JPH10114667A - アレルギー反応抑制剤 - Google Patents

アレルギー反応抑制剤

Info

Publication number
JPH10114667A
JPH10114667A JP8289332A JP28933296A JPH10114667A JP H10114667 A JPH10114667 A JP H10114667A JP 8289332 A JP8289332 A JP 8289332A JP 28933296 A JP28933296 A JP 28933296A JP H10114667 A JPH10114667 A JP H10114667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactobacillus plantarum
lactobacillus
vegetables
lactic acid
allergic reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8289332A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4064480B2 (ja
Inventor
Shinji Murozaki
伸二 室▲崎▼
Yoshihiro Yamamoto
佳弘 山本
Takeaki Iguchi
武明 井口
Kotaro Muroyama
幸太郎 室山
Yasunobu Kikkai
泰信 吉開
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP28933296A priority Critical patent/JP4064480B2/ja
Publication of JPH10114667A publication Critical patent/JPH10114667A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4064480B2 publication Critical patent/JP4064480B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】有効成分の生産能が高く、且つ有効成分の単位
当たりの効果、安全性の高いアレルギー反応抑制剤を得
ること。 【解決手段】ラクトバチルス・プランタルム(Lactobac
illus plantarum)に属する菌の菌体またはその処理物
が安全性が高く優れたアレルギー反応抑制作用を示す。
また、ラクトバチルス・プランタルムL−137株によ
る果菜類、穀類またはその処理物の発酵産物は、菌体を
豊富に含み、且つ風味のよい食品であり、これを日常摂
食することにより、アレルギー疾患を予防・治療するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラクトバチルス・プ
ランタラムの菌体又はその処理物を含有するアレルギー
反応抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】本来生体防御を目的とするはずの免疫応
答が結果として生体に危害を及ぼすものである場合、そ
の免疫反応をアレルギー反応と呼んでいる。このアレル
ギー反応の関与する疾患を総称してアレルギー疾患と呼
ぶことがある。代表的なアレルギー性疾患としては、気
管支喘息、小児喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮
膚炎、花粉症、枯草熱、食物アレルギー、蕁麻疹の一
部、昆虫アレルギー、アレルギー性肝中毒、アレルギー
性胃腸疾患などが挙げられる。アレルギー疾患の原因と
なる物質が抗原(アレルゲン)であり、この物質の免疫
応答反応を惹起する能力を抗原性(アレルゲン性)と呼
んでいる。抗原性は感作される生体側の要因、たとえ
ば、免疫応答の遺伝子要因、生体の栄養状態、ホルモン
系のバランス状態、抗原の侵入経路、抗原の性状や抗原
の量などにより規定される。抗原となりうる物質には、
タンパク質、糖質、脂質、化学物質(ハプテン)など自
然界にあるもののみならず、合成された化学物質も数多
く知られている。主要な抗原には花粉、カビ、細菌、ダ
ニ、チリ、寄生虫や卵白、牛乳、大豆、ソバ、小麦など
の食物などが挙げられる。近年の医学、生化学の進歩に
より、これらのアレルギー疾患のメカニズムは次第に明
らかにされてはきたが、抗原となる物質が前述のごとく
生活環境における極くありふれたものが多く、したがっ
てその予防はなかなか困難である。また一度アレルギー
疾患に罹患した場合、その治療は現代医学をもってして
も困難を極めている。これまで、アレルギー疾患抑制作
用を有する物質として種々のものが提案されてきてお
り、細菌類の菌体やその破砕処理物等を有効成分とする
アレルギー反応抑制剤も多く報告されている(特公昭5
9−46206号。特公昭59−46488号、特公昭
59−46489号、特公昭62−36007号、特開
平6−165682号、特開平7−265064号な
ど)。しかしこれらのいずれにおいても有効成分の生産
性やアレルギー反応抑制効果、安全性のいずれかの点に
おいて不十分であり、実用には供されていないのが現状
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで有効成分の生産
が容易且つ生産能が高く、しかも得られた有効成分の単
位重量当たりの効果並びに安全性の高いアレルギー反応
抑制剤の出現が待望されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため広範な研究を重ねてきたが、偶然にもフ
ィリピンにおいて魚と米とを原料とする伝統的な発酵食
品ブロングイスダ(Burong isda)から分離された乳酸
菌に属するラクトバチルス・プランタラム(Lactobacil
lus plantarum)L−137株菌体の加熱死菌体を飼料
に添加し、アレルギー発症マウスに摂取させたところ、
IgG抗体の産生が顕著に抑制されることを知見した。
本発明はその知見に基づいてさらに研究を重ねて完成し
たものである。すなわち、本発明は(1)ラクトバチル
ス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属す
る菌の菌体またはその処理物を含有してなるアレルギー
反応抑制剤、(2)ラクトバチルス・プランタラムに属
する菌がラクトバチルス・プランタラムL−137株で
ある前記(1)記載のアレルギー反応抑制剤、である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる乳酸菌はラク
トバチルス・プランタラム(Lactobacillusplantarum)
に属する菌であればどのような菌でもよいが、このよう
な乳酸菌には、工業技術院生命工学工業技術研究所に平
成7年11月30日に寄託されたラクトバチルス・プラ
ンタラム(Lactobacillus plantarum)L−137(受
託番号FERM P−15317,微工研 菌寄第15
317号)などが含まれる。ラクトバチルス・プランタ
ラムL−137は、フィリピンの発酵食品ブロングイス
ダ(Burong isda)から分離された微生物であり、特定
の糖類(グルコン酸、アラビノース、ラムノースおよび
スターチ)に対する資化性が、ラクトバチルス・プラン
タラム(Lactobacillus plantarum)JCM 1149
基準株およびラクトバチルス・プランタラムL−051
(微工研菌寄第11912号)と相違する。すなわち、
下記の糖類に対して次のような資化性を示す。 グルコン酸 − アラビノース − ラムノース − スターチ + さらに、ラクトバチルス・プランタラムL−137と前
記ラクトバチルス・プランタラムJCM 1149基準
株およびラクトバチルス・プランタラムL−051株と
の菌学的性質を対比すると、〔表1〕の通りである。
【0006】
【表1】
【0007】以上の菌学的性質、および細胞壁のペプチ
ドグリカンタイプがメゾ−ジアミノピメリン酸(meso-d
iaminopimelic acid)であること、さらに、L−137
菌株と22タイプの乳酸菌基準株との間での DNA-DNA交
雑実験法を行ったところ、L−137菌株はラクトバチ
ルス・プランタラムにのみ強くDNAの相同性が得られた
ことにより、本発明に用いられる微生物はラクトバチル
ス・プランタラムと同定された。上記乳酸菌は、特開平
6-296486号公報においてデンプンに作用させて、マルト
トリオース、マルトテトラオース及びマルトペンタオー
スを主成分とし、実質的にグルコース及びマルトースを
含まないデンプン分解物を得るための酸性アミラーゼを
産生させる上で有用な微生物として提案されている。ま
た、本発明の微生物については、Journal of Fermentat
ion and Bioengineering, Vol.73, No.3,193-197(1992)
及び Vol. 80, No.2, 124-130(1995)にも報告されてい
る。 本発明のアレルギー反応抑制剤は、たとえばラクトバチ
ルス・プランタラムに属する菌を天然培地、合成培地、
半合成培地などの培地に培養する。培地としては、窒素
源および炭素源を含有するものが用いられる。窒素源と
してはたとえば、肉エキス、ペプトン、グルテン、カゼ
イン、酵母エキス、アミノ酸等であり、炭素源として
は、たとえば、グルコース、キシロース、フラクトー
ス、イノシトール、水アメ、麹汁、澱粉、バカス、フス
マ、糖蜜、グリセリン等が用いられる。このほか、無機
質として、たとえば硫酸アンモニウム、リン酸カリウ
ム、塩化マグネシウム、食塩、鉄、マンガン、モリブデ
ン更に各種ビタミン類その他を添加することができる。
【0008】培養温度は25〜40℃、好ましくは27
〜35℃であり、培養時間は12〜48時間程度であ
り、通気振盪してもよい。培地のpHは3〜6、好まし
くは4〜6である。培養終了後菌体を採取し蒸留水を加
え、遠心分離などの手段により上清を除き、必要により
その操作を繰り返し、遠心分離や濾過等により菌体を採
取する。採取された菌体は生菌のまま、またはたとえば
過熱、紫外線照射、ホルマリン処理などにより不活性化
して投与に適した剤型にすることもできる。分離された
生菌体、死菌体はさらに摩砕や破砕処理をし、得られた
処理物を必要により加熱滅菌、無菌濾過し、濾液を凍結
乾燥して製品とすることもできる。菌体の処理物にはた
とえば、上記摩砕物、破砕物、それらからの抽出液、凍
結乾燥品が含まれる。また、本発明に用いられる乳酸菌
であるラクトバチルス・プランタラム L−137株は
元々発酵食品であるブロングイスダから分離されたもの
であり、食品、たとえば果菜類、穀類から選択された少
なくとも1種または、果菜類や穀類を発酵可能な形態に
処理したもの、たとえば切断物、粉砕物、摩砕物、搾
汁、搾汁濃縮物を本発明において用いられる菌により発
酵させた菌を含む発酵物をそのまま用いることができ、
これも本発明の好ましい態様の1つである。前記の発酵
法を利用すると、野菜汁に対して、フレッシュなニンジ
ン汁などを得るためのフレッシュスクイーズ法などの特
別な前処理を施す必要がなく、また乳成分を添加する必
要がなく、乳酸菌の果菜類などの処理物(野菜汁など)
に対する高い発酵能により、乳酸菌を多量に含み味覚的
にも極めて優れた発酵物を得ることができる。また、被
発酵処理物が臭いのきつい果菜類や穀類を含んでいて
も、野菜類などの特有の不快臭や加熱による不快臭を顕
著に低減できるとともに、風味を改善でき、極めて容易
に食することができる発酵食品が得られる。しかも、サ
イレージと異なり発酵食品から分離された食習慣のある
乳酸菌であるため、本発明の微生物は安全性も高い。
【0009】上述の乳酸菌発酵物は、果菜類及び穀類か
ら選択された少なくとも一種の処理物を前記乳酸菌によ
り発酵させることにより得られる。前記果菜類には、種
々の可食性植物、例えば、野菜類(例えば、ニンジン、
トマト、ホウレン草、ぱせり、シソ葉、大葉、芽キャベ
ツ、小松菜、カボチャ、大根葉、ピーマン、ケール、カ
ンショ葉、春菊、セリなどの緑黄色野菜類、セロリ、キ
ャベツ、アスパラガス、キュウリ、スイカなどの他の野
菜類)、リンゴ、バナナ、パパイヤ、アボガド、ミカ
ン、グレープフルーツ、レモン、パイナップル、ピー
チ、柿、イチゴ、ブドウ、メロン、ココナッツなどの果
物類などが含まれる。穀類には、米、トウモロコシ、大
豆、小麦、ライ麦などが含まれる。これらの果菜類など
は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、必要に応
じて、これらの果菜類などは、ジャガイモ、サツマイモ
などのイモデンプン類と併用してもよい。好ましい果菜
類には、ニンジンなどの緑黄色野菜類、バナナなどの果
物類、米などの穀類などが含まれる。また、処理物とし
ては、切断物、粉砕物、摩砕物、搾汁、搾汁濃縮物など
が単独又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい
処理物には、野菜汁、果汁などの搾汁や搾汁濃縮物など
の搾汁類が含まれる。この搾汁類において、ニンジンを
用いる場合、ニンジン汁の濃度はBrix2〜30程度の範
囲から選択できる。また、50重量%以上のニンジン処
理物を含む処理物は、発酵飲料などの風味を改善する上
で有用である。
【0010】前記果菜類などの処理物は、通常、ブラン
チング処理及び/又は殺菌処理に供された後、前記乳酸
菌による発酵に供される。ブランチング処理は、前記果
菜類などやその処理物、特に果菜類やその切断物を加熱
処理し、酵素活性を失活させることにより行うことがで
き、ブランチング処理の後、遠心分離やフィルタープレ
スなどの方法で搾汁しジュースを得る場合が多い。ま
た、殺菌処理は、ブランチング処理された前記果菜類な
どやその処理物、特に搾汁類について行う場合が多い。
なお、ブランチング処理および殺菌処理は、風味を損な
わない範囲で選択でき、ブランチング処理は、慣用の方
法、例えば、必要に応じてオートクレーブを用い、70
〜100℃で短時間処理することにより行うことができ
る。殺菌処理は、慣用の方法、例えば、70〜125℃
程度の温度又は高温短時間で加熱殺菌する方法、紫外線
などの光線を照射する方法などが採用できる。前記微生
物による発酵は、前記乳酸菌を搾汁類などの処理物に直
接接種して行ってもよいが、通常、適当な培地や前記処
理物を用いて馴化培養した前記乳酸菌をスターターとし
て搾汁類などの処理物に接種して行う場合が多い。発酵
は、慣用の方法、例えば、処理物に対して0.5〜3重
量%程度のスターターを接種し、25〜40℃(例え
ば、25〜38℃)、好ましくは27〜38℃(例え
ば、27〜35℃)程度で行うことができる。発酵時間
は、果菜類などの処理物の種類などに応じて、例えば、
数時間〜数日間程度の範囲から選択できる。本発明の好
ましい態様には、ニンジンなどの緑黄色野菜、果物及び
穀類のうちの少なくとも一種の処理物(特に野菜および
果物のうち少なくとも一種から得られた搾汁類)を前記
乳酸菌で発酵させ、乳酸菌発酵飲料(緑黄色野菜ジュー
ス、果物ジュースなど)やその加工品(緑黄色野菜ゼリ
ー,スプレットなど)として得る方法が含まれる。
【0011】なお、発酵に際しては、必要に応じて、他
の微生物、例えば、乳酸菌(ラクトバチルス・プランタ
ラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラム
ノサスなど)やエンテロコッカス属微生物(エンテロコ
ッカス・フェカーリスなど)、酵母などを併用してもよ
い。さらに、必要に応じて、前記処理物に、種々の添加
剤、例えば、ビタミン、アミノ酸、ミネラル、植物繊
維、糖類、蜂蜜などの甘味料、香料、牛乳、脱脂粉乳な
どの乳成分、果汁などを添加して発酵させてもよく、得
られた乳酸菌発酵物に前記添加剤を添加してもよい。こ
のようにして、果菜類などの処理物を前記乳酸菌により
発酵させると、得られる乳酸菌発酵物の風味を改善でき
る。この方法により得られた乳酸菌発酵物は、被発酵処
理物が臭いのきつい果菜類や穀類を含んでいても、不快
臭を顕著に低減できるとともに、加熱による不快臭も抑
制できる。また、乳酸菌の発酵により適度な酸味(例え
ば、pH4〜5程度)を呈するとともに、官能的に優れ
た風味を有しており、極めて容易に食することができ
る。また、乳酸菌を多量に含みアレルギー反応抑制作用
などの生理活性作用も高い。
【0012】本発明のアレルギー反応抑制剤は、前記乳
酸菌発酵物を含む限り、その形態は特に制限されない。
たとえば、食品の形態は、ジュースなどの飲料、ゼリー
やグミ又はスプレッド食品であってもよく、ソフトキャ
ンディーなどであってもよい。本発明のアレルギー反応
抑制剤は任意であるが、公知の製剤化技術を用いて必要
に応じて賦形剤等とともに、たとえば、粉末剤、錠剤、
水剤、顆粒剤あるいは細粒剤などとして経口投与しても
よく、また、菌を可食性培地、特に果菜類及び穀類から
選ばれた少なくとも一種を含む培地で培養して得られる
発酵産物であってもよい。本発明のアレルギー反応抑制
剤は、たとえば、アレルギー性気管支喘息、小児喘息、
アレルギー性鼻炎(花粉症など)、アトピー性皮膚炎、
食物アレルギー、薬疹、アレルギー性肝中毒、アレルギ
ー性胃腸疾患などの予防、治療に有効である。本発明の
アレルギー反応抑制剤の有効量は、成人の摂取量が乾燥
菌体換算で経口投与の場合は1日40mg〜40g、好
ましくは500mg〜10gであるが、本発明に用いら
れる乳酸菌は殆ど毒性を示さないのでその範囲を越えて
摂取しても何ら不都合は生じない。また静注の場合は1
日0.1mg〜1gである。
【0013】
【実施例】以下に実施例および試験例をあげて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はそれらによって限
定されるものではない。 実施例1 ラクトバチルス・プランタラムL−137乾燥菌体の製
造方法 乳酸菌培養培地であるGYP培地のグルコースの代わり
にスターチを加えた培地200mlにラクトバチルス・
プランタラムL−137をスターターとして1重量%接
種し、32℃で24時間前培養を行った。その後、6L
のGYP培地にその前培養した培養液をスターターとし
て1重量%接種し、32℃にて24時間静地培養した。
培養後、5000rpmで35分間遠心分離した。そし
て、上清を除き、菌体を集めた。さらに、集めた菌体ペ
ーストを生理食塩水に良く分散し、5000rpmで3
5分遠心分離したのち、上清を除き菌体を集めた。これ
を3回繰り返したのち、蒸留水に分散した。そして70
℃で10分間殺菌した。これを凍結乾燥し、乾燥菌体を
7.07g得た。 実施例2 4倍濃縮ニンジン汁のラクトバチルス・プランタラムL
−137発酵物の製造方法 L−137乾燥菌体の作成方法と同様の方法で6リット
ルのGYP培地で32℃、24時間培養したのち生理食
塩水中に分散、遠心分離することにより集めた菌体ペー
ストを4倍濃縮ニンジン汁(人参1/6濃縮搾汁、宮崎
農協製を蒸留水により希釈したもの)300mlに添加
し、さらに32℃で24時間培養した後70℃で10分
間殺菌した。こうして得られたニンジン発酵液を適当量
の蒸留水で希釈し、凍結乾燥した。凍結乾燥物として約
77.4gを得た。
【0014】試験例1 6週齢、雌性のB10.Aマウス(1群7匹)にCE−
2粉末飼料(日本クレア)を与え、1週間飼育した。試
験群の飼料には実施例1で得られたL−137乾燥菌体
を重量比で0.2%CE−2粉末飼料に添加した。7週
齢からは卵白食(卵白25%、スターチ49.9%、シ
ョ糖5%、コーン油6%、ハーパーミネラルミックス5
%、ハーパービタミンミックス1%、セルロース8%、
塩化コリン0.1%)を1週間与えた。試験群の飼料に
は実施例1で得られたL−137乾燥菌体を重量比で
0.2%卵白食に添加した。血漿抗卵白抗体価は、卵白
食給餌前および給餌1週間後にマウスの眼底静脈から採
血して血漿を分離し、抗卵白IgG抗体価をエンザイム
イムノアッセイにより測定した。エンザイムイムノアッ
セイは、卵白をホウ酸緩衝液で5μg/mlに調整した
溶液を、96穴組織培養プレート1穴当たり100μl
加え5℃で3日間放置し卵白を各穴に付着させたプレー
トを用いて行った。分離した血漿をウシ血清アルブミン
1%含有するホウ酸緩衝液で10倍希釈し1穴当たり5
0μl加え室温で90分間放置し、血漿の抗卵白抗体を
プレートに付着した卵白と結合させた。洗浄後ペルオキ
シダーゼで標識した抗マウスIgG抗体を加え、プレー
トに結合させた抗卵白抗体のIgGに結合させた。洗浄
後、過酸化水素0.006%とオルトフェニレンジアミ
ン0.1%を含有するリン酸緩衝液を1穴当たり100
μl加え、室温で20分間反応させ、反応を1.5N硫
酸で停止し、マイクロプレートリーダーで吸光度492
nmを測定することにより血漿抗卵白IgG抗体価を求
めた。その結果を〔表2〕に示す。
【0015】
【表2】 1) 各価は例数7の平均値±標準偏差で示した。 2) 危険率1%以下で対照群と有意差 〔表2〕から明らかなごとく、L−137乾燥菌体を摂
食したマウスの血漿抗卵白IgG抗体価は対照群に比べ
有意に低値を示した。L−137乾燥菌体は摂食した抗
原に対する免疫応答を抑制したことから、L−137乾
燥菌体のアレルギー発症抑制作用が認められた。
【0016】
【発明の効果】本発明のアレルギー反応抑制剤は、経口
投与に適し極めて安定で且つアレルギー反応抑制に顕著
な効果が認められ、各種アレルギー疾患の予防・治療剤
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:25) (72)発明者 室山 幸太郎 兵庫県伊丹市鋳物師2丁目69番地 メゾ ン・ド・オーク303号 (72)発明者 吉開 泰信 愛知県名古屋市千種区園山町1丁目9−2

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラクトバチルス・プランタラム(Lactobac
    illus plantarum)に属する菌の菌体またはその処理物
    を含有してなるアレルギー反応抑制剤。
  2. 【請求項2】ラクトバチルス・プランタラムに属する菌
    がラクトバチルス・プランタラムL−137株である請
    求項1記載のアレルギー反応抑制剤。
JP28933296A 1996-10-11 1996-10-11 IgG抗体産生抑制剤 Expired - Lifetime JP4064480B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28933296A JP4064480B2 (ja) 1996-10-11 1996-10-11 IgG抗体産生抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28933296A JP4064480B2 (ja) 1996-10-11 1996-10-11 IgG抗体産生抑制剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10114667A true JPH10114667A (ja) 1998-05-06
JP4064480B2 JP4064480B2 (ja) 2008-03-19

Family

ID=17741833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28933296A Expired - Lifetime JP4064480B2 (ja) 1996-10-11 1996-10-11 IgG抗体産生抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4064480B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004002501A1 (ja) * 2002-06-26 2004-01-08 Calpis Co., Ltd. 抗アレルギー剤、アレルギー低減のためのその使用及びアレルギー低減方法
WO2004096246A1 (ja) * 2003-03-13 2004-11-11 Kirin Beer Kabushiki Kaisha 抗アレルギー用組成物
WO2005019438A1 (ja) * 2003-08-21 2005-03-03 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. 粘膜免疫賦活作用を有する乳酸菌
JP2005068092A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Ala:Kk 免疫促進用組成物
JP2005089437A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Hinode Sangyo Kk 点鼻腔洗浄組成物
JP2007126365A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Momoya Co Ltd ラクトバチルス・プランタラムの培養物を有効成分とする抗アレルギー剤
JP2007302628A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Unitika Ltd 乳酸菌の免疫調整作用を相乗的に高める組成物
JP2007308404A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Unitika Ltd 免疫調整作用を有する組成物
JP2012039889A (ja) * 2010-08-12 2012-03-01 Oku Tain 茶茎葉及び/又はサツマイモ茎葉を用いた発酵食品及びその製造方法
WO2018216735A1 (ja) * 2017-05-26 2018-11-29 ハウスウェルネスフーズ株式会社 メタボリックシンドロームの予防、改善又は治療用組成物
WO2024100755A1 (ja) * 2022-11-08 2024-05-16 ハウスウェルネスフーズ株式会社 腸管バリア機能向上用及び腸管上皮タイトジャンクション増強用組成物

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004002501A1 (ja) * 2002-06-26 2004-01-08 Calpis Co., Ltd. 抗アレルギー剤、アレルギー低減のためのその使用及びアレルギー低減方法
US8003092B2 (en) 2002-06-26 2011-08-23 Calpis Co., Ltd. Antiallergic agent, utilization thereof for reducing allergy and method of reducing allergy
WO2004096246A1 (ja) * 2003-03-13 2004-11-11 Kirin Beer Kabushiki Kaisha 抗アレルギー用組成物
US7842495B2 (en) 2003-08-21 2010-11-30 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. Lactic acid bacteria capable of stimulating mucosal immunity
WO2005019438A1 (ja) * 2003-08-21 2005-03-03 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. 粘膜免疫賦活作用を有する乳酸菌
JP2005068092A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Ala:Kk 免疫促進用組成物
JP4712289B2 (ja) * 2003-08-26 2011-06-29 株式会社エイ・エル・エイ 免疫促進用組成物
JP2005089437A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Hinode Sangyo Kk 点鼻腔洗浄組成物
JP4591810B2 (ja) * 2003-09-19 2010-12-01 日之出産業株式会社 花粉症アレルギー性鼻炎抑制用点鼻組成物
JP2007126365A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Momoya Co Ltd ラクトバチルス・プランタラムの培養物を有効成分とする抗アレルギー剤
JP2007302628A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Unitika Ltd 乳酸菌の免疫調整作用を相乗的に高める組成物
JP2007308404A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Unitika Ltd 免疫調整作用を有する組成物
JP2012039889A (ja) * 2010-08-12 2012-03-01 Oku Tain 茶茎葉及び/又はサツマイモ茎葉を用いた発酵食品及びその製造方法
WO2018216735A1 (ja) * 2017-05-26 2018-11-29 ハウスウェルネスフーズ株式会社 メタボリックシンドロームの予防、改善又は治療用組成物
JPWO2018216735A1 (ja) * 2017-05-26 2020-04-23 ハウスウェルネスフーズ株式会社 メタボリックシンドロームの予防、改善又は治療用組成物
US11571447B2 (en) 2017-05-26 2023-02-07 House Wellness Foods Corporation Composition for preventing, ameliorating or treating metabolic syndrome
WO2024100755A1 (ja) * 2022-11-08 2024-05-16 ハウスウェルネスフーズ株式会社 腸管バリア機能向上用及び腸管上皮タイトジャンクション増強用組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4064480B2 (ja) 2008-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4064481B2 (ja) 免疫賦活剤
TWI422681B (zh) 高免疫調節活性之乳酸菌培養方法
US4702923A (en) Lyophilized kefir yoghurt health food
CN105146614A (zh) 一种功能性钙果酵素、酵素饮料及其生产方法
Sanchez Philippine fermented foods: principles and technology
JP2006028047A (ja) インターロイキン12産生促進剤およびその製造法
CN101171019A (zh) 免疫功能调节剂
JP2014516524A (ja) キムチ乳酸菌発酵した米糖化液の有効成分を含有する抗菌抗ウイルス米乳酸菌発酵食品組成物
CN101300341B (zh) 来自葡萄酒发酵醪液的具有免疫调节作用的乳酸菌
JP4137349B2 (ja) γ−アミノ酪酸を高含有した食品素材の製造方法およびそれにより得られる食品素材
JP4064480B2 (ja) IgG抗体産生抑制剤
JPH09163977A (ja) 発酵用乳酸菌、乳酸菌発酵物およびその製造方法
JP4313615B2 (ja) 免疫賦活活性及びγ−アミノ酪酸産生能を有する新規乳酸菌、及びその利用。
KR102105316B1 (ko) 프로바이오틱스 유산균으로 발효된 차가버섯, 상황버섯 및 영지 버섯 혼합발효추출액을 이용한 기능성 음료의 제조방법 및 그 기능성 음료
JP3902015B2 (ja) 保健栄養食品の製造方法
EP2837292A1 (en) Synbiotic food composition containing tagatose and probiotic lactic acid bacteria
CN107712879A (zh) 一种低糖活性枸杞酵素的制备方法
KR20190019248A (ko) 유황현미쌀과 고소애를 유효성분으로 함유하는 면역기능성 죽 제조방법
KR101841909B1 (ko) 누룩과 혼합곡물을 이용한 유산균의 배양방법
JPH0940566A (ja) 乳酸菌発酵物からなる糖尿病治療剤及び免疫増強剤
JP7165363B2 (ja) 免疫賦活組成物
JP2012143187A (ja) 血栓性疾患予防食品
JP4942133B2 (ja) 抗菌作用を有する米糖化液
CN106795541B (zh) 含有甲萘醌-7的培养物以及甲萘醌-7的制造法
JPH067115A (ja) 免疫増強用飲食品添加剤および飲食品の免疫増強効果付与方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term