JPH10116937A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JPH10116937A
JPH10116937A JP26872896A JP26872896A JPH10116937A JP H10116937 A JPH10116937 A JP H10116937A JP 26872896 A JP26872896 A JP 26872896A JP 26872896 A JP26872896 A JP 26872896A JP H10116937 A JPH10116937 A JP H10116937A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱硬化性樹脂で封止した際の冷却時に発生す
る半導体装置の反りを抑え、実装時の電気的接続不良を
未然に防ぐ。 【解決手段】 まず、半導体チップ11と配線板12と
を電気接続された状態で重ね、これら半導体チップ11
及び配線板12を金型の上面側に装着すると共に、熱膨
張率がモールド樹脂13のそれよりも小さい補強板14
を金型の下面側に装着し、金型内に溶融状態の熱硬化性
のモールド樹脂組成物を注入固化した後、脱型冷却して
半導体装置1を得る。脱型冷却の際、補強板14により
樹脂の反りが抑えられ、電気的接続不良が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置及び
その製造方法に係り、詳しくは、半導体チップを樹脂に
よって封止してなる半導体装置及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型軽量化、高機能化
に対応して、半導体チップの高集積化とこれにに伴う多
ピン化、半導体装置自体の小型・薄型化の要求が高まっ
ており、ピンのピッチを狭くするファインピッチ化が不
可避となっている。例えば、携帯電話に代表される携帯
型電子機器に用いられる半導体装置としては、特開平7
−321157号公報に記載されているようなファイン
ピッチの半導体装置が用いられている。図6に示すよう
に、上記公報記載の半導体装置101は、集積回路が形
成され、該集積回路が形成された側においては、電極パ
ッド102a,102a,…を有すると共に絶縁コート
102bが塗布されてなる半導体チップ102と、半導
体チップ102の集積回路が形成された側に接続され、
所定の配線パターンを有する配線板103と、半導体チ
ップ102の周縁部を、配線板103との接続面を除い
て封止するモールド樹脂104とを備えてなっている。
【0003】また、配線板103は、絶縁性フィルム1
03aと、絶縁性フィルム103aの半導体チップ10
2が取り付けられた側に設けられ、各電極パッド102
aとの接続部を有し、金属箔が所定のパターンに加工さ
れてなる配線層103bと、配線層103bの前記接続
部とは異なる部位に一端が接し、他端が絶縁性フィルム
103aの裏面に達するように埋め込まれた導電極10
3c,103c,…と、導電極103c,103c,…
上に絶縁性フィルム103a側に設けられた外部端子1
03d,103d,…と、配線板103の各電極パッド
102aに対応する箇所に設けられたスルーホール10
3eとを有してなっている。ここで、絶縁性フィルム1
03aの厚さは、略100μm以下であり、また、半導
体チップ102と、絶縁性フィルム103a(配線層1
03b)とは、接着層103fを介して接着している。
【0004】ところが、半導体チップの高集積化及び小
型化に対応して、外部端子の多ピン化及びそのファイン
ピッチ化が避けられないが、半導体装置を実装し、電子
機器を組み立てる立場からは、外部端子のピッチがあま
りに狭いことは歓迎されない。半導体装置を実装するた
めの配線基板の配線密度が著しく上昇して、製造コスト
が飛躍的に嵩むようになるからである。そこで、単純に
外部端子のピッチを狭くする代わりに、必要な外部端子
の数が多い場合には、半導体チップの直下のみだけでは
なく、その外側にも外部端子を設ける方法がとられる。
例えば、半導体チップの大きさが8mm角で、外部端子
のピッチが0.5mmの場合は、半導体チップの直下に
収まる外部端子の数は256個であるが、これ以上の外
部端子が必要がときは、半導体チップの直下の外側の領
域にも外部端子を設けるようにする。これら半導体チッ
プの直下の外側の領域の外部端子を機械的に支持する必
要から、同図に示すように、半導体チップ102の周縁
部のうち配線板103が接続された側を除いた領域にお
いて半導体チップ102をモールド樹脂104によって
封止してあり、このモールド樹脂104によって、多数
の外部端子103d,103d,…を有する薄膜状の配
線板103が支持され、その形状が維持されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報記
載の半導体装置101を製造するにあたっては、まず、
半導体チップ102と配線板103とを電気的及び機械
的に接続した後、成形用の金型内に装着する。次に、液
状のモールド樹脂形成物を金型に注入して固化し、モー
ルドされた半導体チップ102及び配線板103を金型
から取り出して常温に戻して上記半導体装置101を得
る。ここで、常温に戻ると、半導体チップ102を構成
するシリコンやモールド樹脂104は、それぞれ、固有
の割合で収縮している。すなわち、シリコンの熱膨張率
は、4×10-6-1であり、これに対して、モールド樹
脂は、15〜18×10-6-1である。したがって、半
導体装置101は、配線板103側において、この反対
側においてよりも収縮が小さく、全体としては、図7に
示すように、図中破線にて示す高温状態における形状か
ら、配線板103側が凸に、この反対側のモールド樹脂
104の裏面側が凹になるように変形する。さらに、半
導体装置101の隅部において、変形は特に激しくな
る。
【0006】この変形のために、外部端子103d,1
03d,…は、高さの不揃いが激しくなり、電子機器を
組み立てるために配線基板にこの半導体装置をはんだ付
けして実装する際に、接続不良を起こしてしまうという
問題点があった。また、このために、図8に示すよう
に、絶縁性フィルム103aの隅部に、外部端子103
d,103d,…を設けなくて済むように設計上の制約
を加えなければ、接続不良を回避できないという不都合
もあった。
【0007】この各外部端子103d間の高さのばらつ
きの程度、すなわち、例えば、配線基板に実装する際の
実装先の取付面に略平行な所定の平面から測った各外部
端子103dの先端の高さのうち、最大値と最小値との
差(以下、コプラナリティという)は、外部端子103
dの大きさによって、その許容限度が異なる。例えば、
外部端子のピッチが1.27mm、外部端子径が、0.
76mmの場合で、コプラナリティは150μm以下で
あることが要求される。また、ファインピッチの半導体
装置においては、外部端子のピッチが0.5mm、外部
端子径が、0.3mmの場合で、コプラナリティは50
μm以下であることが要求される。各外部端子103d
が搭載された面からの高さのばらつきは、0.01mm
程度であるが、上記の理由により、各外部端子103d
を搭載している配線板103の反りによって、コプラナ
リティは、上記許容限度を越えてしまう。
【0008】この変形を緩和するために、モールド樹脂
の熱膨張率を減少させる処置がなされた。モールド樹脂
は、エポキシ樹脂組成物に、例えば、シリカ等からなる
フレーク状の無機物の添加材(以下、フィラーともい
う)が加えられて形成され、このフィラーによって、モ
ールド樹脂の熱膨張率が低減される。エポキシ樹脂自体
の熱膨張率は、30×10-6-1であるが、このフィラ
ーを体積比で50〜70%程度添加することによって、
15〜18×10-6-1まで、低減させている。しかし
ながら、熱膨張率をさらに低減させるために、フィラー
をさらに添加すると、モールド時のエポキシ樹脂組成物
の流動性を損なわせ、モールド樹脂の未充填を生じさ
せ、不良の原因となってしまう。そこで、フィラーの形
状をフレーク状から球状に代えることも考えられたが、
添加率を上げるために、個々のフィラーを大きくする必
要が生じ、このために、フィラーが砕けたり、モールド
樹脂からフィラーだけが離脱して製品としての半導体装
置を汚損してしまい、かつ、熱膨張率も10×10-6
-1程度までしか低減されないという欠点があった。
【0009】また、半導体装置の絶縁性フィルムが、変
形が予想されるのと逆に、半導体チップが接続される側
に凸となるようにモールドされるように、成形用の金型
の形状を変えることが考えられたが、金型の製造コスト
が著しく上がると共に、モールドされた半導体装置の外
形が同じでも、半導体チップの大きさが変わると金型を
代えなければならないという不都合があった。半導体チ
ップの直下の外側の領域の外部端子を機械的に支持する
ために、上述した半導体チップをモールド樹脂によって
封止する方法に代えて、別の方法も提案された。
【0010】例えば、図9に示すように、半導体チップ
102の側面部から配線板103の半導体チップ102
側にかけてのみ、熱硬化性液状樹脂105にてポッティ
ングする方法が考えられたが、液状樹脂は、硬化時の収
縮が大きく、半導体チップ102をモールド樹脂104
によって封止する場合よりもコプラナリティを悪化させ
てしまう。さらに、熱硬化性液状樹脂105の流れ量の
制御が困難であるために、図10に示すように半導体装
置としての外形の確保が難しくなるという問題もあっ
た。
【0011】また、金属製(例えば、アルミニウム製)
の専用の中空角筒状部材やキャップ状部材を用いて、半
導体チップの直下の外側の領域の外部端子を機械的に支
持する方法も提案された。例えば、図11に示すよう
に、中空角筒状部材106を半導体チップ102の側面
から取り囲むように設けて、下面を接着剤107を用い
て配線板103に接着する方法が考えられた。しかしな
がら、中空角筒状部材106によって外部端子103
d,103d,…を確実に支持するためには、中空角筒
状部材106と半導体チップ102の側面との隙間を狭
くする必要があるが、半導体チップ102を構成するシ
リコンと中空角筒状部材106との熱膨張率の差によっ
て、この隙間部分の直下付近にあたる配線板103にス
トレスがかかってしまい、しかも、このストレスは上記
隙間が狭い程大きいので、配線パターンの配線が断線し
てしまい易いという問題があった。このために、上記隙
間に樹脂を充填することも試されたが、上記隙間が狭い
ために、樹脂の充填は困難であり、この方法は実用には
不適であることが判明した。
【0012】また、図12に示すように、半導体チップ
102の周縁を覆うようにキャップ状部材108を配設
して、下面を接着剤109を用いて配線板103に接着
する方法が考えられた。しかしながら、この場合も、こ
のキャップ状部材108によって外部端子103d,1
03d,…を確実に支持するためには、キャップ状部材
108と半導体チップ102の側面との隙間を狭くする
必要がある。しかも、半導体チップ102の基板は、シ
リコン単結晶からなり、硬い反面、非常に脆いために、
キャップ状部材108とは直接接触しないようにしなけ
ればならない。さらに、半導体チップ102の断面形状
は長方形であって、隅部は略直角であるので、キャップ
状部材108の内側についても高い加工精度が要求され
る。このため、金属材料を切削加工してキャップ状部材
108を製造する際の、製造コストが極めて高くなって
しまうという問題があった。
【0013】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、半導体チップをモールド樹脂によって封止して
なる半導体装置において、成形後に半導体装置に反りが
生ずるのを抑えて、外部端子の高さが不揃いとなって半
導体装置の実装の際に、接続不良を起こしてしまうのを
未然に防ぐことによって、より信頼性の高い半導体装置
を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、半導体基板の表面に集積回
路が形成されてなる半導体チップの集積回路形成面に、
上記集積回路と対応する所定の配線パターンを有する板
状の配線チップが重ねられ、かつ、上記半導体チップの
上記集積回路と上記配線チップの配線パターンとが相互
に電気接続された状態で、上記半導体チップが熱硬化性
の樹脂により樹脂封止されて構成される半導体装置にお
いて、上記樹脂の反りを防止するために、熱膨張率が上
記樹脂のそれよりも小さい板状の補強部材が上記樹脂内
又は樹脂表面に付加されていることを特徴としている。
【0015】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の半導体装置であって、上記樹脂は、上記補強部材
と、上記半導体チップとで挟まれた状態で成形されてい
ることを特徴としている。
【0016】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の半導体装置であって、上記補強部材は、平板状チッ
プの周縁部が一方側に湾曲又は屈曲して周縁壁をなすキ
ャップ状の部材であり、上記周縁壁を上記樹脂側に向け
た状態で、上記樹脂に被せられていることを特徴として
いる。
【0017】また、請求項4記載の発明は、請求項1,
2又は3記載の半導体装置であって、補強部材は、鉄−
ニッケル−コバルト合金からなることを特徴としてい
る。
【0018】また、請求項5記載の発明は、請求項1,
2,3又は4記載の半導体装置を製造する方法であっ
て、上記半導体チップの上記集積回路と上記配線チップ
の配線パターンとが相互に電気接続状態となるように相
互に重ねられた状態の上記半導体チップ及び上記配線チ
ップと、上記補強部材とを予め型内に装着した後、該型
内に溶融状態の熱硬化性樹脂組成物を注入固化して上記
半導体装置を製造することを特徴としている。
【0019】さらにまた、請求項6記載の発明は、請求
項5記載の半導体装置の製造方法であって、上記熱硬化
性樹脂組成物は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物であるこ
とを特徴としている。
【0020】
【作用】この発明の構成によれば、熱膨張率が、半導体
チップを封止する熱硬化性の樹脂のそれよりも小さい補
強部材が、樹脂内又は樹脂表面に付加されているので、
例えば、半導体チップを熱硬化性の樹脂によって封止す
る工程で、硬化した樹脂が冷却する過程で、樹脂が固有
の熱膨張率で収縮しようとしても、上記補強部材がこの
収縮を抑えるため、半導体装置自体の反りを防ぐことが
できる。
【0021】それ故、実装する際に取付面側に対応する
配線チップの変形も抑えられるので、例えば、配線チッ
プに取着された外部端子の先端の所定の平面からの高さ
が不揃いとなって電気的接続不良を起こしてしまうのを
未然に防ぐことができ、歩留まりが一段と向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である半導体装置の構成
を示す断面図、図2乃至図4は、同半導体装置の製造方
法を説明するための工程説明図である。図1に示すよう
に、この例の半導体装置1は、例えば、携帯電話用の電
子機器に実装されて用いられる半導体装置であって、C
MOSFETによるゲートアレイ等の集積回路が形成さ
れてなる半導体チップ11と、半導体チップ11の集積
回路が形成された側に接続され、所定の配線パターンを
有する配線板12と、半導体チップ11と配線板12と
の接続面を除いて半導体チップ11を封止するモールド
樹脂13と、モールド樹脂13の反りを抑えるための平
板状の補強板14とを備えてなっている。なお、この例
の半導体装置1は、10.0mm角の大きさ及び0.8
mmの厚さを有し、半導体チップ11は、7.15mm
角の大きさ及び0.4mmの厚さを有している。
【0023】半導体チップ11は、集積回路が形成され
た前面側において接続用の電極パッド111,111,
…を有し、かつ、前面側最外部において各電極パッド1
11が設けられた箇所を除いて、表面を保護するための
絶縁コート112が塗布されてなっている。ここで、電
極パッド111は、アルミニウム系の合金からなり、絶
縁コート112は、例えば、ポリイミド樹脂等の膜から
構成されている。また、配線板12は、例えば、ポリイ
ミド樹脂製の絶縁性フィルム121と、絶縁性フィルム
121の半導体チップ11が取り付けられた側に設けら
れ、各電極パッド111との接続部を有し、銅箔が所定
のパターンに加工されてなる配線層122と、配線層1
22の上記接続部とは異なる部位に一端が接し、他端が
絶縁性フィルム121の裏面に達するように埋め込まれ
た導電極(導電性充填物)123,123,…と、絶縁
性フィルム121側の導電極123,123,…上に設
けられた外部端子124,124,…と、配線板12の
各電極パッド111に対応する箇所に設けられたスルー
ホール125とを有してなっている。ここで、各導電極
123は予め設けられた開口部に電解メッキによって銅
が充填されることで形成されている。また、各外部端子
124は半田によって形成されている。
【0024】この例においては、外部端子124,12
4,…の数は188ピンであり、半導体チップ11と、
絶縁性フィルム121及び配線層122とは、熱可塑性
のポリイミド樹脂からなる接着層126を介して接合し
ている。また、絶縁性フィルム121、配線層122、
接着層126の厚さは、それぞれ、略30μm、略8μ
m、略10μmである。また、外部端子124,12
4,…は、裏側から見て、ボール状の端子が格子の交点
上に配置されるようにして設けられている。
【0025】また、モールド樹脂13は、熱硬化性エポ
キシ樹脂組成物にシリカ等の添加剤が配合され、高温の
状態で金型に注入・充填固化された後、脱型して常温ま
で冷まされることによって成形されている。また、補強
板14は、鉄−ニッケル−コバルト合金(コバール)製
板の両面に厚さ略5μmのニッケル箔が圧延により接着
されてなる厚さが略0.12mmのニッケルクラッドコ
バールである。また、このコバール合金の成分比は、質
量比で、鉄が53%、ニッケルが29±1%、コバルト
が17±1%である。この補強板14の熱膨張率は、半
導体チップ11を構成するシリコンのそれより大きく、
モールド樹脂のそれより小さく設定されている。なお、
ニッケル箔が鉄−ニッケル−コバルト合金製板の両面に
接着されているのは防食のためである。
【0026】次に、この例の半導体装置1の製造方法に
ついて説明する。まず、図2(a)に示すように、絶縁
性フィルム121上に銅箔を被覆し、フォトエッチング
の技法によって所定の配線パターンを形成し、配線層1
22を設ける。次に、この配線層122の上から熱可塑
性樹脂を塗布して絶縁性フィルム121の表面側に接着
性樹脂層126aを形成する。次に、同図(b)に示す
ように、絶縁性フィルム121の外部端子124,12
4,…が取着されることとなる部位において、例えば、
レーザ加工によって、絶縁性フィルム121を貫通させ
て開口部H1,H1,…を設ける。この後、同図(c)
に示すように、開口部を埋めるように導電極123,1
23,…を形成する。
【0027】次に、同図(d)に示すように、半導体チ
ップ11と接続させた際に、絶縁性フィルム121及び
接着性樹脂層126aの電極パッド111に対応する箇
所において、レーザ加工等によって、絶縁性フィルム1
21及び接着性樹脂層126aを貫通するように開口さ
せてスルーホール125、125,…を設けて、後の工
程で外部端子124,124,…が取り付けられること
となる配線板12aを作製する。
【0028】この後に、同図(e)に示すように、半導
体チップ11と配線板12とを、各電極パッド111と
対応する各スルーホール125とを位置合わせて重ね合
わせ、各スルーホール125の裏面側から、図示せぬツ
ールと呼ばれるボンディング用の細い棒を差し込み、こ
のツールの先端部を配線層122の裏面に押し当て、超
音波と所定の荷重を加えることによって、電極パッド1
11と配線層122とを電気的に接続する。次に、31
0℃〜320℃の温度を保って、接着性樹脂層126a
の樹脂を軟化させた状態で、半導体チップ11と配線板
12とに、略1kgw/cm2の荷重を略10secの
間加えることにより、半導体チップ11と配線板12a
とを接着する。
【0029】次に、モールド成形用の金型2を用意す
る。この金型2は、同図(f)に示すように、半導体チ
ップ11及び配線板12aを収納し、これら半導体チッ
プ11及び配線板12aを収納した状態で、内部に成形
後のモールド樹脂13の外形形状と略同一形状の空洞A
を形成する金型本体21と、配線板12aを裏側から押
さえつけて固定するための蓋部22とを備えてなってい
る。金本体21及び蓋部22は、例えば、構造用炭素鋼
製であり、これら金型本体21と蓋部22とが、互いの
周端部において当接するように合わせられて用いられ
る。また、金型本体21は、半導体チップ11及び配線
板12aを収納する際に、これら半導体チップ11及び
配線板12aが位置決めされた状態で、配線板12aの
縁端部を載置するための載置棚21aを備えている。ま
た、金型本体21の所定の箇所には、モールド樹脂組成
物13aを注入するための注入口211が設けられてい
る。また、金型本体21の上部には、空気を通流させる
ための空気抜き用孔212,212が設けられている。
【0030】次に、同図に示すように、用意された金型
本体21の内部の底に、まず、補強板14を入れ、そし
て、半導体チップ11側を下向きにして、接着された半
導体チップ11及び配線板12aのうち、配線板12a
の縁端部を、金型本体21の載置棚21aに載せ、さら
に、この上に蓋部22を載せた後、射出時の圧力で外れ
たり、ずれたりしないように、図示せぬ型締機構によっ
て締め付ける。こうして、半導体チップ11及び配線板
12aを収納した状態で組み合わされた金型2は、この
内部に、モールド樹脂13を成形するための空洞Aが形
成される。
【0031】次に、同図(g)に示すように、金型2を
略150℃まで加熱し、さらに、170℃〜180℃に
加熱された液状のエポキシ樹脂組成物やシリカ等からな
るモールド樹脂組成物13aを略2気圧の荷重によっ
て、注入口211から図示せぬ圧送ポンプを用いて圧入
する。このとき、モールド樹脂組成物3aの空洞Aへの
流入と共に、空気抜き用孔212,212から空洞Aの
空気が排出される。そして、同図(h)に示すように、
金型2の空洞A内がモールド樹脂組成物13aによって
全て満たされたならば、モールド樹脂組成物13aの注
入を停止し、暫く放置した後、上記型締機構を解除して
金型2を分解し、封止された半導体チップ11及び配線
板12aを取り出す。次に、同図(i)に示すように、
各導電極123の先端部に球状の共晶半田を高粘度のフ
ラックスを介して搭載した後、半田をその融点以上まで
加熱することにより接着して各外部端子124を形成
し、半導体装置1を完成させる。
【0032】このようにして製造されたこの例の半導体
装置1と補強板14を用いない従来の半導体装置とにつ
いて、コプラナリティを測定したところ、従来の半導体
装置では、40μm〜70μmであるのに対して、この
例の半導体装置1では、20μm〜40μmであり、許
容限度である50μm以内に確実に収まるまで改善され
ていることがわかった。
【0033】上記構成によれば、モールド樹脂13の裏
面側端面に、熱膨張率がモールド樹脂13のそれよりも
小さく、ある程度剛性を有する補強板14が取着されて
いるので、例えば、半導体チップ11をモールド樹脂1
3によって封止する工程で、モールド樹脂13の固化冷
却時に、モールド樹脂13が固有の熱膨張率で収縮しよ
うとしても、補強板14がこの収縮を抑えるため、半導
体装置1自体の反りを防ぐことができる。それ故、実装
する際に取付面側に対応する配線板12の変形も抑えら
れ、コプラナリティを改善することができるので、例え
ば、配線板12に取着された各外部端子124の先端の
所定の平面からの高さが不揃いとなって接着不良を起こ
してしまうのを未然に防ぐことができる。これにより、
歩留まりを一段と向上させ、より信頼性の高い半導体装
置を製造することができる。
【0034】また、完成した半導体装置にレーザ等によ
って製造番号等の捺印を施す際に、金属板である補強板
14に捺印することとなるので、モールド樹脂において
は変色の程度が極めて小さく、視認性が悪いのに比し
て、施された捺印の視認性を大幅に向上させることがで
きる。例えば、補強板14の露出部分を酸化等によって
変色させた後に、レーザで捺印するようにすればよい。
また、補強板14は強磁性体のコバール製であるので、
電磁石を用いて容易に半導体装置1を搬送することがで
きる。また、補強板14は金属製板からなるので、この
補強板14を接地電位に接続することによって、電磁波
に対するシールド性を向上させることができる。
【0035】◇第2実施例 図5は、この発明の第2実施例である半導体装置の構成
を概略示す断面図である。この第2実施例が上述の第1
実施例と大きく異なるところは、略完全平面状の補強板
14(図1)に代えて、キャップ状の補強板34を用い
てモールド樹脂13の反りを防止するようにした点であ
る。図5に示すように、この例のキャップ状の補強板3
4は、周縁部が一方側に浅く湾曲して(この例では、湾
曲半径が略0.2mmに設定)形成された周縁壁34a
を有して構成され、同周縁壁34aをモールド樹脂13
側に向け、かつ、モールド樹脂13の半導体チップ11
接着面に対向する面側に被せられる状態にモールド樹脂
13に接着されている。これ以外は、第1実施例と略同
一の構成であるので、同図において、図1の構成部分と
対応する各部には同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0036】上記構成の半導体装置3も、第1実施例で
述べたと略同一の製造方法により製造される。製造され
たこの例の半導体装置3と補強板34を用いない従来の
半導体装置とについて、コプラナリティを測定したとこ
ろ、従来の半導体装置では、40μm〜70μmである
のに対して、この例の半導体装置3では、15μm〜2
5μmであり、第1実施例の場合よりも、一段と改善さ
れていることがわかった。
【0037】この第2実施例の構成によれば、補強板3
4は、周縁壁342がモールド樹脂13側へ向くように
配置されているので、モールド樹脂13の反りを一段と
確実に抑え、上述した第1実施例において得られたコプ
ラナリティよりもさらに良好なコプラナリティを得るこ
とができる。それ故、さらに一段と、歩留まりを向上さ
せることができる。加えて、補強板34がない場合と比
して、補強板34のキャップ状の形状により、半導体装
置3と半導体チップ11との外形寸法の差が大きい程、
モールド樹脂の変形を抑える効果をより大きくすること
ができる。
【0038】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述した
実施例では、補強板14としてコバール製板の両面にニ
ッケル箔が接着されてなる薄板を用いたが、コバールに
代えて、例えば、42合金等を用いても良い。また、モ
ールド樹脂としては、エポキシ系樹脂に限らず、例え
ば、シリコーン系樹脂やテフロン系樹脂であっても良
い。また、絶縁コート112は、ポリイミド樹脂の膜に
限らず、窒化シリコンや酸化シリコン等の膜であっても
良い。また、金型2に用いる金属は、構造用炭素鋼以外
にもクロムモリブデン鋼や炭素工具鋼等でも良い。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、熱膨張率が、半導体チップを封止する熱硬化性
の樹脂のそれよりも小さい補強部材が、樹脂内又は樹脂
表面に付加されているので、例えば、半導体チップを熱
硬化性の樹脂によって封止する工程で、硬化した樹脂が
冷却する過程で、樹脂が固有の熱膨張率で収縮しようと
しても、上記補強部材がこの収縮を抑えるため、半導体
装置自体の反りを防ぐことができる。
【0040】それ故、実装する際に取付面側に対応する
配線チップの変形も抑えられるので、例えば、配線チッ
プに取着された外部端子の先端の所定の平面からの高さ
が不揃いとなって電気的接続不良を起こしてしまうのを
未然に防ぐことができ、歩留まりが一段と向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である半導体装置の構成
を示す断面図である。
【図2】同半導体装置の製造方法を説明するための工程
説明図である。
【図3】同半導体装置の製造方法を説明するための工程
説明図である。
【図4】同半導体装置の製造方法を説明するための工程
説明図である。
【図5】この発明の第2実施例である半導体装置の構成
を示す断面図である。
【図6】従来技術を説明するための説明図である。
【図7】従来技術を説明するための説明図である。
【図8】従来技術を説明するための説明図である。
【図9】従来技術を説明するための説明図である。
【図10】従来技術を説明するための説明図である。
【図11】従来技術を説明するための説明図である。
【図12】従来技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1,3 半導体装置 11 半導体チップ 111 電極パッド 12 配線板(配線チップ) 13 モールド樹脂(樹脂) 14,34 補強板(補強部材) 2 金型(型)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の表面に集積回路が形成され
    てなる半導体チップの集積回路形成面に、前記集積回路
    と対応する所定の配線パターンを有する板状の配線チッ
    プが重ねられ、かつ、前記半導体チップの前記集積回路
    と前記配線チップの配線パターンとが相互に電気接続さ
    れた状態で、前記半導体チップが熱硬化性の樹脂により
    樹脂封止されて構成される半導体装置において、 前記樹脂の反りを防止するために、熱膨張率が前記樹脂
    のそれよりも小さい板状の補強部材が前記樹脂内又は樹
    脂表面に付加されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記樹脂は、前記補強部材と、前記半導
    体チップとで挟まれた状態で成形されていることを特徴
    とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記補強部材は、平板状チップの周縁部
    が一方側に湾曲又は屈曲して周縁壁をなすキャップ状の
    部材であり、前記周縁壁を前記樹脂側に向けた状態で、
    前記樹脂に被せられていることを特徴とする請求項2記
    載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記補強部材は、鉄−ニッケル−コバル
    ト合金からなることを特徴とする請求項1,2又は3記
    載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載の半導体装
    置を製造する方法であって、 前記半導体チップの前記集積回路と前記配線チップの配
    線パターンとが相互に電気接続状態となるように相互に
    重ねられた状態の前記半導体チップ及び前記配線チップ
    と、前記補強部材とを予め型内に装着した後、該型内に
    溶融状態の熱硬化性樹脂組成物を注入固化して前記半導
    体装置を製造することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性エ
    ポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項5記載
    の半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014179429A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Toshiba Corp 半導体装置
JP2017135286A (ja) * 2016-01-28 2017-08-03 新光電気工業株式会社 半導体装置及び半導体装置の製造方法

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