JPH1010143A - 流速測定装置 - Google Patents

流速測定装置

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JPH1010143A
JPH1010143A JP8167021A JP16702196A JPH1010143A JP H1010143 A JPH1010143 A JP H1010143A JP 8167021 A JP8167021 A JP 8167021A JP 16702196 A JP16702196 A JP 16702196A JP H1010143 A JPH1010143 A JP H1010143A
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Osamu Kawasaki
修 川崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、形状が小さく、送受波感度
が大きく、周波数依存性が小さく、温度や負荷の変動に
よる特性変化が小さい超音波送受波器を用いることによ
り、消費電力が小さく、測定精度が高く、特に低流速の
場合にも高精度の流速計測ができるという条件を全て兼
ね備えた流速測定装置を提供することにある。 【解決手段】 圧電板を複数枚積層して構成した積層型
圧電素子1を用い、その1面である音響放射面に音響整
合層を形成して、駆動電圧を放射超音波5に有効に変換
できる超音波送受波器を用い、共振周波数よりも低い周
波数の電圧で駆動して流体中に超音波を発射し、超音波
が所定の伝搬路を伝搬する時間を計測することにより流
体の流速を計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電体の圧電効果に
より励振した弾性振動により、外部に発せられる超音波
を用いて、流体の流速を測定する流速測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電気エネルギー/機械エネルギー
変換素子として圧電セラミック等の圧電体を用いて超音
波送波器を構成し、この超音波送波器を電圧で駆動して
流体中に超音波を発して、流体中の所定の伝搬路を伝搬
する超音波の速度(超音波が伝搬路を伝達する時間)を
計測して、流体の移動速度を測定する流速測定装置が、
水道メータ、ガスメータなどに利用されて注目されてい
る。
【0003】以下に、図面を参照しながら従来の流速測
定装置について説明する。図8は流量測定装置の測定原
理を示したものであり、同図において、T1、T2はそ
れぞれ超音波送受波器であり、電気エネルギー/機械エ
ネルギー変換素子変換素子として、圧電セラミック等の
圧電振動子を用いて構成されている。そして、超音波送
受波器T1、T2は圧電ブザー、圧電発振子と同様に共
振特性を示す。ここで、超音波送受波器T1を超音波送
波器として用い、超音波送受波器T2を超音波受波器と
して用いる。超音波送波器(T1)の共振周波数近傍の
周波数の交流電圧を圧電振動子に印加すると、超音波送
波器(T1)は外部の流体中に同図中の31で示す伝搬
経路に超音波を放射し、超音波受波器(T2)により伝
搬してきた超音波を受けて電圧に変換する。また、逆に
超音波送受波器T2を超音波送波器として用い、超音波
送受波器T1を超音波受波器として用いる。超音波送波
器(T2)の共振周波数近傍の周波数の交流電圧を圧電
振動子に印加することにより、外部の流体中に同図中に
32で示す伝搬経路に超音波を放射し、超音波受波器
(T1)で伝搬してきた超音波を受けて電圧に変換す
る。
【0004】以上に説明したように、超音波送波器は受
波器としての役目と、送波器としての役目を果たすの
で、一般に超音波送受波器と呼ばれる。
【0005】連続的に交流電圧を印加すると超音波送受
波器から連続的に超音波が放射され、伝搬時間を測定す
ることが困難なので、通常は電気パルスを駆動電圧とし
て用いる。以下、測定原理について詳細な説明を行う。
駆動用の電気パルスを送受波器T1に印加することによ
り、送受波器T1から超音波パルスを放射すると、この
超音波パルスは、距離がLの伝搬経路1を伝搬して、t
時間後に送受波器T2に到達する。超音波は、パルスな
ので、送受波器T2では伝達してきた超音波パルスのみ
を高いS/N比で電気パルスに変換することができる。
この電気パルスを電気的に増幅して、再び送受波器T1
に印加して超音波パルスを放射する。この装置をシング
・アラウンド装置と呼び、超音波パルスが送受波器T1
から放射され伝搬路を伝搬して送受波器T2に到達する
のに要する時間をシング・アラウンド周期といい、その
逆数をシング・アラウンド周波数という。
【0006】図8において、管の中を流れる流体の流速
をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と
超音波パルスの伝搬方向の角度をθとする。送受波器T
1を送波器、送受波器T2を受波器として用いた時に、
送受波器T1から出た超音波パルスが送受波器T2に到
達する時間であるシング・アラウンド周期をt1、シン
グ・アラウンド周波数f1とすれば、 f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L (1) の関係が成立する。逆に、送受波器T2を送波器とし
て、送受波器T1を受波器として用いた時のシング・ア
ラウンド周期をt2、シング・アラウンド周波数f2と
すれば、 f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L (2) の関係が成立する。従って、両シング・アラウンド周波
数の周波数差Δfは、 Δf=f1−f2=2Vcosθ/L (3) となり、超音波の伝搬経路の距離Lと周波数差Δfから
流体の流速Vを求めることができる。流体中の超音波の
速度Cは流体の温度により変化するが、この装置による
と超音波の速度Cによらず流体の流速Vを求めることが
できるので、(3)式より温度の影響を受けることなく
流体の流速Vを求めることができる。そして、この流速
測定装置においては、流体の流速Vを正確に求めるため
には伝搬時間t1、t2を正確に計測することが重要に
なる。
【0007】上記に説明したシング・アラウンド法を利
用した流速測定装置においては、流体中に超音波を放射
する超音波送受波器として、従来は単板の圧電素子を駆
動源とした超音波送受波器を使用していた。
【0008】図9は、従来の超音波送受波器の一例の断
面図である。同図において、圧電素子33は、円板形ま
たは矩形の圧電セラミックを1枚用いて構成されてお
り、ケース34の内側に貼り付けられている。ケース3
4は、圧電素子33から超音波が効率よく出ていくため
の整合層の役目と、外部の環境に対して圧電素子33の
信頼性を保証するという役目を兼ねている。従って、ケ
ース4はプラスチック材料などのように、圧電素子33
の音響インピーダンスと流体の音響インピーダンスの中
間の値を有する材料で構成される。時には、ケース4は
信頼性の向上のみの実現のために、ステンレスなどの金
属で作られることもある。35はフェライト粉を混合し
たプラスチック材から成るバッキング材であり、圧電振
動子33を電圧で駆動した時に放射される超音波37の
立ち上がりを早くするために用いられる。駆動端子36
a、36bに共振周波数近傍の成分を持つバースト電圧
を印加すると、圧電振動子33は拡がり振動、厚み振
動、または拡がり振動と厚み振動の両方で振動し、外部
の流体中に超音波7を放射する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来のシング・アラウンド法を利用した流速測定装置に
おいては、超音波送受波器として、1枚の圧電素子から
構成される超音波送受波器を使用していたので、送受波
感度を高くするためには、超音波送受波器の共振周波数
近傍で駆動する必要があった。そして、電圧を印加して
超音波に変換する送波感度、または到達した超音波を電
圧に変換する受波感度は、高くすることができるが、感
度の周波数依存性が大きいという課題がある。そして、
超音波送受波器の共振周波数は温度や負荷(超音波送受
波器が接している流体の材質により大きく変わる)など
の変動により変化するので、超音波送受波器の感度も温
度や負荷などの変動により変化する。従って、一定周波
数で駆動したのでは共振周波数の変化により送受波感度
が低下してしまうので、ほぼ一定感度で駆動するために
は、共振周波数の変化に応じて駆動周波数を変化させ
る、つまり共振周波数を自動追尾する必要がある。送受
波感度をほぼ一定にするためには、共振周波数を正確に
自動追尾する必要があり駆動制御回路が複雑になる、ま
た共振周波数の自動追尾の精度が悪いと感度が変化する
という第1の課題がある。
【0010】従来のシング・アラウンド装置に使用して
いる超音波送受波器は、圧電振動子として厚み振動、ま
たは拡がり振動を用いている。従って、感度の高い超音
波送受波を行うためには、厚み振動を用いている場合に
は、送波器の共振周波数と受波器の***振周波数を一致
させる必要があり、拡がり振動を用いている場合には、
送波器と受波器の共振周波数を一致させる必要がある。
そして、シング・アラウンド装置では、1つの超音波送
受波器が送波器としても受波器としても使用されるの
で、原理的に送波器の共振周波数と受波器の***振周波
数を一致させることはできないが、厚み振動を用いてい
る場合、送受波感度を高くするためには2つの超音波送
受波器の共振周波数の関係を合わせる必要がある。しか
し、超音波送受波器の共振周波数には製造ばらつきがあ
るので、周波数選別なしに、また周波数調整なしに超音
波送受波器の共振周波数を一致させる、または2つの超
音波送受波器の共振周波数の関係を合わせるのは困難で
あり、一致または合わせようとすれば超音波送受波器の
コストは必然的に高くなる。また、例え初期に2つ超音
波送受波器共振周波数を一致または合わせたとしても、
温度や経時変化により変化するので、2つの超音波送受
波器の共振周波数を常に一致または合わせることは極め
て困難であるという第2の課題がある。
【0011】また、従来のシング・アラウンド装置に使
用している超音波送受波器には、厚み振動および撓み振
動の圧電振動子から構成した非共振型の超音波送受波器
を用いたものもある。これらは、電圧を印加して超音波
に変換する送波感度、または到達した超音波を電圧に変
換する受波感度の周波数依存性が小さいので、周波数追
尾をしなくても一定周波数で駆動できるので駆動回路が
簡単になるが、送波感度が低いので、駆動には数10V
から数100Vの高い駆動電圧が必要になり、受波感度
も小さいので増幅率の大きい増幅器が必要となり、送受
波回路の消費電力が大きくなるという第3の課題があ
る。特に電池を電源とする流速測定装置では大きな課題
である。また、非共振型の超音波送受波器は共振型に比
べて形状が大きくなるという課題もある。
【0012】本発明の目的とするところは、形状が小さ
く、送受波感度が大きく、周波数依存性が小さく、温度
や負荷の変動による特性変化が小さい超音波送受波器を
用いることにより、消費電力が小さく、測定精度が高
く、特に低流速の場合にも高精度の流速計測ができると
いう条件をすべて兼ね備えた流速測定装置を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の流速測定
装置は、圧電板を複数枚積層して構成した積層型圧電素
子の1面である音響放射面に音響整合層を形成し、積層
型圧電素子の音響放射面の反対面に音響整合層よりも剛
性の大きい剛性層を形成して構成した、形状が小さく、
送受波感度が大きく、周波数依存性が小さく、温度や負
荷の変動による特性変化が小さい超音波送受波器を流速
測定装置に用い、超音波送受波器を電圧で駆動して流体
中に超音波を発射し、超音波が所定の伝搬路を伝搬する
時間を計測することにより、消費電力が小さく、測定精
度が高く、特に低流速の場合にも高精度の流速計測を実
現するものである。
【0014】また、本発明の第2の流速測定装置は、圧
電板を複数枚積層し、少なくとも1面に弾性板を固着し
て構成した積層型圧電素子の1面である音響放射面に音
響整合層を形成し、積層型圧電素子の音響放射面の反対
面に音響整合層よりも剛性の大きい剛性層を形成して構
成した、形状が小さく、送受波感度が大きく、周波数依
存性が小さく、温度や負荷の変動による特性変化が小さ
い超音波送受波器を流速測定装置に用い、超音波送受波
器を電圧で駆動して流体中に超音波を発射し、超音波が
所定の伝搬路を伝搬する時間を計測することにより、消
費電力が小さく、測定精度が高く、特に低流速の場合に
も高精度の流速計測を実現するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に従って本発明の実施
の形態について詳細に説明する。
【0016】(実施の形態1)以下、図面に従って本発
明の実施の形態1について詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の実施の形態1の流体測定
装置に用いる、超音波送受波器の斜視図である。同図に
おいて、1は圧電セラミックなどの圧電体により構成さ
れる圧電振動子であり、ケース2の内側に貼り付けられ
ている。ケース2は駆動電圧により励振される圧電振動
子1の機械的振動が、外部の媒体に超音波として効率よ
く出ていき、到来した超音波が効率よく電圧に変換され
るための音響整合層の役目と、外部の環境に対して圧電
振動子1の信頼性を保証するという役目を兼ねている。
従って、ケース2は外部の流体に対して信頼性が保証で
きるとともに、圧電振動子1の音響インピーダンスと流
体の音響インピーダンスの中間の値を有するプラスチッ
ク、金属などの材料で構成される。3はフェライト粉を
混合したプラスチック材などの材料から成るバッキング
材であり、圧電振動子1を電圧で駆動した時に放射され
る超音波5の立ち上がりを早くするために用いられる。
駆動端子4a、4bに共振周波数近傍の周波数のバース
ト電圧を印加すると、圧電振動子1は厚み振動モードで
振動し、気体または液体中などの流体中に超音波バース
ト5を放射する。
【0018】図2は、図1に示す超音波送受波器に用い
る圧電振動子の斜視図である。同図において、1は機械
/電気変換素子として、圧電素子6が多数枚積層して構
成された積層圧電振動子である。圧電素子6は、それぞ
れ厚さ方向に分極され上下面に電極を形成された圧電セ
ラミックであり、同図に矢印で示すように隣り合う圧電
素子の分極方向(分極をPで表している)が逆方向にな
るように貼り合わせられている。7は駆動電源であり、
圧電振動子1を駆動するための駆動交流電圧を発生す
る。圧電振動子1を構成する圧電素子6に、隣り合う圧
電素子の電圧印加方向が逆になるように共振周波数近傍
の駆動電源8の出力交流電圧を印加すると、圧電振動子
1は厚み振動をして外部の流体に音波を放射する。
【0019】図3は、積層圧電素子1を用いた超音波送
受波器の駆動端子4a、4bから見たアドミッタンス
と、駆動電圧に対する放射超音波強度の大きさを表す送
波感度の周波数特性であり、同図において、frは厚み
振動の共振周波数であり、fdは駆動周波数である。従
来は精度良く流速計測ができるように、送波感度が高く
なる共振周波数frで超音波送受波器を駆動していた。
しかし、本実施の形態1では積層圧電振動子1を用いて
いるので、駆動電圧に対する送波超音波強度である送波
感度がきわめて大きいので、必ずしも駆動周波数fdを
共振周波数frに一致させるか、またごく近傍に設定す
る必要がない。実験では、駆動周波数fdを共振周波数
frに対して、0.9fr(=fd2)から0.05f
r(=fd1)に設定して流速測定装置に使用すれば、
流速を計測するのに充分な送波感度が得られることを確
認した。
【0020】図4は、図1に示した超音波送受波器をも
ちいた流速測定装置のブロック図である。同図におい
て、スタート回路11により流体の流速計測が始まる
と、切換回路10により送受波器T1を送波器として、
送受波器T2を受波器として働くように切換をする。ま
た、スタート回路11は、計測開始を時間計測回路19
に知らせる。そして、トリガー回路18が駆動回路12
にトリガーをかけて送受波器T1を駆動して、超音波バ
ーストを流体中に放射する。超音波パルスは距離がLの
伝搬経路1を伝搬し、送受波器T2で受波される。送受
波器T2で受けた超音波バーストは電圧バーストに変換
され、回路で取扱やすいレベルにまで増幅器13で増幅
される。そして、比較回路14で設定レベルと比較され
て超音波バーストが到来したことが認識される。そし
て、遅延回路17により超音波が流体中の計測系から消
えるまで待って、再びトリガー回路18により送受波器
T1に電圧パルス印加して超音波パルスを放射する。こ
の動作を繰返設定回路15で設定された回数だけ繰り返
して時間計測回路19で時間を計測する。この動作の終
了を司るのが繰返制御回路16である。この時の管の中
を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、
平均シング・アラウンド周期をt1、平均シング・アラ
ウンド周波数f1とすれば、 f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L (4) の関係が成立し、この演算を行うのが流速演算回路20
である。
【0021】次に、送受波器T2を送波器として、送受
波器T1を受波器として用いて同様の動作をした時の平
均シング・アラウンド周期をt2、平均シング・アラウ
ンド周波数f2とすれば、 f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L (5) の関係が成立する。従って、両者の周波数差Δfは、 Δf=f1−f2=2Vcosθ/L (6) となり、周波数差Δfにより流体の流速Vを求めること
ができる。この演算を行うのも流速演算回路20であ
る。
【0022】本実施の形態1によれば、積層型圧電振動
子を用いることにより、小さな形状で送受波感度を大き
くすることができる。また、駆動周波数を共振周波数か
ら離すことにより、送受波感度の周波数依存性を小さく
できるので、周囲温度や負荷が変動して共振周波数が変
化しても、特性変化が小さい超音波送受波器を実現でき
る。また、2つの送受波器の特性を合わせる必要もな
い。そして、このような超音波送受波器を流速測定装置
に使用することにより、常に測定精度が高く、特に低流
速の場合にも高精度の流速計測ができるという条件をす
べて兼ね備えた流速測定装置を提供することができる。
【0023】また、上記の実施の形態1では、圧電振動
子1に厚み振動を励振しているが、拡がり振動を励振す
ることも、厚み振動と拡がり振動を同時に励振すること
も容易であり同様の効果が得られる。
【0024】(実施の形態2)以下、図面に従って、本
発明の実施の形態2について詳細に説明する。
【0025】図5は、本発明の実施の形態2の流体測定
装置に用いる超音波送受波器の斜視図である。同図にお
いて、21は、圧電セラミックなどの圧電体により構成
される圧電振動子であり、ケース22の内側に貼り付け
られている。ケース22は、駆動電圧により励振される
圧電振動子21の機械的振動が外部の媒体に超音波とし
て効率よく出ていき、到来した超音波が効率よく電圧に
変換されるための音響整合層の役目と、外部の環境に対
して圧電振動子21の信頼性を保証するという役目を兼
ねている。従って、ケース22は、外部の流体に対して
信頼性が保証できるとともに、圧電振動子21の音響イ
ンピーダンスと流体の音響インピーダンスの中間の値を
有するプラスチック、金属などの材料で構成される。2
3は、フェライト粉を混合したプラスチック材などの材
料から成るバッキング材であり、圧電振動子21を電圧
で駆動した時に放射される超音波25の立ち上がりを早
くするために用いられる。駆動端子24a、24bに共
振周波数近傍の周波数のバースト電圧を印加すると、圧
電振動子21は厚み振動モードで振動し、気体または液
体中などの流体中に超音波バースト25を放射する。
【0026】図6は、図5に示した超音波送受波器に用
いる圧電振動子の斜視図である。同図において、21は
機械/電気変換素子として圧電素子26が多数枚積層し
て構成された積層圧電振動子である。圧電素子26は、
厚さ方向に分極され上下面に電極を形成された圧電セラ
ミックであり、同図に矢印で示すように隣り合う圧電素
子の分極方向(分極をPで表している)が逆になるよう
に貼り合わせられている。そして、27は金属、セラミ
ックなどの弾性板であり、積層した圧電素子26の上下
面に貼り付けて、積層圧電振動子21を構成している。
弾性板27は、共振周波数の調整用であり、弾性板27
の厚さを厚くすれば、積層圧電振動子21の共振周波数
を低くすることができ、弾性板27の厚さを薄くすれ
ば、積層圧電振動子21の共振周波数を高くすることが
できる。28は駆動電源であり、圧電振動子21を駆動
するための駆動交流電圧を発生する。圧電振動子21を
構成する圧電素子26に共振周波数近傍の駆動電源28
の出力交流電圧を印加すると、圧電振動子21は厚み振
動をして外部に音波を放射する。
【0027】図7は、図5に示した超音波送受波器に積
層圧電振動子21を用いた時の超音波送受波器の駆動端
子24a、24bから見たアドミッタンスと、駆動電圧
に対する放射超音波強度の大きさを表す送波感度の周波
数特性であり、同図において、fr1は、圧電素子26
を積層して構成した時の厚み振動の共振周波数であり、
その時のアドミッタンスと送波感度を添え字1で表し、
fr2は圧電素子26を積層した後に、弾性板27を上
下面に貼り付けて構成した時の厚み振動の共振周波数で
あり、その時のアドミッタンスと送波感度を添え字2で
表し、そしてfdは駆動周波数である。積層圧電素子2
1の厚み振動の共振周波数は厚さで決まり、共振周波数
を低くする時には、積層枚数を多くするか、1枚の圧電
素子の厚さを厚くする。しかし、一般的に積層枚数と1
枚の厚さを厚くするのには限りがある。そして、共振周
波数駆動周波数fdが共振周波数fr1よりかなり低い
時には、同図に示すように送波感度が低くなるので、弾
性板27を圧電素子26の上下面に貼り付けて構成した
時の厚み振動の共振周波数をfr2に低下させることに
より送波感度を高くする。実験では、駆動周波数fdを
共振周波数fr2に対して0.9fr2(=fd)から
0.05fr2(=fd)に設定して流速測定装置に使
用すれば時にも、流速を計測するのに充分な送波感度が
得られることを確認した。
【0028】図5に示した超音波送受波器をもちいた流
速測定装置は図4と同様であるのでここでは省略する。
【0029】本実施の形態2によれば、圧電素子を複数
枚積層した後に、弾性板を上下面に貼り付けて構成した
積層型圧電振動子を用いることにより、任意の積層圧電
素子で貼り合わす弾性板の厚さを変えるだけで容易に共
振周波数を制御し、その結果、送受波感度を制御するこ
とができる。また、駆動周波数を共振周波数から離すこ
とにより、送受波感度の周波数依存性を小さくできるの
で、周囲温度や負荷が変動して共振周波数が変化しても
特性変化が小さい超音波送受波器を実現できる。また、
2つの送受波器の特性を合わせる必要もない。そして、
このような超音波送受波器を流速測定装置に使用するこ
とにより、常に測定精度が高く、特に低流速の場合にも
高精度の流速計測ができるという条件をすべて兼ね備え
た流速測定装置を提供することができる。また、圧電素
子を複数枚積層した後に弾性板を上下面のいずれか1面
に貼り付けて構成した積層型圧電振動子を用いることに
より、任意の積層圧電素子で貼り合わす弾性板の厚さを
変えるだけで容易に共振周波数を制御し、その結果、送
受波感度を制御することも同様にできる。
【0030】
【発明の効果】本願発明では、積層圧電振動子を用いる
ことにより、形状が小さく、送受波感度が大きく、周波
数依存性が小さく、温度や負荷の変動による特性変化が
小さい超音波送受波器を実現し、この超音波送受波器を
流速測定装置に使用することにより、消費電力が小さ
く、測定精度が高く、特に低流速の場合にも高精度の流
速計測ができるという条件をすべて兼ね備えた流速測定
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の流速測定装置の超音波
送受波器の断面図
【図2】図1の超音波送受波器に用いる圧電振動子の斜
視図
【図3】図1の超音波送受波器のアドミッタンスおよび
送波感度の周波数特性図
【図4】本発明の実施の形態1の流速測定装置のブロッ
ク図
【図5】本発明の実施の形態2の流速測定装置の超音波
送受波器の断面図
【図6】図5の超音波送受波器に用いる圧電振動子の斜
視図
【図7】図5の超音波送受波器のアドミッタンスおよび
送波感度の周波数特性図
【図8】従来の流速測定装置の測定原理説明のための概
念図
【図9】従来の流速測定装置の超音波送受波器の断面図
【符号の説明】
1 圧電振動子 2 ケース 3 バッキング材 4a,4b 駆動端子 5 放射超音波 6 圧電素子 7 駆動電源 10 切換回路 11 スタート回路 12 駆動回路 13 増幅器 14 比較回路 15 繰返設定回路 16 繰返制御回路 17 遅延回路 18 トリガー回路 19 時間計測回路 20 流速演算回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電板を複数枚積層して構成した積層型圧
    電素子を、ケースの内側に固着して構成した超音波送受
    波器を電圧で駆動して、流体中に超音波を発射し、前記
    超音波が、所定の伝搬路を伝搬する時間を計測すること
    により、前記流体の流速を計測することを特徴とする流
    速測定装置。
  2. 【請求項2】圧電板を複数枚積層して構成した積層型圧
    電素子の1面である音響放射面に音響整合層を形成し、
    前記積層型圧電素子の前記音響放射面の反対面に前記音
    響整合層よりも剛性の大きい剛性層を形成して構成した
    超音波送受波器を電圧で駆動して流体中に超音波を発射
    し、前記超音波が所定の伝搬路を伝搬する時間を計測す
    ることにより、前記流体の流速を計測することを特徴と
    する流速測定装置。
  3. 【請求項3】圧電板を複数枚積層し、少なくとも1面に
    弾性板を固着して構成した積層型圧電素子をケースの内
    側に固着して構成した超音波送受波器を電圧で駆動して
    流体中に超音波を発射し、前記超音波が所定の伝搬路を
    伝搬する時間を計測することにより、前記流体の流速を
    計測することを特徴とする流速測定装置。
  4. 【請求項4】圧電板を複数枚積層し、少なくとも1面に
    弾性板を固着して構成した積層型圧電素子の1面である
    音響放射面に音響整合層を形成し、前記積層型圧電素子
    の前記音響放射面の反対面に前記音響整合層よりも剛性
    の大きい剛性層を形成して構成した超音波送受波器を電
    圧で駆動して流体中に超音波を発射し、前記超音波が所
    定の伝搬路を伝搬する時間を計測することにより、前記
    流体の流速を計測することを特徴とする流速測定装置。
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