JPH10101310A - 鉄を含む酸性過酸化水素水溶液の安定化方法 - Google Patents
鉄を含む酸性過酸化水素水溶液の安定化方法Info
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- JPH10101310A JPH10101310A JP26149596A JP26149596A JPH10101310A JP H10101310 A JPH10101310 A JP H10101310A JP 26149596 A JP26149596 A JP 26149596A JP 26149596 A JP26149596 A JP 26149596A JP H10101310 A JPH10101310 A JP H10101310A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鉄を含む酸性過酸化水素水溶液の効果的な安
定化法を提供する。 【解決方法】 鉄を含む酸性過酸化水素水溶液にフェニ
ルグリコールエーテル又は環状飽和アルコール類を添加
する。
定化法を提供する。 【解決方法】 鉄を含む酸性過酸化水素水溶液にフェニ
ルグリコールエーテル又は環状飽和アルコール類を添加
する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄を含む酸性過酸化
水素水溶液の安定化方法に関する。
水素水溶液の安定化方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】塩酸、弗酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無
機酸と過酸化水素からなる酸性過酸化水素水溶液は、ス
テンレス鋼をはじめとする鉄及び鉄合金の酸洗、エッチ
ング等の化学処理溶液として従来から広く利用されてお
り、その例として特公昭４１−１８９３４には過塩素酸
塩、過酸化水素、弗酸又はその塩からなる処理液が記載
されている。また特公昭３９−１８３０３には過酸化水
素、蓚酸の組成の処理液が、特公昭４７−３５６５２に
は過酸化水素、弗酸、塩酸、有機溶剤及び界面活性剤か
らなる化学処理腋が記載されている。これらの処理液は
建浴直後には優れた処理能力を有するが、繰り返し使用
することにより、被処理物から溶出する鉄イオンをはじ
めとする重金属イオンが蓄積し、過酸化水素の分解が多
くなるという欠点がある。その結果、過酸化水素使用量
が増加し不経済となり、また水溶液中の過酸化水素濃度
の管理が困難となる等、種々の問題点を有している。こ
れらの問題点を解決する手段も従来から種々検討されて
おり、米国特許第３５９７２９０号では飽和脂肪族アル
コールが、特公昭５４−２６０７ではグリコール類が、
また特公昭５４−４２８５０では４級アンモニウム塩が
それぞれ酸性過酸化水素水溶液中の過酸化水素の安定剤
として記載されている。その他にもアミン類等が重金属
イオンを含む酸性過酸化水素水溶液中の過酸化水素安定
剤として効果があることが報告されている。しかし、こ
れらの安定剤は、重金属イオン濃度が０．１ｇ／ｌ程度
の低い領域では効果があるものの、１０ｇ／ｌと高い領
域では十分な効果は得られず、またその添加率も約１ｇ
／ｌと高濃度を必要とする場合が一般的である。
機酸と過酸化水素からなる酸性過酸化水素水溶液は、ス
テンレス鋼をはじめとする鉄及び鉄合金の酸洗、エッチ
ング等の化学処理溶液として従来から広く利用されてお
り、その例として特公昭４１−１８９３４には過塩素酸
塩、過酸化水素、弗酸又はその塩からなる処理液が記載
されている。また特公昭３９−１８３０３には過酸化水
素、蓚酸の組成の処理液が、特公昭４７−３５６５２に
は過酸化水素、弗酸、塩酸、有機溶剤及び界面活性剤か
らなる化学処理腋が記載されている。これらの処理液は
建浴直後には優れた処理能力を有するが、繰り返し使用
することにより、被処理物から溶出する鉄イオンをはじ
めとする重金属イオンが蓄積し、過酸化水素の分解が多
くなるという欠点がある。その結果、過酸化水素使用量
が増加し不経済となり、また水溶液中の過酸化水素濃度
の管理が困難となる等、種々の問題点を有している。こ
れらの問題点を解決する手段も従来から種々検討されて
おり、米国特許第３５９７２９０号では飽和脂肪族アル
コールが、特公昭５４−２６０７ではグリコール類が、
また特公昭５４−４２８５０では４級アンモニウム塩が
それぞれ酸性過酸化水素水溶液中の過酸化水素の安定剤
として記載されている。その他にもアミン類等が重金属
イオンを含む酸性過酸化水素水溶液中の過酸化水素安定
剤として効果があることが報告されている。しかし、こ
れらの安定剤は、重金属イオン濃度が０．１ｇ／ｌ程度
の低い領域では効果があるものの、１０ｇ／ｌと高い領
域では十分な効果は得られず、またその添加率も約１ｇ
／ｌと高濃度を必要とする場合が一般的である。
【０００３】
【発明が解決しよとする課題】本発明の目的は鉄を含む
酸性過酸化水素水溶液をより効果的に安定化することの
可能な手段を提供することにある。
酸性過酸化水素水溶液をより効果的に安定化することの
可能な手段を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉄を含む酸性
過酸化水素水溶液にフェニルグリコールエーテル類及び
環状飽和アルコール類から選ばれる少なくとも１種の化
合物を含有させることを特徴とする酸性過酸化水素水溶
液の安定化方法である。本発明で安定化に供する鉄を含
む酸性過酸化水素水溶液は、従来、鉄や鉄合金の酸洗や
エッチング等の化学処理液として用いられている適宜の
ものを用いうるが、より具体的には過酸化水素を２０ｇ
／ｌ以上、塩酸、弗酸、硫酸、硝酸等の無機酸の少なく
とも１種を５０ｇ／ｌ以上含む水溶液でそのなかに溶出
等に由来する鉄を含有するものが通常用いられる。
過酸化水素水溶液にフェニルグリコールエーテル類及び
環状飽和アルコール類から選ばれる少なくとも１種の化
合物を含有させることを特徴とする酸性過酸化水素水溶
液の安定化方法である。本発明で安定化に供する鉄を含
む酸性過酸化水素水溶液は、従来、鉄や鉄合金の酸洗や
エッチング等の化学処理液として用いられている適宜の
ものを用いうるが、より具体的には過酸化水素を２０ｇ
／ｌ以上、塩酸、弗酸、硫酸、硝酸等の無機酸の少なく
とも１種を５０ｇ／ｌ以上含む水溶液でそのなかに溶出
等に由来する鉄を含有するものが通常用いられる。
【０００５】安定剤として添加するフェニルグリコール
エーテル類としては一般式（Ｉ）で示される化合物が好
ましく用いられる。 一般式（Ｉ） Ｃ6 Ｈ5 Ｏ（ＣＨ2 ＣＨ2 Ｏ）n Ｈ （ｎは１〜２の整数を表す） 具体的にはエチレングリコールモノフェニルエーテル及
びジエチレングリコールモノフェニルエーテルが好まし
く用いられる。
エーテル類としては一般式（Ｉ）で示される化合物が好
ましく用いられる。 一般式（Ｉ） Ｃ6 Ｈ5 Ｏ（ＣＨ2 ＣＨ2 Ｏ）n Ｈ （ｎは１〜２の整数を表す） 具体的にはエチレングリコールモノフェニルエーテル及
びジエチレングリコールモノフェニルエーテルが好まし
く用いられる。
【０００６】安定剤として添加する環状飽和アルコール
類としては環構成炭素数が５〜７の環状飽和アルコール
が好ましい。環構成炭素にはアルキル基等の置換基が結
合していてもよい。アルキル置換基の炭素数は１〜４が
好ましい。従って炭素数５〜７のシクロアルキルアルコ
ールが好ましく、具体的にはシクロペンタノール、シク
ロヘキサノール及びシクロヘプタノールが特に好まし
い。これらの安定剤の添加量は、０．０１ｇ／ｌ以上の
濃度で処理液中に添加すれば効果があり、添加量を増加
するほうが効果的であるが、１０ｇ／ｌ以上添加しても
増加効果は認められず、むしろ経済的には不利となる。
従って、安定剤の添加量は、通常０．０１〜１．０ｇ／
ｌ、より好ましくは０．０５〜０．１ｇ／ｌである。
類としては環構成炭素数が５〜７の環状飽和アルコール
が好ましい。環構成炭素にはアルキル基等の置換基が結
合していてもよい。アルキル置換基の炭素数は１〜４が
好ましい。従って炭素数５〜７のシクロアルキルアルコ
ールが好ましく、具体的にはシクロペンタノール、シク
ロヘキサノール及びシクロヘプタノールが特に好まし
い。これらの安定剤の添加量は、０．０１ｇ／ｌ以上の
濃度で処理液中に添加すれば効果があり、添加量を増加
するほうが効果的であるが、１０ｇ／ｌ以上添加しても
増加効果は認められず、むしろ経済的には不利となる。
従って、安定剤の添加量は、通常０．０１〜１．０ｇ／
ｌ、より好ましくは０．０５〜０．１ｇ／ｌである。
【０００７】本発明で用いる上記安定剤は単独で使用し
ても著しい過酸化水素の安定化効果を示すが、２種類以
上を併用した場合、特に少なくとも１種のフェニルグリ
コールエーテルと少なくとも１種の環状飽和アルコール
とを併用した場合、安定剤の添加量合計が単独で使用し
た場合と同等であれば、単独使用を越える高い安定化効
果を示す。これは２種類以上の安定剤を併用することに
よる相乗効果によるものと考えられる。安定剤の添加方
法としては、建浴時に添加する方法が最も効果的である
が、繰り返し使用により鉄イオン濃度が上昇した時点で
添加しても差し支えなく、更に別の方法としては、処理
浴に過酸化水素を補充する毎に、添加する過酸化水素量
に応じた量の安定剤を添加することも可能である。
ても著しい過酸化水素の安定化効果を示すが、２種類以
上を併用した場合、特に少なくとも１種のフェニルグリ
コールエーテルと少なくとも１種の環状飽和アルコール
とを併用した場合、安定剤の添加量合計が単独で使用し
た場合と同等であれば、単独使用を越える高い安定化効
果を示す。これは２種類以上の安定剤を併用することに
よる相乗効果によるものと考えられる。安定剤の添加方
法としては、建浴時に添加する方法が最も効果的である
が、繰り返し使用により鉄イオン濃度が上昇した時点で
添加しても差し支えなく、更に別の方法としては、処理
浴に過酸化水素を補充する毎に、添加する過酸化水素量
に応じた量の安定剤を添加することも可能である。
【０００８】
実施例１ 塩酸２０ｇ／ｌ、弗酸４０ｇ／ｌ、鉄１０ｇ／ｌ、及び
エチレングリコールモノフェニルエーテル０．０１ｇ／
ｌを含む溶液に過酸化水素を２０ｇ／ｌになるように添
加し５０℃で５時間放置後、その間の過酸化水素の安定
度を測定した。過酸化水素の安定度は以下の計算により
算出した。
エチレングリコールモノフェニルエーテル０．０１ｇ／
ｌを含む溶液に過酸化水素を２０ｇ／ｌになるように添
加し５０℃で５時間放置後、その間の過酸化水素の安定
度を測定した。過酸化水素の安定度は以下の計算により
算出した。
【０００９】
【数１】
【００１０】実施例２〜２２ 実施例１において安定剤の種類及び／又はその添加率を
かえて同様の実験をした。これらの結果を表１に示す。
かえて同様の実験をした。これらの結果を表１に示す。
【００１１】
【表１】
【００１２】実施例２３ 塩酸、弗酸、過酸化水素からなる水溶液に予めステンレ
ス鋼ＳＵ３０４を溶解し、その液を使用して塩酸２０ｇ
／ｌ、弗酸４０ｇ／ｌ、鉄１０ｇ／ｌ、クロム２ｇ／
ｌ、ニッケル１ｇ／ｌ及びエチレングリコールモノフェ
ニルエーテル０．１０ｇ／ｌを含む溶液を調整し、過酸
化水素を２０ｇ／ｌになるように添加し５０℃で５時間
放置後、その間の過酸化水素の安定度を測定した。
ス鋼ＳＵ３０４を溶解し、その液を使用して塩酸２０ｇ
／ｌ、弗酸４０ｇ／ｌ、鉄１０ｇ／ｌ、クロム２ｇ／
ｌ、ニッケル１ｇ／ｌ及びエチレングリコールモノフェ
ニルエーテル０．１０ｇ／ｌを含む溶液を調整し、過酸
化水素を２０ｇ／ｌになるように添加し５０℃で５時間
放置後、その間の過酸化水素の安定度を測定した。
【００１３】実施例２４〜２７ 実施例２３において安定剤の種類及び／又はその添加率
をかえて同様の実験をした。これらの結果を表２に示
す。
をかえて同様の実験をした。これらの結果を表２に示
す。
【００１４】
【表２】
【００１５】比較例１ 塩酸２０ｇ／ｌ、弗酸４０ｇ／ｌ、鉄１０ｇ／ｌを含む
溶液に過酸化水素を２０ｇ／ｌになるように添加し、５
０℃で時間放置後その間の過酸化水素の安定度を測定し
た。
溶液に過酸化水素を２０ｇ／ｌになるように添加し、５
０℃で時間放置後その間の過酸化水素の安定度を測定し
た。
【００１６】比較例２ 塩酸２０ｇ／ｌ、弗酸４０ｇ／ｌ、鉄１０ｇ／ｌ、エタ
ノール１．０ｇ／ｌを含む溶液に過酸化水素を２０ｇ／
ｌになるように添加し、５０℃で時間放置後＜その間の
過酸化水素の安定度を測定した。これらの結果を表３に
示す。
ノール１．０ｇ／ｌを含む溶液に過酸化水素を２０ｇ／
ｌになるように添加し、５０℃で時間放置後＜その間の
過酸化水素の安定度を測定した。これらの結果を表３に
示す。
【００１７】
【表３】
Claims (2)
- 【請求項１】 鉄を含む酸性過酸化水素水溶液にフェニ
ルグリコールエーテル類及び環状飽和アルコール類から
選ばれる少なくとも１種の化合物を含有させることを特
徴とする酸性過酸化水素水溶液の安定化方法。 - 【請求項２】 含有させる化合物がフェニルグリコール
エーテル類の少なくとも１種と環状飽和アルコール類の
少なくとも１種の組合せからなる請求項１記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26149596A JP3907245B2 (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | 鉄を含む酸性過酸化水素水溶液の安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26149596A JP3907245B2 (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | 鉄を含む酸性過酸化水素水溶液の安定化方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10101310A true JPH10101310A (ja) | 1998-04-21 |
| JP3907245B2 JP3907245B2 (ja) | 2007-04-18 |
Family
ID=17362711
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26149596A Expired - Lifetime JP3907245B2 (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | 鉄を含む酸性過酸化水素水溶液の安定化方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3907245B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005036288A (ja) * | 2003-07-16 | 2005-02-10 | Asahi Denka Kogyo Kk | 金属表面用酸洗浴組成物 |
| EP1793016A1 (de) * | 2005-12-01 | 2007-06-06 | Elpochem AG | Polier- und Entgratungsmittel für Werkstücke aus Kohlenstoffstahl und Verfahren zum chemischen Polieren und Entgraten |
| CN111575713A (zh) * | 2020-06-03 | 2020-08-25 | 常州龙润环保科技有限公司 | 激光加工金属辊面表层环保型酸性处理液及处理方法 |
-
1996
- 1996-10-02 JP JP26149596A patent/JP3907245B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005036288A (ja) * | 2003-07-16 | 2005-02-10 | Asahi Denka Kogyo Kk | 金属表面用酸洗浴組成物 |
| EP1793016A1 (de) * | 2005-12-01 | 2007-06-06 | Elpochem AG | Polier- und Entgratungsmittel für Werkstücke aus Kohlenstoffstahl und Verfahren zum chemischen Polieren und Entgraten |
| CN111575713A (zh) * | 2020-06-03 | 2020-08-25 | 常州龙润环保科技有限公司 | 激光加工金属辊面表层环保型酸性处理液及处理方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3907245B2 (ja) | 2007-04-18 |
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