JPH0995735A - 耐震性に優れる鉄筋用鋼材の製造方法 - Google Patents

耐震性に優れる鉄筋用鋼材の製造方法

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JPH0995735A
JPH0995735A JP25765495A JP25765495A JPH0995735A JP H0995735 A JPH0995735 A JP H0995735A JP 25765495 A JP25765495 A JP 25765495A JP 25765495 A JP25765495 A JP 25765495A JP H0995735 A JPH0995735 A JP H0995735A
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八寿男 黒川
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芳彦 鎌田
Norihito Kunitani
法仁 訓谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】降伏強度が345MPa以上、降伏比が0.8
以下、降伏伸びが1.4%以上、且つ、シャルピー衝撃
値が27J/cm2 以上である耐震性に優れたコンクリ
ート鉄筋用鋼材の製造方法を提供する。 【解決手段】特定の組成を有する鋼材を、950〜12
50℃の温度域に加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧
延及び/又は仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面
を600〜700℃の温度域に急冷することを1回〜5
回繰り返しながら圧延し、更に、圧延仕上げ温度を75
0〜950℃の範囲に制御して圧延を終了し、その後3
℃/sを超え10℃/sまでの冷却速度で550〜40
0℃の温度域の温度まで加速冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐震性に優れる鉄
筋用鋼材の製造方法に関し、より詳しくは降伏強度が3
45MPa以上、降伏比が0.8以下、降伏伸びが1.
4%以上、且つ、シャルピー衝撃値が27J/cm2
上である耐震性に優れたコンクリート鉄筋用鋼材の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来コンクリート用鉄筋には、JIS G 31
12に「鉄筋コンクリ−ト用棒鋼」としてその化学成分と
機械的性質が規格化された鋼材が用いられてきた。現
在、この規格鋼材は通常の一般ビル建築構造用鉄筋とし
て使用されている。
【0003】しかしながら、先の兵庫県南部地震を始め
とした巨大地震の発生を契機に、耐震基準の見直しが行
われており、その結果、従来の鉄筋用鋼材よりも高強度
で高靭性を有する鉄筋用鋼材に対する要求が大きくなっ
ている。
【0004】高強度鉄筋用鋼材に関しては、例えば特公
平7−26152号公報に「降伏伸びの大きい高強度鉄
筋用鋼の製造方法」が提案されている。この公報に記載
の方法で製造すれば、確かに鉄筋用鋼に高い降伏強度と
大きな降伏伸びを付与することが可能ではある。しか
し、鉄筋用鋼の靭性について配慮された製造方法にはな
っていない。そのため、前記の公報に提案された方法で
製造された高強度鉄筋用鋼は、建物に衝撃的に大きな応
力がかかる巨大地震が発生した際の備えとしては必ずし
も充分なものとは言えない。
【0005】特公昭63−64494号公報には「降伏
棚比の大きい高強度鉄筋用鋼の製造法」が提案されてい
る。この公報に記載の技術では高強度鉄筋用鋼の靭性に
対して配慮はなされているものの、所謂「降伏棚比」を
規定して靭性を確保しようとするものである。そのた
め、建物に衝撃的に複雑で大きな応力がかかる巨大地震
に対しては、前記公報に提案された方法で製造された高
強度鉄筋用鋼も必ずしも充分な備えになるとは言い難
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
みなされたもので、その目的は降伏強度が345MPa
以上、降伏比が0.8以下、降伏伸びが1.4%以上で
あって、且つ、2mmVノッチシャルピー衝撃値が27
J/cm2 以上である耐震性に優れる鉄筋用鋼材を、高
い生産性の下に製造する方法を提供することにある。特
に、上記特性を満足させることで耐震性能を大幅にアッ
プし、先の兵庫県南部地震のような巨大地震が発生して
も充分耐え得るような、耐震性に優れたコンクリート用
鉄筋の製造方法を提供することを最大の目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために先ず現行のJIS G 3112規格鋼材の常温
における衝撃試験及び引張試験を行い、耐震性能上の問
題点を検討した。その結果、JIS規格鋼材は耐震鉄筋
用鋼材に必要な機械的特性、なかでも靭性、引張伸び及
び降伏比が低く、耐震鉄筋用として使用するにはあまり
好ましくないことが明らかとなった。従って、構造物の
安全性を高めるためには靭性に優れ、且つ、引張伸びと
降伏比の高い高強度鉄筋を使用することが重要であると
の結論に達した。
【0008】そこで本発明者は次に、耐震性能と機械的
特性の関係、更には靭性、引張伸び及び降伏比を高める
ことのできる組織に関して検討を重ねた結果、下記〜
の知見を得た。
【0009】衝撃的に複雑で大きな応力がかかる場
合、鋼材の靭性としては所謂「降伏棚比」を確保するよ
りも衝撃値そのものを大きくすることが重要である。
【0010】鋼材の表面近傍を微細なフェライト・パ
−ライト組織とすれば衝撃値、引張伸び及び降伏比を高
めることができる。
【0011】上記の組織とするには中間圧延及び/又
は仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜
700℃の温度域に急冷すればよい。
【0012】上記の処理に続いて圧延仕上げ温度を
750〜950℃の範囲に制御し、その後3℃/sを超
え10℃/sまでの冷却速度で550〜400℃の温度
域の温度まで加速冷却すれば効果が大きい。
【0013】兵庫県南部地震クラスの巨大地震に対し
て高層ビルや橋梁などが耐え得るためには、少なくとも
コンクリート鉄筋用鋼材には、(イ)降伏強度345M
Pa以上、降伏比0.8以下、降伏伸び1.4%以上の
引張特性と、(ロ)2mmVノッチシャルピー衝撃値2
7J/cm2 以上の衝撃特性、の双方が必要である。
【0014】上記との処理を行えば、サイズが呼
び名D32以上の太径であっても、降伏強度が345M
Pa以上、降伏比が0.8以下、降伏伸びが1.4%以
上、2mmVノッチシャルピー衝撃値が27J/cm2
以上を有する微細なフェライト・パ−ライト組織からな
る鉄筋用鋼材が得られる。
【0015】上記知見に基づく本発明は、下記(1)と
(2)に示す耐震性に優れる鉄筋用鋼材の製造方法を要
旨とする。
【0016】(1)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕
上げ圧延の各工程からなる耐震性に優れる鉄筋用鋼材の
製造方法であって、重量%で、C:0.10〜0.40
%、Si:0.05〜0.60%、Mn:0.60〜
2.00%、Al:0.005〜0.080%、N:
0.001〜0.007%、B:0〜0.0080%、
P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cu:
0.3%以下、Ni:0.3%以下、Mo:0.1%以
下、Ti:0.01%以下、残部Fe及び不可避不純物
の組成を有する鋼材を、950〜1250℃の温度域に
加熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/又は仕上
げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜700
℃の温度域に急冷することを1回〜5回繰り返しながら
圧延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範
囲に制御して圧延を終了し、その後3℃/sを超え10
℃/sまでの冷却速度で550〜400℃の温度域の温
度まで加速冷却することを特徴とする耐震性に優れる鉄
筋用鋼材の製造方法。
【0017】(2)圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕
上げ圧延の各工程からなる耐震性に優れる鉄筋用鋼材の
製造方法であって、上記(1)に記載の成分、並びに重
量%で、V:0.01〜0.20%及びNb:0.01
〜0.10%の1種以上、残部Fe及び不可避不純物の
組成を有する鋼材を、950〜1250℃の温度域に加
熱して粗圧延を行い、次いで中間圧延及び/又は仕上げ
圧延のパス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃
の温度域に急冷することを1回〜5回繰り返しながら圧
延し、更に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範囲
に制御して圧延を終了し、その後3℃/sを超え10℃
/sまでの冷却速度で550〜400℃の温度域の温度
まで加速冷却することを特徴とする耐震性に優れる鉄筋
用鋼材の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各要件について詳
しく説明する。なお、成分含有量の「%」は「重量%」
を意味する。
【0019】(A)鋼材の化学組成 C:Cは強度を高めるのに有効な元素である。しかし、
その含有量が0.10%未満では添加効果に乏しく所望
の強度が得られない。一方、0.40%を超えると、本
発明の製造方法によっても製品鋼材の靭性が目標値に達
しない。従って、Cの含有量を0.10〜0.40%と
した。
【0020】Si:Siは焼入れ性と強度を向上させる
のに有効な元素である。しかし、その含有量が0.05
%未満では所望の強度が確保できず、0.60%を超え
ると靭性の劣化を招くことになるので、その含有量を
0.05〜0.60%とした。
【0021】Mn:Mnは鋼の焼入れ性向上及び熱間延
性向上に有効な元素である。しかし、その含有量が0.
60%未満では充分な焼入れ性が得られず、2.00%
を超えて含有させると偏析を起こし、却って熱間延性が
低下するようになる。従って、Mnの含有量を0.60
〜2.00%とした。
【0022】Al:Alは鋼の脱酸の安定化及び均質化
を図る作用がある。更に、Nと結合して微細なAlNを
形成し結晶粒を微細にして靭性と強度を向上させる効果
も有する。
【0023】しかし、その含有量が0.005%未満で
は所望の効果が得られず、0.080%を超えると前記
効果が飽和するばかりか、却って熱間圧延中に鋼材表面
に割れを生ずることとなるので、Alの含有量を0.0
05〜0.080%とした。
【0024】N :NはAlと結合して微細なAlNを
形成し、結晶粒を微細にして靭性と強度を向上させる作
用を有する。しかし、その含有量が0.007%未満で
は結晶粒を微細化するのに有効な量のAlNが生成しな
くなり、一方、0.007%を超えると、靭性の劣化を
招く。従って、Nの含有量を0.001〜0.007%
とした。
【0025】B:Bは添加しなくても良い。添加すれば
焼入れ性を高める作用がある。この効果を確実に得るに
はBは0.0003%以上の含有量とすることが望まし
い。しかし、その含有量が0.0080%を超えると前
記効果が飽和することに加えて、結晶粒の粗大化をきた
して靭性の劣化を招く場合がある。従って、Bの含有量
を0〜0.0080%とした。
【0026】P、S、Cu、Ni、Mo及びTi:本発
明で用いる鋼が上記の成分元素に加えて、P、S、C
u、Ni、Mo及びTiを通常の不純物のレベルで含ん
でいても、本発明によって得られる耐震性に優れる鉄筋
用鋼材の特性に対しては何ら影響がない。従って、不純
物元素としてP:0.030%以下、S:0.030%
以下、Cu:0.3%以下、Ni:0.3%以下、M
o:0.1%以下及びTi:0.01%以下とした。な
お、鉄筋用鋼材の靭性を高めておけば、衝撃的に複雑で
大きな応力が加わった場合でもコンクリート構造物の安
全性は大きなものとなるので、2mmVノッチシャルピ
ー衝撃値のより大きな値を確保するために、特に不純物
元素としてのPは0.015%以下に、又、Sも0.0
15%以下に規制することが好ましい。
【0027】本発明に係る鋼にはその組成として、上記
の成分に加えて、更に、V及びNbのうちの1種以上を
含んでいても良い。これらの合金元素の作用効果と望ま
しい含有量は下記のとおりである。
【0028】V、Nb:V及びNbは鋼の焼入れ性を向
上させるとともに、鋼中で炭化物を形成して結晶粒を微
細化して靭性と強度を向上させる効果を有する。従っ
て、V及びNbは必要に応じて一方又は両方を添加して
も良い。しかし、Vの場合には0.01%未満の含有量
では所望の効果が得られず、0.20%を超えて含有す
ると前記効果が飽和するばかりか、却って脆化現象を引
き起こし常温衝撃値の大きな低下を招く。一方、Nbの
場合にも、0.01%未満の含有量では所望の効果が得
られず、0.10%を超えて含有すると前記効果が飽和
するばかりか、却って脆化現象を引き起こし靭性の低下
を招く。従って、これらの合金元素を1種以上添加する
場合には、V:0.01〜0.20%、Nb:0.01
〜0.10%の含有量とするのが良い。
【0029】(B)熱間圧延 (B−1)加熱 熱間での連続圧延に際しての加熱温度は、オーステナイ
ト結晶粒の粗大化を防ぐため低温であることが望ましい
が、950℃未満では圧延時に割れを生ずる恐れがあ
り、又低温ほど圧延抵抗が高くなって圧延機に過度の負
荷がかかる。一方、加熱温度が1250℃を超えると圧
延素材の表面酸化が著しくなって圧延時に表面割れを生
ずる。従って、加熱温度を950〜1250℃とした。
【0030】(B−2)中間圧延及び/又は仕上げ圧延
のパス間水冷 熱間連続圧延工程は、粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧延
の3工程からなるが、このうち中間圧延及び/又は仕上
げ圧延のパス間において水冷を行い、鋼材の表面を60
0〜700℃の温度域に急冷することを1〜5回繰り返
しながら圧延することが重要である。すなわち、中間圧
延及び/又は仕上げ圧延のパス間で水冷して鋼材の表面
をAr1点を下回る700℃以下に急冷してオ−ステナイ
トからフェライトとパ−ライトに変態させる処理と、鋼
材内部の保有熱により復熱させてフェライト・パ−ライ
トからオ−ステナイトへ逆変態させる処理を繰り返すこ
とにより、最終的な鋼材の組織を微細なフェライト・パ
ーライト組織にすることが必要である。前記の処理によ
って鋼材の表面を微細なフェライト・パーライト組織に
することで始めて鋼材の靭性と強度を著しく改善するこ
とが可能となる。
【0031】パス間水冷した場合の鋼材表面温度が70
0℃を上回る場合はオ−ステナイトからフェライトとパ
−ライトへの変態が充分起こらないので所望の組織が得
られず、600℃を下回る場合は鋼材内部の保有熱によ
る復熱による再加熱が充分でないためフェライト・パ−
ライトからオ−ステナイトへの逆変態が不十分となって
やはり所望の組織が得られない。従って、前記のパス間
水冷を行う場合に鋼材の表面を急冷する温度は600〜
700℃の温度域としなければならない。
【0032】前記したパス間水冷を1回以上行うことに
より、鋼材表面を微細なフェライト・パ−ライト組織に
することが可能であるが、6回以上繰り返してもフェラ
イト・パーライト組織を微細化する効果が飽和する。従
って、パス間水冷は1〜5回繰り返すこととした。
【0033】ところで、パス間水冷する「鋼材表面」は
単に鋼材の表面に留まらず、鋼材表面から半径比で0.
3の深さの部位までであっても良い。パス間水冷によっ
て600〜700℃の温度域に急冷される部位が前記深
さまでの場合には所謂「表面部」の組織が微細となっ
て、降伏強度345MPa以上、降伏比0.8以下、降
伏伸び1.4%以上、2mmVノッチシャルピー衝撃値
が27J/cm2 以上という耐震鉄筋用鋼材に必要な特
性を付与することができるためである。これに対して前
記深さが鋼材表面から半径比で0.3の深さを超える
と、内部保有熱量が小さくなって復熱による再加熱が充
分起こらなくなって所望の組織が得られなくなるととも
に、急冷後の圧延時に変形抵抗が大きくなって圧延機に
過度の負荷がかかってしまう。
【0034】(B−3)圧延仕上げ温度 結晶粒微細化のためには圧延仕上げ温度を低くするほど
効果があるが、750℃を下回ると圧延機に対する負荷
が過大となることに加えて鋼材に表面割れが生じるよう
になり、一方、950℃を超えると結晶粒が粗大化して
所望の微細な組織が得られなくなるので、圧延仕上げ温
度を750〜950℃とした。なお、この圧延仕上げ温
度は、被圧延鋼材自身の復熱及び圧延時の加工発熱によ
って確保できる。
【0035】(C)圧延後の冷却 圧延終了後は鋼材を3℃/sを超え10℃/sまでの冷
却速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速冷却
する必要がある。10℃/sを超える冷却速度で加速冷
却した場合には、表層部は焼きが入った所謂「低温変態
組織」となり内部はフェライト・パ−ライト組織となっ
て、組織が不均一となるため靭性並びに引張り特性の劣
化を招く。一方、3℃/s以下の冷却速度では中心部の
組織が粗大なフェライト・パ−ライト組織となるため所
望の機械的特性(靭性並びに引張特性)が得られない。
従って、圧延後の冷却速度は3℃/sを超え10℃/s
までとした。
【0036】加速冷却する温度が550℃を超える場合
にはたとえ3℃/sを超え10℃/sまでの冷却速度で
加速冷却しても所望の組織とならず、そのため所望の機
械的特性が得られない。一方、加速冷却する温度が40
0℃を下回れば鋼材の内部まで焼きの入った組織となっ
て、やはり所望の機械的特性が得られなくなる場合があ
る。従って、3℃/sを超え10℃/sまでの冷却速度
で加速冷却する温度を550〜400℃の温度域の温度
とした。この加速冷却を行った後は放冷すれば良い。
【0037】なお、ここでいう冷却速度とは鋼材表面に
おける冷却速度のことである。
【0038】上記の(A)に示した成分組成を有する鋼
材に、上記の(B)及び(C)に示した条件によって制
御圧延・加速冷却を行うことにより、降伏強度が345
MPa以上、降伏比が0.8以下、降伏伸びが1.4%
以上、2mmVノッチシャルピー衝撃値が27J/cm
2 以上という特性を有する耐震性に優れる高強度・高靭
性鉄筋を製造することができる。
【0039】
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を通常の方法により
70t転炉溶製した。表1において、鋼A〜Cは成分の
いずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外れた比
較鋼であり、鋼D〜Hは本発明の対象鋼(以下、本発明
鋼という)である。
【0040】次いで、これらの鋼を連続鋳造法により鋼
片となし、更に、通常の方法で3tビレットに分塊圧延
した。
【0041】この後、前記の3tビレットに表2〜8に
示す条件で連続圧延と冷却を施し、直径が32、35、
38、41及び51mmの棒鋼を製造した。
【0042】こうして得られた棒鋼から制御圧延・冷却
したままの直径で長さが30mmの組織観察用試験片を
切り出し、表面から半径比で0.3の深さの部位の組織
を光学顕微鏡によって観察した。
【0043】又、棒鋼の表面部からJIS4号引張試験
片及びJIS4号衝撃試験片(2mmVノッチシャルピ
ー衝撃試験片)を採取し、常温(20℃)での衝撃特性
及び引張特性を調査した。
【0044】試験結果の一例を表9〜15に示す。表9
〜15によれば、本発明で規定する化学組成を有する鋼
を、本発明で規定する条件で「熱間圧延−加速冷却」す
れば所望の降伏強度、降伏比、降伏伸び及びシャルピー
衝撃値が得られることが明らかである。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
【表11】
【0056】
【表12】
【0057】
【表13】
【0058】
【表14】
【0059】
【表15】
【0060】
【発明の効果】本発明の耐震性に優れる鉄筋用鋼材の製
造方法によれば、比較的容易に、且つ高い生産性の下
に、降伏強度が345MPa以上、降伏比が0.8以
下、降伏伸びが1.4%以上で、且つ、2mmVノッチ
シャルピー衝撃値が27J/cm以上を有する耐震性
に優れた鉄筋用鋼材を製造することが可能である。従っ
て、ビルなどの鉄筋コンクリート用として使用される場
合にも安全性の高い耐震性能に優れた構造用鉄筋を提供
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
    延の各工程からなる耐震性に優れる鉄筋用鋼材の製造方
    法であって、重量%で、C:0.10〜0.40%、S
    i:0.05〜0.60%、Mn:0.60〜2.00
    %、Al:0.005〜0.080%、N:0.001
    〜0.007%、B:0〜0.0080%、P:0.0
    30%以下、S:0.030%以下、Cu:0.3%以
    下、Ni:0.3%以下、Mo:0.1%以下、Ti:
    0.01%以下、残部Fe及び不可避不純物の組成を有
    する鋼材を、950〜1250℃の温度域に加熱して粗
    圧延を行い、次いで中間圧延及び/又は仕上げ圧延のパ
    ス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度域
    に急冷することを1回〜5回繰り返しながら圧延し、更
    に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に制御し
    て圧延を終了し、その後3℃/sを超え10℃/sまで
    の冷却速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速
    冷却することを特徴とする耐震性に優れる鉄筋用鋼材の
    製造方法。
  2. 【請求項2】圧延工程が粗圧延、中間圧延及び仕上げ圧
    延の各工程からなる耐震性に優れる鉄筋用鋼材の製造方
    法であって、請求項1に記載の成分、並びに重量%で、
    V:0.01〜0.20%及びNb:0.01〜0.1
    0%の1種以上、残部Fe及び不可避不純物の組成を有
    する鋼材を、950〜1250℃の温度域に加熱して粗
    圧延を行い、次いで中間圧延及び/又は仕上げ圧延のパ
    ス間で水冷して鋼材の表面を600〜700℃の温度域
    に急冷することを1回〜5回繰り返しながら圧延し、更
    に、圧延仕上げ温度を750〜950℃の範囲に制御し
    て圧延を終了し、その後3℃/sを超え10℃/sまで
    の冷却速度で550〜400℃の温度域の温度まで加速
    冷却することを特徴とする耐震性に優れる鉄筋用鋼材の
    製造方法。
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