JPH10127979A

JPH10127979A - ドラム式乾燥洗濯機

Info

Publication number: JPH10127979A
Application number: JP8288902A
Authority: JP
Inventors: Yuichi Oyama; 裕一大山
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1996-10-31
Filing date: 1996-10-31
Publication date: 1998-05-19
Anticipated expiration: 2016-10-31
Also published as: JP3457810B2

Abstract

(57)【要約】【課題】ワイシャツやシーツなど木綿を含む衣類を洗
濯し、仕上げに糊付けするための専用コースがなく、既
存のコースで糊付けを行うと、衣類に糊液が十分に含浸
していなかったり、脱水度が不適切となる。【解決手段】ドラム４を回転させる駆動装置１１と、
給水装置および排水装置とを備え、洗濯から乾燥までを
前記ドラム４で行うドラム式乾燥洗濯機において、仕上
げに糊付けを行うための糊付けコースを設けてなるもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯から乾燥まで
を１つのドラムで行うドラム式乾燥洗濯機に関し、特
に、洗濯物の糊付けを行う場合の運転制御に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のドラム式乾燥洗濯機は、
ドラムが水槽内で水平軸を中心に回転する構造となって
おり、洗濯から乾燥までを同一のドラムで行えるため、
洗い、すすぎ、脱水、乾燥までの機能を兼ね備えた乾燥
洗濯機の代表的なものとなっている。

【０００３】従来のドラム式乾燥洗濯機を図５に示す。
このドラム式乾燥洗濯機は、外箱１に内装された水槽２
と、この水槽２の内側に水平軸３を中心に回転するよう
に支持されたドラム４との二重構造となっている。水槽
２は、運転中の振動を吸収するため、ばねにより外箱１
に吊り下げられており、洗濯液（洗濯水）やすすぎ液
（すすぎ水）を貯えかつ排出する機能を有している。ド
ラム４は、その周壁全体に洗濯時の給水、脱水時の排水
および乾燥時の通風を通過させるために多数の小孔５が
整列して形成されている。

【０００４】水槽２の前面にはドラム４の開口６に連通
する出し入れ口７が形成され、外箱１の正面には、洗濯
物を出し入れするためのドア８が開閉自在に取り付けら
れ、このドア８は水槽２の出し入れ口７との間をパッキ
ン９により密閉する構造となっており、運転中は自動的
にロックされて開かないようになっている。また、外箱
１の正面上部には、操作キーや表示部を備えた操作パネ
ル１０が設けられており、この裏側に制御回路が取り付
けられている。

【０００５】水槽２の下面には、正逆転可能なモータ１
１が取り付けられ、モータプーリ１２と水平軸３に固定
された従動プーリ１３との間にベルト１４が掛巻され、
これらによってドラム４を回転させる駆動装置が構成さ
れ、モータ１１の駆動力がドラム４に伝達されて、ドラ
ム４は正反転される。

【０００６】水槽２の上方には、給水装置として給水弁
１５が介装された給水路１６が配され、給水路１６は水
槽２の後面に沿って水槽２の下部に連結している。水槽
２の最下部に、パイプ１７を介して水位センサ１８が接
続され、水位の上下に応じて変動するパイプ１７内の圧
力変動によって水位を検出している。また、給水路１６
は給水弁１５直近の下流から分岐されており、水槽２の
上部に連通した温風ダクト１９が形成され、この温風ダ
クト１９中に乾燥用空気を温めるための乾燥用ヒータ２
０および温風を循環させるための送風機２１とが配設さ
れ、温風ダクト１９から水槽２を経て給水路１６を上昇
して再び温風ダクト１９にいたる循環路となっている。

【０００７】水槽２の下面には、排水孔２２が形成され
ており、排水孔２２に機外に通じた排水路２３が接続さ
れている。排水路２３中には、糸屑フィルタ２４、開閉
弁２５、配水ポンプ２６が順に介装され、排水装置が構
成されている。糸屑フィルタ２４は着脱自在とされ、外
箱１の前面下部から取り外すことができる。

【０００８】なお、図中、２７は洗濯水を加熱して温水
洗濯を行うための洗濯用ヒータ、２８は洗濯物に洗濯液
やすすぎ液を噴射する噴射ノズル、２９は糸屑フィルタ
２４の目詰まり状態を検出するセンサである。

【０００９】上記のように構成してなる従来のドラム式
乾燥洗濯機は、まず、洗い行程では、ドラム４内に洗濯
物を入れ、容量センシングおよび布質センシングにより
洗濯物の重さや布質を検出し、検出されたデータに基づ
いて洗濯条件が設定される。そして、洗剤を溶かした洗
濯液を噴射ノズルから噴射したり、あるいは給水路１６
から流し込んで洗濯物に含ませ、設定された水位まで給
水してからドラム４を低速回転させる。

【００１０】そして、ドラム４内の洗濯物は、ドラム４
の回転による遠心力とバッフルとでドラム４内の頂上付
近まで持ちあげられた後、自重により落下する（これを
タンブリングと称する）。このタンブリングを繰り返す
ことにより、洗濯物は落下時の衝撃力でたたき洗いされ
る。すすぎ行程も同様にして行われる。

【００１１】次に、脱水行程では、ドラム４を高速回転
させ、その遠心力を利用して洗濯物をドラム４の周壁内
面に押し付ける。このとき、水はドラム４の小孔５から
飛ばされ、水槽２の内面を伝ってその下部に導かれ、排
水ポンプ２６により排水路２３を通って機外に排出され
る。

【００１２】そして、乾燥行程では、乾燥用ヒータ２０
により加熱され高温となった空気を送風機２１でドラム
４内に吹き込みながら、ドラム４を低速回転させる。乾
燥用ヒータ２０により加熱され高温となった水槽２内の
空気は、ドラム４の回転により撹拌され、洗濯物をふく
む水槽２内部全体の温度を上昇させて、洗濯物に含まれ
る水分を蒸発させる。

【００１３】この高温多湿状態の空気は給水路１６を通
って温風ダクト１９に達するまでの間に、給水路１６を
流れる冷却水と直接接触して水分が凝縮され、その水分
を機外に排出することで除湿が行われる。除湿後の空気
が再び乾燥用ヒータ２０により加熱されるというサイク
ルを繰り返すことにより洗濯物は乾燥される。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】上記のように構成して
なる従来のドラム式乾燥洗濯機では、洗濯物の種類によ
って、標準コースやウールコース、デリケートコース等
複数のコースが選択できるようになっているが、洗濯物
であるワイシャツやシーツなど木綿を含む衣類を洗濯
し、仕上げに糊付けするための専用コースが設定されて
いないため、既存のコースでの糊付けを行うと、衣類に
糊液が十分に含浸していなかったり、脱水度が不適切と
なる問題があった。

【００１５】また、糊付けコースを終了予約運転で数時
間後に終了するように設定する場合、糊を予約時に投入
することが普通であり、いざ数時間後に運転する時には
糊が固まってしまい、糊付けできない恐れがある。

【００１６】そして、ドラム式乾燥洗濯機は洗濯から乾
燥までを連続して行うことができるが、糊付けした衣類
をそのまま乾燥させるとしわが残ったり、形が不均衡に
なるので乾燥は行わないことが望ましいが、従来のドラ
ム式乾燥洗濯機はすすぎ行程において糊付けが行われた
かどうか検知しておらず、使用者が誤って、糊付けした
後に乾燥行程を行ってしまう恐れがある。

【００１７】そしてまた、洗濯機を使用して糊付けを行
い、そのまま放置した場合、水槽内等に残った糊液が腐
敗したり、かびが付着する恐れがあるので水槽内等に残
った糊液を十分に取り去る必要があり、その方法として
槽洗浄コースが提案されており、特開平０４−２０３８
９号公報、特開平０４−１０８４９４号公報等に記載の
ものがあるが、槽洗浄コースが行われるかどうかは使用
者の意志によるので、そほまま放置される場合が少なく
ない。

【００１８】さらに、槽洗浄のために従来のコースを利
用する場合、洗い、あるいは、すすぎ行程を行えばよい
が、洗い行程では糊投入口が洗浄されず、すすぎ行程で
は洗い行程よりも使用水量や運転時間が劣る等の欠点が
あった。

【００１９】上記の如く、従来のドラム式乾燥洗濯機に
おいては、洗濯から糊付けを行う一連の行程で、糊付け
の仕上がりがよくでき、かつ、水槽等の手入れを上手に
行うことができるものはなく、従って、本発明は、仕上
がりのよい糊付け、槽洗浄を行う糊付けコースを持つド
ラム式乾燥洗濯機の提供を目的とするものである。

【００２０】

【課題を解決するための手段】本発明のドラム式乾燥洗
濯機は上記のような課題を解決したもので、請求項１き
さいの発明は、外箱に内装された水槽と、該水槽内に水
平軸を介して回転自在に支持され周壁に多数の小孔を有
するドラムと、該ドラムを回転させる駆動装置と、該ド
ラム内に給水を行う給水装置と、該ドラム内の洗濯水，
すすぎ水等を排水する排水装置とを備え、該ドラム内で
衣類等の洗濯物の洗濯，脱水，乾燥を行うドラム式乾燥
洗濯機において、該洗濯物の糊付けを行う糊付け手段が
設けられたものである。

【００２１】また、請求項２記載の発明は、請求項１記
載の発明において、洗濯物を標準より高い水位で撹拌
し、かつ、標準よりも遅い回転速度で脱水を行うもので
ある。そして、請求項３記載の発明は、請求項１記載の
発明はにおいて、洗濯物の重さを検出する布量検出手段
が設けられ、検出された布量に応じて脱水の運転時間を
自動的に設定する脱水運転制御手段が設けられたもので
ある。

【００２２】そしてまた、請求項４記載の発明は、請求
項１記載の発明において、洗濯物の布質を検出する布質
検知手段が設けられ、検出された布質に応じて脱水の回
転速度を自動的に設定する脱水運転制御手段が設けられ
たものである。さらに、請求項５記載の発明は、請求項
１記載の発明において、洗濯水を加熱するための加熱手
段を有し、糊付け手段において前記加熱手段による温水
運転を行うものである。

【００２３】さらにまた、請求項６記載の発明は、請求
項１記載の発明において、糊付け手段を選択した場合
に、予約運転を禁止するものである。また、請求項７記
載の発明は、請求項１記載の発明において、給水ドラム
内における洗濯物の有無を検出する手段が設けられ、糊
付け手段の脱水運転が終了した後、洗濯物投入扉が閉め
られると洗濯物の有無を検出し、無い場合には自動的に
槽洗浄を行うものであえる。

【００２４】そして、請求項８記載の発明は、請求項１
記載の発明において、糊付け手段の脱水が終了した後、
所定時間が経過すれば、洗濯物の有無に関係なく、槽洗
浄、洗い、あるいはすすぎ運転が自動的に行われるもの
である。そしてまた、請求項９記載の発明は、請求項１
記載の発明において、ドラム内における洗濯物の有無を
検出する手段が設けられ、糊付け手段の脱水運転が終了
した後、槽洗浄の表示を行い、槽洗浄が所定時間内に行
われない場合には警報を出すものである。

【００２５】さらに、請求項１０記載の発明は、請求項
１記載の発明において、ドラム内における洗濯物の有無
を検出する手段が設けられ、糊付け手段の脱水運転が終
了した後、槽洗浄の表示を行い、槽洗浄が行われない場
合は電源のオフ動作を禁止するものである。

【００２６】さらにまた、請求項１１記載の発明は、請
求項１記載の発明において、ドラム内における洗濯物の
有無を検出する手段が設けられ、糊付け手段の脱水運転
が終了した後、槽洗浄の表示を行い、槽洗浄が行われな
い場合は乾燥運転を禁止するものである。

【００２７】また、請求項１２記載の発明は、請求項１
記載の発明において、洗濯水を加熱するための加熱手段
を有し、糊付け手段後に水槽内を洗浄する槽洗浄におい
て前記加熱手段による温水洗いを行うものである。そし
て、請求項１３記載の発明は、請求項１記載の発明にお
いて、糊付けを行った後に行う槽洗浄において、糊投入
箱に給水して糊投入箱を洗浄するものである。

【００２８】

【発明の実施の形態】以下、本発明のドラム式乾燥洗濯
機の実施の形態を図１乃至図４とともに説明するが、上
記従来例で説明したドラム式乾燥洗濯機と同一部分は同
一符号を付しその説明は省略する。

【００２９】本発明のドラム式乾燥洗濯機は、図１に示
すように、外箱１に内装された水槽２と該水槽２内に水
平軸３を介して回転自在に支持され周壁に多数の小孔５
を有するドラム４とを備え、洗濯物の布質を検出する布
質検出手段と、洗濯物の重さを検出する布量検出手段
と、洗濯水を加熱する加熱手段と、洗い、すすぎ、糊付
け、脱水、槽洗浄を行う糊付けコースを設け、糊付け時
には洗濯物が含浸する水位で撹拌し、布質や布量に適し
た脱水運転を行うものである。

【００３０】そして、糊付けコースを終了予約運転で設
定すると、いざ運転する時に糊が固まっている恐れがあ
るので、糊付けコース選択の場合は終了予約運転できな
くし、また、糊付け終了後、半強制的に槽洗浄を行わせ
るために、槽洗浄を促す表示や警報を発し、洗濯物が取
り出されるか、所定時間経過すれば自動時に槽洗浄を開
始する手段を有し、さらに、槽洗浄が行われるまでは電
源をオフ（ＯＦＦ）できなくするものであり、さらにま
た、糊付け終了後、連続して乾燥運転を行うと、糊付け
時のしわが残る等、好ましくない点があり、乾燥運転が
行えないように操作に制限を加え、また、槽洗浄では、
糊投入箱に給水したり、洗濯水を加熱する加熱手段によ
り温水洗いを行うことで手間や使用水量が抑えられ、洗
浄性能を高めるものである。

【００３１】上記構成において、洗濯物をドラム４内に
入れて、洗濯物の重さおよび布質を判定し、これによ
り、糊付けコースにおける洗い、すすぎ、糊付け時の水
位や脱水速度、時間等運転条件が設定され、そして、糊
付け工程では、洗濯物が含浸する水位まで給水し、ま
た、ヒータ等加熱装置によって温水による糊付けを行
う。一般にドラム式乾燥洗濯機は、洗い、すすぎ時にド
ラム内に貯える洗濯水量は比較的少なく、洗濯物の一部
は洗濯物水位より上へ出るが、糊付けは含浸させて行う
のが最適であり、洗濯物に糊液を十分に含浸するように
給水量を増加させる。また、糊液の温度を高くすれば糊
の粘稠度が減少するので、浸透性が増加して、柔軟で弾
性のある糊付けを行うことができる。

【００３２】脱水行程では、あらかじめ検出しておいた
洗濯物の重さや布質に基づいて設定された回転速度、時
間で脱水運転を行う。糊付け後の脱水度により仕上がり
の硬さが決まるので、洗濯物の種類に適した脱水度にす
るために、例えば、ワイシャツのような木綿・ポリエス
テル混紡など化学繊維の場合は低い回転速度で短時間
で、シーツのような木綿の場合だと少し長めの運転時間
に設定し、それぞれ適した脱水度に調節して、仕上がり
の良好な糊付けを提供する。

【００３３】脱水度行程終了後、使用者に対して槽洗浄
の実行を促すために以下の動作を行う。槽洗浄の実行
を促す表示と警報を行う、洗濯物の有無を確認し、無
ければ槽洗浄を自動開始する、所定時間が経過すれば
無条件に槽洗浄を開始する、槽洗浄が行われるまで電
源ＯＦＦできないようにする。これらにより、糊付け
後、槽洗浄が一連の流れで行われるため、水槽２等に残
った糊液の腐敗や次回の洗濯物への付着を防止する。

【００３４】また、脱水行程終了後、連続して乾燥運転
を行うことができないような制限を行い、表示や警報を
出す。糊付けされた洗濯物を乾燥行程にて加熱すると、
しわが残ったり、形が不均衡になることがあり、これを
防止することができる。そして、槽洗浄行程では、糊投
入口への給水を行うことで糊液除去作業が自動化した
り、ヒータ等の加熱手段による温水洗いによって洗浄効
果を高めることができる。

【００３５】次に本発明のドラム式乾燥洗濯機の実施の
形態を詳細に説明するが、基本構成は従来のドラム式乾
燥洗濯機と同一であり、以下は、本発明のドラム式乾燥
洗濯機の特徴である糊付けコースの糊付け、脱水、槽洗
浄にかかわる機構、制御を中心に説明を行う。

【００３６】本実施の形態のドラム式乾燥洗濯機では、
洗濯物の重さを検出する布量検出手段と、洗濯物の布質
を検出する布質検出手段とを有し、これらの検出信号に
基づいてモータ１１、循環ポンプ、乾燥用ヒータ２０、
洗濯用ヒータ開閉弁２５、給水弁１５を駆動制御する制
御回路を備えている。

【００３７】前記布量検出手段は、ドラム４に洗濯物を
入れて給水前に回転させた時、モータ１１の立ち上がり
の回転数が所定値に達するまでの時間により判定するも
のであり、洗濯物の布量が多くなるほど時間が長くな
る。これによって、短時間で布量を判断することができ
る。

【００３８】前記布質検知手段は、ドラム４に洗濯物を
入れて一定水位まで給水して短時間のタンブリングを行
い、水位の変化を検出する。そして、再度短時間のタン
ブリングを行い、水位の変化を検出する。以上２回の水
位変化量と検出された容量とから布質を推定する。

【００３９】例えば、綿ならば吸水性が大きいので、水
位変位が大きくなり、ポリエステル、綿・ポリエステル
混紡の化学繊維ならば吸水性がそれほど大きくないの
で、水位変位量も大きくならない。また、他の方法とし
て、洗濯物を入れてドラム４を回転させて停止させたと
き、ドラム４の慣性によりモータ１１も回転して起電力
が発生する。

【００４０】この起電力が洗濯物の重さにより変化する
ことを利用して、まず、洗濯物の吸水前の重さを検出
し、次に吸水させた洗濯物の重さを検出し、両者から吸
水度が算出され、これが洗濯物の布質を表わしている。
この方法では、一度に洗濯物の布量と布質を検知するこ
とができる。

【００４１】前記制御回路は図２の如く、ＣＰＵ、ＲＯ
Ｍ、ＲＡＭを有したマイクロコンピュータチップ４５と
電源スイッチ４６を介して交流電源に接続された電源ト
ランス４７、整流回路４８、電圧レギュレータ４９の電
源回路部と、各駆動機器に駆動信号を出力するドライバ
ー５０およびリレー５１、トライアック５２と、水位セ
ンサ１８、ドアスイッチ５３から検出信号を変換する処
理回路５４とから構成されている。

【００４２】また、制御回路には、図３に示す操作パネ
ル１０に設けられた電源スイッチ４６、スタート一時停
止キー５５、洗濯乾燥コース設定用キー５６、時間予約
キー５７等の各キースイッチが接続され、その設定され
た内容に応じて表示部６０の蛍光表示管が駆動されて点
灯する。表示部６０は、設定されたコースや時間等の各
種情報を表示するようになっている。

【００４３】そして、制御回路は、従来からある各洗濯
コースを実行させる機能の他に、糊付けコース（糊付け
を行う手段）が設けられており、衣類の糊付けを行い、
糊付け終了後に槽洗浄を行うために以下に示す機能を有
している。すなわち、洗い行程開始前に洗濯物の重さを
検出する容量センシング機能と、洗濯物の布質を検出す
る布質センシング機能と、糊付け行程において洗濯物が
含浸する水位まで給水する給水量調節機能と、糊付け時
に糊液を加熱するための洗濯水加熱機能と、脱水時に洗
濯物の種類に応じた脱水度にするために脱水回転速度、
運転時間を制御する脱水運転機能と、糊付け終了後、使
用者に槽洗浄を促すための表示、警報を行い、電源ＯＦ
Ｆ操作を一時的に禁止し、また、洗濯物取り出し、ある
いは一定時間の経過後に自動的に槽洗浄を行う槽洗浄運
転制御機能とである。

【００４４】上記構成において、糊付けコース以外が選
択された場合は、従来技術と同様に洗い行程から乾燥行
程に至る運転が実行される。次に糊付けコースが選択さ
れた場合の動作を図４のフローチャートに基づいて説明
する。

【００４５】まず、ドア８を開けて、洗濯物を入れる。
そして、電源スイッチをＯＮすると、電源が入り表示が
初期設定される。そこで、糊付けコースを選び、スター
トキーを押すと運転が開始される。

【００４６】すると、ドラム４を回転させて、モータ１
１の立ち上がりの回転数が所定値に達するまでの時間を
測定して、洗濯物の重さを判定する。この容量センシン
グが終了してから給水弁１５を開けて、自動洗剤投入装
置等により洗剤とともに水を流し込む。この時、開閉弁
２５は閉じ、排水ポンプ２６は停止している。

【００４７】水位が一定に達したことが水位センサ１８
により検知されると、ドラム４を回転させて短時間のタ
ンブリングを行い、水位の変化を検出して記憶させる。
この２回の水位変化量と先程検出した洗濯物の重さから
布質の推定を行う。これにより糊付けの水位、および脱
水の速度、運転時間等の運転条件が自動的に設定され
る。

【００４８】その後、洗い、中間脱水、すすぎ行程（標
準コースと内容は同じ）を経て、糊付け行程へと移行す
る。まず、水槽２内に残っているすすぎの水を洗濯ヒー
タ等で加熱開始する。糊液の温度を上げると糊の粘稠度
が減少し、浸透性が増加するので、糊付けの効果が上が
る。

【００４９】次に給水弁１５を開けて、自動糊投入装置
等により糊とともに水を追加する。あらかじめ設定され
ている洗濯物が含浸する水位に達したことを水位センサ
１８が検知すると、ドラム４を回転させてタンブリング
を行い、洗濯物に糊液を十分に浸透させる。

【００５０】糊付け行程が終了すると、ドラム４の回転
は停止され、開閉弁２５が開いて排水ポンプ２６が駆動
され、糊液を機外に排出する。排出が完了すると、洗濯
物の布質、容量から設定されたドラム４回転速度、運転
時間に従い、脱水運転を行う。これはワイシャツやシー
ツ等洗濯物の材質による最適な脱水度の違いに合わせ、
脱水Ｎ運転条件を調節し、糊付けの仕上がりを良好にす
るためである。

【００５１】脱水行程が終了すると、ドアロックを解除
し、洗濯物をドラム４から取り出して、糊付けが終了す
る。一般に糊付けを行った洗濯物をそのまま乾燥機で乾
燥させると、しわが残ったり、形が不均衡になる恐れが
あるので、連続して乾燥運転が行えないようにしてお
く。

【００５２】糊付け行程が行われた後、次に槽洗浄行程
へと移行する。使用者に槽洗浄を促すための槽洗浄の表
示を行うとともに槽洗浄行程の運転初期状態で一時停止
し、待機する。そして、一時停止キーが押され、一時
停止解除される、ドラム４内の洗濯物が無いことを検
知する、脱水行程終了後、一定時間Ｔ₁が経過する、
のいずれかが起きると、槽洗浄行程を再開する。

【００５３】前記のいずれもが一定時間Ｔ₂（Ｔ₂＜
Ｔ₁）が経過しても起きない場合は、警報により槽洗浄
を使用者に促したり、槽洗浄が行われるまでは電源がＯ
ＦＦできなくすることで、槽洗浄が実施されるように
し、糊付け行程後の水槽２やドラム４内の残留糊液を除
去し、糊液の腐敗やかび付着を防止する。

【００５４】槽洗浄行程では、給水弁１５を開き、自動
糊投入装置に水を導き、残留糊液を流し出すように洗浄
する。糊付け行程における水位に達したことを水位セン
サ１８が検出すると給水弁１５を閉じ、ドラム４を駆動
させ、低速・高速で正逆回転させて、残留糊液を洗い流
す。このとき、洗濯ヒータ等により洗浄水を加熱し、温
水洗いによって、洗浄性能が高められる。そして、設定
時間運転後、開閉弁２５を開放するとともに排水ポンプ
２６を作動させ、機外に洗浄水を排出する。

【００５５】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で上記実施の形態に
多くの修正および変更を加え得ることはもちろんであ
る。

【００５６】

【発明の効果】本発明のドラム式乾燥洗濯機は上記のよ
うな構成であるから、請求項１乃至請求項５記載の発明
は、洗濯物が含浸する水位、かつ温水での糊付け、およ
び、洗濯物の容量、布質に適した脱水を行うことで、従
来コースによる衣類の糊付けと同じ条件では得られない
仕上がり状態を確保することができ、使用性の優れた乾
燥洗濯機を提供することができる。

【００５７】また、請求項６記載の発明は、糊付けコー
スにおいて、終了予約運転を禁止することで、自動糊投
入装置で糊が固まって糊が供給できない等の不備を防
ぎ、良好な仕上がりを確保することができる。そして、
請求項７乃至請求項１０記載の発明は、糊付けが終了し
た後に、自動的あるいは半強制的に槽洗浄を行うことで
水槽やドラム内の残留糊液を除去し、糊液の腐敗、かび
付着、次回の洗濯物への糊付着を防止することができ
る。

【００５８】そしてまた、請求項１１記載の発明は、糊
付けが終了した後、連続して乾燥運転することを禁止す
るので、糊付け時のしわがそのまま固まったり、形が不
均衡になるのを防ぐことができる。さらに、請求項１２
記載の発明は、専用コースで自動糊投入装置を自動で洗
浄することにより、使用水量および時間を節約あるいは
手作業による手間を省くことができる。さらにまた、請
求項１３記載の発明は、温水で槽を洗浄することによ
り、糊液が除去しやすく、洗浄度を高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のドラム式乾燥洗濯機の実施の形態を示
す要部構成図である。

【図２】本発明のドラム式乾燥洗濯機の実施の形態を示
す制御回路の要部ブロック図である。

【図３】本発明のドラム式乾燥洗濯機の実施の形態を示
す操作パネルの要部説明図である。

【図４】本発明のドラム式乾燥洗濯機の実施の形態を示
す糊付けコースの動作を説明するフローチャートであ
る。

【図５】従来のドラム式乾燥洗濯機の要部構成図であ
る。

【符号の説明】

１外箱２水槽３水平軸４ドラム５小孔１１モータ１５給水弁１８水位センサ２０乾燥用ヒータ２５開閉弁２６排水ポンプ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】外箱に内装された水槽と、該水槽内に水
平軸を介して回転自在に支持され周壁に多数の小孔を有
するドラムと、該ドラムを回転させる駆動装置と、該ド
ラム内に給水を行う給水装置と、該ドラム内の洗濯水，
すすぎ水等を排水する排水装置とを備え、該ドラム内で
衣類等の洗濯物の洗濯，脱水，乾燥を行うドラム式乾燥
洗濯機において、該洗濯物の糊付けを行う糊付け手段が
設けられたことを特徴とするドラム式乾燥洗濯機。
【請求項２】前記洗濯物を標準より高い水位で撹拌
し、かつ、標準よりも遅い回転速度で脱水を行うことを
特徴とする請求項１記載のドラム式乾燥洗濯機。
【請求項３】前記洗濯物の重さを検出する布量検出手
段が設けられ、検出された布量に応じて脱水の運転時間
を自動的に設定する脱水運転制御手段が設けられたこと
を特徴とする請求項１記載のドラム式乾燥洗濯機。
【請求項４】前記洗濯物の布質を検出する布質検知手
段が設けられ、検出された布質に応じて脱水の回転速度
を自動的に設定する脱水運転制御手段が設けられたこと
を特徴とする請求項１記載のドラム式乾燥洗濯機。
【請求項５】前記洗濯水を加熱するための加熱手段を
有し、糊付け手段において前記加熱手段による温水運転
を行うことを特徴とする請求項１記載のドラム式乾燥洗
濯機。
【請求項６】前記糊付け手段を選択した場合に、予約
運転を禁止することを特徴とする請求項１記載のドラム
式乾燥洗濯機。
【請求項７】前記ドラム内における洗濯物の有無を検
出する手段が設けられ、糊付け手段の脱水運転が終了し
た後、洗濯物投入扉が閉められると洗濯物の有無を検出
し、無い場合には自動的に槽洗浄を行うことを特徴とす
る請求項１記載のドラム式乾燥洗濯機。
【請求項８】前記糊付け手段の脱水が終了した後、所
定時間が経過すれば、洗濯物の有無に関係なく、槽洗
浄、洗い、あるいはすすぎ運転が自動的に行われること
を特徴とする請求項１記載のドラム式乾燥洗濯機。
【請求項９】前記ドラム内における洗濯物の有無を検
出する手段が設けられ、糊付け手段の脱水運転が終了し
た後、槽洗浄の表示を行い、槽洗浄が所定時間内に行わ
れない場合には警報を出すことを特徴とするドラム式乾
燥洗濯機。
【請求項１０】前記ドラム内における洗濯物の有無を
検出する手段が設けられ、糊付け手段の脱水運転が終了
した後、槽洗浄の表示を行い、槽洗浄が行われない場合
は電源のオフ動作を禁止することを特徴とする請求項１
記載のドラム式乾燥洗濯機。
【請求項１１】前記ドラム内における洗濯物の有無を
検出する手段が設けられ、糊付け手段の脱水運転が終了
した後、槽洗浄の表示を行い、槽洗浄が行われない場合
は乾燥運転を禁止することを特徴とする請求項１記載の
ドラム式乾燥洗濯機。
【請求項１２】前記洗濯水を加熱するための加熱手段
を有し、糊付け手段後に水槽内を洗浄する槽洗浄におい
て前記加熱手段による温水洗いを行うことを特徴とする
請求項１記載のドラム式乾燥洗濯機。
【請求項１３】前記糊付けを行った後に行う槽洗浄に
おいて、糊投入箱に給水して糊投入箱を洗浄することを
特徴とする請求項１記載のドラム式乾燥洗濯機。