JPH10128418A - 板クラウン率測定装置 - Google Patents

板クラウン率測定装置

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JPH10128418A
JPH10128418A JP8298123A JP29812396A JPH10128418A JP H10128418 A JPH10128418 A JP H10128418A JP 8298123 A JP8298123 A JP 8298123A JP 29812396 A JP29812396 A JP 29812396A JP H10128418 A JPH10128418 A JP H10128418A
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sheet
rolling
crown ratio
rolled
sheet crown
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JP8298123A
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English (en)
Inventor
Yasushi Maeda
恭志 前田
Hironori Saito
裕紀 斉藤
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板クラウン率を急激に変化させる性質を有し
た圧延板においても高い信頼性で板クラウン率を求め
る。 【解決手段】 冷間圧延機7の出側における圧延板5の
板幅方向全体の圧延形状をセンサーロール装置8等によ
り検出すると共に、圧延板5の材料異方性、圧延荷重、
および接触長さからなる圧延条件データを基にして幅広
がりによる補正係数を求める。そして、前回パスの初期
クラウン率と圧延形状と補正係数とを基にして形状測定
解析用コンピュータ2において板クラウン率を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延機出側におけ
る圧延板の板クラウン率を求める板クラウン率測定装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧延板は、圧延機により圧延されたとき
に、板幅方向の板厚分布である板クラウン率が製品規格
よりも悪いと、後工程における平坦度不良等の各種の不
良原因となるため、長手方向全長に亘って板クラウン率
を測定できることが望まれている。そこで、従来は、圧
延機の出口側に放射線式の厚み計を板幅方向に移動可能
に設置し、圧延中に厚み計を板幅方向に往復移動(走
査)させることによって、板幅方向の板厚を圧延板の長
手方向全長に亘って連続的に測定する方法が採用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、厚み計を板幅方向に走査しながら板厚を測
定する方法では、厚み計の移動と同時に圧延板も走行し
ているため、圧延板側から見ると、厚み計が圧延板をジ
グザグに進行した状態となっている。従って、板幅方向
の任意の測定点に着目すると、測定点が厚み計により測
定されてから次に測定されるまでに、圧延板が所定量を
走行し、所定量毎の間欠的な測定となっているため、圧
延中に板クラウン率を急激に変化させる性質を有した例
えば純アルミ等の軟質の材料からなる圧延板において
は、高い信頼性で測定を行うことができないという問題
がある。また、上記移動式の板厚測定機の測定精度は悪
く、圧延板の板厚が薄くなるのに伴って板クラウン率の
測定誤差が増大するため、薄板の圧延板を圧延する冷間
圧延においては適用できない。
【0004】これにより、上記のような性質を有した圧
延板においては、コイル端部における抜き取り破壊検査
を行ったり、板幅方向の板厚差を考慮した大きめの板厚
として製品規格に対してオーバースペックで製造するこ
とが必要になっており、抜き取り検査による工程数の増
加およびオーバースペックによる材料コストの増加を招
来することになっている。
【0005】従って、本発明は、板クラウン率を急激に
変化させる性質を有した圧延板においても高い信頼性で
板クラウン率を求めることができる板クラウン率測定装
置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、圧延機出側における圧延板の板
クラウン率を求める板クラウン率測定装置において、前
記圧延機出側における圧延板の板幅方向全体の圧延形状
を検出する形状検出手段と、前回パスの出側板クラウン
率(当該パスの初期板クラウン率)を格納した板クラウ
ン率格納手段と、前記圧延板の材料異方性、圧延荷重、
および接触長さからなる圧延条件データを基にして幅広
がりによる補正係数を求める補正係数算出手段と、前記
圧延形状と前記補正係数と前記初期板クラウン率とを基
にして板クラウン率を求める板クラウン率算出手段とを
有していることを特徴としている。これにより、圧延板
の板幅方向全体の圧延形状を形状検出手段により検出
し、この圧延形状と補正係数と初期板クラウン率とを基
にして板クラウン率を連続的に求めることができるた
め、圧延中に板クラウン率を急激に変化させる性質を有
した圧延板においても高い信頼性で板クラウン率を測定
することができる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1記載の板クラ
ウン率測定装置であって、冷間圧延に使用されるもので
あり、該冷間圧延の初回パス時に、熱間圧延での板クラ
ウン率が初期板クラウン率として前記板クラウン率格納
手段に格納されることを特徴としている。これにより、
厚み計による測定誤差の少ない圧延板を圧延対象とする
熱間圧延での板クラウン率を初期板クラウン率として用
いることによって、薄板の圧延板を圧延対象とする冷間
圧延の初回パスにおいても、板クラウン率を高い信頼性
で測定することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図5に基づいて以下に説明する。本実施形態に係る板ク
ラウン率測定装置は、図1に示すように、冷間圧延機7
において測定された圧延板5の板幅方向における圧延形
状δεl (x) と、圧延荷重P等を用いて決定された補正
係数f(x) と、前回パスにおける初期板クラウン率Cr
0(x)とを基にして板クラウン率Cr(x) を求めて画面表示
するように、ホストコンピュータ1、形状測定解析用コ
ンピュータ2、および板クラウン率表示装置3を有して
いる。
【0009】上記のホストコンピュータ1には、熱間圧
延機4における圧延データが入力されるようになってい
る。圧延データは、圧延板5のコイル長や目標板厚、圧
延速度等の各種のデータからなっており、ホストコンピ
ュータ1は、圧延データを圧延板5のコイル番号データ
に対応させて格納するようになっている。また、ホスト
コンピュータ1には、熱間圧延機4の出口側に設けられ
た板厚計6が接続されており、板厚計6は、X線やγ
線、β線等の放射線を入出力する線源部を圧延板5の板
幅方向に往復移動させることによって、圧延板5の板幅
方向における板厚を連続的に測定して板厚データとして
出力するようになっている。そして、ホストコンピュー
タ1は、図2に示すように、板幅方向の各部における板
厚データの平均値を8次関数の曲線で結ぶように、この
8次関数の板クラウンパラメータを求めて格納するよう
になっている。
【0010】上記のホストコンピュータ1は、図1に示
すように、形状測定解析用コンピュータ2に接続されて
いる。形状測定解析用コンピュータ2は、冷間圧延にお
ける板クラウン率Cr(x) を画面表示する板クラウン率表
示装置3と、冷間圧延後の圧延板5の圧延形状を画面表
示する形状表示装置11とに接続されている。また、形
状測定解析用コンピュータ2には、冷間圧延機7の出口
側に設けられたセンサーロール装置8が接続されてい
る。センサーロール装置8は、圧延板5に対して面状に
当接するセンサーロール10を回転自在に有しており、
センサーロール10は、圧延板5の板幅方向に配設され
た複数のセンサーディスクを有している。そして、各セ
ンサーディスクの内部には、図示しない圧力センサが備
えられており、圧力センサは、圧延板5がセンサーディ
スクの外周面に当接することにより発生するラジアル荷
重(張力測定値) を検出し、張力測定信号として形状測
定解析用コンピュータ2に出力するようになっている。
【0011】上記の張力測定信号が入力される形状測定
解析用コンピュータ2は、図3に示すように、形状検出
機能(S6)、初期板クラウン率算出機能(S3)、補
正係数算出機能(S4)、圧下率算出機能(S4)、お
よび板クラウン率算出機能(S7)を有した初回パス用
板クラウン率検出ルーチンを有している。形状検出機能
は、センサーロール装置8からの張力測定信号を基にし
て圧延板5の圧延形状δεl (x) を求めるようになって
いる。初期板クラウン率算出機能は、ホストコンピュー
タ1からの板クラウンパラメータを基にして初期板クラ
ウン率Cr0(x)を算出するようになっている。また、補正
係数算出機能は、ホストコンピュータ1から圧延板5の
材料異方性を示すr 値、圧延荷重P、および接触長さl
からなる圧延条件データを取り込み、この圧延条件デー
タを基にして幅広がりによる補正係数f(x) を求めるよ
うになっている。また、圧下率算出機能は、圧延条件デ
ータや板クラウンパラメータを基にして板幅方向の中央
部における圧下率εt0(板厚方向の歪み) を求めるよう
になっている。そして、板クラウン率算出機能は、上記
の各機能において求められた圧延形状δεl (x) 、圧下
率εt0、初期板クラウン率Cr0(x)、および補正係数f
(x) を下記の計算式(1)に代入することによって、板
クラウン率Cr(x) を算出するようになっている。
【0012】 Cr(x)=1-(1- Cr0(x))×exp[-(εt0×f(x)+ δεl (x))/(1 +f(x))] …(1)
【0013】さらに、形状測定解析用コンピュータ2
は、図4に示すように、次回パス用板クラウン率算出ル
ーチンを有している。次回パス用板クラウン率算出ルー
チンは、上述の初回パス用板クラウン率算出ルーチンと
同様に、形状検出機能(S25)、補正係数算出機能
(S23)、圧下率算出機能(S23)を有していると
共に、板クラウン率算出機能(S28)を有しており、
板クラウン率算出機能は、上記の各機能において求めら
れた圧延形状δεl (x) 、圧下率εt0、および補正係数
f(x) と、初回パス用板クラウン率算出ルーチンにおい
て得られた初期板クラウン率Cr0(x,z)とを下記の計算式
(2)に代入することによって、板クラウン率Cr(x) を
算出するようになっている。尚、(2)式中の“z”
は、圧延開始からのコイル長を示すものである。
【0014】 Cr(x)=1-(1- Cr0(x,z) ×exp[-(εt0×f(x)+ δεl (x))/(1 +f(x))] …(2)
【0015】次に、上記の計算式(1)・(2)により
板クラウン率Cr(x) を求めることができる理由について
説明する。板厚方向の歪みをεt ( 圧下率r :εt =ln
(r))とし、板幅方向の歪みをεw とし、長手方向の歪み
をεl とすると、 εt + εw + εl = 0 …(3) の関係から、板幅の任意の位置xでの関係は、(4)式
のように示すことができる。 εt0(x)+εw0(x)+εl0(x)=0 …(4)
【0016】これにより、板中央を基準にした圧下歪み
の分布δεt (x) 、板中央を基準にした板幅方法の相対
歪みδεw (x) 、および板幅を基準にした圧延形状δε
l (x) は、(5)式、(6)式、および(7)式のよう
にしてそれぞれ求めることができる。 δεt (x) = εt (x)-εt0 …(5) δεw (x) = εw (x)-εw0 …(6) δεl (x) = εl (x)-εl0 …(7) よって、これらの圧下歪みの分布δεt (x) と相対歪み
δεw (x) と圧延形状δεl (x) とは、(8)式の関係
を有することになる。 δεt (x) + δεw (x) + δεl (x) = 0 …(8)
【0017】一方、中央板厚をt0とし、板幅xでの板厚
をt(x)とすると、板クラウン率Cr(x) は、(9)式で定
義できる。 Cr(x) = (t0-t(x))/t0 …(9)
【0018】ここで、1パスの圧延でt0がt'0 になり、
t(x)がt'(x) になったとすると、圧延後の板クラウン率
Cr'(x)および板厚t'(x) は、(10)式および(11)
式のようになる。 Cr'(x) = (t'0-t'(x))/ t'0 …(10) t'(x) =t(x) ×exp(εt (x))t'0 =t0 ×exp(εt0) …(11) これにより、板クラウン率Cr'(x)は、(12)式で示す
ことができる。 Cr'(x) = 1-(t(x)/ t0)×exp(εt (x)-εt0) = 1-(1-Cr(x)) ×exp(εt (x)-εt0) = 1-(1-Cr(x)) ×exp(δεt (x)) = 1-(1-Cr(x)) ×exp(- δεw (x)-δεl (x)) …(12)
【0019】そして、(n−1)パス目からnパス後の
板クラウン率Crn (x) は、(13)式のように示すこと
ができる。 Crn (x) =1-(1- Cr n-1 (x)) ×exp(-[δεw n (x)+δεl n (x)]) …(13)
【0020】従って、冷間圧延機7入側での(n−1)
パス目の板クラウン率Crn-1 (x) (1パス目においては
熱間圧延での板クラウン率Cr(x) )が分かっていると、
冷間圧延機7出側でのnパス目の圧延形状δεl n (x)
を測定することによって、nパス目の相対歪みδεw n
(x) を求めれば、nパス目の板クラウン率Cr n (x)を
求めることができることになる。
【0021】ところで、種々の計算を重ねた結果、幅方
向の歪みεw n (x) が板厚方向の歪みδεt n (x) と圧
延条件により決まる補正係数f(x) とを用いてε
w n (x) =f(x) ×εt n (x) と記述できることが判明
した。尚、補正係数f(x) は、圧延荷重:P、接触長
さ:l 、材料の異方性を示すr 値によって変わる関数で
あり、その他摩擦係数μや変形抵抗などによっても変化
するが、通常圧延機が決まっていればほぼ上記の条件で
整理できる。従って、補正係数f(x) を(14)式のよ
うに表すと、nパス目における板幅方向の歪みε
w n (x) および相対歪みδεw n (x) は、(15)式お
よび(16)式のようにそれぞれ表すことができること
になる。
【0022】 f(x) = f(pn ,l n ,r n )(x) …(14) εw n (x) = f(p n ,l n , r n )(x)×εt n (x) …(15) δεw n (x)=εw n (x)-εw0 = f( pn ,l n ,r n )(x)×εt n (x) −f( pn ,l n ,r n )(0)×εt0 …(16)
【0023】そして、通常の広幅圧延においては、板中
央での幅流れを無視できるので、 f(pn ,l n ,r n )(0)
= 0と近似すると、板幅方向の相対歪みδεw n (x)
は、(17)式のように表現することができる。 δεw n (x) =(δεt n (x)-εt0 n × f(pn ,l n ,r n )(x) …(17)
【0024】上記の(17)式における関数 f(pn ,l n
,r n )(x)を幅広がりによる補正係数f(x) と称し、予
め有限要素法等を用いて計算することができる。また、
δεt n (x) + δεw n (x) + δεl n (x) = 0である
ことから、圧下歪みの分布δεt n (x) は、(18)式
のように表現することができる。 δεt n (x) = −( εt0 n ×f(x) +δεl n (x))/(1 +f(x)) …(18)
【0025】これにより、nパス目の板クラウン率Cr
n (x) は、(19)式を用いて算出できることになり、
この(19)式から上述の計算式(1)・(2)を導き
出すことができることになる。 Crn (x) =1-(1- Cr n-1(x)) ×exp[-(εt0 n ×f(x)+ δεl n (x))/(1+f(x))] …(19)
【0026】上記の構成において、板クラウン率測定装
置の動作について説明する。図1に示すように、熱間圧
延機4により圧延板5が圧延されて圧延コイルとされる
際に、熱間圧延機4における圧延速度等の圧延情報デー
タがホストコンピュータ1に出力されると共に、板厚計
6の走査により板幅方向の板厚が測定され、板厚データ
としてホストコンピュータ1に出力される。圧延情報デ
ータおよび板厚データがホストコンピュータ1に取り込
まれて格納されると、図2に示すように、板幅方向の板
厚データが圧延板5の長手方向の板厚分布も含んでいる
ため、長手方向における板厚を平均的に代表するよう
に、板幅方向の各部における板厚の平均値が求められ、
これらの平均値を8次関数で結ぶように9個の板クラウ
ンパラメータが求められる。そして、このようにして圧
延情報データおよび板クラウンパラメータが圧延板5の
コイル番号に対応して格納されることになる。
【0027】次に、冷間圧延を行う際には、形状測定解
析用コンピュータ2が図3の初回パス用板クラウン率検
出ルーチンを実行することになる。即ち、圧延対象とな
る圧延板5の圧延コイルを指定するように、ホストコン
ピュータ1に対してコイル番号データを出力する(S
1)。ホストコンピュータ1がコイル番号データに対応
した板クラウンパラメータや圧延条件データ等の圧延情
報データを出力すると、これらの圧延情報データを取り
込み(S2)、情報データ中の板クラウンパラメータを
基にして熱間圧延による板クラウン率を求め、この板ク
ラウン率を基にして初期板クラウン率Cr0(x)を算出する
(S3)。さらに、情報データ中の圧延条件データ(材
料異方性を示すr値、圧延荷重P、および接触長さl)
を基にして幅広がりによる補正係数f(x) を求めると共
に、上記の圧延条件データや板クラウン率を基にして板
幅方向の中央部における圧下率εt0を求める(S4)。
【0028】この後、圧延板5に対して冷間圧延が開始
されると(S5)、センサーロール装置8からの張力測
定信号を基にして圧延板5の圧延形状δεl (x) を求め
ると共に、形状表示装置11に対して圧延形状δε
l (x) をデータ出力して画面表示させる(S6)。そし
て、このようにして求められた圧延形状δεl (x) 、圧
下率εt0、初期板クラウン率Cr0(x)、および補正係数f
(x) を計算式(1)に代入することによって、1パス目
の板クラウン率Cr(x) を算出する(S7)。また、圧延
速度と圧延時間から圧延距離zを求め(S8)、図5に
示すように、板クラウン率表示装置3に対して板クラウ
ン率Cr(x) および圧延距離zをデータ出力して画面表示
させる(S9)。
【0029】この後、圧延距離zを監視し、圧延距離z
がコイル全長の1/10増大する毎に、板クラウン率Cr
(x) を次パス用の初期板クラウン率Cr0(x,z)としてホス
トコンピュータ1に出力して格納させる(S10)。そ
して、圧延距離zがコイル全長以上となったか否かを判
定し(S11)、コイル全長以上でなければ(S11,
NO)、S6から再実行して次の板クラウン率Cr(x) を
求めて表示および格納する。一方、コイル全長以上であ
れば(S11,YES)、1パス目の冷間圧延が完了し
たと判断して本ルーチンを終了する。
【0030】次に、2パス目以降の冷間圧延を行う場合
には、図4の次回パス用板クラウン率算出ルーチンを実
行することになる。即ち、圧延対象となる圧延板5を指
定するように、ホストコンピュータ1に対してコイル番
号データを出力する(S21)。そして、ホストコンピ
ュータ1から前回パス(n−1)の例えば1パス目で得
られたコイル番号データに対応した初期板クラウン率Cr
0(x,z)や圧延条件データ等の圧延情報データを獲得する
(S22)。さらに、圧延情報データ中の圧延条件デー
タ(材料異方性を示すr値、圧延荷重P、および接触長
さl)を基にして幅広がりによる補正係数f(x) を求め
ると共に板幅方向の中央部における圧下率εt0を求める
(S23)。
【0031】この後、圧延板5に対する冷間圧延が開始
されると(S24)、センサーロール装置8からの張力
測定信号を基にして圧延板5の圧延形状δεl (x) を求
めると共に、形状表示装置11に対して圧延形状δεl
(x) をデータ出力して画面表示させる(S25)。続い
て、圧延速度と圧延時間とを基にして冷間圧延機7に対
する入側圧延距離zinを求め、この入側圧延距離zin
対応する初期板クラウン率Cr0(x,z)を設定した後(S2
6)、圧延速度と圧延時間とを基にして冷間圧延機7に
対する出側圧延距離zout を求める。
【0032】次に、このようにして求めた圧延形状δε
l (x) 、圧下率εt0、初期板クラウン率Cr0(x,z)、およ
び補正係数f(x) を計算式(2)に代入することによっ
て、2パス目以降の板クラウン率Cr(x) を算出し(S2
8)、板クラウン率表示装置3に対して板クラウン率Cr
(x) および出側圧延距離zout をデータ出力して画面表
示させる(S29)。この後、出側圧延距離zout を監
視し、出側圧延距離zout がコイル全長の1/10増大
する毎に、板クラウン率Cr(x) を次パス用の初期板クラ
ウン率Cr0(x,z)として格納する(S30)。そして、出
側圧延距離zout がコイル全長以上となったか否かを判
定し(S31)、コイル全長以上でなければ(S31,
NO)、S25から再実行して次の板クラウン率Cr(x)
を求めて表示および格納する。一方、出側圧延距離z
out がコイル全長以上であれば(S31,YES)、現
行パスの冷間圧延が完了したと判断して本ルーチンを終
了する。
【0033】以上のように、本実施形態の板クラウン率
測定装置は、図1に示すように、冷間圧延機7の出側に
おける圧延板5の板幅方向全体の圧延形状δεl (x) を
検出するセンサーロール装置8等(形状検出手段)と、
前回パスの初期板クラウン率Cr0(x)を格納したホストコ
ンピュータ1(板クラウン率格納手段)と、圧延板5の
材料異方性であるr値、圧延荷重P、および接触長さl
からなる圧延条件データを基にして幅広がりによる補正
係数f(x) を求める形状測定解析用コンピュータ2(補
正係数算出手段)と、圧延形状δεl (x) と補正係数f
(x) と初期板クラウン率Cr0(x)とを基にして板クラウン
率Cr(x) を求める形状測定解析用コンピュータ2(板ク
ラウン率算出手段)とを有した構成にされている。
【0034】これにより、圧延板5の板幅方向全体の圧
延形状δεl (x) を検出し、この圧延形状δεl (x) と
補正係数f(x) と初期板クラウン率Cr0(x)とを基にして
板クラウン率Cr(x) を連続的に求めることができるた
め、圧延中に板クラウン率を急激に変化させる性質を有
した圧延板5においても高い信頼性で測定することがで
きるようになっている。そして、このようにして測定さ
れた板クラウン率Cr(x)は、図5に示すように、切り板
実験による実測値から板クラウン率Cr(x) を求めて比較
したところ、実測値に極めて近似した値であることが確
認された。
【0035】また、本実施形態の板クラウン率測定装置
は、冷間圧延に使用される際に、冷間圧延の初回パス時
に、熱間圧延での板クラウン率Cr(x) が初期板クラウン
率Cr0(x)として格納される構成にされている。これによ
り、測定誤差の小さな熱間圧延での板クラウン率Cr(x)
を初期板クラウン率Cr0(x)として用いることによって、
薄板の圧延板5を圧延対象とする冷間圧延の初回パスに
おいても、板クラウン率を高い信頼性で測定することが
できるようになっている。
【0036】尚、本実施形態においては、板クラウン率
測定装置を冷間圧延に適用した場合について説明した
が、熱間圧延において適用することもできる。また、本
実施形態においては、圧延距離がコイル全長の1/10
増大する毎に次回パス用の初期板クラウン率Cr0(x,z)を
格納するようになっているが、これに限定されることは
なく、圧延初期や圧延終期において格納頻度を増大させ
るようになっていても良い。そして、この場合には、板
クラウン率の変動の大きな圧延初期や圧延終期におい
て、板クラウン率Cr(x) を細分化して検出することがで
きるため、一層高い信頼性で板クラウン率を求めること
ができる。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明は、圧延機出側における
圧延板の板クラウン率を求める板クラウン率測定装置に
おいて、前記圧延機出側における圧延板の板幅方向全体
の圧延形状を検出する形状検出手段と、前回パスの出側
板クラウン率を格納した板クラウン率格納手段と、前記
圧延板の材料異方性、圧延荷重、および接触長さからな
る圧延条件データを基にして幅広がりによる補正係数を
求める補正係数算出手段と、前記圧延形状と前記補正係
数と前記初期板クラウン率とを基にして板クラウン率を
求める板クラウン率算出手段とを有している構成であ
る。これにより、圧延板の板幅方向全体の圧延形状を形
状検出手段により検出し、この圧延形状と補正係数と初
期板クラウン率とを基にして板クラウン率を連続的に求
めることができるため、圧延中に板クラウン率を急激に
変化させる性質を有した圧延板においても高い信頼性で
測定することができるという効果を奏する。
【0038】請求項2の発明は、請求項1記載の板クラ
ウン率測定装置であって、冷間圧延に使用されるもので
あり、該冷間圧延の初回パス時に、熱間圧延での板クラ
ウン率が初期板クラウン率として前記板クラウン率格納
手段に格納される構成である。これにより、厚み計によ
る測定誤差の少ない圧延板を圧延対象とする熱間圧延で
の板クラウン率を初期板クラウン率として用いることに
よって、薄板の圧延板を圧延対象とする冷間圧延の初回
パスにおいても、板クラウン率を高い信頼性で測定する
ことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】板クラウン率測定装置のブロック図である。
【図2】板幅方向の各部における板厚データの平均値を
8次関数の曲線で結んだ状態を示すグラフである。
【図3】初回パス用板クラウン率算出ルーチンのフロー
チャートである。
【図4】次回パス用板クラウン率算出ルーチンのフロー
チャートである。
【図5】板クラウン率算出結果と切り板実験による板ク
ラウン率測定結果とのグラフである。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ 2 形状測定解析用コンピュータ 3 板クラウン率表示装置 4 熱間圧延機 5 圧延板 6 板厚計 7 冷間圧延機 8 センサーロール装置 9 巻取機 10 センサーロール 11 形状表示装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延機出側における圧延板の板クラウン
    率を求める板クラウン率測定装置において、 前記圧延機出側における圧延板の板幅方向全体の圧延形
    状を検出する形状検出手段と、 前回パスの出側板クラウン率を格納した板クラウン率格
    納手段と、 前記圧延板の材料異方性、圧延荷重、および接触長さか
    らなる圧延条件データを基にして幅広がりによる補正係
    数を求める補正係数算出手段と、 前記圧延形状と、前記補正係数と、前記初期板クラウン
    率とを基にして板クラウン率を求める板クラウン率算出
    手段とを有していることを特徴とする板クラウン率測定
    装置。
  2. 【請求項2】 前記板クラウン率測定装置は、冷間圧延
    に使用されるものであり、 該冷間圧延の初回パス時に、熱間圧延での板クラウン率
    が初期板クラウン率として前記板クラウン率格納手段に
    格納されることを特徴とする請求項1記載の板クラウン
    率測定装置。
JP8298123A 1996-10-21 1996-10-21 板クラウン率測定装置 Pending JPH10128418A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103316931A (zh) * 2013-05-27 2013-09-25 首钢总公司 一种统计板带表面缺陷密度的方法
CN104998917A (zh) * 2015-06-29 2015-10-28 沈阳大学 一种消除热轧钢板表面花斑缺陷的方法

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