気・減
圧作用を施すところの真空成形を利用して行った。この
樹脂シート5はそもそも、芯材層1a表面にワイヤーハ
ーネスHを配索した形で発泡樹脂層1bを形成する際、
芯材層1aに設ける電装品やその関連部品の取付け孔か
ら、発泡樹脂が芯材層1aの裏面(車外側B)に回り込
むのを防ぐためのものである。この第2の実施形態で、
ワイヤーハーネスHを、芯材層1aの車室側Aの面に配
索した理由は、この樹脂シート5を利用してワイヤーハ
ーネスHを配索・固定しようとしたからである。そうす
れば、ワイヤーハーネスHの固定が、前記接着剤4によ
るものだけでなく、より確実になる。しかも、前述した
ように、この樹脂シート5としてポリ塩化ビニルのもの
を用いることにより、ワイヤーハーネスHに対する周囲
の芯材の熱膨張変形に伴う応力が和らげられる。
【0044】以上のように形成したワイヤーハーネスH
配索済みのパネルの芯材層1aとパネルの表皮を成形型
内に対向させて配置し、その芯材層1aと表皮1cで形
成される間隙に発泡樹脂を流し込む。
【0045】こうして、ワイヤーハーネスHが発泡樹脂
層1bと芯材層1aに挟まれたインストゥルメントパネ
ル1を得ることができるが、この第2の実施形態のイン
ストゥルメントパネル1は、ワイヤーハーネスHに対す
る周囲からの応力の状態が前記第1の実施形態の場合と
は異なる。
【0046】すなわち、一般に、芯材層1aと発泡樹脂
層1bの接触面の固着力は強いものではないので、その
ような固着力の弱い両層1a、1bの接触面の部分に、
さらに、第三の物体であるワイヤーハーネスHが配設さ
れた場合には、温度変化による両層1a、1bの膨張・
収縮により、そのワイヤーハーネスHにかかる両層1
a、1bからの応力は、単一の発泡樹脂層1bの中に埋
設された場合にその発泡樹脂層1bから受ける応力より
弱い。従って、両層1a、1bからの応力によるワイヤ
ーハーネスHの疲労が、単一の発泡樹脂層1bの中に埋
設された場合より緩和されるのである。
【0047】以上の両実施形態では、インストゥルメン
トパネル1として、ワイヤーハーネスHが埋設された発
泡樹脂層1dがインストゥルメントパネル1の芯材層1
aに一体成形されたもの(第1の実施形態)、あるい
は、ワイヤーハーネスHが発泡樹脂層1bと芯材層1a
との間に挟まれて一体化されたインストゥルメントパネ
ル1(第2の実施形態)を得ることができるので、その
インストゥルメントパネル1を車体に固定するだけで、
ワイヤーハーネスHが同時に配索でき、自動車組立ライ
ンにおけるワイヤーハーネスHの配索作業を大幅に簡素
化することにもなる。
【0048】また、以上では、インストゥルメントパネ
ルにこの発明を適用したが、車体の他のパネル、例えば
ドアパネル、ルーフパネル、リアトレイパネルなどにも
同様に適用できることは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成したの
で、車体パネルに対するワイヤーハーネスの取付け部品
とワイヤーハーネスの保護部品が発泡樹脂層で兼用さ
れ、かつ、それのみとなるので部品点数が大幅に減少す
る。
【0050】また、発泡樹脂層との密着面においても、
発泡樹脂の緩衝作用により、温度変化による樹脂の膨張
・収縮時に生じる応力の影響が格段に抑制されるので、
保護が確実になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】破断部を含む第1の実施形態の車体パネルの部
分斜視図
【図2】同実施形態のワイヤーハーネスの配索を示す斜
視図
【図3】同実施形態のワイヤーハーネスを発泡樹脂層に
埋設した部分の断面図
【図4】(a)に部分斜視図を示し、(b)にワイヤー
ハーネスを発泡樹脂層に埋設した部分の断面を示した第
2の実施形態の車体パネルの図
【符号の説明】
1 インストゥルメントパネル 1a 芯材層 1b、1d 発泡樹脂層 1c 装飾用表皮 2 フラット配線材 2a 電線 2b 熱融着テープ 3 電装品 4 接着剤 5 樹脂シート H ワイヤーハーネス C、C’コネクタ L 配索経路
フロントページの続き (71)出願人 000219668 東海化成工業株式会社 愛知県小牧市大字北外山字下小管4203番地 の1 (72)発明者 上野 秀樹 名古屋市南区菊住一丁目7番10号 株式会 社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 鎌倉 光寿 名古屋市南区菊住一丁目7番10号 株式会 社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 中島 明 小牧市大字北外山字下小管4203番地の1 東海化成工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体パネルの、車室に面する側とは反対
    側の面に一体成形した発泡樹脂層内にワイヤーハーネス
    が埋設されていることを特徴とするワイヤーハーネスの
    車体パネル取付構造。
  2. 【請求項2】 上記車体パネルもしくはそれに一体成形
    された前記発泡樹脂層にワイヤーハーネスの電気接続部
    が固定されていることを特徴とする請求項1に記載のワ
    イヤーハーネスの車体パネル取付構造。
  3. 【請求項3】 上記車体パネルをインストゥルメントパ
    ネルとし、そのインストゥルメントパネルは、芯材層と
    発泡樹脂層を重ねて接合し、その芯材層を車体への取付
    側とし、発泡樹脂層の車室に面する側に装飾用表皮を形
    成したものとし、前記芯材層の車体へ取付ける側の面に
    は別の発泡樹脂層を設け、その別の発泡樹脂層に前記ワ
    イヤーハーネスを埋設したことを特徴とする請求項1又
    は2に記載のワイヤーハーネスの車体パネル取付構造。
  4. 【請求項4】 上記芯材層両面の両発泡樹脂層は前記芯
    材層を通って連通しており、かつ、両発泡樹脂層は同時
    に一体成形されたものであり、前記ワイヤーハーネスも
    その両発泡樹脂層の成形時に同時に埋設されたものであ
    ることを特徴とする請求項3に記載のワイヤーハーネス
    の車体パネル取付構造。
  5. 【請求項5】 芯材層に樹脂層が積層されてなる車体パ
    ネルの、その芯材層の、前記樹脂層が積層される面に、
    その樹脂層の積層工程の前に、ワイヤーハーネスを配設
    し、そのワイヤーハーネスの配設工程の後、ワイヤーハ
    ーネスを覆って前記樹脂層を前記芯材層に積層し、芯材
    層と樹脂層の間にワイヤーハーネスを配設したワイヤー
    ハーネスの車体パネル取付構造。
  6. 【請求項6】 上記ワイヤーハーネスを芯材層の面に配
    設するのに、ワイヤーハーネスを接着剤で芯材層に接着
    し、その後ワイヤーハーネスを樹脂シートで覆って配設
    したことを特徴とする請求項5に記載のワイヤーハーネ
    スの車体パネル取付構造。
  7. 【請求項7】 上記樹脂層を発泡樹脂で形成したことを
    特徴とする請求項5又は6のいずれか一項に記載のワイ
    ヤーハーネスの車体パネル取付構造。
  8. 【請求項8】 上記車体パネルにワイヤーハーネスの電
    気接続部を固定したことを特徴とする請求項5から7の
    いずれか一項に記載のワイヤーハーネスの車体パネル取
    付構造。
  9. 【請求項9】 上記ワイヤーハーネスをフラット配線材
    で形成したことを特徴とする請求項1から8のいずれか
    一項に記載のワイヤーハーネスの車体パネル取付構造。
JP8266216A 1996-09-05 1996-10-07 ワイヤーハーネスの車体パネル取付構造 Pending JPH10136541A (ja)

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