JPH10105707A - 画像照合装置 - Google Patents

画像照合装置

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JPH10105707A
JPH10105707A JP8274090A JP27409096A JPH10105707A JP H10105707 A JPH10105707 A JP H10105707A JP 8274090 A JP8274090 A JP 8274090A JP 27409096 A JP27409096 A JP 27409096A JP H10105707 A JPH10105707 A JP H10105707A
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image
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system control
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JP8274090A
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Akihito Nakayama
明仁 中山
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像照合装置に関し、例えば指紋照合装置に適
用して、全体構成を簡略化する。 【解決手段】1の画像より切り出した線状の画像を記憶
手段に記憶し、この記憶した線状の画像により他の画像
を照合することにより、小容量の記憶手段によっても、
この線状画像の画像データを記録できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像照合装置に関
し、例えば指紋照合装置に適用することができる。本発
明は、この画像照合装置において、記憶手段に、線状の
画像を記録し、この線状の画像を基準にして、検査対象
の画像を判定することにより、簡易な構成で画像照合す
ることができるようにする。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の画像照合装置でなる指紋
照合装置においては、撮像手段を介して得られた指紋の
画像より、指紋の分岐、点、切れ等の特徴的な部分(以
下、特徴点と呼ぶ)を抽出することにより、この特徴点
を基準にして指紋を照合するようになされている。
【0003】すなわち従来の指紋照合装置においては、
例えば各指紋の特徴点とその座標値を基準にして、予め
照合する指紋をデータベース化する。これに対して検査
対象でなる指紋の画像を画像処理し、特徴点を抽出す
る。さらに抽出した特徴点によりデータベースをアクセ
スし、これにより対応する特徴点の有無により指紋照合
するようになされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の指紋照
合においては、特徴点の抽出に時間を要し、その分照合
に時間を要する欠点がある。短時間で、確実に指紋照合
することができれば、この種の指紋照合装置の使い勝手
を向上でき、便利であると考えられる。
【0005】この欠点を解決する1つの方法として、特
徴点による指紋照合に代えて、画像データにより指紋照
合する方法が考えられる。この方法によれば、特徴点の
抽出に要する時間を省略し、その分照合に要する時間を
短縮できると考えられる。
【0006】ところがこのようにして画像データにより
指紋照合する場合には、指紋の画像によりデータベース
を構築する必要があり、その分データベースの構成が大
型化する。従って大容量の記憶手段が必要になり、その
分全体構成が煩雑になる問題がある。
【0007】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、簡易な構成で指紋等の画像を照合することができる
画像照合装置を提案しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、第1の画像より切り出した線状の
画像の画像データを所定の記憶手段に記憶する。さらに
この記憶手段に記憶した画像データと、第2の画像の画
像データとの比較処理により、一致又は不一致を判定す
る。
【0009】第1の画像より切り出した線状の画像によ
れば、小容量の記憶手段によっても、第1の画像を記憶
することができる。従ってこの記憶手段に記憶した画像
データと、第2の画像の画像データとの比較処理によ
り、一致又は不一致を判定すれば、その分簡易な構成に
より、第1の画像に対する第2の画像の一致、不一致を
判定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本
発明の実施の形態を詳述する。
【0011】(1)実施例の構成 (1─1)全体構成 図1は、本発明の実施の形態に係る指紋照合装置の全体
構成を示すブロック図である。この指紋照合装置1にお
いては、キー入力部2を介して入力されるユーザーの操
作に応動してシステム制御回路3により全体の動作を制
御することにより、所定のユーザーについて、事前に、
指紋データ入力部4を介して指紋データD1を取り込
み、この取り込んだ指紋データD1を種々のユーザーデ
ータと共にメモリに登録して指紋データベース5を構築
する。
【0012】これに対してユーザーが指紋照合の要求を
入力すると、指紋データ入力部4を介して検査対象の指
紋データD2を取り込み、この取り込んだ指紋データD
2を検査指紋メモリ6に一時保持する。さらにキー入力
部2を介して入力されるユーザーの操作に応動して、検
査指紋メモリ6に一時保持した指紋データD2と、指紋
データベース5に登録された対応する指紋データD1と
を照合率検出部7に入力する。さらにこれら指紋データ
D1及びD2間の一致の程度を検出し、システム制御回
路3において、この一致の程度に応じて指紋の一致不一
致を判断する。
【0013】これにより指紋照合装置1は、データベー
ス化されて、ユーザーの入力したユーザーIDにより特
定される指紋データD1と、指紋データ入力部4を介し
て入力される指紋データD2とが一致するか否か判断す
ることにより、指紋照合を要求したユーザーが該当する
人物か否か判断し、判断結果を出力する。またこの一致
の程度に応じて、必要に応じて指紋データベース5の更
新処理等を実行し、照合結果を記録する。なお指紋照合
装置1においては、表示部8を介してユーザーにメッセ
ージを通知し、これにより必要な指示をユーザーに通知
して、例えばユーザーIDの入力等を促すようになされ
ている。
【0014】(1−2)指紋データ入力部 図2は、指紋データ入力部を示すブロック図である。こ
の指紋データ入力部4においては、光学系を介して、所
定の指載置位置に保持されたユーザーの指より指紋を撮
像し、この撮像結果より指紋データD1及びD2を生成
する。
【0015】ここでこの光学系は、指紋を採取する指を
底面に載置可能に保持された二等辺三角形プリズム11
と、この二等辺三角形プリズム11の斜面より底面を照
明する光源12と、底面で反射された光源12の照明光
を残る斜面より撮像するCCDカメラ13とにより構成
される。なお光源12は、発光ダイオードアレイ等によ
り構成される。
【0016】これによりこの光学系は、二等辺三角形プ
リズム11の底面に皮膚が接触していない部分について
は、光源12から射出された照明光を底面により全反射
してCCDカメラ13に導き、これとは逆に、二等辺三
角形プリズム11の底面に皮膚が接触している部分につ
いては、底面において照明光を乱反射してCCDカメラ
13へ照明光が入射しないようにする。その結果この光
学系は、図3に示すように、指紋の模様に対応した明暗
の画像をCCDカメラ13よりビデオ信号SVの形式で
出力するようになされている。
【0017】なおこの実施の形態において、CCDカメ
ラ13は、4:3のアスペクト比により、指の先端から
付け根方向が撮像結果の水平方向になるように、指を撮
像する。この場合、指の周囲の空白部分については、何
ら二等辺三角形プリズム11の底面に貼り着かないこと
により、高輝度レベルで撮像されることになる。
【0018】比較回路14は、このビデオ信号SVを2
値化して2値化信号S1を出力する。ラッチ回路18
は、タイミングジェネレータ(TG)19より出力され
るクロックを基準にしてこの2値化信号S1をCCDカ
メラ13の各画素に対応したタイミングでサンプリング
し、1ビットの画像データDV1を出力する。間引き回
路20は、この画像データDV1を間欠的に取り込むこ
とにより、一定の割合で間引きして出力し、シリアルパ
ラレル変換回路(S/P)21は、この2ビットの画像
データDV1を8バイト単位で取り込んで間欠的に出力
することにより、1ビット×8バイトの画像データDV
1を8ビット×1バイトの指紋データD1又はD2に変
換してデータバスBUSに出力する。
【0019】(1−2−1)光量補正 ここで比較回路14は、基準電圧生成回路15より出力
される基準電圧REFを基準にして2値化信号S1を生
成し、この実施の形態ではこの基準電圧REFにより光
学系の光量ムラを補正する。
【0020】すなわち図4に1水平走査期間を基準にし
て示すように、このような光学系に光量のムラがある場
合、撮像結果でなるビデオ信号SVにおいては、この光
量ムラにより信号レベルが変化し(図4(A))、これ
により一定の基準電圧SLにより2値化したのでは、一
般に光量の低下する周辺部で、信号レベルの立ち上がる
期間が短くなるように2値化信号S1が生成される(図
4(B))。すなわち正しく2値化信号を生成すること
が困難になり、その分指紋の照合精度も劣化することに
なる。
【0021】このためこの実施の形態では、何ら指紋の
撮像しない状態でビデオ信号SVの信号レベルを検出す
ることにより(図4(C))、この光学系により光量ム
ラを検出する。さらにこの検出した信号レベルを所定値
だけ0レベル側にオフセットさせて基準電圧REFを設
定し、この基準電圧REFにより2値化信号を生成する
(図4(D)及び(E))。これにより指紋照合装置1
においては、光量ムラを補正して、指紋照合精度を向上
するようになされている。また待機状態におけるこの基
準電圧REFと撮像結果との比較結果に基づいて、指載
置位置の汚れ、光源12の劣化を検出して警告を発する
ようになされ、これによっても指紋照合精度を向上する
ようになされている。
【0022】具体的に、この実施の形態では、図5に示
すように、間引き回路20より出力される画像を、水平
方向及び垂直方向に、8画素単位で等間隔に分割し、こ
れにより複数のセグメントを形成する。基準電圧生成回
路15は、各セグメントの基準データを保持するラッチ
回路と、各ラッチ回路の基準データを対応するタイミン
グでディジタルアナログ変換処理して出力するディジタ
ルアナログ変換回路により構成され、これにより各セグ
メントで対応する基準電圧REFを出力する。
【0023】ここでこの基準データは、工場出荷時、こ
のCCDカメラ13より出力されるビデオ信号SVの信
号レベルを検出して、この信号レベル検出結果より光量
補正メモリ16に事前に登録される。さらに電源起動
時、システム制御回路3により基準電圧生成回路15に
セットされる。これにより指紋照合装置1では、図6に
示すように、例えばX方向について、中心より周囲の部
分でビデオ信号SVの光量が不足している場合、この光
量の変化に対応するように基準電圧REFを切り換え、
光量ムラを有する簡易な構成の光学系によっても、指紋
の凹凸に対応して撮像結果を正しく2値化できるように
なされている。
【0024】かくするにつき光量補正メモリ16は、光
量補正用の基準データを保持する不揮発性のメモリによ
り構成されるようになされている。
【0025】(1−2−2)しきい値の補正 ところでこのように二等辺三角形プリズム11に指を載
置する場合、底面に対する指の押圧力により皮膚の接触
面積が変化することになる。これによりビデオ信号SV
においては、この押圧力により全体の信号レベルが変化
することになる。すなわち図7に示すように、押圧力が
大きい場合は、黒レベルの範囲が増大するように、全体
の信号レベルが低下し(図7(A))、これとは逆に押
圧力が小さい場合は、白レベルの範囲が増大するよう
に、全体の信号レベルが増大することになる(図7
(B))。また発汗の程度によっても同様の現象が発生
する。これにより指紋照合装置1では、押圧力等に応じ
て、2値化信号S1が変化し、この2値化信号S1より
得られる指紋照合結果が変化することになる。
【0026】比較回路14は、システム制御回路3によ
り基準電圧生成回路15にセットされる光量補正用の基
準データが、しきい値補正メモリ24に格納された補正
データにより補正されることにより、撮像結果に応じ
て、セグメント単位で基準電圧REFが補正され、これ
により押圧力、二等辺三角形プリズム11の表面状態等
が変化しても正しく2値化信号S1を出力できるように
なされている。
【0027】ここでこのしきい値補正メモリ24に格納
される補正データは、データバスBUSに出力される指
紋データD1を選択的にシステム制御回路3に入力し、
このシステム制御回路3において、この指紋データD1
の論理レベルを検出して2値化信号S1の信号レベルが
立ち下がる期間T1が、全体の期間T2に対して30〜
70〔%〕の範囲に収まるように(図7(C))、指紋
データD1の測定結果に基づいて設定される。
【0028】比較回路14においては、この補正データ
により補正された基準電圧REFにより2値化信号S1
を出力し、この2値化信号S1において、さらにしきい
値補正メモリ24の内容が更新され、この一連の処理が
繰り返されて、期間T1及びT2の総和が各セグメント
で一定範囲内に収まると、しきい値補正メモリ24の更
新処理が終了する。
【0029】これにより指紋照合装置1においては、各
セグメント毎にしきい値でなる基準電圧REFの信号レ
ベルを最適値に設定し、指の押圧力等が変化しても、正
しい照合結果を出力できるようになされている。
【0030】(1−2−3)しきい値の切り換え 指紋照合装置1においては、このようにして基準電圧R
EFが設定されると、指紋データベース5又は検査指紋
メモリ6への指紋データD1、D2の取り込みが開始さ
れ、比較回路14においては、図8に示すように、光量
補正メモリ16の基準データにより決まる基準電圧RE
Fにより2値化信号S1を出力した後(図8(A)及び
(B1))、この基準電圧REFに対して所定電圧だけ
正側及び負側に変移してなる第1及び第2の基準電圧R
EF1及びREF2により順次2値化信号S1を出力す
る(図8(A)、(B2)及び(B3))。なおこの図
8においては、基準電圧REFにより光量ムラを補正し
ていない場合を示す。
【0031】ここでこの基準電圧REFの切り換えは、
システム制御回路3により、光量補正メモリ16の基準
データが、しきい値補正メモリ24の内容により補正さ
れた状態で、さらに所定値だけ補正されて、基準電圧生
成回路15に改めてセットされることにより実行され
る。これにより指紋照合装置1では、指の押圧力、二等
辺三角形プリズム11の表面状態の変化等による照合精
度の劣化を有効に回避し、正しい照合結果を出力できる
ようになされている。
【0032】(1−2−4)指紋データの出力 このようにして指紋データD1及びD2を出力するにつ
き、タイミングジェネレータ19は、ビデオ信号SVを
基準にして、この指紋照合装置1の各種クロック等を生
成し、システム制御回路3からの指示により、間引き回
路20に出力するクロックの周期を切り換える。これに
より間引き回路20においては、指紋データD1、D2
の採取対象でなる指の大きさに応じて間引き率を切り換
えるようになされ、指紋照合装置1においては、指が小
さい場合には、画像データDV1より間引き率を低減し
て指紋データD1、D2を生成し、確実に指紋照合でき
るようになされている。
【0033】(1−2−5)脈波検出部 脈波検出部22は、指載置位置の側方に配置された圧力
センサ23と、この圧力センサ23の検出結果をシステ
ム制御回路3に出力する周辺回路とにより構成される。
ここで圧力センサ23は、指載置位置に指を載置する
と、システム制御回路3からの指令により図示しない押
圧機構と共に、この指の側面を押圧するように構成さ
れ、この状態で指の血流に応じて変化する圧力検出結果
を出力するようになされている。
【0034】かくするにつき、この圧力検出結果におい
ては、血流の脈動に応じて変化することにより、システ
ム制御回路3においては、この圧力検出結果(すなわち
脈波の検出結果でなる)により指の生体反応を検出する
ことができる。これによりこの指紋照合装置1では、こ
の圧力検出結果に基づいて人間の指が載置されたと判断
することができるときだけ、指紋登録の処理及び指紋照
合の処理を実行し、セキュリティを向上するようになさ
れている。なおこの実施の形態においては、システム制
御回路3により指紋データD1、D2の論理レベルを監
視し、この論理レベルの変化をトリガにして指の載置を
検出した後、続いてこの脈波検出部22の検出結果に基
づいて、人間の指が載置されたと判断することができる
ときだけ、一連の照合処理等を開始するようになされて
いる。
【0035】(1−3)指紋データベース5及び検査指
紋メモリ6 (1−3−1)検査指紋メモリ6 図9は、指紋データベース5及び検査指紋メモリ6を周
辺回路と共に示すブロック図である。ここで検査指紋メ
モリ6は、指紋データベース5への指紋データD1の登
録時、また指紋照合時、上述した指紋データ入力部4よ
り出力される指紋データD1、D2を保持する。
【0036】すなわち検査指紋メモリ6は、システム制
御回路3により制御されてメモリ制御回路30により実
行されるアドレス制御により、通常の間引き率で指紋デ
ータ入力部4より入力される指紋データD1、D2につ
いては、CCDカメラ13の画素に対して1/2の画素
を間引きしてなる水平方向に256ピクセル、垂直方向
に128ピクセルの指紋データD1、D2を格納する。
これに対して指の大きさに応じて間引き率が切り換えら
れて入力される場合は、指紋データD1、D2により形
成される画像の一部領域についてのみ選択的に入力し、
これにより通常の場合と同様の、水平方向に256ピク
セル、垂直方向に128ピクセルの指紋データD1、D
2を格納する。これにより指紋照合装置1においては、
間引き率を切り換えた画像についても、同一の処理によ
り指紋照合できるようになされている。
【0037】さらに検査指紋メモリ6は、このようにし
て指紋データ入力部4より入力する指紋データD1、D
2を正立画像メモリ6Aに格納し、その後メモリ制御回
路30によるアドレス制御により順次データバスBUS
を介して画像回転回路31に出力する。さらに検査指紋
メモリ6は、図10及び図11に示すように、画像回転
回路31より出力される、元の指紋データによる画像に
対して、90度回転してなる画像の指紋データD1を回
転画像メモリ6Bに格納する。これにより指紋照合装置
1は、元の画像に対して90度回転してなる画像を、元
の画像と同様の処理により指紋照合に利用できるように
なされている。
【0038】すなわち図12に示すように、画像回転回
路31は、マトリックス状に接続された8×8ビット分
のフリップフロップ回路(FF)31AA〜31HH
と、セレクタ31Aにより構成され、データバスBUS
より入力される指紋データD1、D2の各ビットデータ
をこれらフリップフロップ回路(FF)31AA〜31
HHで順次8バイト転送した後、各ビット毎に並列に出
力することにより、セグメントを単位にして指紋データ
D1、D2の配列を90度変更する。これにより図13
に示すように、画像回転回路31は、それぞれ数字1〜
512により示すセグメントを単位にして指紋データD
2を入力し、記憶手段に格納し直し、図14に示すよう
に、セグメントの配列方向を回転させ、また各セグメン
ト内でピクセルの配列方向を回転するようになされてい
る。
【0039】かくするにつき検査指紋メモリ6は、正立
画像メモリ6Aに格納された画像に対して、このように
して90度回転した指紋の画像を回転画像メモリ6Bに
保持するようになされている。
【0040】また指紋データD1の登録時、検査指紋メ
モリ6は、同一のユーザーについて複数枚分の指紋デー
タD1を入力して保持し、これにより指紋照合装置1に
おいては、これら複数枚の指紋データD1の中から最も
指紋照合に都合の良い指紋データD1を選択して指紋デ
ータベース5に登録するようになされている。
【0041】さらに検査指紋メモリ6は、システム制御
回路3により制御されて実行されるメモリ制御回路30
によるアドレス制御により、指紋照合時、指紋登録時、
データバスBUSを介してこのようにして保持した指紋
データを、後述する照合率検出部7の動作に応動して出
力する。このとき検査指紋メモリ6は、8ピクセルを単
位にして、指紋の画像を水平方向、垂直方向、斜め方向
に線状に切り出すように指紋データを出力し、またこれ
ら各方向に向かってラスタ走査の順序で連続するように
指紋データを出力する。
【0042】(1−3−2)指紋データベース5 指紋データベース5は、事前に登録したユーザーデー
タ、指紋データD1等により構成される。すなわち図1
5に示すように、この指紋データベース5は、登録した
ユーザーデータ毎に、ユーザーIDが記録され、さらに
各ユーザーID毎に人指し指、中指、小指の指紋データ
D11、D12、D13が登録されるようになされてい
る。これによりこの指紋照合装置1では、例えば怪我に
よりユーザーが人指し指の指紋を照合困難な場合でも、
また人指し指によっては一致の照合結果が得られない場
合でも、指紋データ入力部4を介して入力される指紋デ
ータD2と、これらの指紋データD11、D12、D1
3と照合して、本人と確認できるようになされ、その分
使い勝手を向上できるようになされている。
【0043】さらに指紋データベース5は、これら指紋
データD11、D12、D13(D1A〜D1H)と共
に、優先順位のデータを記録し、指紋照合装置1では、
この優先順位のデータに従って、人指し指、中指、小指
の順に、順次指紋照合するようになされている。これに
よりこの指紋照合装置1では、全体として照合結果が得
られるまでの待ち時間を短縮して、使い勝手を向上でき
るようになされている。
【0044】さらに指紋データベース5は、各指紋デー
タD11、D12、D13毎に、指紋登録時に検出され
た指の傾きθを記録し、この傾きθのデータを利用し
て、指紋照合時、精度の向上できるようになされてい
る。
【0045】さらに指紋データベース5は、指紋登録時
に間引き回路20(図2)により設定された間引き率
を、各指紋データD11、D12、D13の倍率のデー
タとして記録するようになされ、これにより照合対象の
指紋データD2を、対応する倍率により取り込むことが
できるようになされている。
【0046】また指紋データベース5は、指紋照合時に
検出された照合率が、ユーザーID毎に記録されるよう
になされ、この照合率の記録により必要に応じて判定基
準を可変し、また指紋データD11〜D13の再登録を
促すことができるようになされている。これにより指紋
照合装置では、確実に本人を判別できるようになされて
いる。
【0047】さらに指紋データベース5は、図16に示
すように、各指紋データD11〜D13を水平方向のデ
ータ及び垂直方向のデータに分離して保持し、さらに各
水平方向及び垂直方向のデータを3つの枠単位で記録す
る。ここで図17及び図18に示すように、この実施の
形態では、正立画像メモリ6Aに格納された指紋画像に
対して、指の先端側から根元側に3つの枠1〜3が設定
される。ここで各枠は、64ピクセル×64ピクセルに
より設定される。
【0048】このようにして設定される枠に対して、こ
の枠の上下の辺に平行な64ピクセルの線状画像がこの
枠内に8本設定され、水平方向のデータは、この8本の
線状画像の指紋データD1A〜D1Hと、各指紋データ
D1A〜D1Hの座標値のデータにより形成される。ま
た同様にしてこの枠の左右の辺に平行な64ピクセルの
線状画像がこの枠内に8本設定され、垂直方向のデータ
は、この8本の線状画像の指紋データD1A〜D1H
と、各指紋データD1A〜D1Hの座標値のデータによ
り形成される。
【0049】これによりこの指紋照合装置1では、この
ような線状画像により指紋のデータベースを構築して、
その分容量の小さな記憶手段を適用して、全体構成を簡
略化できるようになされている。また線状の画像を基準
にして指紋照合し、このとき各指紋データD1A〜D1
Hの座標値を指紋照合に役立てて指紋照合の精度を向上
できるようになされている。
【0050】(1−4)照合率検出部7 図19は、照合率検出部7を示すブロック図である。こ
の照合率検出部7は、8系統の照合部40A〜40Hを
有し、指紋検査時、各照合部40A〜40Hに、指紋デ
ータベース5の対応する線状画像の指紋データD1A〜
D1Hをそれぞれセットする。さらに照合率検出部7
は、このセットした指紋データによる線状画像を、検査
対象の指紋画像上で2次元的に走査するように、各照合
部40A〜40Hに、順次検査対象の指紋データD2を
供給し、各走査位置で指紋データD2及び指紋データD
1間の相関の程度を検出する。
【0051】さらにこの検出結果より、相関の高い指紋
データD2の座標値を座標群メモリ49に順次登録し、
この登録した座標群の位置関係より、システム制御回路
3において、照合率が算出され、この照合率より一致不
一致が判定される。なお、各照合部40A〜40Hにお
いては、同一構成でなることにより、図19において
は、照合部40Aについてのみ詳細に記載し、他の照合
部40B〜40Hについては、記載を省略する。
【0052】また登録時において、この指紋照合時にお
ける線状画像の指紋データと同様の指紋データが、検査
指紋メモリ6に保持された指紋データD1より選択さ
れ、照合率検出部7は、この選択された指紋データD1
を各照合部40A〜40Hにセットし、指紋登録時と同
様の処理を繰り返す。これにより照合率検出部7は、指
紋登録時、指紋照合時における指紋データD1及びD2
間の判定に代えて、指紋データD1による複数画像間で
照合率でなる相関値を検出するようになされている。す
なわちこの指紋照合装置1では、指紋登録時、検査指紋
メモリ6に3N枚の指紋画像を保持し、この3N枚の指
紋画像の1枚を指紋データベース5に保持したと仮定し
て、残りの他の指紋画像との間で照合結果を得、これに
より最も指紋照合に適した指紋画像を検出するようにな
されている。
【0053】すなわち各照合部40B〜40Hにおいて
は、指紋照合時、指紋データベース5に格納された対応
する線状画像の指紋データD1A〜D1Hが、それぞれ
ラッチ回路41にセットされる。これに対して指紋登録
時、この指紋照合時における線状画像の指紋データと同
様の指紋データが、検査指紋メモリ6に保持された指紋
データD1より選択されて、それぞれラッチ回路41に
セットされる。また指紋登録時においては、指紋データ
ベース5に代えて、検査指紋メモリ6より出力される線
状画像の指紋データD1A〜D1Hが、同様に、それぞ
れラッチ回路41にセットされる。
【0054】このようにして各照合部40B〜40Hに
セットされた指紋データD1A〜D1Hに対して、照合
部40A〜40Hは、指紋照合時においては、指紋デー
タD2が、指紋登録時においては、他の指紋画像を構成
する指紋データD1が順次共通に供給される。このとき
これらの指紋データD1又はD2は、システム制御回路
3の制御によるメモリ制御回路30(図9)のアドレス
制御により、水平方向、垂直方向、さらには水平及び垂
直方向に所定角度だけ傾いた方向に、画像データが繰り
返し連続するように、例えば水平方向については、ラス
タ走査の順序により順次供給される。
【0055】各照合部40A〜40Hにおいて、パラレ
ルシリアル変換回路(P/S)42は、順次入力される
指紋データD1又はD2をシリアルデータに変換して、
一定周期でシフトレジスタ43に出力する。シフトレジ
スタ43は、このシリアルデータを64ビット分保持
し、パラレルシリアル変換回路42より出力されるシリ
アルデータに同期して順次ビットシフトさせると共に、
ビットシフトさせたデータを64ビットパラレルにより
出力する。
【0056】ラッチ回路41は、8バイトの指紋データ
D1A〜D1Hをそれぞれラッチし、このラッチした指
紋データD1A〜D1Hを64ビットパラレルにより出
力する。比較回路44は、64系統のイクスクルーシブ
オア回路により構成され、シフトレジスタ43の出力デ
ータとラッチ回路41の出力データとの間で、各ビット
の比較結果をそれぞれ出力する。
【0057】これにより指紋照合時において、各照合部
40A〜40Hは、例えば水平方向に繰り返し連続する
ように指紋データD2が供給される場合は、図20に示
すように、指紋データD2により形成される画像上を、
この指紋データD1A〜D1Hにより形成される線状の
画像をラスタ走査させ、重なり合う指紋データD2及び
D1A〜D1H間で、各ビットの一致不一致を判定する
ようになされている。また図21に示すように、指紋デ
ータD1A〜D1Hに対して、斜めに傾いて連続するよ
うに指紋データD2が供給される場合は、同様に、指紋
データD2により形成される画像上を、この指紋データ
D1A〜D1Hにより形成される線状の画像を斜めに傾
けてラスタ走査させ、重なり合う指紋データD2及びD
1A〜D1H間で、各ビットの一致不一致を判定するよ
うになされている。なお指紋登録時にあっては、この指
紋データD2による画像に代えて、他の指紋データD1
による画像上を指紋データD1A〜D1Hによる線状画
像をラスタ走査させることになる。
【0058】カウンタ45は、このようにして比較回路
44より得られる64系統の比較結果をカウントし、カ
ウント値を出力する。これによりカウンタ45において
は、指紋照合時、指紋データD1A〜D1Hにより形成
される線状の画像と、この線状の画像と重なり合う指紋
データD2より形成される画像との間の相関の程度を検
出するようになされ、この重なり合った画像が完全に一
致した場合、値64のカウント値を出力するようになさ
れている。また指紋登録時にあっては、指紋データD2
による画像に代えて、他の指紋データD1による画像と
の間で相関の程度を検出するようになされている。
【0059】レジスタ46は、システム制御回路3によ
り判定用の基準値データがセットされる。比較回路47
は、このレジスタ46にセットされた基準値データとカ
ウンタ45のカウント値とを比較し、このようにラスタ
走査して重なり合う指紋データD2及びD1A〜D1H
間で、相関の程度が大きい場合に信号レベルが立ち上が
る判定データD4A〜D4Hを出力する。また指紋登録
時にあっては、指紋データD2による画像に代えて、他
の指紋データD1による画像との間で、相関の程度が大
きい場合に信号レベルが立ち上がる判定データD4A〜
D4Hを出力する。
【0060】座標群メモリ49は、判定データD4A〜
D4Hが立ち上がると、メモリ制御回路30より出力さ
れるアドレスデータADを補正して記録することによ
り、各判定データD4A〜D4Hが立ち上がったタイミ
ングにおける指紋データD1A〜D1HとD2との相対
位置情報を、指紋データD2による画像上の座標値によ
り検出し、この座標値を各照合部40A〜40B毎に記
録する。
【0061】かくして座標群メモリ49は、指紋データ
D2の画像上で線状の画像をラスタ走査し、判定データ
が立ち上ったタイミングでアドレスデータADを補正し
て取り込むことにより、線状の画像が、重なり合う指紋
データD2の画像と高い一致の程度を示した位置を、指
紋データD2の座標値により記録することになる。
【0062】かくするにつき、指紋のような繰り返し形
状の画像について、このように線状に切り出した画像を
走査して重なり合う画像との間で相関の程度を判定する
と、多くの箇所で高い一致の程度を得ることができる。
従って座標群メモリ49には、各照合部40A〜40H
毎に、複数の座標データが記録されることになる。しか
しながらこの2つの画像が異なる人物の指紋の場合、こ
の座標群メモリ49には、照合部40A〜40H間で何
ら無関係の座標値が格納されるのに対し、2つの画像が
同一人の指紋の場合、図17及び図18について上述し
た指紋データD1A〜D1Hによる線状画像の相対位置
関係に保持された相対的な座標値が座標群メモリ49に
記録されることになる。これによりこの実施の形態で
は、この関係を利用して、座標群メモリ49に登録され
た座標群より、照合率のデータを生成するようになされ
ている。
【0063】さらにこの実施の形態において、座標群メ
モリ49は、図22に示すように、記憶領域を分割し
て、指紋データベース5の水平方向及び垂直方向に対応
する、正立画像の座標データと回転画像の座標データと
をそれぞれ格納する。すなわち座標群メモリ49は、指
紋データベース5の水平方向の指紋データと、正立画像
メモリ6Aの指紋データD2とによって検出された座標
データを正立画像の座標データとして記録する。また指
紋データベース5の垂直方向の指紋データと、回転画像
メモリ6Bの指紋データD2とによって検出された座標
データを回転画像の座標データとして記録する。
【0064】さらにこの実施の形態において、指紋照合
装置1は、各照合部40A〜40Hに供給する指紋デー
タD2の連続する方向を、各線状画像に対して、適宜切
り換えるように構成され、座標群メモリ49は、正立画
像及び回転画像の座標データにおいて、各方向に対応す
る傾き毎に座標データを記録する。これにより指紋照合
装置1においては、このようにして記録された座標デー
タを総合的に判断して、指紋照合し、また登録に適した
指紋データを選択し、その分指紋照合の精度を向上する
ようになされている。
【0065】さらにこの実施の形態において、座標群メ
モリ49は、このような正立画像の座標データと回転画
像の座標データとを、複数系統保持できるようになされ
ている。座標群メモリ49は、この複数系統を、指紋デ
ータ入力部4における基準電圧REF、REF1、RE
F2の切り換えに対応して、また指紋データベース5の
第1〜第3の枠に対応して保持し、それぞれ基準電圧、
枠毎に、座標データを記録するようになされている。
【0066】これにより指紋照合装置1では、基準電
圧、枠に対応して検出した座標データを総合的に判断し
て照合結果を向上するようになされている。
【0067】(1−5)システム制御回路 システム制御回路3は、マイクロコンピュータにより構
成され、この指紋照合装置1全体の動作を制御して、指
紋データベース5に指紋データD1を登録し、またこの
指紋データベース5を基準にして指紋照合の処理を実行
する。
【0068】(1−5−1)光量ムラの補正、光学系の
異常検出 図23は、このシステム制御回路3の処理手順を大まか
に示すフローチャートである。システム制御回路3は、
電源が投入されると、ステップSP1からステップSP
2に移り、光量補正メモリ16に登録された基準データ
を基準電圧生成回路15にセットする。これによりシス
テム制御回路3は、光学系の光量ムラを補正するよう
に、比較回路14の基準電圧REFをセットし、簡易な
構成の光学系によっても、正しい照合結果を得ることが
できるようにする。
【0069】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P3に移って光学系動作確認処理を実行する。ここで図
24に示すように、この光学系動作確認処理において、
システム制御回路3は、ステップSP4からステップS
P5に移り、データバスBUSを介してシリアルパラレ
ル変換回路21の出力データを取り込み(図2)、各セ
グメント毎に、論理レベルをカウントする。ここでこの
論理レベルのカウントは、論理レベルの立ち下がってい
るビット数をカウントして実行される。
【0070】すなわち指紋データ入力部4において、二
等辺三角形プリズム11の底面に何ら指が押圧されてい
ない場合、光源12の照明光が底面にて全反射されて撮
像されることにより、通常、この出力データの論理レベ
ルはHレベルに保持される。これに対してこの底面が汚
れている場合、照明光が乱反射されることにより、撮像
結果の輝度レベルが汚れの程度に応じて部分的に低下
し、対応する出力データにおいて論理レベルがLレベル
に立ち下がることになる。また光源12の特性が工場出
荷時の特性より劣化し、光量ムラが激しくなった場合、
光量補正メモリ16にセットした基準データによっては
補正することが困難になり、この場合もその分対応する
出力データにおいて論理レベルがLレベルに立ち下がる
ことになる。
【0071】これによりシステム制御回路3は、このカ
ウント結果に基づいて、続くステップSP6において、
このカウント値が予め設定された所定値を越えたか否か
判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御
回路3は、ステップSP7に移り、表示部8を介してメ
ンテナンスコールを表示した後、ステップSP8に移っ
てこの処理手順を終了する。ここでこのメンテナンスコ
ールは、指載置部の清掃を促すメッセージ、清掃しても
メンテナンスコールが表示されたままの場合は、保守作
業員に連絡する旨のメッセージを表示して実行される。
【0072】これにより指紋照合装置1では、光源12
の特性劣化、二等辺三角形プリズム11の汚れ等によっ
て指紋照合精度が劣化しないようになされ、その分指紋
照合精度を向上するようになされている。
【0073】これに対してステップSP6において否定
結果が得られると、システム制御回路3は、直接ステッ
プSP8に移ってこの処理手順を終了する。
【0074】このようにして光学系動作確認処理を実行
すると、システム制御回路3は、ステップSP10(図
23)に移り、指紋登録要求が入力されたか否か判断す
る。ここでこの実施の形態においては、キー入力部2を
介して所定のコマンド、暗唱番号等を入力することによ
り指紋登録要求を入力できるようになされ、この指紋登
録要求により各ユーザーの指紋データD1を指紋データ
ベース5に登録する。システム制御回路3は、この指紋
登録要求が入力されると、ステップSP10において肯
定結果が得られることにより、ステップSP11に移っ
て指紋登録処理を実行してステップSP3に戻る。
【0075】これに対して指紋登録要求が入力されてい
ない場合、システム制御回路3は、ステップSP10よ
りステップSP12に移り、キー入力部2の操作により
指紋照合要求が入力されたか否か判断する。ここで否定
結果が得られると、システム制御回路3は、ステップS
P3に戻る。これに対してシステム制御回路3におい
て、指紋照合要求が検出されると、システム制御回路3
は、ステップSP12よりステップSP13に移り、指
紋照合処理を実行してステップSP3に戻る。
【0076】(1−5−2)指紋登録処理 図25は、この指紋登録処理の処理手順を示すフローチ
ャートである。システム制御回路3は、この指紋登録処
理において、ステップSP20からステップSP21に
移り、表示部8(図1)を介してメッセージを表示し、
指載置位置への人指し指の載置をユーザーに促す。続い
てシステム制御回路3は、ステップSP22に移り、指
載置位置に指が載置されたか否か判断し、ここで否定結
果が得られると、ステップSP22を繰り返す。
【0077】このステップSP22において、システム
制御回路3は、データバスBUS(図2)を介してシリ
アルパラレル変換回路21の出力データを入力し、ここ
でセグメント単位でこの出力データの論理レベルをカウ
ントすることにより、この出力データを介して指載置位
置に指が載置されたか否かを検出する。なおこのカウン
ト処理は、指載置位置のほぼ中央部分に対応する所定の
複数セグメントについて、論理Lレベルのビット数をカ
ウントし、カウント値が所定値を越えたか否か判断して
実行される。これによりシステム制御回路3は、撮像結
果をトリガにして指紋登録の処理を実行するようになさ
れ、その分この指紋照合装置1の操作を簡略化して使い
勝手を向上するようになされている。
【0078】かくしてステップSP22において、肯定
結果が得られると、システム制御回路3は、ステップS
P23に移り、脈波検出部22より生体反応が検出され
るか否か判断する。ここで否定結果が得られると、シス
テム制御回路3は、ステップSP24に移ってこの処理
手順を終了するのに対し、ステップSP23において肯
定結果が得られると、ステップSP25に移って実際の
登録処理でなる実登録処理を実行する。これによりシス
テム制御回路3は、指の生体反応が検出されたときだけ
指紋データを登録し、その分セキュリティを向上するよ
うになされている。
【0079】システム制御回路3は、この実登録処理を
終了すると、ステップSP26に移り、小指まで指紋デ
ータを登録したか否か判断する。ここでこの指紋照合装
置1においては、図15について上述したように、各ユ
ーザー毎に、人指し指、中指、小指の指紋データを登録
するようになされており、システム制御回路3において
は、小指まで指紋登録されていない場合は、ユーザーに
よる特別の操作が実行されない限り、このステップSP
26において否定結果が得られることにより、ステップ
SP27に移り、表示部8を介して次の指の載置を指示
した後、ステップSP22に戻る。
【0080】これに対して小指まで登録が完了した場
合、ステップSP26において肯定結果が得られること
により、システム制御回路3は、ステップSP26より
ステップSP24に移り、この処理手順を終了する。
【0081】(1−5−3)実登録処理 図26及び図27は、システム制御回路3における実登
録処理の処理手順を示すフローチャートである。システ
ム制御回路3は、この実登録処理において、ステップS
P30からステップSP31に移り、ここで有効領域の
検出処理を実行する。ここで図28に示すように、シス
テム制御回路3は、ステップSP32からステップSP
33に移り、1のセグメントについて、論理Hレベルの
ビット数をカウントし、これによりこのセグメントにお
いて輝度レベルが立ち上がっているピクセル数をカウン
トする。
【0082】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P34に移り、このカウント値が所定値以下か否か判断
することにより、該当するセグメントにおいて、輝度レ
ベルの立ち上がっている面積が一定値以下か否か判断す
る。ここでこの指紋照合装置における光学系において
は、二等辺三角形プリズム11の斜面に何ら指等が置か
れていない場合、照明光が全反射されて対応するピクセ
ルの輝度レベルが立ち上がることにより、このように輝
度レベルが立ち上がっている面積が一定値以上のセグメ
ントについては、何ら指の置かれていない空白のセグメ
ントを判断することができる。
【0083】これによりシステム制御回路3は、ステッ
プSP34において否定結果が得られると、ステップS
P35に移り、このセグメントを空白領域のセグメント
にセットした後、ステップSP36に移る。これに対し
てステップSP34において肯定結果が得られると、シ
ステム制御回路3は、ステップSP37に移り、このセ
グメントを有効領域にセットした後、ステップSP36
に移る。なおこの場合の有効領域とは、指が載置されて
いると考えられる領域を意味する。
【0084】ステップSP36において、システム制御
回路3は、全てのセグメントについて、この有効領域検
出処理における一連の処理を完了したか否か判断し、こ
こで否定結果が得られると、ステップSP38に移り、
処理対象を次のセグメントに切り換えてステップSP3
3に戻る。これに対して全てのセグメントについて、一
連の処理を完了した場合、ステップSP36よりステッ
プSP39に移り、メインルーチンに戻る。
【0085】これにより図29に示すように、システム
制御回路3は、セグメントを単位にして、指紋照合に利
用可能な有効領域を撮像画像に設定し、以後、この有効
領域を基準にして種々の処理を実行することにより、後
述する種々の処理を簡略化できるようになされている。
なおこのステップSP26においては、記号「×」を記
したセグメントが空白領域のセグメントである。
【0086】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P40(図26)に移り、指位置判定処理を実行する。
ここで図30に示すように、システム制御回路3は、ス
テップSP41からステップSP42に移り、有効領域
のセグメント数は所定値以下か否か判断する。ここで否
定結果が得られる場合、この場合は指の載置位置が異常
と考えられることにより、システム制御回路3は、ステ
ップSP43に移り、ここで改めて指を載置し直すよう
に、表示部8を介して警告を出力した後、有効領域の検
出処理に戻る。
【0087】これに対してステップSP42において肯
定結果が得られると、この場合指の載置位置は正しいと
判断できることにより、ステップSP44に移り、メイ
ンルーチンに戻る。これにより指紋照合装置1では、ユ
ーザーが正しく指を載置した場合だけ指紋データを登録
して、指紋照合の精度を向上するようになされている。
【0088】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P46(図26)において、ズーム処理を実行する。図
31に示すように、このズーム処理において、システム
制御回路3は、ステップSP47からステップSP48
に移り、有効領域のセグメント数は、所定値以下か否か
判断する。ここで有効領域のセグメント数が所定値以上
の場合、指紋照合に十分な大きさで指が撮像されている
ことにより、システム制御回路3は、ステップSP48
からステップSP49に移り、メインルーチンに戻る。
【0089】これに対してステップSP48において肯
定結果が得られる場合、指が小さく撮像されていると考
えられることにより、システム制御回路3は、ステップ
SP50に移り、間引き回路20(図2)における間引
き率を低減することができるか否か判断する。ここで間
引き率を低減できる場合、システム制御回路3は、ステ
ップSP51に移り、タイミングジェネレータ19の動
作を切り換えて間引き率を低減し、これにより指紋デー
タD1による画像を拡大した後、ステップSP31の有
効領域検出処理に戻る。
【0090】これによりシステム制御回路3は、改め
て、拡大した指紋の画像について、有効領域検出処理、
指位置反転処理を実行した後、このズーム処理を実行す
ることになる。これにより指紋照合装置1では、必要に
応じて光学系の倍率を切り換えて、確実に指紋照合でき
るようになされている。
【0091】ところで指が異常に乾燥していると、指を
押圧しても、二等辺三角形プリズム11(図2)の底面
で照明光が乱反射しない場合がある。この場合、このよ
うにして間引き率を低減しても、ステップSP50にお
いて否定結果が得られる場合も発生し、正しく指紋照合
することが困難になる。これによりシステム制御回路3
は、この場合ステップSP52に移り、ユーザーに確認
のメッセージを出力した後、ステップSP53に移って
一連の指紋登録処理を終了する。これにより指紋照合装
置1では、このような場合でも、改めて指紋の画像を撮
像し直すことにより、確実に指紋照合できるようになさ
れている。
【0092】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P55(図26)において、しきい値補正処理を実行す
る。図32に示すように、このしきい値補正処理におい
て、システム制御回路3は、ステップSP56からステ
ップSP57に移り、1のセグメントについて、論理L
レベルのビット数をカウントする。ここでこの実施の形
態においては、二等辺三角形プリズムの底面で照明光が
乱反射している場合、対応するピクセルの輝度レベルが
立ち下がり、対応する指紋データD1のビットが論理L
レベルに立ち下がることにより、システム制御回路3
は、該当するセグメントについて、このビット数のカウ
ントにより二等辺三角形プリズムの底面に指が密着して
いる面積を検出する。
【0093】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P58に移り、セグメントのピクセル数(8×8個)に
対して、このカウント値が30〜70〔%〕の範囲に含
まれるか否か判断する。ここで否定結果が得られると、
指紋の画像が局所的に歪んでいると考えられることによ
り、システム制御回路3は、ステップSP59に移り、
所定の範囲内でしきい値補正メモリ24の対応する補正
データを更新した後、ステップSP60に移る。これに
対してステップSP58において肯定結果が得られる
と、システム制御回路3は、直接ステップSP60に移
る。
【0094】このステップSP60において、システム
制御回路3は、有効領域に設定された全てのセグメント
について、このしきい値補正処理における一連の処理を
完了したか否か判断し、ここで否定結果が得られると、
ステップSP61に移る。ここでシステム制御回路3
は、処理対象を次のセグメントに切り換えた後、ステッ
プSP57に戻る。これに対してこのしきい値補正処理
における一連の処理を全てのセグメントについて完了す
ると、システム制御回路3においては、ステップSP6
0において肯定結果が得られることにより、ステップS
P62に移り、メインルーチンに戻る。これにより指紋
照合装置1では、図6について上述したようにしきい値
補正メモリ24の内容をセグメント単位で設定して、確
実に指紋照合できるようになされている。
【0095】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P65(図26)において、黒つぶれ処理を実行する。
すなわち汗等により指が異常に湿っている場合、二等辺
三角形プリズム11の底面において、広い領域で照明光
が乱反射することになる。この場合、上述のしきい値補
正処理において一定範囲内で基準電圧REFの電圧を可
変しても、該当するセグメントにおいては、対応するピ
クセルの輝度レベルが立ち下がったままになり、黒くつ
ぶれた画像が得られることになる。従って、このセグメ
ントにおいては、正しく指紋照合することが困難にな
る。
【0096】これによりシステム制御回路3は、図33
に示すように、ステップSP66からステップSP67
に移り、1のセグメントについて、論理Lレベルのビッ
ト数をカウントした後、ステップSP68に移り、この
カウント値が所定値以下か否か判断する。
【0097】ここで否定結果が得られると、システム制
御回路3は、ステップSP69に移り、このセグメント
を黒つぶれのセグメントに設定した後、ステップSP7
0に移る。これに対してステップSP68において、肯
定結果が得られると、直接ステップSP70に移る。こ
れによりシステム制御回路3は、この黒つぶれのセグメ
ントについては、続く一連の処理において、処理対象よ
り除外し、指紋照合精度を向上する。
【0098】システム制御回路3は、ステップSP70
において、全てのセグメントについて、この黒つぶれ処
理における一連の処理を完了したか否か判断し、ここで
否定結果が得られると、ステップSP71に移り、有効
領域の次のセグメントを処理対象に設定し、ステップS
P67に戻る。これによりシステム制御回路3は、有効
領域の全てのセグメントについて、黒つぶれのセグメン
トを検出した後、ステップSP70からステップSP7
2に移る。
【0099】このステップSP72において、システム
制御回路3は、黒つぶれのセグメント数は所定値以下か
否か判断する。すなわち黒つぶれのセグメント数が一定
値を越えると、指紋照合に要する領域を確保できないこ
とにより、この場合システム制御回路3は、ステップS
P72からステップSP73に移り、指を清浄にして改
めて指を載置する旨、ユーザーに警告を出力した後、ス
テップSP31に戻る。
【0100】これに対してステップSP72において肯
定結果が得られると、システム制御回路3は、ステップ
SP74に移り、メインルーチンに戻る。これにより指
紋照合装置1では、指が濡れている場合等には、改めて
ユーザーに指紋登録の作業を促し、登録する指紋の画像
を高画質により取り込んで、その分指紋照合の精度を向
上するようになされている。
【0101】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P80に移り(図26)、角度検出処理を実行する。す
なわちユーザーにおいては、指載置位置に指を傾けて載
置する場合も考えられる。このためシステム制御回路3
は、図34に示す角度検出処理において、ステップSP
81からステップSP82に移り、図35に示すよう
に、例えばY方向について、有効領域の最外周のセグメ
ントを検出する。さらにシステム制御回路3は、ステッ
プSP83に移り、ここで図36に示すように、最外周
のセグメントより、上下方向に対応するセグメント対を
検出し、このセグメント対の中心座標を順次検出するこ
とにより、指紋画像の中心線について傾きθを検出す
る。
【0102】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P84に移り、この角度θが一定範囲以下か否か判断す
ることにより、指の傾きが所定範囲以下か否か判断し、
ここで否定結果が得られると、ステップSP85に移
り、正しく指を載置する旨、ユーザーに警告を出力した
後、ステップSP31に戻る。これに対して指の傾きが
所定範囲以下の場合、システム制御回路3は、ステップ
SP86に移り、メインルーチンに戻る。このときシス
テム制御回路3は、この所定範囲以下の指の傾きθを記
録に残す。
【0103】これにより指紋照合装置1では、傾きを一
定範囲に収めて指紋データD1を取り込み、指紋照合の
精度を向上するようになされている。
【0104】このようにして事前の処理が完了すると、
システム制御回路3は、ステップSP88(図27)に
移る。ここでシステム制御回路3は、取り込む画像数を
カウントする変数nの値を値1にセットした後、ステッ
プSP89において、メモリ制御回路30を制御して検
査指紋メモリ6に指紋データD1を1画面分格納する。
【0105】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P90に移り、この変数nの値が事前に設定した値Nと
等しいか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ス
テップSP91に移り、この変数nを値1だけインクリ
メントした後、ステップSP89に戻る。これによりシ
ステム制御回路3は、ステップSP89−SP90−S
P91−SP89の処理手順をN回繰り返し、N枚の画
像を検査指紋メモリ6に格納する。
【0106】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P92に移り、ここで基準電圧REF2について、この
一連の処理が完了したか否か判断し、この場合否定結果
が得られることにより、ステップSP93に移り、基準
電圧生成回路15における基準電圧を切り換え制御した
後、ステップSP88に戻る。
【0107】これによりシステム制御回路3は、光量補
正メモリ16に格納された基準データを、しきい値補正
メモリ24の補正データで補正して設定される基準電圧
REFにより、N枚の画像を検査指紋メモリ6に格納し
た後、この基準電圧REFを所定電圧だけ正側にオフセ
ットさせてなる基準電圧REF1によりN枚の画像を検
査指紋メモリ6に格納し、さらに基準電圧REFを所定
電圧だけ負側にオフセットさせてなる基準電圧REF2
によりN枚の画像を検査指紋メモリ6に格納する。
【0108】なお単に基準電圧REFをオフセットして
基準電圧REF1及びREF2を設定することにより、
システム制御回路3は、基準電圧REFによりN枚の画
像を取り込む場合と同様に、光量ムラ補正処理(図2
3、ステップSP2)及びセグメント単位のしきい値補
正処理(図32)を実行した状態で、それぞれN枚の画
像を検査指紋メモリ6に入力することになる。
【0109】この基準電圧の切り換え処理において、シ
ステム制御回路3は、黒つぶれを除く全有効領域につい
て、シリアルパラレル変換回路21より出力される出力
データの論理レベルをカウントすることにより、これら
の領域において白レベルの領域が全体に対して30〜7
0〔%〕の範囲に収まるように、基準電圧を切り換え
る。かくするにつき実験した結果によれば、この範囲で
基準電圧を切り換えて複数の指紋画像を撮像し、その撮
像結果よりこの実施の形態のように指紋照合して、指紋
照合の精度を向上することができた。
【0110】このようにして基準電圧REF2につい
て、N枚の画像入力を完了すると、システム制御回路3
は、ステップSP92において、肯定結果が得られるこ
とにより、ステップSP93に移り、ここで登録データ
選択処理を実行する。ここでこの登録データ選択処理
は、このようにして取り込んだ3×N枚の画像より、指
紋照合に最も適した指紋画像を選択する処理である。
【0111】システム制御回路3は、ステップSP94
において、この登録データ選択処理により選択した指紋
データD1を指紋データベース5に登録した後、ステッ
プSP95に移ってこの処理手順を終了する。この登録
において、システム制御回路3は、それぞれ登録データ
選択処理において、指紋画像の選択に使用した指紋デー
タD1A〜D1Hを、その座標データと共に指紋データ
ベース5に格納し、これにより図15及び図16につい
て上述した指紋データベース5を構築する。
【0112】またシステム制御回路3は、この一連の処
理を、順次人指し指、中指、小指について実行し(図2
5)、人指し指、中指、小指の順に優先順位を付して、
指紋データベース5に登録する(図15)。このときシ
ステム制御回路3は、選択した指紋データD1の倍率
(間引き回路20における間引き率)を併せて記録す
る。これによりシステム制御回路3は、このようにして
データベース化した各指紋データD1について、実際の
指紋照合時、登録時の条件を再現できるようになされ、
これによっても指紋照合の精度を向上できるようになさ
れ、また照合に要する時間を短縮できるようになされて
いる。また併せて指の傾きも指紋データベース5に記録
する。
【0113】(1−5−4)登録データ選択処理 図37は、上述した登録データ選択処理を示すフローチ
ャートであり、システム制御回路3は、この処理手順に
より、検査指紋メモリ6に取り込んだ指紋データD1か
ら指紋データベース5に登録する指紋データD1を選択
する。
【0114】すなわちシステム制御回路3は、ステップ
SP100からステップSP101に移り、変数n及び
mをそれぞれ値1及び値2にセットする。ここで変数n
及びmは、それぞれ3N枚の指紋画像の1つを特定する
変数である。システム制御回路3は、n及びmを順次切
り換えて、変数nにより指定される指紋画像の指紋デー
タD1について、変数mにより指定される指紋データと
の間で相関値を順次検出する。さらにシステム制御回路
3は、このようにして検出した相関値より、最も値の大
きな相関値を検出し、対応する変数nによる指紋データ
D1を登録対象の指紋データD1に設定する。
【0115】すなわちシステム制御回路3は、続くステ
ップSP102において、相関値検出処理を実行し、変
数nによる指紋データD1の、変数mによる指紋データ
D1に対する相関値を検出する。さらにシステム制御回
路3は、ステップSP103に移り、検査指紋メモリ6
に取り込んだ指紋データD1を、変数mにより全て指定
したか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステ
ップSP104に移り、変数mをインクリメントした
後、ステップSP102に戻る。
【0116】これによりシステム制御回路3は、変数m
を順次切り換えて、変数nにより特定される1の指紋デ
ータD1の、他の指紋データD1に対する相関値を順次
検出する。
【0117】これに対してステップSP103におい
て、肯定結果が得られると、システム制御回路3は、ス
テップSP105に移り、ここで検査指紋メモリ6に取
り込んだ指紋データD1を、変数nにより全て指定した
か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システ
ム制御回路3は、ステップSP106に移り、ここで変
数nをインクリメントすると共に、変数mを値1に初期
化し、ステップSP102に戻る。
【0118】これによりシステム制御回路3は、検査指
紋メモリ6に取り込んだ指紋データD1の全ての組み合
わせについて、変数nの指紋データD1の相関値を検出
する。
【0119】このようにして相関値検出処理を全ての組
み合わせについて実行すると、システム制御回路3は、
ステップSP105において肯定結果が得られることに
より、ステップSP107に移り、ここで最も相関値の
大きな変数nによる指紋データD1を登録対象の指紋デ
ータとして選択した後、ステップSP108に移ってこ
の処理手順を終了する。
【0120】これにより指紋照合装置1では、相関値を
基準にして指紋画像の画質を判断し、最も指紋照合に都
合の良い指紋データD1を指紋データベース5に登録す
る。すなわちこの指紋照合装置1においては、この相関
値とほぼ同一手法により検出される後述の照合率により
指紋照合するようになされている。これによりシステム
制御回路3は、検査指紋メモリ6に取り込んだ複数枚の
指紋画像を、順次指紋データベース5に登録したと仮定
して、残りの指紋画像との間で指紋照合の処理を実行
し、これにより実際の指紋照合に即した判定手法により
指紋照合に適した指紋画像を選択し、指紋照合精度を向
上するようになされている。
【0121】図38は、このシステム制御回路3によ
る、変数nによる特定される画像の、変数mにより特定
される画像に対する相関値検出処理を示すフローチャー
トである。この処理手順において、システム制御回路3
は、ステップSP109からステップSP110に移
り、変数n及びmにより特定される指紋データD1をそ
れぞれセグメント単位で画像回転回路31に転送し、ま
たこの画像回転回路31より出力される指紋データを回
転画像メモリ6Bに格納する。これによりシステム制御
回路3は、このステップSP110において、それぞれ
処理対象の画像を90度回転して、正立画像メモリ6A
に登録した正立画像の指紋画像に対して、90度回転し
てなる回転画像を回転画像メモリ6Bに格納する(図1
0及び図11)。
【0122】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P111に移り、ここで正立画像及び回転画像に対して
第1〜第3の枠を設定する。ここでシステム制御回路3
は、指の先端側でなる有効領域の先端側より指の付け根
側に所定セグメント分だけ変位した位置で、かつ上下方
向については、ほぼ有効領域の中心を基準にして、有効
領域外にはみ出さないように、第1〜第3の枠を設定す
る(図17及び図18)。これによりシステム制御回路
3は、事前に検出した有効領域を利用して、簡易な処理
により枠を設定する。
【0123】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P112に移り、第1の枠内より線状画像を切り出す。
具体的にシステム制御回路3は、この第1の枠内におい
て、水平方向に連続する8バイトの画像データを、この
枠の上側より順次間欠的に選択する。さらに選択した指
紋データをそれぞれ照合部40A〜40Hに出力し、各
照合部40A〜40Hのラッチ回路41にセットする
(図19)。
【0124】このときシステム制御回路3は、図33に
ついて上述した黒つぶれのセグメントについては、この
線状の画像を切り出さないように、所定の判断手順を実
行して指紋データD1をセットし、これにより指紋照合
精度の低下を有効に回避する。
【0125】さらに事前に、線状に切り出す指紋データ
について、論理レベルの切り換わる数をカウントし、カ
ウント値が所定値以下の部分については、対象より除外
する。これによりこの線状の切り出した部分について
は、所定本数以上、指紋を横切るようにして、この切り
出した領域に指紋照合に有意な情報が充分に含まれるよ
うにし、これによっても指紋照合の精度を向上できるよ
うになされている。
【0126】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P113に移り、ここで図20について上述したよう
に、変数mにより指定される指紋データD1が、順次ラ
スタ走査の順序で連続するように、順次この指紋データ
D1を照合部40A〜40Hに転送する。これによりシ
ステム制御回路3は、各照合部40A〜40Hにおい
て、変数mにより指定される画像上で、線状の画像をラ
スタ走査の順序で走査させ、この線状の画像と、この線
状の画像と重なり合う変数mによる画像との間で、一致
するビット数を各照合部40A〜40Hのカウンタ45
により検出する(図20)。
【0127】さらにシステム制御回路3は、このカウン
ト値がレジスタ46にセットしたしきい値より立ち上が
る座標値、すなわち重なり合う2つの画像が極めて類似
していると判断される位置を、ラスタ走査順に供給する
m画像の座標値により座標群メモリ49に記録する。
【0128】このときシステム制御回路3は、無効領
域、黒つぶれと判定した指紋データについて、対応する
ビットについては、一定の論理レベルより比較結果を出
力するように、比較回路44の動作を切り換え、またレ
ジスタ46にセットするしきい値をその分切り換え、続
く比較回路47における判定基準を変更する。これによ
りシステム制御回路3は、このような無効領域、黒つぶ
れの領域については、これらの部分をマスクして処理す
るようになされている。
【0129】システム制御回路3は、続いてステップS
P114に移り、照合率検出処理を実行する。ここで図
39、図40及び図41に示すように、照合率検出処理
において、システム制御回路3は、ステップSP115
からステップSP116に移り、変数I、J、K、Qを
値1にセットする。ここでI、J、Kは、座標群メモリ
49に取り込まれた照合部40A、40B、40Cの各
座標値を特定する変数であり、またQは、この照合率算
出処理において検出されたこれら座標値の組み合わせを
特定する変数である。
【0130】システム制御回路3は、続いてステップS
P117に移り、ここで変数I、J、Kにより特定され
る3つの座標値(XIA、YIA)、(XJB、YJ
B)、(XKC、YKC)毎に、それぞれ座標値(XI
A、YIA)と座標値(XJB、YJB)、座標値(X
JB、YJB)と座標値(XKC、YKC)、座標値
(XIA、YIA)と座標値(XKC、YKC)の3つ
の組み合わせのうちで、各照合部40A〜40Cのラッ
チ回路41にセットした指紋データD1の相対位置関係
を満足する組み合わせ数、すなわちステップSP112
において切り出した線状画像の相対位置関係を満足する
組み合わせの数を検出する。
【0131】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P118に移り、ここでこの検出した組み合わせ数が所
定値M以上か否か判断する。ここで肯定結果が得られる
と、システム制御回路3は、ステップSP119に移
り、このI、J、Kの組み合わせを変数Qにより指定さ
れる候補にセットした後、続くステップSP120で変
数QをインクリメントしてステップSP121に移る。
これに対してステップSP118において肯定結果が得
られた場合、システム制御回路3は、ステップSP11
8より直接ステップSP121に移る。
【0132】このステップSP121において、システ
ム制御回路3は、変数Kにより指定される座標値が、照
合部40Cより検出された最後の座標値か否か判断し、
ここで否定結果が得られると、ステップSP122に移
り、変数Kをインクリメントした後、ステップSP11
7に戻る。これによりシステム制御回路3は、座標値
(XIA、YIA)、(XJB、YJB)に対して、変
数Kを順次切り換えて、これら座標値(XIA、YI
A)、(XJB、YJB)、(XKC、YKC)の組み
合わせのうちで、線状画像の相対位置関係を満足する組
み合わせの数より、変数Qによる候補を順次検出する。
【0133】このようにして変数Kを順次切り換えて最
後の座標値までに至ると、システム制御回路3は、ステ
ップSP121において肯定結果が得られることによ
り、ステップSP123に移る。ここでシステム制御回
路3は、変数Jについて、変数Kの場合と同様にこの変
数Jにより指定される座標値が最後の座標値か否か判断
し、ここで否定結果が得られると、ステップSP124
に移り、変数Jをインクリメントすると共に、変数Kを
初期値1にセットし、ステップSP117に戻る。
【0134】またこのようにして変数Jをインクリメン
トしてこの処理手順を繰り返して、ステップSP123
において肯定結果が得られると、システム制御回路3
は、ステップSP125に移り、ここで変数Iにより指
定される座標値が最後の座標値か否か判断し、ここで否
定結果が得られると、ステップSP126に移り、変数
Iをインクリメントすると共に、変数J、Kを初期値1
にセットした後、ステップSP117に戻る。
【0135】これによりシステム制御回路3は、順次線
状の画像を走査して得られる座標値から、部分的な組み
合わせより相対位置関係を満足しない組み合わせを処理
対象より除外する。これにより指紋照合装置1では、偶
然にも高い類似の程度が検出された座標値の組み合わせ
を候補より除外し、残る組み合わせを変数Qにより特定
される候補として保持するようになされている。
【0136】システム制御回路3は、このようにして選
択した候補と、残る照合部40D〜40Hによる座標値
との間で同様にして相対位置関係を満足する組み合わせ
を検出し、これにより照合率を検出する。すなわちシス
テム制御回路3は、ステップSP127において(図4
0)、変数Q、L、M、N、O、Pを初期値1に設定す
る。ここで変数L、M、N、O、Pは、照合部40D〜
40Hについてそれぞれ座標群メモリ49に格納した座
標値を特定する変数である。
【0137】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P128に移り、ここでこれら変数Q、L、M、N、
O、Pにより特定される座標値(XQA、YQA)、
(XQB、YQB)、(XQC、YQC)、(XLD、
YLD)、(XME、YME)、(XNF、YNF)、
(XOG、YOG)、(XPH、YPH)の組み合わせ
のうちで、線状画像の相対位置関係を満足する組み合わ
せの数を検出する。
【0138】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P129に移り、ここでこの組み合わせ数を記録した
後、ステップSP130に移る。ここでシステム制御回
路3は、変数Pにより指定される座標値が最後の座標値
か否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップ
SP131に移り、変数Pをインクリメントしてステッ
プSP127に戻る。
【0139】これに対してこの処理手順を繰り返してス
テップSP130において肯定結果が得られると、シス
テム制御回路3は、ステップSP130からステップS
P132に移り、ここで変数Oにより指定される座標値
が最後の座標値か否か判断し、ここで否定結果が得られ
ると、ステップSP133に移り、変数Oをインクリメ
ントすると共に、変数Pを初期値1に設定してステップ
SP127に戻る。
【0140】またこの処理を繰り返してステップSP1
32において肯定結果が得られると、システム制御回路
3は、ステップSP132からステップSP134に移
り、ここで変数Nにより指定される座標値が最後の座標
値か否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステッ
プSP135に移り、変数Nをインクリメントすると共
に、変数P、Oを初期値1に設定してステップSP12
7に戻る。またステップSP134において肯定結果が
得られると、システム制御回路3は、ステップSP13
4からステップSP136に移り、ここで変数Mにより
指定される座標値が最後の座標値か否か判断し、ここで
否定結果が得られると、ステップSP137に移り、変
数Mをインクリメントすると共に、変数P、O、Nを初
期値1に設定してステップSP127に戻る。
【0141】さらに同様にして、ステップSP136に
おいて肯定結果が得られると、システム制御回路3は、
ステップSP136からステップSP138に移り、こ
こで変数Lにより指定される座標値が最後の座標値か否
か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP
137に移り、変数Lをインクリメントすると共に、変
数P、O、N、Mを初期値1に設定してステップSP1
27に戻る。またステップSP138において肯定結果
が得られると、システム制御回路3は、ステップSP1
38からステップSP140に移り(図41)、ここで
変数Qにより指定される座標値が最後の座標値か否か判
断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP14
2に移り、変数Qをインクリメントすると共に、変数
P、O、M、N、Lを初期値1に設定してステップSP
127に戻る。
【0142】これによりシステム制御回路3は、相対位
置関係を満足する組み合わせ数を、これら座標値の組み
合わせ毎に検出するようになされ、このとき部分的な組
み合わせにより相対位置関係を満足しない組み合わせを
除外することにより、事前に候補を絞ってこの処理を実
行するようになされ、その分処理に要する時間を短縮す
るようになされている。すなわち8系統の座標値につい
て、それぞれa個の座標値が検出されている場合、これ
ら座標値の組み合わせは、値aの8乗個になる。
【0143】これに対して事前の処理における組み合わ
せは、aの3乗個になり、この処理によりa個以下の、
例えば1個の組み合わせに候補が絞れた場合、残りの組
み合わせにおいてはaの5乗個でなることにより、結
局、aの5乗がaの3乗より極めて大きいとして、処理
に要する組み合わせを、約aの3乗個分低減することが
できる。すなわちこの場合aを値10とおくと、処理に
要する時間を、ほぼ1/1000に低減できることが判
る。これにより指紋照合装置1では、短時間で指紋登録
の処理を実行できるようになされている。
【0144】このようにして各組み合わせについて、相
対位置関係を満足する組み合わせ数が検出されると、シ
ステム制御回路3は、ステップSP142において、最
も値の大きな組み合わせ数の値を検出した後、この組み
合わせ数の値を照合率に設定し、続くステップSP14
3よりメインルーチンに戻る。かくしてこの処理におい
て、8本の線状画像を切り出した際の相対位置関係に対
して、この8本の線状画像の何れについても、この相対
位置関係を満足する座標値が座標群メモリ49に記録さ
れているとき、システム制御回路3は、簡略化して表し
て8/8の照合率を検出する。
【0145】これにより、システム制御回路3は、同一
人より複数回撮像した指紋の画像間で、1の画像を線状
に切り出して他の画像上でラスタ走査させた状態で、重
なり合った部分の類似の程度を総合的に判断して、照合
率を検出する。
【0146】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P144(図38)に移り、ここでステップSP112
において設定した第3の枠について、照合率を検出した
か否か判断し、否定結果が得られると、ステップSP1
45に移り、処理対象を次の枠に切り換えた後、ステッ
プSP112に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0147】このようにしてシステム制御回路3は、第
1〜第3の枠について順次照合率を検出し、第3の枠に
ついて照合率の検出を完了すると、ステップSP144
において肯定結果が得られることにより、ステップSP
146に移る。ここでシステム制御回路3は、ステップ
SP111において生成した回転画像について、照合率
を検出したか否か判断し、否定結果が得られると、ステ
ップSP147に移り、処理対象を回転画像に切り換え
た後、ステップSP112に戻り、同様の処理を繰り返
す。
【0148】この回転画像に対する処理において、シス
テム制御回路3は、回転画像メモリ6Bに格納した回転
画像に対して、指の先端から付け根に向かって第1〜第
3の枠を設定し、第1の枠より順次、各枠の上下の辺に
平行に線状の画像を切り出し、この切り出した画像の指
紋データをそれぞれ照合部40A〜40Hにセットす
る。これによりシステム制御回路3は、図42に示すよ
うに、図16及び図18について上述した指紋データベ
ース5の垂直方向のデータに対応するように、元の正立
画像に対して垂直方向に線状画像を切り出し、この線状
画像の指紋データを照合部40A〜40Hにセットす
る。
【0149】またシステム制御回路3は、対応する指紋
データD1をラスタ走査の順序で同時並列的に照合部4
0A〜40Hに出力する。これにより図43に示すよう
に、システム制御回路3は、回転画像より水平方向に切
り出した線状画像を、同様の回転画像画像上でラスタ走
査させ、第1〜第3の枠について、照合率を検出する。
【0150】かくするにつきシステム制御回路3は、指
紋データ入力部4より入力した指紋画像に対して、水平
方向及び垂直方向に線状の画像を切り出し、この水平方
向及び垂直方向について、他の指紋データによる画像と
類似の程度を検出するようになされ、これにより比較的
処理の簡易な一次元的な画像データの処理を組み合わせ
て、二次元的に類似の程度を判定するようになされてい
る。
【0151】このようにして回転画像についても照合率
を検出すると、システム制御回路3は、ステップSP1
46において肯定結果が得られることにより、ステップ
SP148に移り、ここで正立画像及び回転画像の各3
つの枠について検出した照合率をn画像の相関値に設定
した後、ステップSP149よりメインルーチンに戻
る。
【0152】これによりシステム制御回路3は、同一人
について撮像した複数枚の指紋画像間で、全ての組み合
わせについて、相関値をそれぞれ算出した後、最も相関
値の高い指紋データを選択し、指紋照合に都合の良い指
紋画像を選択的に登録して、図15及び図16について
上述した指紋データベース5を構築する。これにより指
紋照合装置1においては、指紋照合の精度を向上できる
ようになされている。
【0153】(1−5−5)指紋照合処理 このようにして指紋データベース5に指紋データD1を
登録した状態で、ユーザーがキー入力部2を操作して指
紋照合の要求を入力すると、システム制御回路3は、図
44及び図45に示す処理手順を実行して指紋照合す
る。
【0154】すなわちシステム制御回路3は、ステップ
SP150からステップSP151に移り、表示部8
(図1)を介してメッセージを表示し、指載置位置への
指の載置をユーザーに促す。続いてシステム制御回路3
は、ステップSP152に移り、指載置位置に指が載置
されたか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ス
テップSP152を繰り返す。
【0155】このステップSP152において、システ
ム制御回路3は、データバスBUS(図2)を介してシ
リアルパラレル変換回路21の出力データを入力し、こ
こで所定のセグメントについて、この出力データの論理
レベルをカウントすることにより、この出力データを介
して指が載置されたか否かを検出する。なおこのカウン
ト処理は、指載置位置のほぼ中央部分に対応する所定の
複数セグメントについて、論理Lレベルのビット数をカ
ウントし、カウント値が所定値を越えたか否か判断して
実行される。これによりシステム制御回路3は、撮像結
果をトリガにして指紋照合の処理を開始するようになさ
れ、指紋照合装置1の操作を簡略化して使い勝手を向上
するようになされている。
【0156】このステップSP152において、肯定結
果が得られると、システム制御回路3は、ステップSP
153に移り、脈波検出部22より生体反応が検出され
るか否か判断する。ここで否定結果が得られると、シス
テム制御回路3は、ステップSP154に移ってこの処
理手順を終了するのに対し、ステップSP153におい
て肯定結果が得られると、ステップSP155に移る。
【0157】このステップSP155において、システ
ム制御回路3は、指紋データ入力部4より出力される検
査対象の指紋データD2を検査指紋メモリ6に入力す
る。これによりシステム制御回路3は、指の生体反応が
検出されたときだけ指紋照合して、セキュリティを向上
するようになされている。
【0158】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P156に移り、比較判定処理を実行する。ここでこの
実施の形態において、システム制御回路3は、キー入力
部2を介して入力されるユーザーIDを基準にして、対
応するユーザーIDについて登録された指紋データD1
と、指紋データ入力部4より入力された指紋データD2
との間で指紋の一致不一致を判定する。さらにこのとき
指紋データベース5において、同一のユーザーIDに複
数の指紋データD1が登録されている場合は、優先順位
の最も高い指紋データD1との間で、一致不一致を判定
する。
【0159】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P157に移り、ここで一致の判定結果が得られたか否
か判断し、肯定結果が得られると、ステップSP158
に移り、一致の判定結果を出力した後、ステップSP1
59に移る。ここでシステム制御回路3は、照合率を指
紋データベース5に記録する。
【0160】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P160に移り(図42)、この指紋データベース5に
記録された照合率の変化を確認する。ここで照合率が徐
々に低下して一定値以下になっている場合、照合率の変
化が許容範囲を越えたと判断し、システム制御回路3は
ステップSP161に移り、ここでユーザーに指紋デー
タの更新登録を促した後、ステップSP162に移って
この処理手順を終了する。
【0161】すなわちこの実施の形態においては、検査
対象の指紋データD2と指紋データベース5に登録した
指紋データD1との間で類似の程度を測定し、この類似
の程度を照合率により表す。またこの照合率が一定の基
準値を越えるか否かの判断を基準にして指紋データD2
による指紋が指紋データD1による指紋と一致するか否
か判断する。
【0162】ところが子供等にあっては、成長するに従
って指が大きくなる場合もあり、こ場合この指の大きさ
の変化に伴い、図46に示すように、照合率が徐々に低
下することになる。これによりこの実施の形態において
は、照合率が徐々に低下して一定値TH以下になると、
ユーザーにより改めて指紋データD1を登録するように
設定され、これにより照合率を回復して確実に指紋照合
できるようになされている。
【0163】なおこのような照合率の変化が観察されな
い場合、システム制御回路3においては、ステップSP
160において肯定結果が得られることにより、ステッ
プSP160から直接ステップSP162に移り、この
処理手順を終了する。
【0164】これに対してステップSP157において
否定結果が得られた場合(図44)、システム制御回路
3は、ステップSP165に移る(図42)。ここでシ
ステム制御回路3は、同一人に他の指紋データD1が登
録されているか否か判断する。
【0165】ここで図15について上述したように、指
紋データベース5に人指し指、中指、小指の指紋データ
D1が登録されている場合、システム制御回路3は、ス
テップSP165からステップSP166に移り、指紋
データベース5に登録された優先順位に従って照合相手
の指紋データD1を切り換えた後、ステップSP155
に戻る。これによりシステム制御回路3は、指紋データ
入力部4を介して入力された指紋データD2について、
始めに指紋データベース5に登録された人指し指の指紋
データD11との間で指紋照合した後、続いて中指の指
紋データD12、小指の指紋データD13との間で順次
指紋照合の処理を実行するようになされ、例えば人指し
指を怪我して指載置位置に載置できないユーザーが中指
を載置したような場合でも、確実に本人と判定できるよ
うになされている。さらにこのとき優先順位に従って順
次指紋データD1を切り換えることにより、その分照合
に要する時間を短縮するようになされている。
【0166】このように指紋データD1を切り換えても
一致の判定結果を得ることが困難な場合、システム制御
回路3は、ステップSP165において否定結果が得ら
れることにより、ステップSP167に移る。ここでシ
ステム制御回路3は、照合率が一定値以下か否か判断
し、肯定結果が得られると、ステップSP168に移
り、不一致の判定結果を出力してステップSP162に
移る。これによりシステム制御回路3は、確実に本人と
異なると判断できる場合に、不一致の判定結果を出力す
るようになされている。
【0167】ところで図46について上述したように子
供等にあっては、成長に伴い照合率が低下する場合があ
り、以前の照合時点より長期間指紋照合していないよう
な場合は、上述のステップSP160の処理によって
は、照合率を回復することが困難で、結局一致の判定結
果を得ることが困難になる。また指を怪我して指紋に傷
が発生しているような場合にも、一致の判定結果を得る
ことが困難になる。
【0168】この場合、照合率においては、他人の指紋
と照合する場合のような、極端な照合率の低下は観察さ
れず、ステップSP167においては、否定結果が得ら
れることになる。またこのような場合は、繰り返し指紋
データD1と照合してほぼ同一程度の照合率が得られる
特徴がある。
【0169】これによりこの実施の形態において、シス
テム制御回路3は、ステップSP167において否定結
果が得られると、ステップSP169に移り、一連の指
紋照合が同一ユーザーIDに対する繰り返しか否か判断
し、ここで否定結果が得られると、ステップSP151
に戻る。これによりシステム制御回路3は、確実に一
致、不一致と判定することが困難な場合、改めて指紋デ
ータD2を取り込んで指紋照合の処理を実行する。これ
によりユーザにおいては、必要に応じて例えば人指し指
に代えて中指を載置して再び指紋照合することができる
ようになされている。
【0170】この再度の指紋照合の処理においても、再
びステップSP167において否定結果が得られると、
システム制御回路3は、ステップSP169において肯
定結果が得られることにより、ステップSP170に移
り、ここで一致判定の判定基準を低減した後、ステップ
SP155に戻る。すなわちこのような処理を繰り返し
て完全に一致、不一致を判定困難な場合で、照合率が一
定の範囲に保持されている場合、一致と判断して正しい
判定結果を得ることができ、これによりシステム制御回
路3は、登録されたユーザーについては、確実に一致の
判定結果を出力できるようになされている。
【0171】図47は、指紋データ入力処理を示すフロ
ーチャートである。システム制御回路3は、ステップS
P171からステップSP172に移り、ここで有効領
域検出処理を実行する。ここでこの有効領域検出処理
は、図28について上述した有効領域検出処理と同一の
処理手順により実行され、これによりシステム制御回路
3は、セグメントを単位にして、指紋照合に利用可能な
領域を有効領域に設定し、以後、この有効領域を基準に
して種々の処理を実行することにより、これら種々の処
理を簡略化できるようになされている。
【0172】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P173に移り、ここで指位置判定処理を実行する。こ
こでこの指位置判定処理は、図30について上述した指
位置判定処理と同一の処理手順により実行され、システ
ム制御回路3は、ユーザーが正しく指を載置した場合だ
け指紋照合して、指紋照合の精度を向上するようになさ
れている。
【0173】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P174に移り、ここでズーム処理を実行する。図48
に示すように、このズーム処理において、システム制御
回路3は、ステップSP175からステップSP176
に移り、指紋データベース5より、対応する指紋データ
D1の倍率をロードし、続くステップSP177におい
て、このロードした倍率に応じて間引き回路20の間引
き率を設定し、ステップSP178に移ってメインルー
チンに戻る。これによりシステム制御回路3は、指紋デ
ータベース5に登録された指紋データD1の倍率によ
り、検査対象の指紋データD2を取り込み、登録時の条
件と同一の条件により指紋データD2を入力するように
なされ、その分指紋照合の精度を向上するようになされ
ている。
【0174】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P179(図47)に移り、ここでしきい値補正処理を
実行した後、ステップSP180に移り、黒つぶれ処理
を実行し、続くステップSP181で角度検出処理を実
行する。さらにシステム制御回路3は、続くステップS
P182において、正立画像メモリ6Aに指紋データD
2を入力した後、ステップSP183に移る。ここでこ
のしきい値補正処理、黒つぶれ処理、角度検出処理は、
それぞれ図32、図33、図41について上述した対応
する処理と同一の処理手順により実行される。これによ
りシステム制御回路3は、検査対象の指紋データD2に
ついても、確実に指紋照合できるように、比較回路14
の基準電圧を補正し、また指の汚れ等による画質劣化を
有効に回避し、さらには指の傾きを一定範囲に収めて指
紋データD2を取り込むようになされている。
【0175】このステップSP183において、システ
ム制御回路3は、指紋データ入力部4の比較回路14に
ついて、基準電圧REF2をセット済か否か判断し、こ
こで否定結果が得られると、ステップSP184に移
り、基準電圧を切り換えた後、ステップSP182に戻
る。これによりシステム制御回路3は、ステップSP1
82−SP183−SP184−SP182の処理手順
を繰り返して、しきい値補正処理により基準電圧を補正
した状態で、このしきい値補正処理の設定基準でなる基
準電圧を順次更新し、合計で3枚の指紋画像を検査指紋
メモリ6に格納した後、ステップSP185に移ってこ
の処理手順を終了する。
【0176】図49及び図50は、比較判定処理の処理
手順を示すフローチャートである。システム制御回路3
は、この処理手順において、ステップSP190からス
テップSP191に移り、ここで正立画像メモリ6Aに
格納した指紋データD2をセグメント単位で画像回転回
路31に転送し、またこの画像回転回路31より出力さ
れる指紋データD2を回転画像メモリ6Bに格納する。
これによりシステム制御回路3は、このステップSP1
91において、処理対象の画像を90度回転する(図1
0及び図11)。
【0177】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P192に移り、指紋データベース5に登録された対応
する指紋データD1の傾きと、検査対象の指紋データD
2を入力する際の角度検出処理(図47、ステップSP
181)において検出した傾きから、指紋データD1に
よる画像に対する指紋データD2による画像の傾きを検
出する。
【0178】続いてシステム制御回路3は、続くステッ
プSP193において、指紋データベース5より対応す
る指紋データの、水平方向のデータより、第1の枠によ
る指紋データD1A〜D1Hをロードしてそれぞれ照合
部40A〜40Hに出力し、各照合部40A〜40Hの
ラッチ回路41にセットする(図17)。
【0179】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P194に移り、指紋データベース5より、順次ラスタ
走査の順序で連続するように、順次対応する指紋データ
D2を照合部40A〜40Hに転送する。これによりシ
ステム制御回路3は、図20について上述したと同様
に、各照合部40A〜40Hにおいて、指紋データD2
による画像上で指紋データD1A〜D1Hによる線状画
像をラスタ走査の順序で走査させ、この線状の画像が重
なり合う指紋データD2による画像との間で、一致する
ビット数を各照合部40A〜40Hのカウンタ45によ
り検出する(図19)。さらにシステム制御回路3は、
このカウント値がレジスタ46にセットしたしきい値よ
り立ち上がる座標値、すなわち重なり合う2つの画像が
極めて類似していると判断される位置を、指紋データD
2の座標値により座標群メモリ49に順次取り込んで保
持する。
【0180】このようにして検査指紋メモリ6より指紋
データD2を出力する際に、システム制御回路3は、ス
テップSP191で検出した角度θの部だけ指紋データ
D2の連続する方向が傾くように、メモリ制御回路30
の動作を制御する。すなわちシステム制御回路3は、図
51に示すように、8ピクセル分のデータを1バイトの
指紋データD2として検査指紋メモリ6に格納している
ことにより、この8ピクセルを単位にして、メモリ制御
回路30のアドレスを制御し、近似的に、水平方向より
角度Δθだけ傾いた方向にラスタ走査順に指紋データD
2が連続するように、メモリ制御回路30を介してアド
レス制御する。
【0181】これにより図52に示すように、システム
制御回路3は、線状画像に対して指紋データD2による
画像が角度θだけ傾いた関係に保持して、この線状画像
を指紋データD2による画像上でラスタ走査させ、指紋
登録時及び指紋照合時、ユーザーが一定範囲内で指を傾
けて載置した場合でも、確実に指紋照合できるようにな
されている。
【0182】さらにシステム制御回路3は、このように
して検査指紋メモリ6より指紋データD2を出力する際
に、無効領域、黒つぶれと判定した指紋データD2の対
応するビットについては、一定の論理レベルにより比較
結果を出力するように、比較回路44の動作を切り換
え、またレジスタ46にセットするしきい値をその分切
り換え、続く比較回路47における判定基準を変更す
る。これによりシステム制御回路3は、このような無効
領域、黒つぶれの領域については、これらの部分をマス
クして処理するようになされている。
【0183】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P195に移り、ここで照合率検出処理を実行する。こ
こでこの照合率検出処理は、図39、図40及び図41
について上述した照合率検出処理と同一の処理により実
行される。
【0184】これによりシステム制御回路3は、指紋デ
ータD1よる線状の画像を指紋データD2による画像上
でラスタ走査させた状態で、重なり合った部分の類似の
程度を総合的に判断して、照合率を検出する。このとき
システム制御回路3は、順次線状の画像を走査して得ら
れる座標値から、部分的な組み合わせを形成し、偶然に
も高い類似の程度が検出された座標値の組み合わせを事
前に候補より除外し、残る座標値との間で相対位置関係
を満足する組み合わせ数を検出する。これによりシステ
ム制御回路3は、処理に要する時間を短縮するようにな
され、短い時間で指紋照合するようになされている。
【0185】続いてシステム制御回路3は、ステップS
P196に移り、ここで角度θは最後か否か判断する。
ここでシステム制御回路3は、上述の傾き補正の角度Δ
θを中心にして、図53に示すように、指紋データD2
の連続する方向の傾きθを可変して、複数回、照合率を
検出するようになされており、これら各照合率を基準に
して総合的に指紋の一致を判断する。従ってこの場合シ
ステム制御回路3は、ステップSP196において否定
結果が得られることにより、ステップSP197に移
り、角度θを更新した後、ステップSP193に戻る。
【0186】これによりシステム制御回路3は、角度を
順次切り換えて、この切り換えた角度により画像データ
が連続するように指紋データD2に供給して、順次照合
率を検出する。これによりシステム制御回路3は、完全
に角度補正によって補正困難な傾き、さらには指紋の一
部が変形しているような場合でも、確実に指紋照合でき
るようになされている。なおこの実施の形態では、上述
の角度Δθを中心にした、5段階の角度により、それぞ
れ照合率を検出するようになされている。
【0187】このようにして各角度について、照合率を
検出すると、ステップSP196において肯定結果が得
られることにより、システム制御回路3は、ステップS
P198に移る。ここでシステム制御回路3は、枠の切
り換えが完了しているか否か判断する。すなわち図17
及び図18に示すように、この実施の形態においては、
連続するようにセットした3つの枠から、それぞれ水平
方向及び垂直方向の指紋データD1が指紋データベース
5に登録される。
【0188】この場合システム制御回路3は、水平方向
のデータの、第1の枠の線状画像について処理を完了し
たことにより、ステップSP198において否定結果が
得られ、ステップSP199に移り、ここで枠を枠1か
ら枠2に切り換えた後、ステップSP193に移る。こ
れによりシステム制御回路3は、この枠2について、同
様に照合率を検出した後、さらに枠3について、同様に
照合率を検出する。
【0189】このようにして枠3について照合率を検出
すると、ステップSP198において肯定結果が得られ
ることにより、システム制御回路3は、ステップSP2
00に移る(図50)。ここでシステム制御回路3は、
回転画像メモリ6Bに格納した回転画像と、対応する指
紋データベース5の垂直方向のデータについて、同様の
処理を実行したか否か判断し、この場合否定結果が得ら
れることにより、ステップSP201に移る。ここでシ
ステム制御回路3は、それまでの処理対象でなる正立画
像メモリ6Aに保持された指紋データD2及び指紋デー
タベース5の水平方向のデータに代えて、回転画像メモ
り6Bに格納した指紋データD2及び指紋データベース
5に格納した垂直方向のデータに処理対象を切り換えた
後、ステップSP192に戻る。
【0190】これによりシステム制御回路3は、90度
回転した画像についても、同様に、角度補正した状態で
順次角度を切り換えて、また枠を順次切り換えて、それ
ぞれ照合率を検出する。これにより指紋照合装置1で
は、さらに一段と確実に指紋照合できるようになされて
いる。かくするにつきシステム制御回路3は、指紋デー
タ入力部4より入力した指紋画像について、指紋データ
ベースに格納した水平方向及び垂直方向の線状画像によ
り類似の程度を検出することになり、この場合も比較的
処理の簡易な一次元的な画像データの処理を組み合わせ
て、二次元的に類似の程度を判定するようになされてい
る。
【0191】このようにして回転画像について照合率を
検出すると、ステップSP200において肯定結果が得
られることにより、システム制御回路3は、ステップS
P202に移る。ここでシステム制御回路3は、基準電
圧を切り換えて検査指紋メモリ6に取り込んだ全ての画
像について、照合率の検出処理が完了したか否か判断
し、ここで否定結果が得られると、ステップSP203
に移り、処理対象の画像を切り換えた後、ステップSP
192に戻る。
【0192】これによりシステム制御回路3は、基準電
圧を切り換えて取り込んだ3枚の指紋画像について、そ
れぞれ枠、傾きを切り換えて、正立画像及び回転画像の
照合率を検出する。
【0193】このようにして照合率を検出すると、シス
テム制御回路3は、ステップSP202において肯定結
果が得られることにより、ステップSP204に移り、
ここで正立画像の各枠において、所定値以上の照合率が
得られたか否か判断する。ここで肯定結果が得られる
と、システム制御回路3は、ステップSP205に移
り、ここで同様にして回転画像の各枠において、所定値
以上の照合率が得られたか否か判断する。
【0194】ここで肯定結果が得られると、システム制
御回路3は、ステップSP206に移り、正立画像及び
回転画像において、所定値以上の照合率が検出された座
標値を座標群メモリ49よりロードする。さらにこの座
標値が所定の許容範囲以下か否か判断する。すなわち図
54及び図55に示すように、指紋データD1及びD2
による指紋が一致する場合、正立画像及び回転画像にお
いて、例えば線状の画像D1Aを走査して、このような
所定値以上の照合率が検出される座標値X1、Y1及び
X2、Y2は、正立画像と回転画像について枠を設定し
た当初の相対位置関係になる。因みに、枠1を指紋デー
タD1による画像に対して、正立画像と回転画像とで同
一位置に設定した場合、指紋データD1と同一の指紋画
像でなる指紋データD2による画像上においても、この
関係は保持され、これらX座標値及びY座標値は、X1
=Y2、Y1=X2の関係になる。
【0195】この関係が乱れている場合、たまたま水平
方向又は垂直方向について線状画像を走査した場合に高
い照合率が検出される、類似した指紋のパターンを局所
的に有している別人と判断することができる。これによ
りこの実施の形態において、システム制御回路3は、こ
の正立画像及び回転画像による座標値を基準にして、さ
らに一段と識別力を向上するようになされている。
【0196】ステップSP206において、肯定結果が
得られると、システム制御回路3は、ステップSP20
7に移る。ここでシステム制御回路3は、正立画像にお
いて、隣接する枠において検出された座標値が、一定の
許容範囲か否か判断することにより、これら枠により検
出された座標値間が、枠設定時の相対位置関係を満足す
るか否か判断する。
【0197】すなわち図56に示すように、指紋データ
D1及びD2による指紋が一致する場合、このように各
枠について線状の画像D1Aを走査して一定の照合率が
得られる指紋データD1による座標値X1、Y1及びX
2、Y2は、各枠を設定した当初の関係になる。この関
係が乱れている場合、たまたま水平方向に線状画像を走
査した場合に高い照合率が検出された、類似した指紋の
パターンを局所的に有している別人と判断することがで
きる。これによりこの実施の形態において、システム制
御回路3は、この隣接する枠間の座標値を基準にして、
さらに一段と識別力を向上するようになされている。
【0198】このようにして正立画像について、隣接す
る枠間で肯定結果が得られると、システム制御回路3
は、回転画像についても、隣接する枠について、同様の
判断処理を実行し、これによりさらに一段と識別力を向
上する。
【0199】このようなステップSP204からステッ
プSP207の各ステップの処理において、システム制
御回路3は、角度及び基準電圧を切り換えた各指紋画像
についてそれぞれ肯定結果が得られるか否か判断し、何
れかの画像で肯定結果が得られると次のステップに移
る。これによりシステム制御回路3は、角度及び基準電
圧を切り換えた指紋画像については、いわゆるオアの判
定により、指紋データD1による画像と一致するか否か
判断する。これによりシステム制御回路3は、本人と他
人との識別力の低下を有効に回避して、本人による場合
は、確実に一致結果を出力できるようになされている。
【0200】このようにしてステップSP207におい
て、肯定結果が得られると、システム制御回路3は、ス
テップSP207からステップSP208に移り、この
場合に限り指紋が一致したと判定した後、ステップSP
209からメインルーチンに戻る。
【0201】これによりシステム制御回路3は、確実に
一致と判定できるときだけ、指紋が一致したと判定し、
これにより指紋照合の精度を向上する。また必要に応じ
て図45について上述した処理を繰り返し、一致と判定
すべきユーザーについては、一致の判定を出力し、また
不一致の判定をすべきユーザーについては、確実に不一
致の判定を出力するようになされている。
【0202】なお図45について上述した判定基準の更
新処理は、上述のステップSP204〜ステップSP2
07の判定基準を更新することになる。また同様に図4
4のステップSP159における照合率の記録、図45
のステップSP160における照合率の変化判定は、こ
のように複数の枠、傾きにより検出された照合率を記録
し、また記録された照合率を判定することになる。さら
にステップSP167における照合率の判定は、上述の
ステップSP204〜ステップSP207の判定を繰り
返すことになる。
【0203】(2)実施の形態の動作 以上の構成において、指紋照合装置1は、電源が立ち上
げられると(図2、図3〜図6、図23)、システム制
御回路3の制御により、工場出荷時にセットされた光量
補正メモリ16の基準データが基準電圧生成回路15に
セットされ、これによりセグメントを単位にして光学系
の光量ムラを補正するように比較回路14の基準電圧が
設定される。これにより光学系の光量ムラによる指紋照
合精度の劣化が有効に回避され、簡易な構成の光学系に
より、高い精度で指紋照合することができる。
【0204】この状態で光源12より射出された照明光
が二等辺三角形プリズム11の底面で反射されてCCD
カメラ13により撮像され、この撮像結果が比較回路1
4により2値化される。またこの比較回路14より出力
される2値化信号S1が、ラッチ回路18によりラッチ
されて1ビットの画像データに変換された後、間引き回
路20により間引きされ、シリアルパラレル変換回路2
1により8ピクセルを単位にした8ビットの画像データ
に変換される。
【0205】このようにしてシリアルパラレル変換回路
21より出力される画像データは、データバスBUSを
介してシステム制御回路3に入力され、ここでセグメン
トを単位にして、論理レベルが立ち下がっているビット
数がカウントされ(図24)、光学系の異常が監視され
る。これにより指載置位置でなる二等辺三角形プリズム
11の底面の汚れ、光源12の劣化等が検出され、必要
に応じてメンテナンス処理を実行して、指紋照合精度の
劣化が有効に回避される。
【0206】この状態でユーザーがキー入力部2(図
1)を操作すると、指紋照合装置1においては、対応す
る指紋登録処理、指紋照合処理を実行する(図23)。
【0207】このうち指紋登録処理において、指紋照合
装置1は、表示部8を介してユーザーに人指し指の載置
を促し(図25)、シリアルパラレル変換回路21より
出力される画像データの変化により、指紋登録の処理を
開始し、これにより簡易な操作で指紋登録できるように
なされている。
【0208】続いて指の側方に配置された圧力センサ2
3(図2)により、指の生体反応が検出され、生体反応
が検出されない場合は、指紋登録の処理が中止される。
これにより指紋登録の面より、セキュリティの向上が図
られる。
【0209】これに対して生体反応が検出されると、指
紋データの入力条件が整えられた後、複数の指紋画像が
取り込まれ、そのうち指紋照合に最適な画像が指紋デー
タベース5に登録される。
【0210】この登録の際に、指紋照合装置1は、人指
し指の登録が完了すると、続いて中指の指紋データD1
を登録し、さらに続いて小指の指紋データを登録し、ま
た人指し指、中指、小指の順に優先順位を付して登録す
る(図15)。これにより指紋照合装置1では、指紋照
合の処理において、人指し指、中指、小指の何れかの指
により指紋照合できるようになされ、その分使い勝手を
向上できるようになされている。またこのとき優先順位
に従って指紋照合の処理を実行して、照合に要する時間
を短縮できるようになされている。
【0211】また撮像した指紋の画像において、指の先
端から付け根に向かって3つの枠が設定され、各枠にお
いて、水平方向及び垂直方向に延長する線状画像が切り
出され、この切り出された線状画像により指紋データD
1A〜D1Hが、水平方向及び垂直方向について、各線
状画像の座標値と共に指紋データベース5に登録される
(図16)。
【0212】指紋照合装置1は、このような指紋登録
時、また指紋照合時における撮像結果の実際の処理にお
いて(図26)、シリアルパラレル変換回路21の出力
データをシステム制御回路3によりカウントすることに
より、背景を撮像してなる領域がセグメントを単位にし
て除去され、これにより実際に指紋が撮像されてなる有
効領域が検出される(図26)。これによりこの有効領
域を基準にして続く一連の処理が実行され、処理に要す
る時間がその分短縮される。
【0213】続いてこの有効領域のセグメント数により
指の載置位置が正しいか否か判断され(図30)、指が
正しく載置されていないことによる照合精度の劣化が有
効に回避される。また続くズーム処理において、有効領
域のセグメント数を基準にして間引き回路20(図2)
における間引き率が可変され、これにより子供の指等に
あっても、指紋照合に適切な倍率により撮像して、指紋
照合の精度が向上される。
【0214】さらに続くしきい値補正処理において(図
32)、有効領域の各セグメント毎に、論理Hのビット
数が検出されることにより、該当するセグメントについ
て、二等辺三角形プリズム11の底面に指が密着してい
る面積が検出され、各セグメントでカウント値が30〜
70〔%〕の範囲に収まるように、しきい値補正メモリ
24(図2)の内容が補正される。このしきい値補正メ
モリ24の内容は、光量補正メモリ16の基準データを
補正するように設定され、これによりセグメントを単位
にして、押圧力により変化する指紋照合精度の劣化、二
等辺三角形プリズム11の汚れ等による指紋照合精度の
劣化が有効に回避される。
【0215】また続いて、黒つぶれ処理において(図3
3)、有効領域の各セグメント毎に、論理Lのビット数
が検出されることにより、指紋照合に不適切な黒つぶれ
のセグメントが検出され、このセグメントが照合対象よ
り除外される。また指が異常に湿っている場合等が注意
される。これにより指紋照合に適した条件により撮像結
果を処理して、指紋照合精度が向上される。
【0216】また続く角度検出処理において(図34、
図35、図36)、有効領域を基準にして指の傾きが検
出され、この傾きが異常な場合はユーザーに注意が促さ
れる。これにより指を傾けて載置したことによる指紋照
合精度の劣化が有効に回避される。
【0217】このようにして指紋データD1の入力条件
が整えられると(図27)、指紋照合装置1では、指紋
登録時、シリアルパラレル変換回路21より出力される
指紋データD1がN枚分検査指紋メモリ6(図9)の正
立画像メモリ6Aに取り込まれた後、続いて比較回路1
4の基準電圧REFを正側に所定電圧だけオフセットし
て(図8)、N枚分の指紋データD1が同様に正立画像
メモリ6Aに取り込まれ、またこれとは逆に基準電圧R
EFを負側に所定電圧だけオフセットして、N枚分の指
紋データD1が正立画像メモリ6Aに取り込まれる。
【0218】この基準電圧REFをオフセットさせて切
り換えることにより、指紋照合装置1においては、指紋
画像がほぼ等幅化される。これにより撮像結果を2値化
して処理する簡易な処理によっても、押圧力の変化、指
紋の歪み、指を撮像する光学系の汚れ等による2値化信
号S1の変化が吸収されて、指紋照合精度の低下が有効
に回避される。
【0219】指紋照合装置1では、これらの3N枚の指
紋画像の中から、指紋照合に最も適した指紋画像が選択
され、その選択された指紋画像が指紋データベース5に
登録される。これにより指紋照合装置1では、指紋照合
精度が向上される。
【0220】この指紋照合に最も適した指紋画像の選択
は(図37)、この3N枚の画像の1つを指紋データベ
ース5に登録した指紋データと仮定して、他の画像との
間で指紋照合の処理を繰り返して照合率を検出する。さ
らにこの登録したと仮定した画像を順次切り換えて同様
の処理を繰り返し、照合率でなる相関値の値が最も大き
な指紋画像を選択して実行される。これにより指紋照合
装置1では、実際の指紋照合に対応した判定基準によ
り、指紋データベース5に登録する指紋データD1を選
択するようになされ、その分確実に指紋照合できるよう
になされている。
【0221】具体的に、指紋照合装置1では、この指紋
データベース5に登録したと仮定した指紋データ(図3
8において、n画像が対応する)と、これと照合率を検
出する指紋データ(図38においてm画像が対応する)
とを、それぞれ正立画像メモリ6Aより画像回転回路3
1に出力し、ここでセグメント内の配列を変更して、セ
グメントを90度回転してなる指紋データが生成され
る。さらにこの生成した指紋データを回転画像メモリ6
Bに格納し、これにより正立画像と、この正立画像を9
0度回転してなる回転画像とが生成される。
【0222】さらにこの正立画像において、n画像よ
り、水平方向に64ピクセルの画像データにより構成さ
れる線状の画像が、順次垂直方向に8本切り出され、各
線状の画像データが、それぞれ照合部40A〜40Hの
ラッチ回路41にセットされる(図19)。またm画像
の指紋データが、ラスタ走査の順序で連続するように、
照合部40A〜40Hに同時並列的に供給され、比較回
路44において、これら2つの画像データ間で各ビット
の一致、不一致が判定される。
【0223】さらにこの一致したビット数がカウンタ4
5によりカウントされ、比較回路47により一定の基準
値を越えるか否か判断される。さらにこの一定値を越え
る場合は、m画像の指紋データを照合部40A〜40B
に出力するメモリ制御回路30のアドレスデータADを
基準にして、対応するm画像の座標値が座標群メモリ4
9に記録される。
【0224】これによりこの8本の線状画像をそれぞれ
m画像上でラスタ走査し(図18)、重なり合う画像間
で、順次類似の程度が検出され、一定値以上類似してい
る位置の座標値が座標群メモリ49に格納されることに
なる。このとき指紋照合装置1では、この8本の線状画
像の走査を8系統の照合部40A〜40Hにより同時並
列的に実行することにより、その分短時間で指紋照合に
適した画像を選択できるようになされている。
【0225】さらにこのようにして線状の画像を切り出
して照合部40A〜40Hにセットする際に、黒つぶれ
のセグメントについては、この線状の画像を切り出さな
いように、所定の判断手順を実行して指紋データD1が
セットされ、これにより指紋照合精度の低下が有効に回
避される。また事前に検出した有効領域基準にして、こ
の線状画像を切り出す枠が設定され、これにより短時間
で必要な画像を切り出すことができるようになされてい
る。さらにこの線状に切り出す指紋データについては、
論理レベルの切り換わりがカウントされ、カウント値が
所定値以下の部分が対象より除外されることにより、指
紋照合に有意な情報が充分に含まれる部分が切り出さ
れ、これによっても指紋照合の精度を向上できるように
なされている。
【0226】これに対してラスタ走査順に供給される指
紋データにおいては、黒つぶれセグメント、空白領域に
ついては、これらをマスクするように比較回路44、4
7の動作が切り換えられ、これによりこれらの領域、セ
グメントによる照合率の低下が有効に回避される。
【0227】このようにして正立画像について、座標群
メモリ49に座標データを保持すると、続いて回転画像
メモリ6Bに格納された指紋データにより同様の処理が
実行され(図43)、回転画像についても座標データが
記録される(図22)。
【0228】このようにして記録された座標データは、
システム制御回路3による照合率検出処理により、照合
部40A〜40Hによる座標値の組み合わせ毎に、線状
画像の相対的な位置関係を満足する組み合わせの数が検
出され(図39〜図41)、この検出された組み合せ数
により照合率が検出される。
【0229】このときシステム制御回路3において、始
めに照合部40A、40B、40Cにより得られた座標
値の組み合わせ毎に、対応する線状画像の相対的な位置
関係を満足する組み合わせの数が検出され、この組み合
わせ数を基準にして偶然にも高い類似の程度が検出され
た座標値が検査対象より除外され、残る組み合わせによ
り照合率が検出される。これにより事前の、部分的な組
み合わせより処理対象を低減し、その分短時間で照合率
を検出し、登録に適した画像を短い時間で選択すること
ができるようになされている。
【0230】このようにしてn画像を指紋データベース
に登録したと仮定して、m画像について照合率が検出さ
れると、このm画像を切り換えて同様に照合率が検出さ
れ、3N枚の画像について、処理が完了すると、n画像
が切り換えられて、同様の処理が繰り返され、各組み合
わせ毎に、それぞれ照合率が検出される。
【0231】このようにして検出された照合率は、この
指紋登録時においては、相関値として処理され、最も大
きな相関値の得られた、指紋データベースに登録したと
仮定した際の指紋データについて、第1〜第3の枠が設
定されて水平方向及び垂直方向について各8本の線状画
像が切り出され、これら線状画像の指紋データD1が、
座標値、傾きのデータと共に指紋データベース5に登録
され、これにより指紋照合の精度が向上される。また線
状に切り出して登録することにより、指紋データベース
5を小容量の記憶手段により構成して、その分全体構成
が簡略化される。
【0232】これに対して指紋照合処理において、指紋
照合装置1は、表示部8を介してユーザーに指の載置を
促し(図44)、シリアルパラレル変換回路21より出
力される画像データの変化により、指紋照合の処理を開
始し、これにより簡易な操作で指紋照合できるようにな
されている。
【0233】続いて指の側方に配置された圧力センサ2
3(図2)により、指の生体反応が検出され、生体反応
が検出されない場合は、指紋照合の処理が中止される。
これにより指紋照合の面より、セキュリティの向上が図
られる。
【0234】これに対して生体反応が検出されると、指
紋データの入力条件が整えられた後、指紋データが取り
込まれ、対応するユーザーについて、指紋データベース
5に登録された指紋データとの間で、この取り込んだ指
紋データが指紋照合される。
【0235】すなわちこの指紋照合時における指紋デー
タの入力条件においても(図47)、シリアルパラレル
変換回路21の出力データより、有効領域が検出される
(図28)。これによりこの有効領域を基準にして続く
一連の処理が実行され、照合に要する時間がその分短縮
される。またこの有効領域のセグメント数により指の載
置位置が正しいか否か判断され(図44)、指が正しく
載置されていないことによる、照合精度の劣化が有効に
回避される。
【0236】これに対して続くズーム処理において(図
48)、指紋データベース5に登録された倍率に対応す
るように、指紋データ入力部4における間引き回路20
の間引き率が設定され、これにより指紋登録時と同一の
倍率により指紋データを入力できるように設定され、指
紋照合の精度が向上される。
【0237】またしきい値補正処理において(図3
2)、有効領域の各セグメント毎に、しきい値補正メモ
リ24(図2)の内容が補正され、これによりセグメン
トを単位にして、押圧力により変化する指紋照合精度の
劣化、二等辺三角形プリズム11の汚れ等による指紋照
合精度の劣化が有効に回避される。さらに黒つぶれ処理
において(図33)、指紋照合に不適切な黒つぶれのセ
グメントが検出され、このセグメントが照合対象より除
外され、また指が異常に湿っている場合等が注意され、
これにより指紋照合に適した条件により撮像結果を処理
して、指紋照合精度が向上される。
【0238】さらに続く角度検出処理において(図3
4、図35、図36)、有効領域を基準にして指の傾き
が検出され、この傾きが異常な場合はユーザーに注意が
促され、さらにこの検出結果と指紋データベース5に登
録された指紋登録時の傾きにより、指紋照合時、傾き補
正の処理(図49、ステップSP192)が実行され、
これにより指を傾けて載置したことによる指紋照合精度
の劣化が有効に回避される。
【0239】このようにして指紋データD1の入力条件
が整えられると、指紋照合装置1では、シリアルパラレ
ル変換回路21より出力される指紋データD2が検査指
紋メモリ6(図9)の正立画像メモリ6Aに取り込ま
れ、続いて比較回路14の基準電圧REFを正側に所定
電圧だけオフセットして(図8)、指紋データD2が同
様に正立画像メモリ6Aに取り込まれ、またこれとは逆
に基準電圧REFを負側に所定電圧だけオフセットし
て、指紋データD2が正立画像メモリ6Aに取り込まれ
る。
【0240】この基準電圧REFをオフセットさせて切
り換えることにより、指紋照合装置1においては、検査
対象の指紋画像についても、ほぼ等幅化され、これによ
り押圧力の変化、指紋の歪みによる指紋照合精度の低下
が有効に回避される。
【0241】このようにして検査指紋メモリ6に取り込
まれた指紋データD2は(図49)、正立画像メモリ6
Aより画像回転回路31に出力されてセグメント内の配
列が変更された後、回転画像メモリ6Bに格納され、こ
れによりこの正立画像を90度回転してなる回転画像が
回転画像メモリ6Bに保持される。
【0242】続いて指紋照合装置1では、この指紋デー
タD2に対応して、水平方向の第1の枠について登録さ
れた指紋データD1A〜D1Hが、それぞれ照合部40
A〜40Hのラッチ回路41にセットされる(図1
6)。さらに検査指紋メモリ6に格納された指紋データ
D2が、水平方向に所定角度だけ傾いて連続するように
(図52)、照合部40A〜40Hに同時並列的に供給
される。これにより指紋データベース5に保持された指
紋画像と、指紋データD2による画像との間で傾きが補
正され、指紋照合精度が向上される。
【0243】指紋照合装置1では、比較回路44におい
て、これら2つの画像データ間で各ビットの一致、不一
致が判定される。さらにこの一致したビット数がカウン
タ45によりカウントされ、比較回路47により一定の
基準値を越えるか否か判断される。さらにこの一定値を
越える場合は、検査指紋メモリ6に対するメモリ制御回
路30のアドレスデータADを基準にして、対応する指
紋データD2の座標データが座標群メモリ49に記録さ
れる。
【0244】これによりこの8本の線状画像をそれぞれ
指紋データD2による画像上でラスタ走査し、重なり合
う画像間で、順次類似の程度が検出され、一定値以上類
似している箇所の座標データが座標群メモリ49に格納
されることになる。このとき指紋照合装置1では、これ
ら線状画像の走査を8系統の照合部40A〜40Hによ
り同時並列的に実行することにより、その分短時間で指
紋照合できるようになされている。
【0245】さらにこのようにして照合部40A〜40
Hに指紋データD2を順次出力するする際に、黒つぶれ
セグメント、空白領域については、指紋登録時と同様
に、これらをマスクするように比較回路44、47等の
動作が切り換えられ、これにより指紋照合の精度が向上
される。
【0246】このようにして記録された座標データは、
指紋登録時と同様の処理により、照合部40A〜40H
による座標値の組み合わせ毎に、線状画像の相対的な位
置関係を満足する組み合わせの数が検出され(図39〜
図41)、この検出された数により照合率が検出され
る。このときシステム制御回路3において、照合部40
A〜40Cに対応した部分的な組み合わせより、相対的
な位置関係を満足しない組み合わせを処理対象より除外
し、これにより偶然にも高い類似の程度が検出された座
標値が検査対象より除外され、残る組み合わせにより照
合率が検出される。これにより短時間で照合率を検出す
ることができ、その分照合に要する時間を短縮できるよ
うになされている。
【0247】このようにして傾き補正した指紋データD
2について、照合率が検出されると、続いてこの傾きの
角度θが更新されて(図53)、同様の処理が実行さ
れ、さらに枠を切り換えて同様の処理が実行される(図
49)。さらに正立画像についてこの一連の処理が終了
すると、回転画像について、角度θ、枠を順次更新して
同様の処理が実行される(図50)。さらに正立画像及
び回転画像に対する処理が完了すると、しきい値を切り
換えて検査指紋メモリ6に取り込んだ残りの指紋データ
D2についても、同様の処理が繰り返される(図5
0)。
【0248】このようにして正立画像、回転画像の各角
度、しきい値に対応して複数の照合率が検出されると、
正立画像において、切り換えた枠の全てで照合率が一定
値以上か否か検出され、続いて同様に、回転画像につい
て、切り換えた枠の全てで照合率が一定値以上か否か検
出される。さらにこの正立画像及び回転画像において、
対応する枠について検出された座標値が相対位置関係を
満足するか検出され、さらに同様の処理が切り換えた枠
間で実行される。これらの条件を全て満足する場合、こ
の指紋データD2による指紋は、指紋データD1による
指紋と一致すると判定される。これに対して何れか1つ
の条件でも満足しない場合は、一致との判定結果が留保
される。
【0249】これにより正立画像及び回転画像により識
別して、識別力を向上するようになされている。またこ
のとき枠による座標値の相対位置関係を判断基準に加味
することにより、さらに隣接枠についても条件を加える
ことにより、識別力を一段と向上するようになされてい
る。
【0250】この判断において、角度及び基準電圧を切
り換えて得られる照合率については、正立画像及び回転
画像、各枠において、論理和による判定により一致する
か否か判定され、これにより指紋データベース5に登録
された本人については、識別力を向上して、確実に一致
結果を出力できるようになされている。
【0251】かくしてこのようにして一致の判定が留保
された場合(図45)、同一ユーザーについて他の登録
した指紋データが存在する場合、優先順位に従って、対
象となる指紋データD1が切り換えられて(ステップS
P165)、同様の処理が繰り返され、これにより指紋
照合の精度が向上される。
【0252】さらにこのような処理を繰り返しても、一
定値以下の、低い照合率しか得られない場合、不一致と
判定し、これにより指紋照合の精度が向上される。これ
に対して一定範囲で照合率が一定している場合は、判定
基準が低減されて、同様の処理が繰り返され、これによ
り指が異常に乾燥している場合等にあっても、確実に本
人と識別される。
【0253】これに対して一致と判定された場合、一致
の判定結果が出力された後、このときの照合率が指紋デ
ータベース5に記録される(図15、図44)。さらに
続いて指紋データベース5に記録された、過去の照合率
の変化が確認され、これにより照合率が低下している場
合は、登録した指紋データの更新が促される(図4
6)。これにより指の大きさ等が変化した場合でも、照
合率の回復が図られ、確実に指紋照合することができ
る。
【0254】(3)実施の形態の効果 以上の構成によれば、指紋の画像より水平方向及び垂直
方向に線状の画像を切り出し、この切り出した線状画像
を指紋データベース5に登録すると共に、この登録した
線状画像を基準にして指紋照合することにより、指紋デ
ータベースの構成を簡略化でき、その分全体構成を簡略
化することができる。またこれとは逆に、指紋データベ
ースに大人数のユーザーを登録することもできる。
【0255】また登録される指紋データにおいては、線
状の画像でなることにより、その分ユーザーのプライバ
シーを保護することもできる。
【0256】(4)他の実施の形態 なお上述の実施の形態においては、正立画像及び回転画
像に対応する水平方向及び垂直方向に線状に画像を切り
出すと共に、枠、しきい値を切り換えて検出した照合率
により、総合的に一致判定する場合について述べたが、
本発明はこれに限らず、必要に応じて、水平方向又は垂
直方向に線状に画像を切り出して検出した照合率だけで
一致不一致を判定しても良く、枠、しきい値の切り換
え、さらには他の種々の判定手法と組み合わせてもよ
い。
【0257】さらに上述の実施の形態においては、水平
方向及び垂直方向について検出した照合率と、水平方向
及び垂直方向に設定した枠より検出される座標値によ
り、指紋が一致するか否か判定する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、必要に応じて、水平方向及
び垂直方向について検出した照合率だけで、指紋が一致
するか否か判定してもよい。
【0258】また上述の実施の形態においては、画像回
転回路31によりセグメント単位で指紋データの配列を
変更して回転画像を形成し、これにより元の画像に対し
て垂直方向に指紋照合する場合について述べたが、本発
明はこれに限らず、システム制御回路3等による演算処
理により回転画像を形成してもよい。
【0259】また上述の実施の形態においては、垂直方
向と水平方向とについて、線状に画像を切り出す場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、例えば斜め方
向に線状画像を切り出す場合等に広く適用することがで
きる。
【0260】また上述の実施の形態においては、線状画
像を登録してデータベース化する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、例えばユーザーの携帯する
ICカード等に記録して、このICカードを使用する際
の本人の確認に役立ててもよい。このようにすればカー
ド決済等における安全性を向上することができる。
【0261】さらに上述の実施の形態においては、本発
明を指紋照合装置に適用する場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、例えば印影の照合装置、さらには
データベース化された画像間等で、全体又は部分的に類
似、非類似を判定する画像照合装置等に広く適用するこ
とができる。
【0262】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、1の画像
より切り出した線状の画像を基準にして他の画像を照合
することにより、小容量の記憶手段によっても、この線
状画像の画像データを記憶して、画像を照合することが
できる。従ってその分簡易な構成で画像照合することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る指紋照合装置の全体
構成を示すブロック図である。
【図2】図1の指紋照合装置の指紋データ入力部を示す
ブロック図である。
【図3】図2の指紋データ入力部による指紋の画像を示
す略線図である。
【図4】図2の指紋データ入力部における光量ムラの補
正の説明に供する信号波形図である。
【図5】指紋の画像とセグメントの関係を示す平面図で
ある。
【図6】実際の光量ムラの補正の説明に供する信号波形
図である。
【図7】基準電圧でなるしきい値の補正の説明に供する
信号波形図である。
【図8】基準電圧でなるしきい値の切り換えの説明に供
する信号波形図である。
【図9】検査指紋メモリ及び指紋データベースを周辺回
路と共に示すブロック図である。
【図10】図2の指紋データ入力部による指紋の画像を
示す略線図である。
【図11】図10の指紋の画像を回転した画像を示す略
線図である。
【図12】図9の画像回転回路を示すブロック図であ
る。
【図13】図12の画像回転回路による画像回転の説明
に供する略線図である。
【図14】図13に対応する回転後の画像を示す略線図
である。
【図15】指紋データベースの内容を示す図表である。
【図16】図15の指紋データベースにおける指紋デー
タを詳細に示す図表である。
【図17】図16の指紋データの水平方向のデータの説
明に供する略線図である。
【図18】図16の指紋データの垂直方向のデータの説
明に供する略線図である。
【図19】照合率検出部を示すブロック図である。
【図20】線状画像の走査の説明に供する略線図であ
る。
【図21】線状画像に対する指紋データの供給を示す略
線図である。
【図22】座標群メモリの内容を示す略線図である。
【図23】システム制御回路3の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図24】図23の光学系動作確認処理を示すフローチ
ャートである。
【図25】図23の指紋登録処理を示すフローチャート
である。
【図26】図25の実登録処理を示すフローチャートで
ある。
【図27】図26の続きを示すフローチャートである。
【図28】図26の有効領域検出処理を示すフローチャ
ートである。
【図29】図28の有効領域検出処理の説明に供する略
線図である。
【図30】図26の指位置判定処理を示すフローチャー
トである。
【図31】図26のズーム処理を示すフローチャートで
ある。
【図32】図26のしきい値補正処理を示すフローチャ
ートである。
【図33】図26の黒つぶれ処理を示すフローチャート
である。
【図34】図26の角度検出処理を示すフローチャート
である。
【図35】図34の角度検出処理の説明に供する略線図
である。
【図36】図34の続く処理の説明に供する略線図であ
る。
【図37】図27の登録データ選択処理を示すフローチ
ャートである。
【図38】図37の相関値検出処理を示すフローチャー
トである。
【図39】図38の照合率検出処理を示すフローチャー
トである。
【図40】図39の続きを示すフローチャートである。
【図41】図40の続きを示すフローチャートである。
【図42】回転画像からの線状画像の切り出しの説明に
供する略線図である。
【図43】回転画像における線状画像に対する指紋デー
タの供給を示す略線図である。
【図44】図23の指紋登録処理を示すフローチャート
である。
【図45】図44の続きを示すフローチャートである。
【図46】照合率の低下の説明に供する特性曲線図であ
る。
【図47】図44の指紋データ入力処理を示すフローチ
ャートである。
【図48】図47のズーム処理を示すフローチャートで
ある。
【図49】図44の比較判定処理を示すフローチャート
である。
【図50】図49の続きを示すフローチャートである。
【図51】傾き補正における画像データの処理の説明に
供する略線図である。
【図52】図51の傾き補正の説明に供する略線図であ
る。
【図53】角度の切り換えの説明に供する略線図であ
る。
【図54】正立画像における座標値の説明に供する略線
図である。
【図55】図54の正立画像との関係で、回転画像にお
ける座標値の説明に供する略線図である。
【図56】各枠より検出される座標値の関係を示す略線
図である。
【符号の説明】
1……指紋照合装置、3……システム制御回路、4……
指紋データ入力部、5……指紋データベース、6……検
査指紋メモリ、6A……正立画像メモリ、6B……回転
画像メモリ、7……照合率検出部、11……二等辺三角
形プリズム、14……比較回路、16……光量補正メモ
リ、20……間引き回路、22……脈波検出部、23…
…圧力センサ、24……しきい値補正メモリ、30……
メモリ制御回路、31……画像回転回路、40A〜40
H……照合部、49……座標群メモリ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像に対して、第2の画像の一致
    又は不一致を判定する画像照合装置において、 前記第1の画像より切り出された線状の画像の画像デー
    タを所定の記憶手段に記憶し、 前記記憶手段に記憶した画像データと、前記第2の画像
    の画像データとの比較処理により、前記一致又は不一致
    を判定することを特徴とする画像照合装置。
  2. 【請求項2】前記記憶手段は、 前記第1の画像について、前記線状の画像を複数保持
    し、 前記比較処理は、 前記複数の線状の画像を、前記第2の画像上で順次変位
    させて重なり合う画素間で比較結果を得ることにより、
    前記線状の画像と前記第2の画像との間で相関の高い座
    標値を検出し、 前記各線状の画像間における、前記相関の高い座標値間
    の相対位置関係を基準にして、前記第1及び第2の画像
    間の一致の程度を検出して実行されることを特徴とする
    請求項1に記載の画像照合装置。
  3. 【請求項3】前記記憶手段は、不揮発性のメモリでなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像照合装置。
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