JPH10106077A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正逆両方向に選択的に磁気テープを駆動して
再生する磁気記録再生装置において、逆方向再生時にお
いても、キャプスタンに所定の高さ位置で磁気テープが
導入される構成を提供する。 【解決手段】 キャプスタン８と巻取リール３４間に、
磁気テープ１１と接し、その高さ位置を規制する移動ガ
イドポスト１を前記磁気テープ１１に離接する方向に予
め定められた範囲で移動可能に配置するとともに、その
移動ガイドポスト１に、磁気テープの正方向駆動時に
は、通常記録再生時のテープテンションより小さい弾性
付勢力をバネ７により前記移動ガイドポスト１が前記磁
気テープに当接する方向に加え、逆方向再生時には、逆
方向再生時のテープテンションより大きい弾性付勢力を
バネ５により前記移動ガイドポスト１が前記磁気テープ
に当接する方向に加える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープレコ
ーダー（ＶＴＲ）やテープレコーダーにおいて、磁気テ
ープ駆動手段と巻取リールの間に磁気テープと接して、
その磁気テープの高さ位置を規制する移動可能なポスト
を有する磁気記録再生装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来ＶＴＲのテープ走行径路を示
す平面図であり、テープカセット１０内の供給リール２
１より導出された磁気テープ１１は、第一の固定ポスト
２２，テープテンション制御ポスト２３，消去ヘッド２
４、第一の回転ポスト２５，傾斜ポスト２６，回転ヘッ
ドシリンダ２７、傾斜ポスト２８、第二の回転ポスト２
９，音声・コントロール信号用磁気ヘッド３０、第二の
固定ポスト３１，キャプスタン８，移動ガイドポスト１
を介して巻取リール３４に導かれている。なお、前記キ
ャプスタン８は、テープカセット１０の前面に形成され
た切欠部１０ａに位置しており、９はそのキャプスタン
８に接離可能なピンチローラである。

【０００３】そして、前記消去ヘッド２４、回転ヘッド
シリンダ２７、音声・コントロール用磁気ヘッド３０お
よびキャプスタン８には、常に記録再生時には所定のテ
ープ走行高さ位置で磁気テープ１１が当接するように、
走行するテープの高さ位置を規制するために、前記第一
の回転ポスト２５、第二の回転ポスト２９、第二の固定
ポスト３１には、テープの高さ位置を規制する鍔付きポ
ストが使用されている。

【０００４】また、キャプスタン８によりテープを逆方
向に駆動して再生するＲＥＶ時に、常に所定のテープ走
行高さ位置でキャプスタン８に磁気テープ１１が導入さ
れるように、移動ガイドポスト１にも高さ位置を規制す
る鍔付きポストが使用されている。図６は前記移動ガイ
ドポスト１の駆動機構のテープ停止状態の平面図を、図
７はその逆方向再生状態を、図８はその正方向記録再生
状態を示す平面図であり、図６において、前記移動ガイ
ドポスト１は、基板（図示せず）に設けられたピン３を
回動中心として矢印Ａ，Ｂ方向に回動し、一端をバネ１
２によって前記矢印Ａ方向に付勢されたアーム２の先端
に植設されている。なお、前記バネ１２の他端は前記基
板の係合部１４に係合されている。

【０００５】また、６は前記ピン３と係合するガイド溝
６ａを有し、他の駆動源（図示せず）によって矢印Ｃ，
Ｄ方向に可逆的に摺動移動される摺動レバーであり、前
記アーム２の他端部に植設されたピン４と係合して摺動
レバー６の摺動に応じて前記アーム２を回動させるカム
溝６ｂを有している。

【０００６】図６のテープ停止状態から図７の逆方向再
生状態への移行の動作について説明する。図６におい
て、摺動レバー６がＣ方向に移動され、アーム２がＡ方
向に回動する動作に連動して、他の駆動機構によりピン
チローラ９が矢印方向に回動してキャプスタン８に圧着
することで、まず図８に示す正方向再生状態になる。そ
の後、磁気記録テープ１１は所定の張力を維持してＦ方
向に若干走行して停止する。この状態では、前記移動ガ
イドポスト１はテープ停止状態の位置から若干Ａ方向に
突出した第一の位置に停止するが、前記磁気テープ１１
の前記移動ガイドポスト１への巻き付け角が小さいため
テープに対する規制力は小さい。

【０００７】次に、この状態から前記摺動レバー６がさ
らにＣ方向に移動し、カム溝６ｂによって前記アーム２
はさらにＡ方向へと回動して移動ガイドポスト１はＡ方
向に最も突出した第二の位置に停止する。従って前記磁
気テープ１１の前記移動ガイドポスト１に巻き付く角度
が増加することにより前記磁気テープ１１への規制力が
増加し、前記磁気テープ１１が逆方向に走行した場合に
は前記キャプスタン８におけるテープ姿勢を安定せしめ
る。そしてキャプスタン８が反時計方向に回転を開始す
ることで磁気テープ１１がＥ方向に走行して逆方向再生
が始まる。

【０００８】逆方向再生から正方向再生への移行は、図
７の状態より前記摺動レバー６がＤ方向に移動し前記ア
ーム２がＢ方向へと回動して前記移動ガイドポスト１は
前記第一の位置へと移動、停止して移行が完了する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】このようにキャプスタ
ンと巻取リールの間にテープの走行方向によって位置を
移動することが可能な移動ガイドポストを備える磁気記
録再生装置において、正方向再生から逆方向再生に移動
ガイドポストが移動するとき、前記移動ガイドポストが
磁気テープの張力に抗して矢印Ａ方向にテープを引き出
すため、巻取リールの回転抵抗が大きい等の理由でテー
プ張力が過大になった場合、磁気テープにダメージが生
じたり、アームや摺動レバーの係合部が変形する等の問
題があった。

【００１０】さらに、逆方向再生状態から正方向再生状
態に移動するとき、前記移動ガイドポストは第二の位置
から第一の位置へと移動し磁気テープのテープパス系の
長さが短縮されることから、前記磁気テープにたるみが
発生する。従って、巻取リールが巻取りを開始したとき
に、衝撃的に磁気テープのテンションが増加し、テープ
ダメージが発生するという問題があった。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の磁気記録再生装置は、記録再生磁気ヘッ
ド、その磁気ヘッドの前面を走行する磁気テープの高さ
位置を規制するガイドポスト、前記磁気テープを正逆両
方向に選択的に駆動可能なキャプスタンとピンチローラ
とよりなるテープ駆動手段、前記テープ駆動手段により
正方向に駆動される磁気テープを順次巻取る巻取リール
とを磁気テープの走行方向に対してこの順序で有する磁
気記録再生装置において、前記テープ駆動手段と巻取リ
ールの間に、磁気テープと接し、その高さ位置を規制す
る移動ガイドポストを前記磁気テープの走行経路を横断
する方向に予め定められた範囲で移動可能に配置すると
共にその移動ガイドポストに、前記テープ駆動手段によ
る正方向駆動の通常記録再生時には、予め定められた通
常記録再生時のテープテンションより小なる弾性付勢力
を前記移動ガイドポストが前記磁気テープに当接する方
向に加え、前記テープ駆動手段による逆方向駆動の逆方
向再生時には、予め定められた逆方向再生時のテープテ
ンションより大なる弾性付勢力を前記移動ガイドポスト
が前記磁気テープに当接する方向に加えることを特徴と
するものである。

【００１２】本発明によれば、モード移行時に磁気テー
プの耐えうる強度以上の力で磁気テープを引き出した
り、磁気テープから離れて移動ガイドポストだけが移動
する従来の構成に対し、常時磁気テープの張力前後の力
で移動ポストが磁気テープに接することができるため、
モード移行時に発生する移動ポストと磁気テープ接触部
でのテープダメージを防止することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】

（実施の形態）以下に、本発明の請求項１に記載された
発明の実施の形態について、図１から図４を用いて説明
する。なお、前述した従来例と同一の機能を有する部品
には同一の符号を付している。

【００１４】図１は磁気テープ１１のテープ停止状態を
示しており、１はアーム２に植設された移動ガイドポス
トであり、前記アーム２は、基板（図示せず）に植設さ
れたピン３を回動中心として矢印Ａ，Ｂ方向に回動可能
に支持されており、前記ピン３によって位置決めされた
つるまきバネ５の一端が係合部２ａに係合固定されてい
る。前記バネ５の他端は駆動源（図示せず）によって可
逆的に摺動する摺動レバー６のバネ掛け部６ｃと係合し
ている。

【００１５】前記バネ掛け部６ｃは図２に最も明瞭に示
すように、摺動レバー６の摺動方向に伸びた開口よりな
り、この開口にバネ５の先端が挿入されている。従っ
て、摺動レバー６が矢印Ｃ方向にある位置まで移動され
たときはじめて前記バネ５が、アーム２に矢印Ａ方向の
弾性付勢力を与えるように構成されている。このときの
前記バネ５の付勢力は、磁気テープ１１の逆方向再生時
の張力によって前記移動ガイドポスト１が受ける力より
若干大きい力を発生させるように設定されている。

【００１６】７は一端を前記アーム２の穴２ｂに係合さ
れ、他端を基板に設けられた係合部１３に係合されたバ
ネであり、常時矢印Ａ方向に前記アーム２を付勢する。
このバネ７の付勢力は磁気テープ１１の正方向再生時の
張力によって前記移動ガイドポスト１が押し戻される力
より若干小さな押し圧を発生させるように設定されてい
る。

【００１７】上記の構成において、図１の磁気テープ停
止状態では、前記アーム２は前記摺動レバー６のカム部
６ｂ左端にて強制的にその位置が決められており、バネ
５およびバネ７による付勢は影響しない。

【００１８】磁気テープの正方向再生時を示したのが図
２の要部拡大図と図４の平面図である。前記磁気テープ
停止状態から正方向再生状態へのモード移行は、図１の
状態より前記摺動レバー６がＣ方向に所定量移動し、係
合ピン４がカム部６ｂから規制を受けなくなると共に、
前記アーム２はバネ７の付勢力によってＡ方向に回動を
始める。その後磁気テープ１１がキャプスタン８とピン
チローラ９および巻取リール（図示せず）によって正方
向に走行し始め所定のテンションを有すると、移動ガイ
ドポスト１がそのテンションを受けることによって前記
アーム２が矢印Ｂ方向に押されて前記バネ７の付勢力と
釣り合う位置で停止する。

【００１９】次に、磁気テープ１１の正方向再生から逆
方向再生のモード移行、即ち、図４から図３の状態にな
る場合について説明する。図４の移動ガイドポスト１は
テープカセット１０より若干Ａ方向に突出した第一の位
置にあり、逆方向再生モードである第二の位置に達する
ためには、前記移動ガイドポスト１がさらにＡ方向へ移
動しなければならない。そこで、前記摺動レバー６がさ
らに矢印Ｃ方向に所定の量だけ摺動し、バネ掛け部６ｃ
の右端が前記バネ５の一端と係合することにより前記ア
ーム２を矢印Ａ方向に回転せしめ、係合ピン４がカム部
６ｂの側壁に当接して前記アーム２および前記移動ガイ
ドポストを第二の位置に固定する。この状態における前
記バネ５の付勢力は、前記磁気テープ１１が逆再生方
向、すなわち、矢印Ｅ方向に走行するときに有する張力
によって前記移動ガイドポスト１が押される力より若干
大きい力に、さらに前記磁気テープ１１にテープダメー
ジが発生する程度の押し圧より小さい力に設定されてい
る。このため、前記モード移行中に何らかの不具合によ
って磁気テープ１１の引出しができず、アーム２のＡ方
向への回動力が原因でテープダメージが生じるような場
合でも、前記バネ５が前記摺動レバー６の動きを吸収し
磁気テープ１１に上記設定した力以上には力を加えない
ことからテープダメージを防止することができる。

【００２０】逆方向再生から正方向再生のモード移行、
即ち、図３から図４の状態になる場合について説明す
る。前記移動ガイドポスト１が第二の位置から第一の位
置に移動するために、前記摺動レバー６が矢印Ｄ方向に
移動、バネ掛け６ｃからバネ５が実質的に離脱し前記ア
ーム２は前記バネ７の付勢力によってのみ規制される状
態となる。その後、前記磁気記録テープ１１が矢印Ｆで
示す正方向に走行することにより、そのテープ張力に押
されて矢印Ｂ方向に前記アーム２が回動し、前記テープ
張力と釣り合う位置で回動を停止する。

【００２１】この構成により、前記アーム２はモード切
り替え時に常に磁気記録テープ１１とガイドポスト１が
前記バネ７の付勢力による軽い押し圧で接触しながら前
記ガイドポスト１が移動するため、従来のように磁気テ
ープ１１からガイドポスト１が離れてたるみを生じた
り、その後テープの張力が上昇した際に、前記ガイドポ
スト１と前記磁気記録テープ１１が衝撃的に当接するこ
とによって発生するテープダメージを防止することがで
きる。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、磁気テー
プに当接するガイドポストを有するアームをバネ等の弾
性体を介して回動させることで、磁気テープの正逆方向
再生のモード移行時に発生し易いテープダメージや機構
の変形を防ぐという有利な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置
のテープ停止状態の要部平面図

【図２】同実施の形態における磁気記録再生装置の要部
拡大斜視図

【図３】同実施の形態における磁気記録再生装置の逆方
向再生状態の要部平面図

【図４】同実施の形態における磁気記録再生装置の正方
向再生状態の要部平面図

【図５】従来のＶＴＲのテープ走行径路を示す平面図

【図６】従来例における磁気記録再生装置のテープ停止
状態の要部平面図

【図７】従来例における磁気記録再生装置の逆方向再生
状態の要部平面図

【図８】従来例における磁気記録再生装置の正方向再生
状態の要部平面図

【符号の説明】

１ 移動ガイドポスト ２ アーム ３ ピン ５，７ バネ ６ 摺動レバー ８ キャプスタン ９ ピンチローラ １１ 磁気テープ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録再生磁気ヘッド、その磁気ヘッドの前
   面を走行する磁気テープの高さ位置を規制するガイドポ
   スト、前記磁気テープを正逆両方向に選択的に駆動可能
   なキャプスタンとピンチローラとよりなるテープ駆動手
   段、前記テープ駆動手段により正方向に駆動される磁気
   テープを順次巻取る巻取リールとを磁気テープの走行方
   向に対してこの順序で有する磁気記録再生装置におい
   て、前記テープ駆動手段と巻取リールの間に、磁気テー
   プと接し、その高さ位置を規制する移動ガイドポストを
   前記磁気テープの走行経路を横断する方向に予め定めら
   れた範囲で移動可能に配置すると共に、その移動ガイド
   ポストに、前記テープ駆動手段による正方向駆動の通常
   記録再生時には、予め定められた通常記録再生時のテー
   プテンションより小なる弾性付勢力を前記移動ガイドポ
   ストが前記磁気テープに当接する方向に加え、前記テー
   プ駆動手段による逆方向駆動の逆方向再生時には、予め
   定められた逆方向再生時のテープテンションより大なる
   弾性付勢力を前記移動ガイドポストが前記磁気テープに
   当接する方向に加えることを特徴とする磁気記録再生装
   置。