JPH10101929A - 生分解性材料及びその製造方法 - Google Patents

生分解性材料及びその製造方法

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JPH10101929A
JPH10101929A JP25869096A JP25869096A JPH10101929A JP H10101929 A JPH10101929 A JP H10101929A JP 25869096 A JP25869096 A JP 25869096A JP 25869096 A JP25869096 A JP 25869096A JP H10101929 A JPH10101929 A JP H10101929A
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JP
Japan
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acid
polyaspartic
anhydride
aspartic acid
pts
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Application number
JP25869096A
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English (en)
Inventor
Masako Yoshikawa
政子 吉川
Masayuki Tomita
雅之 冨田
Yasushi Matsubara
康史 松原
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TOC60%以上の生分解性材料を得る。 【解決手段】 下記一般式(1)を満足する無水ポリア
スパラギン酸を加水分解して得られるポリアスパラギン
酸及び/またはその塩を含有する高分子材料を生分解性
材料として用いる。 【数1】 5≧アスパラギン酸末端数/アミド水素≧0.4 (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い生分解性を示
し、肥料、スケール抑制剤、ビルダー、保湿剤、分散剤
等として有用であるポリアスパラギン酸及びまたはその
塩を含有する生分解性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアスパラギン酸は、生分解性を有す
ることから、ポリアクリル酸の代替用物質として、現在
注目を集めている。しかしながら、ポリアスパラギン酸
のホモポリマー、特に溶媒や触媒を使用しない製造法で
製造したポリアスパラギン酸は、そのままではまだ生分
解性が不十分である。ポリアスパラギン酸の生分解性に
ついては、特開平7−3010号公報において、ポリア
スパラギン酸の前駆体である無水ポリアスパラギン酸の
スクシンイミド部分のCH基の総量とNH基の総量の比
に相関があることが示されているが、本発明者らが鋭意
研究した結果、必ずしも、無水ポリアスパラギン酸のス
クシンイミド部分のCH基の総量とNH基の総量の比に
依存しないため、この方法では、十分な生分解性が得ら
れないことが解った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
のような従来技術の問題点を解決し、生分解性の良好な
ポリアスパラギン酸及びまたはその塩を含有する生分解
性材料、及びその容易な製造方法を提供するものであ
る。尚、良好な生分解性とは、後述する全有機炭素量
(TOC)で、60%以上の分解が示されるものを言
う。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリアスパ
ラギン酸の生分解性について、鋭意検討した結果、中間
体である無水ポリアスパラギン酸の末端構造及びアミド
水素を特定した場合に生分解性が向上することを見出
し、その末端構造及びアミド水素について、NMRを用
いて詳細に解析した結果、本発明に到達したものであ
る。
【0005】即ち、本発明の要旨は、末端の官能基数
が、下記式(1)を満足する無水ポリアスパラギン酸を
加水分解したポリアスパラギン酸及び/またはその塩を
含有することを特徴とする生分解性材料およびその製造
方法に存する。
【0006】
【数3】 5≧アスパラギン酸末端数/アミド水素≧0.4 (1)
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
(アスパラギン酸末端)ここで、無水ポリアスパラギン
酸のアスパラギン酸末端構造とは、以下の構造式を指
す。
【0009】
【化1】
【0010】本発明におけるこの末端の数は、無水ポリ
アスパラギン酸中のモノマー単位100個あたりの末端
の数である。
【0011】本発明において、モノマー単位100個あ
たりのアスパラギン酸末端数は、13C−NMRで立体規
則性の影響により主として2本***したアスパラギン酸
末端の片方のカルボニル炭素に帰属される168.8p
pmのシグナル面積の和の200倍を165−180p
pmの全カルボニル炭素のシグナル面積の和で除するこ
とにより求めたものである。
【0012】NMRの測定には、日本電子(株)製「G
SX400NMR分光計」を使用した。また、無水ポリ
アスパラギン酸100mgを重水素化ジメチルスルホキ
シド0.5mlに溶解したものを試料とした。
【0013】13C−NMRは、共鳴周波数100.5M
Hz、観測幅23kHz、ポイント数32k、フリップ
角45°、パルス間隔15秒、積算回数4000−10
000、温度60℃で測定し、テトラメチレンシランを
化学シフトの基準とした。
【0014】(アミド水素)本発明において、モノマー
100個当たりのアミド水素数は、 1H−NMRでアミ
ド水素に帰属される7.7−9.4ppmシグナル面積
を4.2−5.8ppmの全メチン水素のシグナル面積
の和で除し、100を乗じることにより求めたものであ
る。アミド水素とは、ポリマー主鎖が分岐している場合
にイミド環が開環することで存在するため、分岐の指標
となる。
【0015】NMRの測定には、日本電子(株)製「G
SX400NMR分光計」を使用した。また、無水ポリ
アスパラギン酸100mgを重水素化ジメチルスルホキ
シド0.5mlに溶解したものを試料とした。
【0016】1H−NMRは、共鳴周波数399.8M
Hz、観測幅6kHz、ポイント数32k、フリップ角
45°、パルス間隔15秒、積算回数32、温度24℃
で測定し、テトラメチルシランを化学シフトの基準とし
た。
【0017】(アスパラギン酸末端/アミド水素比)ア
スパラギン酸末端/アミド水素で表される値とは、アミ
ド水素数に対するアスパラギン酸末端数である。そし
て、本発明はこの値が0.4以上であることが重要であ
る。すなわち、ポリアスパラギン酸の生分解が、アスパ
ラギン酸末端数/アミド水素で表わされるということ
は、ポリマー主鎖の分岐構造とポリマー末端とが両方関
与する生分解が起こっていることを示している。つまり
分岐構造から想定させる分解はエンド型であり、末端か
ら推定される分解がエキソ型であり、その両方の分解が
効いていると推定される。
【0018】(無水ポリアスパラギン酸)本発明で用い
る無水ポリアスパラギン酸は、上記一般式(1)による
条件即ち、アスパラギン酸末端数/アミド水素が0.4
〜5の範囲を満たせば、その製造方法は、特に限定され
ない。ただし、上記範囲は生分解性の観点からは0.5
以上であることがより好ましく、製造の観点からは2以
下であることがより好ましい。
【0019】1.モノマー 反応モノマーとして、マレイン酸とアンモニアを反応さ
せて得られる生成物、マレアミド酸及び/またはアスパ
ラギン酸を溶媒の存在下または無溶媒で、触媒存在下も
しくは無触媒で反応させることにより得られる。マレイ
ン酸とアンモニアを反応させて得られる生成物とは、マ
レイン酸とアンモニアを、例えば、DE3,626,6
72号明細書、US4,839,461号明細書、US
5,286,810号明細書に記載の方法により反応さ
せて得られる生成物である。具体的には、マレイン酸、
マレイン酸ジアンモニウム塩、アンモニア、フマル酸、
アスパラギン酸、アスパラギン、イミノジコハク酸、マ
レアミド酸等の生成物を含んでいても良い。
【0020】上記反応に用いられるマレイン酸は、その
無水物、部分及び完全エステルを含む。アンモニアはガ
スまたは溶液として用いる。溶液として用いる場合は、
水に溶解させて水酸化アンモニウム水溶液とする方法、
メタノール、エタノール等のアルコール、または他の適
当な有機溶媒に溶解させる方法等が用いられる。マレア
ミド酸は、マレイン酸モノアンモニウム塩またはジアン
モニウム塩を加熱することにより得ることができる。
【0021】アスパラギン酸はD体でもL体でもその混
合物でも良い。好ましくはアスパラギン酸である。更
に、これらの成分以外に全モノマーの50重量%を超え
ない範囲で共重合可能な他のモノマーを用いることもで
きる。共重合可能なモノマーとして特に制限はないが、
例えば、a)アスパラギン酸塩、b)グルタミン酸及び
その塩、c)アラニン、ロイシン、リジン等のa)、
b)以外のアミノ酸、また、d)グリコール酸、乳酸、
3−ヒドロキシ酢酸等のヒドロキシカルボン酸、e)2
−ヒドロキシエタノール、マレイン酸、6−アミノカプ
ロン酸、アニリン等のアミノ基およびカルボン酸と反応
しうる官能基を一個以上有する化合物等を含んでも良
い。
【0022】2.反応溶媒 反応溶媒の有無は特に限定されない。溶媒を用いる場合
には、使用し得る溶媒としては、炭化水素系溶媒、ハロ
ゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶
媒および非プロトン性極性溶媒からなる群より選ばれ
る、100℃以上の沸点を有する溶媒が挙げられ、特に
130℃以上の沸点を有することが好ましい。これらの
溶媒は単一でまた混合しても用いることができる。具体
的には、炭化水素系溶媒として、キシレン、ジエチルベ
ンゼン(上記2種はそれぞれ、そのオルト、メタまたは
パラ異性体単独からなるものであっても、2種類以上の
異性体の混合物からなるものであってもよい)、トルエ
ン、アミルベンゼン、キュメン、メシチレン、テトラリ
ン;ハロゲン化炭化水素系溶媒として、クロロトルエ
ン、ジクロロベンゼン(上記2種はそれぞれ、そのオル
ト、メタまたはパラ異性体単独からなるものであって
も、2種類以上の異性体の混合物からなるものであって
もよい)、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン;
エーテル系溶媒として、ジクロロエチルエーテル、ブチ
ルエーテル、ジイソアミルエーテル、アニソール;エス
テル系溶媒として、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミ
ル、酢酸メチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、
プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、
酪酸イソアミル、酪酸−n−ブチル;非プロトン性極性
溶媒として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチ
ル尿素酸、ジメチルスルホキシド、スルホランおよびヘ
キサメチルホスホロアミド等を挙げることができる。こ
れらの中でもジエチルベンゼン、メシチレン、キュメ
ン、クロロトルエン、1,4−ジクロロブタン、ジイソ
アミルエーテル、酪酸−n−ブチル、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン、スルホランが、適度な沸点を
有する点で好ましく、さらには、メシチレン、キュメ
ン、クロロトルエン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、スルホランが特に好ましい。
【0023】溶媒は、モノマー100重量部に対し、1
〜5000重量部、好ましくは5〜4000重量部、更
に好ましくは10〜3000重量部の割合で使用するこ
とができる。
【0024】3.触媒 触媒の有無は特に限定されないが、触媒を使用した方
が、前記、アスパラギン酸末端数を高くし、アミド水素
数を低くするため、生分解性の改良効果が顕著となり、
好ましい。触媒は特に限定されないが、例えば触媒とし
ては、硫酸、無水硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタリン
酸、縮合リン酸、無水リン酸等の無機酸触媒、及び、亜
リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ
フェニル、等の亜リン酸トリエステル類、亜リン酸ジフ
ェニル等の亜リン酸ジエステル類、亜リン酸モノエステ
ル類、亜リン酸、及び亜リン酸塩、等の亜リン酸化合
物、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げら
れる。これらの中でも、高収率でポリマーが得られやす
いという点で、リン酸類、亜リン酸トリエステル類が好
ましい。
【0025】これらの酸触媒の好適な使用量は、ポリマ
ー原料100重量部に対し、通常は、0.1〜30重量
部、好ましくは0.5〜25重量部の範囲で使用され
る。上記触媒の使用量が0.1重量部未満であると重縮
合反応の速度向上としての効果が少ない。また、30重
量部を超えると、重合時に反応物が固化した状態とな
り、攪拌に大きな負担がかかるので好ましくない。反応
条件は特に限定されないが、通常、反応温度は、100
〜300℃、好ましくは、150〜280℃の範囲であ
る。重縮合温度が100℃未満では、反応が進行しにく
く、また、300℃を超えると分解生成物が生成する可
能性もあり、好ましくない。
【0026】4.反応条件 反応時の圧力には特に制限はなく、常圧、減圧または加
圧のいずれでもよいが、常圧または減圧が好ましい。反
応時間は1秒〜100時間、好ましくは10秒〜50時
間、最も好ましくは20秒〜10時間である。また、反
応の実質上の終点は、反応中に副生してくる水の生成が
なくなった点である。重縮合反応中に分子量を制御する
目的でアミン等を共存させても良い。
【0027】後処理工程は、重合物の用途に合わせて適
宜選択することができる。例えば、遠心分離により溶媒
を除く方法、または遠心分離後さらに水あるいは低沸点
溶媒により洗浄する方法等の常法により行うことができ
る。これらの重縮合反応の例としては特公昭48−20
638号公報、US4,839,461号明細書、US
5,057,597号明細書、US5,219,986
号明細書、EP578,449号明細書等が挙げられ
る。尚、無水ポリアスパラギン酸の好適な重量平均分子
量は、GPC法による500〜150,000、より好
ましくは、1,000〜100,000である。
【0028】(加水分解)本発明の方法における無水ポ
リアスパラギン酸の加水分解は、常法に従って行うこと
が出来るが、代表的な例としては、J.Am.Che
m.Soc.80,3361(1958)、J.Or
g.Chem.26,1084(1961)、US5,
221,733号明細書、US5,288,783号明
細書、特開昭60−203636号公報等が挙げられ
る。例えば、上記反応生成物100重量部に対して50
〜1000重量部の水及び上記反応生成物1モルに対し
0.7モル〜3モルのアルカリ金属の水酸化物とを、0
〜50℃の温度で10分〜8時間反応させるのが好まし
い。ポリアスパラギン酸の塩は、無水ポリアスパラギン
酸を水酸化ナトリウム等で加水分解することで得られ
る。ポリアスパラギン酸の塩としては、アルカリ金属塩
またはアルカリ土類金属塩等が挙げられる。好ましく
は、アルカリ金属塩であり、更に好ましくは、ナトリウ
ム塩及びカリウム塩である。
【0029】(生分解性材料)以上説明したように、本
発明の生分解性材料は特定の無水ポリアスパラギン酸を
中間体として、製造されるポリアスパラギン酸及びその
塩を含有する。含有してもよい他の成分としては、ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の高分子、可
塑剤、着色剤、充填剤等の高分子添加剤等が挙げられ
る。ポリアスパラギン酸の好適な重量平均分子量は、G
PC法による500〜150,000、より好ましく
は、1,000〜100,000である。
【0030】(生分解性)本発明の生分解性は、化審法
に示される新規化学物質の生分解試験方法(修正MIT
I(II)法)に準拠した測定法で測定したものを言
い、分解率は、全有機炭素量(TOC)の測定に基づい
て百分率で求めた値を言う。具体的には、生分解性試験
開始時、培養液中の試料の有機物の全有機炭素量を測定
する。その後、28日間に試料中の炭素は一部炭酸ガス
として分解除去されるため、有機炭素が減少する。この
減少した全有機炭素量を培養液中に28日後に残存する
全有機炭素の測定により求め、減少した全有機炭素量を
試験開始時の全有機炭素量で割り分解率を百分率で算出
した値である。
【0031】本発明での良好な生分解性とは、上記TO
Cで、60%以上の分解が示されるものを言う。以下、
実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発
明は、これら実施例により限定されるものではない。
【0032】
【実施例】
1)重量平均分子量の測定 東ソー(株)社製「TSKgel」”GMHHR−M”
+「TSKgel」”G2000HHR”カラムを用
い、溶離液として10mM LiBrを添加したジメチ
ルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマト
グラフ(示差屈折計)により得られたポリスチレン換算
値である。
【0033】2){(アスパラギン酸末端数)/(アミ
ド水素)}の算出 {(アスパラギン酸末端数)/(アミド水素)}とは、
アミド水素1個に対する無水ポリアスパラギン酸のアス
パラギン酸末端数である。この割合は、NMRのシグナ
ル面積をもとに無水ポリアスパラギン酸中のモノマー単
位100個あたりの各末端の数から算出した。NMRの
測定には、日本電子(株)製「GSX400NMR分光
計」を使用した。無水ポリアスパラギン酸100mgを
重水素化ジメチルスルホキシド0.5mlに溶解したも
のを試料とした。
【0034】3)生分解性の試験方法 生分解性は、化審法に示される新規化学物質の生分解試
験方法(修正MITI(II)法)に準拠して行った。
この試験に使用した微生物(活性汚泥)は、化学品検査
協会より購入した活性汚泥を使用した。試験条件は、具
体的には、活性汚泥濃度;30mg/l、試料濃度;1
00mg/l、試験液量;300ml、試験温度;25
±1℃、試験期間;28日、標準物質;アニリンで行っ
た。
【0035】分解率は、全有機炭素量(TOC)の測定
に基づいて百分率で求めた。具体的には、生分解性試験
開始時、培養液中の試料の有機物の全有機炭素量を測定
する。その後、28日間に試料中の炭素は一部炭酸ガス
として分解除去されるため、有機炭素が減少する。この
減少した全有機炭素量を28日後に培養液中に残存する
全有機炭素の測定により求め、減少した全有機炭素量を
試験開始時の全有機炭素量で割り分解率を百分率で算出
した。生分解性試験装置としては、閉鎖系酸素消費量測
定装置(大倉電気製 自記BOD計)を用い、全有機炭
素測定装置としては、TOC計(島津製作所製 TOC
−5000)を使用した。
【0036】<実施例1>冷却器、温度計、攪拌器およ
び水分離器を備えた200mlの四口フラスコ内に、L
−アスパラギン酸25g、85%リン酸1.3g、メシ
チレン56gおよびスルホラン24gを仕込んだ。次い
で、常圧、メシチレンの還流下(162℃)に4.5時
間保ち、重縮合を行った。反応中に生じた水はメシチレ
ンの一部と共に系外へ留去せしめた。反応終了後、濾別
し、生成物を純水100gで4回、メタノール100g
で1回洗浄した。次いで、これを減圧下80℃で24時
間乾燥し、黄白色の粉末を得た。この無水ポリアスパラ
ギン酸の重量平均分子量は70,000、ポリマーへの
転化率は98.0%であった。
【0037】NMRでこの無水ポリアスパラギン酸のポ
リマー末端を分析したところ、{(アスパラギン酸末
端)/(アミド水素)}=0.88であった。上記、無
水ポリアスパラギン酸3gおよび水10gを仕込み、氷
冷下、水酸化ナトリウム1.4gを水20gに溶解した
水溶液を加え、その後、1時間攪拌することにより、加
水分解を行った。加水分解後、反応液をメタノール30
0mlに注ぐことにより、沈殿させ、アスパラギン酸共
重合体ナトリウム塩を得た。このアスパラギン酸共重合
体ナトリウム塩のTOCを測定したところ、分解率は9
0%であった。
【0038】<実施例2>窒素ガス雰囲気下、L−アス
パラギン酸5.0kgと85%リン酸500gとを「ス
ーパーミキサー」((株)カワタ社製)で5分間混合
し、触媒を分散させた。重縮合反応は、((株)栗本鐵
工所社製「KRCニーダー」(50mmφ(D)×66
1.5mm(L)、L/D=13.2)を用い、以下の
通りに行った。
【0039】熱媒温度を260℃、スクリュー回転数を
30rpmに設定し、吐出量が1kg/hrになるよう
に上記で得られたL−アスパラギン酸とリン酸の混合物
を供給し重縮合を行った。得られた無水ポリアスパラギ
ン酸の重量平均分子量は17,000、ポリマーへの転
化率は99.9%以上であった。NMRでこの無水ポリ
アスパラギン酸のポリマー末端の官能基を分析した結
果、{(アスパラギン酸末端数)/(アミド水素)}=
0.82であった。
【0040】上記、無水ポリアスパラギン酸3gおよび
水10gを仕込み、氷冷下、水酸化ナトリウム1.4g
を水20gに溶解した水溶液を加え、その後、1時間攪
拌することにより、加水分解を行った。加水分解後、反
応液をメタノール300mlに注ぐことにより、沈殿さ
せ、アスパラギン酸共重合体ナトリウム塩を得た。この
アスパラギン酸共重合体ナトリウム塩のTOCを測定し
たところ、分解率は84.5%であった。
【0041】<実施例3>L−アスパラギン酸50g
を、冷却器、温度計、攪拌器を備えた200mlのセパ
ラブルフラスコに仕込み、亜リン酸トリフェニル5gを
アセトン20gに溶解させたものを加えた。窒素雰囲気
下、マントルヒーターを165℃に加熱し、アセトンの
みを留去、ついでヒーターを235℃に設定し、重縮合
反応を開始した。系内に水の生成を認めてから3時間攪
拌を続け、淡黄色のポリスクシンイミド35.5gを得
た。このポリスクシンイミドの重量平均分子量は、3
5,000であった。
【0042】NMRでこの無水ポリアスパラギン酸のポ
リマー末端を分析したところ、{(アスパラギン酸末
端)/(アミド水素)}=0.55であった。上記、無
水ポリアスパラギン酸3g及び水10gを仕込み、氷冷
下、水酸化ナトリウム1.4gを水20gに溶解した水
溶液を加え、その後、1時間攪拌することにより、加水
分解を行った。加水分解後、反応液をメタノール300
mlに注ぐことにより、沈殿させ、アスパラギン酸共重
合体ナトリウム塩を得た。このアスパラギン酸共重合体
ナトリウム塩のTOCを測定したところ、分解率は65
%であった。
【0043】<比較例1>冷却器、温度計、攪拌器を備
えた500mlの四口フラスコ内に、L−アスパラギン
酸200gを仕込んだ。ついで、系内を、窒素気流下、
260℃に維持した油浴により加熱しながら、6時間重
縮合を行った。得られた無水ポリアスパラギン酸への転
化率は97.0%、重量平均分子量は13,000であ
った。NMRでこの無水ポリアスパラギン酸のポリマー
末端を分析した結果、{(アスパラギン酸末端数)/
(アミド水素)}=0.35であった。
【0044】上記、無水ポリアスパラギン酸3gおよび
水10gを仕込み、氷冷下、水酸化ナトリウム1.4g
を水20gに溶解した水溶液を加え、その後、1時間攪
拌することにより、加水分解を行った。加水分解後、反
応液をメタノール300mlに注ぐことにより、沈殿さ
せ、アスパラギン酸共重合体ナトリウム塩を得た。この
アスパラギン酸共重合体ナトリウム塩のTOCを測定し
たところ、分解率は46%であった。
【0045】
【発明の効果】本発明の生分解性材料は、従来から知ら
れている容易な製造方法で、常にTOCが60%以上と
なるものであり、極めて工業的価値が高いものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端の官能基数が、下記式(1)を満足
    する無水ポリアスパラギン酸を加水分解したポリアスパ
    ラギン酸及び/またはその塩を含有することを特徴とす
    る生分解性材料。 【数1】 5≧アスパラギン酸末端数/アミド水素≧0.4 (1)
  2. 【請求項2】 末端の官能基数が、下記式(1)を満足
    する無水ポリアスパラギン酸を加水分解することを特徴
    とする生分解性材料の製造方法。 【数2】 5≧アスパラギン酸末端数/アミド水素≧0.4 (1)
  3. 【請求項3】 請求項1のポリアスパラギン酸及び/ま
    たはその塩がポリマー原料がアスパラギン酸であり、か
    つ重合時の触媒として酸触媒を使用し得られる無水ポリ
    アスパラギン酸を加水分解したものである生分解性材料
    の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1のポリアスパラギン酸及び/ま
    たはその塩がポリマー原料がアスパラギン酸であり、か
    つ重合時の触媒として亜リン酸トリエステルを使用し、
    得られる無水ポリアスパラギン酸を加水分解したもので
    ある生分解性材料の製造方法。
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