JPH099912A - 風味良好な加工肉製品の製造方法 - Google Patents

風味良好な加工肉製品の製造方法

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JPH099912A
JPH099912A JP7186307A JP18630795A JPH099912A JP H099912 A JPH099912 A JP H099912A JP 7186307 A JP7186307 A JP 7186307A JP 18630795 A JP18630795 A JP 18630795A JP H099912 A JPH099912 A JP H099912A
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fermentum
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JP7186307A
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Hiroki Hayasawa
宏紀 早澤
Tsutomu Kudo
力 工藤
Norio Ishibashi
憲雄 石橋
Tomoko Yaejima
智子 八重島
Hiroyuki Matsukuma
宏幸 松熊
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 加工肉製品の原料に、非耐塩性ラクトバシラ
ス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum) を添加
し、加工肉製品を発色させることを特徴とする風味良好
な加工肉製品の製造方法。 【効果】 安全、かつ風味良好な加工肉製品が得られ、
硝酸塩、亜硝酸塩等の発色剤を使用背ずに、良好な発色
の加工肉製品が得られ、繁雑な工程を要することなく、
優れた品質の加工肉製品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工肉製品の製造方法
に関するものであり、詳しくは、本発明は、加工肉製品
の原料に、非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(L
actobacillusfermentum) を添加し、加工肉製品を発色
させることを特徴とする風味良好な加工肉製品の製造方
法に関する。
【0002】本明細書において、加工肉製品はハム、ソ
ーセージ、ベーコン等であり、百分率の表示は、特に断
りのない限り、重量による値である。
【0003】
【従来の技術】一般に、ハム、ソーセージ、ベーコン等
の加工肉製品の製造には、発色、保存、呈味等を良好に
するために、硝酸塩又は亜硝酸塩が使用されている。亜
硝酸塩は食肉中のミオグロビンと反応し、ニトロソミオ
グロビンを生成することにより、加工肉製品に望ましい
ピンク色(赤色)を生成するとともに、その殺菌・抗菌
効果により製品の微生物的汚染を防止し、製品の品質保
持、保存性の向上に有効である。また、硝酸塩は、加工
肉製品の加工中において亜硝酸塩に還元され、亜硝酸塩
と同様の作用をもたらしている。
【0004】しかしながら、近年、亜硝酸塩とアミンと
の生体内外での反応により生成するニトロソアミンの発
ガン性が注目され、アメリカにおいては、ホットドック
の摂取と白血病の発症率との関係についての調査結果が
報告され[キャンサー・コウズイズ・コントロール(Can
cer Causes Control) 、第5巻、第2号、第195〜2
02ページ、1994年]、亜硝酸塩の摂取と発ガン性
の関連が大きな問題となっている。従って亜硝酸塩及び
硝酸塩の加工肉製品への添加が、大きな問題となってい
る。また、近年、自然食志向の傾向が強くなり、一般に
食品に対する添加物は添加量を制限するか、又は添加物
を使用していない食品が、消費者から望まれている。
【0005】以上の状況から、既に硝酸塩、亜硝酸塩を
添加しない加工肉製品(ハム、ソーセージ等)の製造に
ついて検討されており、商品化もなされているが、硝酸
塩、亜硝酸塩による発色が無く、保存性が充分でないた
めに品質上問題があった。
【0006】一方、加工肉製品の発色に微生物が関与す
ることも知られている。イタリアのパルマハム、アメリ
カのバージニアハム等は亜硝酸塩無添加にもかかわらず
良好な発色が得られている(第36回日本食肉研究会講
演要旨集、第28〜30ページ、1995年)。これは
食肉加工工程に使用するピックル液中のスタフィロコッ
カス属の細菌が発色に関与するためであり、このスタフ
ィロコッカス属の細菌については、加工肉の発色改良用
スターターとして実用化され、市販されている[クリス
チャン・ハンセン社(Christian Hansen's Laboratorium
A/S, Denmark)]。しかしながら、スタフィロコッカス
属の細菌の中には食中毒を惹起するスタフィロコッカス
・アウレウス(Staphylococcus aureus) 等が含まれてい
るので、安全性に関して問題がある。
【0007】また、加工肉製品の発色に関与する乳酸菌
については、生又は熱処理された肉類に対し、耐塩性乳
酸菌を添加することを特徴とする肉類の発色、保存法
(特公昭63−59671号公報)、耐塩性乳酸菌とp
H調整剤とを併用する方法(特公昭62−10136号
公報)、生肉をキュアリングする際、キュアリング塩に
亜硝酸塩と耐塩性ラクトバシラス・アシドフィルス(Lac
tobacillus acidophils)及び/又は耐塩性ストレプトコ
ッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)とを共存
させる方法(特公昭61−46107号公報)が開示さ
れている。
【0008】しかしながら、これらの方法における耐塩
性乳酸菌としては12〜18%食塩濃度の糠味噌で生育
する菌として、ラクトバシラス・アシドフィルス(Lacto
bacillus acidophils)、ストレプトコッカス・ラクティ
ス(Streptococcus lactis)等が開示されているが、非耐
塩性の乳酸菌であるラクトバシラス・ファーメンタム(L
actobacillus fermentum) を使用する加工肉製品の製造
方法については記載されていない。
【0009】また、ラクトバシラス・ファーメンタムJ
CM1173等に肉中のミオグロビンをその赤色誘導体
に変換する活性も報告されているが[ジャーナル・オブ
・フード・サイエンス(Journal of Food Science) 、第
58巻、第38〜42ページ、1993年]、耐塩性ラ
クトバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus ferment
um) を利用した加工肉製品の製造方法については報告が
皆無である。
【0010】更に、ラクトバシラス・ファーメンタム(L
actobacillus fermentum) は、ガス、揮発性成分を生成
し、チーズ、ワインの品質低下をもたらす場合があるこ
とも知られている(日本微生物学協会編、「微生物学辞
典」、第1版、第1134ページ、技報堂、1989
年)。
【0011】前記のとおり、安全であり、加工肉製品の
発色及び風味が良好であり、かつ通常の細菌を使用した
加工肉製品の製造方法が待望されていたのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記従
来技術に鑑みて、安全であり、加工肉製品の発色及び風
味が良好であり、かつ通常の細菌を使用した加工肉製品
の製造方法について鋭意研究を行った結果、耐塩性ラク
トバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentu
m) が、加工肉製品に望ましい発色及び風味を与え、繁
雑な製造工程が不要であることを見い出し、本発明を完
成した。
【0013】本発明の目的は、安全であり、加工肉製品
の発色及び風味が良好であり、かつ通常の細菌を使用し
た加工肉製品の製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、加工肉製品の原料に、非耐塩性ラクトバシラス・
ファーメンタム(Lactobacillus fermentum) を添加し、
加工肉製品を発色させることを特徴とする風味良好な加
工肉製品の製造方法であり、非耐塩性ラクトバシラス・
ファーメンタム(Lactobacillus fermentum) の添加量
が、加工肉製品の原料1g当たり少なくとも105 の割
合であること、発色が、5〜45℃の温度で10時間〜
3日間行われること及び非耐塩性ラクトバシラス・ファ
ーメンタム(Lactobacillus fermentum) が、ラクトバシ
ラス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum) JC
M1173又はラクトバシラス・ファーメンタム(Lacto
bacillus fermentum) JCM1560であることを望ま
しい態様としてもいる。
【0015】次に本発明について詳記する。
【0016】本発明に使用する加工肉製品の原料は、ハ
ム、ソーセージ、ベーコン等の公知の原料であり、常法
により調製することができる。加工肉製品の原料には、
硝酸塩又は亜硝酸塩を添加する必要はないが、常法によ
り添加する場合は、常法の使用量の約1/4以下の量で
十分その効果を達成することができる。即ち、常法によ
り製造されたソーセージには、亜硝酸ナトリウムが80
ppm程度、また、ハムの製造に使用するピックル液中
には、硝酸カリウムが1%程度及び亜硝酸ナトリウムが
0.08%程度使用されているが、本発明の方法におい
てこれらを使用する場合、いずれも約1/4以下の量で
十分その効果を達成し得る。
【0017】本発明に使用する非耐塩性ラクトバシラス
・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum) は、公知
の菌株であり、例えば、理化学研究所のJCM(Japan C
ollection of Microorganisms)等から容易に入手でき
る。耐塩性微生物は、「食塩を含有しない培地にも繁殖
するが,食塩を5〜20%含有する培地にもまた繁殖す
ることができる微生物の総称」と定義されているが(化
学大辞典編集委員会編、「化学大辞典 5」、初版、第
559ページ、共立出版、昭和36年)、本発明におい
て非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobaci
llus fermentum)は、5%の濃度で食塩を含有する培地
において繁殖しないか、又は繁殖が著しく抑制されるラ
クトバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus ferment
um) を意味する。
【0018】本発明においては、この菌を常法により培
養し、培地から菌体を回収し、蒸留水で菌体を水洗し、
蒸留水に懸濁して加工肉製品の原料に添加するが、回収
した菌体の濃縮凍結菌体、凍結乾燥菌体等として添加す
ることもできる。菌体の添加量は、後記する試験例から
明らかなとおり加工肉製品の原料1g当たり少なくとも
105 の割合、望ましくは106 以上の割合である。
【0019】本発明においては、加工肉製品の原料に、
前記の割合で非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム
(Lactobacillus fermentum) を添加し、均一に混合し、
5〜45℃の温度で4時間〜3日間保持して発色させ、
以下常法により加工肉製品を製造することができる。非
耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus
fermentum) による発色は、添加した微生物の死滅を防
止するため、加熱殺菌工程の前又は燻煙工程の前に行わ
れることはいうまでもないことである。
【0020】非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム
(Lactobacillus fermentum) の発色、風味改良は酸素の
少ない条件下でより高い効果を発揮するので、非耐塩性
ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus ferme
ntum) 添加後の各工程において、可能な限り酸素の影響
を少なくすること、即ち製品中の酸素含有量を可及的に
減少させること、及び加工肉製品を充填する容器として
は、酸素透過性の低い素材を使用するか、又は真空パッ
ク等の処置をすることが望ましい。
【0021】以上記載したとおり、本発明の方法は、硝
酸塩、亜硝酸塩を添加しない場合であっても、安全な乳
酸菌である非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(L
actobacillus fermentum) を添加する簡単な工程によ
り、加工肉製品の発色が十分であり、併せて風味良好な
加工肉製品の製造が可能である。
【0022】次に試験例を示して本発明を詳記する。
【0023】試験例1 この試験は、加工肉製品の発色に有効な乳酸菌を調べる
ために行った。
【0024】1)試料の調製 表1に示す各乳酸菌を、それぞれ別個にMRS培地(デ
ィフコ社製)に接種し、37℃の温度で18時間培養
し、培養終了後集菌し、菌体を蒸留水で洗浄し、109
の濃度で蒸留水に再懸濁し、乳酸菌懸濁液を調製した。
尚、非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactoba
cillus fermentum) JCM1173及び非耐塩性ラクト
バシラス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)
JCM1560は、理化学研究所から入手し、その他の
乳酸菌は、本発明らが所有している菌株であり、いずれ
も5%の濃度で食塩を含有するMRS培地で繁殖しない
か、又は著しく繁殖が抑制される乳酸菌である。
【0025】これとは別に、豚挽き肉915g、食塩2
5g、アスコルビン酸ナトリウム(関東化学社製)0.
55g及びグルコース(関東化学社製)10gを均一に
混合し、ソーセージの原料を調製した。この加工肉製品
の原料に、前記各乳酸菌懸濁液をソーセージの原料1g
当たり106 の割合でそれぞれ別個にに添加し、このソ
ーセージの原料を常法により約20gずつケーシングに
充填し、25℃の温度で18時間加温処理し、のち75
℃で30分間加熱殺菌した。
【0026】また、乳酸菌を添加せず前記と同一の方法
で調製した試料(対照1)及び乳酸菌を添加せずに亜硝
酸ナトリウムを80ppm添加し、前記と同一の方法で
調製した試料(対照2)を調製した。
【0027】2)試験方法 発色の程度は、各試料を色差計(日本電色工業社製)を
用い、L(明るさを示し、最も明るい場合が100、最
も暗い場合が0)、a(+が赤色、−が緑色)、b(+
が黄色、−が青色)の3項目を測定し、対照1の各測定
値をL0 、a0及びb0 、並びに各試料のそれらをL、
a及びbとし、次式から色差ΔEを算出し、色差を試験
した。
【0028】
【外1】 また、風味は、男女各10名からなるテストパネルによ
り各試料を官能検査し、良い、普通及び悪いの評価を、
それぞれ1、2及び3と表示し、その平均値を算出して
試験した。
【0029】3)試験結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。表1から明
らかなとおり、非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタ
ム(Lactobacillus fermentum) JCM1173及び非耐
塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus f
ermentum) JCM1560を添加した試料では、亜硝酸
ナトリウムを80ppm添加した試料より若干発色の程
度が劣るが、他の乳酸菌を添加した試料よりも格段に発
色が優れていることが認められた。特に、非耐塩性ラク
トバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentu
m) JCM1173を添加した試料では、風味も良好で
あり、使用した乳酸菌の中で極めて良好な結果が得られ
た。
【0030】これに対して、その他の乳酸菌を添加した
試料では、対照1と同様に発色が極めて不良であり、実
用上不適当であることが判明した。
【0031】尚、加工肉製品の原料の種類を変更して試
験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0032】
【表1】
【0033】試験例2 この試験は、加工肉製品の発色剤の併用効果を調べるた
めに行った。
【0034】1)試料の調製 非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacill
us fermentum) JCM1173を用いたこと及び亜硝酸
ナトリウムを表2に示す濃度で添加したことを除き、試
験例1と同一の方法により試料、並びに対照試料を調製
した。
【0035】2)試験方法 試験例1と同一の方法により試験した。
【0036】3)試験結果 この試験の結果は表2に示すとおりである。表2から明
らかなとおり、非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタ
ム(Lactobacillus fermentum) JCM1173及び亜硝
酸ナトリウムを併用した場合、亜硝酸ナトリウムの添加
量が、通常の添加量(80ppm)未満であっても、常
法で製造したものとほぼ同等の結果が得られた。従っ
て、本発明の方法により、亜硝酸ナトリウム等の発色剤
を使用する場合であっても、その量を著しく減少し得る
ことが判明した。
【0037】尚、加工肉製品の原料の種類を変更して試
験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0038】
【表2】
【0039】試験例3 この試験は、添加する乳酸菌の割合を調べるために行っ
た。
【0040】1)試料の調製 非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacill
us fermentum) JCM1173を用いたこと及び表3に
示す濃度で乳酸菌を添加したことを除き、試験例1と同
一の方法により試料及び対照試料を調製した。
【0041】2)試験方法 試験例1と同一の方法により試験した。
【0042】3)試験結果 この試験の結果は表3に示すとおりである。表3から明
らかなとおり、非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタ
ム(Lactobacillus fermentum) JCM1173を添加す
る割合は、加工肉製品の原料1g当たり105 の割合が
最低の添加量であり、望ましくは加工肉製品の原料1g
当たり106 以上の割合であることが認められた。
【0043】尚、加工肉製品の原料の種類を変更して試
験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0044】
【表3】 次に実施例を示して本発明を更に詳記するが、本発明
は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0045】
【実施例】
【0046】実施例1 市販の豚挽き肉915g、食塩25g、アスコルビン酸
ナトリウム(関東化学社製)0.55g及びグルコース
(関東化学社製)10gを均一に混合し、ソーセージ原
料を調製した。試験例1と同一の方法により調製した非
耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus
fermentum) JCM1173(理化学研究所から入手)
を前記ソーセージ原料1g当たり106 の割合で添加
し、均一に混合し、常法により約20gずつケーシング
に充填し、密封し、25℃の温度で18時間加温し、発
色させ、のち75℃で30分間加熱殺菌し、ソーセージ
45個を得た。
【0047】得られたソーセージを試験例1と同一の方
法により試験した結果、いずれも発色及び風味とも良好
であった。
【0048】実施例2 市販の豚ロース肉1kgに、非耐塩性ラクトバシラス・
ファーメンタム(Lactobacillus fermentum) JCM11
73(理化学研究所から入手)を豚肉1g当たり106
の割合で常法のインジェクション法により添加し、食塩
12%、亜硝酸ナトリウム(関東化学社製)0.01
%、グルコース(関東化学社製)5%を含むピックル液
に浸漬し、25℃の温度で18時間加温し、発色させ、
のち75℃で90分加熱殺菌し、て約1kgのハムを得
た。
【0049】得られたソーセージを試験例1と同一の方
法により試験した結果、発色及び風味とも良好であっ
た。
【0050】実施例3 非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacill
us fermentum) JCM1173(理化学研究所から入
手)をソーセージ原料1g当たり105 の割合で添加し
たことを除き、実施例1と同一の方法によりソーセージ
を製造した。
【0051】得られたソーセージを試験例1と同一の方
法により試験した結果、発色及び風味とも良好であった
が、実施例1のソーセージよりも、いずれも劣ってい
た。
【0052】実施例4 ケーシングに充填後、5℃の温度で3日間冷蔵し、のち
75℃で30分間加熱殺菌したことを除き、実施例1と
同一の方法によりソーセージを製造した。
【0053】得られたソーセージを試験例1と同一の方
法により試験した結果、発色及び風味とも良好であった
が、実施例1のソーセージよりも、いずれも劣ってい
た。
【0054】実施例5 ケーシングに充填後、45℃の温度で4時間加温し、の
ち75℃で30分間加熱殺菌したことを除き、実施例1
と同一の方法によりソーセージを製造した。得られたソ
ーセージを試験例1と同一の方法により試験した結果、
発色及び風味とも良好であったが、実施例1のソーセー
ジよりも、いずれも劣っていた。
【0055】
【発明の効果】以上詳記したとおり、本発明は、加工肉
製品の原料に、非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタ
ム(Lactobacillus fermentum) を添加し、加工肉製品を
発色させることを特徴とする風味良好な加工肉製品の製
造方法であり、本発明の方法によって奏せられる効果
は、次のとおりである。 1)安全な加工肉製品が得られる。 2)硝酸塩、亜硝酸塩等の発色剤を使用背ずに、良好な
発色の加工肉製品が得られる。 3)風味の良好な加工肉製品が得られる。 4)繁雑な工程を要することなく、優れた品質の加工肉
製品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八重島 智子 神奈川県座間市東原5丁目1番83号 森永 乳業株式会社栄養科学研究所内 (72)発明者 松熊 宏幸 神奈川県座間市東原5丁目1番83号 森永 乳業株式会社栄養科学研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工肉製品の原料に、非耐塩性ラクトバ
    シラス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum) を
    添加し、加工肉製品を発色させることを特徴とする風味
    良好な加工肉製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタ
    ム(Lactobacillus fermentum) の添加量が、加工肉製品
    の原料1g当たり少なくとも105 の割合である請求項
    1に記載の風味良好な加工肉製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 発色が、5〜45℃の温度で4時間〜3
    日間行われる請求項1又は請求項2に記載の風味良好な
    加工肉製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタ
    ム(Lactobacillus fermentum) が、ラクトバシラス・フ
    ァーメンタム(Lactobacillus fermentum) JCM117
    3又はラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus
    fermentum)JCM1560である請求項1乃至請求項
    3に記載の風味良好な加工肉製品の製造方法。
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