JPH10127755A - 抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物及びカテーテルチューブ - Google Patents

抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物及びカテーテルチューブ

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JPH10127755A
JPH10127755A JP8285214A JP28521496A JPH10127755A JP H10127755 A JPH10127755 A JP H10127755A JP 8285214 A JP8285214 A JP 8285214A JP 28521496 A JP28521496 A JP 28521496A JP H10127755 A JPH10127755 A JP H10127755A
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JP
Japan
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resin composition
curable resin
antithrombotic
ultraviolet curable
catheter tube
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JP8285214A
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Yoshihisa Kato
善久 加藤
Hideyuki Suzuki
秀幸 鈴木
Hiroshi Komuro
浩 小室
Hiroyuki Ito
宏幸 伊藤
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療用材料としての制約が極めて少なく、簡
易的・安定的に材料表面に抗血栓性を付与し、生体への
安全性に優れた抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物及びカテ
ーテルチューブを提供するものである。 【解決手段】 紫外線硬化樹脂組成物に、親水性メタク
リレート系モノマを添加してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体内へ挿入また
は生体と接触するカテーテルチューブに係り、特に、抗
血栓性紫外線硬化樹脂組成物及びカテーテルチューブに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野においては、血管と接触
するカテーテルをはじめ、人工血管、人工心臓、人工肺
などに使用する材料として種々の有機高分子材料が検討
されている。この際、これらの有機高分子材料が血液と
接触した場合、血液を凝固させるという問題があるた
め、血栓形成を防止抑制する機能を持つ材料またはその
付与方法が重要視されている。
【0003】抗血栓性を付与する方法としてよく知られ
ているのが、生理活性物質、例えば、抗凝血性天然高分
子であるヘパリンを有機高分子材料中に混入し成形する
方法や、予め成形された材料表面にヘパリンを固定化す
る方法などがある。
【0004】この他にも、合成高分子を用いて血液成分
との相互作用を抑制する分子設計あるいは表面処理など
を行う方法や、生体自身を利用して合成高分子表面に疑
似膜を形成させる方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘパリ
ンなどの生理活性物質を合成高分子中に混入する方法の
場合、水溶性のヘパリンを均一、かつ、大量に混入する
ことは困難であり、また、短時間の内に溶出してしまう
といった問題を有している。さらに、イオン的にヘパリ
ンを材料表面あるいは材料中に結合させる方法の場合、
ヘパリンの結合が表面のみでは短時間の内に流出してし
まい、材料内部までヘパリン化するには多大な工程を必
要とし、かつ、大量のヘパリンを固定化することは困難
である。
【0006】すなわち、このような生理活性物質を物理
的混入あるいは化学的結合を利用して固定化する方法
は、持続性や対象となる材料によって制約を受け、工業
的な加工性または製品としての操作性に優れた材料全て
に適用できるものではない。
【0007】そこで本発明は、上記課題を解決し、医療
用材料としての制約が極めて少なく、簡易的・安定的に
材料表面に抗血栓性を付与し、生体への安全性に優れた
抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物及びカテーテルチューブ
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、紫外線硬化樹脂組成物に、親水性
メタクリレート系モノマを添加してなるものである。
【0009】請求項2の発明は、紫外線硬化樹脂組成物
に、化1
【0010】
【化1】
【0011】で表されるメトキシポリエチレングリコー
ルメタクリレートモノマを添加してなるものである。
【0012】請求項3の発明は、上記メトキシポリエチ
レングリコールメタクリレートモノマにおけるエチレン
グリコール部の繰り返し単位nが、5〜200である請
求項2記載の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物である。
【0013】請求項4の発明は、全体の官能基の90%
以上がメタクロイル基である請求項1乃至請求項3記載
の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物である。
【0014】請求項5の発明は、紫外線硬化樹脂組成物
と親水性メタクリレート系モノマからなる抗血栓性紫外
線硬化樹脂組成物で表面部または全体を形成するもので
ある。
【0015】請求項6の発明は、紫外線硬化樹脂組成物
とメトキシポリエチレングリコールメタクリレートモノ
マからなる抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物で表面部また
は全体を形成するものである。
【0016】上記数値範囲を限定した理由を以下に述べ
る。
【0017】メトキシポリエチレングリコールメタクリ
レートモノマにおけるエチレングリコール部の繰り返し
単位nを、5〜200と限定した理由は、nが5より小
さいと抗血栓性効果が得られにくく、nが200より大
きいと分子量が大きいため樹脂組成物の硬化性が低下し
易くなると共に、機械的強度が著しく低下するからであ
る。
【0018】抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物全体の官能
基の90%以上をメタクロイル基と限定した理由は、メ
タクロイル基が90%よりも少ない(アクリロイル基や
ビニル基などの官能基の比率が高い)と皮膚刺激性が増
大して溶出物試験や生体適合性などといった面であまり
好ましくなく、また、樹脂組成物の硬化収縮率が増大し
て皮膜の曲げ・巻き付け時にクラックなどが発生し易く
なるためである。
【0019】以上の構成によれば、紫外線硬化樹脂組成
物に、親水性メタクリレート系モノマを添加したため、
医療用材料としての制約が極めて少なく、簡易的・安定
的に材料表面に抗血栓性を付与し、生体への安全性に優
れた抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物を得ることができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0021】本発明の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物
は、親水性メタクリレート系モノマと紫外線硬化樹脂組
成物でなり、また、全体の官能基の90%以上がメタク
ロイル基でなるものである。
【0022】親水性メタクリレート系モノマとしては、
例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、2−メトキシジエチルメタク
リレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートなど
が挙げられる。
【0023】紫外線硬化樹脂組成物は、基本的に光重合
性オリゴマ、光重合性モノマ、および光重合開始剤でな
る。
【0024】光重合性オリゴマ(プレポリマ)は、例え
ば、エポキシアクリレート系、エポキシ化油アクリレー
ト系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルウレタン
アクリレート系、ポリエーテルウレタンアクリレート
系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリ
レート系、ビニルアクリレート系、シリコーンアクリレ
ート系、ポリブタジエンアクリレート系、ポリスチレン
エチルメタクリレート系、ポリカーボネートジカルボネ
ート系、不飽和ポリエステル系、ポリエン/チオール系
などの各種オリゴマが挙げられ、不飽和二重結合を有す
る官能基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル
基、アリル基、ビニル基)を2個以上有するものであ
る。
【0025】オリゴマはフッ素置換されたもの、あるい
は、2種以上のオリゴマを組み合わせたものであっても
よく、特に限定しないが、官能基構造がメタクリロイル
基であるものが好ましい。
【0026】光重合性モノマは、分子中にアクリロイル
基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基などの官能
基を1個または2個以上有した化合物であれば特に限定
するものではないが、官能基構造がメタクリロイル基か
らなるものが好ましい。
【0027】光重合開始剤は、光重合性オリゴマと光重
合性モノマの重合反応を開始させるための添加剤であっ
て、紫外線照射により特定波長を吸収して電子的励起状
態となると共に、フリーラジカルを生成し、このフリー
ラジカルによって紫外線架橋を行うものである。光重合
開始剤として、例えば、ベンゾインエーテル系、ケター
ル系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサ
ントン系などが挙げられ、目的に応じて使い分けられ
る。
【0028】本発明の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物
は、全体の官能基の90%以上がメタクロイル基でなる
ものであるが、官能基の全て(100%)をメタクロイ
ル基で構成してもよく、更に生体への安全性に優れた組
成物が得られることは言うまでもない。
【0029】本発明の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物で
被覆してなる抗血栓性1ルーメンカテーテルチューブの
横断面図を図1に示す。また、本発明の抗血栓性紫外線
硬化樹脂組成物で被覆してなる抗血栓性4ルーメンカテ
ーテルチューブの横断面図を図2に示す。さらに、本発
明の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物で被覆してなる抗血
栓性ワイヤの横断面図を図3に示す。
【0030】図1、図2に示すように、抗血栓性1ルー
メンカテーテルチューブ1は、1ルーメンのカテーテル
チューブ2の外周を抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物3で
被覆してなるものであり、抗血栓性4ルーメンカテーテ
ルチューブ11は、4ルーメンのカテーテルチューブ1
2の外周を抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物13で被覆し
てなるものである。
【0031】本発明の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物
は、医療製品、例えば、上述したカテーテルチューブに
適用することができることは言うまでもないが、図3に
示すように、ワイヤ22の外周を抗血栓性紫外線硬化樹
脂組成物23で被覆してなる抗血栓性ワイヤ21として
も適用することができる。
【0032】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。
【0033】他の実施の形態の抗血栓性紫外線硬化樹脂
組成物は、化1
【0034】
【化1】
【0035】で表されるメトキシポリエチレングリコー
ルメタクリレートモノマと紫外線硬化樹脂組成物でな
り、また、全体の官能基の90%以上がメタクロイル基
でなるものである。
【0036】メトキシポリエチレングリコールメタクリ
レートモノマにおけるエチレングリコール部の繰り返し
単位nは特に限定するものではないが、5〜200が特
に好ましい。
【0037】本実施の形態の抗血栓性紫外線硬化樹脂組
成物及びその抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物で被覆して
なるカテーテルチューブは、本発明の抗血栓性紫外線硬
化樹脂組成物及びその抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物で
被覆してなるカテーテルチューブと同等の効果を発揮す
ることは言うまでもない。
【0038】
【実施例】
(実施例1)ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組
成物(UC−1000:電気化学工業(株)製、メタク
ロイル基数/官能基数≒1)100重量部に、親水性メ
タクリレート系モノマのN,N−ジメチルアミノエチル
メタクリレート30重量部を添加して抗血栓性紫外線硬
化樹脂組成物を得る。
【0039】この抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物を用い
て、厚さ約200μmのシートを作製した。
【0040】(実施例2)ウレタンアクリレート系紫外
線硬化樹脂組成物100重量部に、親水性メタクリレー
ト系モノマのヒドロキシプロピルメタクリレート30重
量部を添加して抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物を得る。
【0041】この抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物を用い
て、厚さ約200μmのシートを作製した。
【0042】(実施例3)ウレタンアクリレート系紫外
線硬化樹脂組成物100重量部に、親水性メタクリレー
ト系モノマのポリプロピレングリコールモノメタクリレ
ート20重量部を添加して抗血栓性紫外線硬化樹脂組成
物を得る。
【0043】この抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物を用い
て、厚さ約200μmのシートを作製した。
【0044】(実施例4)ウレタンアクリレート系紫外
線硬化樹脂組成物100重量部に、メトキシポリエチレ
ングリコールメタクリレートモノマ(新中村化学(株)
製、n=9)30重量部を添加して抗血栓性紫外線硬化
樹脂組成物を得る。
【0045】この抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物を用い
て、厚さ約200μmのシートを作製した。
【0046】(実施例5)ウレタンアクリレート系紫外
線硬化樹脂組成物100重量部に、メトキシポリエチレ
ングリコールメタクリレートモノマ(新中村化学(株)
製、n=23)15重量部を添加して抗血栓性紫外線硬
化樹脂組成物を得る。
【0047】この抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物を用い
て、厚さ約200μmのシートを作製した。
【0048】(実施例6)ウレタンアクリレート系紫外
線硬化樹脂組成物100重量部に、メトキシポリエチレ
ングリコールメタクリレートモノマ(新中村化学(株)
製、n=50)10重量部を添加して抗血栓性紫外線硬
化樹脂組成物を得る。
【0049】この抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物を用い
て、厚さ約200μmのシートを作製した。
【0050】(比較例1)ウレタンアクリレート系紫外
線硬化樹脂組成物を用いて、厚さ約200μmのシート
を作製した。
【0051】(比較例2)ウレタンアクリレートオリゴ
マ(M−1100:東亜合成化学製)100重量部に、
親水性メタクリレート系モノマのN,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート45重量部、フェノキシエチル
アクリレート(新中村化学(株)製)50重量部、光重
合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン(チバガイギー製)10重量部を添加して紫
外線硬化樹脂組成物(メタクロイル基数/官能基数≒
0.35)を得る。
【0052】この紫外線硬化樹脂組成物を用いて、厚さ
約200μmのシートを作製した。 (比較例3)ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組
成物100重量部に、メトキシポリエチレングリコール
メタクリレートモノマ(新中村化学(株)製、n=2)
30重量部を添加して紫外線硬化樹脂組成物を得る。
【0053】この紫外線硬化樹脂組成物を用いて、厚さ
約200μmのシートを作製した。 (比較例4)ウレタンアクリレートオリゴマ(M−11
00:東亜合成化学製)100重量部に、メトキシポリ
エチレングリコールメタクリレートモノマ(新中村化学
(株)製、n=9)45重量部、フェノキシエチルアク
リレート(新中村化学(株)製)50重量部、光重合開
始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン(チバガイギー製)10重量部を添加して紫外線
硬化樹脂組成物(メタクロイル基数/官能基数≒0.
2)を得る。
【0054】この紫外線硬化樹脂組成物を用いて、厚さ
約200μmのシートを作製した。実施例1〜6および
比較例1〜4の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物および紫
外線硬化樹脂組成物の諸元を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】実施例1〜6および比較例1〜4のそれぞ
れのシートを用い、抗血栓性、溶出物試験、皮内反応試
験を行い評価した。評価結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】各評価は以下のような手法で行った。
【0059】(抗血栓性)in vitro法の中のk
inetic法に準拠し、50×50mm角のシート上
に新鮮全血を滴下し、10分後に表面を水で洗い真空乾
燥した後、シートの表面をSEM観察した。また、40
℃の温水中に24hr浸漬したシートについても、同様
にSEM観察を行った。
【0060】(溶出物試験)透析型人工腎臓装置基準に
準拠して試験を行い、試験液と空試験液のpH差を求め
た。
【0061】(皮内反応試験)輸液用プラスチック容器
試験法に準拠して試験を行い、試験結果の良かったもの
を適合、そうでないものを不適とした。
【0062】表2に示すように、実施例1〜6のシート
においては、水洗、真空乾燥後および温水40℃×24
hr浸漬後のどちらをSEM観察しても、シート表面へ
の付着物の付着は無い或いは僅かであった。また、試験
液と空試験液のpH差は全て1よりも小さく、皮内反応
試験は全て適合であった。
【0063】これに対して、比較例1のシートは、溶出
物試験は良好で、皮内反応試験は適合であるものの、ウ
レタンアクリレート系紫外線硬化樹脂組成物のみで形成
されているため、シート表面への付着物の付着が観察さ
れた。
【0064】比較例2のシートは、ウレタンアクリレー
トオリゴマに、親水性メタクリレート系モノマを添加し
ているものの、メタクロイル基数/官能基数の値が約
0.35であり、官能基を占めるメタクロイル基の割合
が規定範囲(90%以上)より少ないため、シート表面
への付着物の付着が著しく、溶出物試験のpH差は3と
大きく、皮内反応試験も不適合であった。
【0065】比較例3のシートは、溶出物試験は良好
で、皮内反応試験は適合であるものの、メトキシポリエ
チレングリコールメタクリレートモノマにおけるエチレ
ングリコール部の繰り返し単位nが2であり、規定範囲
(5〜200)外であるため、シート表面への付着物の
付着が観察された。
【0066】比較例4のシートは、ウレタンアクリレー
トオリゴマに、エチレングリコール部の繰り返し単位n
が9と規定範囲(5〜200)内であるメトキシポリエ
チレングリコールメタクリレートモノマを添加している
ものの、メタクロイル基数/官能基数の値が約0.2で
あり、官能基を占めるメタクロイル基の割合が規定範囲
(90%以上)より少ないため、シート表面への付着物
の付着が著しく、溶出物試験のpH差は2〜3と大き
く、皮内反応試験も不適合であった。
【0067】すなわち、紫外線硬化樹脂組成物に、親水
性メタクリレート系モノマまたはエチレングリコール部
の繰り返し単位nが5〜200のメトキシポリエチレン
グリコールメタクリレートモノマを添加して硬化反応時
に架橋体に組み込むことにより、血液との接触時におけ
る血液の凝固を抑制し、溶出などによる組成物表面にお
ける抗血栓性作用の低下を防ぐことができる。
【0068】また、抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物の官
能基の90%以上をメタクロイル基とすることにより、
生体への安全性に優れた組成物となる。
【0069】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0070】(1) 紫外線硬化樹脂組成物に、親水性
メタクリレート系モノマまたはエチレングリコール部の
繰り返し単位nが5〜200のメトキシポリエチレング
リコールメタクリレートモノマを添加するという簡易的
な手法で、安定的に材料表面に抗血栓性を付与すること
ができる。
【0071】(2) 抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物の
官能基の90%以上をメタクロイル基とすることによ
り、生体への安全性に優れた組成物を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物で被覆
してなる抗血栓性1ルーメンカテーテルチューブの横断
面図である。
【図2】本発明の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物で被覆
してなる抗血栓性4ルーメンカテーテルチューブの横断
面図である。
【図3】本発明の抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物で被覆
してなる抗血栓性ワイヤの横断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 宏幸 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線硬化樹脂組成物に、親水性メタク
    リレート系モノマを添加してなることを特徴とする抗血
    栓性紫外線硬化樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 紫外線硬化樹脂組成物に、化1 【化1】 で表されるメトキシポリエチレングリコールメタクリレ
    ートモノマを添加してなることを特徴とする抗血栓性紫
    外線硬化樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記メトキシポリエチレングリコールメ
    タクリレートモノマにおけるエチレングリコール部の繰
    り返し単位nが、5〜200である請求項2記載の抗血
    栓性紫外線硬化樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 全体の官能基の90%以上がメタクロイ
    ル基である請求項1乃至請求項3記載の抗血栓性紫外線
    硬化樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 紫外線硬化樹脂組成物と親水性メタクリ
    レート系モノマからなる抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物
    で表面部または全体を形成することを特徴とする抗血栓
    性カテーテルチューブ。
  6. 【請求項6】 紫外線硬化樹脂組成物とメトキシポリエ
    チレングリコールメタクリレートモノマからなる抗血栓
    性紫外線硬化樹脂組成物で表面部または全体を形成する
    ことを特徴とする抗血栓性カテーテルチューブ。
JP8285214A 1996-10-28 1996-10-28 抗血栓性紫外線硬化樹脂組成物及びカテーテルチューブ Pending JPH10127755A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023190383A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 国立大学法人九州大学 ポリマー組成物

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WO2023190383A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 国立大学法人九州大学 ポリマー組成物

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