JP3793977B2 - 画像照合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像照合装置に関し、例えば指紋照合装置に適用することができる。本発明は、複数の領域について検出された一致度の分布を、各領域の相対位置関係により補正して集計し、その結果得られる一致度の分布集計に基づいて、画像の一致、不一致を判定することにより、簡易かつ確実に一致、不一致を判定することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像照合装置でなる指紋照合装置においては、撮像手段を介して得られた指紋の画像より、指紋の分岐、点、切れ等の特徴的な部分(以下、特徴点と呼ぶ)を抽出することにより、この特徴点を基準にして指紋を照合するようになされている。
【0003】
すなわち従来の指紋照合装置においては、例えば各指紋の特徴点とその座標値を基準にして、予め照合に供する指紋をデータベース化する。これに対して検査対象でなる指紋の画像を画像処理し、特徴点を抽出する。さらに抽出した特徴点によりデータベースをアクセスし、これにより対応する特徴点の有無により指紋照合するようになされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来の指紋照合においては、処理に時間を要する問題がある。短時間で、確実に指紋照合することができれば、この種の指紋照合装置の使い勝手を向上でき、便利であると考えられる。
【0005】
この問題を解決する1つの方法として、検査対象の指紋画像より線状の画像を切り出し、この切り出した線状画像を判定対象の画像上で順次変位させて比較結果を得る方法が考えられる。ところがこの方法の場合、このようにして検出された比較結果の処理に時間を要し、実用上未だ不十分な問題がある。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、指紋等の画像について、簡易かつ確実に一致、不一致を判定することができる画像照合装置を提案しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、第1の画像より切り出した複数の領域を第2の画像上で順次変位させて、各領域及び第2の画像の一致の程度を示す一致度を、第2の画像の座標値を基準にして順次検出することにより、一致度の分布を各領域毎に検出する。続いて、複数の領域間の相対位置により、一致度の分布の座標値を補正して、一致度の分布集計を得、この分布集計のピーク値より画像の一致又は不一致を判定する。
【0008】
第1の画像より切り出した各領域を第2の画像上で順次変位させ、各領域及び第2の画像の一致の程度を示す一致度を順次検出すれば、第1及び第2の画像が本来一致すべき画像の場合、対応する位置で高い一致度が検出される。また対応する位置以外でも、さらには第1及び第2の画像が異なる場合でも、一致度の高い部分が検出される。
【0009】
このようにして検出される一致度から第2の画像の各画素の座標値を基準にして作成される一致度の分布について、複数の領域間の相対位置により座標値を補正して、一致度の分布集計を得るようにすれば、第1及び第2の画像が本来一致すべき画像の場合、複数の領域間の相対位置関係を満足する座標値において、それぞれ各領域において値の大きな一致度が順次加算され、値の大きなピーク値が検出されることになる。これに対して、第1及び第2の画像が異なる場合、複数の領域間の相対位置関係を満足する座標値においても、又、何ら相対位置関係を満足しない座標値においても、値の大きなピーク値を検出することが困難になる。
【0010】
これによりこのピーク値を基準にして一致、不一致を判定して、確実に判定結果を得ることができる。また一致度の分布集計においては、メモリに記録した一致度の分布を累積加算する簡易な処理により作成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)実施例の構成
(1─1)全体構成
図2は、本発明の実施の形態に係る指紋照合装置の全体構成を示すブロック図である。この指紋照合装置1においては、キー入力部2を介して入力されるユーザーの操作に応動してシステム制御回路3により全体の動作を制御することにより、所定のユーザーについて、事前に、指紋データ入力部4を介して指紋データD1を取り込み、この取り込んだ指紋データD1を登録して指紋データベース5を構築する。
【0013】
これに対してユーザーが指紋照合の要求を入力すると、指紋データ入力部4を介して検査対象の指紋データD2を取り込み、この取り込んだ指紋データD2を検査指紋メモリ6に一時保持する。さらにキー入力部2を介して入力されるユーザーの操作に応動して、検査指紋メモリ6に一時保持した指紋データD2と、指紋データベース5に登録された対応する指紋データD1とを照合率検出部7に入力する。さらにこれら指紋データD1及びD2間の一致の程度を検出し、システム制御回路3において、この一致の程度に応じて指紋の一致不一致を判断する。
【0014】
これにより指紋照合装置1は、ユーザーの入力したユーザーIDにより特定される指紋データD1と、指紋データ入力部4を介して入力される指紋データD2とが一致するか否か判断し、指紋照合を要求したユーザーが該当する人物か否かの判断結果を出力する。
【0015】
図3は、指紋データ入力部を示すブロック図である。この指紋データ入力部4においては、所定の光学系を介して、所定の指載置位置に保持されたユーザーの指より指紋を撮像し、この撮像結果より指紋データD1及びD2を生成する。
【0016】
ここでこの光学系は、指紋を採取する指を底面に載置可能に保持された二等辺三角形プリズム11と、この二等辺三角形プリズム11の斜面より底面を照明する光源12と、底面で反射された光源12の照明光を残る斜面より撮像するCCDカメラ13とにより構成される。なお光源12は、発光ダイオードアレイ等により構成される。
【0017】
これによりこの光学系は、二等辺三角形プリズム11の底面に皮膚が接触していない部分については、光源12から射出された照明光を底面により全反射してCCDカメラ13に導き、これとは逆に、二等辺三角形プリズム11の底面に皮膚が接触している部分については、底面において照明光を乱反射してCCDカメラ13へ照明光が入射しないようにする。その結果この光学系は、指紋の模様に対応した明暗の画像をCCDカメラ13よりビデオ信号SVの形式で出力するようになされている。
【0018】
アナログディジタル変換回路(A/D)ADは、このビデオ信号SVをアナログディジタル変換処理してディジタルビデオ信号を出力する。比較回路14は、基準データ設定回路15より出力される基準データREFを基準にして、このアナログディジタル変換回路ADより出力されるディジタルビデオ信号を2値化して2値化信号S1を出力する。ここで基準データ設定回路15は、システム制御回路3による制御により、光学系の光量ムラを補正すると共に、指紋画像の明暗部の比が所定値になるように、基準データREFを生成する。ラッチ回路18は、比較回路14の出力信号を所定のラッチパルスにより順次ラッチし、ラッチ結果でなる1ビットの画像データDV1を出力する。
【0019】
シリアルパラレル変換回路(S/P)21は、このラッチ回路18より出力される画像データDV1を8ビット単位で取り込んで間欠的に出力することにより、1ビット×8画素の画像データDV1を1バイトの指紋データD1又はD2に変換してデータバスBUSに出力する。これにより指紋データ入力部4は、図4に示すように、水平方向256サンプリング、垂直方向128サンプリングでなる2値の指紋画像を出力する。
【0020】
図5は、指紋データベース5及び検査指紋メモリ6を、システム制御回路3、照合率検出部7の一部と共に示すブロック図である。ここで検査指紋メモリ6は、指紋データベース5への指紋データD1の登録時、また指紋照合時、上述した指紋データ入力部4より出力される指紋データD1、D2を保持する。
【0021】
さらに検査指紋メモリ6は、システム制御回路3により制御されて実行されるメモリ制御回路30によるアドレス制御により、指紋登録時、保持した指紋データD1を8ピクセルを単位にして水平方向、垂直方向に所定順序で出力する。また検査指紋メモリ6は、指紋照合時、保持した指紋データD2を、後述する照合率検出部7の動作に応動して順次選択的に出力する。
【0022】
指紋データベース5は、事前に登録したユーザーデータ、指紋データD1等により構成される。すなわち図6に示すように、この指紋データベース5は、登録したユーザーデータ毎に、ユーザーIDが記録され、さらに各ユーザーID毎にそれぞれ9本の水平方向登録データD1H0〜D1H8及び垂直方向登録データD1V0〜D1V8が、各登録データD1H0〜D1H8、D1V0〜D1V8の位置情報(X0,Y0)〜(X8,Y0)、(X0,Y0)〜(X0,Y8)と共に記録されるようになされている。
【0023】
ここで水平方向登録データD1H0〜D1H8は、図7に示すように、検査指紋メモリ6に一時保持した指紋データD1による画像を、水平方向に延長するように、順次、64ピクセル切り出して指紋データベース5に登録される。これにより指紋データベース5は、照合対象の画像の1つより、垂直方向に1画素、水平方向に64画素の領域を計9個切り出して保持することになる。これに対して垂直方向登録データD1V0〜D1V8は、図8に示すように、検査指紋メモリ6に一時保持した指紋データD1による画像を、垂直方向に延長するように、順次、64ピクセル切り出して指紋データベース5に登録する。これにより指紋データベース5は、照合対象の画像の1つより、水平方向に1画素、垂直方向に64画素の領域を計9個切り出して保持することになる。
【0024】
これに対して位置情報(X0,Y0)〜(X8,Y0)、(X0,Y0)〜(X0,Y8)は、このようにして切り出される線状画像の基準位置を、指紋データD1による画像上において特定する座標値により構成される。この実施例において、水平方向登録データD1H0〜D1H8及び垂直方向登録データD1V0〜D1V8は、検査指紋メモリ6より順次所定間隔で切り出されるようになされている。
【0025】
さらに指紋データベース5は、指紋照合時、この保持した水平方向登録データD1H0〜D1H8及び垂直方向登録データD1V0〜D1V8、位置情報(X0,Y0)〜(X8,Y0)、(X0,Y0)〜(X0,Y8)を、システム制御回路3の制御によりバスBUSに出力する。
【0026】
照合率検出部7(図5)は、各線状画像の画像データD1H0〜D1H8、D1V0〜D1V8を順次入力し、この入力した線状画像を照合対象でなる指紋データD2による画像上で順次変位させる。さらに照合率検出部7は、各変位位置で、重なり合う線状画像と指紋データD2による画像間で順次比較結果を得ることにより、前記各線状画像と前記第2の画像との間で一致の程度を示す一致度を順次検出する。照合率検出部7は、これにより一致度の分布を検出する。
【0027】
さらに照合率検出部7は、一致度の分布を補正し、この補正結果より指紋データD1及びD2による指紋画像間で照合率を算出し、この照合率より一致不一致を判定する。なおここで照合率検出部7は、順次検出される一致度より所定のしきい値以上の一致度を検出し、このしきい値以上の一致度を、各変位位置を示す座標値と共に一致度、座標メモリ32に格納することにより、また続いて後述する丸め処理を実行することにより、この一致度分布の補正処理を実行する。
【0028】
すなわち一致度検出部40は、システム制御回路3の制御により、指紋データベース5に格納された画像データD1H0〜D1H8、D1V0〜D1V8を選択的にラッチ回路41にセットする。続いて一致度検出部40は、メモリ制御回路30のアドレス制御により、一致度検出部40にセットした指紋データD1H0〜D1H8、D1V0〜D1V8による画像が、指紋データD2による画像上でラスタ走査の順序で順次変位するように、連続する指紋データD2が検査指紋メモリ6より順次供給される。
【0029】
一致度検出部40において、パラレルシリアル変換回路(P/S)42は、順次入力される指紋データD2をシリアルデータに変換して、一定周期でシフトレジスタ43に出力する。シフトレジスタ43は、このシリアルデータを64ビット分保持し、パラレルシリアル変換回路42より出力されるシリアルデータに同期して順次ビットシフトさせると共に、ビットシフトさせたデータを64ビットパラレルにより出力する。
【0030】
ラッチ回路41は、ラッチした8バイトの指紋データD1H0〜D1H8、D1V0〜D1V8を64ビットパラレルにより出力する。比較回路44は、64系統のイクスクルーシブオア回路により構成され、シフトレジスタ43の出力データとラッチ回路41の出力データとの間で、各ビットの比較結果をそれぞれ出力する。
【0031】
これにより一致度検出部40は、例えば水平方向に連続する画素による指紋データD1H0〜D1H8がセットされた場合、図9に示すように、指紋データD2により形成される画像上を、この指紋データD1H0〜D1H8により形成される線状の画像をラスタ走査させ、重なり合う指紋データD2及びD1H0〜D1H8間で、各ビットの一致不一致を判定する。
【0032】
また一致度検出部40は、例えば垂直方向に連続する画素による指紋データD1V0〜D1V8がセットされた場合、図10に示すように、指紋データD2により形成される画像上を、この指紋データD1V0〜D1V8により形成される線状の画像をラスタ走査させ、重なり合う指紋データD2及びD1V0〜D1V8間で、各ビットの一致不一致を判定する。
【0033】
カウンタ45は、このようにして比較回路44より得られる64系統の比較結果をカウントし、カウント値を出力する。これによりカウンタ45においては、指紋データD1H0〜D1H8、D1V0〜D1V8により形成される線状の画像と、この線状の画像と重なり合う指紋データD2より形成される画像との間の一致の程度(すなわち一致度でなる)を検出するようになされ、この重なり合った画像が完全に一致した場合、値64の一致度を出力するようになされている。かくするにつき照合率検出部7においては、このようにして一致度検出回路40により順次検出される一致度DMH0〜DMV8が、システム制御回路3により所定のしきい値以上か否か判定されて、このしきい値以上の一致度が検出されるようになされている。
【0034】
一致度、座標メモリ32は、図11に示すように、各線状画像の指紋データD1H0〜D1H8、D1V0〜D1V8に対応して、システム制御回路3により検出されたしきい値以上の一致度DMH0〜DMV8(62/64、63/64、57/64、……)を、その座標値((X01、Y01)、(V02、Y02)、(X03、Y03)、……)と共に格納する。さらに一致度、座標メモリ32は、システム制御回路3の制御により、この格納した一致度DMH0〜DMV8と座標値とを順次出力する。
【0035】
図12は、照合率検出部7の残りの部分を示すブロック図である。この照合率検出部7において、テンポラリ用メモリ50は、メモリ制御回路30を介して実行されるシステム制御回路3の制御により、指紋照合時、内容を値0にクリヤした後、順次バスBUSに出力される一致度DMH0〜DMV8のデータを格納し、また格納した一致度DMH0〜DMV8のデータをバスBUSに出力する。
【0036】
このときテンポラリ用メモリ50は、一致度、座標メモリ32に格納された一致度DMH0〜DMV8の周囲の所定範囲の一致度が、この所定値以上の一致度に設定されて入力される。
【0037】
これによりこの実施の形態においては、各線状画像について検出された一致度の分布に対して、事前に一種の丸め処理を実行し、この丸め処理において、所定値以上の一致度については、周囲所定範囲をこの一致度に設定すると共に、他の範囲については値0の一致度に設定し、その分処理に要する時間を短縮できるようになされている。
【0038】
足し合わせ部51は、システム制御回路3の制御により動作を開始し、足し合わせ用メモリ52に保持された一致度DMAと、テンポラリ用メモリ50に格納された対応する一致度とを加算し、その結果得られる累積の一致度DMAを足し合わせ用メモリ52に格納する。
【0039】
足し合わせ用メモリ52は、メモリ制御回路30を介して実行されるシステム制御回路3の制御により、指紋照合時、内容を更新した後、順次バスBUSに出力される一致度DMAを格納し、また格納した一致度DMAをバスBUSに出力する。
【0040】
これによりこの実施の形態においては、各線状画像について検出された一致度の分布を事前に丸め処理した後、各線状画像の相対位置関係で補正して足し合わせ用メモリ52にて集計するようになされ、その集計結果により一致不一致の判定を実行するようになされている。
【0041】
かくするにつき、テンポラリ用メモリ50、足し合わせ用メモリ52は、指紋画像の画素値256×128に対応する広がりと、各メモリに要求される高さにより構成されるようになされている。因みに、この実施の形態において、一致度は、最大値が値64でなることにより、足し合せ用メモリ52は、256×128×10ビットのメモリ空間が確保されることになる。
【0042】
最大値検出部53は、システム制御回路3の制御により動作を開始し、全ての線状画像について、足し合わせ用メモリ52に一致度分布の集計が得られると、バスBUSを介して、この一致度を順次入力し、その最大値を検出する。さらに検出した最大値をシステム制御回路3に出力する。
【0043】
システム制御回路3は、マイクロコンピュータにより構成され、この指紋照合装置1全体の動作を制御して、指紋データベース5に指紋データD1を登録し、またこの指紋データベース5を基準にして指紋照合の処理を実行する。
【0044】
図13は、このシステム制御回路3の処理手順を大まかに示すフローチャートである。システム制御回路3は、電源が投入されると、ステップSP1からステップSP2に移り、所定のメモリに保持された基準データを基準データ設定回路15にセットする。これによりシステム制御回路3は、光学系の光量ムラを補正するように、比較回路14の基準データREFをセットし、簡易な構成の光学系によっても、正しい照合結果を得ることができるようにする。
【0045】
続いてシステム制御回路3は、ステップSP3に移り、指紋登録要求が入力されたか否か判断する。ここでこの実施の形態においては、キー入力部2を介して所定のコマンド、暗証番号等を入力することにより指紋登録要求を入力できるようになされ、この指紋登録要求により各ユーザーの指紋データD1を指紋データベース5に登録する。システム制御回路3は、この指紋登録要求が入力されると、ステップSP3において肯定結果が得られることにより、ステップSP4に移って指紋登録処理を実行してステップSP3に戻る。
【0046】
この指紋登録処理において、システム制御回路3は、シリアルパラレル変換回路21の出力データD1を監視し、プリズム11上に指が載置されるのを検出する。さらにシステム制御回路3は、指が載置されると、シリアルパラレル変換回路21の出力データD1を検査指紋メモリ6に取り込む。さらにこの検査指紋メモリ6に取り込んだ指紋データD1より、図7及び図8について上述した線状画像を切り出して指紋データベース5に登録する。
【0047】
これに対して指紋登録要求が入力されていない場合、システム制御回路3は、ステップSP3よりステップSP5に移り、キー入力部2の操作により指紋照合要求が入力されたか否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御回路3は、ステップSP3に戻る。これに対して指紋照合要求が検出されると、システム制御回路3は、ステップSP5よりステップSP6に移り、指紋照合処理を実行してステップSP3に戻る。
【0048】
図14は、この指紋照合処理の処理手順を示すフローチャートである。システム制御回路3は、ユーザーがキー入力部2を操作して指紋照合の要求を入力すると、ステップSP5からステップSP6に移り、バスBUSに出力される指紋データD2の論理レベルを監視し、ユーザーがプリズム11上に指を載置すると、指紋データD2を検査指紋メモリ6に格納する。
【0049】
続いてシステム制御回路3は、ステップSP7に移り、変数mを値0にセットする。ここで変数mは、1のユーザーIDについて、指紋データベース5に登録された9×2個の登録データD1H0〜D1V8を特定する変数である。
【0050】
続いてシステム制御回路3は、ステップSP8に移り、キー入力部2を介して入力されるユーザーIDを基準にして、対応するユーザーIDについて登録された水平方向のm番目の登録データD1H0をロードし、この登録データD1H0を一致度検出部40にセットする。
【0051】
続いてシステム制御回路3は、ステップSP9に移り、検査指紋メモリ6に格納した指紋データD2を、順次、一致度検出部40に出力し、これにより図9について上述したように、登録データD2H0による水平方向の線状画像を指紋データD2による画像上でラスタ走査させながら、各位置における一致度DMH0を検出する。さらにシステム制御回路3は、この検出した一致度DMH0を順次所定のしきい値と比較し、このしきい値以上の一致度を、対応する指紋データD2の座標値と共に一致度、座標メモリ32に格納する。これによりシステム制御回路3は、一致度の分布を補正して一致度、座標メモリ32に記録する。
【0052】
続いてシステム制御回路3は、ステップSP10に移り、変数mをインクリメントした後、ステップSP11に移る。ここでシステム制御回路3は、変数mが値9を越えたか否か判断することにより、9本の線状画像について、それぞれ一致度分布を検出したか否か判断し、この場合否定結果が得られることにより、ステップSP8に戻る。これによりシステム制御回路3は、ステップSP8−SP9−SP10−SP11−SP8の処理手順を繰り返し、水平方向に切り出した9本の線状画像についてそれぞれ一致度DMH0〜DMH8の分布を検出する。
【0053】
このようにして9本の線状画像についてそれぞれ一致度DMH0〜DMH8の分布を検出すると、システム制御回路3は、ステップSP11において、肯定結果が得られることにより、ステップSP12に移る。ここでシステム制御回路3は、垂直方向の登録データD1V0〜D1V8について、一致度DMV0〜DMV8の分布を検出したか否か判断し、この場合否定結果が得られることにより、ステップSP13に移る。ここでシステム制御回路3は、処理対象を垂直方向の登録データD1V0〜D1V8に切り換えた後、変数mを値0にリセットしてステップSP8に戻る。
【0054】
これによりシステム制御回路3は、同様に、ステップSP8−SP9−SP10−SP11−SP8の処理手順を繰り返し、垂直方向に切り出した9本の線状画像についてそれぞれ一致度DMV0〜DMV8の分布を検出し、その検出結果を補正して一致度、座標メモリ32に格納する。
【0055】
このようにして垂直方向の線状画像について、一致度DMH0〜DMV8の分布を検出すると、システム制御回路3は、ステップSP12において肯定結果が得られることにより、ステップSP14に移る。ここでシステム制御回路3は、照合率検出処理を実行し、9×2本の線状画像について検出した一致度分布より照合率を検出する。
【0056】
続いてシステム制御回路3は、ステップSP15に移り、ここで照合率Nが一定値以上か否か判断する。ここで照合率Nが一定値以下の場合、システム制御回路3は、ステップSP16に移り、不一致の判定結果を出力するのに対し、照合率Nが一定値以上の場合、ステップSP17に移り、一致の判定結果を出力する。その後、システム制御回路3は、ステップSP18に移って、この処理手順を終了する。
【0057】
図1は、このシステム制御回路3による照合率検出処理を示すフローチャートである。システム制御回路3は、ステップSP20からステップSP21に移り、足し合わせ用メモリ52をクリアした後、ステップSP22に移る。ここでシステム制御回路3は、変数nを値0にセットした後、ステップSP24に移る。ここで変数nは、一致度、座標メモリ32に格納した各一致度分布を特定する変数である。
【0058】
続いてシステム制御回路3は、テンポラリ用メモリ50の内容をクリアした後、ステップSP24に移り、変数nにより指定される一致度DMH0〜DMV8を丸め処理してテンポラリ用メモリ50に格納する。ここでシステム制御回路3は、変数nにより特定される一致度分布(この場合、水平後方登録データD1H0について検出されたしきい値以上の一致度と、その座標値でなる)について、この分布度を形成する一致度のデータDMH0を順次一致度、座標メモリ32より読み出し、その周囲所定範囲ARの一致度DMH0をこの読み出した一致度DMH0で更新する。このとき図16に示すように、システム制御回路3は、所定のしきい値を越える一致度DMH0が近接して、この近接した一致度DMH0の各領域AR1及びAR2が重なり合う場合、この重なり合う部分については、値の大きな一致度DMH0を割り当てる。
【0059】
このとき図17に示すように、システム制御回路3は、9本の水平方向登録データD1H0〜D1H8による線状画像のうちの、中央の線状画像を基準にして、この中央の線状画像より遠ざかるに従って、この一致度DMH0を更新する領域ARが拡大するように、一致度DMH0を更新する。
【0060】
このようにして第1の一致度分布について、一致度DMH0を丸め処理してテンポラリ用メモリ50に格納すると、システム制御回路3は、ステップSP25に移り、足し合わせ部51に動作の開始を指示する。これによりシステム制御回路3は、テンポラリ用メモリ50の一致度DMH0を、足し合わせ用メモリ52に記録した対応する内容に加算し、加算結果により足し合わせ用メモリ52を順次更新する。この場合システム制御回路3は、ステップSP21において足し合わせ用メモリ52をクリアしていることにより、テンポラリ用メモリ50の一致度DMH0を足し合わせ用メモリ52に格納することになる。
【0061】
このときシステム制御回路3は、9本の水平方向登録データD1H0〜D1H8による線状画像のうちの、中央の線状画像を基準にして、図18(A)及び(B)に示すように、この中央の線状画像から登録データD1H0による線状画像の距離を補正して(すなわち図6においては、(X4−X0,Y4−Y0)の分だけ座標値をシフトさせて)、テンポラリ用メモリ50の一致度DMH0を足し合わせ用メモリ52に格納する。なおこの図18においては、ステップSP24において、所定値以上の一致度に設定された領域ARを矩形により示す。
【0062】
このようにして足し合わせ用メモリ52の内容を更新すると、システム制御回路3は、ステップSP26に移り、ここで変数nをインクリメントした後、ステップSP27に移る。ここでシステム制御回路3は、変数nが値9を越えたか否か判断することにより、水平方向登録データD1H0〜D1H8についてそれぞれ検出した9個の一致度分布について、処理を完了したか否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御回路3は、ステップSP23に戻り、続く一致度DMH1の分布について、処理を繰り返す。
【0063】
これによりシステム制御回路3は、ステップSP23−SP24−SP25−SP26−SP27−SP23の処理手順を繰り返し、水平方向登録データD1H0〜D1H8についてそれぞれ検出した9個の一致度分布について、丸め処理した後、この丸め処理した一致度DMH0〜DMH8を、中央の線状画像からの距離で補正してテンポラリ用メモリ50の一致度DMH0に足し合わせる(図18(C)及び(D))。
【0064】
これによりシステム制御回路3は、水平方向登録データD1H0〜D1H8による線状画像と、指紋データD2による指紋画像とが本来一致すべきものの場合、指紋データD2による指紋画像と各線状画像とが正しく重なり合う位置にて検出される一致度が累積されるように、一致度の分布を集計する。
【0065】
すなわちこのように明暗の繰り返しでなる線状画像を指紋データD2による画像上で走査させて一致度を検出する場合、線状画像と、指紋データD2による指紋画像とが本来一致すべきものでない場合でも、各線状画像においては、複数の箇所で高い一致度が検出される。また線状画像と、指紋データD2による指紋画像とが本来一致すべきものの場合でも、指紋データD2による指紋画像と各線状画像とが正しく重なり合う位置以外で、高い一致度が検出される。
【0066】
ところがこのような一致度については、線状画像の相対位置関係により座標値を補正して一致度の分布を集計した場合、高いピーク値を検出することが困難になる。これに対して指紋データD2による指紋画像と線状画像とが本来一致すべきものの場合で、かつ指紋データD2による指紋画像と各線状画像とが正しく重なり合う位置にて検出される一致度においては、線状画像の相対位置関係により座標値を補正して一致度の分布を集計した場合、高いピーク値(図18においては符号DMAにより示す)が検出されるようになる。この原理に基づいて、この実施の形態では、このピーク値を検出して照合率を計算する。
【0067】
すなわちシステム制御回路3は、このように水平方向の9本の線状画像について、一致度の分布を集計すると、ステップSP28に移り、ここで垂直方向について、一致度分布の集計を完了したか否か判断し、この場合否定結果が得られることにより、ステップSP29に移る。ここでシステム制御回路3は、垂直方向の線状画像について検出された一致度に処理対象を切り換えた後、変数nを値0にセットしてステップSP24に戻る。
【0068】
これによりシステム制御回路3は、垂直方向の線状画像について検出された一致度DMV0〜DMV8の分布について、同様に、丸め処理した後、足し合わせ用メモリ52の内容を更新して一致度分布を集計する。
【0069】
さらにシステム制御回路3は、このように垂直方向についても一致度分布を集計すると、ステップSP28よりステップSP30に移り、最大値検出部53に動作の開始を指示し、これにより足し合わせ用メモリ52の内容を順次読み出し、集計した一致度の最大値DMAを検出した後、ステップSP31に移ってこの処理手順を終了する。これによりシステム制御回路3は、この集計結果のピーク値でなる最大値DMAを照合率に設定して、一致、不一致を判定することになる。
【0070】
以上の構成において、指紋照合装置1は、電源が立ち上げられると(図2、図3、図13)、システム制御回路3の制御により、所定の基準データが基準データ設定回路15にセットされ、これにより光学系の光量ムラを補正するように比較回路14の基準データREFが設定される。
【0071】
続いてユーザーがキー入力部2(図2)を操作すると、指紋照合装置1は、対応する指紋登録処理、指紋照合処理を実行する。
【0072】
この指紋登録処理において、指紋照合装置1は、光源12より射出された照明光が二等辺三角形プリズム11の底面で反射されてCCDカメラ13により撮像され、この撮像結果が比較回路14により2値化のディジタルビデオ信号に変換される。またこの比較回路14より出力された2値化信号S1が、ラッチ回路18によりラッチされて1ビットの画像データDV1に変換された後、シリアルパラレル変換回路21により8ピクセルを単位にした8ビットの画像データD1に変換される。
【0073】
指紋照合装置1は、このシリアルパラレル変換回路21より出力される画像データD1の変化により、指紋登録の処理を開始し、これにより簡易な操作で指紋登録できるようになされている。
【0074】
指紋照合装置1は、指紋登録の処理を開始すると、シリアルパラレル変換回路21より出力される画像データD1が検査指紋メモリ6(図5)に格納される。さらにこの指紋データD1より、垂直方向及び水平方向に延長する各9本の線状画像が切り出され(図7及び図8)、この線状画像の画像データD1H0〜D1V8が、各線状画像の座標値、ユーザーIDと共に指紋データベース5に格納され(図6)、これにより指紋登録の処理が完了する。
【0075】
これに対してユーザーがユーザーIDを入力して指紋照合を指示すると、指紋照合装置1は、指紋登録時と同様にして、バスBUSに出力される画像データの論理レベルに基づいて指紋照合の処理を開始し、ユーザーの入力した指紋画像を検査指紋メモリ6に格納する(図2、図3、図5、図14)。
【0076】
さらに指紋照合装置1は、このユーザーIDにより指紋データベース5がアクセスされ、始めに水平方向登録データD1H0が一致度検出部40に格納される。指紋照合装置1は、この水平方向登録データD1H0による線状画像が指紋データD2による指紋画像上をラスタ走査するように、検査指紋メモリ6に格納された指紋データD2が一致度検出部40に供給される(図9)。
【0077】
この2系統の指紋データD1H0及びD2は、順次比較回路44において、各画素の一致、不一致が検出され、一致結果がカウンタ45によりカウントされる。これにより指紋照合装置1は、各ラスタ走査位置で、線状画像及び指紋データD2による指紋画像の一致の程度を示す一致度DMH0を順次検出する。さらに順次検出される一致度より所定のしきい値を越える一致度が検出され、この一致度と対応する座標値が順次一致度、座標メモリ32に格納され、これにより一致度DMH0の分布が補正されて検出される。
【0078】
このようにして第1の水平方向登録データD1H0について、一致度DMH0の分布を検出すると、指紋照合装置1は、同様にして、第2〜第9の水平方向登録データD1H1〜D1H8について、一致度DMH1〜DMH8の分布を検出した後、さらに垂直方向登録データD1V1〜D1V8について、一致度DMV1〜DMV8の分布を検出する(図10、図11)。
【0079】
続いて指紋照合装置1は、この検出した一致度DMH0〜DMV8の分布より、第1の水平方向登録データD1H0について、丸め処理により、しきい値以下の一致度は値0に、所定値以上の一致度は、周辺の領域がこの所定値以上の一致度に更新され、この丸め処理の結果がテンポラリ用メモリ50に格納される(図12)。
【0080】
その後、足し合わせ用メモリ52の内容がクリアされた後、足し合わせ部51において、テンポラリ用メモリ50に格納された丸め処理結果の座標値が補正されて、足し合わせ用メモリ52の内容に加算される。
【0081】
この丸め処理、足し合わせ用メモリ52への加算処理が、各一致度DMH0〜DMV8の分布について実行され、これにより線状画像の相対位置関係により一致度分布の座標値を補正して一致度の分布が集計される(図18)。
【0082】
このとき基準の線状画像からの距離に応じて、一致度を更新する範囲ARが拡大される(図17)。また隣接して高い一致度が検出された場合、重なり合う部分については、高い一致度が割り当てられる(図16)。
【0083】
さらにこの集計結果より、ピーク値が照合率として検出され、この照合率が一定値以上の場合に、一致の判定結果が出力される。これにより指紋照合装置1では、簡易かつ確実に指紋照合できるようになされている。
【0084】
すなわちこの照合の判定において、一定値以上の一致度が検出される座標値を各線状画像について検出し、各線状画像の相対位置関係を満足する座標値の組み合わせを検出することにより、一致不一致を判定することも可能である。しかしながら、例えば、各線状画像について、所定値以上の一致度が5個づつ検出されたとすると、9×2本の線状画像にあっては、5の(9×2)乗個の組み合わせが可能となり、これら全ての組み合わせについて、線状画像の相対位置関係を満足するか否か判定する必要がある。
【0085】
ところがこの実施の形態によれば、各線状画像について、丸め処理した一致度をテンポラリ用メモリ50に格納した後、足し合わせ用メモリ52を用いて累積加算するだけの簡易な処理により照合率を検出することができ、その分簡易に指紋照合することができる。
【0086】
またこの処理においては、各線状画像の一致度が累積されて照合率が検出されることにより、各線状画像の指紋画像に対する一致の程度が照合率に反映され、これによって確実に指紋照合結果を得ることができる。
【0087】
さらに丸め処理において、所定値以上の一致度は、周辺の所定範囲ARがこの所定値以上の一致度に更新されることにより、指の押圧力により指紋が変化した場合、さらには子供の指が大きくなったような場合でも、確実に指紋照合結果を得ることができる。さらにこのとき基準の線状画像からの距離に応じてこの範囲ARが拡大されることにより、指紋照合の精度がさらに一段と向上される。
【0088】
以上の構成によれば、線状画像を順次検査対象の画像上でラスタ走査させて一致度の分布を検出し、各一致度の分布を丸め処理した後、各線状画像の相対位置関係を補正して集計することにより、簡易かつ確実に指紋照合結果を得ることができる。
【0089】
またこの丸め処理において、所定値以上の一致度については、周辺の所定範囲ARがこの所定値以上の一致度で更新することにより、さらには基準の線状画像からの距離に応じてこの範囲ARを拡大することにより、指の押圧力により指紋が変化した場合、さらには子供にあって指が大きくなったような場合でも、確実に指紋照合結果を得ることができる。
【0090】
なお上述の実施の形態においては、順次検出される一致度を所定の基準と比較する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各一致度の分布より一致度の高い順に所定個数の一致度を検出し、この検出した一致度についてだけ周囲の領域を更新し、また他の一致度を値0にセットしても良い。
【0091】
また上述の実施の形態においては、所定値以上の一致度は、周辺の所定範囲ARをこの所定値以上の一致度で更新する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、所定値以上の一致度は、周辺の所定範囲ARと共に、値1に設定してもよい。このようにすれば、メモリを小容量化してさらに全体構成を簡略化することができる。尚この場合、照合率の判定基準に応じて、論理レベルを逆転して、所定値以上の一致度を値0にセットしても良い。
【0092】
また上述の実施の形態においては、一致度を更新する範囲ARを、基準の線状画像からの距離に応じて拡大する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上充分な場合等にあっては、この範囲ARを一定値に固定してもよい。
【0093】
さらに上述の実施の形態においては、一致度が所定値以上の場合、周辺の所定範囲ARを更新する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じてこの処理を省略してもよい。また同様に、所定値以下の一致度を値0に設定する処理を省略してもよい。
【0094】
また上述の実施の形態においては、各線状画像について、一致度の分布を検出した後、一致度の分布を集計する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、一致度分布の検出処理、一致度分布の集計処理を、各線状画像について逐次実行してもよく、また同時並列的に実行してもよい。
【0095】
さらに上述の実施の形態においては、一致度の分布検出は、比較回路による比較処理により、一致度の分布集計は、システム制御回路3及び足し合せ部51の演算処理により実行する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じて一致度の分布検出、一致度の分布集計をハード構成により、又は演算処理により実行してもよい。
【0096】
また上述の実施の形態においては、指紋データベースに線状画像を登録し、検査対象の指紋画像上で走査させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、検査対象の指紋画像より線状画像を切り出し、指紋データベースに登録した指紋画像上で走査させるようにしてもよい。
【0097】
さらに上述の実施の形態においては、幅が1画素の線状画像を走査させて一致度を検出し、この一致度を処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2次元的な広がりを有する所定領域を切り出して一致度を検出する場合にも広く適用することができる。
【0098】
さらに上述の実施の形態においては、本発明を指紋照合装置に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば印影の照合装置、さらにはデータベース化された画像間で、全体又は部分的に類似、比類似を判定する画像照合装置等に広く適用することができる。
【0099】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、処理対象の1の画像より切り出した複数の領域を、他の画像上で走査させて一致度の分布を検出し、この一致度の分布を各領域の相対位置関係により補正して足し合わせ、その結果得られる一致度の分布集計に基づいて、画像の一致、不一致を判定することにより、簡易かつ確実に一致、不一致を判定することができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る指紋照合装置の動作の説明に供するフローチャートである。
【図2】図1の指紋照合装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図2の指紋照合装置の指紋データ入力部を示すブロック図である。
【図4】図3の指紋データ入力部による指紋の画像を示す略線図である。
【図5】照合率検出部の一部を周辺回路と共に示すブロック図である。
【図6】指紋データベースの内容を示す略線図である。
【図7】線状画像の切り出しの説明に供する略線図である。
【図8】図7の線状画像と異なる方向について切り出される線状画像の説明に供する略線図である。
【図9】図7の線状画像の走査の説明に供する略線図である。
【図10】図8の線状画像の走査の説明に供する略線図である。
【図11】一致度、座標メモリの説明に供する略線図である。
【図12】図5の照合率検出部の残りを示すブロック図である。
【図13】システム制御回路3の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】指紋照合処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】丸め処理の説明に供する略線図である。
【図16】図15の領域が重なり合う場合の処理の説明に供する略線図である。
【図17】基準の線状画像と図15の領域との関係を示す略線図である。
【図18】一致度分布の集計の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1……指紋照合装置、3……システム制御回路、4……指紋データ入力部、5……指紋データベース、6……検査指紋メモリ、7……照合率検出部、40……一致度検出部、32……一致度、座標メモリ、テンポラリ用メモリ、51……足し合わせ部、52……足し合わせ用メモリ、53……最大値検出部
Claims (10)
- 第1及び第2の画像間で、画像の一致又は不一致を判定する画像照合装置において、
前記第1の画像より切り出した複数の領域を前記第2の画像上で順次変位させて、前記各領域及び前記第2の画像の一致の程度を示す一致度を、前記第2の画像の座標値を基準にして順次検出することにより、前記変位の各位置の座標値と、前記各位置における前記一致度とによる一致度の分布を前記各領域毎に検出し、
前記第1の画像上における前記複数の領域のうちの1つの基準の領域の座標値から他の領域の座標値を減算した減算値を、前記他の領域の一致度の分布における前記各位置の座標値に加算して前記一致度の分布を補正した後、座標値毎に、前記基準の領域の一致度の分布における一致度に、前記他の領域の一致度の分布における一致度を加算して一致度の分布集計を得、
前記分布集計における一致度のピーク値より前記画像の一致又は不一致を判定する
ことを特徴とする画像照合装置。 - 前記切り出した各領域を前記第2の画像上で順次変位させて検出した一致度を補正処理して、前記一致度の分布を検出し、
前記補正処理は、
所定の基準値と前記一致度を順次比較し、前記基準値以上の一致度については、周囲の所定範囲の一致度を基準値以上の前記一致度に設定すると共に、他の一致度を最低値に設定する処理でなる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像照合装置。 - 前記切り出した各領域を前記第2の画像上で順次変位させて検出した一致度を補正処理して、前記一致度の分布を検出し、
前記補正処理は、
前記各領域毎に、一致度の高い順に、所定個数の一致度を選択し、該選択した一致度の周囲の所定範囲の一致度を中心の一致度に設定すると共に、他の一致度を最低値に設定する処理でなる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像照合装置。 - 前記切り出した各領域を前記第2の画像上で順次変位させて検出した一致度を補正処理して、前記一致度の分布を検出し、
前記補正処理は、
所定の基準値と前記一致度を順次比較し、
前記基準値以上の一致度については、前記基準値以上の一致度及び周囲の所定範囲の一致度を値1又は値0の一致度に設定し、
他の一致度を値0又は値1の一致度に設定する処理でなる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像照合装置。 - 前記切り出した各領域を前記第2の画像上で順次変位させて検出した一致度を補正処理して、前記一致度の分布を検出し、
前記補正処理は、
前記各領域毎に、一致度の高い順に、所定個数の一致度を値1又は値0の一致度に設定すると共に、周囲の所定範囲の一致度を値1又は値0の一致度に設定し、
他の一致度を値0又は値1の一致度に設定する処理でなる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像照合装置。 - 前記所定範囲は、
前記基準の領域に対して前記他の各領域が遠ざかるに従って、各領域で拡大するように設定された
ことを特徴とする請求項2に記載の画像照合装置。 - 前記所定範囲は、
前記基準の領域に対して前記他の各領域が遠ざかるに従って、各領域で拡大するように設定された
ことを特徴とする請求項3に記載の画像照合装置。 - 前記所定範囲は、
前記基準の領域に対して前記他の各領域が遠ざかるに従って、各領域で拡大するように設定された
ことを特徴とする請求項4に記載の画像照合装置。 - 前記所定範囲は、
前記基準の領域に対して前記他の各領域が遠ざかるに従って、各領域で拡大するように設定された
ことを特徴とする請求項5に記載の画像照合装置。 - 前記領域は、
幅が1画素の線状の画像でなる
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求項9に記載の画像照合装置。
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