JPH10129969A - 乗客コンベアのステップ洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体形状を小さくし、ステップを洗浄する液
体の浪費を抑える乗客コンベアのステップ洗浄機を提供
する。 【解決手段】 乗客コンベアのステップ１１の幅寸法よ
りも十分に小さい幅寸法で先端にブラシ２６を有し、そ
のブラシ２６の部分に洗浄液を流出させる流出口を有す
る可搬式の流出ヘッド１２を取り付け、この流出ヘッド
１２に接続されて所定の洗浄液供給源から供給される洗
浄液を流出ヘッド１２に導く供給配管１３を設け、流出
ヘッド１２に一体に設けられて洗浄液によるステップ洗
浄後の汚物を吸い込む吸込ヘッド１４とバキューム１７
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は水等の洗浄液によっ
てステップを洗浄する乗客コンベアのステップ洗浄機に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の乗客コンベアのステップ洗浄機
は、例えば実開昭６１−１９１３８０号公報に記載され
ており、これを図８および図９の斜視図および側面図で
示している。ステップ１の幅寸法に相当する大きな幅寸
法を有すると共に先端にブラシ２を有する清掃具３の両
側を支持アーム４で支持し、この支持アーム４にエスカ
レータスカート部に取り付け固定する一対の取付金具５
を設け、清掃具３にはその軸方向の全体にわたって噴射
口を有する噴射パイプ６に自在パイプ７を介して噴霧器
８を接続して構成されている。ステップ１を洗浄すると
きは、取付金具５をエスカレータのスカート部に固定
し、図９に示すように清掃器３のブラシ２をステップ１
の表面に接触させた状態で、ステップ１を駆動させなが
ら噴霧器８を作動させることにより、自在パイプ７を介
して噴射パイプ６の噴射口から洗浄液を噴射しながらス
テップ１を洗浄していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
乗客コンベアのステップ洗浄機は、上述の如く清掃具３
を含む全体形状がステップ１の幅寸法に相当するほど大
型で取り扱いが不便であり、また、洗浄液は、ステップ
１の幅方向に配置した噴射パイプ６の軸方向の全体にわ
たって形成した噴射口から噴射しており、一般にステッ
プ１はスカートに近い両側部分が油や塵埃で汚れやすい
のに対して、それほど汚れない中央部などにも洗浄液が
噴射されるため、洗浄液の浪費を招き不経済であると共
に、ステップの汚れを落した後の洗浄液の回収処理が大
変な作業になっていた。

【０００４】本発明の目的とするところは、ステップを
洗浄する洗浄液の浪費を抑えると共に、汚れを落した後
の洗浄液の回収を容易にした乗客コンベアのステップ洗
浄機を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、乗客コンベアのステップの表面を洗浄液に
よって洗浄する乗客コンベアのステップ洗浄機におい
て、上記ステップの幅寸法よりも十分に小さい幅寸法を
有し、先端にブラシを有すると共に、そのブラシ部分に
上記洗浄液を流出させる流出口を有する流出ヘッドと、
この流出ヘッドに接続され所定の洗浄液供給源から供給
される上記洗浄液を上記流出ヘッドに導く供給配管と、
上記流出ヘッドに一体に設けられて上記洗浄液による上
記ステップの洗浄後の汚物を吸い込む吸込ヘッドと、こ
の吸込ヘッドに接続され上記汚物を所定の吸込手段とを
備えたことを特徴とする。

【０００６】上述したように本発明の乗客コンベアのス
テップ洗浄機は、流出ヘッドおよび吸込ヘッドの幅寸法
をステップの幅寸法よりも十分に小さくしたため、全体
形状が小さくして取扱が容易になり、また、流出ヘッド
の幅寸法を小さくしたことにより流出口から出る洗浄液
の量を流出口の寸法に相応する少ない量にして、ステッ
プを洗浄する洗浄液の浪費を抑えると共に、吸込ヘッド
からの汚物の回収を容易にすることができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。図１は本発明の一実施の形態による
乗客コンベアのステップ洗浄機の正面図であり、図２は
その要部を拡大して示す平面図である。エスカレータの
ステップ１１の表面には、突起を形成する複数のクリー
トと、これらのクリート間に形成された溝があり、これ
らを洗浄するために用いられる乗客コンベアのステップ
洗浄機は、ステップ１１の幅寸法よりも十分に小さい幅
寸法で構成している。ステップ１１を洗浄する洗浄液、
例えば水はつまみ１９によって水量を調節する流量調節
バルブ１８を介して水供給源から供給配管１３で導いて
いる。その後、水は図２に示した供給配管１３の先端側
で二分する分配弁２０を介して分配配管２１によってス
テップ洗浄機の先端に設けられた流出ヘッド１２に導か
れている。この流出ヘッド１２には、吸込ヘッド１４の
下方に一体に設けた下部ガイド板１６と、水によるステ
ップ１１の洗浄後の汚物を吸い込む吸込ヘッド１４とが
一体に設けられており、吸込ヘッド１４から吸い込んだ
汚物は排出配管１５とバキューム１７から成る吸込手段
に導かれる。

【０００８】図３はステップ洗浄機の要部を分解して示
す正面図であり、流出ヘッド１２と、吸込ヘッド１４
と、下部ガイド板１６は、ねじ２２とナット２３とによ
り一体に締結されている。流出ヘッド１２はそれを分解
して示す平面図である図４に示すように、分配管路２１
が接続される本体２４と、この本体２４を覆うように本
体２４上に配置される蓋２５によって、ブラシ２６を挟
持しており、これらは可搬式となっており、ここで蓋２
５は、本体２４から外して裏返しに置かれている状態を
示している。本体２４の先端には、上方に突出する複数
の突起部２７と、これらの突起部２７間に位置する断面
が半円を形成する凹状のブラシ収納部２８とが形成され
ており、この本体２４の形状に対応して、蓋２５の裏側
の先端にも、複数の突起部２９と、これらの突起部２９
間に位置する断面が半円を形成する凹状のブラシ収納部
３０とが形成されている。本体２４の内部には、分配配
管２１に連通する空洞部３２が形成されており、ブラシ
収納部２８に対向する位置にはそれぞれにノズル３３が
形成され、ブラシ２６の根本部には、本体２４のノズル
３３に適合する水通過用の穴が形成されている。ブラシ
２６は、毛部３１と、これら毛部３１を束ねる金具４３
とから成っており、蓋２５を閉じたときの本体２４のブ
ラシ収納部２８と蓋２５のブラシ収納部３０間に金具３
２部分を挟持して収納している。本体２４のブラシ収納
部２８のそれぞれの先端間に形成される隙間３４の幅寸
法は、ステップ１１のクリートがブラシ収納部２８の先
端間に挿入可能に選定されている。

【０００９】図５は吸込ヘッド１４を分解して示す正面
図、図６は吸込ヘッド１４の側面図を示している。排出
管１５が接続される筒状の本体３５と、本体３５内に離
脱可能なカートリッジ３６とから構成され、このカート
リッジ３６は毛部３７と、この毛部３７を保持する保持
体であるベース部材３８とからなっており、本体３５の
内壁とカートリッジ３６との間に十分な空間３９が形成
されるようになっている。また、本体３５の側部には側
部ガイド板４０が取り付けられている。

【００１０】図７は下部ガイド板１６の平面図を示して
おり、下部ガイド板１６の先端部には隙間４２を形成し
た複数の突起部４１が設けられ、隙間４２は図４に示し
た流出ヘッド１２の本体２４に形成された隙間３４と一
致するように配置され、この隙間４２の幅寸法を隙間３
４の幅寸法とほぼ同等に設定してある。

【００１１】今、ステップ１１の洗浄を行なう場合、供
給配管１３、流出ヘッド１２、吸込ヘッド１４および排
出配管１５等からなる可搬部を洗浄対象のステップ１１
のところまで持ち運び、供給配管１３に水供給源を接続
し、排出配管１５にバキューム１７を接続する。この状
態で、図１の矢印で示すように流出ヘッド１２、吸込ヘ
ッド１４および下部ガイド板１６の先端をステップ１１
のクリートに対向させ、流出ヘッド１２の隙間３４およ
び下部ガイド板１６の隙間４２にステップ１１のクリー
トが挿入するように押し込む。その後、水供給源から水
を供給すると共にバキューム１７を作動させ、流出ヘッ
ド１２、吸込ヘッド１４等の部分をステップ１１のクリ
ートに沿って繰り返し上下動させる。すると、水供給源
からの水が供給配管１３を介して流出ヘッド１２の流出
口に導かれ、ステップ１１の汚れがブラシ２６，３７に
よる擦過操作と、流出口から流出された水とによりステ
ップ１１の表面から除去され、その汚れである汚物が吸
込ヘッド１４から排出配管１５に吸い込まれ、さらにバ
キューム１７内に吸引されて、ステップ１１の清掃が行
なわれる。

【００１２】このように、流出ヘッド１２および吸込ヘ
ッド１４の幅寸法をステップ１１の幅寸法よりも十分に
小さくしたため、全体形状を小さくすることができると
共に、軽量に構成することができるので、これらの流出
ヘッド１２、吸込ヘッド１４等の可搬部を作業員が持っ
てステップ１１の表面の汚れた部分に容易に位置させる
ことができ、重点的に清掃を行なうことができる。ま
た、流出ヘッド１２の流出口から出る水は、流出口の寸
法に相応する少ない量で済むために、ステップを洗浄す
る洗浄液を節約することができる。また、流出ヘッド１
２の先端および下部ガイド板１６の先端が、ステップ１
１のクリートを嵌め込めるように隙間３４，４２を形成
したため、清掃時に流出ヘッド１２等を上下動させるに
際し、この上下動作を案内させることができ、清掃作業
の能率化に貢献している。また、流出ヘッド１２のブラ
シ２６を本体２４および蓋２５に対して着脱可能に取り
付けたため、ブラシ２６の毛部３７が磨粍したときに
は、新しいブラシに容易に交換することができる。同様
に吸込ヘッド１４のカートリッジ３６も本体３５に対し
て着脱可能に設けているため、カートリッジ３６のブラ
シである毛部３７が磨粍したときは、カートリッジ３６
ごと交換すればよく、この交換も容易である。

【００１３】尚、上記実施の形態では、ステップ１１を
洗浄する液体として水を用いて説明したが、他の洗浄液
を用いてもよい。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように本発明の乗客コンベ
アのステップ洗浄機は、洗浄液を供給すると共に、その
先端部にブラシを有する流出ヘッドと、ステップの汚れ
を落した汚物を吸引する吸込ヘッドとを一体に形成し、
その幅寸法をステップの幅寸法よりも十分に小さくした
ため、全体形状を小さくすることができ、また、流出口
から出る洗浄液を流出口の寸法に相応する少ない量にし
て洗浄液の浪費を抑えることができると共に、ステップ
の汚れを落した後の汚物を容易に回収することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態による乗客コンベアのス
テップ洗浄機の側面図である。

【図２】図１に示した乗客コンベアのステップ洗浄機の
要部平面図である。

【図３】図１に示した乗客コンベアのステップ洗浄機の
要部を分解して示す平面図である。

【図４】図１に示した乗客コンベアのステップ洗浄機の
流出ヘッドを分解して示す平面図である。

【図５】図１に示した乗客コンベアのステップ洗浄機の
吸込ヘッドを分解して示す正面図である。

【図６】図１に示した乗客コンベアのステップ洗浄機の
吸込ヘッドの側面図である。

【図７】図１に示した乗客コンベアのステップ洗浄機の
下部ガイド板の平面図である。

【図８】従来の乗客コンベアのステップ洗浄機の斜視図
である。

【図９】従来の乗客コンベアのステップ洗浄機の側面図
である。

【符号の説明】

１ ステップ １２ 流出ヘッド １３ 供給配管 １４ 吸込ヘッド １５ 排出配管 １８ 流量調節バルブ ２６ ブラシ ３７ 毛部 ３８ ベース部材

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗客コンベアのステップの表面を洗浄機
   によって洗浄する乗客コンベアのステップ洗浄機におい
   て、上記ステップの幅寸法よりも十分に小さい幅寸法を
   有し、先端にブラシを有すると共に、そのブラシ部分に
   上記洗浄液を流出させる流出口を有する流出ヘッドと、
   この流出ヘッドに接続され所定の洗浄液供給源から供給
   される上記洗浄液を上記流出ヘッドに導く供給配管と、
   上記流出ヘッドに一体に設けられて上記洗浄液による上
   記ステップの洗浄後の汚物を吸い込む吸込ヘッドと、こ
   の吸込ヘッドに接続され上記汚物を所定の吸込手段とを
   備えたことを特徴とする乗客コンベアのステップ洗浄
   機。
2. 【請求項２】 請求項１記載のものにおいて、上記供給
   配管を流れる上記洗浄液の量を調整可能なバルブを上記
   供給配管の途中に設けたことを特徴とする乗客コンベア
   のステップ洗浄機。
3. 【請求項３】 請求項１記載のものにおいて、上記流出
   ヘッドおよび上記吸込ヘッドのそれぞれの先端に、上記
   ステップのクリートが挿入可能な複数の溝を設けたこと
   を特徴とする乗客コンベアのステップ洗浄機。
4. 【請求項４】 請求項１記載のものにおいて、上記ブラ
   シを上記流出ヘッドに対して着脱可能に設けたことを特
   徴とする乗客コンベアのステップ洗浄機。
5. 【請求項５】 請求項１記載のものにおいて、上記吸込
   ヘッドの先端にブラシを設けたことを特徴とする乗客コ
   ンベアのステップ洗浄機。
6. 【請求項６】 請求項５記載のものにおいて、上記吸込
   ヘッドに設けたブラシを保持する保持体を設けると共
   に、この保持体を上記吸込ヘッドに対して着脱可能に設
   けたことを特徴とする乗客コンベアのステップ洗浄機。