JPH10117705A - バクテリアセルロースから成る可食体 - Google Patents

バクテリアセルロースから成る可食体

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JPH10117705A
JPH10117705A JP8293201A JP29320196A JPH10117705A JP H10117705 A JPH10117705 A JP H10117705A JP 8293201 A JP8293201 A JP 8293201A JP 29320196 A JP29320196 A JP 29320196A JP H10117705 A JPH10117705 A JP H10117705A
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bacterial cellulose
culture
cellulose
edible
stirring
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JP8293201A
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English (en)
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Kazuko Kaneko
加壽子 金子
Otohiko Watabe
乙比古 渡部
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Bio Polymer Research Co Ltd
Original Assignee
Bio Polymer Research Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 BCの優れた特性を利用して、可食体として
の用途を提供すること。 【解決手段】 攪拌培養により得ることのできる構造を
有するバクテリアセルロースから成る可食体及び該可食
体と、ポリペプチド及び食用多糖類の中から選ばれた少
なくとも一種の成分を含む食用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース生産菌
を培養することによって製造し得るセルロース性物質
(以下、「バクテリアセルロース」又は「BC」とい
う。)から成る可食体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、セルロース微粉末やその微細
繊維はポリペプチド又は食用多糖類等に添加してそれら
の機械的強度の改善に利用されてきた。しかしながら、
このような用途に使用されてきたセルロースは、セルロ
ースの銅アンモニア溶液やビスコース溶液に変性デンプ
ンを加えて再生して得られたものであり、最終製品中に
有害な銅イオンや二硫化炭素由来副生成物が混入してい
る為に食品としては不適当である。また、木材パルプ、
綿及び麻等の天然セルロースを原料とし、それを水、ア
ルカリ水溶液、酸水溶液、塩水溶液及び各種溶媒から成
る水素結合解裂剤の存在下にいわゆる「爆砕処理」した
り、酵素溶液で処理したり、或いは溶媒に溶解した後、
易揮発性溶媒成分を蒸発させ再生したりすることによっ
て得られた、セルロースIIの結晶型を有するセルロース
を食品成分として利用する例が報告されている(特公平
7−61239号及び特公平7−61240号)。とこ
ろで、BC(バクテリアセルロース)は木材パルプ等か
ら製造されるセルロースに較べ、フィブリルの断片幅が
2ケタ程度も小さいことを特徴し、水系分散性及び生分
解性に優れている。また、BCの離解物はフィブリルの
かかる構造的物理的特徴に基づき高分子、特に水系高分
子用補強剤として各種の産業用用途がある。このような
セルロース性離解物を紙状または固型状に固化した物質
は高い引張弾性率を示すのでフィブリルの構造的特徴に
基づくすぐれた機械特性が期待され、各種産業用素材と
しての応用がある。食品分野においては、バクテリアセ
ルロースは食品そのもの、または食品素材として使用す
ることが知られている。たとえば、フィリピン産の発酵
食品であるナタデココは静置培養で得られるバクテリア
セルロースからなる含水ゲル状膜を砂糖づけにしたもの
である。また、このようなゲル状膜を離解して得られる
離解物を、増粘、乳化、賦形などの機能性添加物として
食品に使用できることが報告されている。バクテリアセ
ルロースの製造方法については、静置培養と攪拌培養の
2つに大別される。後者の攪拌培養を用いてできるバク
テリアセルロースは、微細繊維がランダムに網目状の構
造をもつ点では、静置培養でできるバクテリアセルロー
スと同様のものである。しかし、攪拌培養のバクテリア
セルロースと静置培養のバクテリアセルロースでは構造
及び物性において種々の違いが認められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、か
かる攪拌培養で得られるBCの優れた特性を利用して、
可食体としての用途を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、攪拌培
養により得ることのできるバクテリアセルロースから成
る可食体に係わる。ここで、「可食体」とは、ヒトない
し動物が食し得る構造体をいう。また、本発明は、かか
るBCから成る可食体と、ポリペプチド及び食用多糖類
から選ばれた少なくとも一種の成分を含む食用組成物に
係わる。本発明で使用するポリペプチドとしては、種々
の方法で精製した大豆蛋白、カゼイン、アルブミン、グ
ロブリン、ゼラチンなど、又は、それらの Na,Ca,K塩が
使用される。これらのポリペプチド類は部分的に加水分
解されたものでもよい。本発明で使用する食用多糖類と
しては、アラビヤガム、アラビアガラクタン、アルギン
酸、ガティガム、カラギーナン、カラヤガム、ザンタン
ガム、グアーガム、コンニャク粉、タマリンド、タラガ
ム、トラカントガム、ファーセレラン、プルラン、ペク
チン、キチン、ローカストビーンガム、キシラン、マン
ナン、各種デンプン(コーンスターチ、馬鈴薯デンプ
ン、甘薯デンプン、小麦デンプン、米デンプン、商アミ
ロース含有デンプン等の生デンプン及びこれらのデンプ
ンをα化処理することにより得られたα化デンプン、酢
酸等により架橋された架橋デンプン、デンプングルコー
ル酸ナトリウムやデンプンのリン酸エステル及びその塩
等のエステル化またはエーテル化デンプン、グラフト化
されたグラフトデンプン等のいわゆる化工デンプン類)
又は塩を形成する多糖類にあってはそれらの塩、例えば
Na,K,Ca塩が挙げられる。
【0005】本発明で用いるポリペプチドおよび多糖類
は生体構成物の形態であってもよい。生体構成物とは、
植物、動物又は微生物由来のポリペプチド、多糖類の両
者または一方を含有する生体構成物であって、水を除
く、全固形分中に占める両者の合計の割合が50%以上
のものが好適に利用される。植物由来の生体構成物の代
表的な例は、油かす類、穀類、豆類、植物茎葉類、藻
類、果実、塊根類であり、その具体例としては、脱脂大
豆、大豆油粕、きな粉、あまに油粕、綿実油粕、落花生
油粕、サフラワー粕、ゴマ油粕、ひまわり油粕、小麦、
大麦、米、大豆(全脂大豆)等が挙げられる。動物由来
の生体構成物としては、魚粉、フィッシュソリュブル、
肉粉、肉骨粉、分解毛、分解皮、フェザーミール、脱脂
粉乳、魚肉、畜肉(牛肉、豚肉、羊肉等)、臓器、卵構
成物(卵黄、卵白)、オキアミ、乳構成物等が挙げられ
る。微生物由来の生体構成物は酵母、バクテリア、カビ
類である。これらの生体構成物は蛋白質および/又は多
糖類を主成分とするが、脂質、核酸類、リグニン類、無
機塩類などの所謂、夾雑物を含む。夾雑物を含んでいて
もセルロース溶液との混合には全く支障がないばかり
か、かえって、可紡性や曳糸性を向上するとか、紡糸さ
れた糸間の適度な融着を与えるなどの利点を示す場合も
ある。この本発明の食用組成物には、例えば、各種調理
用素材並びに食品自体があり、その具体例としては、天
ぷらの衣、カスタードクリーム、焼き鳥(肉)等のた
れ、ゼリー及びジャム等を挙げることができる。但し、
天ぷら衣用組成物の場合には、攪拌培養に加えて、静置
培養により製造されたBCを使用することもできる。組
成物中のBCから成る可食体の含有量は、使用目的等に
合わせ当業者が適宜選択することができる。従って、か
かる本発明組成物は、粉状、液状、ゲル状又は固形状等
の様々な形状、様態をとるものである。また、食品中に
含有されることのある任意の成分を更に含有することが
できる。
【0006】本発明方法に於いてセルロース性物質は離
解処理を受けたものでも良い。バクテリアセルロースの
離解現象は、機械的外力等によってセルロース内部に発
生した応力が、これを変形・破壊することによる現象と
考えられる。従って、バクテリアセルロースの離解処理
は、バクテリアセルロースに機械的外力を与えることに
より行なえる。更に酸加水分解、酵素加水分解及び漂白
剤によっても離解処理を行なうことができる。ここでい
う機械的外力とは、例えば、引っ張り、曲げ、圧縮、ね
じり、衝撃及び剪断等の応力が挙げられるが、一般的に
は圧縮、衝撃及び剪断応力が主体である。実際にこれら
機械的外力をバクテリアセルロースに与える場合は、例
えば、ミキサー、ポリトロン又は自励式超音波粉砕機の
ような超音波発振機等を使用することで達成できる。
【0007】ミキサーによる離解処理においては、機械
的外力は攪拌羽根とバクテリアセルロースが衝突するこ
とによる衝撃力と、媒体の速度差によるズレ現象によっ
て発生する剪断力が主体となる。ポリトロンによる離解
処理においては、機械的外力はバクテリアセルロースが
外歯と内歯に挟まることによる圧縮力、高速に回転する
歯とバクテリアセルロースが衝突することによる衝撃
力、静止している外歯と高速に回転する内歯の隙間に存
在する媒体に発生する剪断応力が主体となる。超音波粉
砕機による離解においては、機械的外力は超音波発振部
の発振により媒体中にキャビテーション(空洞現象)が
連続的に発生し、局部的に生じる著しい剪断応力が主体
となる。本発明の離解処理は、バクテリアセルロースに
一定の負荷(機械的外力)を与えることができれば、上
記具体例以外のいかなる方法でも行ない得る。その他の
離解処理条件は当業者が適宜選択することが出来る。更
に、特願平7−160173号に記載されているよう
に、かかる離解処理後に、BC離解物自体の粒度を調整
する目的で所定の目開きを有するスクリーンで篩い分け
することもできる。また、BC(離解物)の水性懸濁液
中の濃度及びスプレー時の液滴の大きさを変化させるこ
とにより、得られる粒子の多孔度及び粒径を調整するこ
とができる。
【0008】以上、離解処理について説明したが、本発
明でいう離解処理が、セルロース生産菌の攪拌培養後、
培養液から分離・精製されたバクテリアセルロースに対
して行なう、独立した二次的な操作のみに限定されない
ことは、当業者には自明のことである。即ち、後述する
ように攪拌操作にはバクテリアセルロースを離解する作
用があり、本発明で採用した攪拌培養においては、培養
を目的とした攪拌作用によってもバクテリアセルロース
を離解処理することが十分に可能であるからである。更
に、攪拌培養により得たバクテリアセルロースを分離、
洗浄、精製及び輸送する操作においても同様のことが言
え、これらの操作において付加的に離解処理を行なうこ
とも本発明の離解処理に包含されることに留意された
い。
【0009】本発明におけるバクテリアセルロースの生
産に使用されるセルロース生産菌は、例えば、BPR2
001株に代表されるアセトバクター・キシリナム・サ
ブスピーシーズ・シュクロファーメンタンス(Acetobac
ter xylinum subsp. sucrofermentans)、アセトバクタ
ー・キシリナム(Acetobacter xylinum )ATCC23
768、アセトバクター・キシリナムATCC2376
9、アセトバクター・パスツリアヌス(A. pasteurianu
s )ATCC10245、アセトバクター・キシリナム
ATCC14851、アセトバクター・キシリナムAT
CC11142及びアセトバクター・キシリナムATC
C10821等の酢酸菌(アセトバクター属)、その他
に、アグロバクテリウム属、リゾビウム属、サルシナ
属、シュードモナス属、アクロモバクター属、アルカリ
ゲネス属、アエロバクター属、アゾトバクター属及びズ
ーグレア属並びにそれらをNTG(ニトロソグアニジ
ン)等を用いる公知の方法によって変異処理することに
より創製される各種変異株である。尚、BPR2001
株は、平成5年2月24日に通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所特許微生物寄託センターに寄託され
(受託番号FERM P−13466)、その後199
4年2月7日付で特許手続上の寄託の国際的承認に関す
るブダペスト条約に基づく寄託(受託番号FERM B
P−4545)に移管されている。NTG等の変異剤を
用いての化学的変異処理方法には、例えば、Bio Factor
s,Vol. l, p.297−302 (1988)及び J. Gen. Microbiol,
Vol. 135, p.2917−2929(1989) 等に記載されているも
のがある。従って、当業者であればこれら公知の方法に
基づき本発明で用いる変異株を得ることができる。ま
た、本発明で用いる変異株は他の変異方法によっても得
ることができる。
【0010】上述の方法によって創製されるセルロース
生産菌の中でも、通気攪拌培養することによって、ポリ
スチレン換算の重量平均重合度が1.6×104 以上、
好ましくは1.7×104 以上である高重合度のバクテ
リアセルロースを製造するか、又は、静置培養すること
によって、ポリスチレン換算の重量平均重合度が2.0
×104 以上である高重合度のバクテリアセルロースを
製造する菌株が好ましい。本発明で使用し得る高重合度
のバクテリアセルロースの生産菌のうち、BPR300
1Aは、平成7年6月12日付で通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センターに寄託
され、受託番号FERM P−14982を付されてい
る。一般的に、高分子材料の強度や弾性率は、高分子の
重合度が高いほど、高いものとなることが知られてい
る。バクテリアセルロースの場合にも同様で、高重合度
のバクテリアセルロースを原料として形成させた被膜
は、相対的に低い重合度のバクテリアセルロースを原料
として形成させた被膜と比較して、その強度や弾性率が
高い。従って、本発明に於いて、高強度や弾性率のもの
を形成させたい場合には、先に述べたような高重合度の
バクテリアセルロースを用いた方が高い効果が得られ
る。
【0011】本発明におけるBC等の各種セルロースの
重量平均重合度は、検出器としてRIを内蔵したGPC
システム(Tosoh HLC−8020)を用いて以下のよ
うにして測定する。各種セルロース試料を発煙硝酸−五
酸化リン溶液で W.J. Alexander, R.L. Mitchell, Anal
ytical chemistry 21, 12, 1497-1500 (1949) の方法に
よりニトロ化する。コントロールとして同時にニトロ化
したコットンリンターを用いる。セルロースニトロ化物
はTHF(和光純薬 1級)に0.05%濃度で溶かし
たのち、1.0μmポアサイズのフィルターで濾過す
る。GPCの溶離液にもTHFを用いる。流速は0.5
ml/min 、圧力は10〜13kg f/cm2 、サンプル注入
量は100μl とする。カラムはTSKgel GMH
−HR(S)(7.5ID×300mm×2本)とガード
カラム(HHR(S))(Tosoh Co., Ltd.) を用い35
℃で測定する。分子量算出のためにスタンダードポリス
チレン(Tosoh) を用いポリスチレン換算の相対分子量を
求める。2×107 から2630の分子量のポリスチレ
ンを用い、溶出時間(t)と分子量の対数(logM)
について、3次式:(logM=At3 +Bt2 +Ct
+D)による近似を行いスタンダード曲線を作製する。
分子量はTosoh のデータ処理専用機(SC−8020)
に内蔵されたプログラム(ver.3,10)により重
量平均分子量を計算する。これらの分子量の値からニト
ロ化後の置換度を考慮して重量平均重合度を計算する。
【0012】培養に用いる培地の組成物中、炭素源とし
てはシュクロース、グルコース、フラクトース、マンニ
トール、ソルビトール、ガラクトース、マルトース、エ
リスリット、グリセリン、エチレングリコール、エタノ
ール等を単独或いは併用して使用することができる。更
にはこれらのものを含有する澱粉水解物、シトラスモラ
セス、ビートモラセス、ビート搾汁、サトウキビ搾汁、
柑橘類を始めとする果汁等をシュクロースに加えて使用
することもできる。また、窒素源としては硫酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアン
モニウム塩、硝酸塩、尿素等有機或いは無機の窒素源を
使用することができ、或いはBacto−Pepton
e、Bacto−Soytone、Yeast−Ext
ract、豆濃などの含窒素天然栄養源を使用してもよ
い。有機微量栄養素としてアミノ酸、ビタミン、脂肪
酸、核酸、2,7,9−トリカルボキシ−1Hピロロ
〔2,3,5〕−キノリン−4,5−ジオン、亜硫酸パ
ルプ廃液、リグニンスルホン酸等を添加してもよい。
【0013】生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変
異株を使用する場合には、要求される栄養素を補添する
ことが必要である。無機塩類としてはリン酸塩、マグネ
シウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩、コバルト
塩、モリブデン酸塩、赤血塩、キレート金属類等が使用
される。更に、イノシトール、フィチン酸、ピロロキノ
リンキノン(PQQ)(特公平5−1718号公報;高
井光男,紙パ技協誌,第42巻,第3号,第237〜2
44頁)、カルボン酸又はその塩(特願平5−1914
67号)、インベルターゼ(特願平5−331491
号)及びメチオニン(特願平5−335764号)等の
セルロース生成促進因子を適宜培地中に添加することも
できる。例えば、酢酸菌を生産菌として用いる場合に
は、培養のpHは3ないし7に、好ましくは5付近に制
御する。培養温度は10〜40℃、好ましくは25〜3
5℃の範囲で行う。培養装置に供給する酸素濃度は1〜
100%、望ましくは21〜80%であれば良い。これ
ら培地中の各成分の組成割合及び培地に対する菌体の接
種等は培養方法に応じて当業者が適宜選択し得るもので
ある。バクテリアセルロースは、従来より、微生物を培
養する培養形式として公知の形式、即ち、静置、振盪又
は通気攪拌培養により、また、培養操作法として公知
の、いわゆる回分発酵法、流加回分発酵法、反復回分発
酵法及び連続発酵法等によって製造することができる。
【0014】尚、攪拌培養とは、培養液を攪拌しながら
行なう培養法であり、当該攪拌培養中に受ける攪拌作用
によって、バクテリアセルロースの構造が、例えば、結
晶化指数が低下して非晶部が増すように変化する。攪拌
手段としては、例えばインペラー、エアーリフト発酵
槽、発酵ブロスのポンプ駆動循環、及びこれら手段の組
合せ等を使用することができる。更に、本出願人名義の
特願平6−192287号に記載された培養装置と分離
装置の間で菌体を含む培養液を循環させるセルロース性
物質の製造方法であって、該分離装置に於いて、生産物
であるセルロース性物質を菌体及び培養液から分離する
ことを特徴とする前記方法や、同じく、本出願人名義の
特願平6−192288号に記載されたセルロース生産
菌を培養してセルロース性物質を製造する方法であっ
て、培養期間中、培養系からの培養液の引き抜き及び該
引き抜き量とほぼ等容量の新たな培養液の供給を連続的
に行なうことによって、培養中の培養液に於けるセルロ
ース性物質の濃度を低く維持することを特徴とする前記
製造方法がある。
【0015】前記攪拌培養を行なうための槽としては、
例えば、ジャーファーメンター及びタンク等の攪拌槽、
並びにバッフル付きフラスコ、坂口フラスコ及びエアー
リフト型の攪拌槽が使用可能であるがこの限りではな
い。本発明でいう攪拌培養においては、攪拌と同時に、
必要に応じて、通気を行なっても良い。ここでいう通気
とは、例えば空気等の酸素を含有するガス、並びに例え
ばアルゴン及び窒素等の酸素を含有しないガスのいずれ
を通気しても良く、これらガスは培養系の条件に合わせ
て当業者により適宜、選択されよう。例えば、嫌気性の
微生物の場合は、不活性ガスを通気をすれば、その気泡
によって培養液を攪拌することができる。好気性の微生
物の場合には、酸素を含有するガスを通気することで微
生物の成育に必要な酸素を供給すると同時に、培養液を
攪拌することができる。
【0016】攪拌培養により得たバクテリアセルロース
を遠心分離法又は濾過法等により培養液から分離する。
バクテリアセルロースは菌体と一緒に回収してもよく、
さらに本物質中に含まれる菌体を含むセルロース性物質
以外の不純物を取り除く処理を施すことが出来る。不純
物を取り除くためには、水洗、加圧脱水、希酸洗浄、ア
ルカリ洗浄、次亜塩素酸ソーダ及び過酸化水素などの漂
白剤による処理、リゾチームなどの菌体溶解酵素による
処理、ラウリル硫酸ソーダ、デオキシコール酸などの界
面活性剤による処理、常温から200℃の範囲の加熱洗
浄などを単独及び併用して行い、セルロース性物質から
不純物をほぼ完全に除去することができる。このように
して得られた本発明でいうセルロース性物質とは、セル
ロース及び、セルロースを主鎖としたヘテロ多糖を含む
もの及びβ−1,3、β−1,2等のグルカンを含むも
のである。ヘテロ多糖の場合のセルロース以外の構成成
分はマンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロ
ース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸等の六
炭糖、五炭糖及び有機酸等である。なおこれ等の多糖が
単一物質である場合もあるし2種以上の多糖が水素結合
等により混在してもよい。本発明の可食体を構成するB
Cは、従来技術にみられるように、爆砕処理したり、各
種溶媒による再生処理を施す必要がない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を詳細
に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
【0018】
【実施例】
実施例1 バクテリアセルロースの製造及び離解処理 (1) シード菌液の調製(菌体の増殖) セルロース生産菌をフラスコ培養法によって菌体を増殖
させた。フラクトース40g/L、リン酸−カリウム
1.0g/L、硫酸マグネシウム0.3g/L、硫酸ア
ンモニウム3g/L、バクト−ペプトン5g/L、乳酸
1.4ml/L、初発pH5.0の組成の基本培地100
mlを張り込んだ750ml容Rouxフラスコに、BPR
2001株(FERM BP−4545)の凍結保存菌
液1mlを植菌し、定温培養器内で28℃で3日間静置培
養を行なった。このシード培養後、前記Rouxフラス
コをよく振盪した後、無菌条件下で内容物をガーゼ濾過
し、シード菌液を得た。
【0019】(2) 攪拌培養によるバクテリアセルロ
ースの製造 上記シード菌液60mlを滅菌済みの後述する攪拌培養用
の培地540mlを張り込んだ小型ジャーファーメンター
(全容量1000ml)に無菌的に植菌し、30℃で20
時間又は30時間、pHを1N NaOH又は1N H
2 SO4 で5.0にコントロールしながら、また、攪拌
回転数を初発400rpm で、溶存酸素量(DO)が3.
0〜21.0%内に入るように回転数を自動制御しなが
らジャーファーメンターで攪拌培養を行なった。培養終
了後、ジャーファーメンター内の固形物を集積し、水洗
して培地成分を除去した後、1%NaOH水溶液中で1
10℃、20分間処理して菌体を除去した。さらに、洗
浄液が中性付近になるまで生成セルロースを水洗してバ
クテリアセルロースを得た。尚、この攪拌培養で用いた
CSL−Fruの組成は以下に示すとおりである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】ビタミン混合液 化合物 mg/L イノシトール 200 ナイアシン 40 ピリドキシンHCl 40 チアミンHCl 40 パントテン酸カルシウム 20 リボフラビン 20 p−アミノ安息香酸 20 葉 酸 0.2 ビオチン 0.2
【0022】
【表3】塩類混合液 FeSO4 ・7H2 O 360mg/L CaCl2 ・2H2 O 1470mg/L Na2 MoO2 ・2H2 O 242mg/L ZnSO4 ・7H2 O 173mg/L MnSO4 ・5H2 O 139mg/L CuSO4 ・5H2 O 5mg/L
【0023】(3) バクテリアセルロースの離解処理 (2)の攪拌培養法により得られた洗浄バクテリアセル
ロースに水を加え、約0.2重量%の離解処理濃度(バ
クテリアセルロース乾燥重量/容量)の懸濁液を調製し
た。次いで、この懸濁液を攪拌機(オースター社製ブレ
ンダー)により25℃で3分間離解した。攪拌機の回転
数は最高レベルに設定した。この離解処理によりBC離
解物(A)を得た。
【0024】実施例2 高重合度セルロース生産菌の通
気攪拌培養とセルロース(BC)の調製 BPR3001AをグリセロールストックよりCSL−
Fru培地100mlを仕込んだ750ml容ルーフラスコ
に1%植菌し28℃で3日間静置培養した。培養後ルー
フラスコをよく振って菌体をセルロース膜よりはがした
後、菌液12.5mlを112.5mlの培地を含む500
mlフラスコに植菌し、28℃、180rpm 、3日間培養
した。培養物をブレンダーにより無菌的に離解し、その
60mlを540mlのCSL−Fru培地を仕込んだ11
ジャーに植菌し、pHをNH3 ガスおよび1規定H2
4 で4.9〜5.1に制御しながら、溶存酸素量(D
O)が3.0%以上になるように回転数を自動制御しな
がら、実施例1の(2)と同様のCSL−Fru培地を
用いてメイン培養を行った。終了後、得られた培養液を
酢酸緩衝液で約5倍に希釈した後、遠心分離し沈殿物を
回収した。沈殿を蒸留水で最初の培養液量の約8倍に希
釈後、80℃、20分間加熱し、加熱後遠心分離により
沈殿物を回収した。沈殿物を同じく8倍量の0.1N
NaOHに懸濁し80℃、20分間加熱することにより
溶菌し、溶菌後遠心分離により沈殿物を回収した。この
後、さらに8倍量の蒸留水に沈殿を懸濁し80℃、20
分間加熱し、加熱後遠心分離し沈殿物を回収することに
よりセルロースの洗浄を行った。同様の洗浄を3回行う
ことにより精製BCを得た。
【0025】実施例3 実施例2で得られた精製BCを実施例1記載の離解物
(A)の場合と同様に離解することによって離解物を得
た。これを離解物(B)と称す。離解物(A)及び離解
物(B)を80℃で12時間減圧乾燥することにより分
子量分析用の試料を調製した。これらの試料についてす
でに記載した方法に従って、ニトロ化後に、重量平均分
子量を測定し、重量平均重合度を計算した。その結果、
重量平均重合度は、ポリスチレン換算で夫々、10,6
00及び17,400であった。
【0026】参考例静置培養によるバクテリアセルロースの製造 実施例1の(2)に記載のCSL−Fru培地600ml
を30mlずつ無菌シャーレに分主し、30℃の条件下に
静置し、BPR3001Aを7日間静置培養した。培養
終了後、シャーレ表面に形成されたバクテリアセルロー
スからなるゲル状の膜を水洗し、培地成分を除去した
後、1%水酸化ナトリウム水溶液中で、110℃20分
間処理して菌体を除去した。さらに、洗浄液が中性付近
になるまで、精製セルロースを水洗して洗浄バクテリア
セルロースを得た。さらに実施例1記載と同様の方法で
離解しBC離解物(C)を得た。離解物(A)(B)
(C)を以下の実施例で用いる際には、遠心分離による
濃縮、水での希釈を組み合わせることで、濃度を適当に
調整して用いた。尚、用いるBC離解物懸濁液の濃度は
全て重量%である。
【0027】 実施例4 デザートゼリー <材料> (比較例) 水 4カップ 粉ゼラチン 大さじ4杯 砂糖 200g レモン汁 60〜80cc (本発明) BC離解物(A又はB)懸濁液(0.02%) 4カップ 粉ゼラチン 大さじ4杯 砂糖 200g レモン汁 60〜80cc作り方 :粉ゼラチンは、1カップの水又はBC離解物
(A又はB)懸濁液(以下BC離解物)で10分間しめ
らせておいた。鍋に3カップの水又はBC離解物を入
れ、砂糖とレモン汁を加え火にかけた。砂糖がとけた後
に、しめらせた粉ゼラチンを加え、混ぜながら完全にと
かした。荒熱が取れた時点で、ゼリー型に注ぎ、冷し固
めた。以上のゼリー液を基本とし、これに香料、各種
酒、くだもの等を加えてもよい。効果 :はに比べ 1.保型性が優れている。複雑な形をしたゼリー型で固
めても、型がくずれることはない。通常ゼリーでは出来
ないような、例えば繊細な形をした花や動物などが作れ
る。 2.ゼリーを皿に盛り、室内で経時的に外形を観察する
と離水がなく、室温があがっても形がくずれない。 3.口あたりのよいなめらかな独特の食感がある。 4.包丁切れがよく、型をくずすことなく切り分けられ
る。 また、このような効果は、静置培養で調製したBCから
作った離解物(C)よりも、攪拌培養で調製したBCか
ら作った離解物(A)または離解物(B)の方が高かっ
た。
【0028】実施例5 カスタードクリーム <材料> (比較例) 牛乳 400cc 砂糖 100g 卵黄 6個 小麦粉(薄力粉) 60g バター 20g バニラエッセンス 少々 水 大さじ2杯 (本発明) 牛乳 400cc 砂糖 100g 卵黄 6個 小麦粉(薄力粉) 60g バター 20g バニラエッセンス 少々 BC離解物(A又はB)懸濁液(1%) 大さじ2杯作り方 :小麦粉と砂糖をよく混ぜ、さらにその中に温め
た牛乳を少しずつ加え、混ぜ合わせた。この液を弱火で
かき回しながら約5分間火を通した。火が通ったら荒熱
を取り卵黄を一度に入れかきまわした。もう一度火にか
け、卵黄に火を通した。この時には水、にはBC離
解物を入れた。最後にバター、バニラエッセンスを加
え、さました。効果 : はに比べて、 ・主材料の風味、味は損なうことなく、なめらかさが増
し、口あたりの良いクリームができる。 ・しぼり器でしぼり出した時、形の整ったデコレーショ
ンができる。 ・作業容器へのクリームの付着がほとんどなく、作業性
が向上する。またロスが少なく歩留まりが向上する。 また、このような効果は、静置培養で調製したBCから
作った離解物(C)よりも、攪拌培養で調製したBCか
ら作った離解物(A)または離解物(B)の方が高かっ
た。
【0029】 実施例6 焼き鳥のたれ <材料> (比較例) 醤油 1/4カップ みりん 1/4カップ 砂糖 大さじ1杯 水 大さじ1杯 (本発明) 醤油 1/4カップ みりん 1/4カップ 砂糖 大さじ1杯 BC離解物(A又はB)懸濁液(0.5%) 大さじ1杯作り方 :材料すべてをよくまぜあわせ、弱火で火を通し
た。効果 : はに比べて ・適度な粘度により材料(肉等)によく付着する。しか
も、糸引きのないさっぱりした粘性を示す。 ・たれの液だれがほとんどなくロスがない。 また、このような効果は、静置培養で調製したBCから
作った離解物(C)よりも、攪拌培養で調製したBCか
ら作った離解物(A)または離解物(B)の方が高かっ
た。
【0030】 実施例7 薄焼き卵 <材料> (比較例) 卵 1個 砂糖 小さじ1杯 塩 少々 サラダ油 小さじ1/2杯 水 大さじ1杯 (本発明) 卵 1個 砂糖 小さじ1杯 塩 少々 サラダ油 小さじ1/2杯 BC離解物(A又はB)懸濁液(0.5%) 大さじ1杯作り方 :、とも材料すべてをまぜあわせ卵をほぐし
た。ほぐしたものを裏ごしにかけてもよい。フライパン
を強火で熱し、油を十分なじませ、材料をすばやく全体
にひろげ、すぐ、中火にし、裏返してさっと焼いて乾か
した。効果 : はにくらべて ・しなやかでありながら強度が上がる。茶巾ずし等に最
適である。 ・経時的に離水がない。 ・切りやすく、細切りが容易。切り口の形がくずれな
い。 また、このような効果は、静置培養で調製したBCから
作った離解物(C)よりも、攪拌培養で調製したBCか
ら作った離解物(A)または離解物(B)の方が高かっ
た。
【0031】実施例8 ジャム <材料> (比較例) いちご 200g 砂糖 200g 水 大さじ1杯 (本発明) いちご 200g 砂糖 200g BC離解物(A又はB)懸濁液(1%) 大さじ1杯作り方 :、とも材料をすべて鍋に入れ、弱火にか
け、あくを取りながら20分ほど煮た。効果 : はに比べて ・糸引のないさわやかな粘性を示す。 ・上部の離水がない。 ・温度変化に安定。冷蔵庫に入れても固まったり、水分
が上部に溜まったりしない。 ・乾燥が防止される。 ・成分の沈降が防止される。 ・材料がすべてよく混ざる。 また、このような効果は、静置培養で調製したBCから
作った離解物(C)よりも、攪拌培養で調製したBCか
ら作った離解物(A)または離解物(B)の方が高かっ
た。
【0032】 実施例9 天ぷらの衣 衣材料:小麦粉 2/3カップ 水 1/4カップ BC離解物(A又はB)懸濁液(0.5%) 1/4カップ 卵 約1/2個 具材料:大正エビ 2尾(40g) ピーマン 2ケ 人参 50g 小麦粉1/3カップ、水1/4カップ、BC離解物1/
4カップ、卵1/2個をボールに入れ、ゆるく攪拌し天
ぷら衣を作った。下ごしらえ済みの大正エビ、半分に切
ったピーマン、たんざく切りにした人参をこの衣につ
け、約150℃のサラダ油で2〜3分揚げた。BC離解
物を含有しない衣に比べ、衣づきがよく、極めて静かに
揚がり、油はねがなかった。また、衣の剥離等がなかっ
た。その上、揚げかすが出ず、揚げ油を汚すこともなか
った。BCを入れた衣と入れない衣との外見は変化な
く、食感はBC離解物の含有量によってBC離解物を含
有しないものと、変化なくさせることもできるし、変化
を与えることもできた。
【0033】実施例10 天ぷらの衣 小口切りにした長ネギ1/2本、干しエビ50g、切り
イカ50gを衣に混ぜ、約150℃のサラダ油で2〜3
分揚げた。BC離解物を含有しない衣に比べ、細かい材
料をつなぐ、つなぎの役目が極めて高かった。また、食
感はほどよい弾力があり、向上した。その上、混ぜ合わ
せる小麦粉は、BCを入れない時に比べ1/4以下の使
用量でもその効果は変わらなかった。尚、BCは通気攪
拌、静置培養いずれのものでもかまわないが離解したも
のを用いることが好ましい。又、小麦粉、水、卵、BC
離解物の割合は適宜変えることができる。卵、水は加え
なくても良い。
【0034】従来の天ぷら衣は小麦粉、水、卵を混ぜ合
わせて作る。しかしこの天ぷら衣は、 特にピーマン、人参等の野菜類を天ぷらにする場合
には衣がつきにくい。 かき揚げ等の細かい多種の材料をまとめて揚げるに
は、小麦粉の量を多く使用しなければならない。 天ぷらを揚げる際、揚げかすが発生し、揚げ油を汚
す。 天ぷらを揚げる際、油が飛び散ってやけどをした
り、調理台を汚したりする。
【0035】しかしながら本発明のようにBCを含有す
る天ぷら衣材料を使用すると、 どのような材料(素材)であっても均一に衣を付け
ることができる。 細かく砕いた多種の材料をつなぐ役目を果たす。 揚げ油を揚げかすで汚すことはなく、工業的に大量
に調理する際に極めて有効である。 150℃〜200℃の温度でも天ぷらの揚がり方が
極めて静かで油とびがない為、やけどや調理台の汚れを
防ぐことができる。 BC離解物の含有量によって、衣に従来にない弾力
や風合いを持たせることができる。 従来の衣に比べて、小麦粉の使用量を1/2以下に
減らすことができる。 BC含有衣の天ぷらを冷凍保存し、その後、電子レ
ンジにて解凍した際に、BCを添加しなかった従来のも
のと外見、味は全く変わらないものの、BC含有の方が
衣自体に弾力がある。 BC含有天ぷらを天丼、うどん、そばの具等に調理
加工をすると従来のものより衣に味つけの汁がよくしみ
こむ。しかも、衣自体の型くずれが少ない。 BC含有天ぷら(特にかきあげ)を凍結乾燥又は熱
風乾燥等の処理をし、カップ麺の具に用いると良い。現
在市販のカップ麺に入っている具とはかなり趣が違うも
のが出来る。
【0036】
【効果】本発明に従い、攪拌培養により得ることのでき
る構造を有するバクテリアセルロースから成る可食体を
食用組成物に含有させることによって、以下の効果が得
られる。 1.製品の粘性、流動性、保水性等の物性が改善され
る。 2.テクスチャーが改善される。 3.構造体の高い保水力により、製品から離水並びに表
面の乾燥が抑制される。 4.液体中の分散性が向上する。 5.曳糸性の低い自然な粘性が得られる。 6.経時的又は温度変化に伴う粘度変化に対する抑制効
果を付与できる。 7.保型効果を付与できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08B 37/00 C12P 7/10 C12P 7/10 A23C 9/154 // A23C 9/154 A23L 1/04 (C12P 7/10 C12R 1:02)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 攪拌培養により得ることのできる構造を
    有するバクテリアセルロースから成る可食体。
  2. 【請求項2】 バクテリアセルロースが離解処理を受け
    たものである請求項1記載の可食体。
  3. 【請求項3】 バクテリアセルロースの重量平均重合度
    がポリスチレン換算で1.6×104 以上である請求項
    1又は2に記載の可食体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一項記載の
    可食体と、ポリペプチド及び食用多糖類の中から選ばれ
    た少なくとも一種の成分を含む食用組成物。
  5. 【請求項5】 バクテリアセルロースから成る可食体を
    含む天ぷら衣用組成物。
JP8293201A 1996-10-16 1996-10-16 バクテリアセルロースから成る可食体 Pending JPH10117705A (ja)

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Cited By (4)

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