JPH10101805A - 発泡用変性プロピレン樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡用変性プロピレン樹脂粒子の製造方法

Info

Publication number
JPH10101805A
JPH10101805A JP8778097A JP8778097A JPH10101805A JP H10101805 A JPH10101805 A JP H10101805A JP 8778097 A JP8778097 A JP 8778097A JP 8778097 A JP8778097 A JP 8778097A JP H10101805 A JPH10101805 A JP H10101805A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
weight
resin particles
foaming
modified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8778097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3848428B2 (ja
Inventor
Toshio Tokoro
寿男 所
Hidehiro Sasaki
秀浩 佐々木
Masakazu Sakaguchi
正和 坂口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSP Corp
Original Assignee
JSP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSP Corp filed Critical JSP Corp
Priority to JP08778097A priority Critical patent/JP3848428B2/ja
Priority to US08/904,114 priority patent/US6051617A/en
Priority to EP97305889A priority patent/EP0823443A3/en
Priority to SG1997002794A priority patent/SG67410A1/en
Publication of JPH10101805A publication Critical patent/JPH10101805A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3848428B2 publication Critical patent/JP3848428B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡粒子の気泡微細化を防止する発泡用変性
プロピレン樹脂粒子の製造方法の提供。 【解決手段】 分散媒中でポリプロピレン系樹脂粒子に
ビニル系単量体を含浸させた状態で、分散媒中のラジカ
ル重合開始剤を分解させることにより、ポリプロピレン
系樹脂粒子にビニル系単量体をグラフト重合して、[ポ
リプロピレン系樹脂含有量]/[ビニル系単量体からな
る重合体含有量]の比が97〜65重量%/3〜35重
量%である発泡用変性ポリプロピレン樹脂粒子を製造す
る方法において、(1)前記ラジカル重合開始剤とし
て、10時間の半減期を得るための分解温度(以下、1
0時間半減期ということもある。)が70℃以下のもの
を使用すること、及び(2)前記グラフト重合を90℃
未満の温度で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂からなる無架橋発泡粒子を製造するための原料とな
るポリプロピレン系樹脂粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂からなる発泡粒子
を製造するに際し、目的とする発泡粒子の製造時の発泡
性の改良及びできあがった発泡粒子の剛性を高めるため
に、予めポリプロピレン系樹脂粒子に、変性、例えばス
チレンモノマ−を含浸させた後にグラフト重合により含
浸させるなどの処理をおこなったものを使用することが
有効であるとされている。この発泡体に、ポリプロピレ
ン系樹脂本来の耐熱性及び腰が強いことなどの特性を十
分に残して、これに良好な発泡性及び剛性の特性を付加
するためには、できあがった変性樹脂中のポリスチレン
の含有割合を3〜35重量%程度にするすることが好ま
しいとされてきた。そして、コストの低減及びリサイク
ル時の取扱いの利便性のことを考えると、樹脂を架橋す
ること、つまり架橋剤を使用して樹脂が架橋構造を有す
るように処理することは、好ましいことではないことと
されてきた。しかしながら、架橋されていない状態の変
性樹脂粒子で、変性樹脂中のポリスチレンの含有成分の
割合を3〜35重量%程度とすると、できあがった発泡
粒子の気泡が微細化し、微細化することにより型内で成
型するときに表面平滑性のある成型体を得ることができ
ないという問題点があった。特に、密閉容器内で変性樹
脂粒子を、変性樹脂粒子との相溶性に乏しい二酸化炭素
のような無機ガス発泡剤と共に分散媒に分散させて加熱
処理して、容器外の低圧の状態のところに放出すること
により発泡粒子を得る方法では、特にその傾向が顕著で
あった。本発明出願前の発明においては、ポリプロピレ
ン系樹脂とポリスチレン樹脂の割合が、70対30ある
いは60対40の場合には、架橋を行っている(特公昭
59−40164号公報、実施例18及び19)。この
発明において、架橋を行わない場合には、ポリプロピレ
ン系樹脂とポリスチレン樹脂の割合は40対60である
(同公報、実施例1)。このような架橋を行った従来例
としては、このほかにも特公平3−67537号公報、
特公昭58−113230号公報及び特公昭62−19
0236号公報などがある。また、無架橋の従来例とし
ては、特公平3−33186号公報がある。この発明で
は、ポリプロピレン系樹脂/ポリスチレン樹脂の割合が
51/49、60/40(実施例1及び2)である。ま
た、上記公知文献の実施例のいずれにも共通しているこ
とは、10時間の半減期を得るための分解温度が74℃
以上のラジカル重合剤が使用されており、かつ95℃以
上のグラフト重合温度条件が採用されているという点で
ある。しかしながら、分散媒中でポリプロピレン系樹脂
粒子にビニル系単量体を含浸させた状態で、分散媒中に
添加したラジカル重合開始剤を分解させることにより、
ポリプロピレン系樹脂粒子にビニル系単量体をグラフト
重合して、[ポリプロピレン系樹脂含有量]/[ビニル
系単量体からなる重合体含有量]の比が97〜65重量
%/3〜35重量%である発泡用変性ポリプロピレン樹
脂粒子を製造するに当り、上記した公知文献の例に示さ
れた条件を採用して得られた変性ポリプロプレン樹脂粒
子からでは、発泡粒子製造時に発泡粒子の気泡の微細化
を防止することができず、満足できる結果を得ることが
できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、発泡
粒子の気泡微細化を防止する発泡用変性プロピレン樹脂
粒子の製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、分散媒
中でポリプロピレン系樹脂粒子にビニル系単量体を含浸
させた状態で、分散媒中のラジカル重合開始剤を分解さ
せることにより、ポリプロピレン系樹脂粒子にビニル系
単量体をグラフト重合して、[ポリプロピレン系樹脂含
有量]/[ビニル系単量体からなる重合体含有量]の比
が97〜65重量%/3〜35重量%である発泡用変性
ポリプロピレン樹脂粒子を製造する方法において、
(1)前記ラジカル重合開始剤として、10時間の半減
期を得るための分解温度(以下、10時間半減期という
こともある。)が70℃以下のものを使用すること、及
び(2)前記グラフト重合を90℃未満の温度で行うこ
とを特徴とする発泡用変性ポリプロピレン樹脂粒子の製
造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるポリプ
ロピレン系樹脂としては、プロプレンの単独重合体、プ
ロピレン・エチレン(エチレン成分0.5〜8重量%)
ランダム共重合体、プロプレン・エチレン(エチレン成
分3〜18重量%)ブロック共重合体、プロピレン・ブ
テン−1(ブテン−1成分2〜15重量%)ランダム共
重合体、プロピレン・エチレン(エチレン成分0.3〜
5重量%)・ブテン−1(ブテン−1成分0.5〜20
重量%)ランダム共重合体、プロピレン・ヘキセン−1
(ヘキセン−1成分2〜6重量%)ランダム共重合体、
プロピレン・4−メチルペンテン−1(4−メチルペン
テン−1成分1〜8重量%)ランダム共重合体等の結晶
性ポリマー;これらのポリマーどうしのブレンド物;こ
れらのポリマーに他のポリマー、たとえばポリエチレン
樹脂、エチレン・プロピレンラバー等を50重量%以下
の割合でブレンドしたブレンド物があげられる。ポリプ
ロピレン系樹脂は、粒子の形状のものが用いられる。通
常粒径が、0.1mm〜3mmの範囲のもの又は、粒子
重量が0.1〜20mg/個の範囲のものが用いられ
る。
【0006】本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂
粒子に含浸させグラフト重合するビニル系単量体として
は、剛性付与の観点からスチレン系単量体が好ましい。
スチレン系単量体としては、スチレン、クロロスチレ
ン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレ
ン、p−メチルスチレン及びアルフアメチルスチレンな
どを挙げることができる。
【0007】次に、本発明の方法で使用されるポリプロ
ピレン系樹脂粒子に、ビニル系単量体をグラフト重合す
る方法の具体例を以下に示す。まず、オートクレーブ内
に、水等の水性媒体、ポリプロピレン系樹脂粒子、ビニ
ル系単量体及び分散剤を仕込み、密閉した後にオートク
レーブ内容物を撹拌しつつ加熱して、ポリプロピレン系
樹脂粒子にビニル系単量体を充分含浸させる。この際の
加熱温度は、通常70〜120℃程度が採用される。ま
た、上記分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコ−
ル、メチルセルロ−ス、燐酸三カルシウム、ピロリン酸
マグネシウム、炭酸カルシウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムなどが用いられる。これらの分散剤
は、一般に、水性媒体である水に対して0.01〜50
重量%添加される。次に、オートクレーブ内容物を50
℃以下となるまで冷却する。冷却後、オートクレーブ内
にラジカル重合開始剤を添加し、密閉した後、再度加熱
してグラフト重合を生起させる。この時の加熱温度が本
発明においては最も重要な点である。
【0008】一般に、発泡粒子製造のために使用される
ポリプロピレン系樹脂粒子への単量体のグラフト重合反
応は、従来例に見られるように90℃を越える95℃程
度の温度条件下に行なわれてきた。これは、重合開始剤
の取り扱いやすさ及びグラフト重合時間の短縮化を考慮
してのことである。本発明では、重合反応の温度を、9
0℃未満、好ましくは50℃〜89℃で行う。このよう
にして得られる変性ポリプロピレン樹脂粒子を用いて、
発泡粒子を製造した場合には、気泡の微細化を防止する
ことができる。90℃を超える場合には、気泡の微細化
を避けることができない。ビニル系単量体がポリプロピ
レン系樹脂粒子は含浸した状態で樹脂粒子内部に入り込
み、グラフト重合反応は樹脂粒子の内部で生起する。そ
の結果、ビニル系単量体によるグラフト変性ポリプロピ
レン樹脂粒子が得られる。この様にして得られる発泡用
変性ポリプロピレン樹脂粒子は無架橋のものである。
【0009】本発明においては、上記したような比較的
低温でのグラフト重合反応を効率よく実施するために、
ラジカル重合開始剤として、10時間半減期温度が70
℃以下のものを用いる事が必要である。このようなラジ
カル重合開始剤としては、具体的には、ビス(4−t−
ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート;1
−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデ
カノエート;ジ(2−エトキシヘキシルパーオキシ)ジ
カーボネート;ジメトキシブチルパーオキシジカーボネ
ート;t−ブチルパーオキシネオデカノエート;t−ヘ
キシルパーオキシピバレート;t−ブチルパーオキシピ
バレート;オクタノイルパーオキサイド;ラウロイルパ
ーオキサイド;ステアロイルパーオキサイド;イソブチ
リルパーオキサイド;α,α’ビス(ネオデカノイルパ
ーオキシ)ジイソプロピルベンゼン;クミルパーオキシ
ネオデカノエート;ジ−n−プロピルパーオキシジカー
ボネート;1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオ
キシネオデカノエート;ジ−2−エトキシエチルパーオ
キシジカーボネート;ジ(3−メチル−3−メトキシブ
チルパーオキシ)ジカーボネート;t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート;2,4−ジクロロベンゾイルパー
オキサイド;3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド;1,1,3,3−テトラメチルブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート;スクシニックパーオ
キサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチル
ヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン;1−シクロヘキシ
ル−1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエ
ート;t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト;等の有機過酸化物を挙げることができる。重合開始
剤の使用量は、ビニル系単量体100重量部に対して
2.0〜10重量部が好ましい。
【0010】グラフト重合は、上記温度にて3〜12時
間程度保持することで完結する。冷却後、無架橋(沸騰
キシレン不溶のゲル分率が0.5重量%以下のものを意
味する)の変性ポリプロピレン樹脂粒子は、オートクレ
ーブ内から取り出され、洗浄され、乾燥され、その後、
発泡粒子の製造に使用される。尚、グラフト重合反応に
より得られるポリプロピレン系樹脂とビニル系単量体か
らなる重合体の割合は、ポリプロピレン系樹脂65〜9
7重量%、ビニル系単量体からなる重合体35〜3重量
%であり、好ましくは、ポリプロピレン系樹脂70〜9
5重量%、ビニル系単量体からなる重合体30〜5重量
%である。ポリプロピレン系樹脂の含有量がこの範囲未
満のときは耐熱性と腰の強さが低下してしまい、逆にこ
の範囲を超えるときには剛性付与の改質効果に乏しいも
のとなる。
【0011】このようして得られた変性ポリプロピレン
樹脂粒子からの発泡粒子の製造は次のような条件の下で
行われる。変性ポリプロプレン樹脂粒子(以下、変性粒
子ということもある)、水等の分散媒、発泡剤及び分散
剤等を密閉容器内に入れ、該変性粒子の軟化温度以上に
加熱して変性粒子内に発泡剤を含浸させてから、密閉容
器の一端を開けて変性粒子と水を低圧部に放出させる常
法で行えば良い。なお、前記の樹脂軟化温度はASTM
−D−648に規定されている荷重4.6Kg/cm2
の条件で測定される軟化温度である。発泡剤には、プロ
パン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シ
クロヘキサン、クロロフロロメタン、トリフロロメタ
ン、1,1−ジフロロエタン、1−クロロ−1,1−ジ
フロロエタン、1,2,2,2−テトラフロロエタン、
1−クロロ−1,2,2,2−テトラフロロエタン等の
揮発性発泡剤、又は窒素、空気、二酸化炭素、アルゴン
等の無機ガス系発泡剤が使われるが、環境面で問題がな
く安価な二酸化炭素や空気等の無機ガス系発泡剤が好ま
しい。また、発泡剤使用量は一般に変性粒子100重量
部に対し2〜50重量部であり、発泡倍率や発泡温度を
考慮して前記範囲内で適宜定めれば良い。上記分散媒
は、該変性粒子を溶解しない水、エチレングリコール、
グリセリン、メタノール、エタノール等の液体であり、
その使用量は一般に変性粒子総重量の1.5〜10倍、
好ましくは2〜5倍である。また、通常は分散媒として
水が使われる。変性粒子を分散媒に分散させ、加熱下に
発泡剤を該変性粒子に含浸させる際には、変性粒子の相
互融着を防ぐために融着防止剤が使われる。融着防止剤
は分散媒に不溶な無機系又は有機系の高融点物であり、
平均粒径0.001〜70μm、好ましくは0.001
〜30μmの微粉体である。そして、通常の発泡体製造
時には、カオリン、タルク、マイカ、アルミナ、チタニ
ア、水酸化アルミニウム等の無機系融着防止剤が使われ
る。また、融着防止剤の添加量は変性粒子使用量の0.
01〜10重量%程度が望ましい。前記の融着防止剤添
加の際は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやオ
レイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤を分散助
剤として用いることが好ましく、その添加量は変性粒子
使用量の0.001〜5重量%程度が望ましい。得られ
る発泡粒子の嵩倍率は、一般に5〜60倍程度のものが
得られる。特に20倍程度のものが良好な結果をもたら
す。得られる発泡粒子の平均気泡径は、200〜500
μmである。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例により、さらに詳し
い内容を示す。発泡粒子の嵩倍率の測定および平均気泡
径の測定は次の通りである。 (1)嵩倍率の測定 発泡粒子をメスシリンダーに入れて見掛けの体積A(c
3)を測定する。次にその時の発泡粒子の重量B
(g)を測定する。嵩倍率Cは、次の式より求める。 (2)平均気泡径(D)の測定 無作為に選んだ発泡粒子をほぼ中心部で切断し、その切
断面を顕微鏡に写し出した画面上又は顕微鏡写真上に
て、直線上の任意の気泡壁から別の任意の気泡壁までの
任意の長さ(L)の直線上に存在する気泡数(N)を数
え、次の式により求める。ただし、該直線の始点は任意
の気泡壁とし、終点は別の任意の気泡壁とし、始点と終
点との間には少なくとも10個の気泡が存在するように
する。 D=1.62×(L÷N)
【0013】実施例1 融点140℃、MFR(メルトフローレート)9g/1
0分のエチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレ
ン成分 4.0重量%)100重量部に水酸化アルミニ
ウム0.05重量部を混合した後、口径40mmの単軸
押出機に供給し、220℃で溶融混練後、押出機先端に
設けられた口径2mmφ×16穴のダイスよりストラン
ド状に引取りカットし、1個あたり約2mgのミニペレ
ットを調製した。得られたミニペレット100重量部と
スチレンモノマー11.1重量部、水300重量部、分
散剤として三リン酸カルシウム15重量部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部を密閉し、開
放できる圧力容器に仕込み200rpmでの撹拌下、約
2℃/分で90℃まで昇温し約2時間保持した後、50
℃まで冷却を行った。次いで上記圧力容器内にビス(4
−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネー
ト(10時間半減期温度40.8℃)(日本油脂(株)
製、商品名パーロイルTCP)を6.5重量部投入し、
200rpmでの撹拌下、約2℃/分で65℃まで昇温
し約5時間保持した後、40℃まで冷却を行ない、圧力
容器を開放して容器内容物を取りだし、固体成分を濾別
した後、0.1規定塩酸溶液で固体成分を洗浄し、約6
0℃の乾燥機で24時間乾燥を行うことで変性樹脂粒子
を得た。変性ポリプロピレン樹脂粒子中に含まれるビニ
ル単量体からなる重合体の成分比率は10重量%であっ
た。次に得られた変性粒子を発泡に供するにあたって次
の操作を行った。得られた変性粒子100重量部と水3
00重量部、分散剤としてカオリン3重量部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.02重量部、及び炭
酸ガス8重量部を密閉し、開放できる圧力容器に仕込み
200rpmでの撹拌下、約2℃/分で141℃まで昇
温し約15分間保持した後、更に約2℃/分で昇温し1
46℃で15分間保持した。次に容器内を加圧空気の導
入により、圧力を40kg/cm2Gに保ちながら、内
容物を容器の一端から大気中に放出して発泡粒子を得
た。得られた発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡径は
400μmであり、良好な発泡粒子を得ることができ
た。
【0014】実施例2 スチレンモノマ−添加量を53.8重量部に変更した以
外は、実施例1と同じ条件下に繰り返したところ、得ら
れた変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニル単量体から
なる重合体の成分比率は、35重量%であった。この変
性粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理を行ったとこ
ろ、発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡径は300μ
mであり、良好な発泡粒子を得ることができた。
【0015】実施例3 ラジカル重合開始剤として、ラウロイルパーオキサイド
(10時間半減期温度61.6℃)(日本油脂(株)
製、商品名パ−ロイルL)に変更し、同添加量を6.0
重量部に変更、更にグラフト重合温度を85℃とした以
外は、実施例1と同じ条件下に繰り返したところ、得ら
れた変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニル単量体から
なる重合体の成分比率は、10重量%であった。この変
性粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理を行ったとこ
ろ、発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡径は200μ
mであり、良好な発泡粒子を得ることができた。
【0016】比較例1 ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド
(10時間半減期温度73.6℃)(日本油脂(株)
製、商品名ナイパーBW)に変更し、同添加量を4.5
重量部に変更し、グラフト重合温度を95℃とした以外
は、実施例1と同じ条件下に繰り返したところ、得られ
た変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニル単量体からな
る重合体の成分比率は、10重量%であった。この変性
粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理を行ったとこ
ろ、発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡径は150μ
mであり、気泡径が細かくなりすぎて、好ましい発泡粒
子を得られなかった。
【0017】比較例2 ラジカル重合開始剤として、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
(10時間半減期温度90.0℃)(日本油脂(株)
製、商品名パ−ヘキサ3M)に変更し、同添加量を3.
2重量部に変更し、更にグラフト重合温度を110℃と
した以外は、実施例1と同じ条件下に繰り返したとこ
ろ、得られた変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニル単
量体からなる重合体の成分比率は、10重量%であっ
た。この変性粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理を
行ったところ、嵩倍率は20倍であり、平均気泡径は1
30μmであり、気泡径が細かくなりすぎて、好ましい
発泡粒子を得られなかった。
【0018】比較例3 スチレンからなるビニル系単量体使用量を150重量部
に変更した以外は、実施例1と同じ条件下に繰り返した
ところ、得られた変性ポリプロピレン樹脂粒子中のビニ
ル単量体からなる重合体の成分比率は、50重量%であ
った。この変性粒子を実施例1と同じ条件下に発泡処理
を行ったところ、発泡粒子の嵩倍率は20倍、平均気泡
径は180μmであり、発泡径が細かくなりすぎて、好
ましい発泡粒子を得られなかった。
【0019】比較例4 グラフト重合温度を95℃とした以外は、実施例1と同
じ条件下に繰り返したところ、得られた変性ポリプロピ
レン樹脂粒子中のビニル単量体からなる重合体の成分比
率は、10重量%であった。この変性粒子を実施例1と
同じ条件下に発泡処理を行ったところ発泡粒子の嵩倍率
は20倍、平均気泡径は150μmであり、気泡径が細
かくなりすぎて、好ましい発泡粒子を得られなかった。
以上の実施例および比較例をまとめて表1に示した。
尚、表1中の「グラフト状態」の評価は以下の基準に基
づくものである。 ○…変性粒子の表層部にスチレン単独重合体が明らかに
堆積していない場合 ×…変性粒子の表層部にスチレン単独重合体が明らかに
堆積している場合
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、本発明により得られる
無架橋の発泡用変性ポリプロピレン樹脂粒子を用いて発
泡粒子の製造を行うと、ポリプロピレン系樹脂の特性で
ある耐熱性および腰の強さを残し、ビニル系樹脂のポリ
スチレン系樹脂の特性である剛性を兼ね備え、発泡粒子
の気泡微細化を防止した発泡粒子を得ることができる。
そのような発泡粒子は、例えば気泡内に1気圧の空気の
成分のみを含有しているような場合、すなわち型内成型
時の加熱で一般に二次発泡しにくいと考えられるような
場合であっても、型内成型時に良好な二次発泡性を示
す。しかも、通常では考えられないほどの低スチーム圧
力(低温)でそれが可能である。具体的には、スチレン
グラフト変性されていないポリプロピレン系樹脂(融点
134℃)からなる嵩発泡倍率が30倍の発泡粒子(気
泡内は1気圧の空気のみ含むもの)の場合、成型時のス
チーム圧力として少くとも2.4kg/cm2Gは必要
であるが、同一のポリプロピレン系樹脂に本発明の方法
でスチレンをグラフト変性して得た同じ発泡倍率、同じ
気泡内圧の変性発泡粒子の場合、成型時のスチーム圧力
は1.7kg/cm2G以下とすることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散媒中でポリプロピレン系樹脂粒子に
    ビニル系単量体を含浸させた状態で、分散媒中のラジカ
    ル重合開始剤を分解させることにより、ポリプロピレン
    系樹脂粒子にビニル系単量体をグラフト重合して、[ポ
    リプロピレン系樹脂含有量]/[ビニル系単量体からな
    る重合体含有量]の比が97〜65重量%/3〜35重
    量%である発泡用変性ポリプロピレン樹脂粒子を製造す
    る方法において、(1)前記ラジカル重合開始剤とし
    て、10時間の半減期を得るための分解温度が70℃以
    下のものを使用すること、及び(2)前記グラフト重合
    を90℃未満の温度で行うことを特徴とする発泡用変性
    ポリプロピレン樹脂粒子の製造方法。
JP08778097A 1996-08-07 1997-03-21 発泡用変性プロピレン樹脂粒子の製造方法 Expired - Fee Related JP3848428B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08778097A JP3848428B2 (ja) 1996-08-07 1997-03-21 発泡用変性プロピレン樹脂粒子の製造方法
US08/904,114 US6051617A (en) 1996-08-07 1997-07-31 Foamed particles of modified polypropylene resin and method of preparing same
EP97305889A EP0823443A3 (en) 1996-08-07 1997-08-04 Foamed particles of modified polypropylene resin and method of preparing same
SG1997002794A SG67410A1 (en) 1996-08-07 1997-08-06 Foamed particles of modified polypropylene resin and method of preparing same

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22455996 1996-08-07
JP8-224559 1996-08-07
JP08778097A JP3848428B2 (ja) 1996-08-07 1997-03-21 発泡用変性プロピレン樹脂粒子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10101805A true JPH10101805A (ja) 1998-04-21
JP3848428B2 JP3848428B2 (ja) 2006-11-22

Family

ID=26429037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08778097A Expired - Fee Related JP3848428B2 (ja) 1996-08-07 1997-03-21 発泡用変性プロピレン樹脂粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3848428B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003321567A (ja) * 2002-02-28 2003-11-14 Jsp Corp ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003321567A (ja) * 2002-02-28 2003-11-14 Jsp Corp ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3848428B2 (ja) 2006-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5940163B2 (ja) 発泡可能な熱可塑性樹脂粒子の製造方法
WO2007099833A1 (ja) スチレン改質ポリプロピレン系樹脂粒子、発泡性スチレン改質ポリプロピレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、スチレン改質ポリプロピレン系樹脂発泡成形体及びそれらの製造方法
JP2010132860A (ja) 熱膨張性マイクロカプセル及び発泡成形体
JP4680461B2 (ja) 発泡性オレフィンポリマービーズ
JP2020073631A (ja) 発泡成形用マスターバッチ及び発泡成形体
JP2006111862A (ja) 黒色スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子及びその発泡性樹脂粒子、それらの製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体
JP5553983B2 (ja) スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子および該樹脂粒子より得られる予備発泡粒子
JP5037212B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子、及び型内発泡成形体
EP0874009B1 (en) Processes for the preparation of a modified polypropylene resin and a foam made thereof
JP2008260928A (ja) スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
JP3093552B2 (ja) 寸法安定性のよい難燃性発泡体製造用樹脂粒子及びその製造方法
JP5493606B2 (ja) スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体およびスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
JP3949775B2 (ja) 変性プロピレン系樹脂発泡粒子
JPH10101805A (ja) 発泡用変性プロピレン樹脂粒子の製造方法
JP2011068821A (ja) 発泡性複合樹脂粒子、予備発泡粒子、それらの製造方法及び発泡成形体
JP5536357B2 (ja) スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法及びスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体
JP2011202108A (ja) 難燃剤含有複合樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体及びそれらの製造方法
JP6404164B2 (ja) シード重合用種粒子、複合樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び複合樹脂発泡成形体
JP5422970B2 (ja) スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
JPS5940164B2 (ja) 発泡可能な熱可塑性樹脂粒子の製造方法
JP2010043195A (ja) スチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法及びスチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体
JPS5857455B2 (ja) 押出発泡成形品の製造法
JPH09124827A (ja) 改質ポリオレフィン系樹脂からなる発泡体およびその製法
JPH09188774A (ja) 改質ポリプロピレン系樹脂からなる発泡体およびその製法
JP2012072314A (ja) スチレン系樹脂発泡体、発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040304

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060320

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060825

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090901

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100901

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100901

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110901

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120901

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130901

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees