JP2004191725A - 感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】着色感光性樹脂組成物の露光前後で生ずる透明基板との密接着性を改善し、露光硬化後の剥離工程において剥離の角度や速度の変化があっても、所望のパターンが得られる感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板上に画素パターンを形成するために用いられる感光性の樹脂組成物であって、少なくとも(A)有機重合体からなる結着剤、(B)ラジカル重合性を有するエチレン性二重結合を有する化合物、(C)透明基板と化学的に結合する官能基及び前記感光性樹脂組成物中の成分が有する官能基と重合可能な官能基の両方を有する化合物、(D)遮光性色素、(E)光重合開始剤を含むことを特徴とする、遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物を用いることで、遮光性画素パターンが透明基板と強固な化学結合で接着されたカラーフィルタを乾式現像法で製造することができる。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶表示装置(LCD)に搭載されるカラーフィルタ、あるいはカラービデオカメラなどの固体撮像素子(CCD)に設けて使用可能な遮光性画素パターン形成用の感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置(LCD)などに使用されるカラーフィルタは図1に示すような構成をなしている。透明基板上にブラックマトリックス層(遮光性画素パターン)、さらにこれに挟まれてなる様に赤、緑および青色の3原色よりなる着色層(着色パターン)、さらには必要ならば保護層、透明電極が順次積層される。
【0003】
LCDにおいては、陰極線管(CRT)と比較して省スペース、低消費電力であるという利点を有しており、そのため近年においては市場規模も拡大しつつあり、LCDに使用されるカラーフィルタに対する要求品質の高まりがある。上記ブラックマトリックスは、カラーフィルタの表示品質を左右するものであり、高コントラストを得るためには高い遮光性が、高開口率を得るためには優れた解像性が必要とされる。
【0004】
従来、ブラックマトリックスの形成にはクロム薄膜のエッチング法が用いられていた。クロム薄膜からなるブラックマトリックスは優れた遮光性を有している反面、金属であるがゆえ反射率が高く、映り込みが生じるという問題、さらには製造工程時に人体や環境に有害なクロム廃液が生じるという問題を有しており好ましくない。
【0005】
近年、黒色顔料を分散させた感光性樹脂組成物のフォトリソグラフィー法によるブラックマトリックスの形成方法が主流となりつつあり、得られたパターンは低反射率で、かつ製造工程時での人体や環境への影響が少ないブラックマトリックス形成方法である。
【0006】
感光性層の形成方法として現在の手法はスピンコート法が主であるが、この方法によると、スピンナーにより感光性樹脂組成物を透明基板上に塗布形成するため、基板上に残存する感光性樹脂組成物は、初期の塗布量のわずか数%、多くても10数%程度でしかないため材料の使用効率が非常に低く、結果としてコスト高になってしまうという問題を有していた。
【0007】
さらに、十分な遮光性を得るために黒色顔料濃度を高くする必要があるために、露光工程において、感光性樹脂組成物層表面からの照射光が層内を通過する際に黒色顔料に吸収されてしまい、透明基板との界面近傍においては反応が進行しにくくなる。したがって、表面から基板側へと硬化度の濃度勾配が生じてしまい、このような感光性樹脂組成物に現像を施すと、得られたパターンは逆テーパー状となってしまい、透明基板との密着面積が小さいため、密着性が低くなり、現像、リンス、水洗の工程を経ると、時としてパターンの欠落が発生するという問題を有していた。さらに、現像工程時のレジスト残渣の発生、現像処理後の廃現像液の処理など、現像液を使用したウェット工程を経ることによる弊害をも有していた。
【0008】
これを解決するため、カラーフィルタの製造方法として感光性着色材料(感光性樹脂組成物)を用いた乾式現像による方法が提案されている。
乾式現像法とは、特許文献1等に代表されるように、ベースフィルム、着色感光性材料層、カバーフィルムの順に形成されてなるドライフィルム状着色感光性材料を作製し、まずカバーフィルムを剥離し、透明基板上に着色感光性材料面を加圧して貼り合わせ、必要ならばさらに加熱しながら透明基板上に着色感光性材料層を形成する。
【0009】
次にベースフィルム側から所定の遮光パターンを有したマスクを介して露光し、しかる後、露光された着色感光性材料の硬化部位をベースフィルムを透明基板より剥離すると同時に除去し、露光されていないパターン化された未露光部位を透明基板上に残留させ、さらにこれに全面よりの紫外線照射やポストベークすることにより着色パターンを形成するものであり、これらの工程を複数回繰り返し複数色のパターンを透明基板上に形成するものである。このときに遮光性色素としてカーボン等を含有させた着色感光性材料を用いれば、乾式現像法によってブラックマトリックスを形成することができる。
【0010】
上記の方法によるカラーフィルタの製造方法においては、ドライフィルム状の着色感光性材料を使用するため、従来のスピンナーによる着色感光性材料層の形成法と比較して、材料の使用効率が非常に高く、着色感光性材料液の廃液処理が不要であること、またフィルムの剥離と同時にパターンを形成できることから、湿式の現像工程を必要としないため、それに要する設備、現像液やその廃液の処理などが不要であるという利点を有している。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−286031号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のカラーフィルタおよびその製造方法においては着色感光性材料の露光前後で生ずるベースフィルムおよび透明基板との密接着性の差のみを利用しているため、露光硬化後の剥離工程において剥離の角度や速度の変化により、未露光部までが剥離除去されてしまったり、露光硬化部が透明基板上に残留するなど、所望のパターンが得られなくなるという問題を有していた。
【0013】
また、露光、現像、後硬化を経て得られた遮光性画素パターンの透明基板との密着性が、必ずしも十分であるとはいえず、その上へさらに着色パターンを形成していく過程で、最初に形成した遮光性画素パターンの一部が剥離し、パターンが欠落するという問題をも有していた。
【0014】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ドライフィルム法による利点を損なうことなく、湿式の現像工程にかわり乾式で、より簡便なる方法にて所望の遮光性画素パターンを形成せしめ、かつ画素パターンの密着性を向上させ、より微細な画素パターンの形成を可能とし、パターンの欠落のない遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る第1の発明は、透明基板上に画素パターンを形成するために用いられる感光性の樹脂組成物であって、少なくとも(A)有機重合体からなる結着剤、(B)ラジカル重合性を有するエチレン性二重結合を有する化合物、(C)透明基板と化学的に結合する官能基及び前記感光性樹脂組成物中の成分が有する官能基と重合可能な官能基の両方を有する化合物、(D)遮光性色素、(E)光重合開始剤を含むことを特徴とする、遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物である。
【0016】
請求項2に係る第2の発明は、前記化合物(C)がシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1記載の遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物である。
【0017】
請求項3に係る第3の発明は、前記(D)遮光性色素が樹脂によって被覆されたカーボンブラックであることを特徴とする請求項1および2記載の遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物である。
【0018】
請求項4に係る第4の発明は、支持体上に請求項1乃至3記載の遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物を塗布、乾燥させ感光性着色材料層を設ける前工程と、該感光性着色材料層と前記透明基板とが接するように重ね合わせる工程、次いで、形成しようとするパターンに対応する領域にある該感光性着色材料層を選択的に露光する工程、しかる後に該感光性着色材料層の未露光部分を該支持体と共に剥離除去し、露光部分のみを該透明基板上に残留させる剥離現像工程、さらに該透明基板上に残留した遮光性画素パターンを定着させる後硬化工程、以上の工程により遮光性画素パターンを透明基板上に形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図2は遮光性画素パターンが形成された透明基板の断面図を示す説明図である。図3は本発明による遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物(以下、BM(ブラックマトリックス)形成用感光性樹脂組成物と呼ぶ)及びそれを用いたカラーフィルタの製造方法を工程順に示す説明図である。
【0020】
次に本発明の遮光性画素パターン(BM)形成用感光性樹脂組成物及びそれを用いた遮光性画素パターンの形成方法について詳しく説明する。
図2(a)は支持体(1)上に、BM形成用感光性樹脂組成物を積層することで感光性黒色材料層(2)を形成し、さらにカバーフィルム(3)で保護することによって制作した感光性黒色フィルム(4)を示す断面図である。
【0021】
上記感光性黒色フィルム(4)から図2(b)に示すように、カバーフィルム(3)を剥離し、感光性黒色材料層(2)面と透明基板(10)とを接するように貼り合わせる。さらに、図2(c)に示すように、感光性黒色材料層(2)を形成した他方の透明基板(10)側に遮光パターン(12)を有するマスク(11)を介し、放射線(5)等の活性光線を照射せしめ、該感光性黒色材料層(2)に未露光部位(21)および放射線の照射によって反応が進行した露光硬化部位(22)を形成せしめる。
【0022】
上記放射線の照射によって露光硬化部位(22)と透明基板(10)との間に化学的な結合を形成せしめ、さらに必要ならば加圧およびまたは加熱し露光硬化部位(22)と透明基板(10)との密着性を向上させた後、図2(d)に示すように、支持体(1)と未露光部位(21)とを共に透明基板(10)上から剥離除去し、他方露光硬化部位(22)を透明基板上に遮光性画素パターン(23)として形成する。即ち、露光工程を経ることにより該感光性黒色材料層(2)の露光硬化部位(22)と透明基板(10)とを化学的に結合させ、該透明基板(10)上に所望の遮光性画素パターン(23)を形成するものである。
【0023】
さらに図2(e)に示すように、透明基板(10)上に形成したパターンを加熱およびまたは露光による後硬化過程を経て、遮光性画素パターン(23)を形成する。
【0024】
本発明の製造方法によるカラーフィルタ(図1)は、遮光性画素パターン(23)の上にさらに赤、緑、青色の三原色の着色パターン(23R、23G、23B)を形成することで得ることができる。
【0025】
本発明にかかる感光性黒色材料層(2)は(C)透明基板(10)と化学的に結合する官能基及び前記感光性樹脂組成物中の成分が有する官能基と重合可能な官能基の両方を有する化合物(以下、化合物(C)とする)を必須物質として含有し、(D)遮光性色素と、少なくとも(A)有機重合体からなる結合剤、(B)ラジカル重合性を有するエチレン性二重結合を有する化合物、(E)光重合開始剤とからなるBM形成用感光性樹脂組成物を用いて形成される。
【0026】
前記透明基板と化学的に結合する官能基及び前記感光性樹脂組成物中の成分が有する官能基と重合可能な官能基の両方を有する化合物(化合物(C))としては、透明基板上に存在する水酸基等の官能基と強固な共有結合を形成することのできるアルコキシ基などの加水分解性基と、感光性樹脂組成物中に含まれる化合物(C)そのものや、他の成分が有する官能基と反応し結合することのできるイソシアネート基、ビニル基、アクリル基やメタアクリル基またはエポキシ基などの重合反応性基とを同一分子中に有する化合物、より具体的にはシランカップリング剤が挙げられ、これらの化合物(C)中に含まれるアルコキシ基などの加水分解性基が該透明基板(10)表面の無機物と加水分解反応を受けて化学結合し、さらに(C)中の重合反応性基が該感光性黒色材料層(2)に含まれる(C)自身の重合反応性基や他の化合物の反応性基と化学結合することにより、両者の結合をより強固なものとするものである。
【0027】
このような加水分解性基と重合反応性基を併せ持つ化合物としては、サイラエース(チッソ(株)製)等で代表される重合反応性基を有するアルコキシシラン(シランカップリング剤)が好ましく、重合反応性基としてメタクリル基を有する3−メタクリロキシプリピルトリメトキシシラン等がより好ましい。
該シランカップリング剤の含有量は感光性樹脂組成物中の溶剤を除く固形分の総量に対し、0.1から5重量部、好ましくは0.5から3重量部である。
【0028】
本発明の遮光性画素パターン(BM)形成用感光性樹脂組成物は、(D)遮光性色素としては、可視光に対する透過性が低く、さらには反射率の低い粒子が適当であり、好ましい遮光性色素としてはカーボンブラックが挙げられる。さらに好ましくはカーボンブラックを樹脂被覆したものであり、高光学濃度、低抵抗率の遮光性画素パターンが得られる。該色素をカーボンブラックあるいは樹脂で被覆したカーボンブラックであるとした時のカーボンブラックの含有量は感光性樹脂組成物中の固形分の総量に対し、30から75重量部好ましくは35から55重量部である。
前記遮光性色素のかわりに赤、緑、青色など異なる複数の色素を混合することで黒色色素とし、遮光性色素の代わりに用いても良い。
【0029】
前記(A)有機重合体からなる結合剤(以下、(A)成分とする)は、本発明のBM形成用感光性樹脂組成物に配合されて、各種添加剤の分散媒になると共に、粘着力の調整剤としても用いられるものであり、上記(B)ラジカル重合性を有するエチレン性二重結合を少なくとも一つ以上有する化合物(以下、(B)成分とする)と相溶性であることが望ましい。例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルアセタール、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニリデン―アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン―メタアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン―酢酸ビニル共重合体、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ジアリルフタレート樹脂、各種合成ゴム等を挙げることができる。
また、必要に応じて、カルボキシル基や水酸基などの官能基を有する場合には、これを利用して反応性基を新たに導入したものを使用してもよい。
【0030】
また、前記(B)ラジカル重合性を有するエチレン性二重結合を有する化合物としては、例えばビニル基あるいはアリル基を有するモノマー、オリゴマー、末端または側鎖にビニル基あるいはアリル基を有するポリマーである。その例としては、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体などを挙げることができ、これらの化合物を1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0031】
また、前記(E)光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントラキノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、エチルベンゾイン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体などのロフィン二量体、N−フェニルグリシンなどのN−アリールグリシン類、4,4’−ジアジドカルコンなどの有機アジド類、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシル)ベンゾフェノンなどの有機過酸化物類などが挙げられる。
さらに必要に応じてチオキサントン化合物や2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールなど芳香族チオール化合物の増感剤や連鎖移動剤を加えてもよい。
【0032】
本発明のBM形成用感光性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、これら以外にも、例えば、金属粉、蛍光顔料、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム等の充填剤、ロジン酸エステル、テルペン樹脂などの増粘剤、ウレタン、アクリル微粒子などの拡散剤、酸化防止剤、レベリング剤、可塑剤、分散剤、界面活性剤、消泡剤、ハジキ防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、各種ポリマー等を配合してもよい。
【0033】
さらに、透明基板と化学的に結合する官能基を有する化合物であるシランカップリング剤がエポキシ基を有してなる化合物である場合、該感光性黒色材料層(2)中にエポキシ基を有するモノマー、オリゴマーやポリマーを含有させることにより該透明基板(10)との密着性をさらに向上させることが可能である。
【0034】
本発明のBM形成用感光性樹脂組成物を用いた遮光性画素パターンにおいては、1μmあたりの光学濃度が2.0以上、さらに好ましくは3.2以上であることが好ましい。1μmあたりの光学濃度が2.0未満であると十分な遮光性を得るために膜厚を厚くする必要があり、カラーフィルタ表面に段差が生じ、液晶の配列に影響を及ぼす恐れがあるため好ましくない。
【0035】
上記BM形成用感光性樹脂組成物をバーコーター、ロールコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーターなどの公知の塗工手段を用いて支持体(1)上に積層し、感光性黒色材料層(2)を形成する。該感光性黒色材料層(2)は0.5から2μm、好ましくは0.75から1.5μm程度の範囲であることが好ましい。
【0036】
感光性黒色フィルム(4)の作製に用いる支持体(1)としては、熱圧負荷時に感光性黒色材料層(2)を平面性と寸法とを安定に保って保持することができるものであればよく、例えば、ポリアセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等を挙げることができる。特に、熱や水に対する安定性が高く、BM形成用感光性樹脂組成物の塗布時の作業性及び露光、剥離現像時の操作性に優れている二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。また、基板表面上への追従性を考慮すると、30μm以下が好ましく、また、薄すぎると膜強度が著しく低下してしまうため、5μm以上が好ましい。
【0037】
また、感光性黒色フィルム(4)上の感光性黒色材料層(2)の保護に用いるカバーフィルム(3)としては、保存時の損傷または汚染を防ぐことを目的とし、支持体(1)と同様に熱圧負荷時に感光性黒色材料層(2)を平面性と寸法とを安定に保って保持することができ、かつ透明基板(10)と貼り合わせる際に露光後の感光性黒色材料層へダメージを与えることなく容易に剥離可能であるものであればよい。
【0038】
透明基板(10)としてはガラス板、あるいはポリアクリル、メタアクリル−スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等からなる透明なフィルムあるいはシートに、シランカップリング剤の加水分解性基と加水分解可能な無機物、例えばケイ素の微粉末を添加した熱可塑性樹脂を散布、あるいは塗布したものを用いることができる。透明基板(10)が樹脂フィルムである場合には、フィルム成形時に加水分解可能な官能基を有する成分を含む熱可塑性樹脂と、基板となる樹脂との共押し出し成形を行い、本発明で求める性能を有する透明基板とすることができる。
ガラス基板のように、初めから基板表面上に化合物(C)中の反応性基と化学的に結合が可能な官能基を有する透明基板(10)は、特に上述のコーティングを行わなくても用いることができる。
【0039】
また、本発明においてパターン形成の際に使用される放射線(5)とは、単に放射性元素から放射されるものに限定されるものではなく、広く可視光線や紫外線などの光を包括し、当該放射線の照射によって感光性黒色材料層(2)中の重合反応性基の反応を促すことができるものであればよい。
【0040】
本発明において使用される遮光パターン(12)を有するマスク(11)としては、例えば石英ガラスなどの透明基板上にエッチング法にて作成したクロムなどの無機金属からなる遮光パターンを有するフォトマスクなどが挙げられ、また、単にストライプ状のパターンを必要とするならば、例えばレンチキュラーレンズなどのセルフアライメント可能な光学レンズをマスクとして使用してもよい。
【0041】
以上のように、本発明によるBM形成用感光性樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタによれば、感光性黒色材料層の露光硬化部位が強固に透明基板上に載置されているため、剥離現像工程における着色パターンの欠落を生ぜしめることがないため、より繊細なパターンの形成が可能となり、また、その工程における支持体の剥離角度や剥離速度の変化にも対応が可能である。
【0042】
【実施例】
次に本発明を実施例により、具体的に説明する。
【0043】
BM形成用感光性樹脂組成物は下記成分からなる組成のものを用いた。なお、表1中の数値は重量部を表す。
<感光性着色組成物の調整例>
【0044】
【表1】
Figure 2004191725
【0045】
まず、表1に従って調整したBM形成用感光性樹脂組成物をワイヤーバーを使用して、支持体となる12μm厚の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、65℃の乾燥機で10分乾燥し、厚さ1.5μmの感光性黒色材料層を形成した。これにカバーフィルムとして30μmのポリエチレンフィルムを感光性黒色材料層面に重ねるようにして貼り合わせ、感光性黒色フィルムを得た。
【0046】
上記感光性黒色フィルムからカバーフィルムであるポリエチレンフィルムを剥離して、常法にて洗浄を施した透明基板となるガラス基板上に、ラミネーターを用いて加圧しながら感光性黒色材料層側を圧着した。
次に、ガラス基板上に所定の遮光パターンを有するマスクを用いて、超高圧水銀灯を光源とした紫外線によるプロキシミティ露光により露光した。この時の照射量は30mJ/cm2であった。
【0047】
露光後のガラス基板ごと80℃のオーブンに入れ5分間の加熱工程を施すことで、露光硬化部位とガラス基板の密着性を高めた。その後、室温まで放冷した後、支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルムを未露光部位の感光性黒色材料層と共にガラス基板より剥離することにより、マスクの遮光パターンに忠実な露光硬化部位がガラス基板上に残された。さらに、これを230℃にて30分後硬化工程を施し、遮光性画素パターンを形成した。
【0048】
このようにして得られた遮光性画素パターンにおいては、パターンの位置精度も良好であり、透明基板に対し強固に密接着しているため遮光パターンの欠落は認められず、現在の主法となっている顔料分散感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法において得られたブラックマトリックス(遮光性画素パターン)と比較しても遜色ないパターンの形成が可能であった。
【0049】
さらに、上記遮光性画素パターンを形成したガラス基板を用いて、赤、緑、青の着色層(着色パターン)を順次積層し、カラーフィルタを作製した。フォトリソグラフィー法によって形成されたブラックマトリックスを有するカラーフィルタと比較して、より微細なブラックマトリックス(遮光性画素パターン)を形成できるため、より高開口率のカラーフィルタの作製を可能とするものであった。
【0050】
【発明の効果】
以上、本発明による遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物によれば、ドライフィルムレジスト法による感光性黒色材料層の形成が可能となるため、従来のスピンナーでの感光性黒色材料層の形成と比較して材料の使用効率を飛躍的に向上させることができるのみならず、フィルム状支持体の剥離と同時にパターニングを施すという単純かつ簡便な乾式による現像工程を採用するため、従来のフォトリソグラフィー法での湿式の現像工程における、レジスト残渣の発生、現像処理後の廃現像液の処理などの諸問題を一度に解決でき、均一な厚みの遮光性画素パターンの形成が可能となる。さらに、遮光性画素パターンと、透明基板との密接着性が強固であるため、より微細なパターンの形成が可能となり、この感光性樹脂組成物によって遮光性画素パターンを形成した透明基板を用いてカラーフィルタを作製すれば、より高開口率のカラーフィルタとすることができる。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】透明基板上に遮光性画素パターンと赤、緑、青の着色パターンを具備したカラーフィルタを示した断面図である。
【図2】本発明に係る遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物を用いたカラーフィルタの製造方法を工程順に示す説明図である。
【図3】本発明に係る遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物を用いて遮光性画素パターンを形成した透明基板を示した説明図である。
【符号の説明】
1 …支持体
2 …感光性黒色材料層
3 …カバーフィルム
4 …感光性黒色フィルム
5 …放射線
10 …透明基板
11 …マスク
12 …遮光パターン
21 …未露光部位
22 …露光硬化部位
23 …遮光性画素パターン
23R…赤色着色パターン
23G…緑色着色パターン
23B…青色着色パターン

Claims (4)

  1. 透明基板上に画素パターンを形成するために用いられる感光性の樹脂組成物であって、少なくとも(A)有機重合体からなる結着剤、(B)ラジカル重合性を有するエチレン性二重結合を有する化合物、(C)透明基板と化学的に結合する官能基及び前記感光性樹脂組成物中の成分が有する官能基と重合可能な官能基の両方を有する化合物、(D)遮光性色素、(E)光重合開始剤を含むことを特徴とする、遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物。
  2. 前記化合物(C)がシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1記載の遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物。
  3. 前記(D)遮光性色素が樹脂によって被覆されたカーボンブラックであることを特徴とする請求項1および2記載の遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物。
  4. 支持体上に請求項1乃至3記載の遮光性画素パターン形成用感光性樹脂組成物を塗布、乾燥させ感光性着色材料層を設ける工程と、該感光性着色材料層と前記透明基板とが接するように重ね合わせる工程、次いで、形成しようとするパターンに対応する領域にある該感光性着色材料層を選択的に露光する工程、しかる後に該感光性着色材料層の未露光部分を該支持体と共に剥離除去し、露光部分のみを該透明基板上に残留させる剥離現像工程、さらに該透明基板上に残留した遮光性画素パターンを定着させる後硬化工程、以上の工程により遮光性画素パターンを透明基板上に形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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