JPH10131349A - パネル用配線器具及びこれを用いたパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネルの表裏両面の同じ位置に電源、情報等
用のコンセントを設け、コンセント通電のための結線作
業を簡便かつ容易とする。 【解決手段】 パネル厚に略等しく離間されて対向配置
された本体（４）の二側面（５，６）の両面上にコンセ
ント（２）が設けられ、このコンセントから電気的に分
岐された接続端子（８）が、本体上面（７）上に設けら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、パネル用配線器
具及びこれを用いたパネルに関するものである。さらに
詳しくは、この発明は、パネルの表裏両面の同じ位置に
電源、情報等用のコンセントを設けることができ、コン
セント通電のための結線作業を簡便かつ容易とすること
のできるパネル用配線器具及びこれを用いたパネルに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、住宅等の建物内部の居住空間
を生活様式や使い方などに応じて所望に区画し、間取り
することができる間仕切り部材が各種知られている。そ
の一つに、図６に示したような間仕切り用のパネル
（１）があり、据置きタイプと可動タイプの二種類が提
供されている。可動タイプのものは、襖や障子の手軽さ
に、機能性とインテリア性を併せ持ち、閉鎖時にはプラ
イベートな空間を作り、一方、開放時には、開放的な広
い空間とすることができる。

【０００３】このような間仕切り用のパネル（１）につ
いては、内壁面一般に設置されている電源、テレビ、電
話等のコンセントの設置を実現可能とするような試みが
幾つかなされてきている。たとえば、図６に例示したよ
うに、電源、情報等用のコンセント（２）がパネル
（１）に埋め込まれ、このコンセント（２）に電気的に
接続した配線（３）を上端面よりパネル（１）の外部に
引き出している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この図
６に示した従来のパネル（１）では、コンセント（２）
は埋込み式とされており、その設置はパネル（１）の厚
みに左右されるという問題がある。このため、パネル
（１）の表裏両面の同じ位置にコンセント（２）を設け
ることは難しく、表裏両面に設ける場合には、通常、図
７に示したように、コンセント（２）は位置をずらして
設置され、その各々に配線が施されるのが現状であっ
た。

【０００５】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来の間仕切り用のパネルにおける
コンセント設置の欠点を解消し、パネルの表裏両面の同
じ位置に電源、情報等用のコンセントを設けることがで
き、コンセント通電のための結線作業を簡便かつ容易と
することのできるパネル用配線器具及びこれを用いたパ
ネルを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、パネル厚に略等しく離間されて
対向配置された本体二側面の両面上にコンセントが設け
られ、このコンセントから電気的に分岐された接続端子
が、本体上面上に設けられたことを特徴とするパネル用
配線器具を提供する。

【０００７】またこの発明は、内部に配線スペースを備
え、この配線スペースに対応して、表裏に対向配置され
た下地部の一部が対向部位において切り欠かれ、下地部
切欠部が形成されるとともに、前記配線器具が、コンセ
ントが設けられた本体二面を下地部切欠部に配置して配
線スペースに設置されたことを特徴とするパネルを提供
するものでもある。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面に沿って実施例をも示
しつつ、この発明のパネル用配線器具及びこれを用いた
パネルについてさらに詳しく説明する。

【０００９】

【実施例】図１は、この発明のパネル用配線器具の一実
施例を示した斜視図である。たとえばこの図１に示した
例においては、配線器具本体（４）は直方体形状を有
し、その表裏面に相当する対向配置された二側面（５）
（６）に、電源、情報等用のコンセント（２）が設けら
れている。配線器具は、本体（４）のそれら二側面
（５）（６）間の距離を厚みとしており、配線器具の厚
みは、これを設置しようとするパネルのパネル厚に略等
しくされている。

【００１０】一方、本体（４）の上面（７）には接続端
子（８）が設けられている。この接続端子（８）は、コ
ンセント（２）から電気的に分岐されている。また、本
体（４）には、左右両側面を形成する他の二側面（９）
（１０）から外方に、パネル固定用の取付け部（１１）
が、コンセント（２）が設けられた二側面（５）（６）
に略平行に延設されている。取付け部（１１）は、配線
器具のパネル取付けを容易とするための手段であり、二
側面（９）（１０）上に本体（４）の厚み以内に配置さ
れている。この取付け部（１１）には、パネル固定を行
う木ネジ、ビス等の固着具を挿入することのできる小孔
（１２）を予め形成しておくことができる。

【００１１】たとえば以上に例示することのできる配線
器具については、本体の形状は、特に図１に示した形状
に限定されることはない。本体は、パネル厚に略等しく
離間されて対向配置された二側面と、上面を少なくとも
備えたものであれば、その他の構成は任意とすることが
できる。パネル固定用の取付け部が設けられる場合に
は、本体には、さらに、その取付け部を設ける二側面が
必要とされる。

【００１２】図２は、図１に例示した配線器具を取付可
能としたパネルを示した要部断面図である。たとえばこ
の図２に示したように、パネルは、主として、下地部
（１３）と枠部（１４）から構成されており、複数並置
された枠部（１４）に、これを挟んで両側に下地部（１
３）が対向配置されて固定されている。枠部（１４）間
のパネル内部には、空間が形成されており、ここを配線
スペース（１５）としている。この配線スペース（１
５）に対応して、下地部（１３）の一部が対向部位にお
いて切り欠かれ、下地部切欠部（１６）が形成されてい
る。

【００１３】このようなパネルに対して図１に例示した
配線器具は、その配線スペース（１５）に設置される。
図３は、配線器具をパネルに設置する取付構造を示した
要部断面図であるが、この図３に示したように、配線器
具は、下地部切欠部（１６）を介して配線スペース（１
５）内に納められる。このとき、配線器具は、その厚み
をパネル厚に一致させているため、図１に示したコンセ
ント（２）が設けられた本体（４）の二側面（５）
（６）は、その下地部切欠部（１６）に配置され、パネ
ル表裏面と同一面上に配置されることとなる。

【００１４】次いで、配線器具は、本体（４）の二側面
（９）（１０）から延設された取付け部（１１）を木ネ
ジ、ビス等の固着具（１７）によってパネルに取付け固
定される。配線器具の取付け固定を容易とするために、
パネルには、配線スペース（１５）内に固定桟（１８）
を下地部切欠部（１６）に隣接して設けることができ
る。この場合には、取付け部（１１）を固定桟（１８）
上に配置し、図１に示した小孔（１２）から固着具（１
７）を挿入して固定することができる。

【００１５】なお、固定桟（１８）は、パネルの下地部
（１２）、枠部（１３）等に固定しておくことができ
る。たとえば以上のようにして配線器具が設置されたパ
ネルでは、本体（４）の二側面（５）（６）にコンセン
ト（２）が設けられているため、パネルの表裏両面の同
一位置にコンセント（２）が存在することとなる。従来
の間仕切り用のパネルに見られたようなコンセント配置
についての不都合さが解消され、パネル表裏面の同じ位
置にコンセントを設置することが可能となる。

【００１６】配線器具への通電は、コンセント（２）か
ら分岐され、本体（４）の上面に設けられた接続端子
（８）に、電源、情報等用のたとえばＶＶＦケーブルや
コネクタ付き配線部材などを接続することにより行われ
る。このため、配線器具の通電は、パネルの表裏両面に
コンセント（２）が設けられているのにも関わらず、接
続端子（８）の一箇所のみとなり、結線作業が簡略化さ
れ、容易となる。また、結線に用いられるＶＶＦケーブ
ル、コネクタ付き配線部材等が削減されもするので、作
業性の向上とともに、部材費が抑えられ、低コスト化が
図られる。

【００１７】なお、ＶＶＦケーブル、コネクタ付き配線
部材等は、配線器具と同様に、パネル内部の配線スペー
ス（１５）に納められる。配線器具を配線スペース（１
５）に納め、設置するための下地部切欠部（１６）は、
配線器具の外形形状に対応して下地部（１３）に形成す
ることもできるが、図１に示したような取付け部（１
１）が設けられた配線器具を設置するためには、下地部
切欠部（１６）を本体（４）の外形形状よりも大きく形
成した方が、取付作業上好ましい。この点は、配線器具
の接続端子（８）に電源、情報等用のたとえばＶＶＦケ
ーブルやコネクタ付き配線部材などを接続する結線作業
にも共通して言えることである。その一方で、下地部切
欠部（１６）を大きめにパネルに形成すると、配線器具
をパネルに設置しても、下地部切欠部（１６）は、配線
器具本体（４）の表裏面に相当するコンセント（２）が
設けられた二側面（５）（６）で完全に覆い隠すことは
できない。

【００１８】そこで、配線器具の納まり外観を良好とす
るために、パネルの下地部切欠部（１６）には、図２及
び図３に示したようなコンセントパネル（１９）を装着
することができる。このコンセントパネル（１９）は、
たとえば、図４＜ａ＞＜ｂ＞＜ｃ＞に例示することがで
きる。

【００１９】これらの図４＜ａ＞＜ｂ＞＜ｃ＞に示した
ように、コンセントパネル（１９）には、図２及び図３
に例示したパネルの下地部切欠部（１６）への装着を可
能とするように、その両側面の下方位置に凹部（２０）
が形成されている。また、上端部には、左右一対の固定
部（２１）が設けられており、この固定部（２１）に
は、固着具を挿入するための***（２２）が形成されて
いる。両固定部（２１）の間に通線用の切欠部（２３）
が形成されており、この切欠部（２３）は、図１に示し
た配線器具の接続端子（８）に一端を接続したＶＶＦケ
ーブル、コネクタ付き配線部材等（２４）の他端をここ
から引き出すのを可能としている。

【００２０】さらに、コンセントパネル（１９）には、
パネルにおける配線器具の設置位置に対応して、図３に
示したように、配線器具本体（４）の外形に一致する形
状の開口部（２５）が形成されている。開口部（２５）
の位置は任意とすることができる。たとえば、図４の＜
ａ＞＜ｂ＞に例示したように、配線器具の位置に対応し
て開口部（２５）の位置を相違させることができる。

【００２１】図４＜ｃ＞に示したコンセントパネル（１
９）は、パネルに配線器具が設置されない場合に、パネ
ルに形成された下地部切欠部（１６）に目隠し用として
装着されるものであり、図４＜ａ＞＜ｂ＞に例示したコ
ンセントパネル（１９）と開口部（２５）が形成されて
いない点のみ相違している。このようなコンセントパネ
ル（１９）に対応して、パネルには、図５の要部斜視図
に示したように、係止部（２６）及び受け部（２７）が
下地部切欠部（１６）の近傍に設けられている。

【００２２】すなわち、係止部（２６）は、配線スペー
ス（１５）の両側に位置する枠部（１４）の対向する内
側面上に下方位置に突設されている。係止部（２６）
は、コンセントパネル（１９）の凹部（２０）を係止す
ることのできる部材であり、たとえば、この図５に示し
たような短尺棒状のフック等を採用することができる。
受け部（２７）は、パネル上端部に左右一対として下地
部切欠部（１６）に突設されている。この受け部（２
７）は、コンセントパネル（１９）が装着されたとき
に、コンセントパネル（１９）の表面がパネル表面と同
一面上に配置されるような位置に取り付けられている。
また、受け部（２７）にも、固定部（２１）と同様に固
着具挿入用の***（２２）が形成されている。

【００２３】コンセントパネル（１９）をパネルの下地
部切欠部（１６）に装着する際には、図４＜ａ＞＜ｂ＞
＜ｃ＞に例示したコンセントパネル（１９）の一つを適
宜選択し、コンセントパネル（１９）を持ち上げて、そ
の下端を係止部（２６）に当てる。次いで、コンセント
パネル（１９）を下方に滑らせながら、側面の凹部（２
０）に係止部（２６）を進入させ、係合させる。コンセ
ントパネル（１９）は長尺部材ではあるが、パネルに設
けた係止部（２６）によって、コンセントパネル（１
９）の誘込みが可能となり、コンセントパネル（１９）
の下地部切欠部（１６）への位置合わせが容易となって
いる。

【００２４】この後に、下端を中心としてコンセントパ
ネル（１９）の上端部を下地部切欠部（１６）に向けて
回転させ、固定部（２１）を受け部（２７）上に配置
し、双方の***（２２）を一致させ、固着具（２８）を
固定部（２１）側より挿入し、固定する。固着具（２
８）についてはその種類に特に制限はなく、ビス、木ネ
ジ等の適宜なものを採用することができる。取付作業を
より簡便とするには工具の要らないラッチとするのが好
ましい。ラッチの場合には、***（２２）に押し込み挿
入するだけで確実な接合状態が得られる。

【００２５】こうして、パネルの下地部切欠部（１６）
を配線器具本体（４）の外形形状よりも大きく切り欠い
て形成しても、コンセントパネル（１９）の採用によ
り、配線器具の納まり外観を良好とすることができる。
もちろんこの発明は、以上の例によって限定されるもの
ではない。配線器具、パネル、そしてコンセントパネル
の大きさ、形状及び構造等の細部については様々な態様
が可能であることは言うまでもない。

【００２６】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、パネルの表裏両面の同じ位置に電源、情報等用の
コンセントを設けることができる。また、コンセント通
電のための結線作業が簡略化され、容易となる。作業性
の向上とともに、結線に要する部材が削減されることか
ら、配線器具付きのパネルが安価に提供可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のパネル用配線器具の一実施例を示し
た斜視図である。

【図２】図１に例示した配線器具を取付可能としたパネ
ルを示した要部断面図である。

【図３】配線器具をパネルに設置する取付構造を示した
要部断面図である。

【図４】＜ａ＞＜ｂ＞＜ｃ＞は、各々、コンセントパネ
ルを例示した斜視図である。

【図５】コンセントパネルをパネルに装着する取付構造
を示した要部斜視図である。

【図６】従来の間仕切り用のパネルを示した斜視図であ
る。

【図７】図６に示したパネルにおけるコンセント設置に
ついて示した断面図である。

【符号の説明】

２ コンセント ４ 配線器具本体 ５，６，９，１０ 側面 ７ 上面 ８ 接続端子 １１ 取付け部 １２ 小孔 １３ 下地部 １４ 枠部 １５ 配線スペース １６ 下地部切欠部 １７ 固着具 １８ 固定桟 １９ コンセントパネル ２０ 凹部 ２１ 固定部 ２２ *** ２３ 切欠部 ２４ ＶＶＦケーブル、コネクタ付き配線部材等 ２５ 開口部 ２６ 係止部 ２７ 受け部 ２８ 固着具

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネル厚に略等しく離間されて対向配置
   された本体二側面の両面上にコンセントが設けられ、こ
   のコンセントから電気的に分岐された接続端子が、本体
   上面上に設けられたことを特徴とするパネル用配線器
   具。
2. 【請求項２】 本体の厚み以内に配置されるパネル固定
   用の取付け部が、コンセントが設けられた二側面以外の
   本体側面から外方にその二側面と略平行に延設されてい
   る請求項１記載のパネル用配線器具。
3. 【請求項３】 内部に配線スペースを備え、この配線ス
   ペースに対応して、表裏に対向配置された下地部の一部
   が対向部位において切り欠かれ、下地部切欠部が形成さ
   れるとともに、請求項１記載の配線器具が、コンセント
   が設けられた本体二面を下地部切欠部に配置して配線ス
   ペースに設置されたことを特徴とするパネル。
4. 【請求項４】 配線器具本体の外形に一致する形状の開
   口部が、パネルにおける配線器具の設置位置に対応して
   形成されたコンセントパネルが、パネルの下地部切欠部
   に装着される請求項３記載のパネル。
5. 【請求項５】 パネルの配線スペースには、所要部位に
   配線器具固定用の固定桟が設けられ、この固定桟上に前
   記取付け部を配置固定して、配線器具が配線スペースに
   設置される請求項３又は４記載のパネル。