JPH10101760A - 一液湿気硬化型ウレタン組成物及び接着剤 - Google Patents

一液湿気硬化型ウレタン組成物及び接着剤

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JPH10101760A
JPH10101760A JP8258554A JP25855496A JPH10101760A JP H10101760 A JPH10101760 A JP H10101760A JP 8258554 A JP8258554 A JP 8258554A JP 25855496 A JP25855496 A JP 25855496A JP H10101760 A JPH10101760 A JP H10101760A
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JP
Japan
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compound
isocyanate
acid
group
adhesive
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Application number
JP8258554A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Takada
泰廣 高田
Masato Fujii
正人 藤井
Hideo Ishikawa
英男 石川
Motoyasu Kunugiza
基安 椚座
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、貯蔵安定性、発泡抑制効果
に優れ、無溶剤化または低溶剤化の条件下においても良
好な塗布作業性、初期粘着性を発揮し、特に耐水接着性
に優れた一液湿気硬化型ウレタン組成物およびそれを用
いる接着剤にある。 【解決手段】 (A)分子中に少なくとも1個のイソシ
アネート基とアルコキシシリル基を有するイソシアネー
ト化合物、(B)末端にイソシアネート基を2個以上有
するイソシアネート化合物、及び(C)分子中に1個以
上のオキサゾリジン環を有する化合物とを必須成分とす
ることを特徴とする一液湿気硬化型ウレタン組成物及び
それを含む接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オキサゾリジン環
を空気中の湿気で加水分解させて、活性水素を生成させ
る化合物とアルコキシシリル基を有するイソシアネート
化合物とを成分とすることにより、貯蔵安定性、発泡抑
制効果に優れ、無溶剤化または低溶剤化の条件下におい
ても良好な塗布作業性、初期粘着性を発揮し、特に耐水
接着性に優れた一液湿気硬化型ウレタン組成物及びそれ
を用いる接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一液湿気硬化型ウレタン組成物は、計
量、混合操作が不要で、且つ施工が簡便、また、多種多
様な材料に対して良好な接着性を示し、柔軟な接着層を
有することから、建築現場施工分野において、現在主流
である二液混合型エポキシ系接着剤の代替品として注目
されている。また、エポキシ系接着剤と比較しカブレの
問題が少なく、樹脂設計により無溶剤或いは低溶剤化が
図れ、安全衛生的観点においても重要視されている。
【0003】建築現場施工用接着剤の使用例としては、
コンクリート、合板等の下地に、床材を直貼りさせるケ
ースが多く、床材の種類は大別して、フロアーカーペ
ット、塩化ビニル製タイル、木質フローリング等の床材
自体の反りや癖が少ないもの、塩化ビニル製シートの
様に巻き癖のついた長尺タイプの2種類がある。
【0004】の床材に対する接着剤においては、床材
のズリが生じない程度の初期粘着性及びズリ抵抗力があ
れば良く、近年、労働安全衛生法の表示義務が無く、消
防法においても非危険物である、低溶剤系接着剤も市販
されている。しかしながら、主に炭酸ガスの発生を伴う
ポリイソシアネートの湿気(水分)との反応を利用する
ものであり、依然として接着層の発泡による接着力低下
の問題を抱えている。
【0005】の床材に対する接着剤においては、床材
端末部の跳ね上がりを押さえるだけの強い初期粘着性が
必要であり、従来合成ゴム接着剤及び一液湿気硬化型ウ
レタン接着剤の何れも溶剤系の接着剤が使用され、耐水
性が必要な場合は二液混合型エポキシ系接着剤が使用さ
れていた。しかしながら、合成ゴム接着剤は接着物性、
耐熱性、ズリ抵抗力等に欠けており、二液混合型エポキ
シ系接着剤は、前述の欠点以外に低温時の硬化性が遅い
ため、床材の跳ね上がりを完全に抑制するに至っていな
い。その中で、一液湿気硬化型ウレタン接着剤が、良好
な初期粘着性、ズリ抵抗力などを有しており、また、特
開平7−268309号公報記載の如く、特定のイソシ
アネート系化合物を配合することにより耐水接着性が向
上するなど、バランスのとれた性能が認められ、現在飛
躍的に需要が増加しているが、初期粘着性を発現させる
ために多量の有機溶剤を揮発させており、依然として安
全衛生面での問題を抱えている。
【0006】一液湿気硬化型ウレタン接着剤において、
無溶剤或いは低溶剤系条件下で初期粘着性を発現させる
ためには速硬化性が要求される。また、ポリイソシアネ
ートの湿気(水分)との反応による炭酸ガスの発生を抑
えるためには特殊な反応を使わざるを得ない。
【0007】貯蔵安定性を損なわず、硬化性及び発泡抑
制の問題を解決すべく、湿気解離型の潜在性架橋剤を利
用した例として、特開平6−293821号公報、特開
平7−33852号公報等で記載されているオキサゾリ
ジン化合物を架橋剤として用いた一液湿気硬化性ウレタ
ン組成物が提案されている。しかし、何れにしても本発
明のアルコキシシリル基をもつイソシアネート化合物を
含まないために、耐水接着性に乏しいものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、貯蔵
安定性、発泡抑制効果に優れ、無溶剤化または低溶剤化
の条件下においても良好な塗布作業性、初期粘着性を発
揮し、特に耐水接着性に優れた一液湿気硬化型ウレタン
組成物および接着剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
について鋭意研究した結果、通常のウレタン樹脂組成物
に加え、オキサゾリジン環を有する化合物と特定のシラ
ンカップリング剤を併用することにより、課題が解決で
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、(A)分子中に少なくと
も1個のイソシアネート基とアルコキシシリル基を有す
るイソシアネート化合物、(B)末端にイソシアネート
基を2個以上有するイソシアネート化合物、及び(C)
分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物と
を必須成分とすること、好ましくは化合物(C)のオキ
サゾリジン環を加水分解することにより生成する活性水
素H(1級アミン及び水酸基)との反応性が化合物
(B)のイソシアネート基>化合物(A)のイソシアネ
ート基であること、好ましくは化合物(A)のイソシア
ネート基が1以上2未満であること、好ましくは化合物
(A)と化合物(B)のイソシアネート基の合計と、化
合物(C)の加水分解により生成する活性水素Hとの比
が、当量比で−NCO/−H=0.4〜4.0であるこ
とを特徴とする一液湿気硬化型ウレタン組成物及びこれ
を用いる接着剤を提供するものである。以下に本発明を
更に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に使用される分子中に少な
くとも1個のイソシアネート基とアルコキシシリル基を
有するイソシアネート化合物(A)は、オキサゾリジン
環をもつ化合物と併用することにより、優れた耐水接着
性を発揮する。具体的には、γ-イソシアネートプロピ
ルトリエトキシシラン(A−1310、Y−9030:
日本ユニカー株式会社製品)及びγ-イソシアネートプ
ロピルトリメトキシシラン(Y−5187:日本ユニカ
ー株式会社製品)等の市販品を用いることができる。
【0012】また、該化合物(A)は、イソシアネート
基を2個以上有する、ポリイソシアネート化合物(a
1)と活性水素を有するシランカップリング剤(a2)
とをイソシアネート基過剰のもとで常法により調製して
用いることもできる。
【0013】本発明に使用されるポリイソシアネート化
合物(a1)としては、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、一部をカルボジイミド化され
たジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポ
リフェニルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネ
ート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート
等の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネー
ト、脂環族ジイソシアネート1種又は2種以上の混合物
が挙げられる。
【0014】本発明に使用される活性水素を有するシラ
ンカップリング剤(a2)としては、メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、アミノプロピルジメトキシシラ
ン、アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルアミ
ノプロピルトリメトキシシラン(γ-アニリノプロピル
トリメトキシシラン)、ビス(トリメトキシシリルプロ
ピル)アミン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N-β-(アミノエチ
ル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイド
プロピルトリメトキシシラン等、少なくとも1個の活性
水素とアルコキシシラン基をもった化合物を用いること
ができる。
【0015】化合物(A)のイソシアネート基の数は、
好ましくは1個以上2個未満であり、耐水接着性を向上
する上で重要である。また、化合物(C)のオキサゾリ
ジン環を加水分解することにより生成する活性水素H
(1級アミン及び水酸基)とイソシアネート基との反応
性は、化合物(B)のイソシアネート基>化合物(A)
のイソシアネート基であることが好ましい。化合物
(A)のイソシアネート基の反応性が速いと、初期粘着
力が低下する傾向にある。
【0016】末端にイソシアネート基を2個以上有する
イソシアネート化合物(B)には、ウレタンプレポリマ
ー(b1)及び/またはポリイソシアネート化合物(a
1)が使用できる。
【0017】化合物(B)の(b1)と(a1)の比率
をコントロールすることにより、使用用途に即した初期
粘着性が付与できる。低粘度化のため(b1)の官能基
数は3以下が好ましい。即ち、初期粘着性のコントロー
ルは比較的低粘度である化合物(a1)において、官能
基数及び反応性にて調節することが好ましい。
【0018】ウレタンプレポリマー(b1)は、イソシ
アネート基を2個以上有する化合物であり、ポリイソシ
アネート化合物とポリオール化合物とをイソシアネート
基過剰のもとで常法により調製される。
【0019】ポリオール化合物とは、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール
及びこれらの混合ポリオールである。例えば、複合金属
シアン化合物錯体を触媒として製造されたポリオールも
含まれる。
【0020】ポリエーテルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、グルコース、ソルビトール、シュー
クローズ等の多価アルコールの1種又は2種以上にプロ
ピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド、スチレンオキサイド等の1種又は2種以上を付
加して得られるポリオール及びポリオキシテトラメチレ
ンポリオール等が挙げられる。
【0021】ポリエステルポリオールとしては、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパンあるいはその他の低分子ポリオールの1種又は2
種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイ
マー酸、水添ダイマー酸あるいはその他の低分子ジカル
ボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合
体及びプロピオラクトン、カプロラクトン、バレロラク
トン等の開環重合体等が挙げられる。
【0022】その他のポリオールとしては、例えばポリ
カーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、
水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポ
リオール等が挙げられる。又、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールグリセ
リン、トリメチロールプロパン、グルコース、ソルビト
ール、シュークロース等の低分子ポリオールも挙げられ
る。
【0023】分子中にオキサゾリジン環を有する化合物
(C)とは、米国特許第4,138,545号明細書に記載され
ている様に、ポリカルボン酸の低級アルキルエーテルと
オキサゾリジンの反応、ポリオールとオキサゾリジンの
エステル交換反応、特開平5−117252号公報記載
のようなカーボネート存在下でのエステル交換反応、特
開平6−293821号公報記載のようなウレタンプレ
ポリマーとオキサゾリジン化合物の反応等によって得ら
れる。
【0024】好ましくは2個以上のイソシアネート基を
有するイソシアネート化合物(c1)とオキサゾリジン
化合物(c2)とを反応してなるものである。
【0025】イソシアネート化合物(c1)としては、
ウレタンプレポリマー(b1)及び/またはポリイソシ
アネート化合物(a1)を用いることができる。
【0026】又、N−2−ヒドロキシアルキルオキサゾ
リジンを(c2)として用いる場合、ウレタンプレポリ
マー(b1)とN−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリ
ジン(c2)との反応比は、NCO/0H=0.98〜
1.4が好ましく、更に好ましくは1.02〜1.15
が好ましい。NCO/0H=0.98未満ではN−2−
ヒドロキシアルキルオキサゾリジンが未反応のまま残存
する傾向があり、貯蔵安定性に悪影響を与える。NCO
/0H=1.4を越えると分子中に1個のオキサゾリジ
ン基を持つプレポリマーが増大し、硬化速度の低下と粘
度の上昇の問題がある。
【0027】化合物(C)の合成に用いられるN−2−
ヒドロキシアルキルオキサゾリジンは、1,2級アミノ
基と2ーヒドロキシエチル基を持つアルカノールアミン
類とアルデヒドもしくはケトン類の脱水反応により合成
される。アルカノールアミン類としては、エタノールア
ミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、
ジイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、ジ
イソブタノールアミン、ヒドロキシエチルアミノメチル
アルコールであり、エチレンジアミン、プロピレンジア
ミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サン、キシリレンジアミン、ジシクロヘキシルジアミ
ン、イソホロンジアミン、イソプロピリデンビス(アミ
ノシクロヘキサン)、メチレンビス(アミノシクロヘキ
サン)、ポリメチレンポリアミン、ジアミノトルエン、
フェニレンジアミンなどの1級アミノ基に2−ヒドロキ
シエチル基が置換された2級アミノ−2−ヒドロキシル
基を有する化合物である。
【0028】アルデヒドもしくはケトン類としては、ブ
チルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、トリエ
チルアセトアルデヒド、バレロアルデヒド、フルフラー
ル、ベンズアルデヒド、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン、トリメチルシクロヘキサノン、アセトフェノ
ン、アニスアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、
デカナール、シトラールなどが挙げられる。
【0029】また、化合物(A)と化合物(B)のイソ
シアネート基の合計と、化合物(C)の加水分解により
生成する活性水素Hとの比が、当量比で−NCO/−H
=0.4〜4.0であることが好ましく、より好ましく
は1.0〜3.0である。0.4未満であると、貯蔵安
定性及び接着物性に劣り、4.0を越えると接着層に炭
酸ガスによる発泡が生じ、接着物性が低下すると共に、
硬化性が遅く、十分な初期粘着性が得られない。
【0030】本発明の組成物は、必要に応じて硬化促進
剤、溶剤、少量のプロセスオイル、可塑剤、揺変剤、体
質顔料、耐侯性の維持、向上のための紫外線防止剤、安
定剤等各種添加剤が加えられ、これら混合物が均一に混
合でき、且つ保存性が確保できるのに十分なる混合、混
練装置により製造する事ができる。
【0031】硬化促進剤としては、水溶液中の酸解離指
数pKaが1.0〜4.0の範囲である酸性物質が用い
られる。 pKaが4.0より大きい場合には、化合物
(B)のオキサゾリジン環の加水分解が実用的速度で起
こらないため湿気硬化速度が遅く、また接着層に発泡が
生じる。酸性物質の水溶液中の酸解離指数pKaが1.
0より小さい場合には、オキサゾリジン環の加水分解に
より生成したアミノ基と安定な塩の形成が起こり、イソ
シアネート基との反応が進行せず、結果として湿気硬化
速度が遅く、初期粘着性及び接着物性が著しく損なわれ
る。
【0032】ここで酸解離指数pKaとは、酸強度を示
す指数であり、この値が低いほど酸強度が大きいことを
示している。尚、水溶液中の酸解離指数pKaの値は、
『日本化学会編 化学便覧基礎編 改訂4版 II-31
6〜321』等の文献値を参考にできる。
【0033】この様な酸性物質としては具体的には、無
機酸、有機酸およびそれらの無水物、エステル、酸性塩
類の群から選ばれる1種又は2種以上が使用でき、例え
ば、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、珪酸、アルミン酸、過塩
素酸、蟻酸、プロピオン酸、カプロン酸、シュウ酸、コ
ハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、安息香
酸、サリチル酸、アントラニル酸、オクタン酸など、ま
たはそれらの無水物、エステル類、酸性塩類などが挙げ
られる。
【0034】これらのなかでも特に水溶液中の酸解離指
数pKaが、2.0〜3.0のものが硬化促進効果上顕
著である点から、好ましくは、燐酸、珪酸、クロロ酢
酸、フタル酸、サリチル酸、アントラニル酸など、また
はそれらの無水物、エステル類、酸性塩類等が挙げられ
る。
【0035】特にこれらの酸類のうち、酸性リン酸エス
テル、サリチル酸、が特に本発明の効果が顕著になり好
ましい。
【0036】酸性物質の使用量は、所望される硬化時間
によって任意に調整されるが、通常、酸性物質の酸の当
量が化合物(C)の活性水素当量に対して0.005〜
0.1の範囲である。0.005未満であると硬化速度
が非常に遅く、0.1を越えると接着物性に関し、十分
な性能が得られない。
【0037】溶剤類としては、トルエン、キシレン、タ
ーペン、酢酸エチル、アセトン、ナフテン、パラフィン
等の通常のウレタン用溶剤が使用できる。プロセスオイ
ルとしては石油精製で得られる通常の高沸点オイル等が
使用できる。
【0038】可塑剤とは、ジブチルフタレート、ジオク
チルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソデシルフ
タレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタ
レート、等フタル酸系、及びトリ−(2−エチルヘキシ
ル)トリメリテート、トリイソオクチルトリメリテー
ト、トリイソデシルトリメリテート等のトリメリット酸
系の一般的な化合物が使用できるが、特に、接着物性に
悪影響の少ない、比較的分子量の大きいジウンデシルフ
タレート、ジイソデシルフタレート、トリ−(2−エチ
ルヘキシル)トリメリテートが好ましい。
【0039】体質顔料は、カーボンブラック、炭酸カル
シウム、タルク、クレー、シリカ、酸化チタン等があげ
られる。
【0040】揺変剤は、表面処理炭酸カルシウム、ポリ
塩化ビニルパウダー、微粉末シリカ、ベントナイト、セ
ピオライト等があげられる。このほか本発明のウレタン
樹脂組成物には石油系高沸点芳香族系留分,石油樹脂等
を混合しても良い。
【0041】本発明の接着剤は、前記の一液湿気硬化型
ウレタン組成物をそのまま利用するか添加剤を加えて使
用される。この用途は、主に土木・建築用をはじめ、車
両用及びラミネーション用等の溶剤臭気の嫌われる用途
への接着剤として利用されるが、安全衛生的観点からも
特に建築現場施工用接着剤として有用である。
【0042】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例のみに限定されるものではない。断りのな
い限り、実施例中の「部」「%」は、重量基準である。
【0043】(ウレタンプレポリマーの作製例1)平均
分子量3000のポリプロピレンエーテルジオール89
6.0gと2,4-トリレンジイソシアネート103.
9gをNCO/OHの当量比2.0にて窒素雰囲気下で
60℃にて48時間フラスコ中で攪拌しながら反応さ
せ、NCO%が2.51%のウレタンプレポリマー(N
CO−1)を得た。
【0044】(ウレタンプレポリマーの作製例2)平均
分子量3000のポリプロピレンエーテルジオール67
6.3gと2,4-トリレンジイソシアネート78.5
gを窒素雰囲気下で60℃にて24時間フラスコ中で攪
拌しながら反応させ、次いで平均分子量2000のポリ
エステルジオール(1,4−ブタンジオール、アジピン
酸系)145.2gをすなわちNCO/OHの当量比
1.5にて窒素気流下で60℃にて48時間フラスコ中
で攪拌しながら反応させ、NCO%が2.8%のウレタ
ンプレポリマー(NCO−2)を得た。
【0045】(オキサゾリジン化合物の作製例1)ウレ
タンプレポリマー(NCO−1)920.4gと2ーイ
ソプロピル3(2ヒドロキシエチル)1,3オキサゾリ
ジン79.6g、すなわちNCO/OHの当量比1.1
にて窒素気流下で60℃にて48時間フラスコ中で攪拌
しながら反応させ、ウレタンオキサゾリジン化合物(O
XZ−1と称する、数平均分子量3700)を得た。本
組成物のGPCを測定した結果、残存している2ーイソ
プロピル3(2ヒドロキシエチル)1,3オキサゾリジ
ンの含有率は1%以下であることを確認した。
【0046】(シランカップリング剤の作製例1)ヘキ
サメチレンジイソシアネート46.6gとメルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン(A−189:日本ユニカー
株式会社製)45.3g及びキシレン90gをNCO/
Hの当量比2.0にて窒素雰囲気下で60℃にて48時
間フラスコ中で攪拌しながら反応させ、不揮発分50%
のNCO基を1つもつシランカップリング剤(シラン−
1)を得た。
【0047】(シランカップリング剤の作製例2)ヘキ
サメチレンジイソシアネート28.7gとビス(トリメ
トキシシリルプロピル)アミン(A−1170:日本ユ
ニカー株式会社製品)61.3g及びキシレン90gを
NCO/Hの当量比2.0にて窒素雰囲気下で60℃に
て48時間フラスコ中で攪拌しながら反応させ、不揮発
分50%のNCO基を1つもつシランカップリング剤
(シラン−2)を得た。
【0048】実施例1〜5 比較例1〜4[コンパウン
ドの配合] 表1、2に示す配合で、密閉型プラネタリーミキサー中
に150℃で2時間乾燥し水分を0.05%以下に調整
した炭酸カルシウム(日東粉化製品:NS−200)、
120℃で3時間乾燥し、水分を0.1%以下に調整し
た脂肪酸処理炭酸カルシウム(白石カルシウム製品:ハ
クエンカCCR)、前記作製例で得られたウレタンプレ
ポリマー(NCO−2)、オキサゾリジン化合物(OX
Z−1)、酢酸エチル、ジウンデシルフタレート(以下
DUPと略)、硬化促進剤、シランカップリング剤をそ
れぞれ表1及び2のごとく、所定量加え均一に混合した
後、一液湿気硬化型ウレタンコンパウンドを得た。
【0049】下記の試験方法で評価し、表1、2に結果
を示した。
【0050】[試験方法] (塗布作業性)温度20℃×湿度50%の条件下におい
て、コンパウンドをスレート板上に櫛目ごて(JIS-A-55
36規格品)にて塗布し、作業性良好なものを○、悪いも
のを×で表記した。
【0051】(貯蔵安定性)500ccの密封可能の金属
缶にコンパウンドを500g採取し、50℃の恒温漕に
7日間保存し、初期粘度に対する粘度上昇率が1.5倍
以下を○、1.5倍以上を×で表記した。尚、粘度は、
BH型回転粘度計の6号ロータ、20rpm、25℃に
て測定した。
【0052】(発泡抑制性)温度20℃×湿度50%の
条件下において、コンパウンドをスレート板上に櫛目ご
て(JIS-A-5536規格品)にて塗布後、70℃×50%の
条件下に変更し、接着層の発泡があるものを×、無いも
のを○で表記した。 (接着物性)JIS-A-5536に準拠し、常態接着性及び耐水
接着性(水中7日)の評価を以下のように行った。
【0053】<試験片の調製>温度20℃×湿度50%
の条件下において、コンパウンドをスレート板上に櫛目
ごて(JIS-A-5536規格品)にて塗布し、20分間放置
後、塩化ビニル製シートをハンドロールにて圧締して、
72時間養生を行った。その後、塩化ビニル製シートを
幅1インチ、長さ20cmに切断し、試験片を調製した。
【0054】<剥離試験>引張試験機(テンシロン)を
用い、常温にて200mm/minの速さで90度剥離試験を
実施した。
【0055】(初期粘着性)温度20℃×湿度50%の
条件下において、コンパウンドをスレート板上に櫛目ご
て(JIS-A-5536規格品)にて塗布後、20分間放置し、
塩化ビニル製シートをハンドロールにて圧締、60分後に
引張試験機(テンシロン)を用い常温にて200mm/min
の速さで90度剥離試験を実施した。
【0056】[実施例1〜5]何れにおいても、不揮発分
95%以上の低溶剤型であり、良好な初期粘着性、耐水
接着性を示す優れたものであった。
【0057】[比較例1〜2]何れにおいても、イソシア
ネート基をもつシランカップリング剤を含有しないた
め、耐水接着性に劣るものであった。
【0058】[比較例3]市販のビニル床材用接着剤(ル
ビロン101、東洋ポリマー製品)を使用した。全性能
においてバランスがとれているが、溶剤を約25%含有
しているため、安全衛生上問題がある。
【0059】
【表1】[配合条件及び試験結果]
【0060】注) 1);ジフェニルメタンジイソシア
ネート、 2);トリメチロールプロパンとTDIの反応物、不揮
発分75%酢酸エチル含有(コロネートL、日本ポリウレ
タン工業製) 3);酸性燐酸エステル(イソプロピルアシッドフォス
フェート) 4);γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン
(日本ユニカー株式会社製) 5)NCO/(H):NCO基とオキサゾリジン基が開環して
発生する活性水素(1級アミン+水酸基)との当量比を
示す。
【0061】
【表2】[配合条件及び試験結果]
【0062】注) 1);ジフェニルメタンジイソシア
ネート、 2);トリメチロールプロパンとTDIの反応物、不揮
発分75%酢酸エチル含有(コロネートL、日本ポリウレ
タン工業製) 3);酸性燐酸エステル(イソプロピルアシッドフォス
フェート) 4);γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(日本ユニカー株式会社製) 5)NCO/(H):NCO基とオキサゾリジン基が開環して
発生する活性水素(1級アミン+水酸基)との当量比を
示す。
【0063】
【発明の効果】本発明は、貯蔵安定性、発泡抑制効果に
優れ、無溶剤化または低溶剤化の条件下においても良好
な塗布作業性、初期粘着性を発揮し、特に耐水接着性に
優れた一液湿気硬化型ウレタン組成物および接着剤を提
供するものである。
【0064】本発明は、低溶剤で臭いも少ないので、土
木建築の工事用、建築材料製造用をはじめ室内作業現場
での使用に好適であり、更に木工用、繊維関連用、車両
関連用、フィルムラミネーション用の接着剤として工業
上有用であり、安全衛生的観点からも有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子中に少なくとも1個のイソシ
    アネート基とアルコキシシリル基を有するイソシアネー
    ト化合物、(B)末端にイソシアネート基を2個以上有
    するイソシアネート化合物、及び(C)分子中に1個以
    上のオキサゾリジン環を有する化合物とを必須成分とす
    ることを特徴とする一液湿気硬化型ウレタン組成物。
  2. 【請求項2】 化合物(C)のオキサゾリジン環を加水
    分解することにより生成する活性水素H(1級アミン及
    び水酸基)との反応性が化合物(B)のイソシアネート
    基>化合物(A)のイソシアネート基であることを特徴
    とする請求項1記載の一液湿気硬化型ウレタン組成物。
  3. 【請求項3】 化合物(A)のイソシアネート基が1以
    上2未満であることを特徴とする請求項1、2記載の一
    液湿気硬化型ウレタン組成物。
  4. 【請求項4】 化合物(A)と化合物(B)のイソシア
    ネート基の合計と、化合物(C)の加水分解により生成
    する活性水素Hとの比が、当量比で−NCO/−H=
    0.4〜4.0のであることを特徴とする請求項1〜3
    いづれか記載の一液湿気硬化型ウレタン組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載いずれかの一液湿気硬
    化型ウレタン組成物からなることを特徴とする接着剤。
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