JPH10108197A - 画像符号化装置、画像符号化制御方法および画像符号化制御用プログラムを記録した媒体 - Google Patents

画像符号化装置、画像符号化制御方法および画像符号化制御用プログラムを記録した媒体

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JPH10108197A
JPH10108197A JP25973096A JP25973096A JPH10108197A JP H10108197 A JPH10108197 A JP H10108197A JP 25973096 A JP25973096 A JP 25973096A JP 25973096 A JP25973096 A JP 25973096A JP H10108197 A JPH10108197 A JP H10108197A
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JP25973096A
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Kanji Mihara
寛司 三原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リアルタイムに符号化しながら、入力画像の
特徴に応じてプリフィルタを適応的に使用することがで
きるようにする。 【解決手段】 符号化制御部15における符号化難易度
計算部42は、画像の符号化の難易度を表す符号化難易
度を算出する。プリフィルタ制御部51は、ビットレー
トに対する符号化難易度の比率と、最新のBピクチャの
符号化難易度と最新のIピクチャの符号化難易度との比
率によって表される動き成分とに応じて、プリフィルタ
部50における空間フィルタ52と時間フィルタ53の
特性を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データを圧縮
符号化する画像符号化装置、画像符号化制御方法および
画像符号化制御用プログラムを記録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】送信側で画像データを圧縮して送信する
と共に、受信側では圧縮された画像データを伸張する通
信システムや、画像データを圧縮して記録すると共に、
再生時には圧縮された画像データを伸張して出力する圧
縮画像記録再生装置等において、画像データの圧縮の方
法としては、例えばMPEG(Moving Picture Experts
Group)規格で採用されている双方向予測符号化方式が
ある。この双方向予測符号化方式では、双方向予測を用
いることで符号化効率を向上させている。双方向予測符
号化方式では、フレーム内符号化、フレーム間順方向予
測符号化および双方向予測符号化の3つのタイプの符号
化が行われ、各符号化タイプによる画像は、それぞれI
ピクチャ(intra coded picture )、Pピクチャ(pred
ictive coded picture)およびBピクチャ(bidirectio
nally predictive coded picture)と呼ばれる。
【0003】ところで、上述のMPEG規格で採用され
ている双方向予測符号化方式等を用いて、画像符号化装
置で画像データを圧縮符号化すると共に、圧縮符号化さ
れた画像データを画像復号化装置で復号化して伸張する
システムでは、符号化し更に復号化した後の画質は、入
力される映像素材の絵柄によって大きく左右される。す
なわち、映像が高周波成分を多く含んでいる場合や、動
きの激しい絵柄の場合には、空間方向および時間方向の
冗長度が少ない、すなわち符号化難易度が大きいので、
ある一定のビットレートで符号化し更に復号化する場合
には、符号化歪みが発生しやすい。
【0004】上述のような符号化難易度が大きい映像素
材が画像符号化装置に入力された場合の符号化歪みを軽
減する目的で、画像符号化装置の入力部分において空間
方向もしくは時間方向についてのローパスフィルタを使
用して、入力映像素材の空間的な高周波成分もしくは動
き成分を、予め低減させる手法が一般に知られている。
このような目的のために用いられるローパスフィルタ
は、プリフィルタもしくは前置フィルタと呼ばれてい
る。
【0005】図7は、空間方向についてのプリフィルタ
と時間方向についてのプリフィルタの双方を設けた画像
符号化装置の構成の一例を示したものである。この画像
符号化装置は、空間方向についてのプリフィルタとして
の空間フィルタ252と、時間方向についてのプリフィ
ルタとしての時間フィルタ253とを備え、入力画像信
号S1 は、空間フィルタ252,時間フィルタ253を
順に通過するようになっている。空間フィルタ252は
空間方向のローパスフィルタからなり、具体的には、通
常のディジタルフィルタによって容易に実現される。時
間フィルタ253は、時間方向のローパスフィルタから
なり、具体的には、例えば、空間フィルタ252の出力
信号を1フレーム分格納するフレームメモリ254と、
空間フィルタ252の出力信号とフレームメモリ254
に格納された1フレーム前の信号とを所定の重み付け
K:(1−K)で加算して出力する加算器255とで実
現される。なお、0≦K≦1である。
【0006】画像符号化装置は、更に、時間フィルタ2
53の出力信号を入力し、符号化する順番に従ってピク
チャ(Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャ)の順番を
並べ替える画像並べ替え回路221と、この画像並べ替
え回路221の出力データを入力し、フレーム構造かフ
ィールド構造かを判別し、判別結果に応じた走査変換お
よび16×16画素のマクロブロック化を行う走査変換
・マクロブロック化回路222と、この走査変換・マク
ロブロック化回路222の出力データに基づいて動きベ
クトルを検出する動き検出回路214とを備えている。
【0007】画像符号化装置は、更に、走査変換・マク
ロブロック化回路222の出力データと予測画像データ
との差分をとる減算回路231と、この減算回路231
の出力データに対して、DCT(離散コサイン変換)ブ
ロック単位でDCTを行い、DCT係数を出力するDC
T回路232と、このDCT回路232の出力データを
量子化する量子化回路233と、この量子化回路233
の出力データを可変長符号化する可変長符号化回路23
4と、この可変長符号化回路234の出力データを一旦
保持し、一定のビットレートのビットストリームからな
る圧縮画像データS2 として出力するバッファメモリ2
35と、量子化回路33の出力データを逆量子化する逆
量子化回路236と、この逆量子化回路236の出力デ
ータに対して逆DCTを行う逆DCT回路237と、こ
の逆DCT回路237の出力データと予測画像データと
を加算して出力する加算回路238と、この加算回路2
38の出力データを保持し、動き検出回路214から送
られる動きベクトルに応じて動き補償を行って予測画像
データを減算回路231および加算回路238に出力す
る動き補償回路239とを備えている。
【0008】図7に示した画像符号化装置では、空間フ
ィルタ252によって入力画像信号S1 の空間的な高周
波成分を除去し、時間フィルタ253によって、空間フ
ィルタ252の出力信号における動き成分(もしくはフ
レーム間の雑音)を除去する。図7に示した画像符号化
装置におけるその他の動作は、一般的な画像符号化装置
と同様であるので説明を省略する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なプリフィルタを常時使用すると、符号化難易度の大き
い絵柄の情報量削減には有効であっても、符号化難易度
の小さい絵柄、例えば静止画のようなものにおいてもフ
ィルタで高周波成分を落としてしまうため、復号化後の
映像は全体としてぼけた印象を与えてしまうことが多い
という問題点がある。
【0010】一方、非圧縮画像データを予備的に圧縮符
号化(以下、1パス目の圧縮符号化という。)を行って
圧縮符号化後のデータ量を見積もり、次に、見積もった
データ量に基づいて発生符号量の制御を行いながら圧縮
符号化(以下、2パス目の圧縮符号化という。)を行う
という、リアルタイム性を要求されない符号化方法の場
合では、1パス目の圧縮符号化で得られたデータに基づ
いて、符号化難易度が大きい箇所(時間的な箇所)だけ
に対して、2パス目の圧縮符号化においてプリフィルタ
を使用するような手法も知られている。しかしながら、
この手法では、リアルタイムに符号化しながら、入力画
像の特徴に応じてプリフィルタを適応的に使用すること
はできないという問題点がある。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、リアルタイムに符号化しながら、入
力画像の特徴に応じてプリフィルタを適応的に使用する
ことができるようにした画像符号化装置、画像符号化制
御方法および画像符号化制御用プログラムを記録した媒
体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の画像符号
化装置は、入力画像データを圧縮符号化する符号化手段
と、この符号化手段の前段に設けられ、入力画像データ
の情報量を削減するためのプリフィルタと、入力画像デ
ータの符号化の難易度を表す符号化難易度を算出する符
号化難易度算出手段と、この符号化難易度算出手段によ
って算出される符号化難易度に応じて、プリフィルタの
特性を制御するプリフィルタ制御手段とを備えたもので
ある。
【0013】請求項7記載の画像符号化制御方法は、入
力画像データを圧縮符号化する符号化手段と、この符号
化手段の前段に設けられ、入力画像データの情報量を削
減するためのプリフィルタとを有する画像符号化装置を
制御する画像符号化制御方法であって、入力画像データ
の符号化の難易度を表す符号化難易度を算出する符号化
難易度算出手順と、この符号化難易度算出手順によって
算出される符号化難易度に応じて、プリフィルタの特性
を制御するプリフィルタ制御手順とを備えたものであ
る。
【0014】請求項11記載の画像符号化制御用プログ
ラムを記録した媒体は、入力画像データを圧縮符号化す
る符号化手段と、この符号化手段の前段に設けられ、入
力画像データの情報量を削減するためのプリフィルタと
を有する画像符号化装置を、コンピュータによって制御
するための画像符号化制御用プログラムを記録した媒体
であって、入力画像データの符号化の難易度を表す符号
化難易度を算出する符号化難易度算出手順と、この符号
化難易度算出手順によって算出される符号化難易度に応
じて、プリフィルタの特性を制御するプリフィルタ制御
手順とをコンピュータに実行させるための画像符号化制
御用プログラムを記録したものである。
【0015】請求項1記載の画像符号化装置では、符号
化難易度算出手段によって、入力画像データの符号化の
難易度を表す符号化難易度を算出され、この符号化難易
度に応じて、プリフィルタ制御手段によって、プリフィ
ルタの特性が制御される。
【0016】請求項7記載の画像符号化制御方法では、
符号化難易度算出手順によって、入力画像データの符号
化の難易度を表す符号化難易度が算出され、この符号化
難易度に応じて、プリフィルタ制御手順によって、プリ
フィルタの特性が制御される。
【0017】請求項11記載の画像符号化制御用プログ
ラムを記録した媒体に記録されたプログラムでは、符号
化難易度算出手順によって、入力画像データの符号化の
難易度を表す符号化難易度が算出され、この符号化難易
度に応じて、プリフィルタ制御手順によって、プリフィ
ルタの特性が制御される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0019】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る
画像符号化装置の概略の構成を示すブロック図である。
この画像符号化装置は、入力画像信号S1 を入力し、そ
の情報量を削減するためのプリフィルタ部50と、この
プリフィルタ部50の出力信号を入力し、圧縮符号化の
ための前処理等を行うエンコーダ制御部11と、このエ
ンコーダ制御部11の出力データを所定時間だけ遅延し
て出力するためのFIFO(先入れ先出し)メモリ12
と、このFIFOメモリ12の出力データを入力し、ピ
クチャ毎にピクチャタイプに応じた符号化方法によって
圧縮符号化して、圧縮画像データS2 を出力する符号化
手段としてのエンコーダ13と、エンコーダ制御部11
の出力データに基づいて動きベクトルを検出し、エンコ
ーダ13に送る動き検出回路14と、エンコーダ制御部
11から出力されるイントラACデータS3 と動き検出
回路14から出力されるME残差データS4 とエンコー
ダ13から出力される発生ビット量データS5 とに基づ
いてエンコーダ13を制御する符号化制御部15と、こ
の符号化制御部15からのデータに基づいて、プリフィ
ルタ制御信号S6 によってプリフィルタ部50の特性を
制御するプリフィルタ制御部51とを備えている。図2
に示した画像符号化装置は、圧縮符号化する前の画像デ
ータの特徴に基づいて発生符号量の制御を行うフィード
フォワード型のレート制御を行うように構成されてい
る。
【0020】符号化制御部15およびプリフィルタ制御
部51は、図3に示すように、互いにバス19を介して
接続されたCPU(中央処理装置)16,ROM(リー
ド・オンリ・メモリ)17およびRAM(ランダム・ア
クセス・メモリ)18を有するコンピュータによって構
成され、CPU16が、RAM18をワーキングエリア
として、ROM17に格納されたプログラムを実行する
ことによって、後述する符号化制御部15およびプリフ
ィルタ制御部51における各機能を実現するようになっ
ている。ROM17は、本発明に係る画像符号化制御用
プログラムを記憶したものであり、IC(集積回路)で
も良いし、ハードディスク,フロッピィディスク等の磁
気ディスクを記録媒体とする記憶装置でも良いし、CD
(コンパクトディスク)−ROM等の光ディスクを記録
媒体とする記憶装置でも良いし、その他の種類の記録媒
体を用いる記憶装置でも良い。いずれの場合にも、IC
や種々の記録媒体は、本発明に係る画像符号化制御用プ
ログラムを記録した媒体に相当する。
【0021】図1は、図2に示した画像符号化装置の詳
細な構成を示すブロック図である。この図に示したよう
に、プリフィルタ部50は、空間方向についてのプリフ
ィルタとしての空間フィルタ52と、時間方向について
のプリフィルタとしての時間フィルタ53とを備え、入
力画像信号S1 は、空間フィルタ52,時間フィルタ5
3を順に通過するようになっている。空間フィルタ52
は空間方向のローパスフィルタからなり、具体的には、
例えばディジタルフィルタによって実現される。時間フ
ィルタ53は、時間方向のローパスフィルタからなり、
具体的には、例えば、空間フィルタ52の出力信号を1
フレーム分格納するフレームメモリ54と、空間フィル
タ52の出力信号とフレームメモリ54に格納された1
フレーム前の信号とを所定の重み付けK:(1−K)で
加算して出力する加算器55とで実現される。なお、K
は重み付け係数であり、0≦K≦1である。空間フィル
タ52は、フィルタ係数を変えることによって、通過帯
域幅等のフィルタの特性を変えることができるようにな
っている。同様に、時間フィルタ53は、重み付け係数
Kの値を変えることによって、通過帯域幅等のフィルタ
の特性を変えることができるようになっている。
【0022】エンコーダ制御部11は、プリフィルタ部
50の出力信号を入力し、符号化する順番に従ってピク
チャ(Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャ)の順番を
並べ替える画像並べ替え回路21と、この画像並べ替え
回路21の出力データを入力し、フレーム構造かフィー
ルド構造かを判別し、判別結果に応じた走査変換および
16×16画素のマクロブロック化を行う走査変換・マ
クロブロック化回路22と、この走査変換・マクロブロ
ック化回路22の出力データを入力し、Iピクチャにお
けるイントラACを算出し、イントラACデータS3
符号化制御部15に送ると共に、走査変換・マクロブロ
ック化回路22の出力データをFIFOメモリ12およ
び動き検出回路14に送るイントラAC演算回路23と
を備えている。イントラACとは、Iピクチャにおい
て、8×8画素のDCTブロック内の各画素の画素値と
DCTブロック内の画素値の平均値との差分の絶対値の
総和として定義され、絵柄の複雑さを表すものと言え
る。
【0023】エンコーダ13は、FIFOメモリ12の
出力データと予測画像データとの差分をとる減算回路3
1と、この減算回路31の出力データに対して、DCT
ブロック単位でDCTを行い、DCT係数を出力するD
CT回路32と、このDCT回路32の出力データを量
子化する量子化回路33と、この量子化回路33の出力
データを可変長符号化する可変長符号化回路34と、こ
の可変長符号化回路34の出力データを一旦保持し、一
定のビットレートのビットストリームからなる圧縮画像
データS2 として出力するバッファメモリ35と、量子
化回路33の出力データを逆量子化する逆量子化回路3
6と、この逆量子化回路36の出力データに対して逆D
CTを行う逆DCT回路37と、この逆DCT回路37
の出力データと予測画像データとを加算して出力する加
算回路38と、この加算回路38の出力データを保持
し、動き検出回路14から送られる動きベクトルに応じ
て動き補償を行って予測画像データを減算回路31およ
び加算回路38に出力する動き補償回路39とを備えて
いる。バッファメモリ35は、可変長符号化回路34よ
り発生されるビット量を表す発生ビット量データS5
符号化制御部15に送るようになっている。
【0024】動き検出回路14は、エンコーダ制御部1
1の出力データに基づいて、圧縮符号化の対象となるピ
クチャの注目マクロブロックと、参照されるピクチャに
おいて注目マクロブロックとの間の画素値の差分の絶対
値和あるいは自乗和が最小となるマクロブロックを探し
て、動きベクトルを検出して動き補償回路39に送るよ
うになっている。また、動き検出回路14は、動きベク
トルを求める際に、最小となったマクロブロック間にお
ける画素値の差分の絶対値和あるいは自乗和を、ME残
差データS4 として符号化制御部15に送るようになっ
ている。
【0025】符号化制御部15は、動き検出回路14か
らのME残差データS4 をピクチャ全体について足し合
わせた値であるME残差を算出するME残差計算部41
と、このME残差計算部41によって算出されたME残
差とイントラAC演算回路23からのイントラACデー
タS3 とに基づいて、ピクチャの符号化の難易度を表す
符号化難易度を算出する符号化難易度計算部42と、バ
ッファメモリ35からの発生ビット量データS5 に基づ
いて、本実施の形態に係る画像符号化装置によって圧縮
符号化された画像データを伸張する画像復号化装置にお
ける入力バッファに対応する仮想的なバッファであるV
BV(Video Buffering Verifier)バッファのデータ占
有量(以下、単に占有量と言う。)を算出するVBVバ
ッファ占有量計算部43とを備えている。なお、ME残
差は、映像の動きの速さおよび絵柄の複雑さを表すもの
と言える。
【0026】符号化制御部15は、更に、符号化難易度
計算部42によって算出された符号化難易度とVBVバ
ッファ占有量計算部43によって算出されたVBVバッ
ファの占有量とに基づいて、目標符号量を決定する目標
符号量決定部44と、エンコーダ13における発生符号
量が目標符号量決定部44によって決定された目標符号
量となるように量子化回路33における量子化特性値に
対応する量子化インデックスを決定し、量子化回路33
に送る量子化インデックス決定部45とを備えている。
【0027】プリフィルタ制御部51は、符号化制御部
15における符号化難易度計算部42によって算出され
た符号化難易度に基づいてプリフィルタ部50を制御す
るようになっている。
【0028】ここで、符号化難易度について説明する。
符号化難易度は、ピクチャの符号化の難易度を表すもの
であるが、これは、同じ画質を保つために必要なデータ
量の比率と言い換えることができる。符号化難易度を数
値化する方法は種々考えられるが、本実施の形態では、
IピクチャについてはイントラACを用いて符号化難易
度を求め、PピクチャおよびBピクチャについてはME
残差を用いて符号化難易度を求めることとしている。前
述のように、イントラACは絵柄の複雑さを表し、ME
残差は映像の動きの速さおよび絵柄の複雑さを表し、こ
れらは符号化の難易度と強い相関があることから、イン
トラACやME残差を変数とする一次関数等により、イ
ントラACやME残差から符号化難易度を算出すること
が可能である。
【0029】次に、符号化難易度に基づいてプリフィル
タ部50を制御する方法について概念的に説明する。本
実施の形態では、ビットレートに対する符号化難易度の
比率に基づいてプリフィルタ部50の特性を制御する第
1段階と、動き成分に基づいてプリフィルタ部50の特
性を制御する第2段階との2段階の制御を行う。
【0030】まず、第1段階について説明する。プリフ
ィルタ部50によって情報量を削減したいのは、絵柄が
複雑で空間的な高周波成分を多く含んでいたり、動き量
が多かったりランダムな動きをしたりする場合、すなわ
ち符号化難易度が大きい場合である。それ以外の絵柄に
対してプリフィルタを使用すると、空間フィルタによる
ぼけが生じたり、時間フィルタによるジャーキネス(動
きがぎこちないこと)等の副作用だけが目立ち、いいこ
とはない。
【0031】一方、上述のような符号化難易度が大きい
映像であっても、画像符号化装置におけるビットレート
が充分に高い場合、すなわち圧縮率が低い場合には、画
質の劣化は少ないので、プリフィルタを使用する必要は
なくなる。このように、プリフィルタを使用した方が良
いか否かは、符号化難易度だけでなく、ビットレートに
よっても変化する。
【0032】そこで、本実施の形態では、入力画像信号
の符号化難易度がビットレートに対してどれくらい大き
いかという情報に基づいて、プリフィルタ部50のオ
ン,オフ、通過帯域幅等のフィルタの特性の制御を行う
ようにしている。また、更に、符号化難易度に基づいて
プリフィルタ部50を制御するには、複数枚のピクチャ
における、ビットレートに対する符号化難易度の比率を
見ることが好ましい。これは、符号化難易度は、ピクチ
ャタイプによって変動するからである。そこで、本実施
の形態では、符号化難易度に基づいてプリフィルタ部5
0を制御するためのパラメータとして、次式によって定
義されるパラメータxを用いる。
【0033】x=ΣDk /G
【0034】なお、上式において、Dk はピクチャkの
符号化難易度を表し、kはピクチャの符号化順を表し、
Σはk=1からN(Nは1GOP(グループ・オブ・ピ
クチャ)分のピクチャの枚数)までの総和を意味する。
また、Gは次式によって定義される。
【0035】 G=(〔ビットレート〕×N)/〔ピクチャレート〕
【0036】なお、上式において、〔ビットレート〕
は、通信回線の伝送容量や記録媒体の記録容量に基づい
て決められる1秒当たりのデータ量(ビット量)を表
し、〔ピクチャレート〕は、1秒当たりのピクチャの枚
数(例えばNTSC圏では30、PAL圏では25)で
ある。従って、Gは、N枚分のピクチャに対応する時間
に割り当てられるデータ量(ビット量)を表し、xは、
N枚分のピクチャに対応する時間に割り当てられるデー
タ量(ビット量)に対するN枚分のピクチャの符号化難
易度Dk の和の比率を表す。なお、必ずしもN枚分のピ
クチャを用いてxを求める必要はなく、Nより大きい数
や小さい数の枚数分のピクチャを用いてxを求めるよう
にしても良い。ただし、Nよりもあまり大きい数をとる
と、パラメータxの精度が落ち、Nよりもあまり小さい
数をとるとパラメータxの変動が大きくなることに留意
する必要がある。
【0037】本実施の形態では、第1段階として、例え
ば上記のように定義されたパラメータxの大きさに応じ
て、プリフィルタ部50の特性を制御する。具体的に
は、例えば、パラメータxの大きさに応じて、空間フィ
ルタ52を実現するディジタルフィルタにおけるタップ
係数(フィルタ係数)を変えることによって、空間フィ
ルタ52の通過帯域幅等を変え、また、パラメータxの
大きさに応じて、時間フィルタ53における重み付け係
数Kの値を変えることによって、時間フィルタ53の通
過帯域幅等を変えることになる。
【0038】図4は、パラメータxの大きさと空間フィ
ルタ52の通過帯域幅との関係の一例を示したものであ
る。この図において、横軸はxの値、縦軸は空間フィル
タ52の通過帯域幅を表している。この例では、空間フ
ィルタ52の通過帯域幅を、スルー(そのまま通過;フ
ィルタのオフ),5.0MHz,4.5MHz,4.0
MHz,3.5MHzの5種類用意し、図4において符
号61(実線)で示したように、0≦x<δ1 のときは
スルー、δ1 ≦x<δ2 のときは5.0MHz、δ2
x<δ3 のときは4.5MHz、δ3 ≦x<δ4 のとき
は4.0MHz、δ4 ≦xのときは3.5MHzを選択
するようにしている。なお、δ1 <δ2<δ3 <δ4
ある。
【0039】次に、第2段階について説明する。上記第
1段階のように、パラメータxの値だけからプリフィル
タ部50の特性を決定した場合、人間の視覚特性によっ
て次のような不具合が生じる。すなわち、例えば細かい
模様の物体がゆっくりと動くような絵柄では、空間的な
高周波成分が大きいので、符号化難易度は大きくなり、
xの値も大きくなる。しかし、ここで、プリフィルタを
きつめにかけてしまう(通過帯域幅を狭してしまう)
と、細かい模様が失われる。ゆっくりとした動きに対し
ては人間の目は良く追従するので、このようなぼけはす
ぐに感知されてしまい、かえって復号化後の視覚的な画
質の印象を悪くする。
【0040】一方、動きが非常に速い映像については、
人間の視覚特性では、ぼけに対して気付きにくくなって
いる。従って、動きが速い映像であることが分かれば、
プリフィルタはきつめにかけた方が良い。これは、動き
が速い映像において高周波成分を表現しようとすると、
ブロック歪み等の顕著な画質劣化を引き起こすからであ
る。
【0041】このような考え方に基づき、本実施の形態
では、映像の動きの大きさを表す動き成分が大きい場合
にはプリフィルタをきつめにかけ、動き成分が小さい場
合にはプリフィルタを緩めにかけるという処理をリアル
タイムに実現することを考える。映像の動き成分を判断
するパラメータとしては、例えば、ME残差等に基づい
て算出した最新のBピクチャの符号化難易度DB と、イ
ントラAC等に基づいて算出した最新のIピクチャの符
号化難易度DI との比率y=DI /DB を用いる。動き
が大きい絵柄では、動き予測誤差が増えるし、動きベク
トル自体の符号量も増えるから、Bピクチャの符号量は
増え、その結果、y=DI /DB が小さくなる。そこ
で、本実施の形態では、第2段階として、yの値が小さ
いほど動き成分が大きいと判断して、プリフィルタをき
つめにかけるように、プリフィルタ部50を制御する。
このような制御は、例えば、第1段階で決定されたフィ
ルタ特性をyの値に応じて変更することで実現すること
ができる。
【0042】図4には、第1段階で決定された空間フィ
ルタ52の通過帯域幅を、yの値に応じて3段階に変更
する例を示している。この例では、y≧4の場合には第
1段階で決定された空間フィルタ52の通過帯域幅を変
更せず、3≦y<4のときは、符号62で示したよう
に、第1段階で決定された空間フィルタ52の通過帯域
幅を0.5MHzだけ狭くし、2≦y<3のときは、符
号63で示したように、第1段階で決定された空間フィ
ルタ52の通過帯域幅を1.0MHzだけ狭くし、y<
2のときは、符号64で示したように、第1段階で決定
された空間フィルタ52の通過帯域幅を1.5MHzだ
け狭くするようにしている。
【0043】次に、本実施の形態に係る画像符号化装置
の動作について説明する。入力画像信号S1 は、プリフ
ィルタ部50の空間フィルタ52,時間フィルタ53を
順に通過した後、エンコーダ制御部11に入力される。
エンコーダ制御部11では、まず、画像並べ替え回路2
1によって、符号化する順番に従ってピクチャ(Iピク
チャ,Pピクチャ,Bピクチャ)の順番を並べ替え、次
に、走査変換・マクロブロック化回路22によって、フ
レーム構造かフィールド構造かを判別し、判別結果に応
じた走査変換およびマクロブロック化を行い、次に、I
ピクチャの場合には、イントラAC演算回路23によっ
てイントラACを算出してイントラACデータS3 を符
号化制御部15に送る。また、走査変換・マクロブロッ
ク化回路22の出力データは、イントラAC演算回路2
3を経て、FIFOメモリ12および動き検出回路14
に送られる。
【0044】FIFOメモリ12は、符号化難易度計算
部42において、符号化が終了したピクチャに引き続く
N枚分のピクチャの符号化難易度を算出するのに必要な
時間だけ、入力した画像データを遅延して、エンコーダ
13に出力する。動き検出回路14は、動きベクトルを
検出して動き補償回路39に送ると共に、ME残差デー
タS4 をME残差計算部41に送る。
【0045】Iピクチャの場合には、エンコーダ13で
は、減算回路31において予測画像データとの差分をと
ることなく、FIFOメモリ12の出力データをそのま
まDCT回路32に入力してDCTを行い、量子化回路
33によってDCT係数を量子化し、可変長符号化回路
34によって量子化回路33の出力データを可変長符号
化し、バッファメモリ35によって可変長符号化回路3
4の出力データを一旦保持し、一定のビットレートのビ
ットストリームからなる圧縮画像データS2 として出力
する。また、逆量子化回路36によって量子化回路33
の出力データを逆量子化し、逆DCT回路37によって
逆量子化回路36の出力データに対して逆DCTを行
い、逆DCT回路37の出力画像データを加算回路38
を介して動き補償回路39に入力して保持させる。
【0046】Pピクチャの場合には、エンコーダ13で
は、動き補償回路39によって、保持している過去のI
ピクチャまたはPピクチャに対応する画像データと動き
検出回路14からの動きベクトルとに基づいて予測画像
データを生成し、予測画像データを減算回路31および
加算回路38に出力する。また、減算回路31によっ
て、FIFOメモリ12の出力データと動き補償回路3
9からの予測画像データとの差分をとり、DCT回路3
2によってDCTを行い、量子化回路33によってDC
T係数を量子化し、可変長符号化回路34によって量子
化回路33の出力データを可変長符号化し、バッファメ
モリ35によって可変長符号化回路34の出力データを
一旦保持し圧縮画像データS2 として出力する。また、
逆量子化回路36によって量子化回路33の出力データ
を逆量子化し、逆DCT回路37によって逆量子化回路
36の出力データに対して逆DCTを行い、加算回路3
8によって逆DCT回路37の出力データと予測画像デ
ータとを加算し、動き補償回路39に入力して保持させ
る。
【0047】Bピクチャの場合には、エンコーダ13で
は、動き補償回路39によって、保持している過去およ
び未来のIピクチャまたはPピクチャに対応する2つの
画像データと動き検出回路14からの2つの動きベクト
ルとに基づいて予測画像データを生成し、予測画像デー
タを減算回路31および加算回路38に出力する。ま
た、減算回路31によって、FIFOメモリ12の出力
データと動き補償回路39からの予測画像データとの差
分をとり、DCT回路32によってDCTを行い、量子
化回路33によってDCT係数を量子化し、可変長符号
化回路34によって量子化回路33の出力データを可変
長符号化し、バッファメモリ35によって可変長符号化
回路34の出力データを一旦保持し圧縮画像データS2
として出力する。なお、Bピクチャは動き補償回路39
に保持させない。
【0048】なお、バッファメモリ35は、可変長符号
化回路34より発生されるビット量を表す発生ビット量
データS5 を符号化制御部15に送る。
【0049】符号化制御部15では、符号化難易度計算
部42によって、イントラAC演算回路23からのイン
トラACデータS3 とME残差計算部41で算出したM
E残差より、符号化難易度を計算し、パラメータxを求
め、VBVバッファ占有量計算部43によってVBVバ
ッファの占有量を計算する。そして、目標符号量決定部
44によって、パラメータxとVBVバッファ占有量計
算部43によって算出されているVBVバッファの占有
量とに基づいて目標符号量を計算し、量子化インデック
ス決定部45に送り、量子化インデックス決定部45に
よって、エンコーダ13における発生符号量が目標符号
量決定部44によって決定された目標符号量となるよう
に量子化回路33における量子化特性値に対応する量子
化インデックスを決定し、量子化回路33に送る。
【0050】次に、図5の流れ図を参照して、プリフィ
ルタ部50の制御に関する動作について説明する。な
お、図5では、簡単のために、空間フィルタ52の制御
についてのみ示している。この動作では、まず、符号化
難易度計算部42によって、符号化難易度を計算し、パ
ラメータxを求める(ステップS101)。次に、プリ
フィルタ制御部51は、パラメータxの値に応じて、例
えば図4に示した関係に基づいて、第1段階として、プ
リフィルタ(ここでは空間フィルタ52)の通過帯域幅
を決める(ステップS102)。次に、プリフィルタ制
御部51は、IピクチャとBピクチャの符号化難易度の
比率yを計算し(ステップS103)、yの大きさを判
定し(ステップS104)、yの大きさに応じて以下の
処理を行う。すなわち、図4に示した例では、y≧4の
場合には第1段階で決定された通過帯域幅を変更せず、
3≦y<4のときは、第1段階で決定された通過帯域幅
を0.5MHzだけ狭くし(ステップS105)、2≦
y<3のときは、第1段階で決定された通過帯域幅を
1.0MHzだけ狭くし(ステップS106)、y<2
のときは、第1段階で決定された空間フィルタ52の通
過帯域幅を1.5MHzだけ狭くする(ステップS10
7)。次に、プリフィルタ制御部51は、以上のように
して決定された通過帯域幅になるように、プリフィルタ
(ここでは空間フィルタ52)の係数を設定し(ステッ
プS108)、メインルーチンにリターンする。以上の
動作は、各ピクチャ毎に行われる。
【0051】ここまでは、空間フィルタ52の制御につ
いて説明してきたが、時間フィルタ53の制御は、タッ
プ係数の代わりに重み付け係数Kによって行う他は、空
間フィルタ52の制御と同様である。なお、時間フィル
タの特性を表す場合、図4における通過帯域幅の代わり
に、縦軸には例えば重み付け係数Kをとる。Kの値が小
さいほどフィルタはきつめになる。
【0052】以上説明したように本実施の形態に係る画
像符号化装置によれば、入力画像信号をリアルタイムに
符号化しながら、入力画像の符号化難易度に応じてプリ
フィルタ部50の特性を適応的に制御することができる
ので、入力画像の符号化難易度が大きいときには情報量
を削減することによってブロック歪み等の目に付く歪み
を軽減することができ、入力画像の符号化難易度が小さ
いときには情報量の削減による画質の劣化を防止するこ
とができる。更に、本実施の形態に係る画像符号化装置
によれば、動き成分が大きいときにはプリフィルタをき
つめにかけ、動き成分が小さいときにはプリフィルタを
緩めにかけることができ、プリフィルタによるぼけに気
付かれにくくしながら、復号化後の視覚的な画質の印象
を向上させることができる。
【0053】図6は、本発明の第2の実施の形態に係る
画像符号化装置の構成を示すブロック図である。本実施
の形態に係る画像符号化装置は、MPEG方式の圧縮ア
ルゴリズムとして有名なTM5(test model 5;ISO/IEC
JTC/SC29(1993) )等で代表されるような、過去に圧縮
符号化して得られた発生符号量に基づいて発生符号量の
制御を行うフィードバック型のレート制御を行う構成の
例である。
【0054】この画像符号化装置は、入力画像信号S1
を入力し、その情報量を削減するためのプリフィルタ部
50と、このプリフィルタ部50の出力信号を入力し、
圧縮符号化のための前処理等を行うエンコーダ制御部1
1と、このエンコーダ制御部11の出力データを入力
し、ピクチャ毎にピクチャタイプに応じた符号化方法に
よって圧縮符号化して、圧縮画像データS2 を出力する
符号化手段としてのエンコーダ13と、エンコーダ制御
部11の出力データに基づいて動きベクトルを検出し、
エンコーダ13に送る動き検出回路14と、エンコーダ
13から出力される発生ビット量データS7 に基づいて
エンコーダ13を制御する符号化制御部75と、この符
号化制御部75からのデータに基づいて、プリフィルタ
制御信号S6 によってプリフィルタ部50の特性を制御
するプリフィルタ制御部51とを備えている。この画像
符号化装置において、符号化制御部75以外の構成は、
第1の実施の形態と同様である。
【0055】符号化制御部75は、エンコーダ13の可
変長符号化回路34から出力される発生ビット量データ
7 に基づいて符号化難易度を算出する符号化難易度計
算部46と、この符号化難易度計算部46によって算出
された符号化難易度に基づいて、目標符号量を決定する
目標符号量決定部44と、エンコーダ13における発生
符号量が目標符号量決定部44によって決定された目標
符号量となるように量子化回路33における量子化特性
値に対応する量子化インデックスを決定し、量子化回路
33に送る量子化インデックス決定部45とを備えてい
る。
【0056】なお、プリフィルタ制御部51は、符号化
制御部15における符号化難易度計算部46によって算
出された符号化難易度に基づいてプリフィルタ部50を
制御するようになっている。
【0057】本実施の形態では、符号化難易度計算部4
6で算出する符号化難易度として、符号化が終了したピ
クチャのグローバル・コンプレキシティ(Global Compl
exity )を用いている。なお、グローバル・コンプレキ
シティとは、画面の複雑さを示すパラメータであり、具
体的にはピクチャの圧縮符号化時の発生符号量とピクチ
ャの圧縮符号化時の平均量子化スケールコード(量子化
特性値)との積として求められる(例えば、オーム社発
行の「テレビジョン学会マルチメディア選書MPEG」
の第111ページ参照。)。
【0058】本実施の形態におけるその他の動作および
効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0059】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず、例えば、符号化難易度に基づいてプリフィルタ
部50を制御する際に、実施の形態で用いたパラメータ
xや比率y、あるいはグローバル・コンプレキシティの
他に、符号化難易度が増加傾向にあるのか減少傾向にあ
るのかという変化傾向の情報も加えて判定することで、
今後の入力画像の絵柄の難しさの予測精度を更に向上さ
せて、プリフィルタ部50の制御をより適切に行うこと
が可能となる。なお、符号化難易度の変化傾向の情報
は、例えば、時系列的に求まった符号化難易度を最小自
乗法等により直線近似し、その傾きから求めることがで
きる。この場合、符号化難易度の変化傾向の情報は、例
えば、符号化難易度計算部42,46において求める。
【0060】また、第1の実施の形態では、図2に示し
たように、エンコーダ13の他に別のエンコーダを設け
ることなく、圧縮符号化する前の画像データの特徴に基
づいて発生符号量の制御を行うフィードフォワード型の
レート制御を行う構成としたが、本発明は、圧縮符号化
後のデータ量を見積もるためにエンコーダ13とは別の
1パス目のエンコーダを設けて、この1パス目のエンコ
ーダによって圧縮符号化することによって見積もられた
データ量に基づいて2パス目のエンコーダ13における
発生符号量の制御を行うフィードフォワード型のレート
制御を行う構成にも適用することができる。この場合に
は、1パス目のエンコーダによって圧縮符号化すること
によって得られた発生符号量に基づいて符号化難易度を
求めることが可能である。
【0061】また、第2の実施の形態のようなフィード
バック型のレート制御を行う構成において、既に圧縮符
号化したピクチャの符号化難易度に基づいて、直線近似
等によって今後の数枚分のピクチャの符号化難易度を予
測し、この予測した符号化難易度に基づいてプリフィル
タ部50を制御するようにしても良い。
【0062】更に、フィードフォワード型のレート制御
を行う構成において直線近似等によって符号化難易度の
変化傾向を求める場合や、フィードバック型のレート制
御を行う構成において直線近似等によって今後の数枚分
のピクチャの符号化難易度を予測する場合において、シ
ーンチェンジ時には符号化難易度の連続性がなくなるの
で、シーンチェンジ時には、符号化難易度の変化傾向を
求める処理や符号化難易度を予測する処理をシーンチェ
ンジ前までで完結させ、シーンチェンジ後に新たに処理
を行うようにすれば、より精度が向上する。
【0063】また、言うまでもなく、図4はプリフィル
タの特性の一例を表したものでありプリフィルタの特性
は適宜に設定することができる。
【0064】また、符号化難易度は、実施の形態で挙げ
たイントラAC,ME残差,グローバル・コンプレキシ
ティ等を用いたものに限らず、ピクチャの符号化の難易
度を表すものであれば、他のパラメータでも良い。ま
た、動き成分を表すパラメータも、実施の形態で挙げた
比率y=DI /DB に限らず、入力画像データにおける
動きの大きさを表すものであれば、他のパラメータでも
良い。例えば、最新のPピクチャの符号化難易度DP
最新のIピクチャの符号化難易度DI との比率DI /D
P を用いても良い。
【0065】また、実施の形態ではプリフィルタ部50
が空間フィルタ52と時間フィルタ53の双方を有する
例を挙げたが、本発明は、プリフィルタとして空間フィ
ルタと時間フィルタのいずれか一方をのみを有する画像
符号化装置にも適用することができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし6
のいずれかに記載の画像符号化装置、請求項7ないし1
0のいずれかに記載の画像符号化制御方法または請求項
11ないし14のいずれかに記載の画像符号化制御用プ
ログラムを記録した媒体によれば、入力画像データの符
号化の難易度を表す符号化難易度を算出し、この符号化
難易度に応じて、プリフィルタの特性を制御するように
したので、リアルタイムに符号化しながら、入力画像の
特徴に応じてプリフィルタを適応的に使用することがで
き、入力画像の符号化難易度が大きいときには情報量を
削減することによって符号化歪みによる画質の劣化を軽
減することができ、入力画像の符号化難易度が小さいと
きには情報量の削減による画質の劣化を防止することが
できるという効果を奏する。
【0067】また、請求項5または6記載の画像符号化
装置、請求項9または10記載の画像符号化制御方法ま
たは請求項13または14記載の画像符号化制御用プロ
グラムを記録した媒体によれば、入力画像データにおけ
る動きの大きさを表す動き成分を算出し、符号化難易度
と動き成分とに応じてプリフィルタの特性を制御するよ
うにしたので、上記効果に加え、視覚的な画質の印象を
向上させることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像符号化装
置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像符号化装
置の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】図1における符号化制御部およびプリフィルタ
制御部を実現するコンピュータの構成を示すブロック図
である。
【図4】図1におけるプリフィルタ制御部の機能を説明
するための特性図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る画像符号化装
置におけるプリフィルタ部の制御に関する動作を示す流
れ図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像符号化装
置の構成を示すブロック図である。
【図7】プリフィルタを有する画像符号化装置の構成の
一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11…エンコーダ制御部、12…FIFOメモリ、13
…エンコーダ、14…動き検出回路、15…符号化制御
部、16…CPU、17…ROM、18…RAM、23
…イントラAC演算回路、31…減算回路、32…DC
T回路、33…量子化回路、34…可変長符号化回路、
35…バッファメモリ、36…逆量子化回路、37…逆
DCT回路、39…動き補償回路、41…ME残差計算
部、42…符号化難易度計算部、43…VBVバッファ
占有量計算部、44…目標符号量決定部、45…量子化
インデックス決定部、50…プリフィルタ、51…プリ
フィルタ制御部、52…空間フィルタ、53…時間フィ
ルタ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像データを圧縮符号化する符号化
    手段と、 この符号化手段の前段に設けられ、入力画像データの情
    報量を削減するためのプリフィルタと、 入力画像データの符号化の難易度を表す符号化難易度を
    算出する符号化難易度算出手段と、 この符号化難易度算出手段によって算出される符号化難
    易度に応じて、前記プリフィルタの特性を制御するプリ
    フィルタ制御手段とを備えたことを特徴とする画像符号
    化装置。
  2. 【請求項2】 前記プリフィルタは、空間的なローパス
    フィルタを含むことを特徴とする請求項1記載の画像符
    号化装置。
  3. 【請求項3】 前記プリフィルタは、時間的なローパス
    フィルタを含むことを特徴とする請求項1記載の画像符
    号化装置。
  4. 【請求項4】 前記プリフィルタ制御手段は、前記符号
    化手段の出力データに対して割り当てられる単位時間当
    たりのデータ量に対する符号化難易度の割合に基づい
    て、前記プリフィルタの特性を制御することを特徴とす
    る請求項1記載の画像符号化装置。
  5. 【請求項5】 入力画像データにおける動きの大きさを
    表す動き成分を算出する動き成分算出手段を更に備え、
    前記プリフィルタ制御手段は、前記符号化難易度と前記
    動き成分算出手段によって算出される動き成分とに応じ
    て、前記プリフィルタの特性を制御することを特徴とす
    る請求項1記載の画像符号化装置。
  6. 【請求項6】 前記動き成分算出手段は、動き成分とし
    て、最新の予測符号化画像の符号化難易度と最新のフレ
    ーム内符号化画像の符号化難易度との比率を算出するこ
    とを特徴とする請求項5記載の画像符号化装置。
  7. 【請求項7】 入力画像データを圧縮符号化する符号化
    手段と、この符号化手段の前段に設けられ、入力画像デ
    ータの情報量を削減するためのプリフィルタとを有する
    画像符号化装置を制御する画像符号化制御方法であっ
    て、 入力画像データの符号化の難易度を表す符号化難易度を
    算出する符号化難易度算出手順と、 この符号化難易度算出手順によって算出される符号化難
    易度に応じて、前記プリフィルタの特性を制御するプリ
    フィルタ制御手順とを備えたことを特徴とする画像符号
    化制御方法。
  8. 【請求項8】 前記プリフィルタ制御手順は、前記符号
    化手段の出力データに対して割り当てられる単位時間当
    たりのデータ量に対する符号化難易度の割合に基づい
    て、前記プリフィルタの特性を制御することを特徴とす
    る請求項7記載の画像符号化制御方法。
  9. 【請求項9】 入力画像データにおける動きの大きさを
    表す動き成分を算出する動き成分算出手順を更に備え、
    前記プリフィルタ制御手順は、前記符号化難易度と前記
    動き成分算出手順によって算出される動き成分とに応じ
    て、前記プリフィルタの特性を制御することを特徴とす
    る請求項7記載の画像符号化制御方法。
  10. 【請求項10】 前記動き成分算出手順は、動き成分と
    して、最新の予測符号化画像の符号化難易度と最新のフ
    レーム内符号化画像の符号化難易度との比率を算出する
    ことを特徴とする請求項9記載の画像符号化制御方法。
  11. 【請求項11】 入力画像データを圧縮符号化する符号
    化手段と、この符号化手段の前段に設けられ、入力画像
    データの情報量を削減するためのプリフィルタとを有す
    る画像符号化装置を、コンピュータによって制御するた
    めの画像符号化制御用プログラムを記録した媒体であっ
    て、 入力画像データの符号化の難易度を表す符号化難易度を
    算出する符号化難易度算出手順と、 この符号化難易度算出手順によって算出される符号化難
    易度に応じて、前記プリフィルタの特性を制御するプリ
    フィルタ制御手順とをコンピュータに実行させるための
    画像符号化制御用プログラムを記録した媒体。
  12. 【請求項12】 前記プリフィルタ制御手順は、前記符
    号化手段の出力データに対して割り当てられる単位時間
    当たりのデータ量に対する符号化難易度の割合に基づい
    て、前記プリフィルタの特性を制御することを特徴とす
    る請求項11記載の画像符号化制御用プログラムを記録
    した媒体。
  13. 【請求項13】 前記画像符号化制御用プログラムは、
    更に、入力画像データにおける動きの大きさを表す動き
    成分を算出する動き成分算出手順をコンピュータに実行
    させ、前記プリフィルタ制御手順は、前記符号化難易度
    と前記動き成分算出手順によって算出される動き成分と
    に応じて、前記プリフィルタの特性を制御することを特
    徴とする請求項11記載の画像符号化制御用プログラム
    を記録した媒体。
  14. 【請求項14】 前記動き成分算出手順は、動き成分と
    して、最新の予測符号化画像の符号化難易度と最新のフ
    レーム内符号化画像の符号化難易度との比率を算出する
    ことを特徴とする請求項13記載の画像符号化制御用プ
    ログラムを記録した媒体。
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