JPH10115917A - 感光性樹脂組成物およびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物およびカラーフィルタの製造方法

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JPH10115917A
JPH10115917A JP28747496A JP28747496A JPH10115917A JP H10115917 A JPH10115917 A JP H10115917A JP 28747496 A JP28747496 A JP 28747496A JP 28747496 A JP28747496 A JP 28747496A JP H10115917 A JPH10115917 A JP H10115917A
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photosensitive resin
pattern
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JP28747496A
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Masanori Torii
政典 鳥井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細なカラーフィルタの製造を可能とする
感光性樹脂組成物と、この感光性樹脂組成物を使用し、
材料の使用効率に優れ、かつ、湿式の現像工程および洗
浄工程を含まず工程が簡便なカラーフィルタの製造方法
を提供する。 【解決手段】 ガラス転移温度Tgが80〜120℃の
範囲で重量平均分子量が10000〜100000の範
囲であるポリマーと、25℃における粘度が10〜80
00cpsの範囲である多官能のモノマーと、着色剤と
を少なくとも含有するような感光性樹脂組成物とし、こ
の感光性樹脂組成物を用いて、剥離現像、着色パターン
転写形成を20〜30℃の温度範囲で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は感光性樹脂組成物お
よびカラーフィルタの製造方法に係り、特に常温で適度
な粘性を示す感光性樹脂組成物と、これを用いたカラー
フィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ(LCD)において
は、近年のカラー化の要請に対応するために、アクティ
ブマトリックス方式および単純マトリックス方式のいず
れの方式においてもカラーフィルタが用いられている。
例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティ
ブマトリックス方式の液晶ディスプレイでは、カラーフ
ィルタは赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の着色
パターンを備え、R,G,Bのそれぞれの画素に対応す
る電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとし
て作動し、R,G,Bのそれぞれの画素を光が透過して
カラー表示が行われる。そして、色混合は2色以上の画
素に対応する液晶シャッタを開いて混色し別の色に見せ
る加色混合の原理により網膜上で視覚的に行われる。
【0003】上記のカラーフィルタの製造方法の1種と
して、従来から着色感材法が用いられている。この着色
感材法では、透明な感光性樹脂に着色剤として染料、無
機顔料、有機顔料等を分散した感光性組成物をスピンコ
ート法等により透明基板上に塗布して感光性樹脂層を形
成し、この感光性樹脂層を所定のフォトマスクを介して
露光し、未露光部分の感光性樹脂層を溶解する現像液を
使用して湿式現像して着色パターンを形成する操作を
R,G,Bの3回行って各色の着色パターンが形成され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
着色感材法では、透明基板への感光性樹脂組成物のスピ
ンコート法等による塗布工程における材料ロスが避けら
れず、また、各色の着色パターン形成ごとに湿式現像工
程と洗浄工程があるため廃液処理が必要となり、材料使
用効率の向上や工程の簡略化が困難で製造コスト低減に
支障を来していた。
【0005】このような着色感材法における問題を解消
するために、湿式現像工程を不要とする製造方法が開発
されている(特開平2−151805号公報)。このカ
ラーフィルタ製造方法は、支持シートBに着色剤を含む
感光性樹脂層を塗布乾燥させた後、支持シートAを積層
し、ついで感光性樹脂層を放射線硬化し、支持シートB
を支持シートAから加熱して剥離し、支持シートAに未
硬化のパターン部分の感光性樹脂層を保持させ、ついで
感光性樹脂層の未硬化パターン部分を支持シートAとと
もにカラーフィルタ用の透明基板へ圧着または加熱圧着
し、支持シートAの剥離後に未硬化のパターン部分を放
射線硬化し、このような操作を各色相の着色剤を含む感
光性樹脂層について同一の透明基板に対し順次繰り返す
ものである。
【0006】しかし、上記のカラーフィルタの製造方法
は、湿式現像工程を省きうるという極めて優れた長所が
ある一方で、支持シートA上の感光性樹脂層パターンを
カラーフィルタ用の透明基板に対して正確に位置合わせ
をしながら転写することが現実的には難しく、色ずれや
色抜けの無い良品を高い歩留まりで製造すことは極めて
困難であるという問題点があった。すなわち、剥離現像
によってパターンを形成する際の剥離が加熱しながら行
われる結果、熱膨張により支持シート自体が加熱前に比
べて伸びるとともに、支持シートを保持するために加え
られていた張力に対する抵抗力が支持シートの温度上昇
と共に変化し、支持シートがさらに伸びてしまうという
不都合が生じた。これにより、剥離現像で支持シートに
形成されたパターンが、パターン露光によって潜像とし
て形成された際の配列に比較して、寸法に著しいずれを
生じることになる。
【0007】このような問題を解消するために、常温付
近での一定温度範囲、例えば、20〜30℃の範囲に支
持シートの温度を維持してカラーフィルタの作製を行う
ことが考えられる。しかしながら、支持シートの温度を
上記の範囲に保つと、感光性樹脂層の粘性が不十分とな
り、剥離現像や転写に支障をきたし、パターンのエッジ
精度(直線性)が低下するという問題があった。
【0008】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、高精細なカラーフィルタの製造を可能
とする感光性樹脂組成物と、この感光性樹脂組成物を使
用し、材料の使用効率に優れ、かつ、湿式の現像工程お
よび洗浄工程を含まず工程が簡便なカラーフィルタの製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の感光性樹脂組成物は、少なくともガ
ラス転移温度Tgが80〜120℃の範囲で重量平均分
子量が10000〜100000の範囲であるポリマー
と、25℃における粘度が10〜8000cpsの範囲
である多官能のモノマーと、着色剤とを含有するような
構成とした。
【0010】また、上記の感光性樹脂組成物において、
前記ポリマーの含有量が10〜40重量%の範囲であ
り、前記モノマーの含有量が40〜70重量%の範囲で
あるような構成とした。
【0011】本発明のカラーフィルタの製造方法は、上
述のような感光性樹脂組成物を用いて転写基材シートと
剥離フィルムの間に感光性樹脂層を形成する第1の工程
と、所定のフォトマスクを介して前記剥離フィルム側か
ら前記感光性樹脂層を露光する第2の工程と、前記剥離
フィルムを剥離することにより前記感光性樹脂層の露光
部を転写基材シート上から除去し、前記転写基材シート
上に前記感光性樹脂層の未露光部を残して感光性樹脂パ
ターンを形成する第3の工程と、前記転写基材シート上
に形成された前記感光性樹脂パターンに、カラーフィル
タ用の透明基板を位置合わせして圧着する第4の工程
と、前記透明基板側から前記感光性樹脂パターンを露光
し、その後、前記転写基材シートを剥離することによ
り、前記透明基板上に前記感光性樹脂パターンを転写し
て着色パターンを形成する第5の工程と、を少なくとも
第2の工程から第4の工程における前記転写基材シート
の温度を20〜30℃に保ちながら必要な色数分繰り返
すことにより、所望の色数の着色パターンを前記透明基
板上に形成するような構成とした。
【0012】このような本発明では、感光性樹脂層を形
成するための感光性樹脂組成物が、少なくともガラス転
移温度Tgが80〜120℃の範囲で重量平均分子量が
10000〜100000の範囲であるポリマーと、2
5℃における粘度が10〜8000cpsの範囲である
多官能のモノマーと、着色剤とを含有するので、形成さ
れた感光性樹脂層は20〜30℃の範囲で適度の粘性を
有し、所定のフォトマスクを介して剥離フィルム側から
感光性樹脂層を露光し、剥離フィルムを剥離して感光性
樹脂層の露光部を剥離フィルムとともに転写基材シート
から除去し感光性樹脂層の未露光部を感光性樹脂パター
ンとして転写基材シート上に残す剥離現像において良好
な膜切れ性を示し、また、カラーフィルタ用の透明基板
を感光性樹脂パターン上に位置合わせして圧着した後に
転写基材シートを剥離する着色パターンの転写形成にお
いて良好な転写性を示し、透明基板上へ高い精度で着色
パターンを形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0014】まず、本発明の感光性樹脂組成物について
説明する。
【0015】本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも
ガラス転移温度Tgが80〜120℃の範囲で重量平均
分子量が10000〜100000の範囲であるポリマ
ーと、25℃における粘度が10〜8000cpsの範
囲である多官能のモノマーと、着色剤とを含有するもの
である。
【0016】(i) 本発明の感光性樹脂組成物を構成す
るポリマーは、上記のようにガラス転移温度Tgが80
〜120℃の範囲で重量平均分子量が10000〜10
0000の範囲内のポリマーである。ガラス転移温度T
gが80℃未満であると、最終的に得られるカラーフィ
ルタパターンの耐熱性が不足するという問題があり、ま
た、120℃を超えると、低粘度モノマーの配合による
粘着性の調節が困難となり好ましくない。また、重量平
均分子量が10000未満であると、低粘度モノマーの
配合による粘着性の調節が困難であり、100000を
超えると、剥離現像の際の膜切れ性が低下することによ
り、ラインパターンのエッジの直線性が低くなり好まし
くない。
【0017】このようなポリマーの具体例としては、ア
クリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート等を挙げる
ことができる。
【0018】好ましくは、合わせて使用するモノマーと
の相溶性や熱に対する黄変性等の観点から、メタクリル
樹脂(ポリメタクリル酸メチルアクリレートおよびその
変性体等)、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を使用する
ことができる。
【0019】このようなポリマーは、感光性樹脂組成物
に10〜40重量%の範囲で含有されることが好まし
い。ポリマーの含有量が10重量%未満であると、多官
能で低分子量である光硬化性モノマーとの混合によって
粘着性を調節することが困難であり、また、40重量%
を超えると、剥離現像の際の膜切れ性が低下することに
よりラインパターンのエッジの直線性が低くなり好まし
くない。
【0020】(ii) 本発明の感光性樹脂組成物を構成す
るモノマーは、上記のように25℃における粘度が10
〜8000cpsの範囲である多官能のモノマーであ
る。モノマーの粘度が上記の範囲外であると、感光性樹
脂組成物が適度な粘着性を備えることが困難となり好ま
しくない。ここで、モノマーの粘度は、JIS K71
17に規定された測定方法により測定することができ
る。尚、単官能のモノマーは、後述するカラーフィルタ
の製造方法における露光工程での光硬化反応の進行が遅
く実用に供し得ない。
【0021】このようなモノマーの具体例としては、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペ
ンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイ
ド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチ
レンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート、ビスフェノールAエチレン
オキサイド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトール
ジアクリレートモノステアレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等
を挙げることができる。
【0022】上記のモノマーのなかで、特に好ましくは
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートを用いることができる。
【0023】このようなモノマーは、感光性樹脂組成物
に40〜70重量%の範囲で含有されることが好まし
い。モノマーの含有量が40重量%未満であると、最終
的に得られるカラーフィルタパターンの耐熱性が不足す
るという問題があり、また、70重量%を超えると、ポ
リマーの配合により粘着性を実用的な値に調整すること
が困難となり好ましくない。
【0024】(iii) 本発明の感光性樹脂組成物を構成
する着色剤としては、公知の顔料あるいは染料を用いる
ことができる。顔料を用いる場合は粒子の平均粒径が
0.4μm以下であることが望ましい。平均粒径が0.
4μmを超えると、形成した着色パターンの可視光透過
率が極めて低くなり、カラーフィルタとしての実用性に
支障を来すようになる。
【0025】着色剤として使用できる好ましい染料およ
び顔料の例としては、ビクトリア・ピュアブルーBO
(C.I.42595)、オーラミン(C.I.410
00)、ファット・ブラックHB(C.I.2615
0)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・
エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピ
グメント・エロー17)、パーマネント・エローHR
(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・
カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド14
6)、ホスターパームレッドESB(C.I.ピグメン
トバイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH
(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピ
ンクBスブラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モ
ナストラル・ファスト・ブルー(C.I.ピグメント・
ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB
(C.I.ピグメント・ブラック1)、イルカジンレッ
ドBPT、銅フタロシアニン(緑)、フタロシアニンブ
ルー(青)、および、カーボン等を挙げることができ
る。
【0026】さらに、カラーフィルタを形成するために
好ましい顔料としては、C.I.ピグメント・レッド9
7、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグ
メント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド1
68、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピ
グメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド
192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.
ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリー
ン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.
I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント
・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、
C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント
・ブルー64、C.I.ピグメント・イエロー83、
C.I.ピグメント・バイオレト23等を挙げることが
できる。
【0027】また特開平5−119213号公報に記載
の反応性染料をバインダーポリマーに反応させた系や、
特開平6−107663号公報に記載の含フッ素フタロ
シアニン化合物は、消偏性等の特性に優れた系として用
いることができる。
【0028】感光性樹脂組成物に対する着色剤の含有割
合は、5〜30重量%の範囲とすることが好ましい。
【0029】(iv) 他の添加剤 本発明の感光性樹脂組成物には、光重合開始剤、分散
剤、増感剤、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、
可塑剤、安定剤等が必要に応じて用いられる。
【0030】光重合開始剤としては、例えばベンゾフェ
ノン、ミヒラーケトン、N,N´テトラメチル−4,4
´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジ
メチルアミノベンゾフェノン、4,4´−ジエチルアミ
ノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナ
ントレン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエ
ーテル等のベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、
エチルベンゾイン等のベンゾイン、2−(o−クロロフ
ェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−
(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフ
ェニル)イミダゾ−ル2量体、2−(o−フルオロフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル2量体、2−
(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾ−ル2量体、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾ−ル
2量体、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−トリクロロ
メチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾ−
ル、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリ
ル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル、2−トリクロロ
メチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−
オキサジアゾ−ル等のハロメチルチアゾ−ル系化合物、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシ
スチリル−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロ
メチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−
1,3ブタジエニル)−S−トリアジン、2−トリクロ
ロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−S
−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビ
ストリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エト
キシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロ
メチル−S−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト
−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−
トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物、
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−
オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニ
ル〕−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル
−2−ジメチルアミノ−1(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタノン−1、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル
−フェニル−ケトン、イルガキュアー369(チバガイ
ギー社製)、イルガキュアー651(チバガイギー社
製)、イルガキュアー907(チバガイギー社製)等が
挙げられる。
【0031】また、光硬化反応速度を高めるために、こ
れらの光重合開始剤を複数種混合して使用することも可
能である。
【0032】光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成
物の総固形分に対して0.1〜10.0重量%の範囲が
望ましい。光重合開始剤の添加量が0.1重量%に満た
ない場合は、光重合開始剤の種類によらず、光重合開始
剤としての効果を発現させることが非常に困難となる。
また、10.0重量%を超える場合は、光重合の反応速
度が非常に速くなる一方で、光重合開始剤が感光性樹脂
層の黄変を引き起こす度合いが大きくなり、カラーフィ
ルターとしての耐光性が低下してしまうという問題が生
じる。
【0033】本発明の感光性樹脂組成物に使用できる分
散剤としては、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、
ポリアルキレンポリアミン型高分子、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
グリコール、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエ
チレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等を挙げることが
できる。このような分散剤の添加量は、着色剤の25〜
75重量%の範囲が好ましい。
【0034】尚、上述の本発明の感光性樹脂組成物は溶
剤を含有しないものであるが、後述するような感光性樹
脂層を形成するための塗布液を調製する場合には、本発
明の感光性樹脂組成物と溶剤とを併用してもよい。
【0035】次に、本発明のカラーフィルタの製造方法
を説明する。
【0036】図1乃至図3は本発明のカラーフィルタの
製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述の本発明の
感光性樹脂組成物を使用し、第1の工程乃至第5の工程
からなる着色パターンの形成操作を、少なくとも第2の
工程から第4の工程における転写基材シートの温度を2
0〜30℃に保ちながら、必要な色数分繰り返すことに
より透明基板上に所望の色数の着色パターンを備えたカ
ラーフィルタを製造するものである。ここでは、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色の着色パターンを
備えたカラーフィルタを例にして説明する。 (1)赤色の着色パターン形成第1の工程 まず、第1の工程として、図1(A)に示されるよう
に、転写基材シート12と剥離フィルム13の間に赤色
の着色剤を含有した感光性樹脂層14Rを設けて複合体
11Rを形成する。感光性樹脂層14Rは、例えば、転
写基材シート12上にダイレクトグラビアコーティング
法、グラビアリバースコーティング法、リバースロール
コーティング法、スライドダイコーティング法、スリッ
トダイコーティング法等の公知の塗布手段により、上述
の本発明の感光性樹脂組成物に適宜溶剤を添加して作成
した塗布液を塗布、乾燥し、この塗布膜上に剥離フィル
ム13を重ねて圧着することにより形成することができ
る。また、剥離フィルム13上に感光性樹脂組成物を含
む塗布液を塗布して乾燥し、この塗布膜上に転写基材シ
ート12を重ねて圧着してもよい。尚、上記の複合体1
1R形成時の圧着は、加熱圧着でもよく、この場合、加
熱温度は感光性樹脂層14Rの熱的物性に応じて適宜設
定することができる。感光性樹脂層14Rの厚みは0.
5〜5.0μm程度、好ましくは1.0〜3.0μm程
度の範囲で設定することができる。
【0037】赤色の着色パターン、緑色の着色パター
ン、青色の着色パターンの順序で透明基板上に着色パタ
ーンを形成する本実施形態では、感光性樹脂層14Rの
厚みA1および後述の感光性樹脂層14Gの厚みA2、
感光性樹脂層14Bの厚みA3を、A1≦A2≦A3の
関係を満足するように設定する必要がある。これは、後
述の緑色の着色パターン形成、青色の着色パターン形成
において、既に透明基板上に形成されている他の色の着
色パターンの谷間にはめ込むように着色パターンを転写
形成する必要があるためである。尚、A1とA2、ある
いはA2とA3が等しくない場合、カラーフィルタに要
求される表面平滑性を考慮して、その差は小さいことが
好ましく、例えば、(A2−A1)がA1の10%以
下、(A3−A2)がA2の10%以下となるように設
定することが好ましい。
【0038】ここで使用する転写基材シート12は、後
述するように柔軟性を有し、かつ、張力もしくは圧力で
著しい変形を生じない材料を使用する必要がある。転写
基材シート12は、剥離フィルム13と感光性樹脂層1
4(上記の感光性樹脂層14Rおよび後述の感光性樹脂
層14G、14Bを含む)の特性を考慮して選定するこ
とができる。すなわち、感光性樹脂層14に対する転写
基材シート12の密着力が、剥離フィルム13と感光性
樹脂層14との密着力よりも強くなるような転写基材シ
ート12を使用する。このような転写基材シート12の
厚みは0.02〜2mm程度に設定することができる。
尚、転写基材シート12には、感光性樹脂層14との密
着力を高めるために、後述するようなプライマー層を形
成してもよい。
【0039】また、剥離フィルム13は、後述するよう
に柔軟性を有し、かつ、張力もしくは圧力で著しい変形
を生じず、さらに、感光性樹脂層14Rに所望の露光量
での露光行うための光が透過する材料を使用する必要が
ある。この剥離フィルム13は、上述のように、感光性
樹脂層14(14R,14G,14B)の特性を考慮し
て転写基材シート12との関係から適宜選定することが
できる。
【0040】尚、上述の転写基材シート12および剥離
フィルム13は、枚葉タイプでもよく、また、長尺体で
あってもよい。転写基材シート12および剥離フィルム
13を長尺体とすることにより、複合体11Rをロール
状に巻き回して保管し、随時必要量を送り出してカラー
フィルタの製造に供することができる。第2の工程 次に、赤色の着色パターン用のフォトマスク21Rを介
して、複合体11Rの感光性樹脂層14Rを露光する
(図1(B))。本発明では、この露光を剥離フィルム
13側から行うことを必須とする。これにより、感光性
樹脂層14Rの露光部は、剥離フィルム13側から硬化
が優先的に進行して剥離フィルム13に対する接着力が
大幅に増大し、一方、転写基材シート12側では当初の
接着力のままで感光性樹脂層14Rと転写基材シート1
2とが接着された状態となる。
【0041】このような剥離フィルム13側からの感光
性樹脂層14Rの露光量は、感光性樹脂層14Rの光硬
化反応が転写基材シート12側まで進行しない範囲で適
宜設定することができ、例えば、感光性樹脂層14Rの
光硬化反応が完全に進行するのに必要な最小露光量の2
〜60%の範囲とすることができる。この露光におい
て、露光量が不足すると、転写基材シート12と感光性
樹脂層14Rの未露光部との接着力に対して、剥離フィ
ルム13と感光性樹脂層14Rとの露光による接着力上
昇が不十分となり、下記の剥離現像が良好に行えないこ
とになる。また、露光量が上記の最小露光量に近すぎる
と、転写基材シート12と感光性樹脂層14Rの露光部
との接着力が大きくなりすぎて、剥離フィルム13と感
光性樹脂層14Rの露光部との接着力に対して、その差
が不十分となり、やはり、下記の剥離現像が良好に行え
ない。上記のような露光量で剥離フィルム13側から感
光性樹脂層14Rを露光することにより、感光性樹脂層
14Rの露光部では厚み方向で照射光到達量が剥離フィ
ルム13側から徐々に減少し、感光性樹脂層14Rの転
写基材シート12側は未露光(未硬化)状態となる。
【0042】本発明では、この第2の工程における転写
基材シート12の温度を20〜30℃の範囲に保ち、転
写基材シートが熱により伸びを生じることを防止する。
このためには、例えば、上記の露光工程において光源か
ら放出される赤外線によって転写基材シート12の温度
が上昇しないように照射光の赤外線成分を遮断したり、
冷風を適宜使用したり、25℃に温度調節された金属に
転写基材シートを接触させる等の操作を行うことが好ま
しい。
【0043】ここで、上述の感光性樹脂層14の光硬化
反応進行率は、ゲル分率で規定することができる。すな
わち、一定面積の感光性樹脂層が形成されたサンプルA
を準備し、このサンプルAにおける感光性樹脂層の重量
aを測定する。次に、サンプルAをテトラヒドロフラン
で定法にしたがって加熱還流させて可溶成分を抽出除去
し、不溶成分を分離した後乾燥させて得たサンプルBの
重量bを測定する。次に、サンプルAに任意の露光量の
紫外線を照射したサンプルCの重量cを測定し、サンプ
ルAと同様にテトラヒドロフランで抽出した後の溶剤不
溶成分Dの乾燥重量dを測定する。次に、下記の式
(1)によってサンプルCに含まれる感光性樹脂組成物
含有量eを算出する。
【0044】 e=d−c×b÷a 式(1) さらに、下記の式(2)によってサンプルCの全重量に
対する感光性樹脂組成物含有率、すなわち、ゲル分率f
(%)を算出する。
【0045】 f=(d−c×b÷a)÷c×100 式(2) サンプルCに対する紫外線の露光量を変えながら各々の
ゲル分率fを測定し、露光量を増大してもゲル分率fが
変化しなくなったときのゲル分率fの値を最終感光性樹
脂組成物含有率g、あるいは、最終ゲル分率gとし、g
を与える最小露光量を光硬化反応完結露光量とする。ま
た、露光量の異なる各サンプルのゲル分率fを算出し、
下記の式(3)から各露光量に対する光硬化反応進行率
hが算出される。
【0046】 h=f÷g×100 式(3)第3の工程 次に、剥離フィルム13を剥離することにより感光性樹
脂層14Rの露光部を剥離フィルム13とともに転写基
材シート12から除去し、感光性樹脂層14Rの未露光
部の少なくとも一部を感光性樹脂パターン15Rとして
転写基材シート12上に残すような剥離現像を行う(図
1(C))。
【0047】本発明では、この第3の工程における転写
基材シート12の温度を20〜30℃の範囲に保ち、転
写基材シートが熱により伸びを生じることを防止する。
このためには、例えば、冷風を適宜使用したり、25℃
に温度調節された金属に転写基材シートを接触させる等
の操作を行うことが好ましい。
【0048】感光性樹脂層14Rの露光が上述のような
露光量のもとで行われており、かつ、感光性樹脂層14
Rが本発明の感光性樹脂組成物により形成されているた
め、この第3の工程における剥離現像では、感光性樹脂
層14Rが常温、あるいは、その近傍の比較的低温に維
持されているにもかかわらず、感光性樹脂層14Rの露
光部と未露光部の膜切れ性が良好であり、感光性樹脂パ
ターン15Rはパターン形状が良好なものとなる。
【0049】尚、感光性樹脂層14Rの未露光部の全部
が感光性樹脂パターン15Rとして転写基材シート12
上に残るか、その厚み方向の一部が感光性樹脂パターン
15Rとして残るかは、剥離フィルム13と感光性樹脂
層14Rとの密着力と、感光性樹脂層14Rの凝集力と
の関係で決定されるものである。このため、感光性樹脂
パターン15Rに必要とされる厚みに応じて、剥離フィ
ルム13の材質、感光性樹脂層14Rの構成材料、感光
性樹脂層14Rの層厚等を適宜設定する必要がある。第4の工程 上述の第3の工程において転写基材シート12上に形成
された感光性樹脂パターン15Rに、カラーフィルタ用
の透明基板2を位置合わせした後に圧着する(図1
(D))。
【0050】本発明では、この第4の工程における転写
基材シート12の温度を20〜30℃の範囲に保ち、転
写基材シートが熱により伸びを生じることを防止する。
このためには、例えば、冷風を適宜使用したり、25℃
に温度調節された金属に転写基材シートを接触させる等
の操作を行うことが好ましい。そして、感光性樹脂パタ
ーン15Rは、常温、あるいは、その近傍の比較的低温
に維持されているにもかかわらず、十分な粘度を備えて
いるため、上記の圧着により透明基板2に適度の粘着力
で付着する。
【0051】透明基板2と感光性樹脂パターン15Rと
の位置合わせは、例えば、次のように行うことができ
る。すなわち、上述の第2の工程での露光において、4
隅と周辺部に見当印形成用の遮光部を設けたフォトマス
ク21Rを使用し、感光性樹脂パターン15R形成と同
時に転写基材シート12上に位置合わせ用の見当印を形
成する。一方、カラーフィルタ用の透明基板2上にも、
この位置合わせを行う際の温度条件下において転写基材
シート12上の見当印と同一の寸法精度を有する見当印
を予め設ける。そして、転写基材シート12にしわが入
らないために必要な最小限の張力をかけながら、上記の
見当印を用いて透明基板2と転写基材シート12の位置
合わせを行うことができる。尚、透明基板2上に設ける
位置合わせ用の見当印は、例えば、透明基板2に予めブ
ラックマトリックスを形成する場合には、このブラック
マトリックスの形成と同時に形成することができる。
【0052】本発明では、少なくとも上述の第2の工程
から第4の工程の一連の操作において、転写基材シート
12の温度を20〜30℃、すなわち温度差10℃の範
囲に保つので、形成された感光性樹脂層14Rは適度の
粘性を有し、剥離現像において良好な膜切れ性を示し、
また、転写基材シート12の熱膨張や張力による伸びを
極めて少ないものとすることができる。このため、第2
の工程のおけるフォトマスク21Rを使用した露光で形
成されたパターン潜像である感光性樹脂パターン15R
を極めて高い精度で透明基板2に密着させることができ
る。第2の工程から第4の工程における転写基材シート
12の温度が上記の温度範囲に保たれない場合、感光性
樹脂層14Rが適度な粘性を示さなくなり、剥離現像に
おいて良好な膜切れ性が得られず、また、転写基材シー
ト12の伸びが大きくなり、着色パターンを高い精度で
備えたカラーフィルタの製造が困難となる。
【0053】尚、第4の工程における透明基板2と転写
基材シート12上の感光性樹脂パターン15Rとの位置
合わせ後の圧着が完了した後は、環境温度が変化しても
透明基板2に対する感光性樹脂パターンの圧着位置は変
化しない。このため、感光性樹脂パターン15Rと透明
基板2との密着性を高めることを目的とした加熱工程を
第4の工程と後述する第5の工程との間に設けてもよ
い。第5の工程 次に、感光性樹脂パターン15Rを露光する(図1
(D))。本発明では、この露光を透明基板2側から行
うことを必須とする。これにより、感光性樹脂パターン
15Rは、透明基板2側で硬化が優先的に進行して透明
基板2に対する接着力が大幅に増大し、一方、転写基材
シート12側では当初の接着力のままで感光性樹脂パタ
ーン15Rと転写基材シート12とが接着された状態で
ある。したがって、転写基材シート12を剥離すること
によって、感光性樹脂パターン15Rは透明基板2上に
転写され、赤色の着色パターン3Rが形成される(図1
(E))。その後、透明基板2上の着色パターン3Rを
露光あるいは加熱して硬化反応を完結させることによ
り、透明基板2上への赤色の着色パターンの形成が完了
する。
【0054】上記のような透明基板2側からの感光性樹
脂パターン15Rの露光は、感光性樹脂パターン15R
の光硬化反応が転写基材シート12側まで進行しない範
囲の露光量で行う行うことができ、例えば、感光性樹脂
パターン15Rの光硬化反応が完全に進行するのに必要
な最小露光量の2〜60%の範囲の露光量で行うことが
できる。この露光において、露光量が不足すると、透明
基板2と感光性樹脂パターン15Rとの露光による接着
力上昇が不十分となり、透明基板2への着色パターン形
成が良好に行えない。また、露光量が上記の最小露光量
に近すぎると、転写基材シート12と感光性樹脂パター
ン15Rとの接着力が大きくなりすぎて、透明基板2と
感光性樹脂パターン15Rとの接着力に対して、その差
が不十分となり、やはり、透明基板2への着色パターン
形成が良好に行えない。透明基板2側から上記のような
露光量で露光することにより、感光性樹脂パターン15
Rは厚み方向で照射光到達量が透明基板2側から徐々に
減少し、感光性樹脂パターン15Rの転写基材シート1
2側は未露光(未硬化)状態となる。ここで、感光性樹
脂パターン15Rの光硬化反応進行率は、上述のゲル分
率で規定することができる。
【0055】尚、上記の転写基材シート12の剥離は、
転写基材シート12を加熱しながら行ってもよい。 (2)緑色の着色パターン形成第1の工程 上述の赤色の着色パターン形成と同様に、本発明の感光
性樹脂組成物を使用し、転写基材シート12と剥離フィ
ルム13の間に緑色の着色剤を含有した感光性樹脂層1
4Gを設けて複合体11Gを形成する(図2(A))。
【0056】尚、使用する転写基材シート12および剥
離フィルム13は、上述の赤色の着色パターン形成と同
様とすることができる。第2の工程 次に、緑色の着色パターン用のフォトマスク21Gを介
して、剥離フィルム13側から複合体11Gの感光性樹
脂層14Gを露光する(図2(B))。これにより、感
光性樹脂層14Gの露光部は、剥離フィルム13側から
硬化が優先的に進行して剥離フィルム13に対する接着
力が大幅に増大し、一方、転写基材シート12側では当
初の接着力のままで感光性樹脂層14Gと転写基材シー
ト12とが接着された状態となる。この露光も、感光性
樹脂層14Gの光硬化反応が転写基材シート12側まで
進行しない範囲の露光量で行うことができ、例えば、感
光性樹脂層14Gの光硬化反応が完全に進行するのに必
要な最小露光量の2〜60%の範囲の露光量で行うこと
ができる。
【0057】この第2の工程においても、上述の赤色の
着色パターン形成と同様に、転写基材シート12の温度
を20〜30℃に保持して、熱による転写基材シート1
2の伸びの発生を防止する。第3の工程 次に、剥離フィルム13を剥離することにより感光性樹
脂層14Gの露光部を剥離フィルム13とともに転写基
材シート12から除去し、感光性樹脂層14Gの未露光
部の少なくとも一部を感光性樹脂パターン15Gとして
転写基材シート12上に残す(図2(C))。
【0058】この第3の工程においても、上述の赤色の
着色パターン形成と同様に、転写基材シート12の温度
を20〜30℃に保持して、熱による転写基材シート1
2の伸びの発生を防止する。そして、感光性樹脂層14
Gが本発明の感光性樹脂組成物により形成されているた
め、この第3の工程における剥離現像では、感光性樹脂
層14Gが常温、あるいは、その近傍の比較的低温に維
持されているにもかかわらず、感光性樹脂層14Gの露
光部と未露光部の膜切れ性が良好であり、感光性樹脂パ
ターン15Gはパターン形状が良好なものとなる。
【0059】尚、感光性樹脂層14Gの未露光部の全部
が感光性樹脂パターン15Gとして転写基材シート12
上に残るか、その一部が感光性樹脂パターン15Gとし
て残るかは、剥離フィルム13と感光性樹脂層14Gと
の密着力と、感光性樹脂層14Gの凝集力との関係で決
定されるものである。このため、感光性樹脂パターン1
5Gに必要とされる厚みに応じて、剥離フィルム13の
材質、感光性樹脂層14Gの構成材料、感光性樹脂層1
4Gの層厚等を適宜設定する必要がある。第4の工程 上述の第3の工程において転写基材シート12上に形成
された感光性樹脂パターン15Gに、既に赤色の着色パ
ターン3Rが形成されているカラーフィルタ用の透明基
板2を位置合わせして圧着する(図2(D))。この透
明基板2と感光性樹脂パターン15Gとの位置合わせ
は、上述の赤色の着色パターン形成と同様に行うことが
できる。そして、この第4の工程においても転写基材シ
ート12の温度を20〜30℃に保持して、熱による転
写基材シート12の伸びの発生を防止する。そして、感
光性樹脂パターン15Gは、常温、あるいは、その近傍
の比較的低温に維持されているにもかかわらず、十分な
粘度を備えているため、上記の圧着により透明基板に適
度の粘着力で付着する。
【0060】尚、感光性樹脂パターン15Gと透明基板
2との密着性を高めることを目的とした加熱工程を第4
の工程と後述する第5の工程との間に設けてもよい。
5の工程次に、透明基板2側から感光性樹脂パターン1
5Gを露光する(図2(D))。これにより、感光性樹
脂パターン15Gは、透明基板2側で硬化が優先的に進
行して透明基板2に対する接着力が大幅に増大し、一
方、転写基材シート12側では当初の接着力のままで感
光性樹脂パターン15Gと転写基材シート12とが接着
された状態である。したがって、転写基材シート12を
剥離することによって、感光性樹脂パターン15Gは透
明基板2上に転写され、緑色の着色パターン3Gが形成
される(図2(E))。その後、透明基板2上の着色パ
ターン3Gを露光あるいは加熱して硬化反応を完結させ
ることにより、透明基板2上への緑色の着色パターンの
形成が完了する。
【0061】上記のような透明基板2側からの感光性樹
脂パターン15Gの露光は、感光性樹脂パターン15G
の光硬化反応が転写基材シート12側まで進行しない範
囲の露光量で行うことができ、例えば、感光性樹脂パタ
ーン15Gの光硬化反応が完全に進行するのに必要な最
小露光量の2〜60%の範囲の露光量で行うことができ
る。
【0062】上述の緑色の着色パターン形成において
も、少なくとも第2の工程から第4の工程の一連の操作
で転写基材シート12の温度を20〜30℃、すなわち
温度差10℃の範囲に保つので、形成された感光性樹脂
層14Gは適度の粘性を有し、剥離現像において良好な
膜切れ性を示し、また、転写基材シート12の熱膨張や
張力による伸びを極めて少ないものとすることができ
る。このため、第2の工程のおけるフォトマスク21G
を使用した露光で形成されたパターン潜像である感光性
樹脂パターン15Gを極めて高い精度で透明基板2に密
着させることができ、その結果、色ずれや色抜け等の転
写不良を生じることなく緑色の着色パターン3Gを形成
することができる。 (3)青色の着色パターン形成第1の工程 上述の赤色の着色パターン形成と同様に、本発明の感光
性樹脂組成物を使用して転写基材シート12と剥離フィ
ルム13の間に青色の着色剤を含有した感光性樹脂層1
4Bを設けて複合体11Bを形成する(図3(A))。
【0063】尚、使用する転写基材シート12および剥
離フィルム13は、上述の赤色の着色パターン形成と同
様とすることができる。第2の工程 次に、青色の着色パターン用のフォトマスク21Bを介
して、剥離フィルム13側から複合体11Bの感光性樹
脂層14Bを露光する(図3(B))。これにより、感
光性樹脂層14Bの露光部は、剥離フィルム13側から
硬化が優先的に進行して剥離フィルム13に対する接着
力が大幅に増大し、一方、転写基材シート12側では当
初の接着力のままで感光性樹脂層14Bと転写基材シー
ト12とが接着された状態となる。この露光も、感光性
樹脂層14Bの光硬化反応が転写基材シート12側まで
進行しない範囲の露光量で行うことができ、例えば、感
光性樹脂層14Bの光硬化反応が完全に進行するのに必
要な最小露光量の2〜60%の範囲の露光量で行うこと
ができる。
【0064】この第2の工程においても、上述の赤色の
着色パターン形成と同様に、転写基材シート12の温度
を20〜30℃に保持して、熱による転写基材シート1
2の伸びの発生を防止する。第3の工程 次に、剥離フィルム13を剥離することにより感光性樹
脂層14Bの露光部を剥離フィルム13とともに転写基
材シート12から除去し、感光性樹脂層14Bの未露光
部の少なくとも一部を感光性樹脂パターン15Bとして
転写基材シート12上に残す(図3(C))。
【0065】この第3の工程においても、上述の赤色の
着色パターン形成と同様に、転写基材シート12の温度
を20〜30℃に保持して、熱による転写基材シート1
2の伸びの発生を防止する。そして、感光性樹脂層14
Bが本発明の感光性樹脂組成物により形成されているた
め、この第3の工程における剥離現像では、感光性樹脂
層14Bが常温、あるいは、その近傍の比較的低温に維
持されているにもかかわらず、感光性樹脂層14Bの露
光部と未露光部の膜切れ性が良好であり、感光性樹脂パ
ターン15Bはパターン形状が良好なものとなる。
【0066】尚、感光性樹脂層14Bの未露光部の全部
が感光性樹脂パターン15Bとして転写基材シート12
上に残るか、その一部が感光性樹脂パターン15Bとし
て残るかは、剥離フィルム13と感光性樹脂層14Bと
の密着力と、感光性樹脂層14Bの凝集力との関係で決
定されるものである。このため、感光性樹脂パターン1
5Bに必要とされる厚みに応じて、剥離フィルム13の
材質、感光性樹脂層14Bの構成材料、感光性樹脂層1
4Bの層厚等を適宜設定する必要がある。第4の工程 上述の第3の工程において転写基材シート12上に形成
された感光性樹脂パターン15Bに、既に赤色の着色パ
ターン3Rと緑色の着色パターン3Gが形成されている
カラーフィルタ用の透明基板2を位置合わせして圧着す
る(図3(D))。この透明基板2と感光性樹脂パター
ン15Bとの位置合わせは、上述の赤色の着色パターン
形成と同様に行うことができる。そして、この第4の工
程においても転写基材シート12の温度を20〜30℃
に保持して、熱による転写基材シート12の伸びの発生
を防止する。そして、感光性樹脂パターン15Gは、常
温、あるいは、その近傍の比較的低温に維持されている
にもかかわらず、十分な粘度を備えているため、上記の
圧着により透明基板に適度の粘着力で付着する。
【0067】尚、感光性樹脂パターン15Bと透明基板
2との密着性を高めることを目的とした加熱工程を第4
の工程と後述する第5の工程との間に設けてもよい。第5の工程 次に、透明基板2側から感光性樹脂パターン15Bを露
光する(図3(D))。これにより、感光性樹脂パター
ン15Bは、透明基板2側で硬化が優先的に進行して透
明基板2に対する接着力が大幅に増大し、一方、転写基
材シート12側では当初の接着力のままで感光性樹脂パ
ターン15Bと転写基材シート12とが接着された状態
である。したがって、転写基材シート12を剥離するこ
とによって、感光性樹脂パターン15Bは透明基板2上
に転写され、青色の着色パターン3Bが形成される(図
3(E))。その後、透明基板2上の着色パターン3B
を露光あるいは加熱して硬化反応を完結させることによ
り、透明基板2上への青色の着色パターンの形成が完了
する。
【0068】上記のような透明基板2側からの感光性樹
脂パターン15Bの露光は、感光性樹脂パターン15B
の光硬化反応が転写基材シート12側まで進行しない範
囲の露光量で行うことができ、例えば、感光性樹脂パタ
ーン15Bの光硬化反応が完全に進行するのに必要な最
小露光量の2〜60%の範囲の露光量で行うことができ
る。
【0069】上述の青色の着色パターン形成において
も、少なくとも第2の工程から第4の工程の一連の操作
で転写基材シート12の温度を20〜30℃、すなわち
温度差10℃の範囲に保つので、形成された感光性樹脂
層14Gは適度の粘性を有し、剥離現像において良好な
膜切れ性を示し、また、転写基材シート12の熱膨張や
張力による伸びを極めて少ないものとすることができ
る。このため、第2の工程のおけるフォトマスク21B
を使用した露光で形成されたパターン潜像である感光性
樹脂パターン15Bを極めて高い精度で透明基板2に密
着させることができ、その結果、色ずれや色抜け等の転
写不良を生じることなく青色の着色パターン3Bを形成
することができる。
【0070】上述の(1)から(3)のように、第1の
工程から第5の工程を赤(R)、緑(G)、青(B)の
3色分繰り返すことにより、赤色の着色パターン3R、
緑色の着色パターン3G、青色の着色パターン3Bを透
明基板2上に備えたカラーフィルタ1を製造することが
できる。
【0071】本発明では、第1の工程から第5の工程の
いずれも、スピンコート等による透明基板2上への塗布
工程が不要なので材料ロスがなく、かつ、湿式現像工程
や洗浄工程は不要であり、材料の使用効率が高く、工程
が簡便なものとなる。
【0072】尚、本発明の第2の工程および第5の工程
における露光は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、レーザー
等の公知の露光手段を使用して行うことができる。
【0073】また、上述のカラーフィルタの製造方法で
は、各色の着色パターンを透明基板2上に形成するごと
に露光あるいは加熱して硬化反応を完結させているが、
赤(R)、緑(G)、青(B)のすべての着色パターン
を形成した後に、露光あるいは加熱により硬化反応を完
結させてもよい。
【0074】また、上述のカラーフィルタの製造方法で
は、各色の着色パターン用のフォトマスク21R,21
G,21Bを使用しているが、共通の着色パターン用の
フォトマスクを使用してもよい。
【0075】さらに、カラーフィルタ用の透明基板2に
は、予めブラックマトリックスを形成し、このブラック
マトリックスの非形成部に各色の着色パターンを形成で
きることは勿論である。
【0076】次に、本発明のカラーフィルタの製造方法
において使用する材料について詳細に説明する。転写基材シート まず、本発明で使用する転写基材シート12について説
明する。転写基材シート12は、柔軟性を有し、かつ、
張力もしくは圧力で著しい変形を生じない材料を使用す
る必要がある。
【0077】転写基材シート12に用いる材料として
は、まず、樹脂フィルムを挙げることができる。樹脂フ
ィルムの具体例としては、ポリエチレンフィルム、エチ
レンー酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン- ビニル
アルコール共重合体フィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリメタクリル酸フィル
ム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリビニルアルコールフ
ィルム、ポリビニルブチラールフィルム、ナイロンフィ
ルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリサル
フォンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポ
リテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテルフィルム、ポリビニルフルオライドフィル
ム、テトラフルオロエチレン−エチレンフィルム、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンフィル
ム、ポリクロロトリフルオロエチレンフィルム、ポリビ
ニリデンフルオライドフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、
ポリエステルフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム、ポ
リイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、これ
らの樹脂材料にフィラーを配合したフィルム、これらの
樹脂材料を用いたフィルムを1軸延伸もしくは2軸延伸
したもの、これらの樹脂材料を用いて流れ方向より幅方
向の延伸倍率を高めた2軸延伸フィルム、これらの樹脂
材料を用いて幅方向より流れ方向の延伸倍率を高めた2
軸延伸フィルム、これらのフィルムのうちの同種または
異種のフィルムを貼り合わせたもの、および、これらの
フィルムに用いられる原料樹脂から選ばれる同種または
異種の樹脂を共押し出しすることによって作成される複
合フィルム等を挙げることができる。
【0078】また、転写基材シート12として金属箔や
金属鋼帯を用いることもできる。このような金属箔や金
属鋼帯の具体例として、銅箔、銅鋼帯、アルミニウム
箔、アルミニウム鋼帯、SUS430、SUS301、
SUS304、SUS420J2およびSUS631等
のステンレス鋼帯、ベリリウム鋼帯等を挙げることがで
きる。このなかで、熱膨張率がカラーフィルタ用のガラ
ス基板の熱膨張率に近いという点で、好ましくはステン
レス鋼帯、特に好ましくはSUS430のステンレス鋼
帯を用いることができる。
【0079】さらに、転写基材シート12に用いる材料
として、上述の金属箔あるいは金属鋼帯を上述の樹脂フ
ィルムに貼り合わせたものを使用することもできる。金
属箔や金属鋼帯を樹脂フィルムと比較した場合、単位厚
み当たりの張力に対する抵抗力は金属箔や金属鋼帯の方
が勝るものが多い一方、単位厚み当たりの価格は樹脂フ
ィルムの方が安価であるものが多い。さらに、樹脂フィ
ルムは金属箔や金属鋼帯に比べ表面平滑性に優れたもの
が多く、カラーフィルタ画素パターンである着色パター
ン3R,3G,3Bを転写形成するための転写基材シー
ト12として好ましく用いることができる。従って、金
属鋼帯や金属箔に樹脂フィルムを適宜貼り合わせて転写
基材シート12とすることにより、単位厚み当たりの張
力に対する抵抗力と表面平滑性と材料価格の低さにバラ
ンスのとれた転写基材シート12を得ることが可能とな
る。プライマー層 パターン露光前の感光性樹脂層14(14R,14G,
14B)と転写基材シート12との接着力が不足してい
る場合、もしくはパターン露光後の感光性樹脂層14と
転写基材シート12間の接着力が高すぎる場合、両者間
の接着力を適度な値に調節するために、上記転写基材シ
ート12に予めプライマー層を設けてもよい。また、こ
のようなプライマー層を設けることにより、転写基材シ
ート12の表面が感光性樹脂層14を形成するために必
要な表面平滑性を備えていない場合であっても、プライ
マー層材料を極めて平滑になるよう精密にコートするこ
とで、必要とされる表面平滑性を転写基材シート12に
与えることも可能である。
【0080】ここで、第3の工程において転写基材シー
ト12から感光性樹脂層14の露光部を剥離フィルム1
3とともに除去する際、感光性樹脂層14に接するプラ
イマー層を共に剥離除去するためには、露光部と未露光
部の境界に沿ってプライマー層を切断する必要がある。
したがって、プライマー層の材料には切断が容易に行え
るような層内凝集力の低い材料を選択する必要がある。
しかし、このようなプライマー層を形成した場合は、剥
離現像によって転写基材シート12上に形成された感光
性樹脂パターン15(15R,15G,15B)を第5
の工程でカラーフィルタ用の透明基板2に転写する際、
プライマー層内部の凝集力が低いため、転写基材シート
12を剥離除去することにより透明基板2上に転写形成
された着色パターンの表面にプライマー層が付着してし
まうという不都合が生じる。従って、このような不都合
を防止するためには、転写基材シート12から感光性樹
脂層14の露光部を剥離フィルム13に硬化接着させて
除去する際、プライマー層を全て転写基材シート12に
保持しておくことが望ましい。
【0081】このような性能を有するプライマー層を設
ける場合、転写基材シート12とプライマー層間の接着
力は、露光前後の感光性樹脂層14とプライマー層との
接着力、露光前後の感光性樹脂層14と剥離フィルム1
3との接着力、露光前後の感光性樹脂層14の凝集力、
露光前後のプライマー層の凝集力、のいずれに対しても
高いことが必要とされる。
【0082】このようなプライマー層に用いることので
きる材料としては、エチエレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合
体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合
体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタ
クリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル
樹脂、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプ
ロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、
エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、ポ
リアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテ
ルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリビニ
ルホルマール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセル
ロール、カルボキシメチルエチルセルロース、エチルヒ
ドロキシエチルセルロース、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、
メラミン樹脂等を挙げることができる。
【0083】また、後述するように感光性樹脂層14
(14R,14G,14B)のバインダーにアクリレー
トモノマー類の様な光硬化性低分子量体が配合されてい
る場合、プライマー層にはアクリレートモノマー等が拡
散しないような材料を用いることが好ましい。これはア
クリレートモノマー等がプライマー層に徐々に拡散した
場合、プライマー材料の軟化温度や粘着性や凝集力、あ
るいは、感光性樹脂層14(14R,14G,14B)
との接着力、あるいは、転写基材シート12との接着力
がこれに伴って徐々に変化してしまう可能性が高まるた
めである。従って、アクリレートモノマー類のような光
硬化性低分子量体が拡散し難い材料を選定することが好
ましい。このような材料の一例として、ポリビニルアル
コール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルピロリドン、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、エチルセルロール、カルボキシメチルエチルセルロ
ース、エチルヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹
脂を挙げることができる。また、これらの水溶性樹脂を
複数種類混ぜ合わせて使用することも可能である。
【0084】また、イソシアネート系架橋剤やキレート
系架橋剤等の架橋剤によって上記の樹脂を架橋したプラ
イマー層としてもよい。架橋剤は、架橋させる樹脂の反
応性官能基に応じて適宜選択することができ、公知のも
のから任意に選ぶことができる。架橋剤の一例として、
イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート水添体、トリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート、前記のジイソシアネートをトリ
メチロールプロパンに付加させたアダクト体、前記のジ
イソシアネートのビウレット体、前記のジイソシアネー
トのトリマー体、エポキシ基やアジリジン基やオキザゾ
リン基を有する架橋剤、アルミニウム・亜鉛・チタン・
ジルコニウム等の金属原子を有するキレート化剤等を挙
げることができる。
【0085】上述のようにプライマー層を架橋させる場
合、配合される架橋剤に応じて公知の触媒を添加するこ
とができる。例えば、イソシアネートを架橋剤に用いた
場合には、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n−オ
クチル錫ジラウレート、テトラメチルブタンジアミン、
N,N,N´,N´−テトラメチル−1,3−ブタンジ
アミン、1,4−ジアザ−ビシクロ〔2,2,2〕オク
タン等を用いることができる。
【0086】プライマー層を転写基材シート12に形成
するには、転写基材シート12の一方の面に、上記のよ
うな樹脂に必要に応じて架橋剤や架橋反応促進触媒等の
必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤または水
に溶解したり、有機溶剤と水の混合溶剤に溶解したり、
あるいは有機溶剤や水に分散させた分散体を、例えばグ
ラビアダイレクトコーティング法、グラビアリバースコ
ーティング法、リバースロールコーティング法、スライ
ドダイコーティング法、スリットダイコーティング法等
の手段により塗布・乾燥することができる。また、スラ
イドダイコーティング法を用いる場合、プライマー層と
感光性樹脂層14を同時に塗布及び乾燥させることも可
能である。
【0087】形成するプライマー層の厚みは0.05〜
5μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲で設定するこ
とができる。プライマー層の厚みが0.05μm未満で
ある場合は、プライマー層として必要とされる塗膜強度
が得られない。また、5μmを超えると、塗膜の表面の
均一性を高めることが困難になるという問題点を生じ
る。
【0088】プライマー層を転写基材シート12上に設
けた場合であっても、第1の工程において感光性樹脂層
14をプライマー層が設けられた転写基材シート12に
塗布形成した後に剥離フィルム13を加熱または加熱圧
着することも可能であり、あるいは剥離フィルム13に
感光性樹脂層14を塗布塗布した後に、プライマー層を
設けた転写基材シート12を圧着または加熱圧着するこ
ともできる。剥離シート 次に、本発明で使用する剥離シート13について説明す
る。剥離シート13は、柔軟性を有し、かつ、張力もし
くは圧力で著しい変形を生じず、さらに、感光性樹脂層
14(14R,14G,14B)に所望の露光量での露
光行うための光が透過する材料を使用する必要がある。
【0089】剥離フィルム13の具体例としては、ポリ
エチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィ
ルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、
ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ
メタクリル酸フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ
ビニルアルコールフィルム、ポリビニルブチラールフィ
ルム、ナイロンフィルム、ポリエーテルエーテルケトン
フィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサル
フォンフィルム、ポリテトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテルフィルム、ポリビニルフ
ルオライドフィルム、テトラフルオロエチレン−エチレ
ンフィルム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレンフィルム、ポリクロロトリフルオロエチレン
フィルム、ポリビニリデンフルオライドフィルム、ポリ
エチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタ
レートフィルム、ポリエステルフィルム、トリ酢酸セル
ロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレ
タンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミ
ドフィルム、これらの樹脂材料にフィラーを配合したフ
ィルム、これらの樹脂材料を用いたフィルムを1軸延伸
もしくは2軸延伸したもの、これらの樹脂材料を用いて
流れ方向より幅方向の延伸倍率を高めた2軸延伸フィル
ム、これらの樹脂材料を用いて幅方向より流れ方向の延
伸倍率を高めた2軸延伸フィルム、これらのフィルムの
うちの同種または異種のフィルムを貼り合わせたもの、
および、これらのフィルムに用いられる原料樹脂から選
ばれる同種または異種の樹脂を共押し出しすることによ
って作成される複合フィルム等を挙げることができる。
これらのフィルムのうちで、特に2軸延伸ポリエステル
フィルムを使用することが好ましい。カラーフィルタ用の透明基板 上述の本発明のカラーフィルタの製造方法において使用
できるカラーフィルタ用の透明基板2には特に制限はな
く、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス基
板、ホウケイ酸ガラス基板、石英ガラス基板、シリコン
基板等を使用することができる。
【0090】また、感光性樹脂パターン(着色パター
ン)の接着性を向上させるために、カラーフィルタ用の
透明基板表面に表面処理を行うことができる。このよう
な目的のための表面処理には、従来公知の種々の手法を
用いることが可能である。その一例として、シランカッ
プリング剤を挙げることができる。使用するシランカッ
プリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロ
シラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルト
リス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
等を挙げることができる。
【0091】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1)まず、ガラス転移温度(Tg)および重量
平均分子量(MW)が異なる下記の5種のポリマー(A
〜E)を準備した。
【0092】 ・ポリマーA : Tg=105℃、MW= 25000 ・ポリマーB : Tg= 90℃、MW= 85000 ・ポリマーC : Tg=100℃、MW= 65000 ・ポリマーD : Tg=150℃、MW= 60000 ・ポリマーE : Tg= 50℃、MW=160000 また、25℃における粘度が異なる下記の5種のモノマ
ー(I〜V)を準備した。尚、粘度はJIS K711
7に規定されている試験方法により測定した。
【0093】 ・モノマーI : 粘度= 90cps ・モノマーII : 粘度= 550cps ・モノマーIII : 粘度= 7500cps ・モノマーIV : 粘度= 8cps ・モノマーV : 粘度=12000cps 次に、上記のポリマーおよびモノマーを使用し、下記の
組成の11種の赤色着色パターン用の感光性樹脂組成物
(組成物1〜組成物11)を調製した。尚、使用したポ
リマーおよびモノマーを下記の表1に示した。そして、
各感光性樹脂組成物100重量部に対し溶剤としてメチ
ルエチルケトン200重量部とトルエン200重量部を
添加して塗布液を得た。赤色着色パターン用の感光性樹脂組成物 ・ポリマー … 30重量部 ・モノマー … 50重量部 ・光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュアー369)… 2重量部 ・イルカジンレッドBPT … 20重量部 次に、転写基材シートとして厚み100μmの長尺状の
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを準備
し、この転写基材シート上に上記の赤色の各感光性樹脂
組成物からなる11種の塗布液をグラビアリバースコー
ティング法により塗布し乾燥して感光性樹脂層(厚み
2.0μm)を形成し、この感光性樹脂層に厚み12μ
mの剥離フィルム(2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム)を重ねて、直径100mmのロール2本で
圧着して、11種の赤色の複合体を作製した。(以上、
第1の工程) 次に、赤色の複合体の剥離フィルム側から、270μm
×80μmの長方形の開口部を所定のパターンで備えた
フォトマスク(縦300mm×横400mm)を介して
赤色の感光性樹脂層を露光した。フォトマスクとして
は、下記のガラス基板が備える位置合わせ見当印と同一
の寸法精度で見当印形成用の遮光部が4隅および周辺部
に設けられたものを使用した。また、この露光は超高圧
水銀灯を使用し、露光量は赤色の感光性樹脂層を完全に
硬化するのに必要な最小露光量20000mJの5%と
した。さらに、露光において超高圧水銀灯から放出され
る赤外線によってフォトマスクと転写基材シートの温度
が室温以上に上昇しないように、照射光の赤外線成分を
遮蔽し、かつ、冷風を適宜使用しながら露光を行った。
(以上、第2の工程) 次いで、上記複合体を水平に保持しながら剥離フィルム
を剥離して、感光性樹脂層の露光部を剥離フィルムとと
もに除去し、感光性樹脂層の未露光部を転写基材シート
上に残す剥離現像を行い、転写基材シート上に感光性樹
脂パターンおよび位置合わせ見当印を形成した。(以
上、第3の工程) 次に、クロム蒸着とパターンエッチングにより形成した
マトリックス状のブラックマトリックス(開口部250
μm×60μm)および位置合わせ見当印を備えるカラ
ーフィルタ用のガラス基板(ホウケイ酸ガラス製、厚み
1mm、縦300mm×横400mm)を準備した。ガ
ラス基板に設けた見当印は、上記のフォトマスクの見当
印用の遮光部と同様のものであり、第2の工程における
露光時の温度条件でフォトマスクと同一の寸法精度を有
するものである。そして、このガラス基板の位置合わせ
見当印と上記の転写基材シートの位置合わせ見当印とを
用いて位置合わせを行い、転写基材シートにしわが入ら
ないために必要な必要最小限の張力をかけながら転写基
材シート上の感光性樹脂パターンとガラス基板とを重
ね、直径100mmのロール2本で圧着した。この際、
転写基材シートとガラス基板の温度を、上述の第2の工
程での露光時の転写基材シートの温度と同一となるよう
に冷風を用いて温度調節を行った。(以上、第4の工
程) 次いで、ガラス基板側から超高圧水銀灯を用いた紫外線
を照射する露光を行った。この露光における露光量は、
赤色の感光性樹脂パターンを完全に硬化するのに必要な
最小露光量20000mJの5%とした。
【0094】その後、転写基材シートを剥離してガラス
基板上に赤色の感光性樹脂パターンを転写し、この感光
性樹脂パターン側から超高圧水銀灯を用いた紫外線を照
射する露光を行って光硬化反応を完結させ、赤色の着色
パターンを備えたカラーフィルタ(試料1〜11)とし
た。この露光での露光量は、赤色着色パターンのテトラ
ヒドロフランに対する耐溶剤性がもはや変化しなくなる
のに必要な露光量とした。(以上、第5の工程) 上記の試料1〜11の作製では、全工程の作業環境温度
T1を25℃に調節し、また、第2の工程から第4の工
程が完了するまでの転写基材シートの温度が25℃とな
るように、圧着ロールの温度や冷風または温風で温度調
節を行った。尚、転写基材シートの温度測定は、赤外線
放射温度計(堀場製作所(株)製 IT−340S)を
使用して行った。
【0095】また、全工程の作業環境温度を25℃と
し、第3の工程と第4の工程における転写基材シートの
温度を60℃とした他は、上記の試料1と同様にしてカ
ラーフィルタ(試料12)を作製した。
【0096】上記のカラーフィルタ(試料1〜12)に
ついて、4隅および周辺部での、ガラス基板のクロム蒸
着による見当印と、赤色着色パターンとともに転写形成
された見当印との位置のずれ幅を顕微鏡にて測定し、最
も大きいずれ幅の値をZとして、下記の表1に示した。
また、赤色着色パターンのパターンエッジの形状を下記
の基準で評価して、結果を下記の表1に示した。パターンエッジの評価基準 A:エッジの振れ幅は3μm以下であり、良好な直線性
を示し、カラーフィルタとして使用するために十分なエ
ッジ精度を有していた。
【0097】B:エッジの振れ幅は5μm以下であり、
必要最低限度以上の直線性を示し、カラーフィルタとし
て使用するために必要なエッジ精度を有していた。
【0098】C:エッジの振れ幅は5μmより大きく、
必要最低限の直線性は得られず、カラーフィルタとして
使用するために必要なエッジ精度を有していなかった。
【0099】D:露光された感光性樹脂層の全部または
大部分が剥離フィルムによって剥離除去されず、転写基
材シート上にカラーフィルタパターンが形成されなかっ
た。
【0100】
【表1】 表1に示されるように、ガラス転移温度(Tg)が80
〜120℃の範囲内であり、重量平均分子量(MW)が
10000〜100000の範囲内であるポリマーと、
25℃における粘度が10〜8000cpsの範囲にあ
るモノマーを含有する感光性樹脂組成物(組成物1〜
5)を使用して作製したカラーフィルタ(試料1〜5)
は、転写基材シートの温度が25℃と比較的低く保持さ
れていたにもかかわらず、剥離現像や着色パターンの転
写形成における不良が発生せず、いずれも見当印の最大
ずれ幅Zが10μm以下と小さく、パターンエッジの形
状が良好な高精度の着色パターンを備えたカラーフィル
タであることが確認された。
【0101】これに対して、ポリマーおよびモノマーの
少なくとも一方が上記の範囲からはずれる感光性樹脂組
成物(組成物6〜11)を使用して作製したカラーフィ
ルタ(試料6〜11)は、剥離現像において良好な膜切
れ性を示さず、パターンエッジの直線性が極めて低くな
るという不都合を生じ、あるいは、剥離によって露光パ
ターンに応じたパターンを得ることができない等の不都
合を生じたため、カラーフィルタとして実用に供し得な
いものであった。
【0102】また、転写基材シートの温度を60℃とし
て作製したカラーフィルタ(試料12)は、見当印の最
大ずれ幅Zが大きく、カラーフィルタとして実用に供し
得ないものであった。
【0103】尚、赤色着色剤(イルカジンレッドBP
T)の代わりに緑色着色剤(銅フタロシアニン)を添加
して調製した緑色着色パターン用の感光性樹脂組成物を
使用して、上述の第1の工程から第5の工程による赤色
の着色パターン形成と同様に、緑色の着色パターンを同
一のガラス基板上に形成し、この着色パターンについ
て、上述のように見当印の最大ずれ幅Zを測定し、パタ
ーンエッジの形状を評価したところ、同様の結果が得ら
れた。
【0104】また、赤色着色剤(イルカジンレッドBP
T)の代わりに青色着色剤(フタロシアニンブルー)を
添加して調製した青色着色パターン用の感光性樹脂組成
物を使用して、上述の第1の工程から第5の工程による
赤色の着色パターン形成と同様に、青の着色パターンを
同一のガラス基板上に形成し、この着色パターンについ
て、上述のように見当印の最大ずれ幅Zを測定し、パタ
ーンエッジの形状を評価したところ、同様の結果が得ら
れた。 (実施例2)実施例1において使用したのと同じポリマ
ーAおよびモノマーIを使用し、下記の組成の8種の赤
色着色パターン用の感光性樹脂組成物(組成物a〜組成
物h)を調製した。尚、各感光性樹脂組成物のポリマー
の重量部X、モノマーの重量部Yは下記の表2に示し
た。そして、各感光性樹脂組成物100重量部に対し溶
剤としてメチルエチルケトン200重量部とトルエン2
00重量部を添加して8種の塗布液を得た。赤色着色パターン用の感光性樹脂組成物 ・ポリマー … X重量部 ・モノマー … Y重量部 ・光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュアー369)… 2重量部 ・イルカジンレッドBPT … 20重量部 この8種の感光性樹脂組成物(a〜h)を使用した各塗
布液を用いた他は、実施例1の試料1と同様にしてカラ
ーフィルタ(試料13〜20)を作製した。
【0105】このように作製したカラーフィルタ(試料
13〜20)について、実施例1と同様にして、見当印
の最大ずれ幅Zを測定し、また、赤色着色パターンのパ
ターンエッジの形状を評価して、結果を下記の表2に示
した。
【0106】
【表2】 表2に示されるように、ポリマーの含有量が10〜40
重量%の範囲内であり、モノマーの含有量が40〜70
重量%の範囲内である感光性樹脂組成物(組成物a〜
d)を使用して作製したカラーフィルタ(試料13〜1
6)は、転写基材シートの温度が25℃と比較的低く保
持されていたにもかかわらず、剥離現像や着色パターン
の転写形成における不良が発生せず、いずれも見当印の
最大ずれ幅Zが10μm以下と小さく、パターンエッジ
の形状が良好な高精度の着色パターンを備えたカラーフ
ィルタであることが確認された。
【0107】これに対して、ポリマーの含有量およびモ
ノマーの含有量の少なくとも一方が上記の範囲からはず
れる感光性樹脂組成物(組成物e〜h)を使用して作製
したカラーフィルタ(試料17〜20)は、剥離現像の
際に感光性樹脂パターンが転写基材シート上に極めて不
完全にしか形成されないか、形成されていても直線パタ
ーン部分の直線性が非常に低いものしか得られなかっ
た。
【0108】尚、赤色着色剤(イルカジンレッドBP
T)の代わりに緑色着色剤(銅フタロシアニン)を添加
して調製した緑色着色パターン用の感光性樹脂組成物を
使用して、上述の第1の工程から第5の工程による赤色
の着色パターン形成と同様に、緑色の着色パターンを同
一のガラス基板上に形成し、この着色パターンについ
て、上述のように見当印の最大ずれ幅Zを測定し、パタ
ーンエッジの形状を評価したところ、同様の結果が得ら
れた。
【0109】また、赤色着色剤(イルカジンレッドBP
T)の代わりに青色着色剤(フタロシアニンブルー)を
添加して調製した青色着色パターン用の感光性樹脂組成
物を使用して、上述の第1の工程から第5の工程による
赤色の着色パターン形成と同様に、青の着色パターンを
同一のガラス基板上に形成し、この着色パターンについ
て、上述のように見当印の最大ずれ幅Zを測定し、パタ
ーンエッジの形状を評価したところ、同様の結果が得ら
れた。
【0110】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば感
光性樹脂組成物は少なくともガラス転移温度Tgが80
〜120℃の範囲で重量平均分子量が10000〜10
0000の範囲であるポリマーと、25℃における粘度
が10〜8000cpsの範囲である多官能のモノマー
と、着色剤とを含有するので、この感光性樹脂組成物を
使用して形成した感光性樹脂層は20〜30℃の範囲で
適度の粘性を有することになる。
【0111】そして、このような感光性樹脂組成物を使
用して、第1の工程で、転写基材シートと剥離フィルム
の間に着色剤を含有した感光性樹脂層を形成し、第2の
工程で、所定のフォトマスクを介して剥離フィルム側か
ら感光性樹脂層を露光し、第3の工程で、剥離フィルム
を剥離して感光性樹脂層の露光部を剥離フィルムととも
に転写基材シートから除去し感光性樹脂層の未露光部を
感光性樹脂パターンとして転写基材シート上に残し、第
4の工程で、カラーフィルタ用の透明基板を感光性樹脂
パターン上に位置合わせして圧着し、第5の工程で、透
明基板側から感光性樹脂パターンを露光し、転写基材シ
ートを剥離して感光性樹脂パターンを透明基板上に転写
して着色パターンを形成するような第1の工程から第5
の工程のうち、少なくとも第2の工程から第4の工程に
おける一連の操作を通じて、転写基材シートの温度を2
0〜30℃に維持しても、第3の工程における剥離現像
において感光性樹脂層が良好な膜切れ性を示し、また、
第4の工程で透明基板上への感光性樹脂パターンの位置
合わせを高い精度で行うことができ、さらに、第5の工
程で転写基材シートを剥離する着色パターンの転写形成
において良好な転写性が得られ、したがって、透明基板
上へ高い精度で着色パターンを形成することができ、色
ずれや色抜け等のない高精細なカラーフィルタの製造が
可能である。また、上記の第1の工程から第5の工程の
いずれも、カラーフィルタ用の透明基板へのスピンコー
ト等による塗布工程がないので材料ロスが極めて少な
く、かつ、湿式現像工程や洗浄工程は不要で廃液処理の
必要がなく、第1の工程から第5の工程を必要な色数分
繰り返して、所望の色数の着色パターンを透明基板上に
形成することによってカラーフィルタを製造するので、
材料の使用効率が高く、工程が簡便なものとなり、した
がって、製造コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカラーフィルタの製造方法を説明
するための工程図である。
【図2】本発明によるカラーフィルタの製造方法を説明
するための工程図である。
【図3】本発明によるカラーフィルタの製造方法を説明
するための工程図である。
【符号の説明】
1…カラーフィルタ 2…透明基板 3R,3G,3B…着色パターン 11R,11G,11B…複合体 12…転写基材シート 13…剥離フィルム 14(14R,14G,14B)…感光性樹脂層 15(15R,15G,15B)…感光性樹脂パターン 21R,21G,21B…フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08F 290/00 C08F 290/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともガラス転移温度Tgが80〜
    120℃の範囲で重量平均分子量が10000〜100
    000の範囲であるポリマーと、25℃における粘度が
    10〜8000cpsの範囲である多官能のモノマー
    と、着色剤とを含有することを特徴とする感光性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリマーの含有量が10〜40重量
    %の範囲であり、前記モノマーの含有量が40〜70重
    量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の感
    光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の感光性
    樹脂組成物を用いて転写基材シートと剥離フィルムの間
    に感光性樹脂層を形成する第1の工程と、 所定のフォトマスクを介して前記剥離フィルム側から前
    記感光性樹脂層を露光する第2の工程と、 前記剥離フィルムを剥離することにより前記感光性樹脂
    層の露光部を転写基材シート上から除去し、前記転写基
    材シート上に前記感光性樹脂層の未露光部を残して感光
    性樹脂パターンを形成する第3の工程と、 前記転写基材シート上に形成された前記感光性樹脂パタ
    ーンに、カラーフィルタ用の透明基板を位置合わせして
    圧着する第4の工程と、 前記透明基板側から前記感光性樹脂パターンを露光し、
    その後、前記転写基材シートを剥離することにより、前
    記透明基板上に前記感光性樹脂パターンを転写して着色
    パターンを形成する第5の工程と、 を少なくとも第2の工程から第4の工程における前記転
    写基材シートの温度を20〜30℃に保ちながら必要な
    色数分繰り返すことにより、所望の色数の着色パターン
    を前記透明基板上に形成することを特徴としたカラーフ
    ィルタの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004144870A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルターの製造方法
JP2015219311A (ja) * 2014-05-15 2015-12-07 旭化成イーマテリアルズ株式会社 パターン形成用積層体並びにパターン付き基材の製造方法及びパターン付き基材

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JP2004144870A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルターの製造方法
JP2015219311A (ja) * 2014-05-15 2015-12-07 旭化成イーマテリアルズ株式会社 パターン形成用積層体並びにパターン付き基材の製造方法及びパターン付き基材

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