JPH10114896A - 摺動部材、すべり軸受装置および現像装置 - Google Patents

摺動部材、すべり軸受装置および現像装置

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JPH10114896A
JPH10114896A JP9183695A JP18369597A JPH10114896A JP H10114896 A JPH10114896 A JP H10114896A JP 9183695 A JP9183695 A JP 9183695A JP 18369597 A JP18369597 A JP 18369597A JP H10114896 A JPH10114896 A JP H10114896A
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和夫 廣瀬
Takashi Minami
隆 南
Fumitada Satoji
文規 里路
Eiichiro Shimazu
英一郎 島津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動抵抗を低くすることができ、またこれに
よりすべり軸受装置としての駆動トルクを小さくするこ
とができる。 【解決手段】 樹脂組成物の成形体からなる摺動部材で
あって、該樹脂組成物は合成樹脂と、ポリオレフィンお
よび油とを少なくとも含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は摺動部材に関し、と
くに樹脂製摺動部材およびこれを用いたすべり軸受装
置、現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機やプリンター、ファクシ
ミリなどは、装置の小型軽量化や使いやすさ、低コスト
化が要求されている。それと共に、これら装置に内蔵さ
れる現像装置においても、たとえば使いやすく小型軽量
化された着脱可能なプロセスカートリッジ化などが進ん
でいる。このような現像装置の摺動部位における軸受装
置としては、含油焼結すべり軸受装置や樹脂製すべり軸
受装置等がころがり軸受装置に代わって多用されてい
る。なかでも含油焼結すべり軸受装置に比較して温度変
化に対する摺動特性の変化が少ない樹脂製すべり軸受装
置が多用されている。
【0003】従来の樹脂製すべり軸受装置は、合成樹脂
に潤滑性を有する油を含浸させた含油樹脂摺動部材や合
成樹脂に潤滑性を有する成分を配合した樹脂摺動部材を
すべり軸受部に用いている例が一般的である。たとえ
ば、含油樹脂摺動部材としては、ポリフェニレンサルフ
ァイドやポリアセタールなどの合成樹脂に潤滑油を分散
保持させたものが知られている。また、樹脂摺動部材と
しては合成樹脂にポリテトラフルオロエチレンや変性ポ
リエチレンなどを配合したものが知られている。たとえ
ば芳香族ポリアミドに変性ポリエチレンを配合した摺動
部品用芳香族ポリアミド樹脂組成物が知られている(特
開平 3-285952 号公報)。これら樹脂製すべり軸受装置
のなかでも含油樹脂摺動部材を軸受部に用いたすべり軸
受装置は、摺動特性に優れた軸受装置として多用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
摺動部材、とくに含油樹脂すべり軸受装置は、経時的に
摺動抵抗が増加しやすいとの問題があった。すなわち、
従来の含油樹脂すべり軸受においては、潤滑油が含油樹
脂内においてカプセル状に保持されることが多いため、
潤滑に寄与するのは樹脂表層部の油のみであって、樹脂
内部の油は潤滑に寄与しない。その結果、樹脂表層部の
油は極少量となり潤滑特性が低下し、場合によっては焼
き付きを生じることがあるなどの問題があった。
【0005】とくに現像装置を構成する現像剤担持体や
潜像保持体である感光ローラーなどの両軸端に設けられ
ている軸受は、経時的に摺動抵抗が変動すると、回転ム
ラなどが生じ、良好な画像形成が困難であるとの問題が
あった。回転ムラなどを防ぐためにより大型のモータを
使用して駆動トルクを大きくすると、小型軽量化や低コ
スト化が困難になるとの問題があった。
【0006】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、摺動抵抗を低くすることのできる樹
脂製摺動部材、すべり軸受装置、ならびにこのすべり軸
受装置を用いることにより装置全体の駆動トルクを小さ
くすることのできる現像装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の摺動部材は、
樹脂組成物の成形体からなる摺動部材であって、該樹脂
組成物は合成樹脂と、ポリオレフィン樹脂および油とを
少なくとも含有してなることを特徴とする。
【0008】請求項2の摺動部材は、請求項1の摺動部
材であって、樹脂組成物の配合割合が、合成樹脂 100重
量部およびポリオレフィン樹脂 5〜200 重量部からなる
樹脂100重量部に対して、油が 0.5〜 30 重量部である
ことを特徴とする。
【0009】請求項3の摺動部材は、請求項1または請
求項2の摺動部材であって、ポリオレフィン樹脂がポリ
エチレンおよび変性ポリエチレンから選ばれた少なくと
も1つであることを特徴とする。
【0010】請求項4の摺動部材は、請求項1ないし請
求項3のいずれか1項の摺動部材であって、油がシリコ
ーン油およびエステル油から選ばれた少なくとも1つで
あることを特徴とする。
【0011】請求項5の摺動部材は、請求項1ないし請
求項4のいずれか1項の摺動部材であって、合成樹脂が
ポリアミド樹脂であることを特徴とする。
【0012】請求項6の摺動部材は、樹脂組成物の成形
体からなる摺動部材であって、該樹脂組成物はアミド結
合間にメチレン単位を少なくとも 10 個以上含む化学構
造を有するポリアミド樹脂および油を少なくとも含有し
てなることを特徴とする。
【0013】請求項7の摺動部材は、請求項6の摺動部
材であって、樹脂組成物の配合割合が、ポリアミド樹脂
100重量部に対して、油が 1〜 25 重量部であることを
特徴とする。
【0014】請求項8の摺動部材は、請求項1ないし請
求項7のいずれか1項の摺動部材であって、樹脂組成物
が、さらに保油体を含有してなることを特徴とする。
【0015】請求項9の摺動部材は、請求項1ないし請
求項8のいずれか1項の摺動部材であって、樹脂組成物
が、さらに黒色顔料を含有してなることを特徴とする。
【0016】請求項10のすべり軸受装置は、樹脂組成
物の成形体からなるすべり軸受部を有するすべり軸受装
置であって、少なくともすべり軸受部が請求項1ないし
請求項9のいずれか1項の摺動部材により形成されてな
ることを特徴とする。
【0017】請求項11の現像装置は、静電潜像形成手
段、現像剤供給手段、現像手段および転写手段を少なく
とも具備してなる現像装置であって、各手段を構成する
装置の少なくとも1部位に使用されるすべり軸受装置が
請求項10のすべり軸受装置であることを特徴とする。
【0018】請求項12の現像装置は、すべり軸受装置
がプロセスカートリッジ用すべり軸受装置であることを
特徴とする請求項11の現像装置であることを特徴とす
る。
【0019】含油樹脂摺動部材における油の保油状態や
摺動特性を種々検討したところ、ポリオレフィン樹脂類
が共存する含油樹脂摺動部材は、初期摺動抵抗が低下す
ると共に、経時的な摺動抵抗の増加もみられないという
ことが認められた。これは含油樹脂摺動部材に均一に分
散混合したメチレン基を有するポリオレフィン樹脂類と
油との優れた親和力によるものと考えられ、含油樹脂摺
動部材において油が移動可能な状態で保持されているも
のと考えられる。本発明は、このような知見に基づいて
なされたものである。すなわち、ポリオレフィン樹脂お
よび油が共存している合成樹脂組成物の成形体からなる
摺動部材である。また、ポリオレフィン樹脂類が共存し
ている樹脂組成物に加えて、油との親和性に優れたメチ
レン基が分子内に多数存在する構造のポリアミドなどの
樹脂はポリオレフィン樹脂類が共存しなくても上述の優
れた摺動特性を得ることが可能となる。
【0020】本発明の摺動部材は、優れた初期潤滑特性
が長期的に維持されるので、すべり軸受装置に適用する
ことにより、焼き付きなどを生じることがない優れたす
べり軸受装置が得られる。さらにこのようなすべり軸受
装置を回転部分の支持軸受部に使用した現像装置はトル
クの低減が図れるので、良好な画像形成が得られると共
に、装置の小型軽量化が容易となる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の摺動部材はポリオレフィ
ン樹脂類が共存している樹脂組成物から成形される。本
発明に係るポリオレフィン樹脂は、油との親和性に優れ
たポリオレフィン樹脂であればとくに制限なく使用する
ことができる。そのようなポリオレフィン樹脂として
は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量
ポリエチレンなどのポリエチレン類、ポリプロピレン等
を挙げることができ、これらは単体でも混合物でもよ
く、さらには共重合体や変性体であってもよい。そし
て、そのようなものは以下の化学式で示される単位を有
するポリオレフィン系樹脂がポリアミド系樹脂等の合成
樹脂との相溶性や、また価格面等で平均して総合的に優
れるため好ましい。 −CH2 CHX− (ただし、XはH、CH3 、Cl、OHおよび芳香族環
の中から選択される少なくとも1種類以上のものであ
る。)
【0022】ポリオレフィン樹脂の中でも、後述するポ
リアミド樹脂類との相溶性を考慮すると本発明に係るポ
リオレフィン樹脂としてポリエチレン類が好ましく、さ
らには変性ポリエチレンがより好ましい。変性ポリエチ
レンは、α、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体な
どのグラフトモノマーを前述のポリエチレン類にグラフ
トさせて得られる変性ポリエチレンが好ましい。α、β
−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、エンドシス−ビ
シクロ[2,2,1]ヘプト -5-エン 2,3- ジカルボン酸等が
あり、マレイン酸やエンドシス−ビシクロ[2,2,1] ヘプ
ト -5-エン 2,3- ジカルボン酸がとくに好ましい。
【0023】本発明に係る油は、ポリオレフィン樹脂と
共存して含油樹脂の潤滑性を向上させる油であれば使用
することができる。このような油の例示としては、シリ
コーン油、ポリグリコール油、オレフィン類のオリゴマ
ー油、パーフルオロアルキルエーテル油、パーフルオロ
ポリエーテル油、ポリフェニルエーテル油、エステル
油、アルキルベンゼン油、パラフィン油、ナフテン油、
燐酸エステル油、ポリオールエステル油、ジエステル
油、ケイ酸エステル油、脂肪酸エステル油、ポリカーボ
ネート油等を挙げることができる。とくに摺動部材とし
て耐熱性のある油が好ましく、本発明に係る好適な油と
して、シリコーン油およびエステル油から選ばれた少な
くとも1つの油を挙げることができる。シリコーン油お
よびエステル油は、それぞれ単独で使用することが保油
性を維持するために好ましい。
【0024】シリコーン油は、ジメチルシロキサンの重
合体またはジメチルシロキサンのメチル基もしくはその
一部が水素、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、ハロ
ゲン化アルキル基、フルオロエステル基などの1種以上
の脂肪族系または芳香族系の残基で置換された誘導体で
あってもよい。そして、このようなシリコーン油は官能
基を有しない化合物である。また官能基を有するシリコ
ーン油でもよく、ポリオルガノシロキサンは、たとえば
ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、トリ
メチルフルオロプロピルシロキサン等のシロキサンの単
独重合体または2種以上の共重合体に官能基を導入した
ものであり、その官能基は、たとえばエポキシ基、アミ
ノ基、カルボシキル基、水酸基、メルカプト基、イソシ
アネート基、シアネート基、ビニル基などである。シリ
コーン油等は、ポリマー型オイルで難燃性であり、分子
量を調整して、たとえば 25 〜 40 ℃での粘度を 50 cs
t以上や 500cst 以上、好ましくは 5,000〜500,000 cst
に調整できる。
【0025】エステル油は、水酸基とカルボキシル基と
の反応によって生成するエステル結合を分子内に有する
化合物からなる油をいう。エステル油のなかでも、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リトリトールなどの多価アルコールと1価脂肪酸、多塩
基酸等との反応生成物であるエステル油(たとえば特開
平3−128992号公報記載のポリエステル系油)が
好ましく、とくにペンタエリトリトールのフルエステル
が耐熱安定性が良好なため好ましい。また、メチレン基
との親和性に優れている部分エステルを好適に使用する
ことができる。このようなフルエステルや部分エステル
は、アルコールに由来するβ位の炭素上に水素原子が存
在しないため、耐熱性に優れ好ましい。なお、必要に応
じて硫黄系、燐系、ハロゲン系の極圧添加剤、もしくは
耐摩耗性向上剤や酸化防止剤、耐熱性向上剤、腐食防止
剤、加水分解防止剤、消泡剤などの添加剤を含んでいて
もよい。
【0026】本発明に係る油は、摺動時の摩擦熱により
油が摺動部材より急激に滲み出すことのない粘度が好ま
しく、具体的には 40 ℃での粘度が 5〜500,000 cst の
範囲にあることが好ましい。粘度がこの範囲を越えると
成形用ペレットの造粒時や射出成形時の油の分散が不十
分となるおそれがある。このような理由から、動粘度
は、 100℃にて少なくとも 10cst以上、好ましくは 20
〜200 cst 、 25 〜 40 ℃では 20cst以上、好ましくは
40 〜400 cst で、粘度指数が 100〜500 、種類により
150〜300 程度の粘度特性を有する油が好ましい。ま
た、難燃性の点から引火点が少なくとも 200℃以上、好
ましくは 250〜500 ℃以下が安全性の点で好ましい。
【0027】本発明に係る合成樹脂は、とくに限定され
るものでなく、以下に示すような熱可塑性樹脂や熱硬化
性樹脂を使用することができる。ここで合成樹脂とは、
前述のポリオレフィン系樹脂に列記されている各種合成
重合体等、ポリオレフィン樹脂類から選ばれる樹脂のう
ちのいずれか1種以上の異なる合成樹脂であればよい。
たとえば、前述のポリオレフィン樹脂以外の樹脂をい
う。すなわち、ポリテトラフルオロエチレン−クロロト
リフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−へ
キサフルオロプロピレン共重合樹脂、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹
脂、フッ化ビニリデン樹脂、エチレン−テトラフルオロ
エチレン共重合樹脂、エチレン−クロロフルオロエチレ
ン共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化ポリオレフ
ィン樹脂、エチレン−ビニルアセテート共重合樹脂、エ
チレン−エチルアクリレート共重合樹脂、アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、メ
タクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネイト
樹脂、セルロース樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹
脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリアリルエーテル樹
脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレン
サルファイド樹脂、ポリスルホン樹脂、全芳香族ポリエ
ステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の熱可
塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、メラミンフェノール共縮合樹脂、キシレン変性フェ
ノール樹脂、ユリアグアナミン共縮合樹脂、アミノ樹
脂、アセトグアナミン樹脂、メラミングアナミン樹脂、
アルキッド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹
脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコ
ーン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げること
ができる。上記のなかでも射出成形が可能な合成樹脂
は、効率よくすべり軸受等の摺動部材を製造できるので
生産性に優れており、そのなかでも射出成形が可能な熱
可塑性樹脂は、生産性と易形性に優れるため好ましいも
のと言える。また、これらのうち、非ポリオレフィン系
樹脂を適宜選択してもよい。
【0028】これらの樹脂の中で、ポリアミド樹脂がポ
リオレフィン樹脂との相溶性に優れ、かつ優れた潤滑性
を示すため、本発明に係る主な合成樹脂として、とくに
好ましい。ポリアミド樹脂は、ポリヘキサメチレンアジ
パミド(6,6-ナイロン)、ポリヘキサメチレンアゼラミ
ド(6,9-ナイロン)、ポリヘキサメチレンセバサミド
(6,10- ナイロン)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(6,12- ナイロン)、ポリテトラメチレンアジパミド
(4,6-ナイロン)、ポリカプロラクタム(6-ナイロ
ン)、ポリラウリンラクタム(12- ナイロン)、ポリ-1
1-アミノウンデカン酸(11- ナイロン)、ポリメタキシ
レンアジパミド(ナイロン MXD-6)等の脂肪族系ポリア
ミド樹脂、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリ
パラフェニレンテレフタルアミド等の芳香族系ポリアミ
ド樹脂を挙げることができ、これらは単独でまた混合物
として使用することができる。本発明に係る主な合成樹
脂としては、ポリオレフィン樹脂および油との混合系に
おいて優れた潤滑性を示す脂肪族系ポリアミド樹脂がと
くに好ましい。とくにポリカプロラクタム(6-ナイロ
ン) 樹脂はポリオレフィン樹脂との相溶性に優れるため
好ましい。
【0029】さらに、たとえばポリ-11-アミノウンデカ
ン酸(11- ナイロン)やポリラウリンラクタム(12- ナ
イロン)などのようにアミド結合間にメチレン単位を少
なくとも 10 個以上含む化学構造を有するポリアミド樹
脂は、ポリオレフィン樹脂を含まないでも油の保持性能
が優れていることが確認された。これは分子内に含まれ
る比較的長いメチレン単位によるものと考えられる。し
たがって、メチレン単位を少なくとも 10 個以上含むポ
リアミド樹脂は、ポリオレフィン樹脂を含まない構成で
あっても、シリコーン油やエステル油と組み合わせるこ
とにより優れた摺動部材とすることができる。
【0030】つぎに、本発明の摺動部材におけるポリオ
レフィン樹脂および油の配合割合について説明する。本
発明の摺動部材の配合割合は、たとえばポリアミド樹脂
等からなる合成樹脂100重量部に対して、ポリオレフィ
ン樹脂 5〜200 重量部を配合することが好ましく、ま
た、このポリオレフィン樹脂を含んだ合成樹脂 100重量
部に対して、油0.5〜30重量部配合することが好まし
い。ポリオレフィン樹脂が 5重量部未満であるとすべり
軸受とした場合にトルクが十分に低減しなくなり、200
重量部を越えると成形体の寸法精度が低下するおそれが
ある。また、油が 0.5重量部未満であるとトルクが十分
に低減しなくなり、30重量部を越えると安定した組成の
樹脂組成物が得られないおそれがある。トルク低減に優
れ、より優れた寸法精度が得られるより好ましい範囲
は、たとえばポリアミド樹脂等からなる合成樹脂 100重
量部に対して、ポリオレフィン樹脂 20 〜150 重量部、
また、このポリオレフィン樹脂を含んだ合成樹脂 100重
量部に対して、油 5〜 30 重量部である。
【0031】本発明の他の摺動部材の配合割合は、ポリ
アミド樹脂 100重量部に対して、油1〜25重量部配合す
ることが好ましい。油がこの範囲にあるとトルク低減に
優れ、寸法精度に優れた摺動部材が得られる。より好ま
しい範囲は、油 10 〜 20 重量部である。
【0032】本発明の摺動部材は、さらに保油体を含有
することができる。この保油体は、摺動部材からシリコ
ーン油やエステル油を適当な速度で滲出させることので
きる材料であれば使用することができ、無機化合物であ
って比表面積の大きな多孔質材料が好ましい。具体的に
は、タルク、クレー、炭酸カルシウム、カーボン、黒
鉛、活性炭等を挙げることができる。このような保油体
の配合割合は、上述の合成樹脂と、オレフィン樹脂およ
び油を含んだ樹脂組成物または油を含んだポリアミド樹
脂組成物 100重量部に対して、保油体 1〜25重量部配合
することが好ましい。保油体が 1重量部未満であると保
油効果が得られにくくなり、25重量部を越えると保持し
た油が適当な速度で滲出しないため、トルクが増加する
傾向となる。より好ましい範囲は保油体 1〜 10 重量部
である。なお、本発明の摺動部材は、必要に応じて、無
機充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、難燃化
剤等の添加剤を配合できる。本発明の摺動部材は、生産
性に優れた射出成形法にて製造することができる。
【0033】本発明においては、黒色顔料等の着色剤を
用いることが以下の理由で好ましい。射出成形の過程で
発生するスプルー、ランナ、不良品等の廃材は、環境保
護や資源保護の観点より産業廃棄物として処理するより
も再使用することを求められている。再使用する場合、
外観を含めて摺動部材の物性は、未使用原材料より得ら
れた摺動部材の物性を維持しなければならない。本発明
の摺動部材においては、黒色顔料等の着色剤を用いるこ
とにより、廃材を所定の範囲配合しても、外観を含めて
摺動部材の物性が維持されることがわかった。黒色顔料
の樹脂組成物に対する配合比は、樹脂組成物 100重量部
に対して7重量部以下、好ましくは 4重量部以下で、樹
脂組成物を着色できる量 0.5重量部以上である。 7重量
部を越えると成形の際に、成形品のウェルド強度が弱く
なり、摺動部材として使用に適さなくなる。
【0034】本発明に係る摺動部材は、上述の材料を混
合しペレット化した後、成形することにより得ることが
できる。すなわち、ヘンシェルミキサー、ボールミル、
タンブラーミキサー等の混合機によって混合し、溶融混
合性の良い射出成形機に混合物を供給するか、あるいは
予め熱ローラ、ニーダ、バンバリーミキサー、溶融押出
機にて溶融混合しペレット化する。ついで射出成形法、
圧縮成形法、押出成形法等により目的とする摺動部材の
形状を有する成形体とすることができる。なお、材料の
混合に際し、たとえばポリオレフィン樹脂を含む合成樹
脂のみを予めペレット化した後、油成分や保油体を溶融
混合してもよい。
【0035】本発明の摺動部材は、潤滑特性に優れ、事
務機・情報機器、自動車・電装機器、家電機器等のすべ
り軸受け、すべり軸受装置、シール材等に応用すること
ができる。
【0036】本発明のすべり軸受装置は、少なくともす
べり軸受部が上述の摺動部材により構成される。したが
ってハウジング部も含めてすべり軸受装置全体を本発明
に係る摺動部材により構成しても、またすべり軸受部の
みを摺動部材とすることもできる。本発明のすべり軸受
装置の一例を図1により説明する。図1は、ハウジング
部2と摺動部材1とを回り止め2aを介して組み合わせ
てすべり軸受装置とした例である。この場合、摺動部材
は摺動特性を、ハウジング部は機械的特性や耐久性など
の摺動特性以外の特性を有するように機能分離すること
ができるので、優れた摺動特性と優れた機械的特性等を
有するすべり軸受装置を得ることができる。また、この
ようなすべり軸受装置は、特性を機能分離することによ
り、たとえばすべり軸受装置にかかる負荷が一方向のみ
であるならば、摺動部材は、その負荷がかかる方向のみ
に配置することができる。本発明のすべり軸受装置は、
初期摺動特性および経時的な摺動特性の劣化が少なく、
OA機器、AV機器等の回転軸受部に好適に応用するこ
とができる。
【0037】本発明の現像装置は、静電潜像形成手段、
現像剤供給手段、現像手段および転写手段を構成する装
置の一部位に上述のすべり軸受装置を用いたものであ
る。ここで、静電潜像形成手段とは、静電潜像保持体、
たとえば感光ドラムや感光ベルトなどの表面に表面電位
を付与させるための帯電、その後の露光手段により静電
潜像を形成することをいい、現像剤供給手段とは現像ハ
ウジング内に収容された現像剤を静電潜像保持体に対向
配置された現像ローラに搬送供給することをいい、現像
手段とは現像ローラにより供給された現像剤が静電潜像
保持体上の潜像を顕像化することをいい、転写手段とは
この顕像を用紙などの最終画像支持体に転写することを
いう。本発明の軸受装置を回転支持部に使用した現像装
置の一例を図2により説明する。図2は、二成分現像方
法を用いる現像装置の一例である。トナー等の現像剤3
を収容する容器4と、容器内4内の現像剤3を攪拌する
攪拌部材5と静電潜像保持体6に対向配置された現像ロ
ーラ7と、現像ローラ7に内包された磁気部材8と、現
像ローラ7に供給される現像剤3の量を規制する現像剤
規制部材9、転写装置10とから構成されている。な
お、11は帯電器を、12はレーザービームなどの露光
器を、13はクリーニング装置、14は用紙などの経路
をそれぞれ示す。攪拌部材5や静電潜像保持体6、現像
ローラ7等の支持軸受に摺動特性に優れた本発明のすべ
り軸受装置を使用すると、駆動回転させる軸トルクを小
さくすることができる。そのため、小型駆動装置が使用
でき現像装置の小型軽量化が図れるので、たとえば、静
電潜像形成手段や現像剤供給手段、現像手段等をカート
リッジ化したプロセスカートリッジに好適である。
【0038】本発明のすべり軸受装置を用いたプロセス
カートリッジの摺動部の例を図3に示す。静電潜像保持
体6に対向配置された現像ローラ7の軸端部がハウジン
グ部2に圧入嵌合された摺動部材1により支持されてい
る。アルミニウム合金等の軟質金属により作られた現像
ローラ7は、その内部に磁気部材8を有している。ま
た、静電潜像保持体6表面に形成された潜像に現像剤を
供給する。なお、2はハウジング部を、15はケース
を、16はゴムシールをそれぞれ表す。このように、本
発明の摺動部材1よりなるすべり軸受けは、現像ローラ
7の軸を回転軸支するとともに、また側面にフランジ部
分を有して、このフランジ部分にて、トナー等の現像剤
3の粉末物質をシールするゴム製のVリングのリップ部
と摺動しながらトナー等をも密封するという働きと、す
べり軸受けのスラスト方向に固定する働きとを持たせて
いる。このようなプロセスカートリッジは、回転する現
像ローラ7の軸トルクを小さくすることができるので、
回転ムラなどが生じない。その結果、良好な画像形成が
できる。
【0039】
【実施例】
実施例1 ポリカプロラクタム(6-ナイロン)樹脂(アミランCM
1007(東レ社製商品名))100 重量部に、変性ポリ
エチレン150 重量部を配合してポリマーアロイ化し、こ
のポリマーアロイ100 重量部に、エステル油(ユニスタ
ーH−481R(日本油脂社製商品名))を 7.5重量部
含油させ、すべり軸受の形状に射出成形した。ここに用
いた変性ポリエチレンは、高分子量ポリエチレン(リュ
ブマーL4000(三井石油化学工業社製商品名))に
無水マレイン酸をグラフト重合させて変性したものであ
り、ポリカプロラクタム(6-ナイロン)とのポリマーア
ロイ化を容易にする。また、ここで用いるエステル油
は、アルコール部分のβ位の炭素上に水素原子が存在し
ないエステル油(ユニスターH−481R(日本油脂社
製商品名))であり、動粘度は、 100℃にて 11.9cst、
40 ℃にて 64.2cst、粘度指数は 184、引火点は 300℃
であり、耐熱性に優れている。すべり軸受の形状は、低
摩擦含油樹脂すべり軸受の摩擦トルク測定機用試験軸受
形状とした。
【0040】得られたすべり軸受を用いて摺動特性を測
定した。図4に摩擦トルク測定機を示す。トルク測定
は、軸受17をハウジング18に組み込み、アルミニウ
ム合金製相手軸19との摩擦力を静圧空気リニアー軸受
20を介してロードセル21にて測定する。荷重は負荷
用コイルバネ22で静圧空気リニアー軸受20を介して
ハウジング18を押し上げ負荷した。23は支点であ
る。トルク測定条件を表1に、測定結果を表3に示す。
【0041】実施例2 エステル油をシリコーン油(KF96H−6000(信
越化学工業社製商品名)、 25 ℃での動粘度 6,000±30
0cst、引火点 315℃)に代える以外は実施例1と同一の
条件および方法ですべり軸受を成形した。得られたすべ
り軸受を用いて実施例1と同一の評価を行った。測定結
果を表3に示す。
【0042】実施例3 変性ポリエチレンの配合を66.7重量部に変更した以外は
実施例1と同一の条件および方法ですべり軸受を成形し
た。得られたすべり軸受を用いて実施例1と同一の評価
を行った。測定結果を表3に示す。
【0043】実施例4 エステル油を上記シリコーン油に代える以外は実施例3
と同一の条件および方法ですべり軸受を成形した。得ら
れたすべり軸受を用いて実施例1と同一の評価を行っ
た。測定結果を表3に示す。
【0044】実施例5 ポリラウリンラクタム(12- ナイロン)樹脂(ダイアミ
ドL1640(ダイセルヒュルス社製商品名)) 100重
量部に、タルク粉末を 10 重量部、エステル油(ユニス
ターH−481R(日本油脂社製商品名))を 15 重量
部混合しペレット状とした後、すべり軸受の形状に射出
成形した。得られたすべり軸受を用いて実施例1と同一
の評価を行った。測定結果を表3に示す。
【0045】実施例6 エステル油を上記シリコーン油に代える以外は実施例5
と同一の条件および方法ですべり軸受を成形した。得ら
れたすべり軸受を用いて実施例1と同一の評価を行っ
た。測定結果を表3に示す。
【0046】実施例7 タルク粉末を活性炭に代える以外は実施例5と同一の条
件および方法ですべり軸受を成形した。得られたすべり
軸受を用いて実施例1と同一の評価を行った。測定結果
を表3に示す。
【0047】実施例8 タルク粉末を活性炭に代える以外は実施例6と同一の条
件および方法ですべり軸受を成形した。得られたすべり
軸受を用いて実施例1と同一の評価を行った。測定結果
を表3に示す。
【0048】実施例9 ポリカプロラクタム(6-ナイロン)樹脂(アミランCM
1007(東レ社製商品名))100 重量部に、未変性の
高分子量ポリエチレン(リュブマーL4000(三井石
油化学工業社製商品名))150 重量部を配合してポリマ
ーアロイ化し、このポリマーアロイ100 重量部に、タル
ク粉末 10 重量部とエステル油(ユニスターH−481
R(日本油脂社製商品名))を 7.5重量部とを混合しペ
レット状とした後、すべり軸受を成形した。得られたす
べり軸受を用いて実施例1と同一の評価を行った。測定
結果を表3に示す。
【0049】実施例10〜実施例13 表2に示す樹脂配合で実施例1と同一の条件および方法
ですべり軸受を成形した。得られたすべり軸受を用いて
実施例1と同一の評価を行った。測定結果を表3に示
す。
【0050】比較例1〜比較例5 ポリオレフィン樹脂を共存しない以下に示す樹脂材料の
みを用いて実施例1と同一の条件および方法ですべり軸
受を成形した。 比較例1;含油ポリアセタール系樹脂(SW−01(ポ
リプラスチックス社商品名)) 比較例2;含油ポリアセタール系樹脂(OL−10(ポ
リプラスチックス社商品名)) 比較例3;含油ナイロン系樹脂(エスベアSN520
(スターライト工業社商品名)) 比較例4;ポリフェニレンサルファイド系樹脂(グライ
トロンSE(オイレス工業社商品名)) 比較例5;ポリフェニレンサルファイド系樹脂(ベアリ
ーAS5000(エヌティエヌ精密樹脂社商品名)) 得られたすべり軸受を用いて実施例1と同一の評価を行
った。測定結果を表3に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】表3に示すごとく、ポリオレフィン樹脂共
存下において油を含有させた各実施例のすべり軸受は、
初期摩擦トルクを比較例のそれに比較して大きく低減す
ることができた。また、初期摩擦トルクを長期間にわた
って維持しており、保油性に優れていることがわかる。
【0055】実施例14 ポリラウリンラクタム(12- ナイロン)樹脂(ダイアミ
ドL1640(ダイセルヒュルス社製商品名)) 100重
量部に、未変性の高分子量ポリエチレン(リュブマ−L
4000(三井石油化学工業社製商品名))11.1重量部
を配合してポリマーアロイ化し、このポリマーアロイ 1
00重量部に、エステル油(ユニスターH−481R(日
本油脂社製商品名))を 8.4重量部とを混合しぺレット
状とした後、すべり軸受を成形した。得られたすべり軸
受を用いて実施例1と同一の評価を行った。配合を表4
に、測定結果を表5にそれぞれ示す。
【0056】実施例15 ポリカプロラクタム(6-ナイロン)樹脂(アミランCM
1007(東レ社製商品名))100重量部に、変性ポ
リエチレン42.9重量部を配合してポリマーアロイ化し、
このポリマーアロイ 100重量部に、エステル油(ユニス
ターH−481R(日本油脂社製商品名))を10.8重量
部含油させ、すべり軸受の形状に射出成形した。なお、
用いた変性ポリエチレンは、実施例1と同一のものであ
る。得られたすべり軸受を用いて実施例1と同一の評価
を行った。配合を表4に、測定結果を表5にそれぞれ示
す。
【0057】実施例16 ポリカプロラクタム(6-ナイロン)樹脂と変性ポリエチ
レンのポリマーアロイ100重量部に、さらに黒鉛(ロン
ザKS−10(ロンザ社製商品名)) 1.6重量部を配合
した以外は実施例15と同一の条件および方法ですベり
軸受を成形した。得られたすベり軸受を用いて実施例1
と同一の評価および色相の確認を行った。配合を表4
に、測定結果を表5にそれぞれ示す。
【0058】実施例17 実施例16と同一の樹脂材料からなるスプルー、ランナ
および成形体を粉砕機によって破砕した。このぺレット
を用いて射出成形し、同様の作業を 3回繰り返して、実
施例16の樹脂材料の 4回再生材料を製造した。この 4
回再生材料と実施例16と同一の未使用のバージン材を
重量比で 8:2 の割合で混合し、すべり軸受の形状に射
出成形した。得られたすベり軸受を用いて実施例1と同
一の評価および色相の確認を行った。配合を表4に、測
定結果を表5にそれぞれ示す。
【0059】実施例18 ポリカプロラクタム(6-ナイロン)樹脂と変性ポリエチ
レンのポリマーアロイである合成樹脂(リュブマ−LS
4160:ポリカプロラクタム(6-ナイロン)樹脂 100
重量部に対する変性ポリエチレン 20 〜 60 重量部を含
む(三井石油化学工業社製商品名)) 100重量部に、エ
ステル油(ユニスターH−481R(日本油脂社製商品
名))を21.5重量部含油させ、すベり軸受の形状に射出
成形した。得られたすベり軸受を用いて実施例1と同一
の評価を行った。配合を表4に、測定結果を表5にそれ
ぞれ示す。
【0060】比較例6 ポリカプロラクタム(6-ナイロン)樹脂と変性ポリエチ
レンのポリマーアロイである合成樹脂(リュブマーLS
4160:ポリカプロラクタム(6-ナイロン)樹脂 100
重量部に対する変性ポリエチレン 20 〜 60 重量部を含
む(三井石油化学工業社製商品名))を用いてすべり軸
受の形状に射出成形した。得られたすべり軸受を用いて
実施例1と同一の評価を行った。配合を表4に、測定結
果を表5にそれぞれ示す。
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】表5に示すごとく、ポリオレフィン樹脂共
存下において油を含有させた各実施例のすべり軸受は、
初期摩擦トルクを比較例のそれに比較して大きく低減す
ることができた。また、初期摩擦トルクを長期間にわた
って維持しており、保油性に優れていることがわかる。
さらに、顔料を配合して 4回再生材を使用した実施例1
7は、バージン材と全く同等の色相の外観であり、摩擦
トルクおよび摩耗深さもバージン材と差がなかった。
【0064】
【発明の効果】本発明の摺動部材は、合成樹脂にポリオ
レフィン樹脂および油を少なくとも含有するか、あるい
は、アミド結合間にメチレン単位を少なくとも 10 個以
上含む化学構造を有するポリアミド樹脂および油を少な
くとも含有するので、優れた保油性を有する。その結
果、初期摺動特性に優れるとともに、その特性を長期間
維持することができる。また、保油体を含有するので保
油性がより向上する。さらに黒色顔料を含有するので、
着色再生材を使用することができる。
【0065】本発明のすべり軸受装置は、少なくともす
べり軸受部が上述の摺動部材で形成されているので、初
期摩擦トルクを低減し、その値を長期間にわたって維持
することができる。
【0066】本発明の現像装置は、支持回転部分に上述
のすべり軸受装置を用いているので、駆動トルクを低減
することができる。その結果、駆動モータとして低出力
モータを使用することができ、現像装置およびそれに用
いられるプロセスカートリッジの小型軽量化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】すべり軸受装置の一例を示す図である。
【図2】現像装置の一例を示す図である。
【図3】プロセスカートリッジの摺動部の例を示す図で
ある。
【図4】摩擦トルク測定機を示す図である。
【符号の説明】
1 摺動部材 2 ハウジング部 2a 回り止め 3 現像剤 4 容器 5 攪拌部材 6 静電潜像保持体 7 現像ローラ 8 磁気部材 9 現像剤規制部材 10 転写装置 11 帯電器 12 露光器 13 クリーニング装置 14 用紙などの経路 15 ケース 16 ゴムシール
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83/04 C08L 83/04 F16C 33/20 F16C 33/20 //(C10M 169/04 107:44 107:04 129:68 139:04) C10N 30:06 40:02 50:08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂組成物の成形体からなる摺動部材で
    あって、該樹脂組成物は合成樹脂と、ポリオレフィン樹
    脂および油とを少なくとも含有してなることを特徴とす
    る摺動部材。
  2. 【請求項2】 前記樹脂組成物の配合割合は、前記合成
    樹脂 100重量部および前記ポリオレフィン樹脂 5〜200
    重量部からなる樹脂 100重量部に対して、前記油が 0.5
    〜 30 重量部であることを特徴とする請求項1記載の摺
    動部材。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィン樹脂がポリエチレン
    および変性ポリエチレンから選ばれた少なくとも1つで
    あることを特徴とする請求項1または請求項2記載の摺
    動部材。
  4. 【請求項4】 前記油がシリコーン油およびエステル油
    から選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の摺動部材。
  5. 【請求項5】 前記合成樹脂がポリアミド樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の摺動部材。
  6. 【請求項6】 樹脂組成物の成形体からなる摺動部材で
    あって、該樹脂組成物はアミド結合間にメチレン単位を
    少なくとも 10 個以上含む化学構造を有するポリアミド
    樹脂および油を少なくとも含有してなることを特徴とす
    る摺動部材。
  7. 【請求項7】 前記樹脂組成物の配合割合は、前記ポリ
    アミド樹脂 100重量部に対して、前記油が 1〜 25 重量
    部であることを特徴とする請求項6記載の摺動部材。
  8. 【請求項8】 前記樹脂組成物が、さらに保油体を含有
    してなることを特徴とする請求項1ないし請求項7のい
    ずれか1項記載の摺動部材。
  9. 【請求項9】 前記樹脂組成物が、さらに黒色顔料を含
    有してなることを特徴とする請求項1ないし請求項8の
    いずれか1項記載の摺動部材。
  10. 【請求項10】 樹脂組成物の成形体からなるすべり軸
    受部を有するすべり軸受装置であって、少なくとも前記
    すべり軸受部が請求項1ないし請求項9のいずれか1項
    記載の摺動部材により形成されてなることを特徴とする
    すべり軸受装置。
  11. 【請求項11】 静電潜像形成手段、現像剤供給手段、
    現像手段および転写手段を少なくとも具備してなる現像
    装置であって、前記各手段を構成する装置の少なくとも
    1部位に使用されるすべり軸受装置が請求項10記載の
    すべり軸受装置であることを特徴とする現像装置。
  12. 【請求項12】 前記すべり軸受装置がプロセスカート
    リッジ用すべり軸受装置であることを特徴とする現像装
    置。
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