JPH10118647A - 有機物を含有した液体の処理方法及び処理装置 - Google Patents

有機物を含有した液体の処理方法及び処理装置

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JPH10118647A
JPH10118647A JP29596796A JP29596796A JPH10118647A JP H10118647 A JPH10118647 A JP H10118647A JP 29596796 A JP29596796 A JP 29596796A JP 29596796 A JP29596796 A JP 29596796A JP H10118647 A JPH10118647 A JP H10118647A
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optical semiconductor
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  • Physical Water Treatments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 流動床式の液体の処理装置及び処理方法にお
いて光半導体の摺擦による脱落や微粉化を抑制し、光半
導体の受光性と液体接触性を高め、固液分離を容易にす
る。 【解決手段】 給液口44から処理槽12内へ液体18
を給液し、狭窄上昇流路24Nに下方から噴気22を送
り込む。光半導体粒子20は、噴気により、液体と共に
狭窄上昇流路内でブラックライト32に対して、シート
状に処理槽の上方に移送され、連通部34Aを通して、
光半導体粒子を含む液体を拡大沈降領域26Wに流入さ
せ、光半導体粒子の自重沈降を促進し、液体の一部を排
液し、残余を、自重沈降した光半導体粒子と共に、再び
狭窄上昇流路の下方に傾斜板40により誘導する。ブラ
ックライトにより、狭窄上昇流路を上昇中、及び、拡大
沈降領域を沈降中の光半導体粒子に光を照射して、光半
導体粒子が発揮する酸化還元作用により液体中の有機物
を分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、工場等か
ら排出される排液等の液体中に含有されたポリビニルア
ルコール等の有機物を分解して、当該排液等の液体を処
理する有機物を含有した液体の処理方法及び処理装置の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工場等の施設から排出される産業廃水や
生活廃水等の液体は、様々な物質、特に有機物を含有し
ていることが多い。これらの有機物、中でも特に水溶性
の有機物は、目視によっては液体中に含有されているこ
とが判りにくいため、そのまま河川等に廃棄されること
があるが、実際には、多量の有機物を含有した液体であ
る場合には化学的酸素消費量(COD)が高く、これを
そのまま廃棄すると、河川や海域、湖沼等の水質を汚濁
する可能性がある。
【0003】このため、これらの有機物を含有した液体
は、有機物を処理してから、排出する等の処分をするこ
とが望まれる。特に、環境保全の見地から、水質汚濁防
止法や各都道府県毎に個別の条例等も設けられているた
め、当該法律や条例等で定める基準をクリアする見地か
らも、液体中の有機物は充分に処理する必要がある。ま
た、これらの液体中の有機物を充分に処理して水質等の
液質を良好にすることができれば、処理済の液体を産業
用水等として再利用し、有効に使用することもできる。
【0004】特に、本発明者等の提案による曲面にパタ
ーン(模様等)を印刷することができる液圧転写印刷工
程(特公昭52−41682号公報、特開平4−122
673号公報等参照)においては、図16に示すよう
に、転写槽48内の液面上に浮かべられたポリビニルア
ルコール(以下、『PVA』と略称する。)を主成分と
する水溶性フィルムから成る転写膜50に、被転写体5
2を押圧して、液圧により転写膜50にインク等により
印刷されたパターン(模様)を被転写体52に転写して
印刷するが、この際、転写膜50を形成するPVAが転
写槽48内の液体18中に溶出して、液体18中のPV
A含有量が次第に多くなる。
【0005】このように、被転写体52に液圧によりパ
ターンを転写する液体18中のPVA濃度が高くなる
と、転写膜50の液体18の液面への展開性等に影響す
ることから、特に液圧転写印刷工程においては、この影
響を防止するためにも、転写槽48内の液体18中のP
VAの濃度を低減する必要がある。なお、液圧転写印刷
工程においては、転写後に、被転写体52上に皮膜とし
て残留した転写膜50を除去するため、シャワーリング
54が行われるが、このシャワーリング54からの排液
も、PVAを含有しているため、同様に、PVAの濃度
を低減する必要がある。
【0006】これらのPVA等の有機物を含有した液体
を処理するためには、バクテリア等の微生物によること
が考えられるが、微生物の食に限界があるためPVA等
の有機物の処理に時間を必要とする。また、凝集剤を使
用することも考えられるが、凝集剤はPVA等の有機物
自体を分解して低分子化するものではないため、液体中
の有機物の濃度を低減することはできない。従って、液
体中の有機物の処理は、PVA等の有機物自体を分解し
て低分子化することにより行うことが望まれ、最近で
は、光半導体に着目して、この光半導体が発揮する酸化
還元作用により液体中のPVA等の有機物を分解して液
体を処理するいくつかの手段が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】その一つとして、光触
媒体を配置した固定床光触媒反応器に水を送液し、内部
の光触媒体に光を照射して、水を浄化する手段が提案さ
れている(特開平8−47687号公報参照)。しか
し、いわゆる固定床では、光半導体等の光触媒体が反応
器の底面に固定的に配置されているため、光触媒体と、
処理すべき水及び光との充分な接触機会を確保すること
ができず、液体を必ずしも充分に効率よく処理すること
ができない。このため、大量に排出される産業用排水等
を処理をするためにも、光半導体が水等の処理すべき液
体に接触する機会(液体接触性)と多量の光の照射を受
ける機会(受光性)を更に高めることが要求される。
【0008】一方、流動床式の処理方法として、PVA
を含有する廃水中に添加された光半導体をスクリューに
より攪拌してPVAを分解、処理する手段が提案されて
いる(特開昭58−11095号公報参照)。このよう
に、液体中で光半導体を攪拌すると、固定床に比べて、
光半導体の水接触性や受光性を高めることができるもの
の、光半導体をスクリュー等の機械的手段により攪拌す
ると、光半導体がスクリュー等に接触、衝突して擦れ落
たり、微粉化して、光半導体の酸化還元作用の効率が低
減したり、また、光半導体の回収が困難となるおそれが
あった。
【0009】この点、同じ流動床であっても、反応装置
内の水に空気又は酸素を吹き込みながら光半導体を攪乱
する手段も提案されている(特公平2−55117号公
報参照)。このように、空気等の噴気によって光半導体
を攪乱すれば、光半導体がスクリューに接触等して擦れ
落ちたり、微粉化することはない。しかし、単一水域内
で、噴気により光半導体を上下左右に入り乱れて攪乱す
ると、例えば、同じ水域内で上昇中の光半導体と沈降中
の光半導体等が相互に接触や衝突等して、摺擦され、光
半導体が時間の経過と共に次第に微粉末化する等して脱
落し、同様に酸化還元作用の効率が低下し、PVA等の
有機物を充分に分解することができなくなるおそれがあ
る。
【0010】また、これらの従来技術の流動床式の処理
方法では、光半導体粒子等が光源に対して立体的に前後
して入り乱れて攪拌されているため、光源から遠い位置
にある光半導体粒子等が、それよりもより光源に近い光
半導体粒子等の影となって充分な受光を遮られ、光半導
体粒子等の混入量の割には、酸化還元作用による有機物
の分解を必ずしも効率よく行うことができないおそれも
あった。したがって、流動床においても、光半導体粒子
の受光性を更に向上することが望まれる。
【0011】更に、これらの流動床式の処理方法におい
ては、液体中に粒子状又は粉末状等の状態で分散された
光半導体を処理済の液体と分離・回収すること(固液分
離)が必ずしも容易ではない問題があった。勿論、フィ
ルタ等を使用して、光半導体粒子等を回収することはで
きるが、比較的早期にフィルタが目詰まりして圧損して
しまうため、いわゆるバッチ的処理しかできない欠点が
あった。
【0012】本発明の課題は、上記の問題点を解決する
ため、光半導体の摺擦等による脱落や微粉化を防止して
酸化還元作用による有機物の分解の効率の低下を抑制す
るのみならず、光半導体の液体接触性と受光性を高める
ことができ、更に、固液分離を容易に達成することがで
きる有機物を含有した液体の処理方法及び処理装置を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するための手段として、基本的には、有機物を含有
した液体を噴気を送り込みながら光半導体粒子によって
処理する液体の処理方法において、光半導体粒子に光を
照射しながら液体を光半導体粒子と共に噴気によって移
送した後、光半導体粒子を含む液体の流速を低下させる
ことによって光半導体粒子を自重沈降させて光半導体粒
子を液体中において偏在させて、その後光半導体粒子を
再び有機物を含有した液体中に散在させることを特徴と
する有機物を含有した液体の処理方法を提供するもので
ある。
【0014】このように、光半導体粒子を噴気により発
生する液流によって移送する工程と、沈降させる工程と
に分けると、光半導体粒子は、一方通行状に移送される
ため、例えば、上昇する光半導体粒子と沈降する光半導
体粒子とが相互に接触、衝突等することが少なくなり、
光半導体の摺擦による光半導体粒子からの脱落や微粉化
を抑制することができると共に、流速を低下させること
によって光半導体粒子を滞留させながら次第に自重沈降
させて処理済の液体中において下方等に偏在させると、
処理済の液体のみを取り出すことにより、固液分離を容
易に達成することができる。また、この液体中において
偏在させた光半導体粒子を再び有機物を含有した液体中
に散在させることにより、有機物を繰り返し分解するこ
とができると共に光半導体粒子が有する酸化還元作用の
持続性を充分に発揮させて、効率よく液体を処理するこ
とができ、大量の液体の処理にも適用することができ
る。なお、光半導体を粉末状等ではなく粒子状にして使
用するのは、ある程度の受光面積を確保するため、ま
た、回収を容易にするため、更には、特に本発明におい
ては、噴気による液流によって浮力等を付与されて確実
に一方向にのみ移送されて液体を効率的に処理できるよ
うにするためである。上記のように、光半導体の微粉化
を抑制することは、これらの観点からも意味がある。
【0015】この場合、処理すべき液体を一方通行状の
管路内で光半導体粒子と共に移送することもできるが、
次に述べるように、水槽状の処理槽内において、流路と
沈降領域とを分けて形成し、光半導体粒子を含む液体
を、この流路から沈降領域に移送することによっても光
半導体粒子を含む液体の一方通行状の移送を達成するこ
とができる。
【0016】すなわち、本発明は、上記の課題を解決す
るための第2の手段として、有機物を含有した液体を光
半導体粒子によって処理する液体の処理方法において、
この液体が入れられた処理槽内において処理槽内に形成
された流路に噴気を送り込むことにより、この流路内で
光半導体粒子を攪乱しつつ液体を光半導体粒子と共に移
送した後、流路と連通する沈降領域に流路を通過した光
半導体粒子を含む液体を流入させ、この沈降領域に流入
する液体の流速を低下させることによって沈降領域にお
ける光半導体粒子の自重沈降を促進させると共に流路か
ら沈降領域へ流入した液体を光半導体粒子と共に再び流
路の入口に誘導し、この間、少なくとも流路を移送中の
光半導体微粒子に光を照射して液体中の有機物を分解す
ることを特徴とする有機物を含有した液体の処理方法を
提供するものである。
【0017】この場合、処理槽内の流路を水平流路又は
やや上方に向けて傾斜して形成された傾斜流路等とし、
噴気にある程度の高圧を付与する等して、光半導体粒子
を含む液体をこれらの流路から沈降領域にまで移送して
光半導体粒子を自重沈降させることができる。もっと
も、沈降領域における光半導体粒子の自重沈降を促進す
るためには、光半導体粒子を含む液体を沈降領域に上方
から流入させることが望ましく、次のように、上昇流路
とすると、光半導体粒子を含む液体を最も簡易に処理槽
の上方部分へ噴気により移送して沈降領域に流入させる
ことができる。
【0018】すなわち、本発明は、上記の課題を解決す
るための第3の手段として、有機物を含有した液体を光
半導体粒子によって処理する液体の処理方法において、
この液体が入れられた処理槽内において処理槽内に形成
された上昇流路に下方から噴気を送り込むことにより、
上昇流路内で光半導体粒子を攪乱しつつ液体を光半導体
粒子と共に処理槽の上方部分に移送した後、この上昇流
路と処理槽の上方部分で連通する沈降領域に上昇流路を
通過した光半導体粒子を含む液体を処理槽の上方部分か
ら流入させ、この沈降領域に流入する液体の流速を低下
させることによって沈降領域における光半導体粒子の自
重沈降を促進させると共に上昇流路から沈降領域へ流入
した液体を光半導体粒子と共に再び沈降領域と処理槽の
下方部分で連通する上昇流路の入口に誘導し、この間、
少なくとも上昇流路を上昇中の光半導体微粒子に光を照
射して液体中の有機物を分解することを特徴とする有機
物を含有した液体の処理方法を提供するものである。
【0019】このように、処理すべき液体を上昇流路に
より光半導体粒子と共に移送すると、通常、液体中で上
昇しようとして上方への液流を発生させる噴気の力を有
効に利用することができるため、光半導体粒子を処理槽
内で簡易かつ確実に上方に移送して、一方通行状の移送
による光半導体粒子の摺擦や微粉化の抑制及び沈降領域
における光半導体粒子の自重沈降の促進による固液分離
を簡易に達成することができる。この場合、有機物を含
有した液体をいわゆるバッチ的に処理することもできる
が、次の解決手段により、液体を大量に処理して時間と
手間の節約をすることもできる。
【0020】具体的には、本発明は、上記の課題を解決
するための第4の手段として、有機物を含有した液体を
光半導体粒子によって処理する液体の処理方法におい
て、この液体を処理槽内へ給液すると共に上昇流路に下
方から噴気を送り込むことにより、この上昇流路内で前
記光半導体粒子を攪乱しつつ液体を光半導体粒子と共に
処理槽の上方部分に移送した後、上昇流路と処理槽の上
方部分で連通する沈降領域に上昇流路を通過した光半導
体粒子を含む液体を処理槽の上方部分から流入させ、こ
の沈降領域に流入する液体の流速を低下させることによ
って沈降領域における光半導体粒子の自重沈降を促進さ
せると共に上昇流路から沈降領域に流入した液体の一部
を処理槽から排液し、かつ、液体の残余を光半導体粒子
と共に再び沈降領域と処理槽の下方部分で連通する上昇
流路の入口に誘導し、この間、少なくとも上昇流路を上
昇中の光半導体微粒子に光を照射して液体中の有機物を
分解することを特徴とする有機物を含有した液体の処理
方法を提供するものである。
【0021】このように、処理槽内に処理すべき液体を
給液すると共に、一部の処理済の液体を処理槽から排液
することにより、液体を連続的に処理することができ、
液体処理の効率を向上させることができる。また、この
処理方法を、他の工業的処理過程の一部として組み込む
ことにより、当該工程から排出される液体を容易に処理
することができ、実用的に実施することができる。な
お、この第4の解決手段に限らず、本発明は、種々の工
程等から排出される有機物を含有した液体の処理を処理
することができるが、特に、以下の課題解決手段に示す
ように、液圧転写印刷工程からの排液の処理に用いるこ
とができる。
【0022】すなわち、本発明は、上記の課題を解決す
るための第5の手段として、液圧転写印刷工程から排出
された有機物であるPVAを含有した液体を光半導体粒
子によって処理する液体の処理方法において、この液体
が入れられた処理槽内において処理槽内に形成された上
昇流路に下方から噴気を送り込むことにより、この上昇
流路内で光半導体粒子を攪乱しつつ液体を光半導体粒子
と共に処理槽の上方部分に移送した後、この上昇流路と
前記処理槽の上方部分で連通する沈降領域に上昇流路を
通過した光半導体粒子を含む液体を処理槽の上方部分か
ら流入させ、この沈降領域に流入する液体の流速を低下
させることによって沈降領域における光半導体粒子の自
重沈降を促進させると共に上昇流路から沈降領域へ流入
した液体を光半導体粒子と共に再び沈降領域と処理槽の
下方部分で連通する上昇流路の入口に誘導し、この間、
少なくとも上昇流路を上昇中の光半導体微粒子に光を照
射して液体中の有機物であるPVAを分解することを特
徴とする有機物を含有した液体の処理方法を提供するも
のである。
【0023】また、同様に、本発明は、上記の課題を解
決するための第6の手段として、液圧転写印刷工程から
排出された有機物であるPVAを含有した液体を光半導
体粒子によって処理する液体の処理方法であって、この
液体を処理槽内へ給液すると共に上昇流路に下方から噴
気を送り込むことにより、この上昇流路内で光半導体粒
子を攪乱しつつ液体を光半導体粒子と共に処理槽の上方
部分に移送した後、この上昇流路と処理槽の上方部分で
連通する沈降領域に光半導体粒子を含む液体を処理槽の
上方部分から流入させ、この沈降領域に流入する液体の
流速を低下させることによって沈降領域における光半導
体粒子の自重沈降を促進させると共に上昇流路から沈降
領域に流入した液体の一部を処理槽から排液し、かつ、
液体の残余を光半導体粒子と共に再び沈降領域と処理槽
の下方部分で連通する上昇流路の入口に誘導し、この
間、少なくとも上昇流路を上昇中の光半導体微粒子に光
を照射して液体中の有機物であるPVAを分解すること
を特徴とする有機物を含有した液体の処理方法を提供す
るものである。
【0024】これらのように、液圧転写印刷工程から排
出される有機物であるPVAを含有した液体を処理する
と、液体中のPVAが低分子化されているため、この液
体を河川等に廃棄する場合に水質を汚濁することが少な
いのは勿論、場合によっては、処理済の液体を、再度、
液圧転写印刷工程に使用して、有効な再利用を図ること
さえ可能となる。
【0025】なお、これらの第5及び第6の課題解決手
段は、特に、液圧転写印刷工程における転写膜に印刷さ
れたパターンを水中で被転写体に転写する転写工程から
の排液や、液圧転写印刷工程におけるパターンが転写さ
れた被転写体上に皮膜として残留した転写膜を除去する
シャワーリング工程からの排液を処理するのに適してい
る。
【0026】また、処理槽を使用する上記第2乃至第6
の解決解決手段においては、処理槽内の沈降領域の横断
面積を、流路又は上昇流路の横断面積より拡大すること
により流路又は上昇流路から沈降領域に流入する液体の
流速を光半導体粒子が沈降領域において滞留しながら次
第に自重沈降することができる程度に低下させることが
できる。
【0027】すなわち、液体の流れ面積を拡大すること
により、特別な機械的手段等を使用することなく、光半
導体粒子を含む液体の流速を簡易にかつ自然に低下させ
て、光半導体粒子を沈降領域において滞留させながら次
第に自重沈降を促進させることができる。なお、上記第
1の課題解決手段のように、必ずしも処理槽を使用しな
い場合であっても、例えば、管路の拡径等の流れ面積の
拡大により、流速を低下させることができる。なお、光
半導体粒子等が透過することができる目の大きいフィル
タ等を流体の流れに対する抵抗として流速を低下させて
もよいことは勿論である。
【0028】また、上記の上昇流路を備えた第3乃至第
6の課題解決手段においては、上昇流路を形成する1組
の対向する内壁面間の間隔を噴気により発生する液流に
よって光半導体粒子を攪乱しながら上昇させることがで
きる程度に狭めて光半導体粒子を処理槽の上方部分へ移
送することができる。
【0029】すなわち、噴気が送り込まれる上昇流路の
幅を余りに大きくすると、上昇流路内で噴気が四方に拡
散する結果、噴気によって発生する液流が分散して液体
の流速が低下し、光半導体粒子が浮上力を失って、光半
導体粒子を処理槽の上方まで確実に移送することができ
ないおそれがある。このため、上記のように、上昇流路
の内壁面間の間隔を適切に狭めると、上昇流路内で噴気
が四方に拡散せず噴気によって発生する上方への液流が
矯正されるため、上昇流路内で上方への液流の影響が及
ばない部分が少なくなると共に、液体の流速が高まるた
め、これにより、光半導体粒子が上昇流路内で噴気によ
る上方への液流から脱落して逆流(沈降)するのを防止
することができ、光半導体粒子を含む液体を処理槽の上
方部分へ確実に移送することができ、望ましい。
【0030】また、これにより、光半導体粒子に上昇流
路内で確実に流れる力が付与されるため、光半導体粒子
が上昇流路の上方で溜ることなく上方の連通部を通って
沈降領域に流入し易くなると共に、光半導体粒子を上昇
流路内でほぼ確実に一方通行状に(処理槽の上方部分に
向かってのみ)移送することができるため、光半導体材
料の摺擦による光半導体粒子からの脱落や微粉化を抑制
することができる。なお、このように上昇流路の幅を狭
めると、特に、上記の拡大沈降領域との組み合わせにお
いて、上昇流路と拡大沈降領域との横断面積差(液体の
流れ面積の差)が大きくなるため、それだけ拡大沈降領
域に流入する液体の流速を低下させて沈降領域で光半導
体粒子を滞留させながら次第に自重沈降させ易くなり、
固液分離の達成がより容易となる。
【0031】この場合、この上昇流路を形成する間隔が
狭い1組の対向する内壁面を光の照射方向に対して前後
して配置して光半導体粒子を処理槽の上方部分へ移送す
ることが望ましい。
【0032】このように、幅が狭い上昇流路を光源に面
するように配置すると、上昇流路の幅が狭いために、光
半導体粒子が上昇流路内で光源に対して前後に重なり合
って影となり、相互の受光を妨げることが少なくなるた
め、光半導体粒子の受光性が向上し、酸化還元作用によ
る有機物の分解を効率よく行うことができる。
【0033】更に、この場合、上昇流路を形成する1組
の対向する内壁面の水平方向の幅を1組の対向する内壁
面間の間隔より大きくして光半導体粒子を処理槽の上方
部分へ移送すると、光半導体粒子が上昇流路内で略面状
(シート状)に移送されるため、広範囲にわたって光の
照射を受けることができると共に液体と接触することが
できるため、光半導体粒子の受光性と液体接触性を高め
ることができる。
【0034】更に、処理槽を使用する上記のいずれかの
課題解決手段においては、沈降領域を滞留しながら次第
に自重沈降する光半導体粒子にも光を照射して液体中の
有機物を分解することができる。このように、沈降領域
を沈降中の光半導体粒子にも光を照射すると、光半導体
粒子の受光機会が多くなると共に、この受光による光励
起中における液体との接触性も高まるため、有機物の分
解をより一層効率的に行うことができる。特に、光半導
体粒子は、沈降領域においては滞留しながら次第にゆっ
くりと自重沈降し、その分、長い時間にわたって受光す
ることができるため、酸化還元作用による有機物の分解
を効果的に行うことができる。
【0035】また、本発明は、上記の液体の処理方法に
使用することができる処理装置として、以下の手段をも
提供するものである。すなわち、本発明は上記の課題を
解決するための第7の手段として、処理すべき有機物を
含有した液体の有機物を光半導体粒子により分解して液
体を処理する処理槽と、この液体を光半導体粒子と共に
処理槽内で移送する噴気を発生する噴気発生手段と、光
半導体粒子に光を照射する光照射手段とを備えた有機物
を含有した液体の処理装置において、処理槽は、下方か
ら噴気が送り込まれて光半導体粒子を攪乱しつつ液体を
光半導体粒子と共に処理槽の上方部分に移送する上昇流
路と、この上昇流路と処理槽の上方部分及び下方部分で
連通し上昇流路を通過した光半導体粒子を含む液体が処
理槽の上方部分から流入して光半導体粒子が自重沈降す
ると共に上昇流路から流入した液体が光半導体粒子と共
に再び上昇流路の下方の入口に誘導される沈降領域とを
含み、光照射手段は少なくとも上昇流路を上昇中の光半
導体微粒子に光を照射することを特徴とする有機物を含
有した液体の処理装置を提供するものである。
【0036】本発明は、上記の課題を解決するための第
8の手段として、処理すべき有機物を含有した液体の有
機物を光半導体粒子により分解して液体を処理する処理
槽と、この液体を光半導体粒子と共に処理槽内で移送す
る噴気を発生する噴気発生手段と、光半導体粒子に光を
照射する光照射手段とを備えた有機物を含有した液体の
処理装置において、処理槽は、下方から噴気が送り込ま
れて光半導体粒子を攪乱しつつ液体を光半導体粒子と共
に処理槽の上方部分に移送する上昇流路と、処理すべき
液体を前記処理槽内へ給液する給液口と、上昇流路を通
過した液体の一部を処理槽の外部へ排出する排液口と、
上昇流路と処理槽の上方部分及び下方部分で連通し上昇
流路を通過した光半導体粒子を含む液体が処理槽の上方
部分から流入して光半導体粒子が自重沈降すると共に液
体の残余が光半導体粒子と共に再び上昇流路の下方の入
口に誘導される沈降領域とを含み、光照射手段は少なく
とも上昇流路を上昇中の光半導体微粒子に光を照射する
ことを特徴とする有機物を含有した液体の処理装置を提
供するものである。
【0037】これらの第7及び第8の課題解決手段は、
液圧転写印刷工程から排出された有機物であるポリビニ
ルアルコールを含有した液体を処理するのに使用するこ
とができる。
【0038】また、本発明は、第9の課題解決手段とし
て、上記第7及び第8の課題解決手段において、上昇流
路から沈降領域へ流入する光半導体粒子を含む液体の流
速を光半導体粒子が沈降領域において自重沈降すること
ができる程度に低下させる流速低下手段を含むことを特
徴とする有機物を含有した液体の処理装置を提供するも
のである。
【0039】この場合、流速低下手段は、上昇流路の横
断面積より大きな横断面積を有し液体の流れ面積の拡大
により液体の流速を低下させる拡大沈降領域とすること
ができる。
【0040】また、本発明は、第10の課題解決手段と
して、上記第7乃至第9の課題解決手段において、上昇
流路は、噴気により発生する液流によって光半導体粒子
を攪乱しながら上昇させて光半導体粒子を処理槽の上方
部分まで移送することができる程度に上昇流路を形成す
る1組の対向する内壁面間の間隔が狭い狭窄上昇流路で
あることを特徴とする有機物を含有した液体の処理装置
を提供するものである。
【0041】この場合、狭窄上昇流路を形成する1組の
対向する内壁面を光の照射方向に対して前後して配置す
ると、光半導体粒子が光源に対して前後に重なり合って
相互の受光を妨げることが少なくなるため、望ましい。
【0042】更に、この場合、狭窄上昇流路を形成する
1組の対向する内壁面の水平方向の幅を1組の対向する
内壁面間の間隔より大きくすると、光半導体粒子が狭窄
上昇流路内で略面状(シート状)に移送され、広範囲に
わたって光の照射を受けることができると同時に液体と
接触することができるため、望ましい。
【0043】また、これらの第7乃至第10の課題解決
手段においては、光照射手段により、沈降領域を自重沈
降する光半導体粒子にも光を照射すると、光半導体粒子
が量的及び時間的に受光性が更に高まり、有機物の分解
が促進されるため、望ましい。この場合、光照射手段
を、上昇流路と沈降領域との間に配置することにより、
上昇流路を上昇中の光半導体粒子と沈降領域を沈降中の
光半導体粒子に、簡易かつ小さなスペースで光を照射す
ることができる。
【0044】なお、上記のいずれかの液体の処理装置に
おいて、沈降領域の下方に傾斜して配置され沈降領域を
自重沈降する光半導体粒子を上昇流路の入口に誘導する
傾斜板を設けることができる。これにより、光半導体粒
子を、その自重沈降を利用して特別な手段を用いること
なく自然に、上昇流路の下方の入口に容易かつ効率的に
誘導して、再び上昇流路内に送り込むことができる。
【0045】更に、上記のいずれかの液体の処理装置に
おいて、例えば、上記の傾斜板等の処理槽を構成する一
部の内壁面に光半導体を担持させると、処理すべき液体
が光半導体と接触する機会が高まる共に、受光性の向上
により光半導体の酸化還元作用による有機物の分解がよ
り一層促進され、液体を効率よく処理することができ
る。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
面を参照しながら詳細に説明すると、図1乃至図3は、
本発明に係る液体の処理装置10を示し、図4乃至図1
1は、この処理装置10を使用した本発明の液体の処理
方法の実施の一形態を示す。この液体の処理装置10
は、図1乃至図3に示すように、処理すべき有機物を含
有した液体18(図4乃至図11参照)の有機物を光半
導体粒子20(図4乃至図11参照)により分解して液
体18を処理する処理槽12と、この液体18を光半導
体粒子20と共に処理槽12内で移送する噴気22(図
4乃至図6参照)を発生する噴気発生手段14と、光半
導体粒子20に光を照射する光照射手段16とを備えて
いる。
【0047】すなわち、本発明の有機物を含有した液体
18の処理方法は、この処理装置10により、処理すべ
き液体18に混入された光半導体粒子20を処理槽12
内で噴気22により発生する液流によって処理槽12の
上方部分に移送しながら、この光半導体粒子20に光を
照射することにより光半導体粒子20に酸化還元作用を
生じさせて、これにより、液体18中の有機物を分解し
て、液体18を処理するものである。
【0048】処理槽12は、図1乃至図3に示すよう
に、上昇流路24と、この上昇流路24と処理槽12の
上方部分及び下方部分で連通する沈降領域26とを有し
ている。これらの上昇流路24及び沈降領域26は、図
1乃至図3に示すように、処理槽12内において、処理
槽12の上方部分及び下方部分に上昇流路24と沈降領
域26との連通部34A、34Bを形成するように上下
に間隙をあけて設けられた隔壁28により、処理槽12
内を区切るようにして形成されている。なお、この隔壁
28は、図示の実施の形態では、図1に示すように、内
部に中空部28Aを有している。
【0049】上昇流路24は、図4乃至図6に示すよう
に、下方から噴気22が送り込まれて光半導体粒子20
を攪乱しつつ液体18を光半導体粒子20と共に処理槽
12の上方部分へ移送する。また、沈降領域26には、
図7及び図8に示すように、この上昇流路24を通過し
た光半導体粒子20を含む液体18が処理槽12の上方
の連通部34Aから流入し、この沈降領域26では、図
9及び図10に示すように、光半導体粒子20が液体1
8の自然な流れによって滞留しながら次第に自重沈降し
ていくと共に、図11に示すように、上昇流路24から
流入した液体18が光半導体粒子20と共に再び上昇流
路24の下方の入口24Aに誘導される。
【0050】このため、光半導体粒子20は、その上昇
過程と沈降過程が分離され、一方通行状に移送されるた
め、単一領域内で、例えば、上昇する光半導体粒子20
と沈降する光半導体粒子20とが相互に接触、衝突等す
ることが少なくなり、光半導体材料の摺擦による光半導
体粒子20からの脱落や微粉化を抑制することができ
る。従って、後に述べる光半導体粒子20の酸化還元作
用が有効に発揮されて、液体18中の有機物を効率的に
分解することができる。具体的には、特に、光半導体材
料が脱落や微粉化すると、本発明における噴気22によ
る確実な一方通行状の移送が困難となると共に受光率が
低下することにより、液体18を効率的に処理すること
ができなくなるため、これを防止することにより、有機
物の効果的な分解を確保することができる。なお、勿
論、光半導体粒子20は、噴気22にり発生する液体1
8の流れ(液流)によって移送されるため、スクリュー
等の機械的手段により摺擦や微粉化されることもない。
【0051】また、この場合、光半導体粒子20を沈降
領域26において自重沈降させているため、光半導体粒
子20を処理済の液体18中において偏在させて液体1
8の一部又は全部から簡易に分離して回収することがで
き、例えば、処理済の液体18を吸水ポンプ等により取
り出すことにより、固液分離を容易に達成することがで
きる。
【0052】更に、この自重沈降により処理槽12内で
偏在した光半導体粒子20を、再び上昇流路24の下方
の入口24Aに誘導することにより、有機物を含有した
液体18に再度混入して散在させることができ、これに
より液体18中の有機物を繰り返し分解することができ
ると共に光半導体粒子20が有する酸化還元作用の持続
性を充分に発揮させて、効率よく液体18を処理するこ
とができる。このため、工場等における工業的過程から
排出される大量の液体18の処理にも適用することがで
きる。
【0053】なお、この実施の形態において、光半導体
粒子20を処理槽12の上方部分へ移送する工程を、水
平流路等ではなく上昇流路24により行うのは、噴気2
2は、通常、液体18内で上昇しようとする性質を有す
るからである。即ち、沈降領域26における光半導体粒
子20の自重沈降を促進するためには光半導体粒子20
を含む液体18を上方から沈降領域26に流入させるこ
とが望ましく、この場合、光半導体粒子20を沈降領域
26の上方に噴気22により発生する液流によって移送
するためには、上昇させることが、最もこの噴気22の
浮上力により発生する上方への液流を有効に活用して、
光半導体粒子20を含む液体18を噴気22により簡易
にかつ確実に処理槽12の上方部分へ移送して沈降領域
26に流入させることができるからである。
【0054】また、上昇流路24とすると、処理槽12
の上方部分及び下方部分で沈降領域26と簡易に連通さ
せることができ、これにより、沈降領域26を自重沈降
して処理槽12の下方部分に至った光半導体粒子20
を、リフト等の特別な機械的搬送手段を用いることなく
簡易に上昇流路24の下方の入口24Aに誘導して、処
理すべき液体18と共に再び上昇させて移送させること
ができるからでもある。
【0055】噴気発生手段14は、図示の実施の形態で
は、図1及び図2に示すように、上昇流路24の下方に
配置されて、図4に示すように、上昇流路24に下方か
ら噴気22を送り込む。噴気発生手段14は、この噴気
22によって、上昇流路24内の液体18に流れを発生
させ、この液流により、光半導体粒子20と共に処理す
べき液体18を上昇流路24内で上昇させて処理槽12
の上方部分に移送する。図示の実施の形態では、この噴
気発生手段14は、図1及び図2に示すように、中空パ
イプ30から成り、この中空パイプ30は、図2に示す
ように、処理槽12の外部に連通して、処理槽12の外
部において図示しないポンプ等により接続され、このポ
ンプ等により酸素又は空気等の気体が圧送される。な
お、この噴気22となる気体に酸素や空気の他にオゾン
(O3 )を混入して、このオゾンの持つ酸化力により活
性化を促して、有機物の分解を促進させることもでき
る。
【0056】また、中空パイプ30には、特に図12に
示すように、無数の噴気口30Aが形成され、中空パイ
プ30内をポンプ等により圧送された空気等の気体は、
この無数の噴気口30Aから外部(処理槽12内)に、
噴気22として噴出される。この噴気口30Aは、圧損
を防止するため、中空パイプ30のうち処理槽12内に
配置される部分にのみ形成することが望ましい。また、
この中空パイプ30は、噴気口30Aの形成が容易であ
り、また、水等の液体と接触しても錆が生じることがな
いことから、一般には、樹脂から形成することが好まし
い。但し、これに限られるものではなく、防錆性を有す
るアルミ等の金属から中空パイプ30を形成してもよ
い。なお、噴気発生停止時に光半導体粒子20が、この
中空パイプ30内に入り込まないように、噴気口30A
の大きさを光半導体粒子20の直径より小さくするか、
又は、噴気口30Aに網等のような噴気22は通すが光
半導体粒子20は通さない膜を設けることが好ましい。
【0057】光照射手段16は、図示の実施の形態で
は、図4に示すように上昇流路24内を上昇中の光半導
体粒子20のみならず、図9に示すように沈降領域26
を滞留しながら次第に自重沈降する光半導体粒子20に
も光を照射して、この光半導体粒子20に光励起による
酸化還元作用を生じさせる。このため、光半導体粒子2
0は、上昇流路24内でのみならず沈降領域26におい
ても光の照射を受けることができるため、受光機会が多
くなると共に、上昇流路24、沈降領域26のいずれに
おいても、この受光による光励起中に処理すべき液体1
8と接触することができるため、液体接触性(液体と接
触する機会)も高まり、酸化還元作用による液体18中
の有機物の分解をより一層効率的に行うことができる。
すなわち、光半導体粒子20は、処理槽12内において
上昇中、沈降中のいずれの場合にも、処理すべき液体1
8に含有された有機物を分解することができる。特に、
光半導体粒子20は、沈降領域26においては、滞留し
ながら次第にゆっくりと自重沈降し、その分、長い時間
にわたって受光することができるため、酸化還元作用に
よる有機物の分解を効果的に行うことができる。
【0058】具体的には、図示の実施の形態では、図1
乃至図3に示すように、光照射手段16として3本のブ
ラックライト32を使用し、これらの3本のブラックラ
イト32を、図1乃至図3に示すように、隔壁28の中
空部28A内に処理槽12を横切るように収納して上昇
流路24と沈降領域26との間に配置している。従っ
て、ブラックライト32は、上昇流路24及び沈降領域
26の両方に向けて光を照射することができる。この場
合、隔壁28は、ブラックライト32の光を充分に透過
することができるように透明な材料から形成することが
望ましい。また、この場合、連通部34A、34Bを形
成する隔壁28の上下の壁も透明とすると、更に光半導
体粒子20の受光性と液体接触性が高まり、好ましい。
【0059】なお、このように、光照射手段16を上昇
流路24と沈降領域26との間に配置して処理槽12内
部に格納することにより、処理槽12の外部から光を照
射する場合に比べて、余分なスペースを必要とすること
なく液体18を簡易に処理することができる点でも有利
である。
【0060】光半導体粒子20は、このブラックライト
32の光の照射により、価電子帯の電子が伝導帯に移動
し、これに伴い価電子帯に生じた正孔が、液体18中の
有機物から電子を奪うことにより有機物を酸化すると共
に、伝導帯に生じた電子により更に有機物を還元して、
処理すべき液体18中の有機物を分解する。これによ
り、液体18中の有機物を低分子化させて、液体18中
の有機物の濃度を低下させることができる。
【0061】この光半導体粒子20は、従来から酸化還
元作用により有機物を分解することが知られているTi
2 (酸化チタニア)、CdS、CdSe、WO3 、F
23 等の各種の光半導体材料から形成することがで
き、これらの光半導体材料を、例えば、セラミックボー
ル上に担持して直径約0.5mm程度の顆粒状に形成す
る等の適宜な方法で粒子状としたものを使用することが
できる。
【0062】この場合、特に、TiO2 は、比較的安価
に入手可能である上に、有害なイオン等が溶け出すこと
がなく、また、光励起による酸化還元作用が強く、有機
物を効果的に分解することができることから、望ましい
例といえる。なお、その活性が高いことから、このTi
2 としては、アナターゼ型の結晶形態を有するTiO
2 を用いることが望ましいが、ルチル型等の他の結晶形
態を有するTiO2 を用いてもよい。
【0063】なお、光半導体を、粉末状等ではなく、あ
る程度の直径を有する粒子状にして使用するのは、ある
程度の受光面積を確保するため、また、回収を容易にす
るため、更に、特に本発明においては、噴気22による
液流によって浮上力等を付与されて確実に一方向にのみ
移送されて液体18を効率よく処理することができるよ
うにするためである。なお、上述したように、光半導体
の微粉化を抑制することは、これの観点からも意味があ
る。また、この光半導体粒子20は、処理すべき液体1
8中を自重沈降することができるように、その処理すべ
き液体18に対する相対比重を重く設定する必要があ
る。但し、一方で、その比重を余りに大きくすると、光
半導体粒子20を液流により上昇させることができなく
なるため、例えば、光半導体粒子20の内部を中空にし
たり、直径を調整すること等により、適切な比重に設定
して使用する。本発明に用いることができる以上のよう
な光半導体粒子20としては、例えば、石原産業株式会
社製造、石原テクノ株式会社販売の商品名『ST−B1
1』等を挙げることができる。
【0064】また、光半導体粒子20は、その性質上、
バンドギャップより大きなエネルギーを持つ紫外光を吸
収しないと、価電子帯の電子が伝導帯に励起されずに、
価電子帯に正孔が生じないため、有機物を分解すること
ができない。従って、光照射手段16であるブラックラ
イト32の発光波長と、光半導体粒子20の吸収波長と
を調整して適切に合わせることが必要である。具体的に
は、好適な例として先に挙げたTiO2 では、酸化還元
作用を発揮させるためには、400nm以下の波長の紫
外光を照射することが必要であるため、ブラックライト
32の発光波長をこれに合わせて設定する。あるいは、
逆に、ブラックライト32の発光波長に合った吸収波長
を有する光半導体粒子20を使用して、発光波長と吸収
波長を合わせてもよい。
【0065】このことから、光照射手段16としては、
必ずしも、図示の実施の形態で使用したブラックライト
32に限られるものではなく、光半導体粒子20に光励
起による酸化還元作用を発揮させることができれば、他
の、例えば、太陽光や蛍光灯、またハロゲンランプ、水
銀灯、白熱ランプ、殺菌灯等の適宜な光源を使用するこ
ともできる。なお、その本数も必ずしも図示のように3
本に限られるものではなく、光半導体粒子20の受光性
等を考慮して、他の適宜な本数に設定することができる
のは勿論である。
【0066】以上の場合において、図示の実施の形態で
は、上昇流路24を、図1、図3、図4及び図6に示す
ように、噴気22により発生する液流によって光半導体
粒子20を攪乱しながら上昇させて光半導体粒子20を
処理槽12の上方部分(上方の連通部34A)まで移送
することができる程度に上昇流路24を形成する1組の
対向する内壁面24a、24b(具体的には、図1及び
図3に示すように、隔壁28の上昇流路24側の壁面2
8aと処理槽12の内壁面のうち上昇流路24内に面し
ている内壁面12a)間の間隔s(図1及び図3参照)
が狭い狭窄上昇流路24Nとしている。
【0067】このため、狭窄上昇流路24N内で噴気2
2が四方に拡散せず、噴気22によって発生する上方へ
の液流(図4の矢印A参照)が矯正されるため、狭窄上
昇流路24N内で上方への液流の影響が及ばない部分が
少なくなると共に、液体18の流速が高まるため、光半
導体粒子20が狭窄上昇流路24N内で噴気22による
上方への液流から脱落して逆流(沈降)するのを防止す
ることができ、光半導体粒子20を含む液体18を処理
槽12の上方部分へ確実に移送することができる。
【0068】また、これにより、光半導体粒子20に狭
窄上昇流路24N内で確実に流れる力が付与されるた
め、光半導体粒子20が狭窄上昇流路24Nの上方で溜
ることなく上方の連通部34Aを通って沈降領域26に
流入し易くなると共に、光半導体粒子20を狭窄上昇流
路24N内でほぼ確実に一方通行状に(処理槽12の上
方部分に向かってのみ)移送することができるため、光
半導体材料の摺擦による光半導体粒子20からの脱落や
微粉化を抑制することができる。
【0069】従って、この間隔sは、上昇流路24内の
光半導体粒子20が処理槽12の底部まで沈降すること
がなく、ほぼ全ての光半導体粒子20が上方の連通部3
4Aにまで達することができる程度の大きさに設定する
必要があり、その大きさは、処理槽12全体の大きさや
中空パイプ30の直径等の大きさ、更には、中空パイプ
30の噴気口30Aの大きさや数によって決定される噴
気22の大きさや数、密度等により相対的に決定する必
要がある。一例として、図示の実施の形態では、直径d
(図1参照)が10mmの中空パイプ30に対して、こ
の間隔sを15mmに設定することにより狭窄上昇流路
24Nとして、光半導体粒子20の処理槽12の上方部
分へのほぼ確実な移送を達成している。
【0070】また、この場合、この狭窄上昇流路24N
は、単に間隔sが狭いだけではなく、図1乃至図6に示
すように、その1組の対向する内壁面24a、24bを
光の照射方向(図4の矢印B参照)に対して前後して配
置されている。即ち、狭窄上昇流路24Nを光源である
ブラックライト32に面するように配置している。
【0071】これにより、狭窄上昇流路24Nの間隔s
が上記のように狭いために、特に図5に示すように、光
半導体粒子20が狭窄上昇流路24N内で光源であるブ
ラックライト32に対して前後に重なり合って影とな
り、相互の受光を妨げることが少ないため、光半導体粒
子20の受光性が向上し、酸化還元作用による有機物の
分解を効率よく行うことができる。なお、この場合、上
記のように、間隔sを光半導体粒子20を噴気22によ
り発生する液流によって処理槽12の上方部分に確実に
移送することができる程度に狭めれば、同時に光半導体
粒子20が光源に対して前後に重なり合う率を低下させ
ることができると考えられる。従って、間隔sは、この
観点も考慮に入れて、その大きさを設定することが望ま
しい。
【0072】更に、この場合、この1組の対向する内壁
面24a、24bは、その間隔sが狭いだけでなく、図
2及び図3、図5及び図6に示すように、その水平方向
の幅t(図2及び図3参照)が、1組の対向する内壁面
24a、24b間の間隔sよりも大きく形成されてい
る。
【0073】このため、図5に示すように、この狭窄上
昇流路24Nを上昇中の光半導体粒子20をブラックラ
イト32(光源)に対して略面状(シート状)に移送す
ることができ、光半導体粒子20が広範囲にわたって光
の照射を受けることができると共に広範囲にわたって液
体18と接触することができるため、光半導体粒子20
の受光性と液体接触性が高まる。
【0074】この場合、図2及び図3に示すように、上
昇流路24の1組の対向する内壁面24a、24b間の
間隔sを狭めた上で、これらの1組の対向する内壁面2
4a、24bの水平方向の幅tを間隔sより大きくし、
この間隔sと幅tとの差をかなり大きく設定した方が、
光半導体粒子20の広範囲にわたる受光と液体18との
接触を達成することができるため、望ましく、具体的な
一例として、図示の実施の形態では、図3に示すよう
に、上記のように間隔sを15mmとした上で、幅tを
600mmに設定した。
【0075】なお、噴気発生手段14である中空パイプ
30は、以上の狭窄上昇流路24N内に効率的に噴気2
2を送り込んで、光半導体粒子20を含む液体18を処
理槽12の上方部分へ確実に移送するために、図1及び
図2に示すように、処理槽12の幅方向にわたって処理
槽12を横切るようにして、上昇流路24の下方で上昇
流路24に沿って配置されている。従って、中空パイプ
30は、図4に示すように、上昇流路24の全範囲に下
方から噴気22を送り込むことができる。
【0076】更に、本発明の処理装置10は、図1、図
3、図4、図6乃至図8に示すように、この面状の狭窄
上昇流路24Nから沈降領域26へ流入する光半導体粒
子20を含む液体18の流速を、光半導体粒子20が沈
降領域26において自重沈降することができる程度に低
下させる流速低下手段36を含んでいる。
【0077】具体的には、この流速低下手段36は、図
1及び図3に示すように、沈降領域26自体から形成さ
れている。すなわち、沈降領域26を、図1及び図3に
示すように、上昇流路24の横断面積A1 (図3の斜線
参照)より大きな横断面積A2 (図3の斜線参照)を有
し液体18の流れ面積の拡大により液体18の流速を低
下させる拡大沈降領域26Wとし、この拡大沈降領域2
6Wを流速低下手段36としている。
【0078】このため、図7及び図8に示すように、狭
窄上昇流路24Nから上方の連通部34Aを通過して、
拡大沈降領域26Wに流入する光半導体粒子20を含む
液体18は、液体18の流れ面積が急激に拡大すること
により、特別な機械的手段等を使用することなく、流速
が簡易にかつ自然に低下し、これにより、図7及び図8
に示すように、光半導体粒子20を沈降領域26におい
て滞留させながら次第に自重沈降させることができる。
【0079】なお、この場合、拡大沈降領域26Wの横
断面積A2 の狭窄上昇流路24Nの横断面積A1 に対す
る拡大の程度は、光半導体粒子20が拡大沈降領域26
Wにおいて自重により沈降することができるように、拡
大沈降領域26Wの中腹部分から下方部分にかけては、
もはや狭窄上昇流路24N内に送り込まれた噴気22の
影響が殆ど及ばない程度とする。
【0080】また、この場合において、上記のように、
上昇流路24を間隔sが狭い狭窄上昇流路24Nとして
いるため、特に、この拡大沈降領域26Wとの組み合わ
せにおいて、狭窄上昇流路24Nと拡大沈降領域26W
との横断面積差(液体18の流れ面積の差)が大きくな
り、それだけ拡大沈降領域26Wに流入する液体18の
流速を低下して拡大沈降領域26Wで光半導体粒子20
を滞留させながら次第に自重沈降させ易くなり、固液分
離の達成がより容易となる。この点でも上昇流路24を
狭窄上昇流路24Nとする意味がある。
【0081】但し、流速低下手段36は、この拡大沈降
領域26Wに限定されるものではなく、例えば、図13
に示すように、上方の連通部34Aと沈降領域26との
間に配置されたフィルタ38をもって流速低下手段36
としてもよい。この場合には、このフィルタ38を液体
18の流れに対する抵抗として、液体18の流速を低下
させることができる。なお、このフィルタ38には、図
13に示すように、光半導体粒子20が通過することが
できる孔38Aを形成しておく。また、拡大沈降領域2
6Wとフィルタ38のいずれかを単独で、また、両方を
合わせて流速低下手段36としてもよい。いずれの場合
にも、光半導体粒子20が沈降領域26において適度に
散らばって滞留する程度に流速を調整することが好まし
い。
【0082】処理槽12は、図1に示すように、更に、
この拡大沈降領域26Wの下方に傾斜して配置され、拡
大沈降領域26Wを自重沈降する光半導体粒子20を狭
窄上昇流路24Nの下方の入口24Aに誘導する傾斜板
40を有している。
【0083】この傾斜板40により、図11に示すよう
に、光半導体粒子20を、その自重沈降を利用して特別
な手段を用いることなく自然に、狭窄上昇流路24Nの
下方の入口24Aに容易かつ効率的に誘導して、再び狭
窄上昇流路24N内に送り込むことができる。
【0084】また、傾斜板40の下方の先端部40A
は、図1、図4及び図10に示すように、中空パイプ3
0の上方にまで延び、処理槽12の内壁面うち狭窄上昇
流路24Nの一内壁面24aをなす内壁面12aとの間
に上昇流路24の間隔sとほぼ同間隔の噴気案内溝42
を形成するように配置されている。この噴気案内溝42
により、中空パイプ30から噴出する噴気22は、拡大
沈降領域26W側へ噴出することなく、ほぼ確実に狭窄
上昇流路24Nへ送り込まれると共に、傾斜板40によ
り狭窄上昇流路24Nの下方の入口24A付近に至った
光半導体粒子20も、この噴気案内溝42直下から噴出
される噴気22により下方から浮上力を付与されて再び
狭窄上昇流路24内に確実に送り込まれる。この場合、
噴気22が確実に狭窄上昇流路24N内に送り込まれる
よう、この噴気案内溝42と狭窄上昇流路24Nの下方
の入口24Aとの間の間隔は、図1に示すように、余り
大きく設定しないことが好ましい。また、中空パイプ3
0は、噴気22を狭窄上昇流路24N内へ効率的に送り
込めるように、図1及び図4に示すように、この噴気案
内溝42の直下に配置することが望ましい。
【0085】なお、図示の実施の形態では、この傾斜板
40の処理槽12の底面に対する傾斜角度θ(図1参
照)を45°に設定したが、光半導体粒子20の傾斜板
40上の移動速度等を考慮して、他の適宜な角度に設定
することができるのは勿論である。
【0086】更に、本発明の処理装置10では、処理槽
12を構成する一部の内壁面に光半導体が担持されてい
る。図示の実施の形態では、具体的には、図3に示す前
後左右の4つの内壁面12a乃至12d及び、傾斜板4
0の上面部分40a(即ち、隔壁28以外の内壁面)に
光半導体を担持させている。
【0087】このため、処理すべき液体18は、光半導
体粒子20とのみならず、これらの内壁面12a等に担
持された光半導体とも接触する機会(液体接触性)が高
まると共に、光半導体材料の受光性も向上するため、光
半導体粒子20を含めた光半導体の酸化還元作用による
有機物の分解がより一層促進され、液体18を効率よく
処理することができる。
【0088】この場合、光半導体は、例えば、光半導体
を含有した塗料を処理槽12の内壁面12a等に塗布し
たり、又は、光半導体を直接担持した繊維シート等を処
理槽12の内壁面12a等に貼付する等の適宜な方法
で、処理槽12の内壁面12a等に担持させることがで
きる。
【0089】なお、図示の実施の形態では、処理槽12
の内壁面12a乃至12dの全てと傾斜板40の上面部
分40aに光半導体を担持したが、必ずしもこれに限ら
れるものではなく、必要に応じて適宜な箇所に光半導体
を担持すればよい。また、内壁面の全面ではなく、液体
18と接触する部分のみに光半導体を担持させれば足
り、それ以外の、例えば、図1に示す処理槽12の後方
の内壁面12bのうち、傾斜板40より下方の部分等に
は、必ずしも担持させなくてもよい。
【0090】次に、本発明の有機物を含有した液体18
の処理方法について、図4乃至図11を参照しながら、
経時的に説明すると、まず、処理槽12内に処理すべき
液体18を上方から流し込んだ後、図4乃至図6に示す
ように、中空パイプ30により処理槽12内に噴気22
を発生させて、この噴気22を狭窄上昇流路24Nに下
方の入口24Aから送り込んで、この噴気22により狭
窄上昇流路24N内で光半導体粒子20を攪乱しつつ処
理すべき液体18を光半導体粒子20と共に処理槽12
の上方部分へ移送する。この間、ブラックライト32
は、狭窄上昇流路24N内の光半導体粒子20及び狭窄
上昇流路24Nの内壁面24aに担持された光半導体に
光を照射して、これらの光半導体粒子20等に光励起に
よる酸化還元作用を生じさせている。この酸化還元作用
により、狭窄上昇流路24A内の液体18中に含有され
た有機物が分解される。
【0091】この場合、特に光半導体粒子20は、図4
に示すように、狭窄上昇流路24Nにより流れが矯正さ
れて処理槽12の上方部分にのみ向けて移送されるため
光半導体材料が摺擦により脱落したり微粉化することが
少ないと同時に、図6に示すように、ブラックライト3
2に対して前後して重なり合い相互の受光を妨げること
が少なく、更には、図5及び図6に示すように、略面状
(シート状)に並べて移送されているため、広範囲にわ
たって受光及び液体18との接触をして有機物を効率よ
く分解して低分子化することができる。
【0092】このようにして、光半導体粒子20と共に
処理槽12の上方部分へ移送された液体18は、図7及
び図8に示すように、噴気22を勢いにより、上方の連
通部34Aを通って、処理槽12の上方部分から拡大沈
降領域26Wに流入する。この際、光半導体粒子20を
含む液体18は、拡大沈降領域26Wに流入したことに
より、同時に、その流速が低下する。
【0093】この流速の低下により、図9及び図10に
示すように、光半導体粒子20は、噴気22の勢いが及
ばなくなって、拡大沈降領域26Wにおいて、液体18
の自然な流れによって滞留しながら次第にゆっくりと処
理槽12の下方へ自重沈降していく。ブラックライト3
2は、この拡大沈降領域26Wをゆっくりと沈降中の光
半導体粒子20、及び、拡大沈降領域26Wに面してい
る処理槽12の内壁面12b乃至12dに担持された光
半導体にも光を照射している。従って、拡大沈降領域2
6W内の液体18中の有機物も、これらの光半導体粒子
20等により充分に分解される。
【0094】次いで、図11に示すように、拡大沈降領
域26W内を沈降した光半導体粒子20は、傾斜板40
にまで至ると、この傾斜板40に沿って再び狭窄上昇流
路24Nの下方の入口24Aにまで、処理すべき液体1
8と共に誘導されて、図4に示す状態に戻って再び狭窄
上昇流路24N内を上昇して液体18中の有機物を分解
し、同様の過程を繰り返し行っていく。
【0095】なお、図4乃至図11では各過程毎に分離
して説明したが、勿論、実際には、図4乃至図11に示
す循環処理が、処理槽12内で同時に行われる。また、
図4乃至図11に示す実施の形態の処理装置10による
処理方法は、密閉された処理槽12内で液体18を循環
的に処理するいわばバッチ的な処理である。このため、
一定時間放置して、この有機物の分解が充分に済んだ後
に、光半導体粒子20の沈降を待って処理済の液体18
の全部を処理槽12から取り出すか、又は、拡大沈降領
域26Wの上方に図示しない吸水ポンプ等を設置してお
いて、この吸水ポンプ等により上澄みとして存在する処
理済みの液体18の一部を取り出して、固液分離をして
もよい。
【0096】次に、本発明の他の実施の形態について、
図14及び図15を参照しながら説明すると、この実施
の形態では、処理槽12は、更に、処理すべき液体18
を処理槽12内へ給液する給液口44と、上昇流路24
を通過した液体18の一部を処理槽12の外部へ排出す
る排液口46とを有している。
【0097】この実施の形態は、基本的には上記図4乃
至図11に示す処理方法と同様であるが、図14に示す
ように、処理すべき液体18を給液口44から処理槽1
2内へ給液すると共に噴気22により処理槽12の上方
部分へ移送し、次いで、この上昇流路24から沈降領域
26に流入した処理済の液体18の一部を排液口46に
より処理槽12から排液し、かつ、液体18の残余を光
半導体粒子20と共に再び上昇流路24の下方の入口2
4Aに誘導するものである。すなわち、この図14及び
図15に示す実施の形態は、上記のバッチ的な実施の形
態と異なり、液体18を常時、給液、排液する連続的な
処理や、給液後液体18を処理槽12内で一定時間処理
した後排液する処理を可能とするものである。
【0098】これにより、液体18を大量に処理して時
間と手間の節約をして、液体処理の効率を向上させるこ
とができる。また、この連続的な処理方法を、他の工業
的処理過程の一部として組み込むことにより、当該工程
から排出される液体18を容易に処理することができ、
実用的に実施することができる。
【0099】なお、図示の実施の形態では、給液口44
と排液口46とを処理槽12の左右の内壁面12c、1
2dに臨ませて処理槽12の幅方向に設置した上で、給
液された液体18が光半導体粒子20の沈降領域26に
おける自重沈降や上昇流路24内における上方への移送
に影響を与えないよう、給液口44を上昇流路24の下
方の入口24Aを形成する内壁面24bの背後付近の下
方の連通部34Bに開口させて設置し、また、光半導体
粒子20によって液体18が充分に処理さている沈降領
域26の中腹付近に排液口46を設置した。従って、処
理すべき液体18は、処理槽12内で上昇、沈降を繰り
返しながら、処理槽12の幅方向へも全体的に僅かづつ
移動している。但し、給液口44や排液口46の設置位
置や大きさ、形状等は、図14及び図15に示すものに
は、必ずしも限定されず、必要に応じて適宜設定するこ
とができる。
【0100】次に、本発明の処理装置10による処理方
法の用途について述べると、本発明は、有機物を含有し
た液体18であれば、その種類、用途を問わず、広くそ
の処理に使用することができ、例えば、様々な工業的過
程から排出される廃水等の水や水以外の液体等の処理に
使用することができる。また、光半導体粒子20等によ
って分解すべき液体18中の有機物も特にその種類を問
わない。
【0101】具体的な一例を挙げれば、本発明は、図1
6に示す曲面にほぼ同一のパターンを精度良く印刷する
ことができる液圧転写印刷工程から排出され、有機物で
あるPVAを含有した液体18を処理するのに好適であ
る。この液圧転写印刷工程においては、転写槽48内に
おいて被転写体52に液圧により印刷される木目等のパ
ターン(模様)を印刷した水溶性フィルムから成る転写
膜50が有機物であるPVAを主成分としているため、
繰り返し印刷を行っているうちに転写槽48内の液圧転
写用の水(液体18)にPVAが溶出すると共に、この
転写後に、図16に示すように、被転写体52上に皮膜
として残留した転写膜50を除去するために行われるシ
ャワーリング54からの排液中にも転写膜50に残存し
ているPVAが溶出している。
【0102】このため、本発明により、これらの転写工
程やシャワーリング工程等からの排液(液体18)中の
PVAを分解して処理することにより、液体18中のP
VAが低分子化されているため、この液体18を河川等
に廃棄する場合に水質を汚濁することが少ないのは勿
論、処理状態によっては、処理済の液体18を、再度、
液圧転写印刷工程に使用して有効な再利用を図ることも
期待できる。
【0103】この場合、図4乃至図11に示すようにバ
ッチ的に処理してもよいし、図14及び図15に示すよ
うに給液、排液を同時に行って連続的に、又は給液後所
定時間処理した後排液して処理してもよい。具体的に
は、例えば、転写印刷工程停止中の夜間等においては、
転写槽48内の水やシャワーリング54工程からの排水
を、バッチ的に処理して、転写印刷再開時に、PVAを
充分に分解した処理済の液体18を再び転写槽48内に
充填したり、シャワーリング54に使用することができ
る。また、処理槽12の給液口44と排液口46とを、
図17(A)に示すように転写槽48と接続したり、ま
た図17(B)に示すようにシャワーリング工程と接続
して、液体18を常時循環させて連続的に、又は所定時
間毎に処理することができる。勿論、処理後において、
不要になれば、処理済の液体18を廃液として廃棄して
もよい。なお、処理効率からいって、昼間シャワーリン
グ54からの排液を連続処理し、夜間は転写槽48から
の排液をバッチ的に処理するのが望ましい。
【0104】更に、本発明の他の幾つかの実施の形態に
ついて、以下に説明する。まず、上記の実施の形態で
は、狭窄上昇流路24Nの1組の対向する内壁面24
a、24bを平面状に形成したが、必ずしもこれに限定
されるものではなく、狭窄で光源に対してシート状に光
半導体粒子20を移送することができれば、他の形状と
することもできる。例えば、図18(A)に示すよう
に、1組の対向する内壁面24a、24bを円弧状にし
て、曲面状の狭窄上昇流路24Nとして、処理槽12全
体を略扇状に形成してもよい。また、図18(B)に示
すように、曲面が波付状に連続するコルゲート状の狭窄
上昇流路24Nとすることもできる。
【0105】これらによって、狭窄上昇流路24Nの縦
断面積が広がるため、光半導体粒子20の受光性と液体
接触性を更に高めることができる。特に、図18(A)
に示す略扇状の処理槽12にあっては、流れ面積の拡大
による液体18の流速の低下効率を高めることができ
る。なお、この場合、ブラックライト32等の光照射手
段16は、図18に示すように、縦置きすることによ
り、狭窄上昇流路24Nと拡大沈降領域26Wとの間に
配置することができる。
【0106】なお、間隔sを狭窄とするための1組の対
向する内壁面24a、24bは、光半導体粒子20を処
理槽12の上方部分へ確実に移送することができ、ま
た、光半導体粒子20が光源に対して前後に重なり合う
率が大幅に高くならなければ、必ずしも、平行に配置す
る必要はなく、部分的に、間隔sを変化させることもで
きる。
【0107】また、上記の実施の形態では、図1に示す
ように、隔壁28の縦断面を矩形状に形成したが、図1
9に示すように、隔壁28の拡大沈降領域26W側の壁
面28bを傾斜板40と平行に又は傾斜板40に向けて
傾斜するように形成して、この隔壁28内の中空部28
A内に傾斜板40に向けて光照射手段16を配置しても
よい。これにより、傾斜板40に担持された光半導体の
受光効率を向上させることができる。
【0108】また、上記の実施の形態では、1枚の傾斜
板40を設置したが、図20に示すように、2枚の傾斜
板40A、40Bを設置し、下方の傾斜板40Bに光半
導体を担持させる一方、上方の傾斜板40Aを透明な材
料から形成することにより、下方の傾斜板40Bに担持
された光半導体の受光を確保して上方の傾斜板40Aと
下方の傾斜板40Bとの間に存する液体18を下方の傾
斜板40Bに担持された光半導体により処理すると同時
に上方の透明な傾斜板40上では光半導体粒子20によ
り上方の傾斜板40より上に存する液体18を処理しな
がら、上方の傾斜板40Aにより光半導体粒子20を回
収することができる。これにより、光半導体粒子20等
の受光性を確保しつつ、液体接触性を高めることができ
る。
【0109】更に、上記の実施の形態では、沈降領域2
6には傾斜板40のみを設置したが、特に給液口44と
排液口46とを有する処理装置10にあっては、図21
に示すように、給液口44、排液口46に面する3枚等
の適宜な枚数の整流板56を沈降領域26内において処
理槽12の底面(傾斜板40)に交互に密着させたり隔
離して千鳥状に配置するとよい。この整流板56によ
り、給液口44から排液口46に向かう液体18の流れ
を、図21の矢印に示すように、整流させることがで
き、これにより、処理槽12内で排液口46側に偏在し
易い光半導体粒子20を整流板56により分割された各
領域毎に適度に分散させて、液体18を、各領域毎に光
半導体粒子20により効率的に処理してから排液するこ
とができる。なお、この整流板にも光半導体を担持させ
ると、有機物の分解効率を、より一層向上させることが
できる。
【0110】光照射手段16についても、図示の実施の
形態では、沈降領域26を沈降中の光半導体粒子20に
も光を照射したが、必要に応じて、上昇流路24内を上
昇中の光半導体粒子20にのみ光を照射してもよい。ま
た、その配置方法も、図示の実施の形態では、処理槽1
2内に配置したが、処理槽12の外部に配置して、外部
から処理槽12内の光半導体粒子20に光を照射するこ
ともできる。この場合、上昇流路24にのみ、あるいは
上昇流路24、沈降領域26の両方に光を照射してもよ
い。
【0111】また、特に、上昇流路24と沈降領域26
の双方に光を照射する場合、内部光源と外部光源との組
み合わせも適宜自由に選択することができ、例えば、上
昇流路24は内部光源により、沈降領域26は外部光源
により光を照射したり、又はその逆に設定しても良い。
なお、いずれの場合においても、光照射手段16と、光
が照射されるべき各上昇流路24又は沈降領域26との
間は、透明にして、光の透過を確保する。即ち、処理槽
12を構成する各壁面は、必要に応じて、適宜、透明又
は不透明に設定することができる。この場合、特に、光
半導体を担持しない処理槽12の一部の壁面は、例えば
アルミテープ等を貼付して、鏡面状に仕上げることが好
ましい。これにより、光照射手段16による光を、処理
槽12の外部へ漏らさずに、処理槽12内の光半導体粒
子20に充分に照射させて、液体18中の有機物の効率
的な分解を促進することができる。
【0112】更に、処理槽12内の一部に、透光面と反
射面とから成り、端部に設けられた光源(光照射手段1
6)からの光を反射面により所定の方向へ屈曲させて導
く図示しない導光板(特開平3−27908号公報等参
照)を設けて、これらの光照射手段16による光半導体
粒子20への照射効率を高めることができる。具体的に
は、例えば、図20に示すに示す2枚の傾斜板40A、
40Bのうちの、下方の傾斜板40Bに導光板を設置す
ると共に、この導光板を下方の傾斜板40Bの上端付近
の処理槽12の外部に設置された光照射手段16に連通
させ、この光照射手段16からの光を、沈降領域26
の、特に、透明な上方の傾斜板40A上の光半導体粒子
20に向けて照射することができる。
【0113】噴気発生手段14については、図示の実施
の形態では、中空パイプ30としたが、これも一例に過
ぎず、噴気22を発生することができれば、他の、例え
ば、エアーストーン等の適宜な手段を用いることができ
る。また、これらの噴気発生手段14については、図2
2に示すように、その外周に、繊維や樹脂等から成る紐
状体58等を螺旋状に巻付け、外部から回転板59やモ
ータ等の適宜な手段により回転力を付与して処理槽12
内で回転させることができる。この螺旋状の紐状体58
の回転により、中空パイプ30等の噴気発生手段14が
いわゆるスクリューコンベアの作用も兼ねるようになる
ので、処理槽12の幅方向で一方に偏った光半導体粒子
20を他方へ引き戻して上昇流路24の下方に万遍なく
分散させることができる。従って、光半導体粒子20が
排液口46付近に偏在し易い図14及び図15に示す処
理装置10において特に有効であり、図22に示すよう
に、上述した整流板56と組合せることにより、処理槽
12内における光半導体粒子20の分散を一層効率的に
達成することができる。
【0114】更に、上記の実施の形態では、上昇流路2
4により処理槽12の上方部分に光半導体粒子20を含
む液体18を移送したが、光半導体粒子20を一方通行
状に移送して光半導体の光半導体粒子20からの摺擦に
よる脱落や微粉化を抑制することができれば、例えば、
図23(A)に示す水平流路60や、図23(B)に示
すやや上方に向けて傾斜して設けられた傾斜流路62等
により光半導体粒子20を移送することもできる。もっ
とも、これの場合、光半導体粒子20を含む液体18を
噴気22により確実に沈降領域26に流入させることが
できるよう、噴気22にある程度の高圧を付与し、ま
た、沈降領域26を自重沈降した光半導体粒子20を再
びこれらの流路の入口へリフト等の適宜な搬送手段によ
り搬送することを要する。
【0115】なお、上記の実施の形態では、面状の狭窄
上昇流路24Nとしたが、とりわけ光半導体粒子20の
受光性や液体接触性を向上する必要がなければ、単なる
上昇流路24(又はその他の水平流路60、傾斜流路6
2)とすることもできる。この場合でも、勿論、これら
の上昇流路24等により、光半導体粒子20の一方通行
状の移送は実現することができるため、光半導体材料の
摺擦による光半導体粒子20からの脱落や微粉化は抑制
することができる点で有益である。
【0116】また、上記の実施の形態では、拡大沈降領
域26Wとしたが、沈降領域26に流入する液体18の
流速を充分に低下させて光半導体粒子20の自重沈降を
促進することができれば、単なる沈降領域26とするこ
ともできる。
【0117】なお、光半導体粒子20の一方通行状の移
送を実現することができれば、必ずしも図示の実施の形
態に示す処理槽12には限られず、例えば、管路状の処
理装置10とすることもできる。この場合には、例え
ば、管路の拡径等の流れ面積の拡大により、又は、光半
導体粒子20が透過することができる目の大きいフィル
タ等を液体18の流れに対する抵抗として流速を低下さ
せ、光半導体粒子20の自重沈降等により偏在させて固
液分離を達成することができる。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、光半導
体粒子を噴気により発生する液流によって移送する工程
と、沈降させる工程とに分離しているため、光半導体粒
子が一方通行状に移送され、例えば、上昇する光半導体
粒子と沈降する光半導体粒子とが相互に接触、衝突等す
ることが少なくなり、光半導体の摺擦による光半導体粒
子からの脱落や微粉化を抑制することができる実益があ
る。
【0119】同時に、流速を低下させることによって光
半導体粒子を滞留させながら次第に自重沈降させて液体
中において下方等に偏在させ、処理済の液体のみを取り
出すことにより、固液分離を容易に達成することができ
る実益がある。
【0120】また、この液体中において自重沈降等によ
り下方等に偏在させた光半導体粒子を再び有機物を含有
した液体中に散在させることにより、有機物を繰り返し
分解することができると共に光半導体粒子が有する酸化
還元作用の持続性を充分に発揮させて、効率よく液体を
処理することができ、大量の液体の処理にも適用するこ
とができる実益がある。
【0121】本発明によれば、上記のように、上昇流路
により、処理すべき液体を光半導体粒子と共に移送して
いるため、通常、液体中で上昇しようとして上方への液
流を発生させる噴気の力を有効に利用することができる
ので、光半導体粒子を処理槽内で簡易かつ確実に上方に
移送して、一方通行状の移送による光半導体粒子の摺擦
や微粉化の抑制及び沈降領域における光半導体粒子の自
重沈降の促進による固液分離を簡易に達成することがで
きる実益がある。
【0122】本発明によれば、上記のように、処理槽内
へ処理すべき液体を給液すると共に、一部の処理済の液
体を処理槽から排液することができるため、液体を連続
的に処理することができ、液体を大量に処理して時間と
手間の節約をして、液体処理の効率を向上させることが
できる実益がある。特に、この場合、この処理方法を、
他の工業的処理過程の一部として組み込むことにより、
当該工程から排出される液体を容易に処理することがで
き、実用的に実施することができる。
【0123】また、本発明により、上記のように、液圧
転写印刷工程の転写工程やシャワーリング工程から排出
されるPVAを含有した液体をPVAを分解して処理す
ると、液体中のPVAが低分子化されているため、この
液体を河川等に廃棄する場合に水質を汚濁することが少
ないのは勿論、処理状態によっては、処理済の液体を、
再度、液圧転写印刷工程に使用して、有効な再利用を図
ることさえ可能となる実益がある。
【0124】本発明によれば、上記のように、処理槽内
の沈降領域の横断面積を流路又は上昇流路の横断面積よ
り拡大した拡大沈降領域により、流路又は上昇流路から
沈降領域に流入する液体の流速を光半導体粒子が沈降領
域において自重沈降することができる程度に低下させて
いるため、液体の流れ面積の拡大により特別な機械的手
段等を使用することなく、光半導体粒子を含む液体の流
速を簡易にかつ自然に低下させて、光半導体粒子を沈降
領域において液体の自然な流れにより滞留させながら自
重沈降を促進させることができる実益がある。
【0125】本発明によれば、上記のように、上昇流路
を形成する1組の対向する内壁面間の間隔を噴気により
発生する液流によって光半導体粒子を攪乱しながら上昇
させることができる程度に狭めた狭窄上昇流路により光
半導体粒子を処理槽の上方部分へ移送しているため、上
昇流路内で噴気が四方に拡散せず噴気によって発生する
上方への液流が矯正され、上昇流路内で上方への液流の
影響が及ばない部分が少なくなると共に、液体の流速が
高まるので、これにより、光半導体粒子が上昇流路内で
噴気による上方への液流から脱落して逆流(沈降)する
のを防止することができ、光半導体粒子を含む液体を処
理槽の上方部分へ確実に移送することができる実益があ
る。
【0126】また、この狭窄上昇流路により、光半導体
粒子に流れる力が付与されるため、光半導体粒子が上昇
流路の上方で溜ることなく上方の連通部を通って沈降領
域に流入し易くなると共に、光半導体粒子を上昇流路内
でほぼ確実に一方通行状に(処理槽の上方部分に向かっ
てのみ)移送することができるため、光半導体材料の摺
擦による光半導体粒子からの脱落や微粉化を抑制するこ
とができる実益がある。
【0127】本発明によれば、上記のように、狭窄上昇
流路を形成する1組の対向する内壁面を光の照射方向に
対して前後して配置しているため、狭窄上昇流路が光源
に面するように配置され、これにより狭窄上昇流路の幅
が狭いために光半導体粒子が狭窄上昇流路内で光源に対
して前後に重なり合って影となり相互の受光を妨げるこ
とが少なくなるため、光半導体粒子の受光性を高めるこ
とができる実益がある。
【0128】更に、本発明によれば、上記のように、こ
の狭窄上昇流路の形成する1組の対向する内壁面の水平
方向の幅を、内壁面間の間隔よりも大きく設定している
ため、光半導体粒子を狭窄上昇流路内で略面状(シート
状)に移送することができ、これにより、光半導体粒子
が広範囲にわたって光の照射を受けることができると共
に液体と接触することができるため、光半導体粒子の受
光性と液体接触性を高めることができる実益がある。
【0129】なお、この狭窄上昇流路により、特に、拡
大沈降領域との組み合わせにおいて、上昇流路と拡大沈
降領域との横断面積差(液体の流れ面積の差)が大きく
なるため、それだけ拡大沈降領域に流入する液体の流速
を低下して拡大沈降領域で光半導体粒子を滞留させなが
ら次第に自重沈降させ易くなり、固液分離の達成がより
容易となる実益もある。
【0130】本発明によれば、上記のように、沈降領域
を自重沈降する光半導体粒子にも光を照射しているた
め、光半導体粒子の受光機会が多くなると共に、この受
光による光励起中における液体との接触性も高まるた
め、有機物の分解をより一層効率的に行うことができる
実益がある。特に、光半導体粒子は、沈降領域において
は滞留しながら次第にゆっくりと自重沈降するため、そ
の分、長い時間にわたって受光することができるので、
酸化還元作用による有機物の分解を効果的に行うことが
できる実益がある。
【0131】また、この場合において、上記のように、
光照射手段を上昇流路と沈降領域との間に配置して上昇
流路を上昇中の光半導体粒子と沈降領域を沈降中の光半
導体粒子に光を照射しているため、簡易かつ小さなスペ
ースで光を照射することができる実益がある。
【0132】本発明によれば、上記のように、沈降領域
の下方に傾斜して配置され沈降領域を自重沈降する光半
導体粒子を上昇流路の入口に誘導する傾斜板を設けてい
るため、光半導体粒子を、その自重沈降を利用して特別
な手段を用いることなく自然に、上昇流路の下方の入口
に容易かつ効率的に誘導して、再び上昇流路内に送り込
むことができる実益がある。
【0133】更に、本発明によれば、上記のように、傾
斜板等の処理槽を構成する一部の内壁面に光半導体を担
持させているため、処理すべき液体が光半導体と接触す
る機会が高まる共に、受光性の向上により光半導体の酸
化還元作用による有機物の分解がより一層促進され、液
体を効率よく処理することができる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理装置の側面図である。
【図2】本発明の処理装置の正面図である。
【図3】本発明の処理装置の平面図である。
【図4】本発明の処理装置を使用した有機物を含有した
液体の処理方法において、噴気により光半導体粒子を上
昇流路内で攪乱しながら処理すべき液体と共に処理槽の
上方部分へ移送する工程を示す側面図である。
【図5】本発明の処理装置を使用した有機物を含有した
液体の処理方法において、噴気により光半導体粒子を上
昇流路内で攪乱しながら処理すべき液体と共に処理槽の
上方部分へ移送する工程を示す正面図である。
【図6】本発明の処理装置を使用した有機物を含有した
液体の処理方法において、噴気により光半導体粒子を上
昇流路内で攪乱しながら処理すべき液体と共に処理槽の
上方部分へ移送する工程を示す平面図である。
【図7】本発明の処理装置を使用した有機物を含有した
液体の処理方法において、光半導体粒子を含む液体を沈
降領域へ流入させる工程を示す側面図である。
【図8】本発明の処理装置を使用した有機物を含有した
液体の処理方法において、光半導体粒子を含む液体を沈
降領域へ流入させる工程を示す平面図である。
【図9】本発明の処理装置を使用した有機物を含有した
液体の処理方法において、光半導体粒子が沈降領域を自
重沈降する工程を示す側面図である。
【図10】本発明の処理装置を使用した有機物を含有し
た液体の処理方法において、光半導体粒子が沈降領域を
自重沈降する工程を示す裏面図である。
【図11】本発明の処理装置を使用した有機物を含有し
た液体の処理方法において、沈降領域を自重沈降した光
半導体粒子が再び上昇流路の入口へ誘導される工程を示
す側面図である。
【図12】本発明に用いられる中空パイプの拡大図であ
る。
【図13】本発明の処理装置に係る流速低下手段の一形
態として用いられるフィルタの配置状態を示す正面図で
ある。
【図14】本発明の処理装置による液体の処理方法の他
の実施の形態における側面図である。
【図15】本発明の処理装置による液体の処理方法の他
の実施の形態における平面図である。
【図16】液圧転写印刷工程に使用される液圧転写印刷
装置の概略側面図である。
【図17】図17は、本発明の処理装置による液体の処
理方法を液圧転写印刷工程と組み合わせる状態を示す概
略図であり、同図(A)は転写工程と組み合わせる状態
を示す概略図、同図(B)はシャワーリング工程と組み
合わせる状態を示す概略図である。
【図18】本発明に用いられる面状の狭窄上昇流路及び
拡大沈降領域の他の実施の形態を示す平面図である。
【図19】本発明に用いられる光照射手段の配置方法の
他の実施の形態を示す概略側面図である。
【図20】本発明に用いられる傾斜板の他の実施の形態
の概略側面図である。
【図21】沈降領域に整流板を設置した本発明の他の実
施例の概略斜視図である。
【図22】本発明に用いられる噴気発生手段の他の実施
の形態の側面図である。
【図23】本発明に用いられる処理槽内の流路の他の実
施の形態を示す概略側面図である。
【符号の説明】
10 有機物を含有した液体の処理装置 12 処理槽 12a〜12d 処理槽の内壁面 14 噴気発生手段 16 光照射手段 18 液体 20 光半導体粒子 22 噴気 24 上昇流路 24A 上昇流路の下方の入口 24a、24b 上昇流路を形成する1組の対向する内
壁面 24N 狭窄上昇流路 26 沈降領域 26W 拡大沈降領域 28 隔壁 28a 隔壁の上昇流路側の壁面 28b 隔壁の沈降領域側の壁面 30 中空パイプ 30A 中空パイプの噴気口 32 ブラックライト 34A、34B 上昇流路と沈降領域との上下の連通部 36 流速低下手段 38 フィルタ 40 傾斜板 42 噴気案内溝 44 給液口 46 排液口 48 転写槽 50 転写膜 52 被転写体 54 シャワーリング 56 整流板 58 紐状体 59 回転板 60 水平流路 62 傾斜流路 s 上昇流路を形成する1組の対向する内壁面間の間隔 t 上昇流路を形成する1組の対向する内壁面の水平方
向の幅 A1 上昇流路の横断面積 A2 沈降領域の横断面積 θ 傾斜板の処理槽の底面に対する傾斜角度

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物を含有した液体を噴気を送り込み
    ながら光半導体粒子によって処理する液体の処理方法に
    おいて、前記光半導体粒子に光を照射しながら前記液体
    を前記光半導体粒子と共に前記噴気によって移送した
    後、前記光半導体粒子を含む液体の流速を低下させるこ
    とによって前記光半導体粒子を自重沈降させて前記光半
    導体粒子を前記液体中において偏在させて、その後前記
    光半導体粒子を再び前記有機物を含有した液体中に散在
    させることを特徴とする有機物を含有した液体の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 有機物を含有した液体を光半導体粒子に
    よって処理する液体の処理方法において、前記液体が入
    れられた処理槽内において前記処理槽内に形成された流
    路に噴気を送り込むことにより、前記流路内で前記光半
    導体粒子を攪乱しつつ前記液体を前記光半導体粒子と共
    に移送した後、前記流路と連通する沈降領域に前記流路
    を通過した前記光半導体粒子を含む液体を流入させ、前
    記沈降領域に流入する前記液体の流速を低下させること
    によって前記沈降領域における前記光半導体粒子の自重
    沈降を促進させると共に前記流路から前記沈降領域へ流
    入した前記液体を前記光半導体粒子と共に再び前記流路
    の入口に誘導し、この間、少なくとも前記流路を移送中
    の前記光半導体微粒子に光を照射して前記液体中の前記
    有機物を分解することを特徴とする有機物を含有した液
    体の処理方法。
  3. 【請求項3】 有機物を含有した液体を光半導体粒子に
    よって処理する液体の処理方法において、前記液体が入
    れられた処理槽内において前記処理槽内に形成された上
    昇流路に下方から噴気を送り込むことにより、前記上昇
    流路内で前記光半導体粒子を攪乱しつつ前記液体を前記
    光半導体粒子と共に前記処理槽の上方部分に移送した
    後、前記上昇流路と前記処理槽の上方部分で連通する沈
    降領域に前記上昇流路を通過した前記光半導体粒子を含
    む液体を前記処理槽の上方部分から流入させ、前記沈降
    領域に流入する前記液体の流速を低下させることによっ
    て前記沈降領域における前記光半導体粒子の自重沈降を
    促進させると共に前記上昇流路から前記沈降領域へ流入
    した前記液体を前記光半導体粒子と共に再び前記沈降領
    域と前記処理槽の下方部分で連通する前記上昇流路の入
    口に誘導し、この間、少なくとも前記上昇流路を上昇中
    の前記光半導体微粒子に光を照射して前記液体中の前記
    有機物を分解することを特徴とする有機物を含有した液
    体の処理方法。
  4. 【請求項4】 有機物を含有した液体を光半導体粒子に
    よって処理する液体の処理方法において、前記液体を処
    理槽内へ給液すると共に前記上昇流路に下方から噴気を
    送り込むことにより、前記上昇流路内で前記光半導体粒
    子を攪乱しつつ前記液体を前記光半導体粒子と共に前記
    処理槽の上方部分に移送した後、前記上昇流路と前記処
    理槽の上方部分で連通する沈降領域に前記上昇流路を通
    過した前記光半導体粒子を含む液体を前記処理槽の上方
    部分から流入させ、前記沈降領域に流入する前記液体の
    流速を低下させることによって前記沈降領域における前
    記光半導体粒子の自重沈降を促進させると共に前記上昇
    流路から前記沈降領域に流入した前記液体の一部を前記
    処理槽から排液し、かつ、前記液体の残余を前記光半導
    体粒子と共に再び前記沈降領域と前記処理槽の下方部分
    で連通する前記上昇流路の入口に誘導し、この間、少な
    くとも前記上昇流路を上昇中の前記光半導体微粒子に光
    を照射して前記液体中の前記有機物を分解することを特
    徴とする有機物を含有した液体の処理方法。
  5. 【請求項5】 液圧転写印刷工程から排出された有機物
    であるポリビニルアルコールを含有した液体を光半導体
    粒子によって処理する液体の処理方法において、前記液
    体が入れられた処理槽内において前記処理槽内に形成さ
    れた上昇流路に下方から噴気を送り込むことにより、前
    記上昇流路内で前記光半導体粒子を攪乱しつつ前記液体
    を前記光半導体粒子と共に前記処理槽の上方部分に移送
    した後、前記上昇流路と前記処理槽の上方部分で連通す
    る沈降領域に前記上昇流路を通過した前記光半導体粒子
    を含む液体を前記処理槽の上方部分から流入させ、前記
    沈降領域に流入する前記液体の流速を低下させることに
    よって前記沈降領域における前記光半導体粒子の自重沈
    降を促進させると共に前記上昇流路から前記沈降領域へ
    流入した前記液体を前記光半導体粒子と共に再び前記沈
    降領域と前記処理槽の下方部分で連通する前記上昇流路
    の入口に誘導し、この間、少なくとも前記上昇流路を上
    昇中の前記光半導体微粒子に光を照射して前記液体中の
    前記有機物であるポリビニルアルコールを分解すること
    を特徴とする有機物を含有した液体の処理方法。
  6. 【請求項6】 液圧転写印刷工程から排出された有機物
    であるポリビニルアルコールを含有した液体を光半導体
    粒子によって処理する液体の処理方法であって、前記液
    体を処理槽内へ給液すると共に前記上昇流路に下方から
    噴気を送り込むことにより、前記上昇流路内で前記光半
    導体粒子を攪乱しつつ前記液体を前記光半導体粒子と共
    に前記処理槽の上方部分に移送した後、前記上昇流路と
    前記処理槽の上方部分で連通する沈降領域に前記光半導
    体粒子を含む液体を前記処理槽の上方部分から流入さ
    せ、前記沈降領域に流入する前記液体の流速を低下させ
    ることによって前記沈降領域における前記光半導体粒子
    の自重沈降を促進させると共に前記上昇流路から前記沈
    降領域に流入した前記液体の一部を前記処理槽から排液
    し、かつ、前記液体の残余を前記光半導体粒子と共に再
    び前記沈降領域と前記処理槽の下方部分で連通する前記
    上昇流路の入口に誘導し、この間、少なくとも前記上昇
    流路を上昇中の前記光半導体微粒子に光を照射して前記
    液体中の前記有機物であるポリビニルアルコールを分解
    することを特徴とする有機物を含有した液体の処理方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6のいずれかに記載
    の有機物を含有した液体の処理方法であって、前記液圧
    転写印刷工程から排出された有機物であるポリビニルア
    ルコールを含有した液体は、前記液圧転写印刷工程にお
    ける転写膜に印刷されたパターンを水中で被転写体に転
    写する転写工程からの排液であることを特徴とする有機
    物を含有した液体の処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項5又は請求項6のいずれかに記載
    の有機物を含有した液体の処理方法であって、前記液圧
    転写印刷工程から排出された有機物であるポリビニルア
    ルコールを含有した液体は、前記液圧転写印刷工程にお
    けるパターンが転写された被転写体上に皮膜として残留
    した転写膜を除去するシャワーリング工程からの排液で
    あることを特徴とする有機物を含有した液体の処理方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至請求項8のいずれかに記載
    の有機物を含有した液体の処理方法であって、前記処理
    槽内の前記沈降領域の横断面積を前記流路又は前記上昇
    流路の横断面積より拡大することにより前記流路又は前
    記上昇流路から前記沈降領域に流入する前記液体の流速
    を前記光半導体粒子が前記沈降領域において自重沈降す
    ることができる程度に低下させることを特徴とする有機
    物を含有した液体の処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項3乃至請求項9のいずれかに記
    載の有機物を含有した液体の処理方法であって、前記上
    昇流路を形成する1組の対向する内壁面間の間隔を前記
    噴気により発生する液流によって前記光半導体粒子を攪
    乱しながら上昇させることができる程度に狭めて前記光
    半導体粒子を前記処理槽の上方部分へ移送することを特
    徴とする有機物を含有した液体の処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の有機物を含有した
    液体の処理方法であって、前記上昇流路を形成する前記
    1組の対向する内壁面を光の照射方向に対して前後して
    配置して前記光半導体粒子を前記処理槽の上方部分へ移
    送することを特徴とする有機物を含有した液体の処理方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の有機物を含有した
    液体の処理方法であって、前記上昇流路を形成する前記
    1組の対向する内壁面の水平方向の幅を前記1組の対向
    する内壁面間の間隔より大きくして前記光半導体粒子を
    前記処理槽の上方部分へ移送することを特徴とする有機
    物を含有した液体の処理方法。
  13. 【請求項13】 請求項2乃至請求項12のいずれかに
    記載の有機物を含有した液体の処理方法であって、前記
    沈降領域を自重沈降する前記光半導体粒子にも光を照射
    して前記液体中の前記有機物を分解することを特徴とす
    る有機物を含有した液体の処理方法。
  14. 【請求項14】 処理すべき有機物を含有した液体の前
    記有機物を光半導体粒子により分解して前記液体を処理
    する処理槽と、前記液体を前記光半導体粒子と共に前記
    処理槽内で移送する噴気を発生する噴気発生手段と、前
    記光半導体粒子に光を照射する光照射手段とを備えた有
    機物を含有した液体の処理装置において、前記処理槽
    は、下方から前記噴気が送り込まれて前記光半導体粒子
    を攪乱しつつ前記液体を前記光半導体粒子と共に前記処
    理槽の上方部分に移送する上昇流路と、前記上昇流路と
    前記処理槽の上方部分及び下方部分で連通し前記上昇流
    路を通過した前記光半導体粒子を含む液体が前記処理槽
    の上方部分から流入して前記光半導体粒子が自重沈降す
    ると共に前記上昇流路から流入した前記液体が前記光半
    導体粒子と共に再び前記上昇流路の下方の入口に誘導さ
    れる沈降領域とを含み、前記光照射手段は少なくとも前
    記上昇流路を上昇中の光半導体微粒子に光を照射するこ
    とを特徴とする有機物を含有した液体の処理装置。
  15. 【請求項15】 処理すべき有機物を含有した液体の前
    記有機物を光半導体粒子により分解して前記液体を処理
    する処理槽と、前記液体を前記光半導体粒子と共に前記
    処理槽内で移送する噴気を発生する噴気発生手段と、前
    記光半導体粒子に光を照射する光照射手段とを備えた有
    機物を含有した液体の処理装置において、前記処理槽
    は、下方から前記噴気が送り込まれて前記光半導体粒子
    を攪乱しつつ前記液体を前記光半導体粒子と共に前記処
    理槽の上方部分に移送する上昇流路と、前記処理すべき
    液体を前記処理槽内へ給液する給液口と、前記上昇流路
    を通過した前記液体の一部を前記処理槽の外部へ排出す
    る排液口と、前記上昇流路と前記処理槽の上方部分及び
    下方部分で連通し前記上昇流路を通過した前記光半導体
    粒子を含む液体が前記処理槽の上方部分から流入して前
    記光半導体粒子が自重沈降すると共に前記液体の残余が
    前記光半導体粒子と共に再び前記上昇流路の下方の入口
    に誘導される沈降領域とを含み、前記光照射手段は少な
    くとも前記上昇流路を上昇中の光半導体微粒子に光を照
    射することを特徴とする有機物を含有した液体の処理装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項14又は請求項15のいずれか
    に記載の有機物を含有した液体の処理装置であって、前
    記液体が液圧転写印刷工程から排出された有機物である
    ポリビニルアルコールを含有した液体であることを特徴
    とする有機物を含有した液体の処理装置。
  17. 【請求項17】 請求項14乃至請求項16のいずれか
    に記載の有機物を含有した液体の処理装置であって、前
    記上昇流路から前記沈降領域へ流入する前記光半導体粒
    子を含む液体の流速を前記光半導体粒子が前記沈降領域
    において自重沈降することができる程度に低下させる流
    速低下手段を含むことを特徴とする有機物を含有した液
    体の処理装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の有機物を含有した
    液体の処理装置であって、前記流速低下手段は、前記上
    昇流路の横断面積より大きな横断面積を有し前記液体の
    流れ面積の拡大により前記液体の流速を低下させる拡大
    沈降領域であることを特徴とする有機物を含有した液体
    の処理装置。
  19. 【請求項19】 請求項14乃至請求項18のいずれか
    に記載の有機物を含有した液体の処理装置であって、前
    記上昇流路は、前記噴気により発生する液流によって前
    記光半導体粒子を攪乱しながら上昇させて前記光半導体
    粒子を前記処理槽の上方部分まで移送することができる
    程度に前記上昇流路を形成する1組の対向する内壁面間
    の間隔が狭い狭窄上昇流路であることを特徴とする有機
    物を含有した液体の処理装置。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の有機物を含有した
    液体の処理装置であって、前記狭窄上昇流路を形成する
    前記1組の対向する内壁面が光の照射方向に対して前後
    して配置されていることを特徴とする有機物を含有した
    液体の処理装置。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の有機物を含有した
    液体の処理装置であって、前記狭窄上昇流路を形成する
    前記1組の対向する内壁面の水平方向の幅は前記1組の
    対向する内壁面間の間隔より大きいことを特徴とする有
    機物を含有した液体の処理装置。
  22. 【請求項22】 請求項14乃至請求項21のいずれか
    に記載の有機物を含有した液体の処理装置であって、前
    記光照射手段は、前記沈降領域を自重沈降する前記光半
    導体粒子にも光を照射することを特徴とする有機物を含
    有した液体の処理装置。
  23. 【請求項23】 請求項14乃至請求項22のいずれか
    に記載の有機物を含有した液体の処理装置であって、前
    記光照射手段は前記上昇流路と前記沈降領域との間に配
    置されていることを特徴とする有機物を含有した液体の
    処理装置。
  24. 【請求項24】 請求項14乃至請求項23のいずれか
    に記載の有機物を含有した液体の処理装置であって、前
    記沈降領域の下方に傾斜して配置され前記沈降領域を自
    重沈降する前記光半導体粒子を前記上昇流路の入口に誘
    導する傾斜板が設けられていることを特徴とする有機物
    を含有した液体の処理装置。
  25. 【請求項25】 請求項14乃至請求項24のいずれか
    に記載の有機物を含有した液体の処理装置であって、前
    記処理槽を構成する一部の内壁面に光半導体が担持され
    ていることを特徴とする有機物を含有した液体の処理装
    置。
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JP2000279975A (ja) * 1999-03-30 2000-10-10 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 光触媒とオゾン併用処理による水処理方法及びその装置
JP2003135576A (ja) * 2001-11-05 2003-05-13 Azuma Engineering:Kk 光分解による汚染空気の浄化装置及びその方法
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